先天性股関節脱臼って聞いたことがありますか?
もしも・・・の話ですが、赤ちゃんが先天性股関節脱臼と診断されたとしたら、恐らく装具を付けることになるかと思います。(病状によっては装具の装着で改善しない場合は麻酔下でも用手整復や手術ということもあるかもしれません。)
最近の先天性股関節脱臼自体の発症率は0.1%前後と報告されていますから、大昔(2%)よりは低下していますが、未だに1000人に1人ということです。
この病気の特徴として、なり易い状況というのが分かっています。
ひとつは、赤ちゃんの女性親族(父母双方のおばあちゃん、お母さん、伯母・叔母さん、姉妹など)に先天性股関節脱臼の方がいらっしゃった場合、約4割の確率で発症することです。
もうひとつは、おなかに居る時の姿勢で、逆子のうちで単臀位(たんでんい・・・膝をピンと伸ばして、カラダと脚がV字型になっておなかに居る体勢)である場合も約3割あり、帝王切開で出産しても油断ならないそうです。
男女比では女子の方が5~6倍多く、寒い時期に生まれた赤ちゃんは暑い時期に生まれた赤ちゃんよりも厚着なので、股関節の動きが妨げられがちなので発症し易いそうです。
さらに斜頸(しゃけい)を伴い易く、向き癖と反対側の股関節に発症し易いそうです。
この病気の場合、開排制限(かいはいせいげん・・・股関節の開きが悪い)があり、触診時にクリック音という独特の音がします。
先天性という病名ではありますが、おむつの当て方(大昔のような巻きおむつ。現在でも一部のアメリカインディアンやパキスタンやモンゴルなどのアジア内陸部に暮らす遊牧民では行われている。旦那さんがそちら方面の方であると、現地のお姑さんから赤ちゃんのカラダを棒のように布で巻くよう強要されることもあると聞きます。
仮におむつは普通に股おむつにしていても、その後で脚を伸ばして棒のようにカラダに布を巻きつけるということは、巻きおむつをしているのと同じです。
それから、同じ方向がお母さんの身体に接する横抱っこを長くしていると、その影響で、生後数ヶ月のうちに発症することもあるので、先に述べた条件が該当する場合は、念のため小児科ドクター診察時に、「実は、○○なのですが、この子は先天性股関節脱臼の恐れは心配ないでしょうか?」と一応確認してみた方が良いと思います。
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