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2013年9月の記事

2013年9月30日 (月)

お勧めしたい書籍『寄り添って、寄り添われて』

2012年の母乳育児シンポジウムの教育講演の演者は宮城県の堺武男ドクターでした。
シンポジウムに関することを書くと、即時日本母乳の会から「著作権が・・・」的なクレームが来そうですし、不毛な争いには巻き込まれたくないので、詳細は書けませんが、一言だけ書かせていただきます。

堺武男ドクターの熱いパッションが伝わってくる言葉です。
SOLANINは大きな感銘を受けました。

しばしば、離乳食の進みと授乳回数のことが、健診の場で問題になったりしますが、こんなことを仰っていました。

「離乳食が進めば、ミルクの回数は減らすと、授乳・離乳の支援ガイドにも記されていますが、母乳は児の欲するままにとありますね。ミルクはあくまで栄養補給の意味で飲ませるものですが、母乳の持つ意味は栄養だけのものではありません。母乳はお母さんそのものでもあります。赤ちゃんにとってお母さんは減らせません。だからミルクと母乳のあげ方についての違いが、あのように書いてあるのです。」(←堺武男ドクターの仰ったことをSOLANINなりに要約してみました。)

おっぱいはお母さんでもある。
お母さんは減らせない。

ひゃあ~、堺武男ドクターってカッコイイ!(済みません、ミーハーで。)
でも、堺武男ドクターに関しては、当ブログ開設当初から宮城県(特に仙台在住)の読者さんとは以前からお話しさせてもらっているから、SOLANINが俄かファンではないことは、ご理解いただけるかと存じます。
「堺武男ドクターが、我が子のかかりつけだったら・・・」と妄想してしまいそうな読者さんも少なくないと確信します。(笑)

そんな堺武男ドクターの生き様が書かれていると言ってもいいくらいの素晴らしいご著書をご紹介します。
『寄り添って、寄り添われて』アーツアンドクラフツという出版社から発行されています。(281頁)

Photo_4

SOLANINはシンポジウム会場の書籍コーナーで早速購入し、サインコーナーに並んで堺武男ドクターのサインをいただいたことは、申すまでもありません。

ヒトの赤ちゃんは生物学的に早産です。

ヒトの赤ちゃんは生物学的に早産の状態で生まれてくると言われています。
1歳くらいになって、やっと歩き始め、カタコトが言えるようになってきます。
その頃には体重は7~10kgくらいにまで成長します。
身長は68~77cmくらいになります。
頭囲だって、42~48cmくらいになります。
ということは児頭大横径(じとうだいおうけい=BPD・・・胎児の推定体重を算出するのに、産婦人科のドクターがエコーで測られるアレです。)が15cmくらいになっちゃいますね。
子宮口全開は10cmですから、自然分娩は到底無理ですね。
だいたい、出生時の体重が4kgオーバーになると、巨大児というカテゴリーに振り分けられちゃいます。
っていうか、7~10kgの胎児なんて子宮内に収まりきりません。
ヒトは脳の発達と二足歩行という、他の動物にはない進化を遂げたので、早産で生まれるしか方法はないのですね。
一見、赤ちゃんはお母さんにべったりの甘えん坊に見えますが、そうではなくてイキモノとしてそれは当然なのですね。
ヒトの赤ちゃんは目には見えないけれど、おなかにあるポケットの中で生きているように私には思えます。

そう考えると、早い月齢からお母さんと離れざるを得ない(例えば育児休暇が1年間貰えない職場とか・・・)赤ちゃんは、お母さんと一緒に居られる時間だけでも、いっぱい抱っこして、ひとくちでもおっぱいをあげて、スキンシップをしてあげてくださいね。

おっぱいは足りていると思うけど、ずっと抱っこばかりでしんどい!

あまり知られていないようなので、この辺で書きますが、赤ちゃんがおっぱいを飲んだ後からしっかりと眠るまでは平均で30分以上の時間を要します。
新生児だけではなく、スタミナが切れる前なのに、一瞬スタミナ切れに見えてしまうのが、おっぱいを飲み終えた10分後くらいの頃なんですな。
どう見ても、眠ったとしか見えないのですが、下に降ろすとすぐにむずがって泣き出します。
これは、大昔の記事で、「必殺!狸寝入りの見分け方」という記事的にいうと、まさに「たぬき」の時なんですな。
敢えて、おっぱいの後、30分くらい抱っこしていると、眠りが深くなってきます。

しかし、この30分間が長く感じられるし、確かにずっと抱っこでは腕もだるくなるし、赤ちゃんに拘束されているような気持ちになったり、家事が捗らないのでついついイライラしたり・・・という気持ちはわかります。

そういう場合は頸の据わっていない時期はスリングが大車輪の活躍をしてくれます。
宝の持ち腐れになっていませんか?
また、頸が据わった後ならば、哺乳後30分経過すれば、後ろでおんぶするのがベストです。
旦那さんが早く帰って来てくれた時や、お休みの日は旦那さんを抱っこ係に任命しましょう。
お座りの出来る赤ちゃんはお天気が良ければ、ヘルメット被って自転車でお散歩すると、風を切る感覚が爽快なので嵌る子が多いです。(ベビーカーよりも喜びます。)
こういうことも、旦那さんにしてもらったら、家事は捗ります。(旦那さんが役に立たない場合や、不在がちなどで頼みようがない場合はジイジやバアバなどに頼んでみましょう。)

新生児の胃の容積ってどれくらいかな?

日令により変化します。
段々と大きくはなりますが、体重3000gくらいの赤ちゃんですと、日令0~1ならば、おおむね5(~6)mlなんです。

「えっ、ええ~マジでぇ~。」というプチサイズでございます。
普通サイズのビー玉か料理用のスプーン小さじ1杯くらいってことなんです。
(ちなみに成人の胃の容積はおおむね900ml前後だそうです。)
日令3で、22(~24)mlくらい、日令7で60(~66)ml程度です。
本人の意思とは無関係に、病産院の都合で胃の容積を越えた量を毎回飲まされている新生児って、可哀相ではありませんか。

母子異室の病産院ですと、未だに「初回授乳は直母の他に5%ブドウ糖液を10ml投与」とか「日令毎の1回哺乳量は日令プラス1×10ml」とか、ごっつい設定のトコロがあると聞きます。(ってことは、日令3ならば、40ml/回の哺乳を毎回させねばならないってことですな。では、飲めなかったらどうなるのですか・・・。)

日令3ならば、まだ生理的体重減少があってもおかしくはない頃です。
故・山内逸郎先生の仰るところの「お弁当と水筒」を飲みかつ食べている時期です。
この日令の赤ちゃんのお母さんで、毎回コンスタントに40mlのおっぱいが出る方を探してもまずもっておられません。
だいたい、出たとしても赤ちゃんが飲んでくれるとは限らないですよね。
哺乳瓶ならラクなので飲めちゃうかもしれませんが、直母でそれはないですな。
赤ちゃんは哺乳マシーンじゃないんですから。

2013年9月29日 (日)

乳房緊満が収まって来たら、直母量が激減した?

稀にですが、糾励根湿布や冷罨法などを駆使しないと耐え難いくらい強過ぎる乳房緊満(←乳汁うっ滞によるもの・・・だとしても)にもかかわらず、どちらかと言えば小粒ちゃんで、特別哺乳力が強くもなく、スタミナもなく、テクニシャンでもないのに、哺乳量測定すると何故か50gとか60gとかべらぼうに哺乳量を稼ぐ新生児が居ます。

そういう時、哺乳量しか見ていない助産師は「よくもまぁこんな飲み難いおっぱいなのに、沢山飲めるなぁ~!」って、感心しちゃいますが、そこで止まってはいけませんぞ!
2~3日後、乳房緊満が緩和してきたら、信じられないくらい哺乳量が激減することになりますから。

何故なのか?
それはべらぼうに哺乳量を稼いでいた時は、実はその新生児は真っ当な哺乳をしておらず、単に漏れ出て滴るおっぱいをゴックンと嚥下していたに過ぎないからです。
乳房緊満が強く、例えば乳輪もガチガチだったのに、直母しても全然痛くないというのは、ヤバい兆候です。
そのような状態は、正しくラッチオンしていないということを意味していますから。

乳房緊満が緩和して乳輪も柔らかく哺乳し易くなったのに、哺乳量が激減する新生児は、間違いなく舌が前に出難く動きが悪く、お口が大きく開けられないパターンでしょう。
通常のパターンはその逆で、強過ぎる乳房緊満時は哺乳量にならなくても、乳頭・乳輪が柔らかくなれば、ラッチオンが上手く行き、一気に哺乳量が増加する筈です。

大変ではありますが、こういう場合は地道な吸啜トレーニングが必要ですね。
吸啜トレーニングで、上下の口唇をアヒル口にして、最初から最後まで、乳頭・乳輪を捉えて、シールドしていれば、スジがいいですが、ちょっと苦しくなると、下口唇が、腹話術のお人形の顎のように、パカパカし始めたら、間違いなくコレでしょう。
道なき道を切り拓くには、まどろっこしいですが、それしかないのです。

退院日の新生児。

退院する日は荷物を作ったり、色々用事があるので、お母さんはバタバタしがちです。
なのに意外にも病産院では、大人しくいい子の赤ちゃん。

退院日の授乳間隔は何故か若干空き気味になることも少なくありません。
また、授乳間隔が詰まることはあっても、おっぱい飲んだらすんなり一度は眠ってくれます。

ところが、夜になると暴れるんですね。
空気の違いを察知して不安になるのでしょうか。
ギャン泣きしたり、なかなか寝付いてくれなかったり。

でも、遅くても2~3日のうちには「ここは自分のテリトリーだな。」と認識してくれますから、『日中からの頻回授乳と、夕方からは爆睡させないぞ』作戦に励めば、夜中はすんなり眠るパターンに変わりますから焦らないでね。

おしゃぶりって…?

最近は可愛いキャラクターが付いたのや、色とりどりのおしゃぶり幾つものメーカーから販売されています。
ご丁寧にいつも身に付けられるように、ポロリと落ちないように専用の紐やクリップまであります。
しかも、キャッチセールスは『お口ポカンを予防』とか『鼻呼吸を促す』とか『顎を鍛える』というのもあります。
もっともらしいですね。
こんなこと言われたら、買ってみようかな?使ってみようかな?と、思ってしまうのも止むを得ないかも。
特にギャン泣きのキツイ赤ちゃんですと、お母さんをはじめ周囲のオトナも参っている場合が多く、また、昔からある育児用品のひとつでもあり、ミルク育児全盛のおばああちゃん世代では愛用者も多かったことから、勧められることさえあります。
ぐずっている赤ちゃんをおとなしくさせる効果がありますからね。

ゴムの乳首と同じく、おしゃぶりも乳頭混乱を誘発することが判っています。
直母での母乳育児中のお母さんには使わないで欲しいですね。
耳鼻科領域では中耳炎になりやすくなるという研究報告もあるそうです。

じゃあ指しゃぶりは?と言いますと、少なくとも手を使わないと出来ないことがあれば外さなくてはなりません。
おしゃぶりは両手が使えますから一般的に指よりも長時間しゃぶっている傾向にあります。
歯科領域では4歳を越えてもおしゃぶり、指しゃぶりを続けていると、不正咬合になりやすいので、なるべく早く止めましょうと指導されます。

もうひとつ、意外な盲点かもしれませんが、お口が塞がると言うことは赤ちゃんは何か伝えたいことがあってもそれが出来ないということです。
言葉の発達は大丈夫でしょうか?
赤ちゃんはお母さんを懲らしめるために泣くのではありませんね。
言葉を持たない赤ちゃんが泣くというのは、『どうしたの?』とお母さんに聞いてほしいからではないでしょうか?
抱っこをしたり、おっぱいをあげたり、話しかけたり、あやしたり、おしゃぶりじゃなくても切れるカードは他にもあります。
軽い気持ちで使い始めたものの、なかなか止められなくて困ったという話は1歳過ぎのお子さんのお母さんからよく聞きます。
言い聞かせて止めるには1歳半以降でないと難しいでしょう。
無理やりやめたら発狂したように泣き喚いたり、探しまくってお家の中をぐちゃぐちゃ
にされた(=ガサ入れされた)、うるさくてたまらないというのはしばしば聞かされます。
便利なモノには何かウラがあります。
赤ちゃんが泣くときはモノではなくヒトが宥める方がいいのではないかと考えます。

2013年9月28日 (土)

過剰な体重増加制限は、低出生体重児の増加を招く。

低出生体重児の出生する割合が年々ジワジワ増えていると言われています。
昔に比べ、妊娠前の体型がやせ形の20代30代女性が増えていることや、やせ形の女性は妊娠中にある程度体重増加が必要なのに、体型が変わるのが嫌だからとか、おなかの中で大きな赤ちゃんに育つと出産が大変だからとかの理由で極端に食事制限をして、結果おなかの赤ちゃんが発育不良になるという場合も珍しくないのが現状です。

低出生体重児に懸念されることは、将来生活習慣病になり易いとか肥満になり易いということです。
そういう内容の話を聞かれたことのある読者さんは少なくないと思います。
それは決して赤ちゃん時代にしっかり飲ませて体重を挽回しなければ!というのが原因ではなく、やはり、おなかの中に居るうちから、少ない栄養で必死に育たなくてはならないという過酷な状況がカラダに刻み込まれているので、普通~若干多めかな?という程度の摂取量であっても、ここぞとばかりにババ~ンと備蓄するようにプログラムされているからだと推察されているようです。

妊婦さんの体重の増え過ぎは良くないですが、増えなさ過ぎも良くないのですね。
最近は何処の産婦人科ドクターでも、BMIに基づき、「アナタに適正な妊娠中の体重増加は●kgです。」と妊娠初期に教えて頂ける筈です。
体重管理は妊婦さんが主体的に出来る、おなかの赤ちゃんのための大切なアクションなのです。
臨月には過不足ない適正な体重増加となるように、出来る限りのことをしていきましょうね♪

上を脱ぐか、下を脱ぐか?

意味深なタイトルですが、他意はありません。
連日の暑さにうだる妊産褥婦の方と、肌の露出について話す機会が多いモノですから。
本音を言えば上も下もあまり露出の多い服装は避けていただきたい。

でも、どちらかひとつを!という究極の選択を迫られたとしたらですが、SOLANINだったら、「上を脱いでください。」と言いますね。
下は脱いだらダメですよ。
下半身が冷えるとイイことは、何もありません。
百歩譲って、超短時間な、例えばCMでやってるような縁側でそうめんやスイカを食べる間のひととき、盥(たらい)の水で足を冷やすのがあるけれど、あの程度にとどめておいてくださいね。
お願いします。

靴下履いてますか?

靴下履いてますか?
自宅でも病院でも冷房に頼らざるを得ない猛暑日が続いています。
日々露出の多い服装の方に遭遇します。

特に夏場の妊婦さんは、アンカや湯たんぽをおなかに抱えている状態ですので、「暑い!」を1日100回くらい口にされるでしょうし、「暑い!」の3音すべてに濁音が付くくらい暑く感じるかもしれません。

靴下、どんなのが良いのかと言いますと、そうですね、やはりくるぶしの上縁から上方向3横指分くらいは隠れてほしいです。
ええっと、あっつさ~ん!(済みません、勝手に呼びかけて・・・)
女性にとって最も大切なツボとも言われる三陰交(さんいんこう)でしたっけ?
あの位置が隠れてほしい。
冷えの緩和を考えると、そこは譲れないなぁ。
なのでフットカバーでしたっけ、薄くてパンプスなんかと合わせて履くタイプのおしゃれ重視のもの、あれはくるぶしの上縁から上方向3横指分が隠れないから今イチだと思います。

だってね、最近のエアコンは省エネ型で優れモノだということは見聞きしてしっていますけれど、最終的に冷たい空気は下つまり床周辺に落ち着くわけです。
サーキュレーターでも使わない限り、冷たい空気は頭上には来ないだろうな。
おまけに食べちゃうでしょう?冷たいモノ。
スーパーでも電車でも病院でも自宅でも、体の内外どちらからも冷え冷えしちゃっているのですよ。
想像以上にね。
勿論、絶対に素足でサンダルを履くな!とか言うつもりはありませんよ。
ですので、せめて入院する時の荷物には、しっかりくるぶしの上縁から上方向3横指分が隠れる丈の靴下を持参することを忘れないようにすることと、妊婦さんでも褥婦さんでも自宅で過ごす時間は履いて頂戴、靴下を!

2013年9月27日 (金)

頑張って飲ませようとしても眠りこけています。(新生児期)

頑張って頻回直母を試みようとするも、肝腎の赤ちゃんが眠りこけ、さっぱりアカンということがあります。
早産でも低出生体重児でもないのに、「何故こんなに眠るかなぁ?」と言いたくなるくらい・・・

新生児の哺乳パターンをご存じない方は、「おなかが空いたら自然に起きるよ。気持ちよく眠っているのに起こしたら可哀想!」しか言いませんが、それは正しい対処とは言えません。
ミルク補足をしていない新生児の場合、3時間以上眠っていることに気がつけば、すかさずおむつを交換したり、冷たいおしぼりでお顔を拭いたり、金魚運動したり、足底刺激(グイグイ指圧!)したり、何とかして起こしにかかりましょう!
目覚めて咥えてしっかり吸啜してくれたらそれでいいです。

しかし、何をやってもどないしても起きてくれない場合もあるかと思います。
そんな時は、赤ちゃんも乳房も放置してはいけませんよ!
必ず搾乳をします。
どうして搾乳が必要なのか?
それはですね、搾乳を飲ませて赤ちゃんの発育ペースを確保するためです。(スタミナ不足もあるのか、ほぼ常に直母はヘナヘナで、アカンタレでも、搾乳は目がシャキでグイグイ飲める現象は珍しくありません。そういうタイプの赤ちゃんの場合、やはり体重増加はとても重要です。)
そえと、うっ滞性乳腺炎の予防とFILの増加を阻止し、分泌維持をするためです。

ギャン泣きの赤ちゃんを傍目に搾乳するのは、メンタル的にかなりしんどいですが、スヤスヤ眠っている横で搾乳するのは、釈然としないものの、まだマシなので、出来なくはないと思います。

癒着胎盤って聞いたことがありますか?

