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2013年8月18日 (日)

肩甲難産って知っていますか?

肩甲難産(けんこうなんざん)って聞いたことがありますか?
肩甲(けんこう)とは文字通り、読者のみなさんがよ~くご存じのあの肩甲骨(けんこうこつ)に由来しています。
健康難産ではありませんよ。(笑い事じゃありませんよ。迂闊にボケないでくださいね。)

どういうことかと申しますと、通常は経膣分娩の際、赤ちゃんの頭が出たら、助産師は赤ちゃんの身体が横に向けるのを助けます。
そして、いよいよ赤ちゃんの身体が出るのを助けるために軽く牽引するのですが、赤ちゃんの肩がお母さんの恥骨で引っかかって出られない状態を指します。

発生頻度的には、全分娩の0.5%前後とされています。
一般的には4000g越えの巨大児ちゃんの場合、起こり易いとされていますが、巨大児になる原因を紐解くと、糖尿病合併妊娠、過期産、妊婦の体重激増等が挙げられます。
お母さんの身長が低い(150cm未満)場合、3500g前後でも肩甲難産になるリスクはあります。

速やかに対処しないと、赤ちゃんは首が締まったようになり、顔色は青黒く変わり、みるみるうちに酸素不足でぐったりして、生命が脅かされます。(死亡例もあります。)
なまじ頭が出ているから、帝王切開に切り替えることも出来ません。
お母さんの身体から出すために様々な処置が必要になるため、赤ちゃんには鎖骨骨折や腕の神経麻痺が生じることも想定されますし、産婦であるお母さんも、赤ちゃんの身体を出す処置に伴い軟産道に裂傷が生じることもあるし、どうにか身体を出すことができても、子宮がポヤ~ンとしてしまうので、リッターレベルの弛緩出血を来たす恐れもあるし、産後は膀胱神経麻痺で、自力でおしっこが出なくなることもあります。

肩甲難産は滅多に起こるものではありませんが、決して舐めてかかってはいけないのです。

なってしまったら、産婦人科ドクターに全ての処置をお任せするしかありません。
妊婦さん自身が肩甲難産を予防するために何か出来ることがあるとしたら・・・やはり体重管理でしょうかねぇ。
しかし、例年お盆明けの妊婦検診では、ご馳走パクパクが祟り、全国的に体重激増する方が多いですからねぇ。(嘆)
きっと、体重激増妊婦さんは、肩甲難産の恐ろしさを知らないか、自分には関係ないと軽く考えているのでしょうねぇ。

ふぅ~。

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