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2013年8月の記事

2013年8月31日 (土)

お勧めしたい書籍 『子どもは親を選んで生まれてくる』

ここのところ恒例の月末企画“SOLANINの本棚”です。
今月は尊敬する池川明ドクターの書籍『子どもは親を選んで生まれてくる』です。
多くのご著書がおありの池川明ドクターですが、尊敬する故、私もかなりの書籍を所持しております。222頁、1200円です。
その中でいくつか選ぶとしたら・・・のうちの1冊がこれです。


どの点を推すのか?ですって?
そうですね?、おなかに宿る前からどうしてお母さんを選ぶのか、お母さんを想う赤ちゃんの気持ちに触れることができるからでしょうか。

毎日の子育てにちょっと疲れてしまった時、初心に帰り、元気を注入することができます。
流死産に関する記述については意見が分かれるのでしょうが、耳に痛い個所はあってもそれはそれで受け止める度量が、お母さんとなる方には必要とされるのかなぁと個人的には思います。
統計に基づく分析もあるので、スピリッチュアルな書籍はちょっと苦手という方にも受け入れて貰えるかと思います。

Photo_5日本教文社から出版されています。
密林でも販売されているようです。

口角から舌が見えていますか?

赤ちゃんが上手に吸啜していたら、口角から舌が見えます。
あ、いや、そのままでは多分見えませんが赤ちゃんの口角に指を置き、クイッと耳方向に1.5cmくらい引くと、見える筈です。

口裂け女のようにグイグイと大幅に引かないと見えなかったり、引けども見えずの場合、恐らく乳頭乳輪の効果的な巻き付け自体が出来ていないので、直母をしても量にならなかったり、乳頭に傷が付いて痛かったりだと思われます。

このような状態が続くと、おっぱいをあげることに対し挫けそうになりますが、「まだちょっと浅いね。」「もう1回やってみてね。」と、赤ちゃんにダメ出ししながら、咥え直しを繰り返すことで、或る日偶然かも知れませんが、上手な吸啜が出来るようになってきます。

偶然であったとしても、「もう1回今の調子ね♪」と励ましながら授乳すると、またひょっこり出来ることがあります。
やがて、何回も何回も成功体験を繰り返すことで、赤ちゃんは上手な吸啜の確実性を高めて行くのです。
そして、或る日いつかは分かりませんが、1回でスイッチが入って、パクっと上手な吸啜が出来るようになられるかと思います。

何事も日々の精進です。(笑)

産後も遊びに行きたいから、哺乳瓶の練習をする?

完母でバリバリに上手く行っているのに、いともあっさりと、混合栄養に切り替えるお母さんが居られます。
産後2~3ヶ月というまだ赤ちゃんの頸も据わっていない時期から、
「遊びに行く時に旦那や実母に預かってもらうのに便利だから。」
「旦那が赤ちゃんに(ミルクを)あげたがるから。」
「スプーン授乳は旦那や実母は難しそうと尻込みしてやってくれないから、哺乳瓶に慣らすしかないのよね。」等々、耳を疑うようなしょうもない理由で、完母であることを放棄してしまうなんて、私にはちょっと理解出来ないです。
もちろんSOLANINは、ミルク育児や混合栄養がダメだと言っているのではないですから、早とちりしないでね。
逆に事情があって、ミルク育児や混合栄養をされているお母さんにしてみたら、おっぱいの子に引けを取らないくらい、スキンシップを重視しておられる方も少なくないと思いますから、「預けるためにミルク」的な発言はかなりカチンと来るかと思います。

母乳育児をするからには、ストイックでなければならないとか、お母さんは遊びに行ったらだダメだとか、そんな説教臭いことを言うつもりは有りません。
時にはサロンや一人での買い物等、お出掛けしたいこともあるかと思います。
お友達の結婚式に参加するのも、同窓会に出席するのも、二次会でカラオケに行くのもいいと思います。
ただ、赤ちゃんから離れる時は、栄養方法にかかわらず、事前に念入りにお話しをしておかなくてはね。
それ、赤ちゃんに対する最低条件です。

赤ちゃんのお母さんになるということは、暦の年齢が何歳であっても、まず赤ちゃんのことを優先して考えられる人になるということではないでしょうか。
お母さんになったのに、ライフスタイルの優先順位が常に「自分の遊び>赤ちゃん」というのはおかしいです。
そしてそれを易々と許している旦那さんや実母さんもどうかしています。
っていうか、自分の妻や娘に対し、無責任過ぎます。
もしかして、「赤ちゃんから離れる≒ストレス解消≒虐待防止」的な考え方をしていらっしゃるのかな?
違うと思いますけどね。

そもそも、産後2~3ヶ月やそこいらで、頻繁に赤ちゃんを人に預けて、何時間も平気で遊べる神経を持てることが理解出来ないです。
途中でおっぱいが張って来たら、WCで搾るのですか?
赤ちゃんが泣くのはおなかが空いた時やおむつが汚れた時だけではないのですよ。お母さんが恋しくて寂しくて泣くこともあるのですよ。
ミルクでおなかは満たせても、お母さんが傍に居てくれない状況では、赤ちゃんのココロが満たせない時もあることを、想像したことがありますか?
大事な赤ちゃんを「お荷物」や「借金のカタ」の如く、簡単に人に預けないでほしい。

それでもどうしても自分の遊びが大事ならば、気の済むまで存分に遊び倒していたらいいと思います。
そしていつか、「赤ちゃん>自分の遊び」と考えられる日が来たら、妊娠を検討したらいいのではないでしょうか?
「お荷物」扱いされる不憫な赤ちゃんが1人でも減って欲しいです。

母乳育児の根幹の理解が足りないのは助産師泣かせです。

多くのBFHがそうであるように、SOLANINの勤務先の母乳外来は、予約枠さえ押さえられたら、院外出産の方であっても受診していただけます。
しかし、母子異室でミルク推進病産院でご出産された方の場合、根幹となることが違うため、そもそもどの段階からおっぱいの話を始めたらいいのか、どうすれば理解していただけるのか、対応に苦心します。
受診枠の時間は限られていますからね。

▼「ひとくちでも多くおっぱいをあげたい。」「可能であれば完母になりたい。」と、受診動機を熱く語られ、私が頻回直母の重要性を力説するも、途中話の腰を折り、唐突に、「3時間以上、授乳間隔が空くのはいつですか?」な~んて質問をされる方。

▼「乳頭混乱で直母が出来ないなら、1日7~8回は搾母をしないと分泌の維持が出来ませんよ。そのためには・・・」と、具体的にアドバイスをして、次回受診時に実践出来ていたかを確認するも、「夜中は赤ちゃんと一緒に寝ているし、昼間は乳首舐めるくらいでも刺激のウチかなと思って、1回も搾っていません。」と、乳頭混乱克服やその間の分泌維持の努力を全く実行されない方。

▼「乳腺炎を繰り返したくない。早く治したい。」と言った舌の根も乾かないうちに、「私って肉食女子なんですけど、お肉を控えるなんて耐えられないです!」「えぇ~、夜中起きて授乳しなくちゃならないのですか?」と反論する方。

▼もっと凄いのは、「赤ちゃんが直母が出来ないので、授乳介助も含め、アドバイスしてほしい。」と言って予約枠を押さえられたのに、(俄かには信じ難いことでしょうが)当日、肝腎の赤ちゃんをご自宅に忘れて(?)来る方やわざわざおばあちゃんに赤ちゃんを預けて、お母さん単独で来院される方。
私、一体どうすれば授乳介助出来るのでしょうか?(汗)

こういうことが続くと、正直言ってどっと疲れます。
虚しくなります。
ヤル気あるんですか?と両肩を掴んでガシガシと揺らしたくなります。
なんだか、単に「BFHの母乳外来に行ったけれど、おっぱい駄目だった。」みたいなアリバイ作りか?と疑心暗鬼になりそうです。(泣)

2013年8月30日 (金)

おっぱいを欲しがるままに与えることは罪悪なのか?

新生児~生後1ヶ月の赤ちゃんの胃の容積なんてたかだか知れています。しかも、おっぱいの消化がミルクよりも断然早いのは、読者のみなさんであれば既に百もご承知かと存じます。
授乳間隔が30分なんてことも珍しいことではありません。
お母さん達は、「泣いたらおっぱいをあげてね。」と助産師に指導されても、その前にきちんとおむつをチェックされ、僅かでも汚れていれば交換され、必死にあやしていらっしゃいます。
それでも、お口パクパク舌ペロペロで切ない声で泣く我が子が目の前に居れば、おっぱいを差し出すのはお母さんとして自然な行為だとSOLANINは思います。
カラダの構造が未だしっかりしていないから、吐き戻しもあります。
たまたま空気を吸い込む量が多かったり、ゲップがしっかり出ていないことがあると、おなかが張ってパンパンになることもあります。
ついガツガツしてしまい量的に飲み過ぎて唸ることもしょっちゅうです。
しかも眠りが浅いと来ています。

過去記事にも書きましたが、「過飲症候群」という言葉があります。
従来はラクに飲める哺乳瓶育ちの赤ちゃんに起こり易いとされていました。
昨今は分泌過多のおっぱいのお母さんが頻回直母をすると似たようなことが起こると言われています。
ただ、その時に、どうかご自分を責めないでください。

我が子のために精一杯で、良かれと思ってあげたおっぱいを「沢山飲んだせいでおなかが苦しくて泣いているのだ。」と指摘されたら、大抵のお母さんは酷くショックを受けられることでしょう。
新生児家庭訪問の際に、まだ生後1~2ヶ月なのに「授乳間隔が3時間空かないなんておっぱいのあげ過ぎよ!そんなにあげなくてもいいわよ!」と、叱責されたお母さんも少なくないと聞く度に、SOLANINは暗い気持ちになり、とても胸が痛みます。
どうして「今はどのくらい哺乳するかは、お母さんが決めようと思ってもどうにもならない時期なのですよ。その子のその時のスタミナ次第だから、仮に沢山飲んだらラクな姿勢で寝かせてあげればそれでいいのですよ。」と柔軟なアドバイス出来ないのでしょうか?

急によく眠るようになったり、明らかにおっぱいを欲しがっているのにあやして我慢ばかりさせたら、授乳回数が減るので、赤ちゃんの発育ペースは確実に急落します。

そうなった際、一体誰がその後の赤ちゃんの発育を保障してくれるのでしょうか?
体重増加不良に陥ったのは決して母乳分泌が少ないからではないと、誰が証明してくれるのでしょうか?
現段階のありがちな保健指導では無理でしょうね。

母乳育児が拡がろうとする今だからこそ、頻回直母を頑張っているお母さんを責めない保健指導ができる医療者が増えることを、同じ医療者としてSOLANINは切に望みます。
それまでは、読者のみなさんは当ブログを熟読いただき、自衛手段として、自分の赤ちゃんの発育ペースを守れるお母さんになってください。

宜しくお願いします。

日により時間により母乳分泌は変わるの?(産後3週間)

<ご相談内容>
産後21日目(いわゆる床あげ)を過ぎないと、目が悪くなるからと家人に言われているので、まだ過去記事を読み切っていないから感じる疑問かもしれませんが、どうにも心配なので、教えてください。
今回の出産は2人目です。
ウチの赤ちゃんは出生時3266グラムで生まれました。
その後の体重の変化は次の通りです。

生後2日目3084グラム
退院前日(生後4日目)3150グラム
生後10日目で3336グラム
生後20日目で3755グラム

入院中は4日目にして母乳が出始めたので、それまではミルクを日に5~6回(1回量は生後日数×10ml)飲まるやり方の産院でした。
直母は1日10回以上は続けてました。
退院してからは直母を1日10~15回、ミルクを1日1~2回(一回量は直母後30~80ml)足しています。
昼間はよく出るときで2~3時間空きますが、平均1~2時間で欲しがり、出ない時間は30分以上咥えています。
離したと思えば10分程で泣くこともしばしばです。
とくに午後から夜寝るまでの時間が多いようです。
そのときに上の子にかかっていてすぐにあげられないと狂ったように泣き、顔を引っ掻き大変です。
夜中は母乳のみで3~4時間は空きます。

ご相談したいのは日によって時間によって分泌量が違うのではないか?ということです。
昼間の時間帯でおっぱいの最中にゴクンという音がまったく聞こえなくなり、しばらく咥えていた赤ちゃんが乳首を引っ張ったり暴れたり蹴ったりして泣きます。
(逆に眠たい時などは、ゴクンという音がして、おっぱいが出ているときにも同じように暴れるときもあります。)
それが時間帯でも違いますが、日によってもかなり違うようです。
最近は夜中の出てる時間に飲ませた後に、予め搾乳したものを80m補足しています。(搾乳が無い時はミルクを補足しています。)
出ない日や時間はどのようにしたら出るのでしょうか?
このままの与え方で良いのでしょうか?
とても不安です。
長くなりわけの解らない文になってしまいましたがよろしくお願いします。
ちなみに近くに母乳外来はありません。

<SOLANINの回答>
う~む。
質問の内容から察するに、1人目さんは完ミに近かったのでしようね。
出産された産院が「まず補足ありき」だったから、赤ちゃんが泣いたり授乳間隔が短かったり長くおっぱいを咥えると、何か補足しなくては!と思っちゃうんでしょうね。

そしてこの相談内容は、以前からの読者さんや、最近読者さんになられた方であっても、1人目は完母だったという方にしてみたら、状況的に「えっ、それで?何が問題なの?何でミルク足すの?」というものですよね?

そうなのです。
母乳育児を希望されるなら、母乳育児ってどういうものなのか?ということを、正しく知ってるのと知らないのとでは、毎日の子育ての楽しさが、全然違います。
もちろん、不安のない子育てなんてありませんよ。
その時々で、疑問は生じることでしょう。
大変だという時もあるでしょう。

けれども、正しい知識のある方は母乳育児に対するモチベーションが違うんですね。
相談者さんの疑問の解消は、まず、過去記事を読まれることです。
それに尽きます。

「WHO/ユニセフの体重増加度の規準」
「おっぱいとミルクの消化時間の違い」
「おっぱいの分泌量は昼間と夜間では異なるしくみ」
「昼間のちょこちょこ飲みの重要性(分泌アップのカギ)」
「この時期に夜間3時間眠ってくれることの有り難さ」
「松果体ホルモンの影響」
「満腹中枢形成時期までの赤ちゃんの飲み方の特徴」
「日により時間により分泌量に差があっても、きちんと体重増加がみられれば補足の必要性は全く無いこと」
「ミルクは医学的にどうしても必要な赤ちゃんが飲むもので、必要ない赤ちゃんにあげるものではないこと」
「赤ちゃんには飲みムラがあること」
「授乳間隔は規則的なものではないこと」
等々、全て過去記事を呼んでいらっしゃれば、心配に及ばないことばかりです。

相談者さんの母乳育児は始まったばかり。
1日も早く母乳育児に関する正しい知識を身に付けましょう。
そうでないとこの先、同じところで悩み続けることになり、おっぱいをあげることがちっとも楽しめなくなりますよ。
どうせなら、毎日の子育てを楽しみたいですよね?
深呼吸して、肩の力を抜いて、赤ちゃんを優しく抱っこし、て見つめて、おっぱいをあげてください。
お忙しいかとは存じますが、過去記事を読みこなし、自分の知識として身に付けてくださいね。
そうすればこの先、母乳育児のトンでも情報を垂れ流す医療者に遭遇しても、某国の元総理のようにブレずに済みますからね。(笑)

母乳育児は究極のダイエット!

先日1年4ヶ月で自然卒乳されたお母さんが念のためのおっぱいチェックということで、SOLANINの勤務先の母乳外来を受診されました。
某病院のスタッフであるIさんです。
お顔もお名前も記憶にあるのですが、何だか雰囲気が違う。
美容整形?
まさか、それはないでしょう!
でも、私の知ってるIさんとは何かが違う・・・

「2週間健診の頃とは全然雰囲気が違いますね。何だか別の人みたいだわ~。」と率直に言いました。
そしたらIさんのお顔がパッと輝き、ニンマリされたのです。
「あ~、2週間健診の頃からかなり痩せました。私は妊娠中に10kg増えたのですが、臨月のMAXの体重から何と20kg減ったのですよ。2週間健診の頃はまだ5~6kg減ったくらいでした。なのでそれこそ赤ちゃん・胎盤・羊水・出血の分くらいしか減ってなかったんですけど、ひたすらおっぱいを吸わせまくったら、高校生以来の体重になって。もちろん旦那さんはこんなに痩せてる私を見たことが無くビックリしてます。」とIさんは仰いました。
「なるほどね~。そりゃあ雰囲気が変わって見える筈だわ。」と私。
元々がぽっちゃり気味だったIさんですが、普段は絶対に痩せない、背中・頬っぺた・太腿の内側・足首がすっきりされたとのこと。

1歳以上の長期母乳育児はマジで究極のダイエットなのですね。
Iさんの例はともかくとして、妊娠前体重からマイナスになる方も決して稀ではないのです。
「明日妊婦検診だったらヤバいよなぁ~。」というような食べ方をしても必死におっぱいあげてたら体重が増えることはまず無いです。
中高生で部活ガンガン頑張って全中やインハイに出場する女子と大して変わらないような食べ方しても太らない・・・
そんな夢のような話が実際にゴロゴロ転がってるのですね。
しかも無料!

最近は妊婦さんでも親世代のように2人分食べる方はいらっしゃらないと思います。
確かに肥満妊婦はリスクが多過ぎますからね。
でも、反対にBMIが18以下の痩せの方はある程度体重を増やさないと、おなかの赤ちゃんが低出生体重児になる危険性が高いですね。
厚労省から警告?が出されているのはご存知かと思います。
その方にとって、どの位の体重増加が望ましいのかは、主治医の先生が最初に説明されるかと思いますから、それを逸脱しないようにするのが重要ですね。

しかし、ホントに食べても太らないナイスバディになれるなんて有り難いではありませんか!
ひとつだけ注意することがあるとしたらIさんのようにお子さんが卒乳されだら、同じ調子で食べまくったらお母さんの成長期に突入してしまい、危険です。
くれぐれも気を引き締めてリバウンドしないように気を付けてね♪

2013年8月29日 (木)

おっぱいの飲み方は成長と共に変わってきますよ。

新生児ちゃんはお口も小さいし、回数的には頻回(=ちょこちょこ飲み)が多いけれど、成長と共に、だんだんしっかりと飲めるようになります。
生まれて間もないころは、乳首を含ませても、直ぐにクッタリ&ウトウトしがちで、起きていただきお口に乳首を入れ直すのに一苦労ですが、やがて、自ら進んでおっぱいに吸い付けるようになります。

おっぱいが軌道に乗る頃には、抱っこしておっぱいを飲むポジショニングになればお口をパクパク・舌をペロペロさせますが、これが1歳くらいになると、欲しければ自らお母さんの服をめくったり、「パイパイ」と単語が出たりするようになります。

添い乳にしても、最初はなかなかお口に乳首が入らなかったり、お口から乳首が外れないように角度調整に難儀しても、1歳過ぎたら、おっぱいが欲しけりゃ自らむしゃぶりついてくるようになりますよ。

例えばお母さんが胸元を開けて、仰向けになられたら、這い這いもしくはトコトコ歩いて来て覆いかぶさるようにして勝手に飲むことだって出来ます。
左右のおかわりも、向きなんか変えなくったって、セルフでやってくれます。
手間要らずです。
(唯一難点があるとしたら、子どもは哺乳後におっぱいを“格納”してはくれずにそのまま眠ってしまうので、お母さんがご自身の乳房を”格納”しなければならないことです。)

かようにおっぱいの飲み方は変化してきますが、毎日少しずつ変化しますから、ずいぶん経たないと、この変化には気がつかないかもしれませんね。
言われて振り返ると確かにそうだなぁ~と思われるおっぱい星人のお母さん、相当居られるかと思います。
おっぱいを飲むこと自体は変わらないけど、飲み方の変化、チェックしてみてくださいね。
成長が分かり、面白いですよ♪

母子分離を甘くみてはいけませんよ。

母子分離と聞いてどんな状況をイメージしますか?
私なりに思い浮かぶことを挙げれば、「NICUに新生児搬送される。」「光線療法で母乳を中止させられる。」「母子異室で時間授乳している。」「お母さんが帝王切開だったからという理由で赤ちゃんが保育器に入り、面会すら制限されている。」「お母さんが病気・手術で入院のとなり、赤ちゃんの同伴を断られる。」「上のお子さんが入院で付き添いのため、赤ちゃんと離れて過ごす。」「お母さんが仕事復帰する。」等々ですかね。
何日間・何週間・何ヶ月・・・期間は様々ですが、赤ちゃんをお母さんから離すと、様々な不都合が噴出してきます。

ミルクや哺乳瓶に慣れて「乳頭混乱」「哺乳ストライキ」になってしまうリスクが高まります。
定時搾乳しないと、「乳房トラブル」になり易いです。
毎日授乳していたらこの辺りという時間帯に同くらいのペースで搾らないと、おっぱいを造るプロラクチンというホルモンがあまり出なくなってきます。
僅か1週間でプロラクチンの血中レベルは妊娠前のレベルにあっという間にドド~ンと低下します。
つまり、「おっぱいの分泌の低下」を招きます。
最近の過去記事で“張って来なけりゃ、搾らなくていい?”というのはまだ記憶に新しいと思いますが、まさに、あの記事は此処の一部分のお話で出来た記事だと自分でもそう思います。

そういう目に遭ってほしくないので、母子分離に敏感なお母さんで居てくださいね。
その時に慌てふためかなくても大丈夫なように、過去記事をご精読くださいね。

助産学生に遭遇した時のお願いです。

助産学生は看護師さんの資格を取得してから(人によっては更に保健師さんの資格を取得してから)助産師になるために厳しいお勉強と体力限界ぎりぎりの実習を日々行っています。

助産学生は国家試験受験をするには、実習期間中に正常分娩の直接介助を10人させていただくことが条件となっています。

出産施設の集約化、人手不足等、様々な問題を抱える周産期領域ですが、助産学生は、明日の希望である赤ちゃんを取り上げる尊い仕事を志しています。

実習受け入れ病院では、出来る限り助産学生に経験を積ませてあげたいと思っています。

もしも助産学生に遭遇したら、是非とも貴女を受け持たせてやっていただけませんか?

