« おっぱいとお薬その70『メルカゾール®』(改訂版) | トップページ | 最近赤ちゃんの口臭が気になります。(1歳)(改訂版) »

2013年3月11日 (月)

何故フォローアップミルクは製造・販売されるようになったのか?

残念なことに大半の赤ちゃんのお母さん方の間では、栄養方法を問わず「9か月になったらフォローアップミルク(以下Fと表記します。)に切り替えるもの。」とまだ信じられているようです。

しかし、『最強母乳外来・フェニックス』の読者さんは「それは違うよ。」ということを既にご存知かと思います。

この記事は余談と言うか昔話なんですが、何故Fというものが発生したのかということを知っていただくことで、赤ちゃんには不要であることを再認識し、ブレないでほしいという願いのもとに書いております。

そもそもの起源は1970年代にヨーロッパで生後6ヶ月前後の早い時期から赤ちゃんに牛乳を与えるという慣習のせいで、赤ちゃんの鉄欠乏が大きな問題になっていたのです。
つまり、鉄欠乏予防のために離乳期の赤ちゃんに与える液状食品としてFは開発されたのですね。

その当時は日本国内でもミルク育児が持て囃され、乳児健診の問診では「どこのメーカーの育児用粉ミルクを飲ませているか?」と小児科のドクターや保健師さんから尋ねられたものです。(←これは当時を知る方の証言です。)

それと同時に、離乳準備食に代表される早期離乳が推奨されていました。鉄欠乏発生への予防対策としては母乳を推進することや離乳食の工夫で改善できることなのに、敢えてそれには触れられませんでした。

繰り返しますが、Fはあくまで鉄欠乏予防のため開発された離乳期の液状食品(大まかに言えば汁物)に過ぎません。

決して育児用粉ミルクの代替品ではないのに、日本国内ではリーズナブルな価格をウリにして何故か「離乳期の赤ちゃんのためのFeを強化したミルク」として販売されたというのが経緯なのですね。

Fと育児用粉ミルクは、見た目は似ているのに、何故F方がリーズナブルな価格なのか分かりますか?
それは育児用粉ミルクよりも製造方法が簡便で済むためです。
製造ラインの衛生基準も異なります。

成分的にも、例えば亜鉛や銅などの高価な微量元素はFには含まれておりません。
それに対し、脂肪は育児用粉ミルク同様、植物性に置換されていますが、たんぱく質やNa・K・Ca
などの組成は、ほぼ牛乳に近い状態です。
確かにFeは多めに含まれています。
とは言っても、育児用粉ミルクの1.3倍程度なので、キャッチコピーから受ける印象よりはぐっと少ないですな。

そもそも、育児用粉ミルクやFのFeは、母乳のFeとは異なり吸収率が悪いので、多めに含有されているだけですし、吸収率を高めるためにビタミンCも添加されています。

過去記事にもありますように、アメリカ小児科学会でも、日本小児栄養消化器病科学会でも、もちろん『授乳・離乳の支援ガイド』(By厚生労働省作成)でも、乳児期の栄養法つぃての必要性は認めないといった主旨の宣言をしたり、コメントすらしていないという扱いのものです。

完ミや混合栄養の赤ちゃんであっても、わざわざ切り替える必要性は全くありません。
それどころか、Fe臭を嫌って頑として飲まない赤ちゃんや、飲むには飲むが下痢が止まらなくなる赤ちゃんもおられます。
赤ちゃんの内臓機能はまだまだ未熟なので、消化吸収するにも負担が大きいのですね。

価格はリーズナブルでも赤ちゃんのカラダには如何なものか?というものですから、あげないでくださいね。

« おっぱいとお薬その70『メルカゾール®』(改訂版) | トップページ | 最近赤ちゃんの口臭が気になります。(1歳)(改訂版) »

☆フォローアップミルクは不要!」カテゴリの記事

コメント

昔むかしのことですが、なんだかそういう概念?固定観念?がありました。
そうしなければならない!みたいな。
solaninさんの記事を読むと何故存在するのかよく理解できます→なるほどです・・・

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« おっぱいとお薬その70『メルカゾール®』(改訂版) | トップページ | 最近赤ちゃんの口臭が気になります。(1歳)(改訂版) »

カテゴリー

2020年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

アクセスカウンター

  • アクセスカウンター
    現在の閲覧者数: