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2013年2月24日 (日)

おっぱいとお薬その55『アレグラ®』(改訂版)

『アレグラ®』は抗ヒスタミン薬の仲間で、第二世代のH1受容体拮抗薬の一種です。
催眠作用が少ないお薬です。
アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎等の際処方されます。
成分は違いますが近似のお薬としては『エバステル®』が挙げられます。

但し注意点が三つあります。
①『アレグラ®』は、お母さんにQT延長症候群がある場合は、処方自体が禁忌とされています。
②『エリスロマイシン®』と併用すると、『アレグラ®』の血中濃度が上昇するので、併用はするべきではありません。
③『ミルマグ®』や『マーロックス®』当の制酸薬と共に内服すると、それらに吸着されて、抗ヒスタミン薬としての吸収量の減少が起こる危険性がありますから、どうしてもこれらの内服が欠かせない場合は、時間を空けて内服した方が望ましいです。(具体的な時間については薬剤師さんに相談して、アドバイスを受けましょう。)


本題に戻ります。
『アレグラ®』や『エバステル®』は薬価が高いのがネックですかねぇ。
あと、半減期が20時間と長い方ですが、アメリカ小児科学会では授乳可能なお薬に分類されています。
というのも、『アレグラ®』はM/P比が0.2と、小さいからです。
(M/P比・・・憶えてますか?)
これはすべてのお薬の添付文書に掲載されている訳ではありませんが、お母さんの血液中からおっぱいへの移行がしやすいかどうかを表している値ですね。
M/P比が低い(≒特に1.0以下)ということは、おっぱいへの移行が少ないから、安全性が高いことを意味します。
内服するなら赤ちゃんへの安全性を考えることが第一ですからね。
勿論、症状が治まれば、ドクターと相談して休薬出来るようにするのがベターです。

最新のデータは下記ウェブサイトをご参照くださいね♪
国立成育医療センター「ママのためのお薬情報」http://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/index.html
大分薬剤師会「母乳とくすりハンドブック」
http://www.oitaog.jp/syoko/binyutokusuri.pdf#search='%E6%8E%88%E4%B9%B3%E8%96%AC%2C%E5%A4%A7%E5%88%86'

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