癒着胎盤(ゆちゃくたいばん)って聞いたことがありますか?
通常お産が進み、赤ちゃんが生まれると、暫く後(通常30分以内)に自然に胎盤が剥離して出てきます。
出産経験のある女性だったら、その流れは理解できると思います。
出産は赤ちゃんが生まれたら終了!・・・ではなく、胎盤が出て初めて無事終了と言えるものなのですね。

ところが、癒着胎盤の場合、赤ちゃんが生まれた後に、当然起こり得るであろうタイミングに自然に胎盤が剥離せず外に出て来ません。
ですので、こればかりは妊娠中に診断することは不可能です。
まだバリバリの癒着胎盤だったかどうかの明確な診断は子宮摘出をして病理検査をしてから出されるものでもあるので、自然に剥離しなかったものの産婦人科ドクターが手を使って剥離が出来て、子宮摘出せずに済んだ場合は、付着胎盤といいます。
どうしてこのような事態になるのか、原因として考えられることは幾つかあります。
例えば、子宮内膜がたまたま上手く形成されなかったり、流産の処置や中絶の処置や子宮の手術後(以前に筋腫核出術とか帝王切開の経験があるとか)の痕などのの位置に着床してしまったり、前置胎盤だったり、頻産婦(出産経験が多い方)だったりすると、そうでない場合よりもなり易いそうです。
でも、そういう経緯が皆無であっても、なってしまうこともあります。

発症頻度は癒着胎盤は0.01%、付着胎盤は0.3%と報告されています。
癒着胎盤の恐ろしさは、出血多量による生命の危機です。
付着胎盤の用手剥離の際にも、1~2リッター超えの出血を伴うことは、ザラにあります。
出産は病気ではないし、殆どの出産では赤ちゃんが生まれたら胎盤は出てきます。
しかし、ごく稀ではありますが、そうでない場合もあります。
母体の救命のために子宮摘出を余儀なくされることさえあるのです。
赤ちゃんを産むことを軽く考える方は居ないと思いますが、無事に産めたということは、実はとてもありがたいことなのですね。

絨毛膜下血腫って言われたけど、大丈夫?

昨日アップした記事のタイトルと、似ているので間違えないでね。
昨日のは「絨毛羊膜炎(じゅうもうようまくえん)」で、今日のは「絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)」ですからね。

「絨毛膜下血腫」とは、何なのでしょうか?
それは、子宮が大きくなることや、妊婦さんの動き過ぎ等が誘因となり、絨毛膜と子宮内膜の間に出来てしまった血の塊のことです。
それが或る日、何らかの刺激で子宮の外に流血し、そうなると当然ですが、「えらいこっちゃ!受診せねば・・・」となり、エコー検査で「絨毛膜下血腫」が発覚・・・というパターンは、かなりあります。
併せておなかが張ったり痛くなったりすることもあります。

但し、血腫が小さければ自然に吸収され、難を逃れることも可能です。
おなかの赤ちゃんに異常が無く心拍もハッキリ見え、産婦人科ドクターの指示通り安静に過ごし、止血剤や子宮収縮抑制剤等の内服を確実に行えば、胎盤が形成される頃には新しい出血は見られなくなってきます。
そうそう、血腫からの流血は、古くなると茶褐色になりますよ。
ダラダラ出血している場合であっても、茶褐色のみであれば、新たな出血は起きていないであろうと推測されるので、そんなにビビら無くても大丈夫ですよ。
つまり、「絨毛膜下血腫」と診断されても、出産に漕ぎ着けることは、決して不可能ではありません。

ちなみに「絨毛膜下血腫」になったからといって、「絨毛羊膜炎」になるとは限らないし、なるリスクが高まる訳ではないので、その点はご安心いただいても良いかと思われます。

2013年9月26日 (木)

絨毛羊膜炎って言われたけれど、大丈夫?

絨毛羊膜炎(じゅうもうようまくえん)とは、どういう病気なのでしょうか?
妊娠すると、普段よりもカラダの抵抗力が低下します。
そうすると、膣内の常在菌(じょうざいきん・・・普段から在住しカラダには特に「悪さ」はしない細菌)が子宮頸部からやがて体部に入り込み、感染し炎症を起こしたというものです。

感染による病気なので、厄介なのは、切迫早産を惹き起すことです。
過去記事でも書いている通り、「エラスターゼ」や「フィブロネクチン」等の検査結果から判明することもあるし、発熱、おなかの赤ちゃん及び妊婦さんの頻脈、おなかの張り等々の症状が増強し、血液検査でCRPという項目がハイスコアになったりすること等々から診断されるようです。

こうなると、自宅で様子見していれば徐々に落ち着くということはます不可能で、入院加療が必要になってきます。
放置して切迫早産が本物の早産になったら大変なことになってしまいますからね。
病状によっては個室に入らなくてはならないこともあります。
ひたすら安静に過ごすことになります。
WCやシャワーも勝手に行ってはいけません。
外出なんてトンでもないことで、週末に自宅に帰り、家事をして上の子の世話をして・・・なんてことは論外です。
また、カラダの炎症を抑えるための座薬(ミラクリッド®というお薬)での治療や、おなかの張りを和らげたりする点滴を24時間持続で行う治療をすることになると思われます。
決して楽観できる病気ではないので、なってしまったら覚悟を決めて、産婦人科のドクターや助産師の指示に従ってくださいね。

でも、可能であればそもそもこの病気にならなければ早産のリスクは減るわけです。出来るだけのことをしてこの病気の予防していくという知識を持ちましょう。
です。
まずはこの病気は感染症なのですから、ただでさえ妊娠中は抵抗力が低下するので、規則正しい生活を心掛けます。
睡眠不足は出来るだけ避けます。
免疫力を高めると言われる食品の摂取も良いと思います。
おシモのことなので、オリモノが増えたり色が変わったり、変なにおいがしたりというのは細菌性膣症の可能性があるので、特に内診を毎回しない病産院で妊婦検診を受けておられる場合は、そのような兆候がある場合は、自ら申し出て、内診していただくようにお願いしてみましょう。
このほか、性生活の際、コンドームを装着することも有効です。
精液の中には、おなかの張りを発現させる物質や赤ちゃんを包んでいる膜に炎症を起こす細菌が含まれますから、妊娠中は早産の回避のためにも、旦那さんの協力をしてもらうのがいいと思います。

臍帯真結節って、何のことかご存知でしょうか?

臍帯真結節(さいたいしんけっせつ)とは、とても恐ろしいことですが、同時に超レアケースですので、「こんなことがあるのか!」ということを知っていただけたらそれでイイかと思います。

臍帯とは、おなかの赤ちゃんと胎盤を結ぶ紐状の付属物です。
臍帯には動脈2本と静脈1本が通っていて、お母さんのカラダから酸素や栄養物を貰い、老廃物を排出してもらうために存在するものですね。

その臍帯に(超レアケースですが)おなかの赤ちゃんの動きにより結び目が出来てしまい、臍帯の血流が滞ってしまい、子宮内胎児発育遅延(FGR)や胎児機能不全等を起こす場合があります。
妊婦検診の際に行う超音波検査(3Dや4Dであっても)では、臍帯真結節が起きているかどうかを見つけるのはほぼ不可能ですし、結び目を解くことも不可能です。

緩やかな結び目であれば、血流自体がが途絶えないので、赤ちゃんの生命に影響することはまず無いし、出産も無事終了するのですが、何かの拍子にキュ~ッと硬い結び目なると、血流自体が完全に遮断されるため、おなかの赤ちゃんの生命がジ・エンドになることもあります。

これがあくまで不幸なアクシデントであり、決してお母さんのせいではありません。
兆候として徐々に胎動が少なくなるという場合もあるし、昨日まで元気に動いていたのにいきなり・・・という場合もあり、まちまちです。
私の古くからの友人の一人も、3人目の赤ちゃんをこの臍帯真結節で亡くしたと聞きました。

医学の進歩と共に、世間一般の感覚として、おなかに宿ってくれた赤ちゃんが元気に問題なく生まれて来てくれることは当り前のように思いがちですが、本当は奇跡的であり、このうえなく有り難いことで、産声を上げてくれた赤ちゃんを抱きしめた瞬間から、授かった生命を慈しんで育てるという気持ちを日々忘れてはいけないなと思いました。

妊婦中に便秘し易い理由と対策への道標。

妊娠中、便秘にならない妊婦さんは稀な存在です。
妊娠すれば、それまでとは女性ホルモン、特に妊娠を継続させるためにハイレベルな分泌状態になる黄体ホルモンには、腸の動きをゆっくりにする働きがあります。
また、お通じの際に滅多やたらに気張るのは、妊婦さんとしても避けたいところですし、おなかが大きくなったらなったで、子宮が腸を圧迫するのですね。

それに加えて、妊娠中は何となく安静モードになりがちで、普段以上に運動することもなくなります。

お食事もどうでしょうか?
悪阻の酷い時には無理をしてはいけませんが、悪阻が終わったのにバランスはそっちのけで食べたいものを食べたいだけ食べ続け、カラダの調子を整える野菜不足になってしまうと、便秘はますます頑固になってしまいます。

妊娠中はお薬の服用はしたくないでしょうが、便秘でお通じが出にくいからといって努責(どせき⇒スーパーサイヤ人に変身するくらい息み倒すこと・・・SOLANIN訳)を掛け過ぎたら、おなかが張り易くなったり、痔にもなり易く厄介です。
ですので、妊娠中の便秘改善対策としては、野菜不足にならないバランスを考えたお食事を摂ることと、便秘防止のために、定期的に適度にカラダを動かすことと、それでもダメだったら産婦人科ドクターにお願いして、『マグミット』のような妊婦さんが内服しても差支えないお薬を処方していただきましょう。

2013年9月25日 (水)

直母の最中に口を離して泣く!(混合栄養中)

混合栄養中の赤ちゃんが直母の最中、口を離して泣くという現象に困っているお母さんはちょくちょくいらっしゃるようですね。
その理由をSOLANINなりに推察しますと、直母と哺乳瓶使用では口輪筋などの負荷が50~60vs1というくらい違うから、「ラクに飲ませてくれよ~!」とゴネちゃっている場合が考えられます。
特に、ラク過ぎるタイプの哺乳瓶であればあるほど、この傾向は強いようです。

他に推察しうる理由があるとしたら、哺乳瓶使用の場合、中身が吸啜時にお口の中に流れ込む量はほぼ一定ですが、おっぱいの分泌は一定ではなく、波があります。
特に、さし乳になる時期以降は、この傾向が明確になりますから、手っとり早くガッツリ飲みたい場合、湧いて来るまでに待ちきれないのかもしれません。(涙)
どっちかというと、気質的にイラチor激しいタイプの赤ちゃんはそういう傾向が強いかもしれません。(中には直母と哺乳瓶使用を是々非々で使い分けてくれる、つまり怒らずに待てる赤ちゃんはもいらっしゃいますが、それは恐らく、気質的にのんびりさんor温厚なタイプなのでしょう。)

こういう場合どうすればいいのでしょう?
う~ん、そうですねぇ。
前者の場合、ラクに哺乳出来ないタイプの人工乳首に変更するのが手っとり早いですかね。(勿論、ナーシングサプリメンターとかソフトカップに変更するのも一手かもしれませんが、恐らく生まれてから数ヶ月の間、赤ちゃんが人工乳首に慣れきっているでしょうから、全くの別媒体ではハードルが高過ぎて受付不可能かもしれません。)

後者の場合は、極度の腹ペコ状態にしないことですかね。
ミルクの授乳間隔は、3時間以内に詰められませんので、直母をこまめにあげて、小腹が空いた程度であれば、こういう現象は軽減してくると期待出来ます。
後はそうですねぇ。
根気よく言い聞かせをして、湧くのを待って直母できたらうんと褒めてあげてください。

臍帯巻絡って何のことかご存知でしょうか?

臍帯巻絡(さいたいけんらく)って何のことかご存知でしょうか?
おなかの赤ちゃんと胎盤を繋ぐ紐状の物体が臍帯であることは、みなさんご存知かと思います。
その臍帯が、おなかの赤ちゃんに巻きつくことを表します。
頻度的には4~5人に1人くらいと言われ、わりかし多い現象です。

どうしておなかの赤ちゃんのカラダに臍帯が巻きつくのか?
そもそも、標準的な臍帯の長さは、赤ちゃんの身長よりも若干長い程度であることが多いのですが、おなかの赤ちゃんの動きがとても活発だったり、逆子になったり治ったりを繰り返したりというようなことがあると、どうも標準的な長さよりも、伸びてくるようなのですね。
で、動いている間に絡まってしまう・・・ということです。
巻絡の状況にはバリエーションがあり、頸に巻きつく場合や胴体に巻きつく場合や肩からたすき掛けになる場合などがあります。
巻きつく回数もバリエーションがあり、1回のこともあれば、複数回ということもあります。
頸にグルグル巻きになる場合もあります。
そうなると、おなかの赤ちゃんの心音が低下(←変動一過性除脈といいます)したり、スムーズに赤ちゃんの頭が下降してこないこともあります。
仕事上遭遇した例としては、かなり大昔ですが、頸に5回も巻いていた赤ちゃんがいらっしゃいました。
かなり苦しかったようで、頭が出てくる段階で、カッと目を見開いていて、私は物凄い目力でガン見されました。
ちなみにその時の赤ちゃんの臍帯の長さはゆうに1mを超えていました。
経験上遭遇した例としては、これまた大昔ですが長男の時で、肩からたすき掛けだったと記憶しています。(笑)

卵膜遺残とは?

卵膜遺残(らんまくいざん)って言葉、聞いたことがある方は、産婦人科関係以外では、恐らく該当者の産褥婦さんでしょうね。

決して脅かすつもりはありませんが、産後のお母さんに起こり得る異常のひとつです。
出産の際、卵膜が子宮内に残ることを指します。
まず赤ちゃんが生まれて、次に胎盤が出てくる際に、卵膜が裂けたり残ったりすることが時にあります。
勿論、そのようなことが無いか、直接介助した助産師が目を皿のようにして確認しているわけですが、少しでも疑わしい場合は、産婦人科のドクターが検査(胎盤鉗子やエコーなど)をされ、その場で治療方針を決められます。
大抵の場合、さほど出血量も多くならずに、産褥入院中に自然排出されるのですが、後に引くこともあります。

原因は様々で、子宮内感染(例えば早期破水していたのに、妊婦さんの気がつくのが遅く、来院が遅れたとか)のある場合や、胎盤癒着・付着(例えば今回の妊娠以前に帝王切開の経験がある・妊娠中絶の経験がある・6回以上の出産経験など)のある場合はそうでない方よりもハイリスクではありますが、それ以外の原因もあり、「○○だからである。」とは一概に言えないのが現実です。

治療方法としては、子宮収縮剤を使用して、出血を抑えるという治療方法が取られることもあるし、状況によっては、遺残した卵膜の除去ということで、子宮内掻爬術をされることもあります。
また、発熱などの症状から感染の疑いがある場合は抗生剤が使用されることもあります。
また、産科退院後に発覚したのであれば、血液検査(HCG定量)や子宮鏡検査等、
行われることもあるようです。

2013年9月24日 (火)

赤ちゃんの虫歯予防の特効薬は妊婦時代のお口のケアです。

当り前のことですが、これから生まれてくる赤ちゃんの乳歯を虫歯にしたい妊婦さんなんて居ないと思います。
赤ちゃんの乳歯を虫歯にしないコツは当ブログにも数々の過去記事がありますが、意外な盲点は妊婦さんのお口のケアなんですね。
妊娠初期は吐く悪阻、食べる悪阻の方がいらっしゃいます。
吐く悪阻は、強酸性の胃液が歯に触れるわけですから、それこそ酸蝕症みたいにエナメル質がやられてしまったり、歯磨きをすると、オエっとなるから、歯磨きがいいかげんになったりしがちなのですね。
食べる悪阻だったら、ちょこちょこ喰いのせいで、常に歯の脱灰状態が亢進し、再石灰化がしにくくなります。
普段は何ともない方であっても、妊娠中に一気に歯が悪くなることは、実は高頻度であることなのですね。

ご自身のお口のケアがなってないと、天を見て唾を吐くことになります。
えっ?「最初は赤ちゃんも乳歯が生えていないから大丈夫だろう。」・・・ですって?
じゃあ、あなたは赤ちゃんのお世話や授乳や家事をこなしながら、産後間もなくから定期的にクリニックに通院して治療する時間的な余裕や保証があると仰るのですか?
キビシイようですが、そんな時間は無いとSOLANINは断言します。

それに、もしも仕上げ磨きが嫌いな子になっちゃったらどうします?
食べ物のカスが残ったままで、ミルクやおっぱい飲んで寝る子は超ヤバいですよ。
おまけに年寄りは、あなたの赤ちゃんを手懐けるためには、甘いモノ攻撃をジャンジャンしますから、それを防御しきれますか?
相手が義理のご両親であっても、毅然として駄目なことは駄目と突っぱね続けられますか?
天を見て唾を吐く・・・の意味は、お母さんのお口の中がグダグダだったら、赤ちゃんもグダグダになっちゃうということです。
でも、逆に妊娠中に歯科検診を受け、悪いトコロはしっかり治療して、お母さんのお口の中が綺麗だったら、懸念すべきことの大半はクリア―出来ることも、あながち夢ではないのです。
妊娠中のお口のケアが不充分だと、赤ちゃんの乳歯を守るのにとても苦労しますし、苦労が報われないこともあります。
赤ちゃんの乳歯を虫歯にしないためには、長期的な視点が大事なのですね。

ですので、「妊婦になってから歯科検診、行ってないわ。」というあなた。
悠長にしていちゃイカンですぞ!
かかりつけのクリニックに直ぐ予約入れて、しっかり診ていただき、赤ちゃんが生まれるまでに、治療しましょうね。

先天性トキソプラズマ症って知っていますか?