勿論、細心の注意を払い実習指導者や臨床経験豊富な助産師が、きめ細やかな対応をします。

(決して、助産学生と産婦さんを長時間ふたりぼっちで放置したりしません。)また、誠心誠意「身内でもここまでは出来ないかも?」っていうくらい尽くしてくれても、割増料金などは発生しませんのでご安心ください。

次世代の後輩の育成は、読者のみなさんのお子さん達がお父さん・お母さんになる時に絶対必要なことなのです。

どうかよろしくお願いします。

2013年8月28日 (水)

脱水予防のためにマメに麦茶を飲ませる?(8ヶ月・体重増加不良児)

6ヶ月以降になると、離乳食開始ですし、麦茶を与える機会のあることは分かります。
まだまだ酷暑の日々ですし、屋内に居ても熱中症で倒れてしまう方も少なくないし、救急車で搬送される方が4万人を超えている昨今ですから、「我が子が脱水になったら大変!」とばかりに、「マメに水分摂取をさせなくては!そうなると、やっぱ麦茶よね。」というお気持ちは理解出来ます。

但し、ここで気をつけてほしいのは、水分=麦茶とゆう観念にとらわれてしまわないでほしいということ。

特に、体重増加不良で、おっぱいの飲ませ方や離乳食の食べさせ方で人一倍配慮が必要なお子さんの場合、水分摂取の基本はおっぱいにしてください。
離乳食の後にちょこっと麦茶を飲ませるのはアリですが、何でもない時にそういうものをちょこちょこあげると、小さな胃がちゃぷちゃぷになってしまうから、肝腎なおっぱいをまともに飲めなくなりますやん?
只でさえ、体重増加不良に悩んでいる時に、カロリーの無いモノをせっせと与えてどうするんですか!
体重増加に余裕のあるお子さんはまだいいとしても、そうでないお子さんには、そんなやり方あかんあかん!
優先順位を間違えないでいただきたいですな。

お母さんの感染症で入院中母子分離になったら?

出産直前にお母さんが何らかの感染症に罹られると、入院期間中は病産院の規定で母子分離になることがあります。

感染症には様々なモノがあり、細菌・ウィルス・真菌といった感染因子による分類や、また、飛抹・空気・接触といった感染経路による分類がありますが、とにかく入院期間中は母子分離も止む無しという状況になってしまったら、さて、お母さんはどうすればいいのか?
取り敢えずは頻回搾乳です。
1回に何ml搾るのも大事ですが、時間で決めても大丈夫です。
多少波があっても気にしないでね。
下半身は冷やさない、ゆっくりよく噛んで食べましょう。
産後3日目で10mlくらい搾れたら充分です。
短期間の母子分離ですが、基本NICU入院時の対応と同じです。
抱っこしてあげられるようになった日に、きちんとおっぱいが出て、赤ちゃんが飲んでくれるようにするには、乳管開通と定期的な搾乳が重要です。

ミルクはお薬みたいなものと考えてください。

どうしても完母では難しいお母さんは、ごく少数ですが、おられます。
それは、私の経験から見ても、100人中2~3人という頻度かと思われます。
つまり、残り97~98人のお母さんは完母が可能であると思います。

ミルクはお薬みたいなものと考えてください。・・・というブログタイトルの意味は、ミルクで赤ちゃんの病気を治すという意味ではありません。
(流し読みして早とちりはしないでね。)
そうではなく、例えば授乳中のお母さんが偏頭痛で、体が動かないくらい辛い時、『カロナール®』を頓服として内服したとします。
スッキリするまで、仮にドクターの指示を守りつつ、3回内服したとします。
でも、偏頭痛がスッキリと治ったら、『カロナール®』がどんなに授乳中のお母さん向きの鎮痛薬であっても、何気に内服したりはしませんよね?

ミルクもそうなんです。
医学的理由があって止むを得ない場合、ミルクを飲ませてあげなくてはならない赤ちゃんはおられます。
おっぱいが飲めない病気の赤ちゃんや、お母さんの病気によってはおっぱいをあげられないこともあります。
量的にどうしても足りない(例えば完母状態では赤ちゃんが育ってくれない、ありとあらゆる工夫や努力をしても赤ちゃんの体重がドンドン減るようなことがあれば)のであれば、補足も止むを得ないと思います。
でも、そうではなく、例えば「赤ちゃんの体重はしっかり増えているのに、よく泣くから。」とか「赤ちゃんの体重はしっかり増えているのに、なかなか眠ってくれないから。」とか、明らかに母乳不足の疑いが無いにもかかわらず、赤ちゃんに手を焼いて安易にミルクをあげることは、キツい表現になりますが、「口封じ」ではないですか?
赤ちゃんのお母さんになるということは、少なくとも赤ちゃんの生理や特徴に対する勉強が必要ですね。
その勉強の内容もトンでも情報では意味がないし、多くの情報の中から正しい情報を取捨選択するチカラを身に付けることが、求められるかと思います。
『最強母乳外来・フェニックス』を通して、正しい情報の選択眼を身に着けてもらえたらと願っています。

2013年8月27日 (火)

完母のお母さんはシリコンの乳首を安易に使用しないでね!

混合栄養や完ミのお母さんは、この記事はスルーしちゃってくださって結構です。
乳頭混乱って言葉を聞いたことがありますか?
お母さんの乳首とシリコンの乳首は似て非なるものです。
お母さんの乳首から直母しようと思ったら、乳輪からがっつりと頬張るようにしないと吸いつけません。
なにしろ乳腺房にチャージされたおっぱいを細い乳管を通してお母さんの体外に出そうっていうんですから、そりゃ大変なんですよ。
開口度でいえば150℃は必要です。
それに対し、シリコンの乳首は先を咥えてクチュクチュすればドンドン飲めます。
瓶の内側にはミルクや搾乳が満たされていますから、大きな力は不要です。
開口度でいえば90℃で充分です。

乳頭混乱はお母さんの乳首とシリコンの乳首の吸い方が全く異なることで、二つの吸い方を使い分けられない赤ちゃんがなってしまいます。
中には是々非々で使い分けられる器用な赤ちゃんもおられるのですが、割合としては多くはありません。
失礼な表現になるかもしれませんが、赤ちゃんの中には器用な赤ちゃんもおられますが、不器用な赤ちゃんもおられるのです。
そうしてそれは蓋を開けてみないと(=生まれてみないと)判らないのです。
超不器用な赤ちゃんですと、たった1回のシリコンの乳首を使ったばっかりに、それ以降全く直母が出来なくなることもあります。
おっぱいがたくさん出ても、搾乳を哺乳瓶で飲ませるしかありません。

それってお母さんとして物凄く辛いし、大変なんです。
赤ちゃんが目の前でギャン泣きしても、焦りながら搾るしかないのです・。
乳頭混乱の厄介なところは、いつになったら克服できるかが未知数であることです。
何カ月もかかることもあるのです。
1リットルどころではない涙を流しておられるお母さんだっておられます。
とても自分には続けられない・待てないとおっぱいを諦めてしまうお母さんだっておられます。

BFHや母乳育児を推進する病産院がよほどの事情が無ければ、新生児に哺乳瓶での授乳をしないのはそういう意味なのです。
それで、補足の必要な赤ちゃんには小さなカップやシリンジやスポイドやスプーンなどのしちめんどくさい方法であげているのですね。
赤ちゃんのお口のデリケートさを分かってくださいね。

そう聞くと、「完母だったら、旦那さんやおばあちゃんに見てもらうことができないの?」と思われるかもしれません。
そうではないです。
まず、直母ではない方法でおっぱいをもらうことを赤ちゃんの目を見て伝えます。
(言い聞かせをします。)
そうして、見てくださる方に哺乳瓶以外の方法で、授乳できることを実際に見てもらいお願いすればいいのです。
出来ることが分かれば、してくださいますよ。

哺乳瓶以外の上記の方法は、乳頭混乱にはなりませんが、上手にもなりません。
(唯一シリンジに栄養チューブを繋ぐ方法でフィンガーテストのようにやる方法は、メ○ラ社のナーシングサプリメンターと同等レベルのトレーニングになりますが、これについてはそのやり方に精通している助産師かラクテーションコンサルタントの指導がなければ無理です。)

このような事情からシリコンの乳首は安易に使用されないことをお勧めします。
バースプランに書いて意識の低い医療者にカツを入れてやってくださいな。

出産後2~3日間はおっぱいは少ししか出ません。

いまだに赤ちゃんを生みさえすれば、蛇口をひねって水が出るようにおっぱいが分泌して、なおかつ赤ちゃんが勝手におっぱいを飲んでくれると思い込んでおられる妊婦さんがおられ、少々アタマが痛い今日この頃です。(苦笑)

そういう方に限って、マタニティークラスを受講されず、妊娠中のお手入れもされず
ジャブジャブ出てこないおっぱいにショックを受け、自分は母親失格かと嘆く方もおられます。(涙)

おっぱいは簡単に勝手に出るものではありません。
お母さんと赤ちゃんが共同作業で出していくものなんです。
この時期にたたみかけるようにして頻回におっぱいを飲ませてあげることは、おっぱいの生産量を増やしていき、出していくためのホルモンの分泌を高めます。
つまり、母乳育児を成功させるための大きな鍵が頻回直母なんです。
これは間違いありません。
産後2~3日間は充分に分泌しないおっぱいを待って、赤ちゃんは手持ちのお弁当・水筒(=栄養分・水分)を活用しつつ、健気に凌いでいるのです。
強いて気をつけることがあるとすれば、効果的な吸着(=ラッチオン)が出来ているかどうか、今のポジショニングが合っているかどうか、必ず助産師にチェックしてもらってくださいね。

乳房緊満しやすいけれど、ごぼう茶飲んで大丈夫なの?

<ご相談内容>
乳房緊満し易くて、先搾りが未だ必要な状態なのですが、ごぼう茶を飲むことで分泌がアップしてしまいませんか?
過去記事で、質がよくなるから問題ないと書かれていましたが、今ひとつよく分からなくて(-_-;)
乳房が張って張って、芋の湿布ではどうしようもなくなってしまうのを経験してるので、それが怖いです(T_T)
それともごぼう茶を飲むのは、芋の湿布やミントなどを併用するのが、必須条件なのでしょうか?

<SOLANINの回答>
確かにごぼうは根菜類で、おっぱいの分泌には影響のある野菜だと言われています。
でも、ごぼうはごぼうでも種(牛蒡子)ではないですね。
なので、種ほどには強力な作用は無いと思われます。
寧ろ、サラサラで美味しいおっぱいに変化して、赤ちゃんも喜んで飲んでくれますから、詰まりにくくすることが期待できるので、心配無用かと思われます。

私としては相談者さんが困っておられるようなので、ごぼう茶は如何ですか?とご紹介したまでで、飲用を強要するものではないので、誤解なさらないでくださいね。

芋の湿布を貼ってもパンパンになり易いと、乳房が張ること自体、恐怖だろうなと、想像します。
芋のシップやミント等を使用するのが不可避かどうかですが、それは個人差もあることなので、一概には申し上げられません。

但し、乳房緊満というものは、いつまでも産科入院中の強さで続くかというと、そうではありません。
当初こそ鉄板かセメントで固めた位の硬さであっても、月齢が進めば、少しずつマイルドになってきます。
マックスレベルに張るのに要する時間も延長してきます。
あくまで経験知的なことではありますが、お食事内容や食べ方にもそれなりに配慮され、ごぼう茶を飲んで乳房緊満が過剰でトラブルになってという方には私は遭遇しておりません。

2013年8月26日 (月)

新生児黄疸と血液脳関門。

いわゆる黄疸というものは血液中にビリルビンという物質が増加し、皮膚などが黄色く染まった状態を指します。
新生児の約8割は、程度の差こそあれ生後2~3日目頃より黄疸が見られるようになり、大抵の場合、3週間以内で消えていきます。
新生児黄疸は、生理的に起こった一種の溶血性黄疸です。
胎児期は、元々お母さんの呼吸により得られた酸素を分けてもらっているので、効率良く酸素を取り込むために多血(=赤血球もヘモグロビンも多い)状態ですが、出生後は自力で呼吸できるので、そんなに沢山要らないこと
、胎児期の赤血球は、生後溶血(赤血球が壊れたこと)を起こしやすく、肝臓の働きが未熟なためにビリルビンの処理がうまくいかないため黄疸を起こしやすいのですね。

勿論、血液中のビリルビンは、血液脳関門という安全装置があるので、脳には侵入しないようになっています。
けれども、出生直後の新生児は血液脳関門が未熟なために、ビリルビンが血液脳関門を通過してしまいます。
下手をすると核黄疸を起こすことになります。
それを防止するため、光線療法を行うわけです。

余談ですが、一般的には、血液脳関門は生後10(~14)日目以降には成熟するので、ビリルビンは血液脳関門を侵入できなくなり、核黄疸の起こるおそれはなくなると言われています。
ただ、それはそうなのですが、実際に新生児の血液脳関門を覗くことは出来ないので、10(~14)日目を過ぎても、新生児のビリルビン値が極度に高い場合は、小児科ドクターから光線療法を受けてくださいと言われることもあるかもしれませんから、一応心の準備はしておいてくださいね。

一般的な育児書は母乳育児についての記載に問題が…(若干改訂版)

以前雨風呂で活動中の頃、読者さんから「〇〇先生の●●という本にはこれこれと書いてある。SOLANINは真逆のことを言っているがどうなのか?」というようなご質問をブログ開始当初からかなりお受けしています。
あ~それはですね、SOLANINは読者さんが仰るトコロの〇〇先生の部下でも弟子でもないんですね。
立ち止まって考えてほしいのは“、あなたの仰る〇〇先生は真剣に母乳育児を推進しておられるのか”ということ。
つまり、“母乳育児について総論賛成・各論反対タイプの先生ではないことがSOLANINと〇〇先生を比較していただくにあたり、最低限の条件だ”ってこと。

私は母乳育児を推進し、支援する者です。
そのためにこのブログを立ち上げています。
どこからか利益供与を受けている者ではありません。
母乳育児をされるお母さんをやみくもに混乱させたり、不安に陥れたりするような記事はハナっから書きません。
同時に根拠もなしの「大丈夫だよ」的な記事は極めて少ないと思います。
そこまで言わなくてもというくらい、理屈っぽい表現の方が目に付くかと思います。

以前にも何度か意見を述べておりますが、母乳育児をするからには、母乳育児と標榜している本でないと信じられないような㌧でも情報に踊らされてしまって、失敗することになりやすいですから充分に気をつけてくださいね。

一般的な育児書やネットの育児情報の中のひとつのパートとしての母乳育児についての記載は、誤解を恐れずに申し上げれば、かなりいいかげんなモノが多いです。

★「あなた、ホントに母乳育児してきましたか?」
★「それってミルク育児全盛期の育児書から拝借してきた知識のマンマじゃないですか?」
★「実はミルク屋さんの金銭的支援を受けておられるのではないですか?」
「ご自身が母乳育児を経験していらっしゃるか、そうでなければ、お休みの日に自腹切って真剣に勉強しに行ってますか?」
と、ツッコミを入れたくなるような記載のオンパレードなんですもん。

㌧でも情報、恐るべしでございます。
何が正しいか、それを見極める選択眼を養いましょう。
・・・賢いお母さんになってください。

乳房がカチカチだから、おっぱいが出る?

私が長男を出産した日、(出産して数時間後でした・・・)義母がお見舞いに来てくれました。
その時、「お乳が張ってきた?パンパンに張らないとおっぱいは出ないから。」と、言われました。
いくらなんでも、産後数時間後からカチカチに張るのは不可能です。
職業柄そうではないことは知っていましたから、私は義母の言葉はプレッシャーにはならなかったですが、一般のお母さんはご存じないですから、そんなことを言われたら、きっと不安になるでしょうね。
出産後パンパンにならない乳房はおっぱいが出ないんだと、誤った知識が刷り込まれたりして・・・怖いです。

妊娠中に乳頭・乳輪・乳房のお手入れをあまりしていないと、乳房鬱積の程度が酷くなります。
元来、冷え性、肩凝りが酷い場合、さらに乳房鬱積はキツくなりあます。
乳房鬱積の期間も長期化します。(唯一お手入れをしていなくても酷くならない例外は、上の子さんがおっぱい星人の現役選手だった場合です。)
乳房鬱積という状態を分かりやすく表現すると、「乳房が張るのに、痛いのに・・・でもおっぱいはジワジワ程度しか分泌せず、乳房がラクになってくれない。乳輪が浮腫むことも多い。」状態とでもいいましょうかねぇ。

医療関係者であっても、乳房がカチカチに張ればおっぱいは出ると思っている方はまだまだ多いです。
でも、そうではないのだということを、知っておいてくださいね。
逆に乳房鬱積を離脱しないと、おっぱいは上手くいきにくいのです。

2013年8月25日 (日)

おっぱいの消化時間は粉ミルクの半分です!

おおまかに言って、食物は胃で消化し、腸で吸収することは、読者のみなさんはご存知ですか?ですよね?
粉ミルクの消化時間は3時間です。
だから、母子異室の病産院で「授乳室に3時間毎に通う。」という授乳スタイルが成り立つわけです。
つまり、粉ミルクをあげることを前提にしているから、「授乳間隔は3時間は空けてね。」なぁんていう授乳指導が行われちゃうのですね。
「おっぱいだろうが、粉ミルクだろうが、どっちだっていいのよ。」という方にはそれでいいのかもしれませんが、こと母乳育児をしようとしているお母さんにとっては、何のメリットもない仕組みです。
おっぱいは消化が早いし、赤ちゃんの胃は小さく、これから先、ドンドン成長していく存在だから、おっぱいで育てるなら頻回直母は必須ですね。
なので、おっぱいの赤ちゃんは3時間空くこともあるかもしれないくらいに考えておいてもらった方が産後と惑わないのではないかと思います。

ところで・・・最近は母子異室でも授乳に際し、赤ちゃんが泣いたらお母さんに来てもらうか、お母さんのお部屋に連れて行くスタイルの病産院もあるそうですね。
ではなぜそこまでして、母子同室に転換されないのかな?
もしかして、赤ちゃんを預かることが医療サービスのひとつだとお考えなのでしょうか?
違うんだけどなぁ・・・

赤ちゃんの舌をよく見てください!

ユニセフ推薦の母乳育児の本を読んでも、国際ラクテーションコンサルタントの本を読んでも、その他、本屋さんにある一般的な育児書を読んでも、基本的には「赤ちゃんは上手におっぱいに吸い付きます。」という旨のことが書いてあります。

そりゃまぁ、そうなんですが・・・
誰にも教えてもらっていないのに、カンガルーケア中にお母さんの胸まで這い上がってきて、おっぱいに辿り着き吸い始めるのを見ると、感動的です。
凄いなぁって思います。
でも、お口の中ってデリケートですからね。
大人だって髪の毛一本、極小ビーズ1個入っただけで、違和感があるし、吐き出そうとするでしょ?
それなら生まれたての赤ちゃんのお口は、もっとデリケートだってことが想像つくと思います。

特に舌が下顎の歯茎のラインより前に出にくい赤ちゃん、舌小帯短縮症の赤ちゃん(=舌を伸ばそうとすると、舌先がハート型に割れそうになるタイプ)、常に舌を巻き上げる赤ちゃんは要注意です。
程度の差はありますが、勤務先でSOLANIN
が見ても「ヤバイなぁ~。」と感じる赤ちゃんは5~6人に1人は見つかります。
結構高い割合で存在するのです。
決して対岸の火事ではありません。

こういうタイプの赤ちゃんは特に、安易に哺乳瓶で糖水やミルク、搾乳を補足すると、取り返しがつかないくらい酷い乳頭混乱に陥ることがよくあります。
治すの大変です。
産科スタッフの皆さん、どうしてもの補足の際は、スポイドやカップやスプーンやシリンジを使ってくださいね。
「ウチの子はもしかしてヤバいの・・・?」と、生まれたてのわが子のお口の中を見て察したお母さん、即、産科スタッフにチェックしてもらってください。

哺乳瓶が使えないと赤ちゃんを預けられない?

確かにおっぱい星人の赤ちゃんは哺乳瓶を嫌がったり、哺乳瓶では飲めない子が多いです。
こういう状況ですと、誰かに赤ちゃんを預けて出かけることは難しく思われます。
それを思うと、言いようのない焦燥感や緊縛感が沸き起こってきます。

でも、搾乳はコップでもスポイドでもスプーンでも飲めます。
新生児ですら搾乳をコップで飲めるのです。
どうしても誰かに預けることを前提にしたいなら、新生児のうちからコップで飲ませる練習をするという手もあります。
哺乳瓶は乳頭混乱の元凶ですから、安易に使用するのは止めましょう。

月齢が進んだおっぱい星人の赤ちゃんに、お母さんが直母以外の方法で搾乳をあげようとしてもほぼ100%飲みません。
これは、ひとえに赤ちゃんが賢いからです。
いつも通りの直母以外の方法で、何故飲まなきゃならないのか、納得できないのですね。
逆にお母さんがおられないと、哺乳瓶は嫌がっても他の方法ならば飲んでくれることは充分期待できます。
但し、いきなりはいけません。
事前に搾乳を飲まなくてはならない事情を、繰り返し赤ちゃんに言い聞かせておきますと、仕方なくですが受け入れてくれます。
それでも頑固一徹な赤ちゃんの場合、お母さんと離れている数時間は、ハンストしてでも待っています。
おっぱい星人の赤ちゃんは、お母さんと離れてはひとたまりもないことを本能的に悟っているので、直母以外を拒否するのだと思われます。
それならそれで、赤ちゃんの気持ちを尊重するしかないと思います。

2013年8月24日 (土)

「貧血の赤ちゃんにはフォローアップミルクをあげましょう!」ですって?

<ご相談内容>
我が子は9ヶ月になります。
今まで完母です。
先日病気のため採血をしたら鉄欠乏性貧血になっていることが判明し、鉄剤を内服しなければならなくなりました。
その際、こともあろうに小児科ドクターからフォローアップミルクをあげるよう指導されました。

周囲のママ友数人に事情を説明&相談しても、「当然あげるべきよ!」と、フォローアップミルクを勧められました。
保育園に先生にも薬局のおばちゃんにも実家の母にも説明&相談しましたが、私がフォローアップミルクをあげることに今イチ踏ん切りがつない気持ちを伝えると、口裏合わせをしたかのように、フォローアップミルクを勧められます。
どうしたらいいですか?

<SOLANINの回答>
う~む。
どうしたらと言われても、お子さんは鉄剤を内服されるのですよね?
であれば、それで問題解決(この場合、鉄欠乏性貧血の改善のための治療が開始したってこと)の糸口が掴めているわけですよね!

そもそも、お子さんの鉄欠乏性貧血の治療をする小児科ドクターがそんなこと(=フォローアップミルクを勧めること)を指導するのがおかしいのよね。
だから、相談者さんは迷っちゃうのでしょうね。
小児科ドクターの指導のインパクトは大きいものね。
その気持ちが全く分からないではありませんよ。

ただ、キツい表現で恐縮ですが、敢えて言わせていただきます。
ママ友や保育士さんや実母さんに相談するのは結構ですが、本当の意味でフォローアップミルクがどういう代物なのかよく理解出来ていない(であろう)方々に相談しても、薬局のおばちゃんのセールストークを越える内容を聞かせていただけるわけがないと思いますよ。

しかも、お子さんは9ヶ月ですよね?
今、そしてこれからお母さんとしてやるべきことの本筋は、治療をしっかり受けて、おっぱいも惜しみなくあげて、離乳食を工夫して進めることではありませんか?
それをフォローアップミルク飲ませてどうにかしようなんて・・・
違うと思いますよ。
どうか冷静になってください!
これまで当ブログで得た知識、相談者さんにはきっと沢山あると思います。
それを活用するのならともかく、今になってブレてどうするの?
SOLANINは悲しくなりました。

妊娠中の食生活で、羊水のにおいは変化する!

赤ちゃんは、お母さんが妊娠中好んで食べたり飲んだりした食品・飲料については、子宮内で、羊水を通してそのにおいや味を体験しているので、記憶として残っているそうです。
お母さんのにおいや味として、馴染みがあって、好きになるのですね。

カンガルーケアをする時に、羊水を塗った乳頭・乳房と、石鹸で洗ってしまった乳頭・乳房の比較対照実験をしたら、赤ちゃんは羊水のにおいのする方のおっぱいに近づくことが分かっています。

そこで注意したいのは、妊娠中と産後に、お母さんの食生活を極端に変化させると、赤ちゃんがおっぱいを飲むのをむずがったり嫌がったりすることがあるということです。

特に、日本人には馴染みにくい大量の香辛料はおっぱいのにおいや味を変化させますから、飲まなくなる傾向が大です。

特に赤ちゃんのおっぱいの飲み方に変化がなければいいのですが、「おやおや、どうしたのかなぁ。」という変化が感じられたら、お食事大丈夫だったかなって見直してくださいね。

特に退院後10日前後迄の赤ちゃんが眠りがちなら注意してね!

先の記事で、赤ちゃんが眠りがちなのは必ずしも良いことではないと書きました。
特に退院後10日前後迄の時期、昏々と眠り、授乳回数が8回/日を割ると、退院後からの体重増加が良くても18g/日未満になりやすく、最悪な場合ゼロもしくはマイナスという結果になることも決して稀ではありません。
SOLANINの勤務先の母乳外来では出生したほぼ全ての新生児が2週間健診のカタチで受診しています。
お母さんは耳にタコができるくらい、頻回授乳の重要性を聞いている筈なのに、正常新生児の10人に1人はそういう状況に陥り、哺乳不全や乳糖不耐症でないかなどの鑑別のため、再診が必要となります。

「眠ってるのを起こす必要はない。そっとしておきなさい。」と、余計な一言をご実家のお母さん(=赤ちゃんのおばあちゃんですね。)に言われて、それを真に受けて放置した結果、涙が止まらないくらいのショックを受けられるお母さんが10人に1人は出現しているということです。
大袈裟でなく、家族間の責任問題に発展した事例もあります。

子育ての先輩であっても、何しろウン十年も昔のことですから、克明な育児日記でも残っているならともかく、うろ覚えの記憶を頼りに間違ったアドバイスをされると、困ったことになります。
それでも、2週間健診を受診されていればこそ、その時点で改善を図ることが出来ます。
1ヶ月健診までに何とかキャッチアップ出来ますから、心配ないのですが、2週間健診のない病産院では、どうしているのかなと、ふと思います。

赤ちゃんの体重が増えていないだけでも、お母さんにはかなりの精神的ダメージですが、年に数人は黄疸値が異常に上昇し、光線療法が必要になり、入院加療をせざるを得ない《ダブルパンチ》な赤ちゃんもおられます。
赤ちゃんが眠り過ぎではないかという場合はためらわず、起こしておっぱいをしっかりと飲ませてあげましょうね。

寝過ごしたら気が付いた時点で起こして飲ませましょう。

2013年8月23日 (金)

B型肝炎のお母さんとの出会い

B型肝炎という病気があります。
体液・血液を介して感染る病気です。
大昔は出産の際、(つまり産道で)お母さんから赤ちゃんに感染ると言われてきました。

でも、出生後グロブリン注射をすれば、(その後の注射の時期は小児科のドクターの指示あり。1か月健診の時など。)赤ちゃんへの感染は避けられます。
もちろん、おっぱいをあげるのに制限はありません。

しかし、先日1人目は大阪の開業医さんで出産され、2人目をSOLANINの勤務先で出産されたお母さんから、奇妙なことを聞かされました。
1人目の妊婦検診の際、母乳を介して感染するから、絶対に赤ちゃんに母乳を飲ませることはできないと産婦人科のドクターから宣告されたとのこと。
なので、最初からミルク育児だったそうです。
因みに1人目さんは現在3歳代で、大昔ではありません。

SOLANINの勤務先で出産しようと思ったのは、実家があるので産前産後に上の子をみてもらうためだったからだそうです。
母乳育児を推進する病院であることはご存知でしたが、自分には縁のない話だと思っていたそうです。
里帰りで妊婦検診を受けた時、外来の看護師から「妊娠中からのおっぱいケアはしてますか?」と尋ねられ、「いいえ。」と答えたことから、会話が進み、真実が発覚したのです。

「十分母乳育児はできますよ。」と、SOLANINの勤務先の産婦人科のドクターに説明を受けてとても嬉しい気持ちになった反面、1人目の子の時泣く泣く断乳し、初乳すらあげられなかった過去を思い出し、「あれは何だったのか。」という、やるせない想いをしたと言っておられました。

正しい知識を提供してほしいですよね。

牛乳をお茶代わりに飲むとおっぱいはたくさん出るの?

牛乳の主な栄養素はたんぱく質とカルシウムですが、この2つは他の食品からも摂取することは出来ます。
牛乳を飲むとイメージ的にはダイレクトにおっぱいが出てきそうですが、おっぱいの分泌はそんな単純なものではありません
なので、これは違うと思われます。

牛乳をお茶代わりに飲むということは、1日に1000ml以上飲むってことになるのでしょうか
そうすると、牛乳の乳脂肪は平均3.6%ですから、36ml以上の乳脂肪を摂取することになりますね。
乳脂肪は動物性脂肪ですから、そんなにたくさん摂取すると、乳管が詰まりやすくなりますね。
乳管が詰まると、どうなるのか。
読者のみなさんはよ~くご存知ですよね。
(最近の読者さんで、もしご存知ない方は過去の記事を読んでくださいね)

それから、出生間もなくの新生児は牛乳を飲んだ後のお母さんのおっぱいを嫌う傾向が見受けられます。(おっぱいがどんどん出るような時期になれば、そうでもありませんが・・・)
授乳中のお母さんが牛乳を飲むことは、基本的に構わないと思いますが、量は過ぎないように気をつけてもらえるといいですね。

おっぱいのためにビタミン剤の補給は必要か?

お母さんが健康でバランスの良いお食事を摂っておられたら、おっぱいをあげているからという理由で、特別にビタミン剤の補給をする必要はありません。
唯一、おっぱいに欠けているのはビタミンKですが、これは出生間もなく、退院時前、1ヶ月健診の3回にわたり、赤ちゃんにシロップ状のお薬を投与されることになっていますから、不足する心配はまずもってありません。
(ビタミンK欠乏症について知りたい方は過去の記事をご参照くださいませ。)

健康なお母さんのおっぱいには、ビタミンA,B1,B2,B6,B12、ナイアシン、C,Dなどがまんべんなく含まれています。
ビタミン剤よりも毎日のお食事を大切にしていきましょうね。

2013年8月22日 (木)

まきまきさんからご連絡いただいたこと。

過日、離乳食が進まない件でどうしたらいいかとご相談を受けたまきまきさんから、その後(仕事復帰をされてから)のおっぱいライフや保育園でのお子さんの様子についてご連絡をいただきました。
まきまきさんは
、「悩んでいる方もいると思いますのでよかったら記事化して下さるとありがたいです☆」と、お申し出くださいましたので、ほぼそのままの文章でご紹介させていただきます。

こんにちは!SOLANINさんにご報告です。
以前離乳食を食べないことでご相談させていただきました小児科医のまきまきです。
先月から我が子は保育園に行っています。
家では毎日離乳食を数口食べるくらいで保育園でおなかが空くことに耐えられるか不安でなりませんでした。
最初のうちはやはり数口でしたが2週間目くらいからは食べむらはありますが半分以上は食べてくるようになりました。
おやつも家では食べませんでしたが園では食べているようです。
未だに家での食事は少ないですが、以前より口を開けるようになりました。

また、我が子が通園する保育園は、ありがたいことに母乳育児に理解がある園で、冷凍母乳も大丈夫でしたが私が差し乳タイプなのか一時間かかって80mlが精一杯…。
先生と相談し、食事が進まないときはミルクをコップであげてもらうことにしました。
最初は一口飲んで嫌がっていたみたいですが数日で慣れて飲めるようになり、離乳食の食べが少ないときには飲ませていただいています。
家ではもちろんおっぱいを続けています。

1日6回以上はあげています。
保育園でのお昼寝はまだうまく出来ないみたいですが、先生が抱っこしたりトントンしてもらったりで寝付くらしく、短時間は寝てきます。
・・・という経過ですが保育園と仕事と母乳育児は両立可能です!blogを読んでおられるみなさんに声を大にして言いたいです。
言い聞かせをすれば断乳しなくて本当に大丈夫ですよー!SOLANINさん、ありがとうございました!

お母さんにとっての母乳育児のメリット2

母乳育児がお母さんの健康にもたらすことについて、先ほど記事にしましたが、もうひとつありました。

骨密度が低下しにくいんです。
女性は閉経後、女性ホルモン量が減少しますから、それに連動して、ど~んと骨密度が低下します。
骨が脆くなりやすいってことです。
例えば脚の大きな骨が折れてしまったら、歩けなくなりますね。

でも、長くおっぱいをあげていると、丁度「骨の貯金」が貯まることになります。
赤ちゃんがお母さんにもたらしてくれるものは想像以上に大きいということです。
有難いことですね。

お母さんにとっての母乳育児のメリット1

おっぱいをあげると、ダイエットとか、経済的とかメリットは色々ありますが、閉経前の卵巣がん・乳がん・子宮体がんの発症率がぐ~んと低下することを知っていますか

長い期間あげるほど効果的と国際ラクテーションコンサルタント協会の資料に掲載されていました。(以前から、このことは何処かに書いてあったと記憶していましたが、何処だったかが、なかなか思い出せませんでした)

おっぱいはお母さんから赤ちゃんにあげるばっかり(=一方通行の行為)だと思っているお母さんは少なくないと思いますが、実はお母さんの健康を高めてくれる働きもあるということですね(=赤ちゃんからお母さんへのプレゼントもあるということですね)

素晴らしいと思いませんか?

2013年8月21日 (水)

産科入院中に夜間授乳をお休みするのは愚の骨頂!

おっぱいを造るホルモンは脳下垂体前葉というところから分泌します。
名前は「プロラクチン」といいます。
「プロラクチン」はお母さんが赤ちゃんにおっぱいを吸われる刺激で分泌が増えます。
また、「プロラクチン」の分泌は日内変動があり、深夜0時~朝8時くらいの間、そう、看護師の深夜勤務の時間帯には日中の2~3倍の量が分泌されています。
特におっぱいの立ち上がりの時期である産科入院中は授乳を休むとよくないです。
深夜帯は赤ちゃんさえ授乳と授乳の合間に眠ってくれたら、お母さんは眠れますよね。
すると、おっぱいの生産量がぐ~んと増えます。
おっぱいの分泌量が少なめまたは、立ち上がりがゆっくりの方は夜中の授乳は分泌量を増やすチャンスなのですね。

反対にやたらとおっぱいの分泌が多いお母さんが深夜帯の授乳をお休みすると、乳房がパンパンに張って辛くなります。
張り過ぎると飲みにくくなるので、赤ちゃんは怒ってしまいます。

母子異室の病産院では夜中は1~2回授乳お休みのトコロがあります。
経産婦さんは「入院中くらい、夜中寝かせてよ。」と、仰る方もおられます。
でも、助産師の良心にかけて言わせてもらうと、おっぱいの分泌が少なめでも多めでもどちらにせよ、お休みはよくないのですね。
もし、どうしても睡眠が必要でしたら、母子同室ならば、赤ちゃんにはしっかり飲ませてあげて、一時お預かりしてもらえばいいですし、母子異室ならば、夜間もペース変えずに授乳に通ってもらえばいいのです。
深夜帯に授乳をお休みするトコロはミルク育児を推進されてますので、母乳育児を希望されるお母さんは間違えないようにしてくださいね。

授乳中の下着の選び方★毎日を快適に!(若干改訂版)

最近は授乳中でもファッショナブルなブラジャーが多く販売されています。
その一方、昔ながらの乳帯もあるわけで。
ところで、授乳中の理想的な下着はどんなものか、聞いたことがありますか

乳房を型枠に嵌めるようなワイヤー入りだけは避けてください
血液循環が悪くなるし、トラブルの元です。
サイズの大きい方で、輸入品でないと、合わない場合もありますが、その場合でも、ワイヤーは抜き取ってお使いください。

かといって、何も身に付けないと乳房自体の重みで、乳房下縁が圧迫され、乳腺が歪められた状態になります。
これは、乳管が詰まりやすくなる原因ですから、ノーブラはいけないです。

では、ありがちなアメリカンホックが3つ付いた前開きのソフトブラジャーはといいますと、赤ちゃんに飲ませていると、空いた方の乳房からおっぱいが、ボタ落ちしてきます。使い勝手が悪いです。

下から少し持ち上げつつ、ゆったりと支えるものがいいですね具体的にはA社の〇〇色ブラやカシュクールタイプのマタニティーブラジャーですと、空いた方の乳房が露出することもありません。肩紐も太めでないと。
ユ○ク○のブラト○プもいいですね♪

逆に、細め肩紐は乳房の重みで肩に食い込むからはダメですね。
使い心地悪過ぎです。

どうせ買うなら、良いものをえらびましょうね。

クリーンコットンの清拭って要るの?

SOLANINの勤務先でも2005年頃までは授乳前にクリーンコットン(清浄綿)で乳頭・乳輪の清拭をしてから赤ちゃんにおっぱいを含ませていました。
それまでにも要らないんじゃないかって意見はちらほらと一部の助産師の間から出てはいました。
私自身、2002年に院内看護研究のメンバーになった時、テーマが「妊娠中からの乳頭ケアが産後の乳頭損傷を予防するのにどの程度の効果があるか」でしたから、メンバーとして色々やっておりましたので、「要らない。止めよう。」はかなり周りに申しておりました。
でも長年の習慣はおいそれとは変えられず、結局そこから3年後に『日本母乳の会』からのアドバイスの後押しを受けて中止に至りました。

止めるにあたり、SOLANINの勤務先では当時生後5日目の新生児に鼻腔粘液培養(以下「鼻」とします)をしていました。(現在は生後4日目)
赤ちゃんが鼻から吸い込む空気のエリアは鼻と聴診器を当てる位置を結ぶ線を半径とした同心円状であるとICTの看護師さんから教えてもらっていました。

ということはもし、清浄綿の除菌効果が高ければ、「鼻」を調べると、使用しなかった赤ちゃんの「鼻」の結果は酷いものになるはずです。
MRSAだけではなく、MRSEやMSSAなどの出現率がバンバン上昇してもおかしくはないってことになります。
でも、実際は何も変わらなかったんです。

清浄綿を使うと乳頭・乳輪の被膜が除去されるので、カンガルーケアの赤ちゃんはお母さんのおっぱいの匂いがマスキングされて、自力で乳頭を捜せなくなります。
日々の授乳でも、妊娠中からしっかりとケアをしていたにも拘わらず、乳頭損傷が起きてしまう、しかも重症化する傾向が掴めました。

お金をかけて、手間かけて、さしたる根拠もないことで、悪い結果が出るのならそれ
はやはり止めるのがいいと考えます。

SOLANINの勤務先はNICUはないので大それたことは言えませんが、MRSAについてはイヤになるくらい勉強した知識を元にお話しますと、クベースに入っておられる赤ちゃんで、レスに載っている子の90%はMRSAに感染する可能性大であること、それでも生後11日(感染の臨界期?)までにできるだけ毎日、何回でも、お母さんとの面会&スキンシップ(NICU内でのカンガルーケア)を行えば、MRSAの感染率は激減する(もちろん、医療者の厳重な手洗い、感染児と非感染児の担当スタッフの区別、クベース間の距離は1メートル以上空けるなどは言うまでもありませんが)とのことです。

お母さんの同意を得て、清浄綿アリ・ナシで赤ちゃんの「鼻」や「咽頭」の細菌叢に大きな変化があるのかどうか、データを取って検証すれば、どんなスタッフでも納得してくれると思いますよ。

SOLANINの勤務先では清浄綿を中止しても赤ちゃんに異常はありませんです。

2013年8月20日 (火)

「自宅で安静に過ごしてください!」の意味は?

切迫早産になり、産婦人科ドクターから、「自宅で安静に過ごしてください!」と指導されることがあるかと思います。
例えば勤労妊婦であれば、「お仕事は休みにしていただけるので、自宅で家事程度にすればいいのね?それなら普段よりゆっくりできるから自宅安静のレベルとして問題ないよね?」と軽く考えている方がいらっしゃいます。

違いますよ!
自宅安静とゆうのはですね、一日中横になってゴロゴロしていることですよ。
動いてもOKなのは、WCに行く時とお風呂に入る時とご飯を食べる時だけ。
お部屋の掃除をしたり、洗濯物を干したり、ご飯作るのに立ち仕事するのもNGなのです。
ちょっと近くのスーパーまでお買い物?
駄目に決まっているじゃありませんか!
ちょっと上の子を抱っこしたりおんぶして歩く?
駄目に決まっているじゃありませんか!

「自宅で安静に過ごしてください!」と指導されても、上の子の世話や旦那さんの非協力等でどうしても無理ならばどうすればいいのか?

おなかの赤ちゃんを大事に思うのなら、産婦人科ドクターに事情を説明し、自ら入院を願い出られるのも妙案だと思いますよ。
だって、切迫早産が本物の早産になってしまって、赤ちゃんにもしものことがあったら、悔やんでも悔やみきれませんからな。
経済的な負担については、高額医療費の限度額適用認定証に関する過去記事があったと思うので、それをご参照くださいね。

ティラノちゃんへの食事指導

年に1人か2人、どうしようもなく、お肉依存症で、授乳中にも関わらず食べまくっているお母さんがおられます。
何のトラブルもなければ不問に付す(?)のですが、ウィークリーで乳腺炎になっちゃうと、立場上やはり、食事指導しないわけには参りません。

そのお母さんは、お肉が本星と判明していましたから、『少し量を減らすことと、お野菜食べようね。』ということで、お話しました。
でも案の定ウィークリーな方なので、週刊ティラノの発売日には★病院の母乳外来に予約が入り、お見えになりました。
(多分O式の先生ならば激怒されても仕方ないような方です。念のため)

さすがに3ヶ月目に突入したので、私も『この間お野菜のお話しましたよね』と、ティラノさんに言いました。
そうしたら、『もちろんです。私なりに頑張って、工夫もしました』とのこと。
それにしても、また、マヨネーズみたいなおっぱいが出てくるんです。
それで、私は『具体的に何を食べたの?』と、お野菜の内容について尋ねました。

ティラノさんはきっぱりと『ポテチです』とのたまいました。
皆さん、どうですかう~ん・・・たしかにお肉じゃないけど、お芋はお野菜じゃないよね
続いて『私だって、カ○ビーかコ○ケ屋にしていて、成型したナ○スコとかは食べないように拘ってます』とのこと。

そのあと、じゃが芋はお野菜とは言えないこと、それなら蒸かすか煮るかしてねとお話したのは申すまでもありません。ジャンジャン♬

たんぽぽ珈琲ってかなり良いと思います!

東洋医学的な考え方ですと、土から↷の植物はカラダを温かくしてくれます。(`∀´)
(授乳中にカラダの冷えは大敵です。特に下半身。)
また、乳房は経絡でいうと消化器系に所属します。
(早食いや丸呑みは胃腸に負担をかけるので、いけません。)
美味しいおっぱいをたっぷりと出すには、根菜類の煮物や汁物、豆製品なんを使ったおかずをゆっくりよく噛んで食べるのがいいんです。
海藻や旬のお魚、雑穀ご飯もいいですよ。(^∇^)
お餅はカロリーがハイパーですし、おっぱいの質がドロリになりかねないので、お勧めできません。
「授乳中はお餅」なんておっしゃる方は、恐らく食うや食わずの時代にご出産された方だと思います。
昨今は飽食の時代ですから、イマドキのお食事にお餅をプラスするのは蛇足なんですね。

で、たんぽぽ珈琲ですが、原料はたんぽぽの根っこです。
東洋医学では、たんぽぽの根っこはカラダを温かくするモノの中でもスーパーレベル級と言われています
そして、授乳中はやたらと喉が渇きます。
水分補給にはノンカロリーのお水やお茶を摂るのが基本ですが、そればっかりじゃ飽きちゃいますよね。
そんな時たんぽぽ珈琲の出番です。珈琲といってもカフェインを含んでいませんから、安心して飲んでもいいのです。
つまり、たんぽぽ珈琲を飲んでも赤ちゃんの寝つきが悪くなったり、キーキー言ったり、体重増加が少なくなったりはしないということです。

カラダにいいモノはなんとなく不味いんじゃないかって思いがちですが、たんぽぽ珈琲はかなり美味しいです。
おっぱいの出方が良くなるかについては正直、まだ日本国内でのデータはないようですが、少なくとも悪くなるようなことはこれまで経験的にありません。
個人的には友人が出産したら、お祝いのひとつのアイテムとしてたんぽぽ珈琲を活用させてもらっています。(-^□^-)

2013年8月19日 (月)

クーファンは使って欲しくないです。

ク―ファンという取っ手の付いた赤ちゃんを寝かせて入れる籠のようなものをご存知ですか?
(大昔私も親戚からプレゼントされて何度か使ったことがあります。嵩張るし、2kg以上の重みがあったし、直ぐに押し入れに仕舞い込みましたが。)
ク―ファン製造販売されている業者さんには悪いですが、あれは使わないでほしいです。
ク―ファンは、籠の中に赤ちゃんを入れてから取っ手はリボンで結わえるようにして固定して、そこをしっかり把持して移動の際に使うためのものとして作られたのですが、ヒトは横着をし易い生き物なのか、慣れによる慢心なのか、これまでSOLANINは数人の方が、リボンで結わずちょい持ちして手元が狂って、あっという間に中に寝かせた赤ちゃんがゴロンと転落したのを見聞きしたことがあるからです。
取っ手を持つと、赤ちゃんを寝かせる高さが、膝上の高さになるし、そんなところからゴロンと落ちたら大変なことになります。(汗)

特に個人的に嫌だなと感じたのは、赤ちゃんを物のように運搬するそのスタンスです。
それに加えて両手が空いてラクになるわけでもないし、赤ちゃんと視線を合わせることが難しいし、赤ちゃんを入れたら確実に籠は撓(たわ)み、頭の方が下がってしまい易くなり安全上色々問題があるのに、どうしてああゆうものが存在するのか&使おうとするのか、理解し辛いですな。
強いて使うための理由を抉じ付けてみるなら、ベビーベッドを使わず、日中リビングルームで過ごす間、上の子さんの不意の襲撃(←赤ちゃんを踏んでしまう、蹴ってしまうというような)が予想されるご家庭で、上の子さんから赤ちゃんを防御しつつ寝かせるのには役立つかもしれませんが・・・
赤ちゃんと共に移動するのであれば、基本的に抱っこかおんぶでいいのではないでしょうか?

カンガルーケアの最中のおっぱいの注意ポイントとは?

カンガルーケアの際、最初はお母さんのおなかに赤ちゃんを乗せます。
もぞもぞと這い上がり(場合によっては、助産師が手伝い)赤ちゃんはお母さんのおっぱいに吸いつきます。

その際、赤ちゃんが無事生まれてくれた嬉しさで、天にも舞い上がりそうだとは思いますが、気をつけてほしいことがあります。
赤ちゃんに吸わせる時間と、吸わせ方です。

時間というのは、赤ちゃんによっては決してお母さんの乳首を舐める程度にとどまらず、あたかもすっぽんのような勢いで20分でも30分でも吸いつきっぱなしということもあります。
そうではなく、(先に述べましたように)乳首というものは赤ちゃんが舐める程度であったとしても、長時間お口に含んでいるだけで、ふやけてしまいます。

また、お母さんがLDRベッドに横たわった姿勢で吸いつくわけですから、いわゆる引っ張り飲みのように、浅飲みがちになります。

経験のない妊婦さんには分からないのは当然ですが、「長い時間吸いつかせること」+「浅飲み」=乳頭損傷という公式が成り立ちます。

妊娠中頑張っておっぱいケアしたのに、「乳首が真っ赤になって痒くなった。」・・・くらいならまだマシな方なのですが、カンガルーケア中のおっぱい一発で「乳首に亀裂が入り、痛くて吸わせられない。」・・・なぁんてことにならないように、赤ちゃんにカンガルーケアでおっぱいに吸いつかせる際は、赤ちゃんが吸いたいだけ吸いつかせるのは避けた方が良いです。
ましてやアトピー等で皮膚が元々弱かったり、切迫早産で妊娠中のおっぱいケアがまともにできなかったお母さんであれば、言わずもがな・・・ですな。

あっ、もちろん、赤ちゃんの吸いつきたいという欲求は満たしてあげたいですから、「左右短時間(せいぜい3分、長くて5分程度)に交互にお代り制であげる」というのはOKです。
もちろん、赤ちゃんによっては咥えてちょこっと吸いついただけで満足してふぅ~っとなって眠ってしまうこともしばしば有り得ることです。
そうであれば、お母さんの傍で眠らせてあげてくださって結構です。
その後、赤ちゃんが目覚めて泣き出したら、改めて吸いつかせてあげればいいのですから。

えっ?「どうやってお代りさせてあげるのか?」ですって?
最初はもちろん助産師に頼んでみてください。
赤ちゃんにどうやって乳首を含ませるのか、外すかというスキル的なモノは会得しなければ出来ませんから、「すみませ~ん、教えてください。」「ちょっと手伝ってもらえませんか?」と、助産師に声掛けしてください。
カンガルーケア中は、助産師は母子の様子・気配が感じられる近辺で、見守りつつ、分娩セットの片づけをしている筈ですから。

妊娠中は出産のことだけで頭がいっぱい?

記事タイトルを見て、「そりゃそうでしょう!」と肯いた妊婦さん、率直に申しますが、それではいけませんぞ!
「産後のことを言われても、今はまだ想像つかないし・・・」という言い訳は、単なる逃げだと
私は思います。
出産するやいなやおっぱいライフは始まるのです。
母子同室でも、母子異室でもです。
赤ちゃんがNICUに搬送されて母子分離になったら尚更ですよ。
どうしてそこに想いを馳せることが出来ないのか?

確かに出産は命がけです。
何が起こるか分からない。
どんなに設備か整っていても、優秀なスタッフが揃っていても、出産に於いては100%の安全なんて何処にも存在しませんからね。
「出産のことを考えるだけで精一杯。」という気持ちも分からないではないけれど、それだけじゃ駄目なんですよ。

おなかの赤ちゃんに対し、お母さんとしての誠意を持っているのなら、せめて1日に1回は、「出産時に何があっても、お母さんは気をしっかり持つからね。あなたを受け入れるからね。そして、産後に始まるであろう、おっぱいライフに向けて、今からできることは何かを知り、準備しますよ。」・・・という意識を持って、語りかけてほしいのです。
つまり、ココロとカラダの準備をしていただきたいのです。

その対極とも言えるのが、デパートや通販の「出産用品・赤ちゃん用品大会」の物品購入と出産時の呼吸法の練習をチョイチョイとやっただけで、「妊娠中にすべきことは、何もかもやり切った!」と勘違い&自己満足する花畑妊婦です。(泣)
ちなみに花畑度が高ければ高いほど、産後ちょっとしたことが上手くいかないと、マタニティーブルーに陥り易いようです。

この記事を読まれた妊婦さん!
是非とも、「私は、花畑妊婦にだけはなるまい!」と、決意してくださいね。

2013年8月18日 (日)

肩甲難産って知っていますか?

肩甲難産(けんこうなんざん)って聞いたことがありますか?
肩甲(けんこう)とは文字通り、読者のみなさんがよ~くご存じのあの肩甲骨(けんこうこつ)に由来しています。
健康難産ではありませんよ。(笑い事じゃありませんよ。迂闊にボケないでくださいね。)

どういうことかと申しますと、通常は経膣分娩の際、赤ちゃんの頭が出たら、助産師は赤ちゃんの身体が横に向けるのを助けます。
そして、いよいよ赤ちゃんの身体が出るのを助けるために軽く牽引するのですが、赤ちゃんの肩がお母さんの恥骨で引っかかって出られない状態を指します。

発生頻度的には、全分娩の0.5%前後とされています。
一般的には4000g越えの巨大児ちゃんの場合、起こり易いとされていますが、巨大児になる原因を紐解くと、糖尿病合併妊娠、過期産、妊婦の体重激増等が挙げられます。
お母さんの身長が低い(150cm未満)場合、3500g前後でも肩甲難産になるリスクはあります。

速やかに対処しないと、赤ちゃんは首が締まったようになり、顔色は青黒く変わり、みるみるうちに酸素不足でぐったりして、生命が脅かされます。(死亡例もあります。)
なまじ頭が出ているから、帝王切開に切り替えることも出来ません。
お母さんの身体から出すために様々な処置が必要になるため、赤ちゃんには鎖骨骨折や腕の神経麻痺が生じることも想定されますし、産婦であるお母さんも、赤ちゃんの身体を出す処置に伴い軟産道に裂傷が生じることもあるし、どうにか身体を出すことができても、子宮がポヤ~ンとしてしまうので、リッターレベルの弛緩出血を来たす恐れもあるし、産後は膀胱神経麻痺で、自力でおしっこが出なくなることもあります。

肩甲難産は滅多に起こるものではありませんが、決して舐めてかかってはいけないのです。

なってしまったら、産婦人科ドクターに全ての処置をお任せするしかありません。
妊婦さん自身が肩甲難産を予防するために何か出来ることがあるとしたら・・・やはり体重管理でしょうかねぇ。
しかし、例年お盆明けの妊婦検診では、ご馳走パクパクが祟り、全国的に体重激増する方が多いですからねぇ。(嘆)
きっと、体重激増妊婦さんは、肩甲難産の恐ろしさを知らないか、自分には関係ないと軽く考えているのでしょうねぇ。

ふぅ~。

母子異室の病産院は、ミルクをあげることが前提です。

母子異室の病産院の場合、お母さんが直母のためにおよそ3時間毎に授乳室に通うというスタイルで、1日の授乳回数が最大8回というトコロが、最大公約数です。
下手をすると、「夜間はお母さんの疲労回復のために授乳室に通うのはお休みいただきます。」と、スタッフ対応が困難なことを隠して、親切そうな甘い言葉で1~2回減らしているトコロもあります。
母子異室の病産院は、残念ながら育児用粉ミルクをあげることを前提にしていることは否定できません。

ちなみに、当ブログの読者さんは既によ~くご存知かとは思いますが、ミルクの消化時間は3時間ですから、それを目安にしているとも言えます。
(逆にいかなる理由があろうとも、ミルクの授乳間隔を詰め詰めにすることは、胃の中で消化しきっていない先に飲ませたミルクの上に、次のミルクを投入することを意味します。それだけは、幾ら何でも赤ちゃんのおなかに負担がかかるから、避けましょうということなのですね。)

1日の授乳回数が8回迄ですから、日々赤ちゃんの胃が徐々に大きくなることを勘案しても1回の哺乳量を増やしていかないと、追いつかなくなります。
特にミルク屋さんとの癒着が激しいトコロであればあるほど、生理的体重減少を許さないとというか、5日目前後の退院日に赤ちゃんの体重が生下時に戻っていないと気の済まないドクターも少なくないのが現実です。
哺乳瓶でミルクをあげることは、哺乳力がこれからの段階の新生児に確実に沢山のミルクを飲ませる手段として有効です。
提供されたミルクをたくさん消費した方が、ミルク屋さんと病産院の友好関係は育まれますから・・・
過激な物言いで気を悪くされる方が居られるかもしれませんが、百歩譲っても、「母乳育児を推進しています。」と言いながら、赤ちゃんのお母さんの見えないところであっかんべぇ~をしているようなものですからね。

ですので、巷の母子異室の病産院では毎回の哺乳量にノルマ(推奨量?必要量?とも呼ばれています)があります。
日にち(+1)×10ml/回とか、そういう設定が多いです。
例えば生後3日目であれば3(+1)×10ml/回ですから、1回に30mlとか40mlというべらぼうなノルマが設定されています。
生後5日目であれば5(+1)×10ml/回ですから、1回に50mlとか60mlも飲まされます。
酷い病産院になると、授乳予定時間よりも赤ちゃんが早く泣き出したら、お母さんを呼ぶのではなく、先にミルクを与えてしまうトコロだってあるそうです。
お母さんにしてみたら、張り切って授乳室に来た頃には、赤ちゃんは哺乳意欲のカケラも無い状態で眠りこける・・・ということだってあるのです。
もたもたしているうちに授乳時間はあっという間にタイムオーバーで、お母さんは授乳室から追い出されます。

(アメ二ティー重視が駄目だとは申しませんが、その前段階で産科医療に大事なのは安全性を重視した自然分娩と母乳育児だと私は考えます。)
その昔、ミルク育児全盛期に母乳育児が出来た方のことを、私は過去記事で「母乳育児の猛者」と命名しました。
そういう方が現代にも居られないとは申しませんが、ごく僅か、ほんの一握りであることは容易に想像が付きます。
母子同室を謳う病産院でさえ、「なんちゃって母子同室」がまだまだ多いのに、母子異室の病産院で、母乳育児を推進し、サポートしますと仰られても、どの程度なのかな?と甚だ疑問です。

余談ですが、以前1人だけ、当ブログの読者さんでもある助産師さんから、「ウチは院長の方針で母子異室ですが、母乳育児を推進しています。赤ちゃんが泣いたら一人ずつでもお母さんを授乳室に呼び出して、助産師が付きっきりで介助します。ミルクの補足は日にち×10ml/回なんかではなく、もっと少量です。」というお話を聞かせていただいたことがあります。
日本中必死に探せば、そういう病産院あるのでしょうが、それはかなり稀有な存在でしょう。
そこまでされるなら、その院長先生、何故いっそのこと、母子同室に切り替えられないのかな?と、不思議に感じました。

母子異室の病産院でご出産される方の不安を煽るつもりは毛頭ありませんが、何の根拠もなく、「おっぱいは自然に出て、赤ちゃんは勝手に飲んでくれるもの」と、楽観されているなら、それは大間違いです。
花畑妊婦から足を洗って、正しい知識を身につけて、今日から出来る限りの準備をしましょう!
産後の母乳育児に大変な時があっても、それを乗り越えて行けるしなやかさを身につけていくためにも。

そして、そういう病産院の多くは、母乳育児を推進していますと言いながら、毎日のようにケーキバイキングがあったり、退院日のランチがフレンチでワイン付きで、お部屋が有名デザイナーのデザインで・・・と、アメ二ティー重視なもんですから、結構人気があったりするのですね。(悲)

2週間健診は何人目の赤ちゃんでも受診しましょう!

お母さんにとって、上の子さんの時に母乳育児が順風満帆に出来た場合、次の子の母乳育児に対しても、大きな不安は無いことが多いです。
おむつ交換や抱っこしてあやすことや沐浴も、一通り自分でしてこられた方は、「出来るかどうか不安」という気持ちになることは、まず無いと思います。

なので、ごくたまにですが、「2週間健診はお金がかかるから受けたくない。」とか「それって義務なんですか?」とか仰るお母さんに出会うと大変残念な気持ちになります。
「お金がかかるから・・・」という理由は、確かに経済的に苦しい方も居られるのでしょうが、中古のブランドバッグをオークションで落とすよりは1ケタ少ない金額ですので、それくらいご自身と赤ちゃんのために費やすことは出来ないのですか?と逆に問いたいですね。
「義務ですか?」という質問には義務ではないですがとしか答えられないですが。

ただ、そういう方は、赤ちゃんの哺乳のスタイルや病気の早期発見という視点が欠けておられるようです。
兄弟姉妹でも、お顔が似ていても、赤ちゃんは一人ずつ違うんです。
1ヶ月健診では遅いことだってあるのです。
赤ちゃんの体重を測定するだけが2週間健診ではないのですよ。

2013年8月17日 (土)

分娩進行しても、わりかし平気な方も居られます。

10分間隔または1時間に6回以上の陣痛が始まった時刻が分娩開始である…という定義は医療関係者だったら周知の事実です。
妊婦向け雑誌やムック等にもそう書いてあるし、マタニティークラスでもそのように教えてもらうし、そういうものだということは、何となくでもみなさんご存知かと思います。
ちなみに途中で陣痛が遠のいて、10分間隔よりも長い間隔に後退してしまったら、一旦はリセットでして、再度10分間隔で陣痛が始まった時刻から分娩所要時間はカウントされます。
破水やおしるしも分娩開始兆候なのですが、通常そこから分娩所要時間がカウントされることはまず無いと思われます。

陣痛=強烈な痛みというイメージがあるかもしれませんが、開始早々はそうでもないこともあり、普段から月経痛がキツい方は「何のこれしき!」と、思うこともあるようです。
また子宮収縮というからには下腹部が痛くなるというパターンが圧倒的かと思いますが、たまに腰ばかり痛くて、下腹部は殆ど痛くなかったと仰る方も居られます。
先日は経産婦さんで「まだ、大した痛みではないから上の子を保育園にお迎えに行って来てもいいですかね?」と一時的な外出許可(?)を希望された方が居られましたが、その時点で弱いながらも7~8分間隔で陣痛は発来しており、子宮口も7cm破開大していたので、当然のように希望は却下されました。(汗)
私もかつて長男出産で入院した時、モニター上も体感的にも3分間隔で結構強い陣痛が来ていて、子宮口8cm開大して、児頭の下降も+2という状況であったにもかかわらず、配膳された給食を完食し、陣痛室のベッドから数メートル離れた下膳室まで自分で歩き、トレーや食器を平気で片付けていたという経験があります。
10分間隔の陣痛なんて大したことないわ!と決めつけず、電話連絡して、受診すべきかどうか、聞いて見られた方が良いと思います。
間に合わないよりはマシですから。
但し、誘発を大々的にしたがる(?)病産院は、要注意・ケースバイケースかもしれませんが・・・

2013年8月16日 (金)

しこりが無い?・・・いいえ、有りますとも!

分泌過多のお母さんで、哺乳後今イチスッキリ感が無いことが続くと、しこりが出来ますね。
それでも
時々、「私はしこりは無いです。」と仰るお母さんがいらっしゃいますが、「ホントかなぁ?」と思いつつ、触らせていただくと、乳房のかなりの範囲が板状のしこりが出来ていることがあります。

もしかしたら、痛みを伴わないから、気にならないのかもしれません。
もしかしたら、しこりって言葉のイメージで、グリグリ固まった感じのものと思い込んでいらっしゃるので、「これは違う。」と、思っていらっしゃるのかもしれません。

SOLANINは、基本的にしこりはあっても痛みを伴わなければ、且つ授乳後は乳房全体にスッキリ感があるのならば、あまり神経質にならなくてもいいかなと思いますが、痛みを伴わなくても板状のしこりの範囲が徐々に拡がるのは、やはり良くない兆候だと思います。
身体の冷えがキツい方は、かなりの頻度で板状のしこりが出来易いように見受けられます。

まずは授乳後に自己触診していただき、「これって大丈夫かな?」と気になる時は、一度助産師に診てもらった方がいいと思います。

治りが遅くなると、色々困りますからね。

まぶたに鈴カステラ?(生まれ立て!)

赤ちゃんは五体満足で生まれてきてくれたら、それでいいんです。
でも、親というのは欲深く、とかく、「目元がぱっちりしていたらいいのに・・・」とか、生まれたての赤ちゃんにさえ望んでしまうこともまた事実です。

しかし、大きな赤ちゃんだったり、出産までに時間がかかったり、へその緒が頸に巻きついていたりすると、往々にして赤ちゃんのまぶたが腫れぼったくなることがあります。
そう、まぶたに鈴カステラをくっつけている状態を思い浮かべてもらったら分かりやすいのではないかと思います。
「不細工やなぁ~。」と生まれたてなのに、あんまりな言葉を浴びせられている気の毒な赤ちゃん・・・不憫過ぎます。
先に述べたようなことが原因であれば、日にちの経過とともに鈴カステラは縮小していきます。
目元がスッキリしてきたら、分厚かったまぶたもぱっちりになることだって、充分あり得ることです。
どうか、生まれたての赤ちゃんのまぶたが腫れぼったくても、お顔についてのコメントは暫くは様子見でお願いします。
ネガティヴなことは、言わないでやってくださいね。
赤ちゃんは記憶していますので、そういう言われ方をされると、かなり傷つくそうですから。
おじいちゃん・おばあちゃん・お父さんにも、その旨宜しくお伝えくださいね。

2013年8月15日 (木)

病産院選びは大事だよ。

<ご連絡いただいたこと>
今回は御礼を言いたくメッセージさせていただきます。
私が産んだ病院は、ご飯がおいしい、部屋が綺麗と評判がよく私も無知で、そんな評判を信じてその病院で産むことを決断しました。
蓋をあけてみたら助産師さんが最悪の方が多く、母乳が出ず諦めかけたお母さんを『母親なんでしょ、堪えなさい』と叱ったり、ナースステーションで『あのお母さんは…』と噂話をする始末。
退院した時は、『困ったら電話してくたざい』といったのに電話したら『要件によっては繋げません』と拒否されたり。
産後旦那と二人で赤ちゃんの世話をしていた私は不安でしょうがなくナ―バスになっていましたので、私もこんなことで電話して…と噂されてるのでは?とか人の目が気になりどうしようもなく気が狂いそうでした。
そんな時にmixiのママのコミュニティーでこのblogを知りました。
検索したら知りたいことがヒットする安心感。
登録したり書き込みをするとメッセージが必ず返ってきて、自分が大切にされてる感じがします。
私にとって救いの神のようです。
SOLANINさんのいる病院で出産したかった♪
次子の時は病院選びから始めたいと思います。
(けど、R県って・・・Rで始まる県ないですよね?)
SOLANINさんが○県だったら…と願う私です。

正直ソラニンさんのblogを見て、不安になることもあります。
私間違ってた…とか勘違いしてた…とか。
でも、今から改善することはできます*
過ぎたことを悔いるより、これからの未来をがんばります!

ちなみに娘は今、2ヶ月と12日で、生まれが2630g45.8cm。今は5900g58cmと母乳のみでスクスクと成長してくれています。
最近は夜8時には寝てくれて2回の授乳を経て6~7時に起きてきます。
新米ママで困る私を支えてくれてるのは、娘です。ママが頼りないから私が導いてあげる~と言わんばかり。
娘の要求に応えて気が付けばSOLANINさんのblog通りだったりして驚いています。
赤ちゃんって素晴らしいですね。
お忙しい中長文失礼しました。
最後まで読んでいただき光栄です。これからも不安なことたくさん出てくると思います。
その際に活用させていただきます。
お体に気をつけて、これからも育児に悩んだり困ったりしているお母さんを救ってください。
私も出会いに感謝しています。

<SOLANINのコメント>
身に余るお言葉頂戴して、こちらこそ大変光栄に思います。
間違ってたのかな?知らなかった!ということは気が付いて行動変容出来ればいいのですよ。
それで充分です!
それから、出産される病産院選びは、私が昔、雨風呂のルームに書いていたように、想像以上に重要です。
現代の日本では自然分娩や母乳育児をしたいなら、余程慎重に選ばないと大失敗します。
もちろん挽回は可能ですが、最初のボタンを掛け違わなければ、こんなに苦しむことは無かったのに・・・ということはゴマンとありますから。

昔雨風呂のルームに書いていたこと、憶えている方も居られるかしら?
病産院選びのチェックポイントのひとつに「医療従事者の出産が多いか?」というのがあります。
どんな病院なのかは、横繋がりに情報は入ってきますからね。
医療従事者は不必要な医療介入が多い病産院は選択しないし、特に母乳育児したい人が多い職種だから、ミルク推進病産院は最初からパスだわね。
私の知る限り、医療従事者は院長や診療部長のドクターとしての資質や、性格や特徴の情報交換はかなりしていますね。
スタッフの資質も言わずもがなです。
ヤバそうだと分かっている病産院で、大事な赤ちゃんを敢えて産むわけないじゃないですか!
ねっ?

2013年8月14日 (水)

心に残った言葉。

暫く前、或る場所で聴いた講演の中で、強く共感した言葉があります。

それは、「母乳育児が上手くいくかどうかは、出産場所に左右されるのが今の日本の現状ですが、出産場所がBFHであろうとなかろうと、上手くいかない方をどのように支援するかということにこそ、母乳育児支援の真価が問われるのではないか?」ということです。

全くその通りだと思います。
お母さんと赤ちゃんの持てるチカラを引き出していくこと、つまり実力が発揮できるような情報提供やケアをすること、精神的な支えになることが、母乳育児支援をする医療者の役目であることに間違いありません。

母乳育児のスタートで躓いてしまうパターンは幾つかありますが、分泌不足で混合栄養になるにしても、ラッチオンがまともに出来なくて、搾乳補足の日々であるにしても、お母さんたちは自分を責め、嘆き、苦しまれると思います。
そこから気持ちを立て直すのに、とても時間が掛かるようです。

でも例えば、一人目さんの時はそうだったとしても、二人目さんの時は、真逆だったら、視界が開けるように表情が明るくなられるのもまた事実です。

私に出来ることは限られていますが、一人でも多くのお母さんと赤ちゃんのおっぱいライフのスタートが順調であるように、お母さんに知っていて欲しいこと、母乳育児支援をする医療者に知っていて欲しいことをこれからも発信していきたいと思います。

VBACについて。

<ご相談内容>
1歳になったばかりの娘が一人います。
帝王切開での出産でした。
そろそろ2人目を…と思っています。
1人目を帝王切開で出産しても2人目以降を経膣で出産される方がいらっしゃいますが(VBACって言うんですか?)以前助産師さんに「見てるこっちの方が(いつ破裂するか)怖くてドキドキする」って言われました。
SOLANINさんはVBACについてどう考えておられますか?
帝王切開の準備をしながらのお産になると思いますが、経膣に出来なくなる確率はどれくらいなのでしょうか?

<SOLANINの回答>
以前、ていプ切開されたお母さんの妊娠間隔について記事化しましたが、それについては既読と見做し(つまり参考記事として知識がおありになると解釈判断して)書かせていただきます。

と言っても、恐らく厚生労働省の統計でも都道府県単位の統計でも、VBACの項目は無かったと思います。
BFHの申請書類の項目ですら、VBACの項目はなかったですし。
なので、統計的なことは私の勤務先のデータになります。
年により多少の変動はありますが、全分娩件数の4%はVBACです。
VBACを試みるも、医学的に困難となり、帝王切開に変更をせざるを得ない確率は過去4年間、全VBACの約2%です。

VBACなんてことがあるのさえ知らない(そういうことができることを想像だにしない)医療者(主に産婦人科領域以外の医療者という意味です。)は、かなり居られるのではないかと推察します。

また、国内の現状では、VBACは絶対しない主義の産婦人科ドクターの方が、割合としては圧倒的に多いのが現状だと思います。
それはやはり、大変申し上げにくいのですが、産婦人科領域は何かあれば直ぐに裁判になる確率が他科とは比較にならないくらい高率であるため、何故帝王切開に至ったのか理由を吟味せず、帝王切開=安全・無難・裁判回避という考え方が、幅を利かしているからなのでしょうね。

例えばですが、低身長の初産婦で、それが主な原因で児頭骨盤不均衡(CPD)で帝王切開となれば、次回の出産時も、条件(=児頭が骨盤を通過出来ない)が変わる可能性は低い(=但、よほど頭が小さな赤ちゃんであれば可能かもしれないので別ですが・・・)ですから、帝王切開が選択されても致仕方ないと考えます。
それから、2回以上反復して帝王切開している方は、最初からVBACは適応外です。

そうではなく、例えば初産婦で逆子であることを理由に帝王切開になったとしたら?
現状では、国内・海外を問わず、施設分娩が普通にある国であれば、初産婦の逆子は問答無用で帝王切開になるのがスタンダードでしょう。
でも、だから次回も無条件で帝王切開・・・ではないよというのがVBACですね。
ダブルセットアップといって、安全のため、予め手術前検査を済ませ、万一経膣分娩が不可能になれば帝王切開に切り替えることは申すまでもありません。

とは言っても、私自身がVBACされる方の分娩介助をしたことはございませんから偉そうなことは申せません。
ですので、勤務先で、実際何件もVBAC}を介助した助産師に聞いたところ、やはり「ヒヤヒヤドキドキは通常とは比較にならないくらいある。」と率直に口を揃えて答えてくれました。
ただ、私の勤務先は産婦人科ドクターの方針(自然分娩と母乳育児)があるので、ドクターが妊婦検診中に該当者にはVBACの説明をされています。
そして、VBACの同意書を書いていただいた方にはVBACを試みる・・・という流れになっています。
もちろんというか、VBACの場合、通常の分娩よりもドクターは早くからスタンバイされるというか、殆ど産婦さんに張り付き状態です。
子宮破裂防止のため、最後は吸引分娩になりますから、吸引カップを設置する都合上、会陰切開は避けられないです。(稀に吸引間に合わず、スルリとお生まれになる赤ちゃんも居られますが。)

それから、産婦さんがVBACを望まれても、産婦人科ドクターや助産師の受け入れ態勢が整った施設でないと、VBACを取り扱ってはもらえないのでご注意くださいね。

「上を向いて産まれた?」「引っかかった?」

<ご質問内容>
未だに謎なのですが、産まれてくる際 何か(赤ちゃんの顔?)が引っ掛かって なかなか出て来てくれませんでした。
ようやく何とか 出て来てくれてから産婦人科のドクターが「よく下から産まれて来てくれたねぇ~!上を向いて出て来たから引っ掛かってたんだね。」と言われたのですが 上を向いて…とは??顎を引かずに頭を上にあげて出て来た…と言うことなんですよね??
本当に 分かりづらい内容で すみません!
それはどういう意味なんでしょうか?

<SOLANINの回答>
経膣分娩では通常、赤ちゃんの頭が下向きになっています。(赤ちゃんの足はお母さんのあばらの下の辺りにあります。)
で、分娩進行したら赤ちゃんは産道をズボボボ―ンとフリーフォールするのではなく、じわじわとそして回旋しながら産まれてきます。
赤ちゃんの元々の背中の向きで右回り左回りどちらかになりますが、質問者さんの赤ちゃんの場合、逆回旋されたということです。
つまり、分娩にあたり、赤ちゃんの小泉門が先進するのが一般的なのです。
最終的に赤ちゃんのお顔はお母さんのお尻の方を見るようにして、下顎を引いてカラダを丸く縮めるようにして産まれてきます。
このポジションがお母さんの苦しみが一番少ないし、分娩進行もスムーズなんですね。
ところが、回旋異常といって、逆回旋する赤ちゃんが居られます。
最終的にお母さんのおなかの方を見るというか、顎をグイッと持ち上げるようにして(≒浅田真央ちゃんの決めポーズみたいな感じね。)産まれてくる赤ちゃんが居られるのですね。
原因は様々ですが、お母さんの骨盤の形によるというパターンが少なからずあるようです。
小泉門が先進しませんから、遷延分娩いわゆる難産になってしまいます。
「腰の骨が砕けそうなくらい痛いのに、ちっとも分娩進行しない。」ことになってしまいます。

近くて分かり易い比喩で表現するとしたら、そうですね~、タートルのセーターを着るのに、下顎を引いて頭を通すのは簡単ですが、顔面を真上に向けて通そうとすると、それこそ下顎が引っかって、なかなか通りませんね。

なので、赤ちゃんも分娩中にしんどくなることもあります。
途中で心拍低下し、赤ちゃんが危険な状態になることもあります。
「お母さんが酸素投与された。」「ドクターにおなかを押された。」「会陰部切開された。」「吸引分娩だった。」「陣痛促進剤を途中から使用された。」等の処置があってもある意味止むを得ないこともあります。
いよいよの場合緊急帝王切開ということもあるかもしれません。

でも、人の何倍も大変な痛みに耐え、それでも経膣分娩できたのだから、それはそれである意味凄いんです。

産婦人科ドクターの仰った、「上向いてた。」「引っかかってた。」というのは、恐らくそういうことではないかと推察します。

2013年8月13日 (火)

陣痛はまだでも破水した時はどうすればいいの?(正期産)

ご存知のように、37週0日から41周6日までは正期産(満期産)の範囲ですから、何時陣痛が生きても、不思議ではありません。
そして、分娩開始兆候として、日本産科婦人科学会では「陣痛周期10分もしくは1時間6回の陣痛頻度をもって、臨床的な分娩開始時期とする。」・・・と定義されています。
当然、入院の時期としても、これほど分かり易い兆候はないわけです。
但し、経産婦さんの場合、仮に15分毎であっても、1時間もしないうちに一気に周期が縮まったりすることがあるので、10分毎になっていなくても、早めに病産院に連絡され、入院時期を何時にするか相談された方が良いと思います。
(もちろん、前駆陣痛であることも、可能性としてはありますが、間に合わないよりはマシだと思います。)

そうではなく、陣痛は一向に来る気配が無かったとしても、破水した場合は決して悠長に構えていてはいけません。
前期破水(陣痛が発来するまでの破水)は高位破水(子宮口よりも高い位置での破水)である可能性が高いのですが、赤ちゃんに膣からの感染の危険性が時間の経過とともに高まります。
あまりに少量しか出なくて、尿漏れか?と間違える方もありますが、自宅で診断することは無理なので、そういう場合は病産院に連絡して、破水の有無を確認してもらう必要があります。
(自覚症状が無くても破水していることもたまにあります。)
万一破水していることが確認されたら、直近の膣分泌物検査で引っからなかったとしても、ドクターの指示通りに抗菌薬の内服をすることになります。
そして、白血球値やCRPといった検査項目で感染兆候の有無をを確認してもらいつつ、陣痛の発来を待ちます。
(通常、おなかの赤ちゃんが元気で、感染兆候が無ければ、無闇に陣痛誘発はしないものです。)

絶対にしてはならないのは、「どうせ、破水だけだと、直ぐに赤ちゃんが生まれるわけが無いから、陣痛が来るまで、家で様子見したらいいかな?」という安易で自己中心的な考え方です。
確かに陣痛が来なければ赤ちゃんは生まれてきません。
しかし、その考え方にはおなかの赤ちゃんを気遣う視点か全く欠落しているのです。
先にも書きましたが、破水したら、おなかの赤ちゃんは感染の危険性が高まるのです。
破水したのに必要な対処もせずに放置すると、おなかの赤ちゃんは陣痛に耐えられないくらい衰弱することだってあるのです。
元気に生まれてくる筈だった赤ちゃんが、全身に細菌感染していわゆる「菌血症」になり、小児科入院⇒保育器収容&点滴施行&モニター管理&酸素投与・・・といった事態になりかねないのです。

これが横位や骨盤位の場合ですと、臍帯脱出という最悪の事態に突入することも想定されます。(QQ車で母体搬送され、迅速に緊急帝王切開が施行されても赤ちゃんの救命が叶わないことも高確率で有り得るのです。)

破水を軽く見てはいけないですよ。
絶対に。

こま切れ睡眠に対応できます。

独身時代には考えられないと思いますが、妊娠後期になると、睡眠パターンまでお母さんモードになります。
その一例が夜間のWCタイムによる数回の覚醒です。
数回の覚醒ということは、こま切れ睡眠ということで、当然のように昼間睡魔が襲ってきたりしてお昼寝をしたり・・・という経験は殆どの妊婦さんがお持ちではないかと思います。
産後のおっぱい生活が始まると、まさにこま切れ睡眠になりますが、睡眠時間が短い割にはカラダが動くのは実は妊娠中から準備ができているからなのですね。

ちなみにこの睡眠パターンの司令塔は、松果体から分泌されるホルモンです。
そしてこの松果体ホルモンはおなかの赤ちゃんにも大きな影響を与えていまして、一般的に生後2ヶ月迄の赤ちゃんは夜行性の場合が圧倒的に多いのはこのお母さんからおなかにいた時に貰った松果体ホルモンのせいなのですね。

赤ちゃん自身のカラダが松果体ホルモンを造り出し、赤ちゃんなりの睡眠パターンが形成されるのは2カ月以降です。
実際その頃になると、「わりと眠ってくれるようになりました。」と仰るお母さんが増えてきます。

でも、おっぱいを造るプロラクチンというホルモンは夜中は昼間の2倍出るので、夜中に起きてしっかりおっぱいを飲むことは赤ちゃんの成長発達には不可欠のことですから、決して端折ってはいけないのですね。

色々なトコロで人間のカラダは上手くいくようにプログラミングされているのですね。

オキシトシン放出の抑制因子

お母さんが精神的な悩み・ストレスを抱えていたり、疼痛を我慢することや極度の疲労が続くと、脳下垂体後葉から放出されるオキシトシンをセーブしてしまいます。
(オキシトシンはおっぱいを射出するはたらきを持つホルモンですね。)
つまり、おっぱいの出方が少なくなるということです。

逆に赤ちゃんの泣き声を聞いたり、赤ちゃんを抱き締めたり、ゆったりした環境で実際に赤ちゃんに吸啜されたりすると、オキシトシンはグ~ンと放出されます。
つまり、おっぱいの出方が多くなるということです。

メンタルな要素ってホルモン分泌に影響があるのですね。
マタニティーブルーに陥ると、おっぱいの出方は少なくなるというのは、こういうことなんですね。
おっぱいが上手くいかない(分泌が増えにくいとか、赤ちゃんが上手く吸啜してくれないからとか。)せいでマタニティーブルーになる方は、かなり多い頻度でおられるのではないかと想定されますから、妊婦さんはお手入れや胎教を頑張って、来るべき日に備えてくださいね。

2013年8月12日 (月)

出来るだけ早い方がいいです。

混合栄養をされているお母さんで、完母を目指していらっしゃる場合、母乳の分泌を増やしたいと願い、努力していらっしゃる方は少なくないと思います。

過去記事にもありますが、満3ヶ月頃までは、頻回直母(直母が困難な場合や母子分離の場合は搾母になりますが・・・)を実践していただくと、徐々に分泌はアップしてくるとされていますし、SOLANINも経験的にそれは実感しております。

個々人の事情もありますので、致し方ないこともあるのでしょうが、出来ることなら、助産院や母乳外来を受診されるのは、退院されてから早ければ早い方がいいですな。
正直言って遅くなればなるほど、出来ることが少なくなりますので。

どうかよろしくお願いします。

会陰部マッサージについて。

助産院でご出産される方に限らず、会陰部に切開が入れられるのは、避けられるものならば避けたいところかと思います。
会陰部マッサージというのは、専用クリームとかマッサージ用のオイルを使用し、会陰部の伸展を良くして、出産時に切開を入れなくて済むようにというための妊娠中からのケアのひとつです。

但し、会陰部マッサージをしたからと言って、絶対に切開不要とは限らないし、裂傷が起きないとも限りません。
なぜなら、助産師なら誰でも知っているとは思いますが、出産の進行は会陰部の伸展だけでキマルるわけではないからです。
(陣痛の強さとか赤ちゃんの頭の大きさ・体重・胎向とか軟産道の硬さとか・・・まぁ、色々な条件があるわけです。)

会陰部のマッサージを開始する時期は現在のところ確定はしていません。
早い場合は16週くらいからという施設もあるし、34週からというところもあるし。
個人的には出来るだけ早いほうがいいのではないかと思います。

方法は病産院で指導してくれると思われますが、かいつまんで申しますと、背もたれのある座椅子などにもたれて膝をたてて開脚し、専用クリームを指に適量付け、右の会陰部なら右手で8~10時方向へ左の会陰部なら左手で4~2時方向へ、20~30回づつ外方向に押し広げるようにします。
肛門方向を時計の6時と見做して、右手で6~8時方向へ、左手で6~4時方向へ20~30回づつ弧を描くように若しくはV字型になるように拡げます。
つまり、自分の指を使って会陰部を伸展しやすいように妊娠中からするマッサージなんですね。
マッサージ用オイルは垂らすわけにはいかないから、使用量が難しいと言われていますが、大きめの脱脂綿などにしっとりとするくらいオイルを含ませて、マッサージ前に10分間くらい「ピチュ」すればいいと思います。
あ、「ピチュ」というのはインド式マッサージなんかでやりますが、オイルパックのようなものと捉えてもらったらいいです。

会陰部切開の痛みですが、ある程度会陰部が伸展してからの5mmくらいの?正中切開だったらさほどでないですよ。(個人的な感想です。1人目がそうでした。)
側切開が痛いんですね。(産後授乳室で、褥婦さん同士で円座争奪戦になるくらいです。)
バースプランに「会陰部切開はNG若しくは最小限に。」に加えて「どうしてもなら正中切開で。」と書かれてはいかがですか?

そうそう、安産に向けてならば体重を増やし過ぎないことと、スクワットもいいのですよ。

葉酸の摂取は何故積極的に推奨されるのか?(改訂版)

葉酸はビタミンBの一種です。
緑黄色野菜に多く含まれます。
胎児の神経管閉鎖障害という病気の予防にとても大きな効果があることが判っています。
(神経管閉鎖障害には二分脊椎や無脳症などの赤ちゃんの生命に関わる病気が含まれます。どう頑張っても健康な体に生んであげられない、生まれると同時に赤ちゃんを喪ってしまうことのある恐ろしい病気です。)
そのことが判ってからというもの、2000年に厚生省から『食品からの葉酸摂取に加えて妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間は400μg(=マイクログラムと読みます。400μg=0.4gです)の葉酸摂取を推奨する。』という通達が出ているくらいです。

最近の研究では、この他にも口唇・口蓋裂や心血管系異常や泌尿器家系異常やダウン症のリスク減少などにも関与していると示唆されているそうです。

もちろん葉酸摂取だけではなく、『バランスの良いお食事が必要。』
『神経管閉鎖障害の赤ちゃんを妊娠したことのある女性はドクター管理下でもっと多くの葉酸摂取を推奨されることもある。』
『妊娠中の禁酒・禁煙の徹底。』
も、併せて通達されています。
ご存知でしたかな?

葉酸のサプリメント摂取は、産婦人科ドクターも推奨されると思いますが、他のサプリメントにつきましては、自己判断で摂取されるのは止めておきましょう。

※但し葉酸といえど、過剰摂取はお母さんの乳がんのリスクを高めるという報告もあるようで、多けりゃイイってものではないので、適量遵守していただくよう、ご注意願います。

経膣分娩における硬膜外麻酔。

欧米諸国では帝王切開率がぐんぐん上昇し、経膣分娩でも硬膜外麻酔が頻繁に行われているそうです。
最近は日本国内の病産院でも「お薬を使った無痛分娩」というキャッチコピーで勧めておられる施設も増えてきているようです。
そりゃ、痛いのは誰だって厭ですから、痛くないならそれに越したことはないわけで。

でもね、出産間際にその手のお薬を使うと、赤ちゃんはとてもウトウトしてしまい、なかなか上手くお母さんのおっぱいに吸いつけないことが非常に多いそうです。
お薬の影響はおよそ2週間は持続するそうですから、えらいことなんですね。
まぁ、寝ながらでも哺乳瓶なら飲めるのでしょうが、過去の記事でも哺乳瓶を安易に使用することは母乳育児にとって益なしと言い続けておりますのは読者のみなさんはよ~くご存じかと思います。
しかも、起きている時に赤ちゃんが泣く時間が長いそうです。
そうするしか、産めないなら仕方ないかもしれませんが、赤ちゃんと一緒に陣痛を戦っていくくらいの気概が産む方には必要ではないかと思います。
一見、良さそうなことは、何かウラがあるってことです。
私の手術の後みたいに脚が麻痺してしまう事故だって起きていますしね。
体験者の方、そこまでのインフォームドコンセントを受けられましたか?

2013年8月11日 (日)

お父さんもおなかの赤ちゃんにお話してね!

SOLANINの勤務先でも95%以上の産婦さんが立会出産されます。
赤ちゃんが生まれると、お父さんも嬉しくて、御休みをもらったり、毎日仕事帰りに面会されたりしておられます。

慣れない手つきで赤ちゃんを抱っこして、あやそうとされます。
微笑ましい光景です。

だんだん、慣れてはくるはずですが、どうしてもお父さんが抱っこすると、ギャン泣きする赤ちゃんがおられます。

その理由は・・・おなかにいる時、殆んど赤ちゃんに語りかけていないからであることが、非常に多い。
出張、残業、当直などなど、お仕事が忙し過ぎてまた、飲み会続きとかで、そういう語りかけ未経験ですと、いくら生物学的にお父さんでも、赤ちゃんにとってはそこいら辺のおっちゃんと同様なんですな。
赤ちゃんの気持ちとしては、そこいら辺のおっちゃんにいきなり抱っこされたら、怖いよね。
赤ちゃんには、おなかにいる時からお馴染みさんになってもらわなくっちゃね。

おなかの赤ちゃんとお話していますか?

突然ですが、胎教ってどんなことをすると、イメージしますか。
モーツアルトを聴くことですか。
展覧会に行って名画を鑑賞することですか。
それとも、フラッシュカードで、お勉強させることですか。
マタニティーヨガを習いに行くことですか。

どれも当てはまるかな。
でも、ちょっと違うような・・・。

私はおなかの赤ちゃんを慈しむ気持ちで、おなかに手を置いて語りかけることだと思うんです。
かといって、あまり意識すると舌が噛みそうになるから、目の前にいる人に喋るつもりになって、肩のチカラを抜いてリラックスしてね。

「今日は雲ひとつない青空で気持ちが良いね♪」

「このお花いい香りがするでしょう?」

「晩御飯は、お魚を焼くね。デザートは苺。美味しいんだよ!」

「お母さんね、○○さんの歌が大スキなの。良いと思わない?」

などなど、何でもいいんです。

赤ちゃんの聴覚は特に問題がなければ、妊娠5~7ヶ月頃には十分に外界の音や話し声は聞こえているのです。
人の声を聞き分けているそうです。
どんなに忙しくても、1日に1回はおなかの赤ちゃんに語りかけてみてね。
赤ちゃんはお母さんに語りかけてもらうのを待っていますから。

出産時のお部屋は個室?それとも相室?

最近は個室希望のお母さんが増えています。
人前で乳房をさらすのに、抵抗があるんですね。
子供の時から個室を与えられ、寮での集団生活を経験されていないお母さんは相室なんて無理って思っていませんか。

上のお子さんがしょっちゅう面会される経産婦さんならともかく、初産婦さんが個室をチョイスされると、大抵おっぱいで苦労します。
もちろん、大丈夫な方もおられますが、上手くいかない率、高いです。

きっと、ヒッキーしてると助産師に授乳しているトコロを見てもらう機会が少なくて、お手伝いしてもらうこともなく、自己流の含ませ方になっちゃうからなんですよね。
乳頭傷だらけ、乳房パンパン、昼夜逆転・・・。
抱っこに仕方も退院前なのに、オタオタしてて、「こんなレベルで帰ったらヤバイぞ~退院遅らせたら」って感じの方が少なくありません。
同室でも、赤ちゃんに慣れるのに、3日はかかります。
それまでは、授乳の度に授乳コーナーに出向かれて、「これでいいのか」ということを担当助産師に確認してもらいながらがされるのが、一番いい結果に繋がります。
個室、初産婦さんは止めた方がいいですぞ。

2013年8月10日 (土)

キシリトールタブレットをあげるタイミングは?

幼児に1日に数回に小分けして、キシリトールタブレットを食べさせてあげることは、虫歯予防に有効とされています。

SOLANINは、「歯磨きが嫌いな幼児には、歯磨きを頑張ったご褒美として食べさせてあげるのも作戦ですよ♪」と過去記事に書いた記憶があります。
フッ素入りの歯磨き粉を使った後であっても食べさせてあげてもいいのですが、このやり方をしていらっしゃる場合、祖父母が誤解しないように、きっちりと申し送りをしておきましょう!

どうゆうことかと申しますと、幼児にとっては、砂糖とキシリトールを区別して摂取しているわけではないので、例えば祖父母宅にお泊りした際に、「ウチのママは歯磨きの後、甘いタブレットを食べさせてくれるんだよ。」なんて言っちゃうかもしれないからです。(汗)
そうすると、普段理性的な祖父母であっても、「ええっ!嫁(or娘)は、あんなに虫歯予防が大事だって言ってるのに、何してるのかしら?ホントにいいのかしら?でも、孫が喜ぶんだったらヨシとするか・・・」的な発想をされる恐れがあるからです。

食べさせても桶なのは、キシリトール100%のタブレット限定です。
予め早トチリされ易いことが予測されるのであれば、お子さんが祖父母宅へお泊りをされる際に現物を持参して、「子どもが言ってるタブレットとゆうのはこれです。これ以外は駄目です。」と、きちんとお伝えし、お願いしましょうね。
トラブル回避のためにも、こういう手間を省いてはいけませんよ。

『なんちゃって母子同室』に気をつけて!

最近は病産院の選択ポイントとして、母子同室を重視されるお母さんが増えてきておられるので、異室から同室に転換するところが増えてきて、誠に喜ばしい限りです

WHO/ユニセフも母乳育児成功のためにはまず母子同室をと提唱しています。
自分のおっぱいで赤ちゃんを育てたいと希望するお母さんには絶対条件と言っても過言ではありません
しかし、出生直後からの母子同室をしている病産院はまだまだ少ないようです
というのも、首を傾げたくなる母子同室の話をここのところ、何人ものお母さんから聞かされることがあったんですね

わたしはそのような病産院のやり方を『なんちゃって母子同室』と呼んでおります。

具体例を挙げましょう

①朝9時夜9時まで・・・お近くのスーパーの営業時間ではありません
赤ちゃんと同室して、おっぱいをあげる時間が半日しかないということです
出産後ゆっくり休ませてあげようという親心かもしれませんが、一番おっぱいの分泌が多くなる深夜帯をまるまる外すとは・・・しかも、胃の小さい赤ちゃんに消化の早いおっぱいをあげるのに頻回でなくてどうするんでしょう
半日間はしょっぱなからミルクですか

②産後3日目から希望者のみ終日OK・・・赤ちゃんの状態が悪くてクベースに収容されているとか事情があるなら私も止むを得ないと思います。
そうではなく、出産後ゆっくり休ませてあげようという親心か小児科のあるトコロだったら、ドクターの方針(=大抵、ご出身大学・医局の方針とリンクしてる)で一律にお許しが出ない場合

もしもいくつかの選択肢があり、この手の病産院を選ぶべきか否か悩むなら・・・
母乳育児を推進する者としては、率直に申して①や②はお勧めできませんなぁ。

こんなやり方では上手くいく方であっても上手くいかないことの方が多いから。

ホントに母乳育児を勧める気持ちがあれば、赤ちゃんをお母さんから拉致っちゃいけないし、そのことはWHO/ユニセフも言っていますから。

花畑妊婦以前の問題かもしれない。

SOLANINは、しばしば、妊婦さんに対し、「妊娠中はお母さんになるためにカラダとココロの準備をしましょう。」と申しております。
と、申しますのも、可愛い赤ちゃんグッズを妊婦雑誌に書いてある通りに購入し、「これで準備万端だ。」(?)と自己満足される妊婦さんがまだまだ多いからです。
また、買い物自体は妊婦さんでなくても家族の方が代行することは可能なので・・・という意味も込めています。
赤ちゃんグッズというものは、短期間の使用となるものが多いですし、それがホントに必要なのか深く考えずに購入するのは、赤ちゃんが生まれたら何かと物入りですからお金の遣い方としてあまり上手とは言えませんね。
もちろんわざわざ購入しなくてもお友達から譲ってもらったり、他のもので代替えが利くのであれば、それもイイと思います。
ただ、やはり赤ちゃんグッズであっても、毎日使うものもありますから、妊娠中に何一つ購入しないのは、さすがに有り得ないと思います。
妊娠後期には切迫早産や合併症のため入院しなくてはならないこともありますから、元気に活動できるであろう妊娠中期あたりに購入したり、手作りしたり、誰かから譲ってもらったり・・・という準備は、最低限していただきたいことだと思います。
特に、初産婦さんの場合、何となく「出産は予定日より遅れるだろう。」という見込みを世間一般は抱いていますが、そうとは限らないのが世の常です。
満期産ではあるものの予定日より早く出産したため、ホントに何も準備しておらず、さすがにヤバいと思い、入院中に対策を講じている新米お母さんを見ると、「退院日までに頼むから間に合わせてよ!」と、言いたくなります。
でも、そういう超マイペースというかのんびり屋さんの場合、間の悪いことに、「退院日にお店に立ち寄って買って帰ろうと思っていたら、お店が定休日だった。」とか、「退院日に間に合うようにと入院中にネットで注文したら、欠品で間に合わなかった。」という展開になったとしばしば耳にします。(涙)
くれぐれも後手後手にならないように、赤ちゃんのために必要なグッズは、妊娠中期までに準備しましょうね。
そうそう、経産婦さんの場合、上の子さんの時に使ったものが、果たしてそのまま下の子さんの使えるかどうかも確認しておいてくださいね。
肌着やカバーオールは季節によって厚みや素材が異なりますからね。
出生する季節が上の子さんと下の子さんで真逆の場合は、うかっり(←そこや、そこや、「っ」の位置が違いますがな・・・)しないように、お願いします。

お産・子育ては加点法で考えよう。

私は池川明ドクターを尊敬しています。
ご著書も数冊持っていますし、何度も熟読しています。
セミナーに参加したこともあります。
サインを頂いたり、お写真を撮影させていただいたりしています。(これは単なるミーハーか?)
暫く前に出版されたご著書で、『生まれる前からの子育て』というものがあり、最近はそれをよく読んでいます。
「あぁ、なるほど。」と思うことが、沢山ありましたので、心に響いたことをご紹介させていただきます。

《人生に大きな波はそう何回も来るわけではありませんが、お産は確実に、最大の節目の一つです。
お産とは人生の総決算であると同時に、生き方を問い直し、新たなスタートを切るチャンスでもあるのです。
誤解されやすいのですが、いいお産とは決して、お産のスタイルに拘ることではありません。
ある大学病院の調査によると、九割のお母さんが、自分のお産に喪失感があると答えたそうです。
つまり、周りの人に「安産で良かったね」と言われても、自分ではそう思えない人がたくさんいるということです。
その理由の一つとしては、現代のお産が最悪の事態を避けることばかり念頭に置いて、赤ちゃんだけではなくお母さんの心にも配慮していないということがあります。
それは改善していくべきですし、お母さん自身、自分がどういうお産を望んでいるのかをよく考えて、お産する場所を決めていくことも必要でしょう。

しかし、お産に充実感を感じられない二つ目の理由としては、前もって100点満点のお産というのを自分でイメージしてしまい、実際のお産の後、「これはよくなかった、あれもうまく出来なかった」と、減点方で評価してしまうという要因があげられます。
すると、現実には100点満点のお産などほとんど存在しませんから、子育てのスタートからすっかり自信を失ってしまうのです。
このことは、特に自然分娩に拘っているお母さんに当てはまるようです。
ただし、ここで考えていただきたいのですが、子育てのゴールは、子どもが成長して一人で生きていけるようにすることであり、そういう長期的な展望からすると、お産は子育ての通過点に過ぎないということです。
確かに大切な通過点ではありますが、それですべてが決まるわけではありません。
自然分娩が望ましいのは、お母さんとの絆を確立しやすく、その安心感があると子どもは独立しやすいという点にあります。
しかし、帝王切開でも深い絆を築いている母子はたくさんいます。
無事に赤ちゃんを産んで抱っこできたなら、それは生まれたい赤ちゃんの想いを叶えてあげたことになるのですから、すべて100点満点のお産です。
その上で、もしも自然分娩ができたのだとしたらプラス10点というように、お産は加点法で考えるべきです。
そういう発想は変えることのできない過去を受け入れ、前向きに生きていくことに繋がります。
そしてその後も長く続く子育てにおいては、お母さんのそんな姿勢がとても大切なのです。
減点法ではなく加点法で子どもと向き合い、子どもの成長の一つ一つに気づけるなら、命を授かりその育ちを見守るという、お母さんならではの喜びを深く実感できるようになるでしょう。》・・・ほぼ原文ママ。

ううむ。
さすが池川明ドクターは深い洞察力をお持ちです。
確かにSOLANINも、2週間健診で退院後のお母さんと接していて、なんとなくお産の振り返りのような会話に突入することがありますが、お産に携わった産婦人科のドクターや助産師から、「上手にお産されましたよ。安産でしたね。」と、肯定的な言葉がけをされても、素直に受け止められなかったお母さんに対応することがあります。

例えば○○さんは、「あんなに長い間、痛くてしんどい目に遭って、どこが安産なのかと言いたくなりました。」と、仰いました。
別の方で●●さんは、「自分は初産ですが、5時間足らずのスピード出産でした。陣痛はメチャクチャ痛かったです。なのに、ドクターや助産師から安産、安産と言われると、段々と腹が立ってきました。」という気持ちの表出に遭遇しました。

そういう時、SOLANINは、「お産の後、周囲の人たちが何となくご自分の気持ちを分かってくれていなんだなと感じられたのですね。」と受け止めます。
その上で、池川明ドクターの仰るように、
「お産は無事に赤ちゃんを産むことが出来たら、それは生まれたいという赤ちゃんの想いを実現できたということですから、本来それだけで充分なものなのですよ。私が言うのもナンですが、こんな元気な赤ちゃんを産めたのですから、○○さんのお産は100点満点ですよ。」
「気を悪くしないで聞いてくださいね。昔、私は産婦人科のドクターから、初産の方だったら12~16時間で出産できたらそれは安産だって聞いたことがあります。きっとドクターや助産師は、それよりも圧倒的に早いお産だったから、●●さんを労うつもりだったんじゃないかなぁ?ドクターや助産師は、急激に進行するお産が物凄く痛いということはちゃんと理解していますよ。●●さんはホントに頑張られたんですね。」と、いうようにお話ししています。

すると、なんとなくですが、お母さんの表情や口振りが柔らかくなってくることが感じられます。
どうせなら、明るい気持ちでバースレビュー出来るといいですね♪

2013年8月 9日 (金)

哺乳瓶でミルクをあげる方が、ラクなのか?

粉ミルクだけをあげてると、他の人にも飲ませてもらえることは確かです。

でも、お湯を沸かして、適温まで冷まさなくてはならないし、早くに泣いても授乳間隔を詰めることは出来ません。
あやして、待たせなくてはならないのは、やるせないものでしょう。
欲しがるからと言って、やみくもにたくさんあげるわけにもいきません。
体重が激増したら、ダイエットを命ぜられます。
小児科のドクターの指導通りにしたら、授乳間隔が3時間以上空かないし、ギャン泣きします。
かといって、無制限にあげたら、小児肥満への一里塚です。
調乳は面倒だし、飲ませた後の哺乳瓶はきれいに洗って毎回消毒しなくてはなりません。
外出の際は荷物も増えます。
経済的にも負担は大きいです。
2400円くらいする、ミルク缶が下手すると4缶/月も必要です。
児童手当が吹っ飛びます。

ミルクだから、ラクだとは言えないと思います。
現在混合栄養の赤ちゃんのかなりの割合の方が、完母もあながち夢でない場合が考えられるので、母乳育児ってどういうものか、もっと積極的に学んだ方が、産後の子育てがしやすくなるんじゃないかと、私は思います。

おっぱいは赤ちゃんのためにある!(若干改訂版)

赤ちゃんがおっぱいの飲み方を腹八分にコントロールできるようになるのは出産予定日から数えておおよそ3ヶ月頃です。
いわゆる、満腹中枢が形成されるまでに、そのくらいの時の流れが必要なんです。
それまでの時期は”スタミナが尽きるまで”若しくは”眠たくなるまで”延々とおっぱいに吸い付いてもおかしくないのです。
長い時間吸い付いても、おっぱいが足りないとは限りません。
胃袋の限界に挑戦するかのような飲みっぷりです。
満腹中枢が未形成のうちは、しばしば飲んでる最中にうんちがお出ましになったり、おちちを吐いたりすることもあります。
そして、おむつ交換や着替えをさせ終わると、「おっぱいなんて、飲ませて貰っていませんよ」とばかりに、お口を金魚のようにパクパクさせたり、舌なめずりをしていることさえあります。
もちろんあやすことは大切ですが、そのような”飲んだおちちリセット状態”の場合、赤ちゃんに我慢させるのはナンセンスです。
粉ミルクならば、消化時間が3時間以上と見なすので、授乳間隔を詰めることは馴染みませんが、おっぱいはそのようなしばりがありません。

どうか、赤ちゃんのペースで飲ませてあげてください。
時々、誤った知識がアタマにこびり付いてる医療者から、
「もう泣いたら飲ませる時期じゃない」とか、
「欲しがるたびにおちちを飲ませると赤ちゃんはしんどくなるから止めなさい」
などとお説教されて凹むお母さんがおられます。

でも、そんなの気にしなくても大丈夫!
赤ちゃんの頭を高くして寝かせてあげたり、カラダごと真横に寝かせてあげたり、抱っこしてあやすなら立て抱きにして、赤ちゃんがラクな姿勢をとらせてあげればいいのです。
お母さんのおっぱいは医療者ではなく、赤ちゃんのためにあるものです。
おっぱいの出し惜しみは、赤ちゃんの健やかな成長や良好な乳房コンディション維持の妨げになりかねません。
あなたにアドバイスをくれる医療者が、母乳育児に関する正しい知識を持っているかどうかを、見極めることが肝腎です。

WHO母乳育児を成功させるための10ヶ条知っていますか?

SOLANINが勤務している病院はWHO/ユニセフから「赤ちゃんにやさしい病院(BFH)」に認定されています。
母乳育児は決して難しいものでも、特殊なものでもありません。
お母さんのおっぱいで赤ちゃんを育てることはイキモノとして当たり前のことです。
なのに日本国内の病産院でご出産されたお母さんで、退院時母乳のみの方は60%弱しかおられません。
(因みに病院でご出産されたお母さんの95%は退院時母乳のみです。)

ところが、今のおばあちゃん世代がお母さんだったころは、ミルク育児がめっちゃ流行していました。
育児休暇なんて、公立学校のセンセイくらいしか取得できませんでした。
しかも、「母乳育児は女性の社会進出を妨げる」とか、「ミルク育児をしたらバストが垂れない」とか、ホンマかいな?というような話が常識のように言われていました。

どんなことでもそうですが、人間、自分が経験していないことを、次の世代に伝えたり教えたりすることは出来ません。
本来ならば、お母さんから娘や嫁に伝えていくべきものが、現代では出来ない状況なんですね。

私は母乳育児を成功させるにはまず、プレママとその周囲の方達の意識改革が必要だと考えます。

具体的には、赤ちゃんのプレパパ、じいじ、ばあばが「母乳育児を成功させるための10カ条」を理解し、正しく実践することに尽きます。
そのためには、まず、医療者が学生時代には教えてもらえなかった
「母乳育児を成功させるための10カ条」を読み解くための便キョをして、プレママとその周囲の方達に学ぶ機会を提供することだと考えています。

2013年8月 8日 (木)

おっぱいとお薬その73『ミノマイシン®』

昔はアレですが、最近は使われる機会が少ない抗菌薬の一種で『ミノマイシン®』とゆうお薬があります。
分類的にはテトラサイクリン系でして、この系統のお薬は、妊婦さんや子どもには恐らく処方されることは無いでしょうな。

何故かと言うと、副作用があるからです。
主な副作用は、歯の着色(黄色い歯になり、しかもずっとそのまま)と骨の成長抑制が起こることです。

産後どうしても『ミノマイシン®』でないと効かない感染症になってしまった場合についてですが、このお薬は長期連用することはお勧めできません。
大体3週間(4週間という説もある)を限度とした処方であれば、授乳中のお母さんが服用しても許容範囲とされています。

その程度の期間であれば、おっぱいへの移行量そのものは少ないので、上記の副作用の発現する可能性は低いからです。
ちなみに、半減期は概ね9時間前後(6~12時間)とされています。

妊娠中から母乳育児を志向しよう!

妊娠中って出産のことで頭がいっぱいのプレママさん。
出産は妊娠のゴールですか?
それだと、正解としては半分かな。
なぜなら、もう半分は母乳育児のスタートだから。

妊娠中からおなかの赤ちゃんにしてあげられるお母さんとしての準備って何ですか?
洋服や紙おむつなどを買いに行くことですか?
でも、それは他の誰かでもできますよね? 

では、プレママにしかできないことは何でしょう?
それは、妊娠中から「おっぱいで育てよう」という気持ちを持つことと、毎日の乳頭・乳輪マッサージなんです。

赤ちゃんは硬い乳頭・乳輪(鼻の硬さ)には上手く吸い付けません。
赤ちゃんが吸い付いてくれないと、おっぱいは出てこないのです。
乳管を開通させ、乳輪を柔かく(耳たぶの硬さ)していきましょう。 
オイルパックをしてからならばつまんでも痛くないですよ。
根気よく続けていけば、必ず変わります。
乳管の詰りが取れたら、じわ~っと初乳が出てきます。

おなかの張りやすいプレママは、午前11時~午後1時までの時間にしてみてね。
その時間帯が一日のうち、一番おなかが張りにくく、安全度が高いからです。
妊娠中からの乳頭・乳輪マッサージは、最高に価値のあるプレゼントです。(笑)

乳腺炎の際の対処法★じゃがいも湿布の作り方

以前、糾励根(きゅうれいこん)湿布の記事を書きましたが、憶えておられますかな
アレはホントによく効きます。

伝達講習した成果で、♥病院の私と同じ勤務部署のスタッフは師長さんから、1年目の看護師さんまで、全員作れるようになっています。
うっ積、うっ滞、どんな時でも適用禁止ってないですから。
痛いマッサージは大抵しなくて済みます。
お母さんにとっても、助産師にとっても、VERY GOODですね!

さて、今日のお題はじゃが芋湿布です。
これはじゃが芋の皮を剥いておろし金ですり下ろします。
中くらいのじゃが芋ならば、小麦粉大さじ4~5杯加えます。
お酢を2滴ほどたらして全体をじゃが芋の水分でペースト状になるまで練ります。
それをリードのキッチンペーパーのように、ふわっとした素材のペーパーに塗り伸ばします。(ガーゼとかならば再利用できますが、洗って湿布の素を落とすのが大変なので、・・・激吸収ペーパータオルは不適)
それを直接肌に付かないように内側に折って
一巻き150円くらいの医療用テープなどで患部にお止めください。
そうして、だいたい4~6時間毎に貼り替えてください。

・・・ここで、察しの良い方は『ええっ、そうしたら、夜中キッチンでじゃが芋すり下ろさなあかんのかいな』と思ってしまいますよね

でも大丈夫!いつも言ってるじゃないですか!
SOLANINは自分ができないことを、指導したりしないって!

ですからね、じゃが芋湿布は一日分拵えて、密封して冷蔵庫に保管しておけばいいんです。(ただ単に貼り替えるなら、できますよね?)
じゃが芋湿布は原材料の調達に苦労は要らないし、コスト的にもOKですね。
しかも、安全性ばっちりです。
万一赤ちゃんが舐めてしまっても、生命に関わることにはならないですからね。
それって、大事なことですし。

助産院のセンセイはサトイモ湿布をされます。アレもいいのですが、自然食品のお店に行ってサトイモ粉を買ってこなくちゃいけないんです。
しかも、サトイモはご存知のように、痒くなる方が結構いらっしゃるので、そこがネックかなぁ・・・。

保冷剤やアイスノンでは冷やし過ぎで乳房の循環は悪くなるから、それに今は冬だから、寒いもんね。

なお、赤ちゃんが小麦アレルギーの場合は米粉に変更してくださいませ。

反復性乳腺炎(涙)

O式のセンセイはお食事と3時間授乳について、かなり厳格な指導をなさいます。
もちろん、それは乳腺炎の治療の一環ですし、乳腺炎の予防の大きな柱でもあります。
しかし・・・乳腺炎を繰り返し、悩んでおられるお母さんはおられるわけで。
赤ちゃんの哺乳稚拙(つぶし飲み・ゆがめ飲みなど)や乳管及び開口部が細いこと、ポジショニングの偏りなど、トラブルの誘因となるものは他にもありますね。

出来うる限りのことをしていても、乳腺炎を繰り返すとおっぱいをあげることが、辛くなることもあります。
こういう事態に陥るにあたり、細菌感染によることが想定されることがあります。
安易な使用は避けるべきですが、抗生剤を内服することや薬剤感受性を調べることも必要になることがあります。(乳汁と赤ちゃんの鼻腔培養)
また、当り前過ぎて見過ごされがちですが、授乳前の手洗いは念いりにしてくださいね。(乳頭・乳輪の消毒は不要ですが。)

2013年8月 7日 (水)

乳腺炎で切開しなくちゃならないの?

