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2013年3月27日 (水)

ミルク屋さんのお友達ですか?

混合栄養中の赤ちゃんのお母さんで、ミルク減量を希望されている場合、必ず母乳育児を応援している小児科のドクターや母乳外来若しくは助産院で1~2週間毎に体重や哺乳量チェックをされているでしょうし、そうしなくてはいけないことはよ~くご存知かと思います。
(自己流の減量は危険と再三再四申し上げているので、読者のみなさんは無鉄砲なことはされていないものと想定して話を進めさせていただきます。)

さて、そのように定期的なフォローを受けている場合であっても、注意していただきたいのは、時々大胆不敵なミルク減量を指導される医療者の存在です。

例えば、1ヶ月半~2ヶ月半の頃の赤ちゃんの体重増加度で、40g以上/日もあれば発育ペース的に充分なので、ミルク減量が可能となります。
仮にミルクの補足量が300ml/日(60ml×5回/日)だったとして、石橋を叩いて渡る慎重派代表のSOLANINだったら、初回は60ml/日、つまり1回分減量して、1週間後に体重増加度のチェックをさせてもらいます。
百分率的な表現をすれば、20%offですな。
地味ではありますが、地に足着けた指導なので、体重増加度的には、殆どの方が合格点を叩き出せます。(≒月齢相当の体重増加度を維持できるということです。)
お母さんとしては自信がつくし、次週に向けて更なるミルク減量を進め易くなります。
赤ちゃんの機嫌も特に変化は無いので、お世話が大変になるということもありません。

しかし、大胆不敵派の医療者の場合、どういう了見なのか初回であっても120~180ml/日、つまりイケイケモードで減量街道を突っ走ろうと嗾(けしか)けられます。
40~60%offのクリアランスセールですな。
1日も早くミルク減量したいお母さんには、その言葉は魅力的過ぎて、ついつい引き込まれてしまいがちです。
ただ、この方法で上手くいく方は非常に稀で、1週間後にチェックする体重増加度は一気に下降し、赤ちゃんの機嫌は超悪く、抱っこしていないとギャーギャー泣き叫び、睡眠が極端に浅くなり、お母さんは休む暇が無くなります。
「あ~、これじゃあミルク減量は難しいなぁ。やはりミルク補足は300ml/日に戻してもらうしかないね。今後は赤ちゃんの体重が増えて必要な哺乳量が増えてくるから、逆にミルク補足を増やしていくことになると思うからそのつもりでいてね。」と、宣告されます。

大胆不敵派・・・何だかおかしいと思いませんか?
高いハードルを提示しておきながら、あたかも簡単に乗り越えられるかのように唆(そそのか)し、やっぱり駄目だなぁと奈落の底へ突き落とし、果てはミルク増量を勧めてくるなんて。

母乳育児推進と口では言いつつも、その実態はミルク屋さんのお友達ですか?と聞き返したくなるような指導内容じゃないですか!
少なくとも、混合栄養から完母への移行を目指しているお母さんは、目先の派手なバーゲンセールに惑わされて飛びつかないでくださいね。
手痛いしっぺ返しを喰らいますから。

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