トキソプラズマというのは、猫を宿主とする原虫です。
その原虫に感染して起こる病気が、トキソプラズマ症です。
人から人には感染しません。
妊婦さんが感染しても、大抵は無症候なので、血液検査をしない限り、発覚することは稀だと思われます。
けれども、感染が発覚したとして、無症候だから放置してもいいのかというと、決してそうではありません。
トキソプラズマ症の胎内感染率は、妊娠中にルーチンで検査している病産院は圧倒的に少ないため、不明とされていますが、先天性トキソプラズマ症の赤ちゃんは、0.05%は発症しているのではないかと推測されています。
この、いわゆる先天性トキソプラズマ症の症状としては、胎内死亡、流産、小眼球症、水頭症、小頭症、脳内石灰化像、肝脾腫、腹水、網脈結膜炎、てんかん様発作、痙攣等が挙げられます。
週数の若いうちに感染するほど、おなかの赤ちゃんの症状は重篤化し易い傾向が高いので、決して侮ってはいけませんよ。
ちなみに、妊娠前に感染していても、おなかの赤ちゃんが先天性トキソプラズマ症になる心配はありませんから、安心してください。
おなかの赤ちゃんを先天性トキソプラズマ症から守るためにはいくつかの有効な方法がありますので列挙しますね。
 1) 極力生肉や加熱の不十分な肉料理を口にしない。
 2) 果物や野菜も食べる前にはしっかり洗う。
 3) 食用肉や野菜などに触れた手は、温水でよく洗う。
 4) ガーデニングや畑仕事等の土をいじる際は、手袋を装着する。
 5) 猫のトイレの処理時は手袋を装着するか、家人に代行を頼み、妊娠中は行わ  ない。
 6) 妊娠初期から予防として上記1)~5)を励行することと、産婦人科ドクターにお願いして、妊娠初期に抗体検査をして、 感染の有無と状況を正しく把握することが肝要です。
また、感染が発覚したら、アセチルスビラマイシンという内服薬による治療方法がありますが、羊水検査の結果、おなかの赤ちゃんへの感染が確定した場合は、内服しても治療効果がありませんのでご注意ください。
その場合は別のお薬による治療となる可能性が高いです。
治療条件に該当する妊婦さんは、速やかに治療を受けられ、出来得る限りのリスクを減らしましょう。

膝胸位の効果を高めるポイントとは?

32週を過ぎても逆子の場合、出来れば頭が下になって欲しいですから、産婦人科のドクターから、「例)おなかの赤ちゃんの背中がお母さんの右脇腹側にあるので、寝る時は左側を下にしてくださいね。」・・・というような説明を受けるかと思います。。
まぁ、それでもなかなか回転してくれないのが、正直なトコロです。

20~30年くらい昔は、内回転とか外回転とかの処置をされたと聞いたことがありますが、胎盤が剥がれるかもしれないリスクがあるので、最近はそういう処置をされる産婦人科ドクターはめっきり少なくなりました。

となると、ベーシックではありますが、助産師の立場から提案できるのは、膝胸位のしかたを指導するってことになります。(胸膝位と書いた文献もありますが、ここでは膝胸位という表記で書かせていただきます。)

膝胸位をする際は、おなかが張っているとまず成功しません。
なので、恐らく産婦人科ドクターが処方される張り止めのお薬を内服され、1時間くらい経過してお薬が効いてきた頃に行うことが、一つめのコツです。
また、寒いお部屋ではおなかが張り易いですから、暖かいお部屋でするのが二つめのコツです。
膝胸位をしたら、せめてその姿勢を保つのに、3~5分間は辛抱してもらう必要がありますが、その後は下にする側を「どっこいしょ。」と、緩やかに向くのではなく、若干弾みをつけるかのように、ゴロンと向くのが三つめのコツです。(なので、フローリングや畳の上ではなく、お布団の上でされるといいでしょう。)
そして、出来ればトコちゃんベルトRを装着してから行うのが四つめのコツです。
私は母子整体研究会のデータまでは把握していませんが、経験的にトコちゃんベルトRを装着するとおなかが丸くなるから、おなかの赤ちゃんが回転しやすくなるのだと理解しています。

それから、これも大事なことですが、回転したら、おなかの赤ちゃんの蹴る位置が変化します。
変化したことが自覚出来れば、それ以降は膝胸位をしないでくださいね。
もしも、仮の話ですが、蹴る位置が変化したのに、膝胸位を漫然と続けると、またもおなかの赤ちゃんが回転して、逆子に戻っちゃうかもしれないので、ご注意願います。
産婦人科領域以外で、逆子を頭が下の状態にする技術を鍼灸師の方が持っていらっしゃる(≒お灸で治す)というのも聞いたことがありますが、SOLANINは専門外であまり詳しくないので、ここには書けません。(どういった逆子の状態がお灸の適応なのか、週数的にはいつ頃まで可能なのかとか、そういうことは知らないからです。)

2013年9月23日 (月)

おっぱいの分泌をスピードアップするには?(新生児)

それはですねぇ~1にも2にも、母子同室で自律授乳をすることです。
ちゃあんと、調査研究されているのです。
1986年の話ですから、当ブログの読者さんの多くは、まだ幼少時(もしかしたら、まだお生まれになっていない方もいらっしゃるでしょうね)だったかと思いますが、ElanderさんとLindenbergさんという方がされています。
そして、次のように結果報告をされているのです。

“母子同室と異室のいずれかを414人の母親に選ばせ、乳汁産生時期を比較した。母子同室で自律授乳をした群では、母乳分泌が増加した日は、1.85±0.84日であったのに対し、母子異室群では、3.07±0.93日(P<0.001)と有意差があった。つまり、母子同室で自律授乳をした群の母乳分泌は1.22日早かった。”とのことです。

母乳分泌が遅れると、新生児はガタガタに体重減少してしてしまい、結果、白湯や糖水や人工乳の補足をせざるを得ないことになりがちです。
退院までに補足が止められたらいいのですが、SOLANINの勤務先のようなBFH でさえ、入院中に人工乳を補足した健常新生児が、退院時完母に移行できる確率は、2人に1人程度の割合に過ぎません。
まぁ、BFHで健常新生児に補足をするのは、スタッフの献身的で手厚いサポートがあっても二進も三進もいかなくなって、それこそ止むに止まれぬ事情があるからなのですが、、退院時迄にリラクテーションすることは、かなり難しいことなのです。

未だに、母子同室の病産院に入院しているにもかかわらず、「退院したら、昼夜を問わない授乳生活になるから、入院中は母子異室でゆっくりさせてほしいなぁ。」なんてことを言う方がおられるそうで、SOLANINは、そういう話を耳にするたび、ズッコケそうになります。

百歩譲っても、赤ちゃんを母乳で育てる意思がおありなら、母子双方に不利益をもたらすようなことは希望しないでいただきたいですな。

逆子を甘く見ちゃいけませんよ!(32週以降)

妊娠30週位までは、およそ半分くらいのおなかの赤ちゃんは逆子です。
この時期は、逆子であっても特に問題は有りません。
逆子であったとしても、子宮の容積に対し、まだおなかの赤ちゃんが小さめであるし、羊水も充分にあるので、自力で頭が下になるよう回転してくれるからです。

しかし、32週を過ぎる頃から、相対的に子宮の容積に対し、かなり赤ちゃんが大きくなるし、羊水も減ってくるので、自力での回転が徐々に難しくなります。
そして、週数が進むにつれて、逆子状態はいよいよ固定化してきます。

逆子のリスクは、頭が下にある場合に比べ、おなかが張り易いということです。
また、それゆえ、何かの拍子に破水し易いということです。
破水しても、頭が下の場合、頭が栓になるからいいのですが、逆子は頭よりも小さな足やお尻が下にあるので、細い臍帯が、子宮口からスルっと脱出してしまう惧れがあるのです。
ご存知のように、臍帯はおなかの赤ちゃんの生命線です。
満期産であろうとも、臍帯脱出したら、おなかの赤ちゃんはそこで The End なのです。
緊急帝王切開をしても,救命が間に合わないことだってあるのですよ。

逆子の場合、週数や子宮頸管長やその他諸々の状況から、産婦人科ドクターが、おなかの張り止めを処方されることがあります。
ところが、時として、「私はおなかが張った感じがしないから、処方された張り止めのお薬は内服していません。」という、仰天するようなことをのたまう妊婦さんがいらっしゃるようで、そういう無知な発言を耳にするたび、SOLANINは、いつもヒヤヒヤしています。
無闇やたらに怖がることは有りませんが、正しく怖がってくださいね。

恐るべし!食中毒菌「リステリア」

リステリア菌・・・聞いたことがあるようなないような感じ・・・ですか?
2011年9月末から10月上旬にかけて、アメリカのコロラド州やニューメキシコ州ででリステリア菌による集団食中毒で13人?15人?にものぼる方が亡くなったことが報道されました。
今回はメロンに付着していたリステリア菌が原因だったそうです。
(そういえばアメリカでの集団食中毒は、2008年頃にもピーナツバターに付着していたサルモネラ菌で同じくらいの人数が亡くなっていましたね。)

そもそもリステリア菌は、水や土壌中に棲息していることの多い菌なのですが、加熱処理がされていないナチュラルチーズ等の乳製品や生ハムや生ウインナ―等の食肉加工品にも付着しています。

妊婦さんがリステリア菌に感染すると、流早産を惹き起す危険性があります。
妊婦さんは妊娠をきっかけに一般の方よりも抵抗力が低下しているので、敗血症や髄膜炎を併発することもあるそうです。
対策としては、生モノを食べないようにするのが効果的なのだそうです。

「ここは日本!アメリカじゃないから関係ないわ!」なんてことは言いっこナシですよ。
世の中は、すっかりグローバル化しています。
特に感染症については、対岸の火事(≒余裕ぶっこいてもOK)という考え方は時代遅れっていうか、根本的に大きな間違いです。

2013年9月22日 (日)

妊娠中の鉄欠乏性貧血は出来るだけ早く治しましょう!

今まで以上におなかの赤ちゃんに「鉄の貯金」を充分に持たせてあげられるように、日々の食生活で改善できる点については出来る限りの努力をしてくださいね。
特に妊娠後期、赤ちゃんがグングン大きく育つ時期はラストスパートですから、赤ちゃんへの貯蔵鉄のことを念頭に置いてくださいね。

では、妊婦さんとしておなかの赤ちゃんに具体的に何が出来るのかについて、お話ししましょう。
まずは鉄の吸収を悪くする、タンニンを含むもの(緑茶・紅茶・コーヒー)はやはり控えてもらった方が無難だと思います。
それから、鉄鍋を使ってお料理を作ることは、鉄を多く含むレバーやあさりが苦手な妊婦さんであっても毎日出来ることだと思います。
お家の調理器具がIHでもガスでも鉄鍋は使えますからね。
鉄はビタミンCを含む食品と一緒に摂取したり、調味料にケチャップやお酢を使うと、鉄の吸収率が高まること・・・は基本的知識なので、恐らく病産院の方で聞いておられるかとは思いますが。(おられますよね?)
知らなかった方はメモしてくださいね。(笑)

間違っても、妊娠中の血液検査の結果、鉄欠乏性貧血が発覚し、産婦人科ドクターから鉄剤の処方を受けたのに、「便秘になるから」とか「う○ちが真っ黒で気持ち悪いから」とか「(鉄剤を内服すると)ムカつくから」等の理由で、安易で自己中心的な服薬中断をすることだけは避けてくださいね。
便秘やむかつき等の不快症状があるならば、その旨産婦人科ドクターに相談され、対処しつつ服薬を続けられ、鉄欠乏性貧血の改善を図ってくださいませ。

たまに、赤ちゃんが早産児でも低出生体重児でもなく、お母さんも妊娠高血圧症候群でもなく妊娠糖尿病でもないのに、鉄欠乏性貧血になる赤ちゃんが居られます。
どのような場合かと申しますと、お母さんが妊娠中に鉄欠乏性貧血になられた場合です。
妊娠中の貧血の程度によっては新生児の段階で既に貯蔵鉄が少なく、離乳食開始の時期以前から赤ちゃんが鉄欠乏性貧血になる恐れがあるそうですから、くれぐれも油断しないでね。

妊娠中の浮腫みに注意!

毎日量的に食べ過ぎないように注意され、勿論お菓子類は絶対食べない、甘いジュースも飲まないというストイックな食生活をして、適度にウォーキングやヨガ等も行い、運動不足でもないのに、何故か体重がババーンと増える妊婦さんが居られます。

もしかしたら、それは妊娠浮腫かもしれません。
あるデータによれば妊娠するとカラダに水が溜まり易くなるのは生理的なことで、妊婦さんの30%前後に見られ、軽度のものは止むを得ないという考え方もありますが・・・
そこに塩分を多めに摂取することが重なると、生理的な状態を超えた浮腫みが発生します。
妊婦さんによってはビタミンB1の欠乏、たんぱく質の不足、貧血等も浮腫みの原因となります。
浮腫みは夕方から脛に見られることが多いですが、万一早朝から脛が浮腫むとか、おしっこの量が極端に減るとか、体重増加が1週間に450g以上見られる時は要注意です。
タンパク尿や高血圧等の症状が顕れるのは時間の問題かもしれません。
つまり、もしかしたら妊娠高血圧症候群の前兆かもしれません。
それはおなかの赤ちゃんがとても危険な状態に晒されているかもしれないってことです。
早めに主治医に相談してみましょう!
場合によっては、入院加療となるやもしれませんが、ダダを捏ねて渋ってはいけませんよ。

B群溶連菌の治療について。

B群溶連菌って聞いたことがありますか?
英語の略語だったらGBSですな。
妊娠中に膣分泌物(つまりオリモノ)の検査が何回かあると思いますが、一般的にGBSは妊娠末期に調べます。
GBS陽性の妊婦さんは全妊婦さんのおよそ20%程度と言われています。
B群溶連菌(以下GBSと表記します。)は弱毒性の常在菌(つまりありふれた菌)で、膣分泌物から検出されても妊娠中に何か問題になることはありません。

ただ、分娩進行中(つまり産道で)に赤ちゃんが感染すると稀に(GBS抗体を持っておられない妊婦さんは1%なので、その場合・・・ということです。)いわゆるGBS感染症になることがあります。
具体的には肺炎・菌血症・髄膜炎・脳炎等です。
いずれも赤ちゃんの予後にかかわる病気です。

ですので、妊娠末期の膣分泌物の検査でGBS陽性であれば、分娩開始で入院次第、抗菌薬の点滴をしてもらうことになります。
通常4時間毎に点滴を行います。(出産が4時間以内なら点滴は1回だけになるということです。)
抗菌薬の点滴をしてもらっても、滴下終了から30分以内に出産になると効果が無いと言われています。
「だったら何故、もっと早く治療しないのか?後手に廻ったら大変ぢゃないの!」って思いませんか?
思うでしょ?
でも、しないのですね。
何故かというと先にも書いたようにGBSは弱毒性の常在菌なんですね。
抗菌薬の膣錠なんかで簡単にやっつけることができます。
でも、またぞろ直ぐに復活しちゃうのね。
だったらそのたびに抗菌薬で叩けばいいって?
そんなことしたら、耐性菌が出来て、肝腎カナメの出産時に頼みの綱のお薬が効かなくなる恐れが大きいのです。
だから、妊娠中の治療ってしないのですね。

ちなみにGBS感染が無くて前期破水した場合は抗菌薬の内服を時間を決めてしてもらい、経時的にCRPの値が高くならなければ抗菌薬の点滴はしないものです。
GBS感染があれば前期破水をしていなくても抗菌薬の点滴をしてもらう・・・という段取りになるかと思います。

膣分泌物検査はこのような意味があるので、大抵の病産院はルーチン検査化している筈ですが、万一妊婦さん自身に検査を受けるかどうか決定権がある場合(おそらく海外?)は躊躇わずに受けてください。
間違っても断ってはいけませんよ。

2013年9月21日 (土)

ポキポキ骨の鳴るのは骨折?

<ご相談内容>
我が子は生後2ヶ月です。
毎日元気におっぱいを飲んでいます。
最近気になることがあるので、ご相談したいことがあります。
常にではないのですが、時々赤ちゃんが体を動かした拍子にポキポキと骨が鳴る音がします。
痛そうな感じはしませんが、もしかして、骨折しているなんてことはないですよね?
旦那に相談したら、「気にし過ぎだろう。」と笑われました。
でも、気になるのです。
こんなことくらいでは病院には行けないし、かといって、このまま悶々としているのは耐えられません。
おっぱいとは関係ないことですが、このポキポキ音が何なのか、知っていらしたら教えて貰えませんか?

<SOLANINの回答>
ふむふむ。
確かにおっぱいとは全く無関係なご相談ですね。
でも、まぁ、いいですよ。
ずっと昔、SOLANINもポキポキ音気になった時期がありましたから、お気持ちは分かりますので。(笑)

このポキポキ音は、単に関節を動かした際に鳴る音だと思われます。
オトナでも、闘い(!)の前に、指をバキバキ鳴らす人っているでしょう?
あの音と同じだと思えば、まず間違いないと思います。
常に鳴るのではないというのは、、関節を動かす時の音は出る時と出ない時があるからです。
出てるから良いとか悪いとか、出ないから良いとか悪いとか、そのように評価するものではありません。

万一骨折かもしれないと不安な時は、まずは赤ちゃんがそのままの状態で痛がらないか、その部位が腫れてこないか、赤くなってこないか、動きに引っかった感じがしないか(つまり、滑らかに動いているか)を観察してください。
そして、その部位をそっと触っても痛がらないか、確認してください。
そうすれば、相談者さんの抱えるポキポキ音に対する不安は解消されると思いますよ♪

お腹の張りというのが分かりません。(妊婦)

<ご相談内容>
妊娠中安定期に入ったらおっぱいのお手入れをするように助産師から指導されました。
ただ、「お腹が張るときはお休みしてね。」と言われたものの、「お腹が張る。」という状態が正直言って分かりません。
ちなみに今は逆子でもなく張り止めのお薬は内服していません。
内診の際も頸管長も短縮していないし、子宮口も硬いので問題なしとドクターからが言われています。

<SOLANINの回答>
「お腹が張る。」というのは切迫早産の一兆候ですから、注意は必要です。
ただ、体験しないとよく分からないというのも理解できます。
妊婦検診中に説明をしてほしくても、ドクターが忙しそうだと声をかけられないかもしれません。(汗)
では、何をもってして、「お腹が張る。」と見做すのか?
それでは簡単なチェック法をお教えしましょう。
グレープフルーツを準備してください。
ピンクでもホワイトでもどっちでもいいです。(笑)
そんでもって、ご自分のお腹とグレープフルーツを触り比べます。
ご自分のお腹の触感がグレープフルーツよりも硬く感じる場合、お腹が張っています。
グレープフルーツよりも柔らかく感じる場合、お腹は張っていないです。

尚、便秘傾向が強い妊婦さんは、お腹の張りを感じやすいようです。
便秘の際はかなり強く息みながら排便するものですが、そうすることは切迫につながりますから、お食事や水分摂取を工夫しても改善傾向が見られないならば、産婦人科のドクターにお願いして下剤を処方してもらい、用法用量を守って服用し排便コントロールをしましょう。

妊娠悪阻で入院するってどんな時?

妊娠悪阻(=にんしんおそ)って何のことか分かりますよね?
そうつわりのことです。

妊娠悪阻は、一般的に妊娠15週位までには殆どの方が収まってきますから、ある意味時間待ちで何とか凌げるのではありますが、程度によっては入院しなくてはカラダがもたないこともあります。

例えば、水を飲んでも吐き続けるような事態に陥ったら、恐らく検尿すれば、ケトン体が3+くらいになることがあります。
私が知る限り、重症の場合の妊娠悪阻で妊娠前体重から8kg(!)も減少する方が居られました。
(8kgも減少した日には、元の体重が軽い方は、骨と皮になることもあります。)
そこまで進行すると、おなかの赤ちゃんが危ないので、自宅で静養して何とかなる範疇を越えてしまいます。
「嫌だ。」と頑張っても入院を勧められ、点滴治療になると思います。

そこまでいかない場合、例えば温かいものは臭いが気になって、吐いてしまうけれど、冷たいものなら食べられるというのであれば、ケトン体も体重減少も軽微で済む筈ですから入院までには至らないかと思われます。

重症化する原因はまだ判っていないようです。
また、妊娠悪阻には個人差があり、全く嘔気・嘔吐が無い方も居られます。
そうなると、食べ悪阻と言いまして、常に無性に食べ続けたくなりますから、妊婦検診のたびに「体重注意」のハンコを押されるかもしれませんから、別の意味で気を付けなくてはなりませんです。

2013年9月20日 (金)

円錐切除術後の妊娠。

日本の子宮頸がん検診受診率はまだまだお寒い数値ではありますが、少なくとも妊娠疑いで産婦人科を受診したら、間違いなく子宮頸がん検診されます。
で、子宮頸がんの前段階というのが、「高度異形成」という状態で、妊娠中に発見された場合、産後時期を見て円錐切除術という手術をすることになります。

円錐切除術をしてもらった後で、妊娠を希望されるのであれば、それは可能ですが、手術を受けていない方に比較して、子宮頸部が、デリケートなので、そのままの状態で妊娠を継続することは恐らく無理です。

手術を受けると子宮頸管無力症の方と同じような状態になるので、放置すると切迫でなく本物の流早産になってしまいます。

そんなことになってしまったら大変です。
取り返しのつかないことになってしまったら・・・

そのため、円錐切除術後に妊娠された方は一般的には妊娠5ヶ月頃までに一度入院して子宮頸管縫縮術(通称シロッカー術と呼ばれるもの)という手術をすることになります。
腹緊の状態によっては点滴や内服でおなかが張らないようにコントロールすることになります。(おなかの張りが収まれば、数日後には退院出来ます。)

通常、手術をすれば妊娠を継続できるので、36~37週頃になれば抜糸することになります。(抜糸は外来で出来ますから、抜糸のためだけに入院することはありません。)
抜糸後やがて陣痛発来すれば、普通に経膣分娩は出来ます。

妊娠を持続させるチカラの強弱。

旦那の従弟の奥さんが先日2人目を出産したのでお見舞いに行って来ました。
同じまちに住んではいますが、保育士さんとして働いており、勤務先では午前中にお休みを貰えないとかで、SOLANINの勤務先ではなく、T産婦人科医院(母子異室・ミルク奨励)で妊婦検診を受けていたので、そちらでの出産でした。
私がお見舞いに行ったのは産後4日目でした。
赤ちゃんは前日から黄疸値が高くなったとかで、光線療法中で、新生児室の奥の方で保育器に入って紫色のライトに照らされていました。
アイマスクにおむつ一丁でした。

実はこの赤ちゃんのお母さん、妊娠14週という安定期目前に破水してしまい、羊水の漏出を止めるための安静と感染予防のために2ヶ月間入院しました。(入院している間はベッド上に臥床していて、カラダの向きを変えるだけで羊水がチョロチョロ流れていたそうです。)
22週になり羊水の漏出も収まり、感染兆候もなく、おなかが張ることも落ち着き、退院できました。(もちろん退院後は仕事なんてもってのほかです。双方の実家が協力し合い、自宅安静を守り抜いたのですね。)
そのおかげで、赤ちゃんは予定日の数日前まで妊娠を継続するという奇跡の末に生まれてきてくれました。
羊水が少なめだとか、おなかも赤ちゃんも小さめだとか色々言われていましたが、蓋を開けると3200gの元気な男の子でした。

正直言って、14週で破水して妊娠継続というのは通常は無理です。
私もこの仕事長いですが、今まで聞いたことがありません。
(レアケースなんでしょうねぇ。)
そりゃあもちろん、どうにか妊娠継続してほしいと願っていました。
でも、あまりに早期の破水なので難しいだろうなという諦観とお母さんがおなかが張るのに無理し過ぎたから破水したということもあって、安静にしたら何とかなるかも知れないという希望的観測の間で私の気持ちも揺れていました。

羊水が漏出している間で感染兆候が見られた時、抗生剤の点滴をしてもらったくらいで、後は特別な治療を受けたわけではありません。
本人や家族の話を総合すると、治療の90%はひたすら安静にしていたことではないかと思われます。
ということは、赤ちゃんがとても強い子だったということが考えられます。
(私が知る限り、20週で破水したものの、入院加療の甲斐があり、満期産に漕ぎ着けた方は1人おられましたが。)

余談ですが、この赤ちゃん、光線療法中なのに生後4日目で直母で40g/回も哺乳出来てるそうですが、指示量が50g以上/回なので、ミルク10mlずつ毎回補足していると言っていました。
やはりこのあたりが母子異室でミルク奨励だなぁと感じました。
褥婦さんのオーバーテーブルにはミルク屋さんのロゴ入りのポットが置かれていました。病室のカレンダーもミルク屋さんの提供品だったような記憶があります。
新生児室にはミルク屋さんのキャラクターのお人形が新生児室の奥の壁側(面会用ガラス窓の突きあたり中央)に鎮座していました。
至るトコロにミルク屋さんの提供品が溢れていました。
もちろん、T産婦人科医院では、ミルク屋さんの調乳指導と退院時には粉ミルクのお土産付きであることは言うまでもありません。
これってミルク奨励のサブリミナル効果満点ですなぁ。

しかし、ビックリしたのは、この後本屋さんに立ち寄り、育児関係のコーナーで産婦人科紹介の本(某社のムック本)をパラ見していたら・・・T産婦人科医院、“母乳育児に熱心な産婦人科医院”と、掲載されていましたが、内実を知る者といたしましては、「何をもってして“母乳育児に熱心な産婦人科医院”などと紹介できるのか?」と、SOLANINはひとりムックを見ながらツッコミを入れてしまいました。

妊娠末期にカロナールを内服してはいけない訳って?

偏頭痛持ちの妊婦さんは結構おられると思います。
私もかつて介護の一翼を担っていた頃は、ストレスで偏頭痛が酷く、鎮痛薬が手放せない状態でしたから、その辛さは分かるつもりです。
普段ならば『アスピリン®』か市販薬なら『バファリン®A』を内服される方が多いかな?

この他にも、小児にも処方されるお薬で授乳中でもOKな『カロナール®』を妊娠中に処方してもらっている方もおられることでしょう。

この『カロナール®』、どうして妊娠末期は処方が見合わされるか、ご存知でしょうか?
動物実験でですが、おなかの仔の動脈管が収縮し、新生児遷延性肺高血圧症という怖い病気を発症する危険性があるからです。
程度としては最も危険性が高いのは、『ボルタレン®』『インダシン®』『ポンタール
®』『カピステン®』『ブルフェン®』など。
危険性が中程度なのは『クリノリル®』『オパイリン®』など。
危険性が軽度なものならば、それこそ、『アスピリン®』『カロナール®』など。

しかし、軽度とは言えこのお薬を内服して、過去に上記のような症例があるのです。
ですから、妊娠末期はこれらのお薬を自己判断で絶対に内服しないでくださいね

2013年9月19日 (木)

母子健康手帳の記載について。

昨年度からでしたかねぇ、母子(親子)健康手帳には、妊婦さん自身が書く頁が増えましたよね?
えっ!知らないですって?
そういうコメントはどちらかというと経産婦さんに多いような・・・(苦笑)
妊婦検診の血圧や体重を記入する頁の前の頁で、妊娠経過とともに、おおよそ月単位で、数行の記載が出来る頁があるのです。
えぇ、日本全国津々浦々、どこの自治体発行の母子(親子)健康手帳にもその頁は存在しますとも。

SOLANINの周囲の妊婦さんだけ(もしかして地域性?)かもしれませんが、およそ8割がまともに書いていませんな。
特に、頁全体が真っ白な母子(親子)健康手帳を見ると、がっくりきます。
たまに書くには書いてあるけれど、「悪阻でしんどい。」「旦那とケンカした(≧ヘ≦)」「○月○日~産休♪」・・・みたいな、自分のことしか書いてない母子(親子)健康手帳を見ると、正直言って、「何だかなぁ~。」って思ってしまいます。
えぇ、そりゃあまぁ、自由記載だから、何を書くかは妊婦さんだったご本人の勝手かもしれませんけれど、母子(親子)健康手帳って、本来子どものために記録していくものなのですよ。
昔から、子どもが自立する時or結婚する時なんかに、「これがあなたの母子(親子)健康手帳よ。」と、手渡すものなのです。
なのに、それを受け取り、中を見たら真っ白だったり、おなかの赤ちゃんへの想いが全く記載されていない母子(親子)健康手帳を受け取ったら、どんな気持ちになるでしょうか?
最近はどこの自治体でも、小学校では『命と身体と心の学習』といって、いわゆる性教育のコマが1年に1回は設けられています。
其々の学年の理解力に応じて、先生方は色々な工夫をされているのですが、かなりの割合で、「お家の方から、母子(親子)健康手帳を借りて来てくださいね。」とお願いされることがあるらしいですから、ひと昔ふた昔前よりも、ず~っと早い時期に子ども達には自分の母子(親子)健康手帳を見る機会がやって来るのですよ。(汗)
もしかしてそういうこと、ご存知なかったのでは?

この記事を読んで「はっ!」として、母子(親子)健康手帳を見返してみて、“真っ白”さんや“自分のことだけ”さんだった読者さんは、早ければ早いほどいいです。
お忙しいのは分かりますが、出来れば今日の今からでもイイので、思い出して書いてくださいな。
余計な脚色は要らないですから、「あの頃は、何を想っていたかな?」と脳味噌の妊娠時の記憶フォルダを開き、丁寧な文字で書いてくださいな。
ヒトの記憶は年月を経るにつれ、曖昧になってしまいますから。

老婆心ながらSOLANINは、あなたのお子さんに成り代わって、お願い申し上げる次第です。

妊娠とてんかんについて。

てんかんの治療は昔とは異なり、かなりの進化が見られます。
全妊婦の約1%がてんかんを有するという報告もあるくらいです。
万一妊娠中にけいれん発作が起きると、おなかの赤ちゃんが低酸素症を引き起こす危険性があり、重積発作を起こすと、おなかの赤ちゃんの死亡率は最大50%にも及ぶとされています。
妊娠中にはけいれん発作は起こさないようにコントロールをしていかなくてはなりません。
但し、殆どの抗てんかん薬は催奇形性が指摘されています。
使用しない妊婦の3倍の奇形発生率のリスクがあります。
とはいえ、抗てんかん薬に内服をした妊婦の90%以上は健常児を出産しています。

リスクを減らしていくにはどうすればいいか?
多剤併用の方が単剤のみの治療よりもリスクが高いことが分かっています。
例えば『テグレトール® 』などのカルマゼピンと『デパゲン® 』『セレニカ®』などのバルプロ酸ナトリウムの併用療法は、口蓋裂・口唇裂・心室中隔欠損症の赤ちゃんの出産例が多いとの疫学調査があります。
だからと言って、自己判断で服薬中止するのは言語道断ですよ!
薬剤の使用量は少ないほどリスクは低くなるので、妊娠前から最低必要な量の調整を神経内科のドクターに聞いてみましょう。

妊娠前からと言えば、抗てんかん薬は葉酸の代謝・吸収を妨げます。
ですから、てんかんの持病のある方は、妊娠を予定する段階からの葉酸の摂取が重要になります。
そう、神経管閉鎖障害の予防に効果的なあの葉酸です。
こんなトコロにも絡んでくるのですね。
通常推奨される1日摂取量は400μg(=0.4g)ですが、それよりも多量になるとのことです。
どのくらいの量を摂取すべきかは産婦人科のドクターにも相談してくださいね。
授乳中は大丈夫であろうお薬であっても、妊娠中は駄目というものもあります。
間違えないように気をつけましょう。

検査や手術前に指輪などの金属類を外す訳は?

MRI検査の前は金属を全て外すように指示されます。
「指輪くらいいいのでは?」
「なんでマスカラやアイシャドウを落とさなくてはならないのか?」
と、ふと疑問に感じた方もおられるかと思います。
MRI検査は磁場を造りますので、金属があればそれは機械本体に「誘引」されます。
「誘引」と書くと、穏やかな印象ですが、例えば部屋の片隅に金属片でも置いておいたら、物凄い勢いでバビューンとぶっ飛んできます。機械は壊れるし検査どころではなくなります。
「マスカラ」や「アイシャドウ」には金属が含まれるから、その手の化粧は落とさなくてはならないのですね。

あと、手術ですが、帝王切開でも卵巣のう腫の摘出術でも、「なんで時計・ピアス・指輪・メガネまで取らなくてはいけないの?手術部位として関係ないのでは?」という想いもあるでしょうが、それは、手術の際、E-メスを使用するからです。
E-メスとは電気メスです。
人間のカラダは皮膚を含めて電気を通しやすいのはご存じですね?
なので、金属を身に付けた状態で手術になると付けていた部位が火傷してしまいます。(火傷というよりも、焦げるという表現の方が適切かもしれません。ひぇ~。)

へミングウェイの『インディアン・キャンプ』という小説、読んだことがありますか?
アレに出てくるような環境ならば、当然E-メスは使用されませんがね。
今の日本の手術室でE-メス使わないなんてないでしょうからね・・・

余談ですが、帝王切開の予定のある方(前回帝王切開をした方や初産で逆子の方~世間一般ではそういうことになっている~やV-BAC予定の方や妊娠高血圧症候群でおなかの赤ちゃんが今一つ元気がないと言われている場合など。)は、結婚結輪は早めに外しておいてくださいね。
手指まで浮腫むと、結婚指輪が食い込んでしまい、オイルや石鹸や糸を使ってもどうしても外れず、結局宝石店の方に来ていただいて指輪の切断をしなくてはならなかった方が過去におられました。
これはそういうことをを知っている者からの忠告です。

2013年9月18日 (水)

妊娠中の足趾の浮腫みは大丈夫?

<ご相談内容>
切迫早産のため自宅安静中の妊婦さんです。
血圧正常・貧血ナシ・脛の浮腫みはないそうです。
切迫早産のため母親教室などには出向けず、どのように予防したらいいのか、情報が得られないとのこと。

<SOLANINの回答>
足趾の浮腫みですが、上記の症状が併発していないとのことですから、あまり気にしなくてもいいかと思います。
元々、妊婦さんのカラダは浮腫みやすくなっています。
これは妊娠中のホルモンバランスがそれまでとは異なることや、大きくなった子宮は周囲の大きな血管を圧迫するので、血液やリンパの流れが悪くなるからです。
何となく、水分の過剰摂取が原因かと思われがちですが、実は塩分の摂取が多いと浮腫み易くなります。
脛の浮腫みは妊娠高血圧症候群の初期に見られるひとつの症状です
注意信号は脛だけではなく、顔が浮腫んだり指輪が抜けないくらいの手指の浮腫みです。
体重にして500g以上/週のペースで増えていたら危険です。
対策としては「塩分控えめのお食事にする。」「脚を挙上して眠る。」「起きているときはサポートハイソックスを履く」「骨盤ベルトを適正に巻く。」「ジンジャー・ラベンダー・グレープフルーツなどの良質のエッセンシャルオイルを滴して足湯をする。」「下半身を冷やさないように服装を温かいものにする。」などです。

妊娠中に低用量アスピリンの内服をする場合って?(若干改訂版)

妊娠中に低用量アスピリンの内服ってどういう場合にするのか分かりますか?
低用量アスピリンには血小板凝集抑制作用というものがありますので、流産しやすい妊婦さんや妊娠高血圧症候群妊婦さんの治療や予防の一環として処方されます。
これらの発症原因として「抗リン脂質抗体」の関与が考えられるとも言われています。
「抗リン脂質抗体」は血栓形成を促すと考えられているのですね。

IUGR(=子宮内胎児発育遅延/,昨今はFGRと呼ばれます。)の場合にも低用量アスピリンの内服で血流を良くして胎児の発育を促します。

但し出産予定日の12週以内の処方をしないようにと添付文書には記載されています。
子宮収縮の抑制と分娩時出血の増加の可能性があるからです。
でもこの血小板凝集抑制作用を利用しないと妊娠継続が不可能な場合は処方されることもあります。

切迫早産のお薬の『塩酸リトドリン®』について。(若干改訂版)

切迫早産の妊婦さんにとって、塩酸リトドリンというお薬、例えば先発薬の『ウテメリン®』(キッセイ薬品)は大事なお薬だから、何があっても内服して欲しいです。
普段は大丈夫でも逆子直しの体操(膝胸位)をする時もおなかが張っていたら絶対に回ってくれないですから、体操の前に内服します。

逆子の間は予防的に内服を勧めることすらあります。
逆子ですとおなかが張りやすく、破水しやすいからです。
破水して臍帯脱出してら、おなかの赤ちゃんがジ・エンドになってしまいますからね。

なのに、妊婦さんによりますが、副作用(動悸がする、手が震えるなど。)を嫌い内服されようとはしない方がおられます。
でも、それはアカンのです。
副作用は内服を続けたらある程度はカラダが慣れてきます。
SOLANINも2人目と3人目は内服しましたから、経験者ですから分かるんです。
でも、余りに副作用がキツいようならば、症状を緩和する漢方薬がありますから、産婦人科のドクターにその旨お願いしてみましょう。

でも『ウテメリン®』って先発薬だから高いのよね。
5mg1錠で150.6円はします。
ううう・・・この高さ何とかならんのか?
経済的負担の大きさから躊躇せざるを得ない場合は後発薬(ジェネリック)にしてくださいとお願いしてみましょう。
例えば『ルテオニン®』(帝国臓器_武田_住友)というお薬だけど、後発薬(ジェネリック)だから5mg1錠91.4円ですよ。
他にも『リメトラーク®』(富士製薬)や『リトメリン®』(大原)は5mg1錠31.3円だし、『ウテメック®』(大正製薬)は5mg1錠24.2円なんですよ。
同じ成分が同じ量なのにこうまでお値段が違うんです。
最近は、『塩酸リトドリン®○○』(○○の部分は製薬会社の名前が入る)という表記のお薬も増えましたね。

この辺も大事なことです。
同じ成分のお薬であったとしても、薬価ってすんごい違いがあるもんなんです。
ビックリしちゃうでしょう?
先発薬は開発費がウン十億円(モノによってはウン百億円)もかかることがあるから高くなるし、後発薬(ジェネリック)は開発費不要ですから安くなるんです。
後発薬(ジェネリック)を希望することは悪いことでもハズいことでもありません。
どころか、医療費の抑制に効果的と推奨されているくらいです。
妊婦さんから処方の際にお願いしてみるといいでしょう。

2013年9月17日 (火)

前搾りには意義があるっ!

乳頭・乳輪が硬い状態というのは色々理由がありますがそれはひとまず置いといて、実際問題として、赤ちゃんが吸啜する時に伸展性に欠け、いわゆる“吸い難いおっぱい”“滑るおっぱい”になってしまいがちです。

その改善のために産後お母さんが出来ることは、前搾り(先搾りとか前ほぐしと表現することもある)をしてから直母することです。
そりゃあ、大勢の中には、乳頭・乳輪が相当硬くても浮腫んでいてもブルトーザーが大きな山を切り崩すかのようにガツガツ欲しい分だけのおっぱいを飲める新生児は居るには居ますけれど、そういう新生児は極僅かな・・・僥倖ですな。

大抵の新生児は、乳頭・乳輪が硬い状態ですと、「大きなお口を開けて吸いついても、グリップが利かなくてズルズル後退して浅飲みになる」or「持続して吸いつきとくても直ぐにスタミナ切れしてクッタリする」のが関の山になってしまうのです。

それを乗り越えるにはどうすればいいのか?
それはですねぇ、10~20ml/回程度の前搾りを続けることです。
そうすることで、上記の案件をクリアする下地作りになるわけです。
勿論、搾乳は廃棄せず、シリンジやカップやスプーンで飲ませます。

いつまで前搾りを続けるべきかは、担当助産師に確認する必要がありますが、乳頭・乳輪が柔らかくなり、新生児の哺乳力が向上し、危なげなく直母が出来るようになれば徐々に不要となります。

前搾りをしている間は、「10~20ml/回の前搾りの補足をして、どんな意味があるのか?」「一体いつまで前搾りを続けなくてはならないのか?」と、疑心暗鬼に陥るかもしれませんが、そうすることで、新生児はぐ~んと発育するものです。
前搾り生活を乗り越えられる日(≒直母だけでグイグイ飲んでくれる日)はきっと来ますから、まずはやれるだけのことをやってみましょう!

切迫早産の指標その2「癌性胎児フィブロネクチン」(若干改訂版)

なんか怖そうな名前ですね?
おなかの赤ちゃんが癌になるのかと勘違いしてしまいそうなネーミングです。(汗)
が、これも切迫早産の指標のひとつなんですね。

どういうことが判るのかと申しますと、絨毛羊膜炎と子宮収縮の両面から早産の兆候を判定するものです。

前期破水する妊婦さんの90%以上が基準値よりも高値を示すことが判っています。
(前期破水とは、簡単に言えばまだお産をしてはならない週数のうちに破水してしまうことです。原因不明のこともありますが、その多くは絨毛羊膜炎!です。
これを患うと子宮の中で胎児を包んでいる卵膜にも感染が拡大し、卵膜にも炎症が起きます。すると、卵膜が弱くなり破れてしまいます。破れたら羊水が流出してしまいますね。)

ちょっと話がずれますが妊娠中旦那さんと性行為がある妊婦さん、おられるのではないでしょうか?
妊婦さん本人は避けたい部分が大きくても、なにぶん相手のあることなので、対応せざるを得ないこともあると思います。

知ってる人は知ってることなのですが、実は精液の水の部分(=精子でない部分)には子宮頸管熟化作用(=子宮の入口が柔らかくなって開きやすくなるはたらき)をもつ成分が含まれています。
つまり、妊娠中の性行為はそれ以上妊娠することがないため、そのまま行う夫婦もおられるのでないかと推察されますが、それはホントは良くないことなんですね。
切迫早産の方は性行為は原則禁止ですが、そうでない方も切迫早産防止のためにはコンドーム使用は当然だと思ってくださいね。

くれぐれも、「妊娠中はこれ以上妊娠するリスクはないから、コンドーム無しでの性行為はアリだろう?」と旦那さんから迫られても、断固拒否してくださいませ。

切迫早産の指標その1「顆粒球エラスターゼ」

絨毛羊膜炎(CAM)という病気、聞いたことがありますか?
切迫早産(もちろんホンモノの早産も)になる妊婦さんはかなりの割合で絨毛羊膜炎になっていることが判っています。

絨毛羊膜炎はいきなりなってしまう病気ではありません。
その前段階として子宮頸管炎や膣炎になっていてそれが進行して絨毛羊膜炎になってしまうのです。

子宮頚管炎や膣炎というのは感染によって起こります。
妊婦さんによっては妊娠発覚以来旦那さんとは性的な関係がゼロの方もおられます。
なのに、どこをどうやって感染するのか?

一見全く関係なさげですが、妊娠中は分泌される女性ホルモンの量が増えますから歯肉炎になってしまったり、歯肉炎が重症化する妊婦さんは結構多いのですね。
で、例えば歯肉炎になっている妊婦さんはそうでない妊婦さんよりも、血中のサイトカイン(歯科・口腔ケア関係の記事を思い出してね!)の量が増えますから切迫早産になってしまう割合が最大7倍もあるという研究報告があるくらいなのです。

そういう感染ルートもアリなんです。

それはどうしたら調べられるのかと申しますと子宮頸管粘液を採取して「顆粒球エラスターゼ」を調べてもらうのです。
切迫早産となる妊婦さんのかなりの割合で絨毛羊膜炎の恐れがある時は、その1~2週間前からこの「顆粒球エラスターゼ」が上昇することが判明しています。

つまり「顆粒球エラスターゼ」が上昇し、子宮頸管長が短くなり、おなかが張っていたらそれはまさしく切迫早産なんですね。

自宅安静でお薬を内服して様子を見ていい段階で済めばいいのですが、もし入院して治療を受けなくてはならなくなったら大変です。
健康な妊娠生活を送っていただくためには、カラダのどこかに炎症が起きていないかを確認することや、起きていたらそれを治すことが重要だと思います。

切迫早産になったら安静にと指導される理由。

妊娠22週0日から36週6日までの出産を早産と言います。
そうではなくて、切迫早産と産婦人科のドクターから指摘された妊婦さん、何をもってして「切迫」なのかということをお話しましょう。
月経痛のようなおなかの痛みや出血、場合によっては破水などの自覚症状が見られたら早産の兆候があると言えます。
早産の兆候が常態的に見られるようならばそれは切迫早産です。
また、経膣エコーで子宮頸管が開いてきていたり短くなっていたら、上記のような自覚症状がなかったとしてもそれは切迫早産です。

ここからホンモノの早産に進行しないようにせねばなりませんね。
そのためにはまず安静が必要です。
安静にすることで切迫早産の症状が収まってくることが期待できるからです。

直ぐに出来ることはいくつもあります。
下腹に力を入れるのはよくないので、重いものを持ち運ぶのは周りの人に代わってもらいましょう。(上の子さんのおられる方はお座り抱っこのみにとどめてください。)
便秘をすると、便を出すのに長く気張ることになるから、妊娠中でも使える下剤を処方してもらってあまり気張らずにすんなりと排便できるようにしましょう。
冷えも子宮収縮を誘発するので温かい服装にしましょう。(特に靴下・レギンス・腹巻きはお勧めアイテムです。)

それでも症状が収まらないならば、子宮収縮抑制剤(=ウテメリン、ルテオニンなど)を内服することになります。
ただ、このお薬は動悸や手の震えなどの副作用があります。
おなかの赤ちゃんにはどうもないのですが、お母さんが内服を嫌がられる傾向大なのです。
でも内服しなければ、ホンモノの早産になってしまう恐れが強いから内服をしなくてはなりません。
そういう場合は漢方で症状を軽くするお薬(もちろん、妊婦さんが内服しても大丈夫なお薬です。)があるのでそれを併せて処方してもらいましょう。

2013年9月16日 (月)

妊婦検診における内診の意義について2(若干改訂版)

昔話だと思って聞いてください。
確か、開業医さんから、「誘発しても1指開大するのみで、展退、児頭の下降等、内診所見に全く変化がない。」ということで、とある産婦さんが、搬送されてきました。
その開業医さんでは、38週くらいになり、胎児の発育に問題が無ければ、お昼間のうちに誘発して出産させるスタイルを採っておられました。

何でも、妊婦さんには「胎盤機能は予定日前にはピークを迎えて後は低下するから、胎児の活気が低下して元気な状態を保って生まれるとは限らない。また、36週以降は1週間に200gくらいは胎児の体重は増えることもあるので、大きくなり過ぎて、下から出産出来なくなっては大変だし、夜間はスタッフが少ないから緊急事態に迅速な対応が万一出来ないと人命にかかわるので、誘発分娩は不可欠なんです。」と、ICされるとか。

まぁ、それなりの説得力はありますが・・・違うところもありますね。
それについてはここでは置いといて、話し戻って件の産婦さん、内診所見が全く変化しなかった理由が分かりますか?

この記事を読んでおられる助産師の貴女、予想出来ますか?

後で事情を聞いて仰天したのですが・・・何と、その産婦さん、子宮頸部がカリフラワーみたいになっていたそうです。それはつまり、かなり進行しているヤバい状態の子宮頸ガンだったのですね。


ギェ~。

なんてこった。
なんで妊婦検診中に気が付かないのよ。
ありえんでしょう、こんな馬鹿な話。
でも実話なんです。
因みに言わずもがなですが、この開業医さんはAパターンです。
誘発しても出産できない理由をドクターがICされた時のご夫婦の驚きは尋常ではなかったそうです。(そりゃそうでしょう。)
即、全身麻酔で帝王切開されました。
何回か抗ガン剤で化学療法されてから子宮及び付属器(=卵巣など)を全摘されました。
母乳育児はさすがに無理で完ミでした。
生命が助かっただけでも良かったのではないかという産婦さんでした。
こういうことって、条件が揃えば、意外と何処にでもあることなのではないかと思います。
SOLAINは余計にBパターンじゃないとねって思うんですね。
ご理解いただけましたでしょうか?

妊婦検診における内診の意義について1

産婦人科を受診すると、内診をされます。
膣からの超音波検査もあります。
女性としては避けられるものなら、避けたいスタイルの診察ですね。
妊婦検診では、いつ内診や膣からの超音波検査をするかは産婦人科のドクターの裁量に任されています。
なので病産院によっては、初診と切迫症状が出た時と10ヶ月に入ったらというトコロ(以下Aパターンとします)もあれば、毎回内診と膣からの超音波検査があるトコロ(以下Bパターンとします)もあるわけです。

みなさんは、どう感じておられますか?
私は、昔はAパターンで充分だと思っていました。
でも、最近はそうは思いません。
絶対にBパターンでなければって確信しています。
なぜなら、切迫症状というのは、妊婦さん本人の自覚症状が全く無くても密やかに進行してしまうことがあるからです。
子宮口が開きかけていたり、頸管長(=けいかんちょうと読みます)が短くなっていたりすることもあるし、内診すれば、フィブロネクチンやエラスターゼの検体を採取できますし。
絨毛羊膜炎になってるかどうかの確認は膣からの超音波検査によって発見されるわけですね。

でも、内診は下着の着脱を伴いますから、時間を要します。
内診以外にも、おなかからの超音波検査だってありますし。
かといって妊婦さんを急かすわけにはいきません。
その一方で迅速な診察で多くの妊婦さんを診察しなくてはならない産婦人科のドクターにしてみたら、これは結構大変なことなんです。
ただでさえ、産婦人科領域では出産はおろか検診さえも出来る病産院がドンドン減少していますからねぇ。
なので恐らくそういう事情と、女性全般の「内診は嫌だ。」という思惑が合致して、毎回の妊婦検診で内診はしないという病産院が存在するのですね。
で、内診の少ない病産院はクチコミ人気が高まるのですね。
Aパターンの病産院は心理的負担が少なくっていいよ♪なんちゃって。
あ~みんな、分かってないなぁ~。(悲)
何が大事なのか、よ~く考えなくちゃね。
次回、妊娠されたとして、もし選べる環境にあるならば、是非毎回内診のある病産院を選ばれることをお勧めします。
えっ、SOLANINの勤務先はどうかですって?
もちろん、Bパターンに決まっているぢ\jiゃないですか。

妊娠中に発見された卵巣のう腫の経過観察について。

先日アップした記事に質問が付いたので、その解答を掲載します。

一般的に卵巣のう腫が発見されたとして、経過を診ていくのに別のドクターが診られたら何センチあるかという数値が変わるか?という質問です。
超音波機器の使用についてはもちろんどのドクターもマスターされていますが、測り方の癖もあるでしょうし、測る角度によっては、やはり数値は変わります。
でも、どのドクターが測られても5~7cm以上の大きさになれば、一般的には手術を進めていくお話になると思います。
(放置することによるリスクの大きさ、怖さについては過去の記事をご参照くださいね。)
おなかの赤ちゃんのためにも必要な手術ならば受けなくてはならないでしょう。
疑問に思うことがあれば、旦那さんにも一緒に聞いてもらうのがいいですね。

それからもうひとつの質問ですが、妊娠中経膣エコーでなく、経腹エコーでも卵巣のう腫の増大は分かるのか?という質問です。
エコーの機種にもよりますが、分からないことはないそうです。
大きくなったもの(例えば15cmくらいあるとか・・・)だったら分かるそうです。
でも普通妊娠中にそれほどまでに大きくなるまで放置することの方が怖いので、大抵は経膣エコーでチェックするそうです。

担当ドクターが途中で変わったりして、「もしかして、卵巣のう腫の経過を診てもらっていないのでは?」と心配になったら、すぐにドクターに確認されたらいいと思います。

2013年9月15日 (日)

おなかの赤ちゃんの推定体重について。

妊婦検診の基本パック(!)は、検尿・血圧測定・体重測定です。
内診とか超音波検査とか血液検査はオプションですが、最近は多くの病産院で超音波検査を毎回のようにされているトコロも増えているとか。
その超音波検査では、赤ちゃんの頭が上か下か或いは横か、どちらを向いているか、心臓のお部屋は4つあるか、胃袋はあるか、男の子か女の子か等々・・・まぁ色々な項目を調べることができます。
そして色々調べる中で、重要な項目として、赤ちゃんが在胎週数相当に育っているか確認することが挙げられます。
超音波検査の際、産婦人科ドクターが、おなかの赤ちゃんの頭の横幅や太腿の骨の長さやおなかの断面積等を計測されるのを見たことがあるでしょう?
ああやって計測した数値をコンピューターに入力すると自動計算してくれて、推定体重が出るのですね。

推定体重の誤差範囲は、上下10%前後だそうですから、仮に、その時のおなかの赤ちゃんの推定体重が3000gだったとしたら、2700g~3300gの幅があると見做して正解です。

確か在胎週数から2週間以上小さいとなると、FGR(子宮内胎児発育遅延)ですから、状況によっては産婦人科ドクターから、「入院加療が必要です。」と告げられるかと思います。

下1桁~2桁は誤差範囲ということもあるので、あまり神経質になるのはどうかと思いますが、少なくとも今年度交付の母子健康手帳の「すこやかな妊娠と出産のために」という頁には、“胎児発育曲線”というグラフが掲載されていますから、現在妊娠中の方は、一度照合してみられても良いと思いますよ。

糖尿病合併妊娠のリスク4

そうなると、「糖尿病だったら、おっぱいはあげられるの?」「もし、インシュリンを打たなくてはならない場合でも母乳育児は可能なの?」というギモンが出てくるかと思います。

でも、有り難いことに、糖尿病であっても、母乳育児は可能ですし、母子共に良いことがたくさんあるのです。
まず一番助かるのは、赤ちゃんの糖尿病の発症予防に有効である。・・・ということです。
大まかに分けて、糖尿病には1型と2型がありますが、どちらに対しても、完ミの方よりは発症率が低いんです。
小児肥満にもなりにくいんです。

インシュリンはおっぱいには移行しないので、インシュリンを打ちながらでもおっぱいはあげられます。
妊娠中よりも授乳中は血糖値が低くなりますから、インシュリンの使用量は少なくなります。

おっぱいの分泌量が増えると、お食事の量も増えますが。
おおよその目安はおっぱい100mlにつき、1単位(=80Kcal)増やしますが、個別性がありますから、主治医や栄養士さんの指導に従ってくださいね。

二番目に助かるのは、お母さんの糖尿病の進行を抑えるということです。
ご自分のウェルネスにも繋がります。

糖尿病合併妊娠のリスク3

糖尿病合併妊娠とは少し異なりますが、妊娠性糖尿病の妊婦さんも増えています。
「妊娠性」ということは、出産したら後は関係ないと、”昔”は思われていましたが、実際はそうでないことが判ってきました。

出産後3~6ヶ月の間もない頃の検査でも、5.4%のお母さんが「(妊娠性でない)糖尿病」を発症しています。
出産後5~16年も経った、”忘れた頃”まで追跡した調査によると、17~63%の高頻度で「糖尿病」を発症してしまいます。

でもこれは、「妊娠性糖尿病になったから糖尿病を発症する運命。」ではないのです。
出産後も、定期的にスクリーニングを受けて、お食事や運動をしていくことで、発症を免れることだって可能なんです。

もしかしたら、この記事を読んでおられるお母さんの中に、「あたし、妊娠性糖尿病って言われてた。ガ~ン。」という方も、おられるかもしれません。

毎日のお食事をおろそかにしないこと。
そして、この先妊娠する予定・可能性のある女性は、一度は『糖負荷試験』を受けて、ご自分が大丈夫か否かをはっきりさせ、必要ならば治療を受けることが、必要なんだと、お考え下さいませ。

糖尿病合併妊娠のリスク2

2007年に岡山大学の平松祐司先生が発表されたデータによると、糖尿病合併妊娠で危惧される胎児の異常は「奇形」だそうです。
赤ちゃんに奇形が発生するかどうかの器官形成期というのは、妊娠の極初期なんですね。
つまり、「もしかして、妊娠したのかな?」という時点では、はっきり言って遅いのです。
一般的に糖負荷試験を行うのは、妊娠中期頃です。
(もちろん、尿検査は初診から毎回行われますが、尿糖だけでは何とも言えないこともあります。)

胎児が奇形かどうか、いわゆる『奇形発生率』というものは、糖尿病のない(=血糖がコントロールされている)妊婦さんですと、1.7%なんです。
妊娠前に治療を開始した妊婦さんは2.1%。
それはど大きな差はありません。
しかし、妊娠後に糖尿病が発覚し、治療開始した妊婦さんは後手に回るので9.0%と、かなりの高率なんです。

さらに、血糖管理が上手くいかないと、『奇形発生率』の数値はドンドン跳ね上がります。
下に大阪府立母子センターのデータを貼り付けさせてもらいます。
血糖だけではなく、HbA1c(=ヘモグロビンエーワンシーと読みます)の数値も重要です。
このHbA1cは「2ヶ月前の食生活が反映される。」と、言われています。

一番上の”~5.9”というのが、正常な方と考えてください。
大事な赤ちゃんに奇形が起きにくくする努力も、妊娠する前の女性ならば、実践してもらいたいなぁと、私は思います。

私もこのデータを見るまでは、ここまで大きな差があるのだということは、知りませんでした。
これからは、妊娠を考えている女性はまず、糖尿病の検査を受けるのがいいのではないかと思います。

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糖尿病合併妊娠のリスク1

5年毎に行われる厚生労働省の調査によると、国内の糖尿病患者さんは毎年新たに10万人、予備軍の方は40万人のペースで増え続けているそうです。
「糖尿病なんて、関係ないわ。」と画面に向かって呟いた貴女、最後まで記事を読んでからにしてくださいねっ。

糖尿病を合併する妊婦さんがも増えているのですよ。
私が学生の頃に習っただけでも、「胎児が巨大児になりやすい」「胎児が低出生体重児になりやすい」「羊水過多症になりやすい」「早産をしやすい」「妊娠高血圧症候群になりやすい」「流産率が高い」などが挙げられます。
出来ることなら、なりたくないことばかりです。

しかも、日本人の女性の場合、”自分が糖尿病だったんだ!”と、判明したのが妊娠中の諸検査を通してというパターンが6割もいらっしゃるということです。
つまり、決して中高年になったから・・・というわけじゃないのですね。

そして、大きな問題となるのは、糖尿病というのは、自分ひとりの問題じゃ済まないということです。
糖尿病合併妊娠のお母さんから生まれた赤ちゃんはやはり糖尿病になりやすいということです。
特に、女の子は将来において妊娠・出産する可能性があるわけですから、その子にも、その次の子(=つまり、貴女のお孫さん)にもリスクが受け継がれていくということです。
でも、その連鎖は断ち切ることが可能なのです。

2013年9月14日 (土)

妊娠中に卵巣のう腫発見された!

先日妊婦検診には毎回内診と膣からの超音波検査が必要だと申しましたが、その記事に対するコメントで、気になるものがありましたので記事にさせていただきます。

卵巣のう腫の発見がいつになるかは病状にもよるのでしょうが、一般的に妊娠確定するかどうかのごく初期には、卵巣はホルモンの影響で腫れていることが多いです。
通常はひにちと共に、縮小してきます。
大きいかどうかの規準は径が5~7cm以上になっているかどうかです。
但し16周を過ぎても縮小して来ないようならば、その後のことを考えて、原則手術をする方向に話が進むと思います。(この場合、のう腫部分だけを切除します。)

なぜ手術が必要になるかというと、卵巣が大きくなるほど
頸捻転や破裂などのリスクが高まるからです。
そんな事態に陥ったら、緊急手術が必要です。
百歩譲って妊娠中は大丈夫だったとしても、分娩進行時にのう腫が骨盤内に入り込むことがあり、そうなると分娩進行が妨げられます。

さて、卵巣のう腫の診断には一般的に膣からの超音波検査で発見されることが多いものです。
(ちなみに性経験のない娘さんですと、膣からの超音波検査は難しいですから、おなかからの超音波検査にせざるを得ないです。)
早期発見についてはどこまでを早期発見とするのか、判断が難しいですが、16週までに発見されたのなら、遅いとは言い切れません。

妊娠悪阻(=つわり)を少しでも軽くしてくれるアロマセラピー♪

実は私、妊娠悪阻(=つわり)ってほぼ経験がありません。
3人も出産しておきながら、嘔吐した回数はトータルで10回くらいです。
しかも、そのうち5回は食あたりでないかという印象が強いです。(天ぷらの食べ過ぎとか廃棄するはずのオレンジジュースを開封して間もないと勘違いして、ゴクゴクと飲んでしまったとかのタハハな状況です。)

なので、自らの経験に基づくのではなく、同僚や入院された妊婦さんにお試しいただいたことじゃら得られた結果であることを先にお断りしておきます。

妊娠悪阻にも様々なパターンがありますが、臭いに敏感で、炊飯器もベランダで使用しないと耐えられないくらいの方であっても、ほぼ不快感を催さない香りがあります。
それは・・・「スウィートオレンジ」「レモン」「ベルガモット」「グレープフルーツ」「ネロリ」
「マンダリン」などの柑橘類の香りです。

精油(=せいゆ。エッセンシャルオイルともいいます。)は、必ず天然のものを選んでください。
お近くのショップでもいいですし、ネットで買ってもいいですが、こればっかりは、某100均で売っている”アロマオイル”ではいけません。
合成香料ではメディカルな効果は期待出来ませんから。

アロマポットを使用してもいいのですが、暑くなってきましたし、小さいお子さんのおられるお家では、火を使うのは危険ですから、電気式のディフューザーが安全でお手軽です。
例えば歯磨きの時、えずきそうになる妊婦さんでもスウィートオレンジの芳香を嗅ぎながらだったら、いつもより歯磨きがラクだと仰います。
もちろん、妊婦さんには使用しない方がいいエッセンシャルオイルもありますから、好きな香りだからといっても、何でも使用していいわけではありません。
妊婦さんが使用されても大丈夫なのは、これらの柑橘類の香りとラベンダーくらいです。(ラベンダーは好き嫌いが真っ二つに分かれる香りですから、好きな方は使用されたらいいと思います。どちらもリラックス効果がありますよ。)

私は少し前までラベンダーが苦手でした。
真正ラベンダー(フレンチとかブルガリアとか色々な産地がある。)を何種類も試しましたが、どれも香りが尖っていて、「どこがリラックスなんやろか?」という印象しかありませんでした。でも、あるところでラベンダー40/42という香りに出会って、これは柔らかで気に入りました。但し、この香りを嗅ぐと何故か私は眠くなるので、用事のある時やスケジュールが押している時は使用禁止ですが・・・)
上手にアロマセラピーを活用するといいですね。

産後早期の脚や足背の浮腫みについて

産後早期に脚や足背に浮腫みがでることがあります。
それまで履いていた履物が履けなくなるし、重だるく感じます。
象足になった自分を見て、不安になったりしがちです。

腎臓が悪いわけではなくて、産後早期になって初めて・・・というのでしたら、おっぱいの哺乳量が増えてくれば、ドンドン潮が引くように、浮腫みは取り除かれていきます。
およそ、2週間後には、何事もなかったかのようになりますから、心配無用ですよ。

2013年9月13日 (金)

卒乳後もおっぱいを美しく!

クーパー靭帯って聞いたことがありますか?
クーパー靭帯は、
乳房の表面と中身にある乳腺を繋ぎ、 引っ張り持ち上げる短いゴムのような組織を指します。
SOLANINのようなおっぱい関係の人間には、当り前過ぎて、その存在を忘れてしまいそうなくらいですが。(笑)

靭帯というモノの宿命ですが、手荒な扱いをすると、損傷いたします。
損傷するとどうなるのか?
分かり易く言えば、乳房が垂れてカタチが変わってしまいます。
大きさに関係なく・・・です。
垂れる原因は勿論加齢も大きな要素ですが、このクーパー靭帯がユルユルに緩んだり断裂したりすることでも起こります。

何故ユルユルに緩んだり、断裂したりするのか?
それは乳房をラフに扱うからでもあります。

具体的には、不慣れな(不適切な?)ポジショニングとラッチオンによる浅飲み、まだ頸の据わっていない赤ちゃんにクッションを使わずに横抱き(≒聖母子像のような抱き方)したり、ぼちぼち頸の据わりかけた頃から見られる、赤ちゃんが自分の手と腕で、お母さんの乳房を突っ張り押しして引っ張り飲みを許したりすることです。
毎日何回もするのが授乳ですからね。
ダメージを受け易いのです。

一旦ユルユルに緩んだり断裂したら修復は困難ですな。(汗)

ポジショニングとラッチオンが上手く出来ていないと、いわゆる浅飲みになるため乳頭損傷が起き易いだけではなく、効果的な乳頭刺激が得られず、乳汁分泌増加のブレーキになるだけではなく、もっと厄介なことが起こるのです。

これまでママ友さんから聞いたこと無いですか?
「おっぱいを卒業したら、何故か乳房の上部が削げたようになり、カタチが変わって垂れたみたい。」「乳首が斜め下外側を向いてしまった。」・・・ほぼ全員の方が「あるある!」じゃないですか?

それらを予防するのはどうすればいいのか?
ん?
それはもう書いてますよ♪
記事は読み飛ばさないでね!
じっくり読んでくださいね!

マタニティーブルーから脱出するには?

赤ちゃんが生まれても、なぜか可愛いと思えなかったり、うとましくなることがあります。
「こんな自分は、母親失格だ。」という気持ちにさえなるものの、それを抑えることができません。
出産が大変で、疲れが残っていたり、赤ちゃんがおっぱいに上手く吸いつけなかったりすると、お母さんの気分はとても落ち込んでしまいます。
産後はホルモンバランスが激変することもあり、このような気持になってしまうのですね。

これが、「マタニティーブルー」です。
入院中だけではなく、お家に帰ってからおもむろになることもあります。

一日でも早く、いつもの元気印に戻りたいお母さんは、赤ちゃんにおっぱいをあげてください。
どうしても吸いつけない場合は保護器の使用も止むを得ません。
夜中に眠れないと,「マタニティーブルー」はひどくなりやすいので、深夜帯以外の時間帯で、集中して飲ませてあげてください。
それも、1回の授乳で満腹まで飲ませるのではなく、腹八分目程度にとどめ、赤ちゃんを起こしておき、こまめにあげるのがコツです。
1回の授乳が終わる度に赤ちゃんを寝かしつけようという考え方は頭からとっぱらかってくださいませ。
明るいうちに赤ちゃんをぐっすり眠らせたら、夜中起きるにきまってます。
ミルクを補足しているお母さんは、一時的にやめるか減量するのもいいですね。

そうすると、深夜帯に良く眠ってくれるようになり、「マタニティーブルー」から脱出できるのですね。

妊娠中や産後はカラダを冷やしちゃいけないの?(若干改訂版)

まだ残暑が厳しい今日此頃ですが、一般人とは異なり、妊婦さんや赤ちゃんを抱っこしているお母さんは、常にぬくぬくの湯たんぽを持ち歩いている状態ですから、代謝の高まりと相まって、発汗も多いと思います。

「こんなに暑いのに、カラダを冷やしちゃいけないの」という悲鳴が聞こえてきそうです。
さぁて、どうしたものでしょうか。

先に、妊婦さんも授乳中のお母さんもカラダを冷やす食品の過剰摂取はよくないと申しましたね。
暑くても、カラダ特に胃腸を含む下半身は冷やさないでほしいです。
「頭寒足熱」って聞いたことがあるでしょう。
あれって、とても良いことなのです。
「だけど暑くて、汗かくし・・・」の場合は上半身を薄着にしてみてください。
カラダを拭くのも、汗による冷えの防止になりますよ。

寝苦しい夜もクーラーでガンガン冷やすのでなく、アイスノンをしてみてね。
寝入りやすくなりますよ。

2013年9月12日 (木)

妊娠中や授乳中に牛乳やジュースをたくさん摂ってはいけないの?(若干改訂版)

妊娠中の注意すべきトラブルとして、腹緊(=おなかの張り。子宮が収縮すること。)が強くなったり、逆子になったりというものがあります。
全員が・・・とは申しませんが、果物や夏野菜の過剰摂取や、アイス、ジュース類が大好き、牛乳やチーズ、ヨーグルトを毎日食べ手いる方が目立ちます。
(暑さが厳しい折だと、それにエアコンの設定温度がめっちゃ低かったりというのが加味されたりします。)
カラダ特に胃腸をはじめとする下半身の冷えは妊婦さんには大敵です。

妊婦さんだけではありません。
乳腺炎を繰り返すお母さんや赤ちゃんが飲んでくれないという相談のお母さんに摂取を控えるほうが良い食品を多く摂っているかと尋ねると大抵は「YES」と答えられます。
果物や夏野菜、アイス、ジュースなどはテキメンに胃腸が冷えます。
胃腸が冷えると消化吸収能力が落ちることをご存知でしょうか。
消化吸収能力が落ちると体調不良になります。
体調不良は乳腺炎や哺乳拒否を誘発しやすくなります。

牛乳やチーズ、ヨーグルトは消化時間が長いので、他の食品の消化時間にも影響します。
栄養学的には牛乳やチーズ、ヨーグルトは優れていることは間違いないのですが、消化時間の長さがネックなのですね。

SOLANINの勤務先の母乳外来でも、お餅や動物性脂肪、揚げ物、お菓子は授乳中のお食事では控えてもらうようお話していますが、それらを控えても乳腺炎になる場合は、症状が落ち着くまではジュースや牛乳などを摂るのを「お休み」してもらいます。
「お休み」すると、回復が早いですから。

ここで《早とちり》しないでほしいのは、何もジュースや牛乳がいけない⇒飲食禁止ではなく、量が過ぎないようにということ。
それから、できるだけ、温かく、消化の良い調理にすること。
よく噛んで食べることが、ご自分のカラダを労わり、赤ちゃんに美味しいおっぱいを造ってあげることに繋がるのですね。

双子ちゃんの母乳育児の確立にまず必要なのは?

