« おっぱいとお薬その49『ノリトレン®』(改訂版) | トップページ | お茶を摂取すると、良いことって?(改訂版) »

2013年2月18日 (月)

出産後お母さんのHTLV感染が発覚したら?

HTLVは成人T細胞白血病(ATLA)を引き起こす、ウィルスです。
感染経路は輸血・性行為・経母乳の3種類と言われています。
ならば・・・と、おっぱいを断念して出生時から人工栄養にされる選択も有りますが、人工栄養であってもHTLVの「感染率」は2.5~5.7%です。(最近、国内で得られたデータから引用。)
決してゼロではないのですね。
何故か?

これは胎内感染・出生時感染が存在するからです。
HTLVの「発症率」は「感染率」よりもさらに低く、栄養方法に関係なく、感染者1000人につき5人とされています。
これだけは、現代の医学では防ぎようがありません。

出産前に病産院で受けた感染症チェックの検査では、何故かHTLVの項目が無く、何らかの理由でお母さんが産後に受けた検査から、HTLV感染が発覚した場合、母乳育児中だったらどうしよう?という問題が発生します。

短期間の母乳栄養は、人工栄養との差が少ないことは、過去記事にも書きましたから、お読みいただいた読者さんは既にご存知かと思います。
何故か?

生後5~6ヶ月迄は胎盤を通して移行したHTLV-抗体が存在することによる予防効果があるからだと推測されているからです。
ですので、生後間もないうちに赤ちゃんがHTLVに感染しているかどうかを調べても移行抗体があるため、感染の有無の判断が出来ません。

直母については、「感染率」を考えて、短期授乳という選択肢を選ばれるお母さんもおられます。
長期授乳は「感染率」が高まりますから、やはり、心配かと思います。
でも、「直母以外の方法でも構わないからとにかくおっぱいをあげたい。」と思っていただけるのであれば、別の方法で続けることが可能です。
どうすればいいのか?

それにはまず、HTLVの性質を知ることが必要です。
HTLVは生きたリンパ球の中でしか生きて行けないという性質があります。
つまり、リンパ球を生きていない状態にすればいいのです。

具体的な方法としては、搾乳し冷凍してそれを解凍して湯煎すれば、赤ちゃんに安全におっぱいをあげることが出来ます。
但し搾乳の冷凍でHTLVを感染力を消滅させるには、
マイナス20度(マイナス18度という文献も有る。)で12時間凍結させることが必要です。
家庭用冷凍庫はマイナス18度です。
なので、可能と言えば可能です。
しかし、12時間凍結が必要というのは、急いでいる時は適していません。
では冷凍以外の方法で、感染力を消滅させることは出来ないのか?

あります。
56度で30分間加温すればいいのです。
フレッシュな搾乳でも冷凍母乳で凍結12時間以内のものであっても、56度で30分間加温すれば、感染細胞は死滅し、感染力が消滅します。

いずれの手段もやたらと手間がかかりますが、こうすれば赤ちゃんに安全におっぱいをあげることができます。

ちなみに、赤ちゃんの感染の有無の最終判断は、3歳くらいまでは経過観察していただき、その時点で血液検査をして、HTLV(-)であれば、大丈夫というのが判断基準とのことでです。

« おっぱいとお薬その49『ノリトレン®』(改訂版) | トップページ | お茶を摂取すると、良いことって?(改訂版) »

☆母子感染」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« おっぱいとお薬その49『ノリトレン®』(改訂版) | トップページ | お茶を摂取すると、良いことって?(改訂版) »

カテゴリー

2020年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

アクセスカウンター

  • アクセスカウンター
    現在の閲覧者数: