妊娠~出産でお母さんの歯は悪くなるってホント? (改訂版)
昔の人は(イマドキのお母さんでも?)、「赤ちゃんをひとり産む度に、歯が1本ダメになる。」と言われました。
そして、その理由として、「歯のカルシウムが溶けて、赤ちゃんに取られてしまうから。」と、まことしやかに伝えられてきました。
何だかもっともらしい話ですね。
実際、妊娠中に虫歯が酷くなるお母さんは結構多いし、厚生労働省が毎年データを取っていますが、日本人に唯一不足している栄養素がカルシウムだってことは、栄養士さんでなくても周知の事実ですしね。
でもね、「歯のカルシウムが溶けてしまうから。」というのは違うんだなぁ。
妊娠中は悪阻(=つわり)のある方はえづいてしまうから歯磨きが出来ない方が多いし、一度にたくさん食べると吐き気を誘発しやすいので、小分けにして食べている方が多いのですね。
また、レモンなど酸度が高く、クエン酸などが入っているものを好まれる方も多いです。
酸度が高いということはpH的にもどういうことなのか?それが何を意味するのか?・・・読者のみなさんだったら既にご存知ですよね?
その他、吐き気はなくて、“食べつわり”の方もおられますね。(“食べつわり”とは、おなかに何か入れないと気持ち悪くなるため、ダラダラ喰いをすることです。)
これらのことから、妊娠中は口腔ケアのレベルがダウンしているし、飲食回数が多い⇒脱灰優位で⇒再石灰化がし辛い状況にあることこそが、理由なんですね。
産後はどうなのかですって?
産後は”早食い族”になるお母さんがメッチャ多いのですね。
唾液がたくさん出ないうちにゴックンしてしまうことと、おなかが空きやすいので、これまたちょこちょこ喰いになりがちなんですね。
お口のケアをして、適度にカルシウムを含むものを摂取することは大事ですね。
そうそう、カルシウムといえば牛乳ですが、がぶ飲みしちゃうと乳腺炎リスク高まります。
サプリメントですか?
う~ん。どうかなぁ。
いけなくはないけど、小魚や野菜にだってカルシウムは含まれるし、マグネシウムや他の微量元素との兼ね合いで吸収率も変わってきますからね。
カルシウムだけ頑張って摂取すればいいのではないから、普段のお食事のバランスを良くすればいいと思いますよ。