糾励根(=きゅうれいこん)湿布!
まず最初に申したいのは「痛い乳房マッサージはしないでね!」ということです。
助産師はパンパンのおっぱいで痛がっているお母さんを何とか助けてあげなくてはならない立場です。
もちろん、痛くない乳房マッサージのできる助産師はしてあげればいいのですが、そういう特殊技術を持たない助産師は何をすればいいのか?
簡単かつ効果的なのは、肩や背部のマッサージ、肩甲骨間と下腹部と仙骨周囲の持続的な温罨法、足浴などです。
(罨法や足浴は看護の基本技術ですから、実習生さんでもOKですね。)
ポイントは敢えておっぱいを触らず、周辺部位からアプローチするということです。
お食事の変更もいいです。
”全粥軟菜”とか”消化不良食”など、胃腸を労わるメニューはお勧めです。
(主治医の先生に食事変更の指示を出してもらうよう、頼みましょう。)
ちょっと手間ですが、効果絶大なのは、100年前からの伝統を誇る、霜鳥研究所の『糾励根®』(きゅうれいこんと読みます)でお手製の湿布を作って貼付するのです。
店頭にはまずないので、お取り寄せです。
お値段は100gで1500円です。
実はSOLANINの勤務する病院では誰一人『糾励根®』を知りませんでした。
なので、自腹で買ってきて、まず、師長さんと先生にみてもらい、許可を貰いました。
医薬品ですから、導入には、まずお薬取り扱いの権限のある先生に頼みましょう。
他の助産師には伝達講習をすればいいと思います。
”湿布○枚”という風にカルテに記載すれば、ちゃんとコスト請求できます。
<作り方と貼り方>
『糾励根®』1に対して小麦粉4~5の割合で混ぜ、水でペースト状に溶いたモノを紙ガーゼなどに塗り伸ばし、皮膚に直に付かないようにもう1枚の紙ガーゼを当てて患部に貼付します。
固定はフツウの紙バンとかで十分です。
貼付したまま授乳できます。
4~6時間でパリパリに乾きますので、そうしたら更新してください。
勿体無いですが、一度貼付したものは廃棄します。
うっ積とうっ滞が一緒くたという、ややこしい状態でも貼付できます。
連続して2~3日貼り続けても大丈夫です。(乳頭・乳輪は避けてください。)
お母さんが入浴される時はその2時間前くらいには剥がしてもらってください。
入浴直前まで貼付していると、お湯がかかるとピリピリすることがあるからです。
入浴後に貼付する時は肌の火照りがおさまってからにします。
一日分くらいは作り置いても大丈夫ですが、保管はラップやビニール袋に密封して、冷中でお願いします。
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