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2013年6月12日 (水)

直母の前に清浄綿を使わないでね!

私の勤務先でも10年ほど前までは直母の前に清浄綿で乳頭・乳輪を拭いていました。
でも、乳頭・乳輪の形態に問題が無く、尚且つ妊娠中に乳頭・乳輪のケアを充分にしていたのに、乳頭亀裂が入ってしまうことの元凶がこの清浄綿で拭くことだということに辿り着いてから、全面的に止めるようになりました。

ところが、経産婦さんで前回他院でご出産された方はこういう理由をご存じないようです。
また、若年(つまり10代の方)のお母さんの場合、赤ちゃんのおばあちゃんになられる方が直母に関しても干渉されると言うかイニシアチブを取られることもあり、清浄綿を持ち込まれ、娘さんに「使いなさい!」と指導されることがあります。(困)
モノの理(ことわり)から説明すると、やたら長くなるので、SOLANINも褥婦さんには、「あの~、そういうのは使わなくても大丈夫ですから、そのまま直母しましょう。」とか「清浄綿は買い足さないでね。」とかくらいしか言いませんが。(汗)

乳輪にあるプツプツしたトコロはモントゴメリー腺という名前だということは、以前からの読者さんや恐らく医療関係者の方はご存知でしょうが、モントゴメリー腺からは、乳頭・乳輪を保護する物質が分泌されます。
清浄綿で拭くと、困ったことにそれが取り除かれてしまうのです。
しかも、赤ちゃんが本気出した時の直母の際の吸啜力はハンパなく強いですね。
それはつまり、ただでさえ吸われ負けしてヒリヒしている乳頭が更にダメージを受けてしまうことを意味します。
特に産科入院中は、まだ直母に不慣れゆえ浅飲みをさせてしまいがちです。
そうするとあっという間に乳頭頂が発赤したり、水疱や血疱が形成されたり、それらが破裂したり、亀裂が入って流血したりという恐ろしいことが起こってしまいます。

こういう理由があるので、くれぐれも清浄綿は乳頭・乳輪には使わないでくださいね。
妊婦さんで出産準備用品の買い物がこれからの方、これは大事なことですから憶えておいてくださいね。

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