おっぱいとお薬その57『プリンペラン®』(改訂版)
『プリンペラン®』はメトクロプラミドというお薬の商品名です。
胃炎、消化機能異常(嘔気・食欲不振・腹部膨満感)、乳幼児の嘔吐症や妊娠悪阻の際等に処方されます。
評価については難しいのですが、赤ちゃんがおっぱいを通して摂取するお薬の量は少ないので安全と思われるという説と、赤ちゃんに影響があるという説もありますが、この警告を実証する研究はまだ無いようです。
アメリカ小児科学会では「注意を要する。」とされています。
ただ、臨床的には長年、乳幼児の嘔吐症や妊娠悪阻の際処方されています。
特に妊娠悪阻では経口摂取が困難な妊娠初期の入院加療中の方の点滴内に混和して処方されます。
幾つかの病産院では乳汁分泌促進という裏技を利用して、おっぱいの立ち上がりの遅いお母さんに処方することがあります。
私の勤務先では過去10年間で1人だけ、口唇の端がピクピクしたり手先が震えるというお母さんと、妊娠前に『プリンペラン®』に対し、過敏症であることが判明していた数人の方は服用困難でしたが、それ以外の方は、怖い副作用には遭遇していません。(赤ちゃんへの影響が指摘されていますが、私の勤務先ではそのような事例には遭遇していません。アメリカで過去2例、子どもがおなかの不快感を訴えたというものがあるそうですが。)
ちなみに『プリンペラン®』の半減期は2.5~5時間です。
強いて副作用を挙げるとしたら、私は聞いた分で最多(っていううか、殆どのお母さんが仰るには)胃がスッキリしてやたらとおなかが空いて、お食事がとても美味しく感じられることです。
食の細いお母さんであっても、わりとしっかり食べられたり、早喰い傾向のあるお母さんであっても、胃もたれが少ないという自己申告を受けています。
最新のデータは下記ウェブサイトをご参照くださいね♪
国立成育医療センター「ママのためのお薬情報」http://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/index.html
大分薬剤師会「母乳とくすりハンドブック」
http://www.oitaog.jp/syoko/binyutokusuri.pdf#search='%E6%8E%88%E4%B9%B3%E8%96%AC%2C%E5%A4%A7%E5%88%86'
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