おっぱいとお薬その70『メルカゾール®』(改訂版)
『メルカゾール®』は甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑える抗甲状腺薬の一種です。授乳中のお母さんには『プロパジール®』や『チウラジール®』の方が適しています。(安全性としては、『メルカゾール®』は中等度安全の評価ですが、『プロパジール®』と『チウラジール®』は授乳なぁの抗甲状腺薬の評価として、より安全性が高いからです。)
しかし、授乳自体は可能です。
国内のデータというのはまだ少ないですが、20mg/日の『メルカゾール®』を内服をしている授乳中のお母さんの赤ちゃんを12ヶ月間観察しても、赤ちゃんの異常を認めない。また、赤ちゃんの『メルカゾール®』血中濃度は測定感度以下であったとの報告があります。
強いて注意することがあるとしたら、念のため『プロパジール®』『チウラジール®』と同様に、服薬開始若しくは増量されて数ヶ月は、小児科ドクターから赤ちゃんの甲状腺機能検査を実施することをお勧めされるかと思うので、きちんと検査を受けてくださいね。
最新のデータは下記ウェブサイトをご参照くださいね♪
国立成育医療センター「ママのためのお薬情報」http://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/index.html
大分薬剤師会「母乳とくすりハンドブック」
http://www.oitaog.jp/syoko/binyutokusuri.pdf#search='%E6%8E%88%E4%B9%B3%E8%96%AC%2C%E5%A4%A7%E5%88%86'
要するに、『メルカゾール®』の服用を続けられても赤ちゃんの甲状腺機能に支障を来さなければ、母乳育児を続けても差し支えないということです。
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