今のおばあちゃん世代が赤ちゃんを育てていた頃は日本の国では母乳育児が一番低調な時期だったと言えます。
そんな時代背景で母乳育児を行っていた人は“猛者”だと過去の記事に書きましたが、憶えておられますかな?

適切な情報が皆無だったその頃は乳腺炎になる方、それが重症化する方が多くいらっしゃったそうです。
重症化すると外科に回され、問答無用で切開を入れられたそうです。

現代ではどうでしょう?
トンでも情報と正しい情報が交錯していますね。
でも、一昔前に比べたら、SOLANINは酷い乳腺炎の方に出会うことが激減しています。
切開を入れなくてはならないくらい酷い方はどうかな~?3000人に1人くらいかな?
(あくまで私の経験値ですが。)
切開までしなくてはならないかどうかは、最終的に外科のドクターが決定されます。
が、私から見て切開してもらわなくてはならない方は、明らかに乳汁か膿が乳腺内に貯留しているのに、乳管開口部が全く無い状態・・・でしょうか。
現代は乳腺炎のしこり=切開ではありません。
マッサージや内服や赤ちゃんに頻回直母をすれば切開せずとも大丈夫なようですよ。

じゃがいも湿布は良く効くけど、カブレて困る時は?

助産院の先生は乳腺炎になったら里芋粉を水で練って布に塗り伸ばし、「里芋湿布」をしたらよいと、ご指導なさることが多いと思います。
でも、自然食品店か助産院でもなければお手軽に里芋粉は購入できないし、溶き方や体質によっては痒くなりがちなのが難点です。

ですので、昨年、もう少しお手軽かつリーズナブルで痒くなり難い湿布ということで、「じゃがいも湿布」を作り方をご紹介した次第です。
しかしながら「じゃがいも湿布が使えない。」という方が出現され困っておられることを知りました。

<ご相談内容>
昨日で3ヶ月になった男の子を完母で育てています。
こちらのブログを拝見しトラブルが多いおっぱいですが、何とか頑張っています。

産後一ヶ月過ぎに乳腺炎になって以来、三回なっってしまいました。
そして、三回目になった時から、じゃがいも湿布にかぶれるのか、赤ちゃんの顔中に湿疹がでるようになりました。
今回も、また硬結ができてきてこのままいくと熱発しそうなので、じゃがいも湿布を一度してみたのですが、やはり赤ちゃんの顔中に湿疹が出ました。
赤ちゃんがかわいそうに思えて湿疹は中断しましたが、おっぱいにはじゃがいも湿布が効いているので悩みます。
里芋は私がかぶれるのでしていません。
良い方法がありましたら、お手すきの時でかまいませんので、お教えください。

<SOLANINの回答>
本来「じゃがいも湿布」はカブレにくさが利点なのですが、大勢の中には合わない方も居られるということなのかもしれません。
仮に本当に、「じゃがいも湿布」で赤ちゃんに湿疹が出たとしたら、もしかしたら食物アレルギーの可能性が無きにしも非ずです。
何が怪しいか特定するにはどうすればいいか?
まず、小麦粉を混ぜる代わりに上新粉(米の粉)を混ぜて「じゃがいも湿布」を作成して貼り付けてください。
それでも出るならばじゃがいもを抜いてペースト状の水溶き小麦粉を貼り付けて、反応があるかどうか確かめてください。
3カ月では血液検査等をしても、結果が出ないかもしれませんが、しかるべき時期が来て調べてもらったら黒白ハッキリするかもしれません。

その中で簡単かつ効果大なのが「悟飯」もとい、「ご飯湿布」です。
出来れば炊き立てが良いのですが、白ご飯を杓子に1杯取り、それを笊に入れ、軽く水洗いして、ぬめりを少なくします。
ご飯の水気を切って、手の中にご飯粒を集め、クチャクチャ揉みこみ五平餅のようにします。
それを平らに延ばし、直接患部に貼り付けます。
ご飯粒が下着にくっつかないように、表面はガーゼで覆った方がいいです。
じきにパリンパリンに干からびたら、ベリベリと剥がし、また、新しい「ご飯湿布」を貼り替えていくのです。

炊き込みご飯やパエリアでなければ、すぐに作成・貼り付けともに可能だと思います。

乳房トラブルでマッサージを受けた日は。

乳房トラブルになり、母乳外来や助産院で乳房マッサージを受けられたことのあるお母さんはご存知かもしれませんが、もしかしたらご存知ない方も居られるやもしれずと思い、書かせていただきます。

一般的に乳房マッサージを受けると、患部の循環不全が改善されます。
早い話、乳房の血の巡りが良くなるのですね。
でも、乳房マッサージをしてもらったからといって、一気に美味しいおっぱいに改善すると考えるのはムシが好過ぎますね。
赤ちゃんも少し飲んではプイッとしたりという状態が暫く続きます。
ですので、このような段階で注意をしていただきたいのは、乳房マッサージを受けた日は、肩までどっぷり浸かるような長湯をしてはいけないということです。
乳房に熱いシャワーを長時間掛けるのもNGですよ。
乳房マッサージを受け、折角コンディションが改善したのに、そんなことをしたら自己流の乳房温罨法を施したも同然です。
瞬く間にリバウンドしたかのように乳房がパンパンに張ってしまい、元の黙阿弥になってしまうのが関の山です。(泣)

乳房トラブルで乳房マッサージを受けた日は、どうしてもお湯に浸かりたいならば、短時間の半身浴が限度です。
シャワーであっても乳房はささっと洗ってささっと流すだけに留めましょう。
それでは身体が冷えて風邪を引くかもしれない場合は、背中と下半身を温めて貰ったら問題ないと思われますので、その程度で我慢してくださいね。
もちろん、乳房トラブルの状態によっては、担当助産師から、「本日は入浴・シャワー共に厳禁です。」というお達しが出されることがあるかもしれません。
その場合は、必ずお達しに従ってくださいね。

2013年8月 6日 (火)

フットボール抱きの極意とは?

「あなたと赤ちゃんはフットボール抱きの授乳が合うよ。」と助産師から勧められたお母さんは少なくないと思いますが、きちんとマスターしないと結構な割合で、上口唇にばかり力が掛かって、下口唇が浮いた感じorパカパカしてしまい、乳頭の上側が切れてしまったり、哺乳が量にならないことも見受けられます。
困ったことですな。

「どないしたらエエのやろ?」と日々悩み、画面の向こうに座っていらっしゃるあなた、極意を教えて差し上げましょう!

先ずは、頸の据わっていない赤ちゃんであれば、後頸部を親指と人差し指の股で挟み込み把持します。
後頭部に手を添わせると、頸部がカクンと前傾しますから、駄目ですよ。

次に、赤ちゃんがまぁるい大きなお口を開けたら、ガバッと咥えさせます。
このあたりはいつもと一緒ですかな?

で、(ここが肝心!)赤ちゃんの後頸部を把持している方の腕の肘をホンの少し、2cmくらいクイッと後ろに引くのです。すると、下口唇の浮いた感じorパカパカしていたのが、しっかり密着できて下顎のチカラが適正に掛かるようになります。

しかも、上側に傷が入っていた方も、「痛くない!」ということに気がつかれると思います。

以上です。
ジャンジャン!

ちょっと待った!それってホントに治ってる?

乳房が腫れて、しこりが出来て、熱が出て、痛くなって・・・というのは、乳腺炎の症状ですね。
みなさんよ~くご存知かと思います。
これらも症状がスッキリとよくなれば、一応治ったのかなぁということになります。
でも、それってお母さんからみた所見に過ぎないのですね。
それだけでホントに治ったと言い切るのは早計ですぞ!

おっぱいの味は食べたものでも変化しますが、乳腺炎になると、乳汁が濃ゆくなるので、ドロドロしてきます。
(ドロドロとはねちょくなったり、マーブル状になったり、脂が浮いている状態です。)
味はテキメンに不味くなります。

ホントに治ったのかをチェックするには、上記の条件に加えて以下の条件が揃っていることが必要です。
まずは、少量でいいからしこり(硬結)に繋がる部位の乳管から、自分で乳汁を搾り出して性状をチェックしてください。
左右差はありませんか?
ドロドロしていませんか?

そして、赤ちゃんの飲みっぷりをチェックしてください。
左右差はありませんか?
唸ったり、小言を言ったり、カラダをくねらせたり、乳首を引っ張ったり、ちょっと咥えてはピッと離したり、溜息を付いたり、ニヤニヤ笑いをしながら飲んでいませんか?

ちなみに、喋るおっぱい星人だったら、お味を尋ねたら「美味しくなったよ!」と言ってくれます。

乳腺炎がホントに治ったのか、治る途中なのかは、乳汁の性状と赤ちゃんの飲みっぷりもチェックしてから判断しましょう。

生後6ヶ月以降の乳腺炎について。

頻回直母がいつまで続くかは、個人差もありますが、徐々に回数は減ってきます。
夜泣きをする赤ちゃんもおられますが、反面、夜間ぐっすり型の赤ちゃんもおられます。
昼間の授乳間隔が空く赤ちゃんもおられますが、昼間は起きている時間が長くなるから、ちょこちょこ飲む赤ちゃんもおられますし、離乳食の方にハマッてしまい、おっぱいが早くも脇役になってしまう赤ちゃんもおられます。

育児休暇が1年以上取れず、それどころか早々に復帰を余儀なくされて、昼間は搾乳をしなくてはならないお母さんもおられることでしょう。

かようにおっぱいの飲み方は月齢とともにバリエーションが出てきます。

注意すべきことは、赤ちゃんの授乳間隔や、直母回数が全盛期よりも減ってきているのに、お母さんの摂取カロリーが、同じですと、それまで何ともなかったのに、いきなり乳腺炎になってしまうことがあります。

赤ちゃんの飲み方が変化したらお母さんのお食事内容も見直しが必要ですよ。
宜しくお願いします。

夜中の授乳間隔が空いて、乳房が張り易い場合は?

恐らく、殆どすべてのご家庭で、お食事のボリューム・品数などの比率が一番大きいのが夕食だと思います。
それは致仕方ないことなのですが、赤ちゃんの満腹中枢が分かるようになる頃以降、夜中の授乳間隔が空くことってあるんですよね。
普段乳房が張りにくい方であっても、(張り易い方なら尚のこと)授乳間隔が空くと乳房はパンパン・ガチガチになってしまいます。

そのメカニズムですが、通常夜中は赤ちゃんが眠ってしまわれたら、お母さんもバタンキューでしょうから起きている時よりもカラダが休まるのですね。
そうして記憶力の良い方だったら、夜中はおっぱいを造るホルモンの分泌が昼間の2倍に増えるってことを過去記事に書いてますが、憶えておられますよね?!
そこにボリューム・品数の多い夕食を持ってきたら・・・
おお怖い!小学生でも答えは分かるのではないかしら?
そう。
リスクオッズの倍率ドン!の状態になってしまうのです。

それはつまり、乳腺炎を自ら呼び込んでいるような状態を意味するのです。

母乳育児中のお母さんのおっぱいの間隔で、トラブルが起きにくいのはおっぱいの消化時間である約2時間毎までのことが多いですが、いつもそうとは限りませんね。
かと言って極端にお食事の量を長期にわたり減らしてしまい、分泌がガクンと減っては大変ですから、ダイエットもどきはしない方がいいです。(カロリー計算は、してみてほしいですが。)
そういう場合は1日の摂取カロリーはそのままで、出来るだけ夕食のボリューム・品数の比率を下げ、反対に朝食・昼食の比率を上げてください。

万一乳房の緊満がハンパなくて堪らず排乳するとしたら、乳頭。・乳輪には触れずに、乳房基底部に手を当てて、いわゆるお握り搾りにしてください。
間違ってもフワフワに軽くなるまで搾りきらないようにしましょう。
ほんの圧抜き程度にしておいてくださればそれで充分なんですよ。

2013年8月 5日 (月)

早喰いは百害あって一利なし。

お食事に物凄く気を付けておられて(ジャンクフードも、お餅も、揚げ物も、甘いものも、夏野菜も、乳製品も、お肉も控えているか殆ど食べない。)、乳管が特別に細いわけでもないし、、赤ちゃんが特別に飲み方が下手っぴちゃんでもないのに、何故か乳房トラブルを繰り返すお母さんがおられます。(涙)

共通点があるとしたら、このお母さんたちは「早喰いである。」ということです。
食べている口元を見ていると、数回噛んだら丸呑みしていることに気が付く筈です。
とにかく食べ終わるのが早いのです。

職業で言えば、学校の先生・保育士さん・幼稚園の先生・看護師さんは、ほぼ100%早喰いです。
既製品のお弁当を5分以内で食べてしまう方、ガソリンの給油のように食べてしまう方、それって自覚がなくても超早喰いですよ。
まぁ、SOLANINも他人様のことを言える食事所要時間ではないので、偉そうなことは申しませんが、常態的に消化吸収のために胃腸に罹る負担がハンパなく大きいと、乳房の調子は確実に悪い方へとベクトルは伸びてゆきます。

さてみなさんは、お食事の時間、どのくらいかけてますか?

赤ちゃんが風邪をひいてからおっぱいが痛い!

赤ちゃんであっても風邪を引くことがあります。
鼻水や咳が出る時はしんどいですから、いつも通りにはおっぱいは飲めません。
すると、お母さんの乳房内にいつもよりはおっぱいが残り易くなります。
飲ませてもイマイチ乳房が軽くならないというか、すっきり感が少なくなります。

気にならない程度なら放置していいのですが、明らかに緊満している状態が続くようなら、月齢に関係なく、いつもよりこまめに飲ませてあげましょう。
それでも乳房が軽くならないというか、すっきり感が少ない場合は要注意です。
脅かすわけではありませんが、乳房にしこりが出来たり、分泌過多傾向のお母さんの場合、あっという間に乳腺炎になってしまうこともあります。

そんなことになったら大変ですから、対策としては赤ちゃんの体調が戻るまでの数日間、搾乳をして凌ぐことをお勧めします。
(もちろん赤ちゃんの風邪が治って、しっかりおっぱいが飲めるようになれば搾乳は中止しましょう。)
また、お母さんがその期間、若干お食事の量を減らすことで無用な乳房の緊満を防ぐことができますから、搾乳だけでは心配な場合はそのようにしてみてくださいね。

赤ちゃんの風邪、早く良くなりますように。

上を脱ぐか?、下を脱ぐか?

意味深なタイトルですが、艶めかしい話ではありません。
連日の暑さにうだる妊産褥婦の方と、肌の露出について話す機会が多いモノですから。
本音を言えば上も下もあまり露出の多い服装は避けていただきたい。

でも、どちらかひとつを!という究極の選択を迫られたとしたらですが、SOLANINだったら、「上を脱いでください。」と言いますね。

下は脱いだらダメですよ。
下着一丁で素足というのは、暑かろうがなんだろうが、あきまへん!
下半身が冷えるとイイことは、何もありません。
百歩譲って、超短時間な、例えば縁側でそうめん食べる間のひととき、盥(たらい)の水で足を冷やす某歌舞伎役者の出演するCMがあるけれど、あの程度にとどめておいてくださいね。

お願いします。

2013年8月 4日 (日)

アスピリン喘息のお母さんは気をつけてね!

アスピリン喘息と診断された方は、処方してもらえない(=服用してはいけない)お薬が結構あります。

予め主治医からお話を聞いていらっしゃるかと思いますが・・・
例えば、産科入院中で経産婦さんの場合、後陣痛ってめっちゃキツいですよね?
かつてSOLANINも経験がありますが、最初の3日間くらいは、不随意にやって来る痛みに眠れないくらいでしたね。
痛み止めを内服しないと、耳の後ろから汗が出てくるくらい痛くて痛くて。(涙)
確か、あの時は・・・大昔のことなので名前は忘れましたが、消炎鎮痛薬を処方してもらい、3日間服用し続けましたわ。

最近だったら・・・どうだろ?
後陣痛がめっちゃキツい場合、一般的にはいわゆる『ロキソニン®』とか『ブルフェン®』とかを処方されることが多いかな~と思いますが、アスピリン喘息の方は、発作を誘発するリスクが高いので、どちらのお薬も使えませんので厳重にご注意願います。

他にも、ざっと思い出すだけで、処方してもらえないお薬の名前を挙げますと、『ボルタレン®』『インダシン®』『バファリン®』『カロナール®』外用薬の『エパテック®』『モーラス®』等々ですかな。

アスピリン喘息以外の喘息の方の場合、そこまで神経質にならなくても・・・という考え方もありますが、一般的にはドクターは処方を渋られると思いますよ。

まさかとは思いますが、これまでアスピリン喘息の主治医から服用してはいけないお薬のお話をしっかりとは聞いたことが無い方につきましては、近いうちに必ず確認してもらってくださいね。
出来れば、万一の服用事故防止のために、NGのお薬の一覧表なんかを頂けると便利ですね。

長期化した乳口炎は慢性乳腺炎です。

乳頭に白い点が出来て・・・という経験をされた読者さんは相当数居られるかと思います。
それくらいポピュラーな病変なんですね、乳口炎って。
乳口炎はもちろん局所のケアは欠かせません。
急性の乳口炎は軽快するのも早いのですが、慢性の乳口炎は一気には軽快しません。
時々、1回のマッサージで、何とかしようとする助産師がいますが、多分過剰刺激になるだけなので、止めた方が良いですよ。
慢性の乳口炎に繋がる乳管は狭窄したり硬化しているものです。
そんな乳管に繋がる乳腺組織も委縮してきます。
つまり、おっぱいの分泌機能が低下してくるわけです。

こういう場合はかったるいかもしれませんが、少しずつ排乳していくしかありません。
硬結部の縮小には時間がかかりますが、少しずつでも排乳すれば、お母さんはラクになってきますよ。
症状を緩和して治癒につなぐのは赤ちゃんの吸啜が第一なのですが、埒が空かない場合は、助産院や母乳外来を受診しましょう。
また、忘れてはならないのは、「じゃがいも湿布」です。
記事のタイトルにもありますように、長期化した乳口炎は慢性乳腺炎の因子が残っていますから、効果があるわけです。

うっそ~!眠っていたら起こさなくていいって?(生後1ヶ月)

Tさんの赤ちゃんは完母で順調に育っておられます。
入院中も退院後も2週間健診でも1か月健診でも50g以上/日のペースでガンガン増えておられました。
おっぱいの飲み方も上手で、いつもハフハフしておっぱいを求める典型的ながっつり型です。

そんなある日、赤ちゃん訪問の助産師が保健センターからやって来たそうです。
「母子健康手帳の葉書は出していなかったけど、来てあげますよ。」と電話があったそうです。(←この言い方、ちょっと恩着せがましくないですか?)
Tさんは問診票の質問に答えました。
そして、おもむろにその助産師から、「お母さん飲ませ過ぎてますね。赤ちゃんが泣くのを全ておっぱいのせいにしていませんか?もう少し赤ちゃんの表情を見て、何故だろうと考えてから与えるようにしたらどうなんですか?」と諌められたそうです。
別にTさんは、赤ちゃんが泣いたら全ておっぱいだとは思っておられません。
おむつを替え、あやして、どうしても欲しそうならあげているだけです。
50g以上/日の増加度は結果としてそうなっただけで、意図したものだなんて・・・ある筈がありません。
それこそ一方的な決めつけです。
その家庭訪問の助産師と喋っていて、さすがにムカっとしたものの、必死に堪えていると、次は「もう夜中でもそんなシャカリキになって、おっぱいをあげるのは可笑しいんですよ。赤ちゃんの体重が4kgを超えているし、もう生後1ヶ月半だから、赤ちゃんが眠ってたらそっとしておきなさい。もしも、乳房が張って来たら、その時は圧抜き程度に搾ればいいですよ。赤ちゃんが泣いたらおっぱいをあげる時期ではないですからね」と釘を刺されたそうです。
で、豆電球の薄暗がりの中、爆睡する赤ちゃんを横目に見ながら、孤独に搾乳をしていたそうです。
その助産師のアドバイス(?)に忠実に従っていたのに、2~3日のうちに乳腺炎になってしまたのですね。
「私の搾り方が悪かったんでしょうかねぇ?」とTさんは尋ねられましたが、私は「多分それは無いと思いますよ。」と答えました。

その時私は「限られた訪問時間内とはいえ、助産師の資格を持ちながら、ろくすっぽおっぱいのコンディションもチェックせず、どないなってんねん?過分泌のお母さんが夜中赤ちゃんに3時間以上授乳しなかったら、乳房トラブルへの一里塚なのに・・・なんでそんなクレ○ジーな保健指導しかできないの?」と、心の中で毒づいていました。
それから「ここでブレてどうすんのよ。」とTさんに対し思ってしまいました。
なぜなら2週間健診の際に「Tさんの乳房が暴れやすいから、お食事はいつもきちんとしておられるからいいけれど、授乳間隔も3時間以上空くとかなりヤバいのよ。そもそも授乳間隔は赤ちゃんが決めるもので、意図的に減らしたりするものではないですからね。特に満腹中枢が未形成な生後3ヶ月までは。」と念押ししていたから。

ちなみに赤ちゃんの方は訪問から乳腺炎になるまでの間30g/日の増加度に急降下していました。
誤解の無いよう申し添えますが、この時期30g/日の増加度だったら、数値的にはOKです。
しかし、元が元だけに、これは異変を表しているわけです。

まぁ、そうは言っても、赤ちゃん訪問の助産師は私よりも遥かに年上で、上から目線で、押し出しが強く、頼みもしないのにわざわざ保健センターから無償で来てくれたから、「2週間健診の頃とは状況が変わったのか?」とTさんが錯誤したのかもしれませんが・・・(汗)
個人的には今回のTさんの母乳外来の請求書、その赤ちゃん訪問の助産師に回したいくらいです。
その助産師のアドバイス(?)が、お母さんにも赤ちゃんにも悪影響を撒き散らしているわけですし、その助産師の赤ちゃん訪問さえ受けなければ、こんなことにはならなかったのは明白ですからね。

臨月のレジャーについて。

盛夏のレジャーって、そりゃあ楽しいですけど、気候のせいで疲れがハンパないものです。

この季節、妊婦さんで上にお子さんがいらっしゃる方は、旦那さんとレジャー計画を話し合う中で、「せめて1回くらい、海に連れて行ってあげなきゃ可哀想よね。」という展開になり、「片道1時間半から2時間くらいだったら大丈夫なんじゃないの?」と、比較的近場の海水浴場+温泉でまったり宿泊プランなぁんて感じでホテル予約しちゃったりしていませんか?

