完母のお母さんはシリコンの乳首を安易に使用しないでね!
混合栄養や完ミのお母さんは、この記事はスルーしちゃってくださって結構です。
乳頭混乱って言葉を聞いたことがありますか?
お母さんの乳首とシリコンの乳首は似て非なるものです。
お母さんの乳首から直母しようと思ったら、乳輪からがっつりと頬張るようにしないと吸いつけません。
なにしろ乳腺房にチャージされたおっぱいを細い乳管を通してお母さんの体外に出そうっていうんですから、そりゃ大変なんですよ。
開口度でいえば150℃は必要です。
それに対し、シリコンの乳首は先を咥えてクチュクチュすればドンドン飲めます。
瓶の内側にはミルクや搾乳が満たされていますから、大きな力は不要です。
開口度でいえば90℃で充分です。
乳頭混乱はお母さんの乳首とシリコンの乳首の吸い方が全く異なることで、二つの吸い方を使い分けられない赤ちゃんがなってしまいます。
中には是々非々で使い分けられる器用な赤ちゃんもおられるのですが、割合としては多くはありません。
失礼な表現になるかもしれませんが、赤ちゃんの中には器用な赤ちゃんもおられますが、不器用な赤ちゃんもおられるのです。
そうしてそれは蓋を開けてみないと(=生まれてみないと)判らないのです。
超不器用な赤ちゃんですと、たった1回のシリコンの乳首を使ったばっかりに、それ以降全く直母が出来なくなることもあります。
おっぱいがたくさん出ても、搾乳を哺乳瓶で飲ませるしかありません。
それってお母さんとして物凄く辛いし、大変なんです。
赤ちゃんが目の前でギャン泣きしても、焦りながら搾るしかないのです・。
乳頭混乱の厄介なところは、いつになったら克服できるかが未知数であることです。
何カ月もかかることもあるのです。
1リットルどころではない涙を流しておられるお母さんだっておられます。
とても自分には続けられない・待てないとおっぱいを諦めてしまうお母さんだっておられます。
BFHや母乳育児を推進する病産院がよほどの事情が無ければ、新生児に哺乳瓶での授乳をしないのはそういう意味なのです。
それで、補足の必要な赤ちゃんには小さなカップやシリンジやスポイドやスプーンなどのしちめんどくさい方法であげているのですね。
赤ちゃんのお口のデリケートさを分かってくださいね。
そう聞くと、「完母だったら、旦那さんやおばあちゃんに見てもらうことができないの?」と思われるかもしれません。
そうではないです。
まず、直母ではない方法でおっぱいをもらうことを赤ちゃんの目を見て伝えます。
(言い聞かせをします。)
そうして、見てくださる方に哺乳瓶以外の方法で、授乳できることを実際に見てもらいお願いすればいいのです。
出来ることが分かれば、してくださいますよ。
哺乳瓶以外の上記の方法は、乳頭混乱にはなりませんが、上手にもなりません。
(唯一シリンジに栄養チューブを繋ぐ方法でフィンガーテストのようにやる方法は、メ○ラ社のナーシングサプリメンターと同等レベルのトレーニングになりますが、これについてはそのやり方に精通している助産師かラクテーションコンサルタントの指導がなければ無理です。)
このような事情からシリコンの乳首は安易に使用されないことをお勧めします。
バースプランに書いて意識の低い医療者にカツを入れてやってくださいな。
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コメント
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開口度というのは、温度のことですか?
150度って結構熱いですね(汗)
投稿: 質問です | 2013年8月29日 (木) 05時13分
開口度とは、赤ちゃんがおっぱいや哺乳瓶をくわえる時の口の開き方ですよ。
投稿: チェリー | 2013年8月30日 (金) 14時31分
もう、後の祭りです。
もっと早くこのことを知っていたら(ソラニンさんのブログを知っていたら)、私も毎日泣きながら育児をすることもなかったのに・・・と悔しくて仕方がありません。私は完母で育てたかったので、入院前には哺乳瓶もミルクも購入しませんでした。産院も、母乳育児推薦のところを選びました。それなのに生後1時間もたたないうちからミルクを飲まされており、且つ、母子同室の指導で「授乳間隔は3時間あける。一回の授乳に直母15~20分を理想とし、足りない分はミルクを足してください。その間ほしがる場合は、母乳をほしがるだけあげてください」と言われました。事前に母乳育児について勉強していなかった自分も悪かったのかもしれません、初産の私は「赤ちゃん=おっぱい」は無敵の関係だと思っていました。まさか、飲んでくれないなんて・・・。おっぱいを拒否するわが子について助産師に聞くと「母乳が出てないのかもね。ミルクを足してください。」と言われ、わが子が栄養失調になっては困るし、と言われるままにしました。でも、おっぱいは張るので搾乳してみると、30mL絞れました。すると今度は「赤ちゃんの舌の巻く力が弱いせいでうまく飲めない。そのうち飲めるようになるから根気よく直母から飲ませて、足りない分はミルクを足してください。」・・・寝ずに必死に頑張りました。でも、赤ちゃんはおっぱいを拒否する一方で、搾乳かミルクを哺乳瓶から飲む毎日。退院するときも、ミルクのサンプルが配られ「哺乳瓶はしばらく必要になります、購入してください」・・・この結果は、ソラニンさんならご想像がつくと思います。今生後10日ですが、母乳で育てるつもりでいたわが子は、おっぱいを出すだけで真っ赤な顔をして嫌がり泣きじゃくります。どんな苦労も頑張るつもりで意気込んでいたのに、肝心のおっぱいを嫌がられる・・・母親としてこんなにショックなことはないです。それでも授乳のたびに吸わせます、そして悪足掻きのように、搾乳して、母乳を飲ませます。でも結局哺乳瓶です・・・夜中何度泣いたことか。もし、それでも何か改善できる何かがあるなら、ひとつでも解決してあげたいので、ソラニンさんのブログをもっと熟読させていただきます。長文で、すみません。
投稿: 悲しいたけ。 | 2013年8月30日 (金) 21時35分
悲しいたけさんへ。
私は現在1歳9ヶ月のおっぱい大好き娘を育てています。
出産直後は悲しいたけさんと同じ状況でした。
生後1ヶ月までは授乳のたびに、直母訓練→前回搾乳分を母乳瓶で授乳→少しミルクを足す→自分の搾乳、をしていました。
(因みに産院での授乳量は0でした(;^_^A)
直接母乳をするたびに泣きわめく娘。
辛かったです。
当時、助産師さんに言われていたのが娘の舌が上手く乳頭にまきついていない、でもそれは成長するに従ってできるようになるから!ということでした。
帝王切開にて少し早く生まれたため、上手く吸い付けないけど、体重が3000gになるころにはきっと上手くいくよ!とのことでした。
悲しいたけさんのお子さんはどうでしょうか?
私の娘は生後1ヶ月を過ぎて体重も3000gを過ぎてから少しずつ直接母乳ができるようになりました。
完全母乳になったのは生後3ヶ月を過ぎてからです。
はじめから上手くいく人もいますが、苦労する人もいます。
今はすごくつらいですよね。
でも続けていれば必ず直接飲んでくれる日がくるはず!
応援していますよ!
投稿: まめめ | 2013年8月31日 (土) 22時27分
チェリーさん
そぅなんですか〜
℃ って書ぃてぁるから、温度のコトかと思ぃました
ウケる〜
投稿: ぁはは〜 | 2013年9月 1日 (日) 09時35分