双子ちゃんの場合、正期産まで妊娠を継続し、尚且つ二人とも2500g以上ということが皆無ではありませんが、大多数は週数に対して小粒な発育状態(いわゆるIUGR)になりがちです。
管理入院をしていても、止むを得ず早産になることもあります。
在胎週数や赤ちゃんの体重にもよりますが、特に日齢の若いうちは、ギャン泣きすることは少なく、よく眠っていることが多いです。

哺乳については、運良く鼻注(=赤ちゃんの鼻腔から胃に管を通して注入する栄養方法)を免れても、恐らくは柔らかいゴム乳首を含むのに精一杯という状態がしばらく続きます。
端的に申しまして、お母さんのおっぱいを吸啜する以前の、それこそ開口して咥えることすら難儀な段階が続くということです。
吸啜が出来たとしても、せいぜいお口を数回クチュクチュしたらもう体力の限界に達します。
頑張り過ぎると、小児科ドクターの指示量を哺乳出来なくなってしまうくらいの僅かなスタミナしか持ち合わせていません。

ですので、一般的な健常新生児とは異なり、双子ちゃんで母乳育児の確立を目指すには、理屈抜きに搾乳が重要になってきます。
直母だけでいきたい気持ちは分からなくもないですが、それはかなり高いハードルなので、敢えて当面の目標は、搾乳で哺乳量を確保することとしてください。
そのためには、過去記事にも書いていたかと思いますが、妊娠中から乳房基底部を揺らすマッサージを1日に2(~3)回程度行ってもらうと効果的かと思われます。

経産婦さんで、前回の出産時に分泌過多だったとしても、今回の妊娠が双子ちゃんの場合に限っては、乳房基底部を揺らすマッサージをしてください。
何故かというと、前回とは異なり、哺乳量が2人分必要だからです。
1人の赤ちゃんに母乳育児をするには分泌過多だったとしても、2人の赤ちゃんに母乳育児をするには、そのくらいで丁度必要な哺乳量に相当する分泌が賄えるであろうからです。
また、1回の授乳に要する時間も、お母さんの体力消耗も2倍以上になるので、お母さんの休憩時間を確保するためには、搾乳をがっつり哺乳させ、しっかり体重増加させることが不可欠になります。

ある程度双子ちゃんの哺乳力が向上すれば、直母は練習次第で可能になりますから、決して焦らず、慌てず、諦めず、まずは搾乳を頑張りましょう。

妊娠中のお手入れをする意義を再考する。

妊娠中に乳頭・乳輪のお手入れは不要と仰る方は少なくないようですが、お手入れをしている妊婦さんは、直母に向けてのコンディションは良くなることはあれ、悪くなることは無いです。

柔らかくて伸びが良くなることは、経験上間違いないと思います。

しかし、お手入れをしていないと、乳頭・乳輪のコンディションが整わないため、いざ授乳が始まると、口先だけで吸わざるを得ないので、浅飲みにならざるを得ないことがあります。

浅飲みの何が問題になるかと言えば、乳頭に亀裂が入ったり、乳輪が浮腫んだりする原因になるからです。

特に初めての妊娠である場合、妊婦さん自身が助産師でもない限り、ご自身の乳頭・乳輪のコンディションを客観的に評価をすることは困難です。

赤ちゃんの浅飲みを予防するためにも、しっかり深くラッチオンできるように妊娠中からケアをすることが重要です。

2013年9月11日 (水)

産後の尿漏れの原因と対策。

尿漏れ。
うっとおしい現象です。
程度の差はあれ、妊婦さんの9割は尿漏れを経験しているらしいですが、産後も尿漏れが続くor尿漏れの程度が酷くなったという褥婦さんも少なくないと思います。
個人的な見解としては、年々増加しているように見受けられます。

本人の意思とは無関係に、例えばソファから立ち上がった瞬間にジャ~と出てしまったり。
布団で寝ている時に、それこそおねしょのようにジャ~と出てしまったり。
2~3時間毎とか、時間を決めて行かないと、WCまでの僅かな道中に間に合わなくなることがあったり。
退院後は落ち着いてきた筈なのに、おしっこに行きたいのを我慢している時に、ちょっと踏ん張ったりすると、チョロっと出てしまったり。
1ヶ月健診を終え、ようやく直ったと思っていたのに、上の子さんの親子行事の綱引きに参加した時や、一緒に縄跳び・トランポリン等の上下動を伴う遊びをした時にチョロっと出てしまったり。

まだ20歳代・30歳代の若い身空(みそら)で、産後に尿漏れが続くというのは、心身ともにとてもお辛いだろうし、毎日の生活が制約され、どんより暗くなるだろうとお察しします。
こんなこと誰にも言えない。
尿漏れなんてお年寄りの話だと思っていたのに、まさか自分がそうなるなんてという悶々とした気持ち。
経験者だったら、よ~く分かると思います。

SOLANINが知っている範囲では、「重症の切迫早産のため、毎日24時間点滴に繋がれ、絶対安静の寝たきり入院生活が何ヶ月も続いた。」とか、「遷延分娩で、特に子宮口全開してからも長時間を要し、どうにかこうにか出産に漕ぎ着けた。」方というのは、元々骨盤底筋群がユルユルですから、そうではなかった方よりも尿漏れし易いし、症状が重い傾向にあるようです。
具体的には、産後半年の間Lサイズの尿取りパッドを当て続けなくてはならないレベルの方もいらっしゃるとか。

ユルユルな状態を放置し続けると、そのうち尿漏れだけではなく、痔や子宮脱を伴う恐れも出て来ます。
次回の妊娠・産後もそうなる可能性は高くなるでしょう。(涙)

しかしラッキーなことに、産後は骨盤底筋群の矯正を始めるにはいい時期でもあるのです。
ですから決して諦めず、骨盤底筋群を鍛えるケーゲル体操(←昔はキーゲル体操と発音していたような・・・)を行い、トコちゃんベルト®を正しい位置に適切に締めて、行きつけの整体師さんがいらっしゃればそこにも相談や施術を受けに出向かれ、どうにかして一日も早く回復する努力を惜しまないでください。
直るのに日数のかかる方はいらっしゃいますが、だからと言って、何の対策も講じず、「そのうち何とかなるでしょ?」的な放置行為は、根本的な解決にはならないので止めましょうね!
特に、1ヶ月健診を過ぎても尿漏れの改善に兆しが見えてこない場合は、ホントにヤバいですから、併せて泌尿器科受診をお勧めします。

いわゆる陥没乳頭のお手入れについて。

乳頭のお手入れで、特に頑張ってほしい方は、いわゆる陥没乳頭の方です。
一般的に凹んでいるのが陥没乳頭だと思っていらっしゃる方が大半なのでしょうが、広義には、裂状乳頭・ウオノメ状乳頭とか中央陥没乳頭と呼ばれる乳頭も含まれます。
そういった乳頭の持ち主さんは、皮膚と皮膚がくっついた、内側の部分がとにかく強度的に弱いので、鍛えてもらわなくてはなりません。
そうでないと、「吸われ負けして、痛くて直母が出来ません!」なぁ~んてことになりかねないのですね。
痛ければ一時的に搾乳で凌ぐという方法もありますが、直母が出来るお母さんで、搾母がラクという方はあまりいらっしゃいません。
面倒くさいと感じる方が大半です。

だったら、「一時的に乳頭保護器をしようするのはどうか?」というプランもあるのでしょうが、ソフトタイプを使うと、余計に痛い部分を巻き込んでしまいますから、使用自体がNGですし、P社のハードタイプは明らかに従来バーションよりも改悪されています。
しかも、下手をするとハードタイプを使用したら、却って量的に充分に哺乳できないこともありますので、あまり使いたくないのが正直な気持ちです。

陥没乳頭であっても、お手入れ次第で乳頭はよく伸び、やわらかくなり、傷がつきにくくなります。

妊娠中から乳頭を鍛えるには、いい方法があります。
ソフトタイプの歯ブラシをペン持ちにして、凹んでいる部分を含む乳頭頂を擦るのです。
1度につき、左右とも各100回は擦ってください。
24週から1日に1~2回/日は行ってください。

おなかの張りを全く気にしなくていい37週以降の妊婦さんは、青天井で鍛えましょう!

FGRでも妊娠中のおっぱいケアをすべきですか?(35週)

<ご相談内容>
私はFGR(子宮内胎児発育遅延)ということで、入院加療中の35週になる妊婦です。
しかも切迫早産のため、SOLANINさんお勧めの24週からのおっぱいケアはなにもできていません。(涙)
幸い、今のところモニター上、おなかの赤ちゃんは元気です。

主治医は、「できるだけ妊娠期間を延ばせれば、少しでも赤ちゃんが育ってくれるだろうから。」ということで、「切迫なんだし、おっぱいケアでおなかが張ったら大変だから何もしないで。」と言われています。
現在の赤ちゃんの推定体重は1800g台です。

もちろん、私は赤ちゃんが生まれてきたらおっぱいをあげたいんです。
でも、このままでは先行き暗いですよね。
こういう場合、どうしたらいいですか?

<SOLANINの回答>
FGRで切迫早産で入院中なのですね。
おなかの赤ちゃんを1gでも大きくしてあげたいという主治医の考え方は理解できますし、妊娠中のお手入れがゼロではおっぱいはどうなるのか?という相談者さんの不安も分かります。

じゃあ、どうすればいいのか?

これは一般的なことですが、低出生体重児や早産児で、生れて間もなくからガツガツ&ハフハフしてお母さんのおっぱいに喰らいつく赤ちゃんは殆どいません。
(もちろん、何事にもレアケースというか例外はあるのでしょうが、あくまで一般的に・・・です。)
ほぼ全員、お母さんの乳首を咥えてふぅ~っとなったり、直ぐに眠ってしまいがちです。

仮の話ですが、入院加療の甲斐及ばず低出生体重児や早産児として生まれたら、出生間もなくから直母のみで哺乳量を賄うということは、期待出来ないということです。
過去記事にもご紹介させていただいたY医院のように、まずは定期的に1日に8回以上のペースで搾乳して分泌の維持を図りながら直母へ転換していくことになるでしょう。

となれば、直母の際に吸われ負けしないための乳頭・乳輪の鍛錬は優先順位が低いからこの際、カットしちゃいましょう。
あっ、でもいざ吸いつく時に、少しでも乳頭・乳輪が柔らかくなるようにバーユを塗布してパックすることだけは毎日忘れないでね。

経産婦さんで上の子さんの時におっぱいが分泌過多だった方はNGですが、そうではなかった経産婦さんと初産婦さんは、乳房基底部を揺らす体操をしましょう。
これは、おっぱいの生産量をある程度増やし、搾乳をし易くするための作戦です。

※おなかの張り止めの点滴中で寝たきり妊婦さんであっても、オイルパックと乳房揺らしは、おなかの張りには影響しないので、行っても差支えないと思います。

あとは、乳管開通だけはしておきましょう。
いざおっぱいが生産されて出口が無いと、乳房がパンパンになっちゃいますからね。
ただ、長時間触るべきではないです。
痛いけど一瞬で済むから、乳頭吸引器で、「えいやぁ!」とやってもいいかもしれません。
もちろん、万全を期して、おなかの張りにくい時間帯を選んでね。

2013年9月10日 (火)

P社の乳頭吸引器は超痛い!しかし良いこともある!

P社(もちろん、読者のみなさんはどちらの会社なのかはご存知でしょうが・・・)の乳頭吸引器、使われたことのある方、いらっしゃいますか?
職業柄、私は持っています。(当り前か)
職場で妊婦さんにデモンストレーションする用と、自宅用。(ふ~ん)
自宅用は、自分で試す用です。(当たり前か)
吸引圧力を時々体感するためにです。(えっ?)

私は陥没乳頭ではありませんが、何回使っても超痛いと感じます。
乳輪から搾りとられるようなあの痛さは、ハンパではない痛さです。
痛みのあまり、陥没乳頭の妊婦さんがお手入れを挫折しそうな痛さです。
指先で圧迫していたゴム球をゆっくりジンワリ膨らませても痛いし、一気に膨らませたら更に悶絶しそうな痛さでした。
もちろん職場で妊婦さんに使用してもらっても、「うわっ、痛い!何なんですか、これ?」と、抗議のまなざしで、お叱りを受けることも毎度のこと。
「商品改善の余地ありだわ。」と、毒づいていました。

それでも、P社の乳頭吸引器には、良いところもあるのですね。
「何が?」ですって?
それはですね、乳管開通をする時期(個人的には、出来れば30週過ぎ、遅くても35週までには開通して欲しいと考えています。)になったら、とても役立つのです。
基本的に妊婦さんは乳管開口部が閉塞しています。
ですので、出産までにはある程度開通をしなくてはいけないのですが、閉塞状況がヘビーな方ほど乳頭は硬く、お手入れがヤワヤワモードになりがちで、効果的なお手入れにならないことが多いのですね。

なんて言うのかなぁ。
K社の毛穴スッキリパックでしたっけ?
P社の乳頭吸引器は、あの要領で、閉塞している乳管開口部を一気に開通することが出来るのです。
そりゃあ、痛いですよ。
もちろん個人差があるから、繰り返してやらなくてはならないことだってあるし、20週代では、数回しても滲みさえしない可能性があるから、早まる必要はありませんよ。
でも、妊娠中の乳管開通のお手入れをしようにも時間的余裕が無い場合、「えいやぁ!」的な荒療治ですが、効果的なのです。
乳管開口部は1回開くと、お手入れの際の痛みがかなりラクになります。

該当者の方、思い切ってやってみませんか?

モントゴメリー腺のはたらきとは?

乳輪の中に小さく隆起した突起物が出来て、脂っぽい汁のような分泌物が出てくることがあるかと思います。
これは、モントゴメリー腺といって、乳頭・乳輪を保護する物質を分泌するはたらきを持ちます。

非妊娠時はもとより、妊娠中、母乳育児が始まっても、乳頭・乳輪を保護してくれるわけです。
病産院によっては未だに直母の前に清浄綿で、乳頭・乳輪の汚れ(?)を拭き取る「儀式」を行うトコロもあるようですが、それは全く不要ですし、それどころか、皮膚の保護成分を拭き取ることで、折角頑張って妊娠中からケアをしていても、その効果が台無しになり、乳頭損傷が重症化するリスクや、分泌される物質の匂いを辿って、乳首を探そうとする赤ちゃんの行動をマスキングすることになり、赤ちゃんを困惑させることになります。
母乳育児中の赤ちゃんで清浄綿の匂いや拭き取りを好む赤ちゃんはまず居られませんので止めましょうね。
どうしてもカスのような固形物が付着して汚れが気になる場合でも、清浄綿で拭き取るのではなく、お湯で絞ったガーゼやタオルで拭き取ればOKです。
固形物が付着して何日も経ち、付着度合いが強固であれば、オイルパックしてふやかして取り除きましょう。

あなたの乳輪硬くないですか?

SOLANINは、業務上、一人一人の妊婦さんのおっぱいチェックをすることはありません。
直接授乳が困難と予想される妊婦さんは、外来の看護師さんか助産師(現在は外来から要請があった日のみ応援で勤務している)がピックアップして妊娠中のケアの個別指導をしておりますが。
陥没乳頭や扁平乳頭の妊婦さんは、妊娠中に「真剣」に乳頭・乳輪ケアしてもらえれば、余程赤ちゃんが下手っぴちゃんでもない限り、どうにかこうにか直母が出来るようになられます。
でも、イマイチ「意欲に欠ける」乳頭・乳輪ケアしかしておられないと、産後の授乳が悲惨です。
特に乳輪の奥が硬く(=鼻の硬さ)てほぐれにくいと、いつまで経っても赤ちゃんのラッチオンすらまともに出来ません。
これは体験的な話として聞いていただきたいのですが、乳輪の奥が硬い方で冷え症ではない方を探すのが難しいです。
そして、乳輪の奥が硬くてどうにもならない方ほど、どういうわけか、おっぱいのことを安易に考える傾向が強いです。
何の根拠もなく「何とかなるやろ。」と。
そのくせ人一倍完母志向が強い。
結果、ちっとも何とかならなくて泣く羽目になるのですが。

露出の少ない冷えない服装や、下腹部を温罨法をしたり、温かくするお食事を妊娠中から実践されることをお勧めします。
少しでも柔らかく(=最終的には耳朶くらいの柔らかさ)なるように、オイル(バーユとかホホバとか)を塗布してラップパックすることも良いと思います。
妊娠中の乳頭・乳輪ケア不要論者の方たちは、ラッチオンが出来ないから硬いままなのだという説を提示されるのでしょうが、やはり新生児の吸啜力や哺乳技術に対し、過剰な期待は禁物ではないかと思います。
ですので、赤ちゃんにおっぱいを飲ませてあげる予定のあるお母さんは、「真剣」に乳頭・乳輪ケアをして、硬さを除去してください。

2013年9月 9日 (月)

切迫入院中でもこれならできる!おっぱいお手入れ・その1

母乳育児をしたいと希望しているのに、切迫早産で入院中で、ベッド上安静で、しかも、おなかの張り止めの点滴中だと、何にも出来ない・・・と、思っていませんか?

一般的にはそうでしょうね。
でも、諦めていいんですか?
ホントにどうしようもないのでしょうか?
乳頭・乳輪の刺激はご法度だけど、逆に刺激でなければ、可能であることを意味しているのを見落としていませんか?

超簡単な、乳頭・乳輪を柔らかくする方法があるって、聞いたことがありませんか?
母子ケア研究会の先生方は、しばしば仰っていますが・・・

それはですね。
オイルパックです。
え?それくらい知ってるって?
過去記事等ではお手入れの前に、植物性のオイルをコットンパフに沁み込ませたものでパックしてから・・・と、説明していたかと思います。
乳頭・乳輪のお手入れに、植物性のオイルもいいのですが、バーユを使用すると、乳頭・乳輪の皮膚が柔軟になるそうです。(アロマテラピーをされる方から見れば、動物性のバーユってどうなの?と思われるかもしれません。その場合はもちろん植物性のオイルで良いと思います。但し、経験値的に、動物性のバーユを塗布すること
乳頭・乳輪にバーユをたっぷりと塗布して、乳頭・乳輪がカバーできるくらいの、ラップで保護するだけです。
お風呂の時に一旦オイルを落として、再度塗布&ラップを毎日繰り返すのです。
(あ、ラップは毎日交換してくださいね。)
何週からでも、可能です。
それだけ?
はい、それだけです。(笑)

妊娠中の乳頭・乳輪ケアはしなくていいってホントかな?(SOLANINの考え方)

私は今までの自分の仕事上の経験で、やはり妊娠中の乳頭・乳輪ケアをされてた方は、産後のおっぱいが上手く行くと確信していますね。
順列組み合わせ的に考えてください。

①乳頭形態や乳輪の状態も良くて、乳汁分泌も普通にあり、赤ちゃんの哺乳技術がテクニシャンと言えるレベルなら、助産師は直母確立に関し、何もしなくても見守りだけで大丈夫ですよ。

②乳頭形態や乳輪の状態も良ければ、或いはケアでコンディションが改善していて尚且つ、乳汁分泌が普通にあれば、赤ちゃんの哺乳技術が下手っぴちゃんでも、助産師が適切な授乳介助をして、赤ちゃんが乳頭混乱さえ起こさなければ最終的に飲めるようになることは、誰でも経験していると思います。

③乳頭形態や乳輪の状態に問題があるか、若しくはケアがされておらずコンディションがイマイチでも、乳汁分泌が普通にあり、赤ちゃんがテクニシャンであれば、昨日記事に書いたように、ラクテーションコンサルタントのセンセイ方が仰るようなことはもちろん有り得ると思います。

問題は次です。
④乳頭形態や乳輪の状態に問題があり、ケアがされておらずコンディションがイマイチで、しかも赤ちゃんの哺乳技術が下手っぴちゃんだったら?(乳汁分泌は普通にあるとします。)
直母は残念ですが無理ですから搾乳中心にしましょうね~と、諦めるんですか?