あ、いや、近場の旅行、いいですよ。
安定期だったら。
でもね、臨月でそういう旅行プランあげるのは無謀ですよ。
比較的近場にある海水浴場でも、ちょっと名の通った観光地付近だったら、往復の道路って大抵混みますからね。

只でさえ、キツい陽射しで日焼けしますから、数時間のうちに体力の消耗&抵抗力の低下ということも充分想定されるのです。
経産婦さんと言えども、出産にはかなりのエネルギーが消費されることは過去記事にも書きましたから、ご存知ですよね?

いつも元気な妊婦さんであっても、過信は禁物です。
こういう時って体調不良になるリスクが高いのですよ。
渋滞のさなかに破水したらどうしますか?
陣痛が始まったら、かかりつけの病産院にまで辿り着けるかしら?
まさかの車中出産になっちゃったらどうしますか?
救急車呼ぶのですか?
救急車呼ぶのだって、渋滞していたら、迅速な搬送なんてできませんよ。
・・・もっと、おなかの赤ちゃんのことを考えてあげましょうよ。

臨月のレジャー計画なんて、おなかの赤ちゃんの生命を軽く見ているとしか思えません。
親としての想像力の欠如にも程があるっていうか、酷い話です。
「無事だったからいいじゃん。」的な結果オーライにしちゃいけないのですよ。
えっ?ホテル予約?・・・何言っているんですか!

そんなものキャンセルすればいいんです!
おなかの赤ちゃんが無事元気に生まれてくることと、臨月にレジャーを楽しむことと、どっちが大事かだなんて、考えなくても分かることですよね?

(でも、時々、こんな基本的なことが分からない妊婦さんが居て、SOLANINは頭が痛くなります。)

2013年8月 3日 (土)

粗忽者でした。(神戸編)

この記事は母乳育児とは何の関係もありませんので、検索目的の方は時間の無駄なので、完全スル―でお願いします。

過日、セミナー受講のために高速バスに乗車し、神戸に行きました。

確か、MINT神戸というショッピングセンターの前で降車し、セミナーの案内用紙に書いてある、神戸国際会議場を目指しました。
ちょっとだけ土地勘があるのを過信して、「たしかこっちだったなぁ。」とJR三ノ宮駅を背にして、Loftやそごうの方向に歩きました。
所要時間6分足らずで、さほど迷うことなく到着したのは、神戸国際会「館」でした。
当然ですが、何処を見渡してもセミナーが開催される雰囲気ではありません。
「でも、確か神戸国際会・・・だよね?」と再度セミナーの案内用紙を確認したら、会までは合致していましたが、末尾は「館」ではなく、「議場」でした。(滝汗)
あれれ・・・うかっりの神様降臨ですかいな。
慌てて、駅迄ダッシュして、交番でおまわりさんにお尋ねしました。
「神戸国際会館ではなくて、神戸国際会議場というところに行きたいのですか、そこへはどのようにすれば、いいでしょうか?ここから徒歩では行けないところですか?」
答えは勿論「YES!」です。
「ポートライナーに乗車して、市民広場で降車して徒歩で直ぐですよ。」と、とても親切に教えて頂きましたが、その日はボーダーのTシャツにカーキ色のチノパンという軽装だったせいか、別のおまわりさんから「お宅、国際会議場まで、一体何しに行かれるんですか?」と確認されてしまいました。
・・・恐らく国際会議場に行くにはふさわしくない服装だからですかねぇ、若干不審者扱いでした。(笑)
焦っていたので、ポートライナーの乗り場がなかなか分からず、地下鉄の方に行ったり、阪急の方に行ったり、無駄に歩き回ること30分、ようやっとポートライナーの乗り場を見つけました。
最初に高速バスを降車したMINT神戸から直ぐの場所にありました。
そして、どうにかこうにか開催時間ぎりぎりに目的地に到着いたしました。

神戸在住の方や、神戸にお詳しい方にとっては、恐らく非常に分かり易い目的地ですが、根が粗忽者で周囲が呆れるくらい重度の方向音痴なので、初めての場所に一人で間違いなく時間に間に合うように到着するのは至難の業なのです。

普通なら、MINT神戸から20分くらいで行ける筈なのに、プラス1時間を要してしまいました。(爆)ああぁ~、またやらかしてしまった。
早めに自宅を出て、早めの高速バスに乗車して正解でした。

後搾りをしないからトラブルを繰り返す?

1歳2ヶ月のKちゃんのお母さんがSOLANINの勤務先の母乳外来を初受診されました。
Kちゃんの上にはSくんというお兄ちゃんも居られ、兄妹とも完母です。
Kちゃんのお母さんは近隣市のR産院でご出産されたので、これまで乳房トラブルの際は、かかりつけであるR産院でケアを受けておられたとのことでした。

今回♥病院を受診しようと思われたのは、乳腺炎と乳口炎を繰り返しているため、いつもR産院のドクターから「後搾りを毎回きちんとしていないからだ!」と、叱責され、挙句「1歳過ぎたらおっぱいなんて水みたいなものだから、もう止めてしまいなさい。」と引導を渡されたため、どうしたものかと友人に相談したところ、「だったら♥病院に行けば?」と言われたからとのことでした。

その日の乳腺炎の所見はピークを過ぎており、軽症でした。
乳房マッサージをして、直ぐにクリアしました。
乳腺炎と乳口炎を繰り返していることや、R産院のドクターのありがちな(しかし、正解とは言い難い)指導を聞いて、Kちゃんのお母さんに必要なのは、母乳育児に関する正しい知識ではないか?と私は思いました。

そこで、「乳房トラブルの原因として多いものは?」
「乳口炎はなぜ起きる?」
「授乳中にお勧めのお食事の内容と食べ方は?」
「服装で気を付けることは?」
「授乳中でも服用可能な解熱薬とは?」
「じゃがいも湿布の作り方は?」
「乳口炎には局所ケアが必要であること。」
「乳腺炎や乳口炎の予防として後搾りは必ずしも必要ないこと。」
「特に過分泌の方が後搾りをされることは危険であること。」
「1歳過ぎてもおっぱいには免疫も栄養分もあること。」
「卒乳は自然にしていけばいいこと。」等々、SOLANINの勤務先でご出産され、母乳外来を受診された方ならば、大抵ご存じのことを説明しました。

「今まで知りたくても誰に聞いていいのか分からなかったことが、今日ようやく分かりました。早くここに来ればよかった・・・」と仰ってました。
お役に立てて良かったですが、きっとこういうお母さんは世間には少なからず居られるのだろうな、だからこういうお母さんは大変な想いをして母乳育児をしておられるのだろうなと思いました。

もうすぐ4歳のおっぱい星人であっても・・・

WHO/ ユニセフの調査によれば、卒乳の世界平均は4.2歳とのことですが、先日SOLANINの勤務先の母乳外来に受診されたお母さんは、後10日足らずで4歳のお誕生日を迎えるおっぱい星人のお母さんでもありました。

3年半ぶりくらいの再会で、正直言って、ここまでおっぱいを続けておられるとは、受診時にお顔を見るまで存じ上げていませんでした。

「6日前からしこリが出来て、昨日まで乳房が痛かったんです。今日は痛みが無くなって来たのですが、やはりこれは乳腺炎なんですか?」と尋ねられました。
聞けば、授乳は2(~3)回/日。
おはようとおやすみの時だそうです。
どこからでも飲めるおっぱい星人です。
ちなみに体重は16kgを越え、骨太に元気に育っておられます。
いつも「美味しいね。」と飲んでくれるそうです。
しかし、痛くなったと・・・何故だろう?

ベーシックなことですが、「何かいつもよりも、美味しいもの食べましたか?」と聞きましたら、「お餅ですかね?普段より沢山一気に食べました。」とのこと。
「何個食べたのですか?」と聞きましたら、「6個です。」とのこと。

あちゃ~、それはいくらなんでもイケませんな。(汗)
もうすぐ4歳の“キング級”のおっぱい星人だったので、さすがにもう、食べ物に気を付けると言ったって、大したことないだろうと油断していたのですね。
「やっちゃた~。」というヤツです。
おっぱいに良くない食べ物を頻回若しくは一気且つ多量に食べるのは控えましょうね。

今年は夏祭り、幾つ行きましたか?

毎日暑いですね。

読者のみなさんのお住まいの地域でも、夏祭りや花火大会が、続々と開催されているかと思います。

それに加えて、上にお子さんがいらっしゃる方は、保育園や幼稚園の夏祭りにも参加される機会もあるかと思います。

普段はお食事に人一倍気を配っていらっしゃる方であっても、こういう時って、ついつい抜けちゃうんですよね。(汗)

焼きそば・たこ焼き・ステーキ串・焼き鳥・フランクフルトウインナー・綿菓子・りんご飴・かき氷・フラッペ・キンキンに冷えたジュース・アイスクリーム・クリームたっぷりのクレープ等々「今日だけ特別や!」と、パクパク食べちゃうんですよね。只でさえ、暑さでカラダが参っているところに加えて、連日こういったものをダラダラ食べてしまうとどうなるのか?

ハイッ!
乳管閉塞をきたして硬結形成するか、そうでなければ、乳腺炎一丁あがりでやんす。
トホホ・・・夏祭りの楽しさが引き潮のように彼方へ行ってしまいますぞ。(泣)

お子さんと過ごす楽しい夏祭りです。
夜店・屋台のモノを絶対に食べるなとは申しません。
しかし、お楽しみで食べるのは、せめて1つか2つにしてもらえませんか?

それと、できれば夏祭り参加ペースとしましては、中1日以上お休みして、お家でのお食事でヤバいモノは決して口にしないくらいの心掛けでお願いします。

2013年8月 2日 (金)

長期“頻回”搾乳の方に注意していただきたいこと。

お母さんが遠方のMFICUに搬送されて緊急帝王切開されて赤ちゃんがNICUに入院となったり、或いはお母さんの出産場所から新生児だけ搬送されて母子分離になることがあると思います。

いずれにせよ、赤ちゃんの入院期間がせいぜい2週間~1ヶ月迄位の見込みであるなら別ですが、赤ちゃんが病気で手術をしている場合や極低児だった場合は、状況にも依りますが、入院期間が3ヶ月を越えることも稀ではないでしょうね。

そういった場合、お母さんは短く見積もっても、赤ちゃんの入院期間+αの期間、搾乳生活を避けて通ることは出来ないと思います。
そうなった際、まず困るのが、搾乳に要するエネルギーがかなり必要なことを見落としているのが多いということ。

何故なら、赤ちゃんが真っ当に直母が出来るようになるその日迄、長期“頻回”搾乳をしないと、おっぱいの分泌維持は困難だからです。
仮に1回20分間かかり、1日8回搾乳で、3ヶ月だったら、14400分間つまり、240時間も費やすことになるのです。

手搾りや手動ハンドル式ではほぼ確実にお母さんの手首がやられてしまうでしょうね。
手首がメッチャ強靭であると100歩譲っても、吸啜刺激モードの付帯していない国産メーカーの手動ハンドル式では、早晩おっぱいの分泌が低下する恐れがあることを否定できないと思います。

最近メ○ラ社から、レンタルで斡旋される据置電動式のシ○フ○ニ○ではなく、小型電動式ス○ィ○グの左右同時搾乳可能な機種が発売されたと聞きました。
しかも、左右同時搾乳をすると、片方ずつ交互搾乳するよりも搾れる量が18%位増加するらしいのです。
勿論、吸啜刺激モード付帯しています。
ちょっとお高いですが、搾乳に要する時間と心身の負担と分泌維持機能と分泌増量のメリットは、とても魅力的ですし、お値段を補って余りあると思います。

「どうしようかな?」と迷うのだったら、病産院で相談してみてください。
赤ちゃんの入院期間が長くなればなるほど、搾乳のモチベーションが低下しがちなことは、どんなに愛情深いお母さんであってもしばしば見受けられることです。
また、正しい知識を持たないお母さんは、乳房が張らなくなる時期が来たら夜間のゴールデンタイムにぐっすり眠ったりして、搾乳回数が3~4回程度/日に減少しがちです。
そうなると搾乳量は急降下して修復が困難になりますからね。
キツい表現で恐縮ですが、いよいよ赤ちゃんが退院してくるのに、お母さんがズボラしていたツケが回ってきて、いざという時におっぱいが出ないなんてことになったら、悔やんでも悔やみきれないのではないですか?
SOLANINは個人的に相談を受けたら、長期“頻回”搾乳の方には、電動式をお勧めします。
仕事復帰が6ヶ月未満の早い時期の方は長期搾乳になるでしょうが、パートだったり時短が取れたりして勤務の合間の搾乳が1~2回/日程度で済むならば、吸啜刺激モードが付帯している手動式でも対応できると思います。

白玉団子2個でもおっぱいが詰まる?

常識的に考えて、「白玉団子2個でおっぱいが詰まるか?」と尋ねられれば、恐らく詰まらないお母さんの方が人数的には多いので、「そうとは限らない。」と言えるかもしれません。

しかし、乳房トラブル中では、治りきっていないうちにそんなものを食べたら一発で詰まることもあります。

おっぱいトラブルの厄介なことは、或る一定のレベルに到達するまでは、所見的に大したことが無く、或る日ドカンと一発トラブルが表面化してやってくることです。
この方はアイス・チョコ大福・ピーナッツ・クッキー・マシュマロ・キャンディ等々、珍しくないものばかりですが、毎日ちょこちょこ食べておられたのですね。

大抵の乳房トラブルはコップの水が溢れるように発症します。
こんな食生活では乳房トラブルのための下地が出来あがっていたようなものですから、白玉団子2個は、今回の乳房トラブルの発症のトリガ―になったのですね。(汗)

SOLANINは、お母さん方が母乳育児をしていく上で、危険(?)なものを食べてしまったならば、何処かで中和するくらいの勢いで、食事内容を考えたり、頻回直母するしかないと思います。

乳腺炎は繰り返す?(改訂版)

乳腺炎になりやすい方は確かにおられます。
お母さんの乳管がとても細かったり、赤ちゃんが下手っぴちゃんで、歪め飲みやつぶし飲みをしている場合等、傍で見ていても、「色々気を使って工夫しておられるのに、また乳腺炎とは気の毒だなぁ・・・」と思うことはあります。

その一方、酷い乳腺炎になり、高熱でとてもしんどくて、痛くて散々な目に遭っているにも拘わらず、授乳間隔やお食事やポジショニングといった基本的なことが全く無頓着で、マンスリーで乳腺炎を繰り返しておられるお母さんもおられます。

例を挙げてみましょうか?
1.助産師から「この段階で授乳間隔は4時間以上空けないようにしてくださいね。」と注意されていても「ここ数日、夜間6時間くらい眠っちゃったんですよね~。」と、他人事のようにしゃあしゃあ言われるお母さん。
2.「もち米が合わないから、食べないようにしてくださいね。」と、念を押されているにも拘わらず、「おこわ食べていたのですが、おこわってもち米でしたっけ?」とおとぼけ発言のお母さん。
3.「フットボール抱きぢゃないと、このしこりは取れないですから、夜間の添い乳以外は全部フットボール抱きで授乳してください。」と総計3人の助産師から受診の度に指導されているのに、完全無視して横抱きに拘って、一向に改善の兆しが見られず、聞く耳を持たないお母さん
4.「冷えないように露出の多い服装は止めてくださいね。」とアドバイスしているのに、反抗期の子どものように真逆主義(?)で、キャミソールに短パンで素足を続けるお母さん。

キツいようですが、このような助産師の助言を全く受け入れてくださらず、自己流を貫くあまり乳腺炎を繰り返す方たちを、私は自爆型乳腺炎と呼ばせてもらっています

上記のような例が原因の場合、助産師の助言を素直に受け入れてさえくだされば、そう滅多に繰り返したりしません。
痛い目を繰り返したくなければ、どうすればいいのか?ということは、オトナだったら分かる筈だと思います。

無茶はしないでね。

汗掻きっ子には、一日一回は行水してやってください。

毎日暑いですね。
外は陽炎(かげろう)が揺らめいているし、打ち水をしても瞬時に蒸発するし、屋内に居ても熱中症に注意の今日此頃ですね。

汗疹(あせも)も発現にもまだまだ注意が必要です。

この時節、おっぱいの最中に、頭髪びっしょりになるくらい汗掻きまくっているお子さん、少なくないと思いますから。

石鹸を付けて洗うのは入浴時(沐浴時)だけで結構ですが、それ以外に一日に一度でいいですから汗掻きっ子にはベビーバスやお子様プールにぬるめのお湯を張り、サブ~ンと浸からせてやってください。

大人だって炎天下で外仕事したら、滝汗状態になるから、シャワー浴びたい時ってありますでしょ?

ぬるめのお湯にサブ~ンと浸からせてもらえば、気分爽快になりますよ。

時間ですか?

汗取りの意味でしたら5~10分で充分ですよ。

押さえ拭きして、保湿ローションを塗るのも忘れないでね♪

勿論、溺れたら大変ですから、お座りや立っちが出来る月齢であっても、くれぐれもお子さんの傍を離れないでね。

2013年8月 1日 (木)

キョロちゃんの外出時、脱水が心配!(8ヶ月)

<ご相談内容>
我が子はもうすぐ8ヶ月です。
退院後はずっと完母で頑張っております。
最近悩んでいるのは、外出時にあまりおっぱいを飲んでくれないことなんです。
うちの子はキョロちゃんで。。。

一時期遊び飲みが激しかった時期はありました。

幸い、それはようやく治ってきました。

でも、自宅以外での授乳はすぐに飽きちゃって(?)きちんと飲まないんです。
ちょっと口にふくんで終わり。

もともと抱っこされてれば満足で、あまりおっぱいを欲しがらないタイプです。

なので、外出時は特に気を付けてこちらからおっぱいを押し売りしている毎日なのですが、暑くなる時期は、脱水にならないか心配で。

アレルギーが心配で離乳食も最近はじめたばかり、麦茶も飲む練習してますが、まだうまく飲めません。
授乳ケープしても、授乳室でも外だとあまり飲まないです。
どうしたら良いでしょうか?
お忙しい中恐縮ですが、良かったらアドバイスお願い致します。

<SOLANINの回答>
ここで言うトコロの外出先が炎天下なのか、空調の利いた公共施設やデパートなのかは分からないし、何時間くらい家を空けるのかも不明なので、大まかなことしか言えませんが、好奇心旺盛なキョロちゃんの場合、とかく周囲が気になって、季節に関わりなく、なかなか集中して飲めないことが多いようです。

飲めるようになるための環境作り(例えば、言い聞かせを続けることや、授乳ケープに慣らすことや、コップやストローの練習をすること等)は、これからも取り組んでいただきたいですが、それらが軌道に乗るまでは、一度にあまりたくさん飲めなくても、ほんのひと口ふた口でも、1~2時間毎に、こまめにおっぱいを飲ませてあげれば、まずは脱水に関しては、心配ないと思われます。

例えば、サウナに入っているかのようにダラダラ汗をと掻き続けている場合や、お昼寝と重なりそうな時間帯であれば、どんなにキョロちゃんであっても、強烈な渇きや眠さには勝てないので、自らおっぱいを欲しがり、夢中になって飲むだろうと思われます。

勿論、万一ですが出先で、明らかに体温が急上昇している、おしっこが全く出ない、ぐったりしている等の状態であれば、熱中症の疑いとなりますので、急いで受診しなくてはなりませんので、ご注意ください。

しかし、語弊があるかもしれませんが、抱っこやベビーカーで連れ歩く間、終始ご機嫌で、活気があり、キョロちゃんがキョロちゃんらしい状態であれば、その時点での熱中症の心配は無いと思います。

病気ではないのに、両乳房が乳腺炎?

ずいぶん昔の過去記事で、「経験的にですが、お母さんが元々乳腺炎になって、乳房が痛い場合は左右いずれかであり、お母さんが何かご病気をされ、とばっちりのように乳房が痛くなる巻き込まれ型の時は一気に両方の乳房が痛くなることが殆どである・・・」旨を書きましたが、憶えておられますかな?
もちろん、中には例外もあるのでしょうが、少なくともお食事や授乳回数・間隔等が要因になっている元々乳腺炎の場合、一気に両方の乳房が痛くなることは非常に稀です。

その、稀な例として考えられるのが、次のような条件が重なった場合です。
1.赤ちゃんがちょこちょこ飲みで、5分2クールなんてとてもじゃないけれど不可能。
2.うっかり同じ側を10分間も飲ませた日には、残った反対側は全くと言っていいくらい、飲んでくれない。(もしくは1クール半のように、左右差がある飲み方が常態化している。
3.右が痛いから右から飲ませて、右がラクになったと思ったら次は左が痛くなり、左を頑張って飲ませたら次は右が痛くなる・・・というようなモグラ叩き型の授乳をしていて、それが悪化して、気が付いたら左右とも痛くなった・・・等々。

このような時は、助産師もお母さんもしんどいですけれど、冷静に見極め対処してくださいね。

良くないモノを食べ続けて乳腺炎が改善する方はいません。

ラクテーションコンサルタントの方には否定されるかもしれませんが、一般的におっぱいに良くないと言われる食べ物を食べて、乳腺炎になることは幾らでもあります。そして、乳腺炎になってしまったお母さんは、助産院や母乳外来を受診すると、助産師からお食事(量や内容や組み合わせ等)について、質問されるかとと思います。
その上で、ほぼ必ず聞かされるのは、おっぱいに良くないモノとは何か?についてです。
次に、それを踏まえて、食事制限的なことを指導されるかと思います。
きっと、「乳腺炎なんだから、○○を食べてはいけませんよ。」って言われるのではないかと思います。
(ちなみにSOLANINは、「良くなるまでは、○○食べるのはお休みしましょうね。」と、お話ししています。禁止口調の強めの言い方は、却って食べたいという欲望を刺激すると思うので。)

少なくとも、乳腺炎の方がおっぱいに良くないと言われるモノを少量ずつであっても連日、若しくは一気に大量に口にすると、症状はドンドン悪化します。
そして、お食事を一向に改めないのに、乳腺炎が良くなった方は、少なくとも私の知る限りでは・・・いないですなぁ。
食事制限は辛いでしょうが、やはりここは、1日も早い回復を目指し、赤ちゃんに美味しいおっぱいをあげるという一念を優先していただきたいと思います。
乳腺炎になってしまったお母さんが、自分で出来ることは、基本に立ち返り、お食事を改めることですから。

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