お母さんと赤ちゃんのおっぱいの相性っていうか、そういう面にもっと目を向けないとダメなんぢゃないかなってSOLANINは思うわけです。
赤ちゃんがテクニシャンか下手っぴちゃんかどっちなのか?は、生まれて来なきゃ分かりません。

でもね、お母さんの乳頭形態がどうなのか?ってことは、もしかしたらお母さん自身が分からなくても、診る者が診れば分かるのです。
それは確かなのです。
だから、お母さんがこれから生まれてくる赤ちゃんのために、妊婦さんのうちからもっと自分の乳頭・乳輪に関心を持ち、ケアしていくことはとても大事なことですし、「あなたはこうすればおっぱいが上手く行くのよ。」って教えてもらったら、余程のミルク育児主義者の妊婦さんでなければ・・・ケアするでしょう、普通。
そしたら、「こんな筈ではなかった!」「赤ちゃんが吸い付いてくれない。」とブルーになるお母さんも、助産師泣かせの授乳介助も減るわけですよ。

もちろん、ネガティヴ発言は厳に慎み、「人一倍の努力はしなくちゃいけないけれど、でもきっと出来るよ。大丈夫だよ。」という言葉は添えたいなと思います。
具体的に何をするかは、過去記事にも書いてますからご存知ですよね?
(読んでおられない方は検索してくださいね。)
たとえ陥没乳頭であっても、扁平乳頭であっても、乳輪が狭くても、切迫でも、適切な妊娠中の乳頭・乳輪ケアと産後の授乳介助をしていけば、直母が可能な方は実際におられるわけですから。

母乳育児は本来、楽しくてやりがいのあるものです。
母乳育児がプレッシャーになることは、誰も望んでは居ないですからね。
そして、妊娠中の乳頭・乳輪ケアをしないうちから、「どうせ私は母乳育児なんて出来ない。」と、諦めるものでもないですからね。
おっぱいが上手く行くために、人一倍の努力が必要なお母さんを、妊娠中から支援できる助産師がもっと増えてほしいなと願います。
そして私も、技術研鑽に励み、楽しい気持ちでおっぱいを続けていけるお母さんが増えるように、微力ながらお手伝いできたらと思っています。

2013年9月 8日 (日)

妊娠中の乳頭・乳輪ケアはしなくていいってホントかな?(色々な考え方)

かの有名なO式のセンセイ達は、妊娠中の乳管開通を含む乳頭・乳輪ケアについては、お勧めしておられません。
もしも妊婦さんのうちにO式の母乳育児相談室に出向かれたとして、「お願いします。」と希望されても、「そんなことをしたら、乳頭の柔軟性が無くなって(つまり乳頭が余計に硬くなるから)赤ちゃんが飲み付きにくくなるからしませんよ。」
とか、「どんなに陥没・扁平乳頭であっても、(O式の免許皆伝者のセンセイが)乳頭直下のしこり~基底部に癒着している部分に手技を行うと(奥をあける・・・という表現をされます。)基底部の伸びが良くなるから、乳頭が瞬間的に柔らかく伸びるようになり、赤ちゃんは上手に強い力で飲みつけるようになるから、妊娠中のケアは不要ですよ。」と仰います。(では、不幸にして、O式の先生のケアは受けられないお母さんはどうすればいいの?)

別の立場の方、例えばラクテーションコンサルタントのセンセイ方も「元々の乳頭が陥没や扁平であっても、妊娠中に乳頭が自然に突出して来て、赤ちゃんが生まれる頃には赤ちゃんが吸啜出来るようになることがあります。」とか、
「もし突出して来なかったとしても、だからおっぱいが上手く行かないという理由になりません。お母さんが自分の乳頭に自信が持てず、母乳育児に対しネガティヴな考え方になってしまうから、赤ちゃんが生まれるまで乳頭形態については触れないのがベストだと考えます。」ってなことが、見解(?)としてご著書に書いてありました。
(そうですか?根拠のない自信と余裕を持って花畑妊婦してらした方が産後おっぱいで躓いて、ブルーになられて大変なことがしばしばありますけどね。口を揃えてこんなことなら先に教えてほしかった・・・って仰ってますよ。)

最近流行のT式はどうなんでしょう?
「仮性陥没の方は10ヶ月に入ってから乳頭のマッサージを行い、伸びてくるなら大丈夫だし、伸びて来ないようであれば、乳頭吸引器を使い、痛くない程度に引っ張って突出をさせ、乳頭が指で摘まめるようになれば、指を使ってマッサージをしましょう。」と仰います。(乳頭吸引器自体が妊娠していない時に使用しても、かなり痛いものなのですが・・・痛くない程度の吸引圧でも、効果があるのでしょうかねぇ?)

BSケアっていうのもありますよね?
調べてみましたら、「妊婦さんは自分はおっぱいで育てるんだという心構えが大事で、直接的なケアは乳頭への刺激を避けるために勧めていません。」とのことです。
(ふ~ん。そうなんですかぁ?)

故山西みな子先生の流れをくむ、母子ケア研究会では「妊娠中からの乳製品・砂糖・油脂・果物等の摂りすぎに注意することやカラダを冷やさないこと、良く噛んで食べること、体重を増やし過ぎないことが大事です。」と、強調しておられます。
また、妊娠中の乳房サッサージについては言及されていますが、乳頭・乳輪ケアについての指導はあまり詳しくは触れられていないようです。
陥没や扁平乳頭で1人目の時苦労された方であっても産後手技を受けることが出来る方は妊娠中の乳頭・乳輪ケアは不要です。乳輪の指圧が出来ればやってみましょう。」的なアドバイスをされます。「ブレストシールドも効果は人それぞれですよ。」と過剰な効果を期待しないように釘を刺しておられます。
(まぁ、確かにそうかもしれませんが・・・)

いまでは老舗になった感があり、一時の流行は収まったかのようなS●C式やその流れをくむセンセイ達は「乳頭マッサージをしておけば、乳頭の進展性の改善が著しいですよ。効果的だからしていきましょう。」「陥没乳頭であっても、お手入れ次第でかなりの改善が見られると仰っています。

偉いセンセイ方の仰ることの数々をかいつまんで挙げてみました。
しかし、どれがホントなのかな~?って思っちゃいますよね?
※(  )はSOLANINの呟きです。
明日はSOLANINの考え方について述べたいと思います。

切迫早産でおっぱいケアが出来ない方必読!

<ご連絡いただいたこと>
切迫早産で入院のため、おっぱいのケアは全くできていませんでした。
生まれてからはとってもよく寝るお姫様で、カンガルーケアの間は胸の上で涎をタラタラしながら熟睡。
3時間後の初めての授乳でも、起きる気配はなく、お乳をくわえさせても吸い付くことなくスヤスヤ。
母子同室だったのですが、夜明けから、お昼近くまで6時間近く泣きもせずに眠りつづけた筋金入りの眠り姫ちゃんでした。
まわりの赤ちゃんは2時間くらいで泣いて授乳しているのに、「うちの子はよく眠るわ~。良い子ちゃんなのかな?」と思っていたら、授乳記録を見た看護師さんが驚いて、「3時間あけちゃだめ!起こしてでも飲ませて!」と指導が入りました
その後、妊娠中全くケアできなかった固い乳首のマッサージやおっぱいをあげるときの抱き方を指導されながらの授乳が続きました。

しかし、乳首が固いためかうまく吸えず、泣き疲れて眠ってしまうことが続き、黄疸の治療が必要になりました。
結果、起きるどころかますます長く眠るようになってしまいました。
授乳の合間は、乳首のマッサージを教わったようにしていましたが、びっくりするくらい痛くて、痛みの割に出ないいおっぱいと、上手く吸い付けず泣きつづける我が子を見て、産んだらおっぱいなんて誰でも出来ることという考えは吹っ飛びました。
プラス舌が上がっているため乳首が舌の上に乗らず、上手く吸いつけないことが判り、ミルクと搾乳の補足が始まりました。
直母20分→ミルク又は搾乳を哺乳瓶かスプーンであげる・・・というサイクルを、3時間毎に繰り返し、時間が空いているときには寝るかマッサージをかねて搾乳。
両胸に搾乳の指の跡が痣になるくらいつきました。
こんなに痛い思いをするのに、おっぱいからは飲んでくれない。
なのに、哺乳瓶やスプーンからはゴクゴク飲んでくしまう我が子を見て、おっぱいもうやめたい!と、寝不足と母乳をあげなきゃというプレッシャーでマイナス思考になってしまいました。
そう思ってしまった自分に更に落ち込み、切迫早産の兆候にも気がつかず、おっぱいも上手く飲ませてあげられない、なんてダメなお母さんなんだろう…と、脱水でシワが増えた我が子の小さな手足を見て泣いてしまう日が続きました。
その後、看護師さんや同室のママのフォローもあり、自分ができることをしていこう!とプラスに思えるようになり、携帯で母乳について調べるうちに、『最強母乳外来』に辿り着きました。
少し長引いて10日間入院しましたが、退院後は、O式マッサージとブログの情報で、退院時には「2~3ヶ月は哺乳瓶併用で頑張っていこう!」と看護師さんに言われていたのに、1ヶ月検診前に完母になりました!
(頑張った我が子が一番のお手柄ですが!。)

その後は一転、出過ぎて張るおっぱいの管理にブログ情報を活用させてもらっています。
食欲より睡眠欲の眠り姫ちゃんはいまだ健在ですが、直母が軌道にのってからの成長は加速度的で、3ヶ月と2週間で7kgを超えるトコトコちゃんです。
1ヶ月検診の時には、眠り姫っぷりをを知っている看護師さんが、60g/日の体重増加にびっくりしていました。
おっぱいは、調子が良くて5分1クール。
一日8~10回のペースです。
なるべく両方を飲ませるようにすると、3分1クールということも多いですが、体重の増え方やおしっこの量があるため、これがこの子のペースなのかな?と思っています。

<SOLANINのお返事>
切迫早産入院中の妊婦さんは兎に角無事で37週0日を迎えたい&赤ちゃんが2500g以上になってほしいと祈る日々かと思います。
安産を目指し、マタニティークラスを受講されても、おっぱいについては知識ゼロというのが有りがちな現実です。

固い乳首はそれだけで、吸いつくのに難易度が高いです。
おまけに赤ちゃんの吸いつき方が下手っぴちゃんだったら&眠り姫ちゃんだったら、普通の病産院ならば「はい。完ミにしましょう!」でチョンですわね。
母乳育児支援を頑張る病産院であっても、搾乳介助して、乳房に青タンを拵えてしまうことも確かです。
マイナス思考に陥ってしまい、楽しいなんて思えなかったことでしょう。

そこから這い上がるのは並大抵ではなかったと思います。
よくぞ克服されました。
良かったです。

切迫早産33週、今出来るおっぱいのお手入れは?

<ご相談内容>
現在33週に入りました。
私の乳首は自分なりに調べたら扁平と分かったので、以前から1日1回乳頭マッサージと、吸引器でお手入れしていました。
しかし、29週の頃、頸管長が短縮し、張り止め内服、自宅安静の指示があり、お手入れは休止となりました。
完母で行きたいのに、このままでは不安です。
おなかの張りでお手入れ休止状態のまま、臨月に入ってからのお手入れで間に合うのでしょうか?
何か今からでも母乳育児成功のため、準備しておくことがあれば教えてくださいませんか?
(乳頭の)日光浴は天気が良く、おなかの張りが軽い日にやっています。
生まれたら吸って吸って吸いまくってもらうつもりです。

<SOLANINの回答>
そうですね。
今から出来ることは…
乳房のマッサージだったら大丈夫です。
乳房の付け根(基底部)を左右の乳房それぞれ片手で下縁からリフトアップします。鎖骨が揺れるくらいしっかり動かします。
それと右乳房は右下から両手で斜め上に、左乳房は左下から両手で斜め上に揺らすのを10回ずつ動かすのを、1日1~2回行ってください。
(やり過ぎると、産後過分泌になるから、ボチボチにしておきましょう。)

局部のお手入れとしては、乳頭・乳輪をオイルパックして、乳カスを取り除きましょう。
これは乳カスが見えてきたらしてください。

おなかの張りにも、おっぱいのためにも、カラダの冷えはよくないので、起きている間はいつも靴下を履いてください。
アイスとかカラダを冷やすような飲みモノは避けてくださいね。
妊娠中からたんぽぽ珈琲飲むのも良いと思います。(もちろんホットで。)
それから…体重管理はOKですか?
増え過ぎも増え無さ過ぎも良くありません。
意外な盲点でしょうが、ココロも冷えもよくないです。
旦那さんや両家のご両親と喧嘩していませんか?
仲良くやってますか?
みんなで赤ちゃんを心待ちにしていますか?

もうひとつ大事なことが…
おなかの赤ちゃんにお話ししてますか?
おなか(子宮)に手を当てて意識して語りかけてください。
赤ちゃんはお母さんの手のひらの3cm下に居られます。
おっぱいを吸うときは大きなお口を開けること。
ビックマックを食べる位「今お母さんがお口を開けたくらいね。」と実際にやってみてください。
おちょぼ口では量は飲めず、お母さんの乳首が痛くなるから止めてねということ。
舌は下顎よりも前に出して、乳輪から巻きつけること。
咥えたら安心して眠たくなるけど、そこは頑張って、リズミカルに吸い続けること。
…などなど、赤ちゃんの耳にタコが出来る位、毎日何度も呪文のように繰り返してください。
赤ちゃんも初心者なんです。
イメージトレーニングは大事なんですよ。

赤ちゃんが週数相当に育ち、頸管長もあまり変化が無いなら、百歩譲って36週に入れば、AM11時~PM1時までの一番おなかの張りにくい時間帯にお手入れを復活させてください。
どうしてもおなかの張りが気になるなら、ゴロリと寝転びながらやってください。
もちろん、お手入れする時は、いつも赤ちゃんに「始めるよ~。」と声掛けしてからね。

あとは…37週に入れば怖いもんナシです。
それまで出来なかった分を挽回するのです。
短期強化練習のつもりで、1日10回くらいのペースで、乳頭・乳輪のマッサージをしてください。

毎回ホホバやスウィートアーモンドなどの植物性マッサージ用オイルでオイルパックしてから行ってくださいね。
お手入れをしていない乳頭・乳輪は鼻先くらいのの硬さです。

でも、頑張ってお手入れをすれば、耳たぶの柔らかさになってきます。
やれるだけのことをしたら、自分を信じて赤ちゃんを信じていくだけですよ。

2013年9月 7日 (土)

肺炎球菌ワクチンの話。

ご存じの方も多いと思いますが、2013年度から肺炎球菌ワクチン(商品名:プレベナー®)の接種は、それまで公費負担の任意接種だった扱いが、定期接種に格上げ(?)されました。
プレベナー®は、生後2ヶ月から接種可能で、生後6ヶ月迄に3回接種することが推奨されています。

現在のプレベナー®は7価(血清型4・6B・9V・14・18C・19F・23F)ですが、今秋からバージョンアップしたプレベナー13®が発売されるらしいです。
このワクチンを製造している会社が、7月下旬に承認申請を行ったそうです。
プラスされるのは、血清型
1・3・5・6A・7F・19Aの6価で、全部で13価に増えるということです。
特筆すべきは、世界的に増加傾向が認められ、薬剤耐性菌の比率が高い血清型19Aが入っていることです。

厚生労働省の神谷研究班によれば、子どもの侵襲性感染由来肺炎球菌に対する、プレベナー®のカバー率は従来の7価のモノは、77.8%であるのに対し、プレベナー13®のカバー率は、89.3%に上昇するそうです。

読者のみなさんのお子さんの中には、「えっ!ウチの子は、プレベナー®の接種はもう3回済ませているわよ!追加接種はどうするの?」という方がいらっしゃるかと思います。
そういう場合は、追加接種時点で、お子さんが18ヶ月以内であれば、プレベナー13®を接種しても差し支えないそうです。
プレベナー®の接種は4回とも終了している場合で、プレベナー13®の補助追加をあするとしたら、任意接種とするべきなのだそうです。

妊娠中のおっぱいケアは必要ですよ!

<ご連絡いただいたこと>
現在6ヶ月8日、そろそろ離乳食を開始しようと思いながら、未だにおっぱいの押し売りを実施してます(^^;)
産科入院中から、ゴリゴリのおっぱい・・・やっとフワフワに近づいたものの、妊娠してからの勉強不足と手入れ不足に加えて、乳腺が細いようでトラブルが頻発し、しこりが残ってます。

エコー検査を受けましたが、膿胞かな?年1回は検査を受けた方がいいね、と言われました。息子には勉強不足で申し訳ないことをしてしまいました(>_<)
食事に気をつけてもトラブルがあり、どうもトラブルを起こしやすい乳質のようです。乳腺炎になってから、必死で検索しSOLANINさんのブログに辿り着きました。
妊娠中に知りたいブログでしたが、こうして辿り着けて良かったです。
タメになる記事ばかりで、ホントにありがとうございますo(_ _*)o

記事で牛蒡子(=ごぼうし)が良いとあったので、ネット(楽天)で購入しました。
息子が上手に飲んでくれる様になり、トラブルがなくなった最近は飲んでいませんが、トラブルが頻発していた時は毎日煎じて飲んでいました。
1月10日に出産、バレンタインデーに発熱があり、それ以降トラブル続きでした。4月下旬に引っ越し、落ち着いたらトラブルの回数は減りました。
主人の住む街に引っ越した為、産婦人科を探して受診しましたが、医師から「おっぱいを止めることもひとつの方法ですよ。」と言われ、エコー検査を受けるように言われました。

詰まって受診する際も、病院に行く前に息子が頑張って吸ってくれて治まったのに、助産師さんには、「何もなってない。」と言われました。
医師には、「まだ3ヶ月だからおっぱいあげたいよね~。」と言われたのがショックでした。それで、病院が嫌になり、助産院を探しておっぱいマッサージをしていただきました。助産院では、初めて診てもらった日に3日分の千金内托散を頂きました。
千金内托散がいくらかはわかりませんが、大抵の漢方薬は高いのでその後自分では購入しませんでした。
おちょぼ口でおっぱいの時にチュッチュッっと音がする飲み方でしたが、記事を参考に語りかけをし、飲み方が上達しました。
ホントにありがとうございました☆

<SOLANINのコメント>
出産してみないと、どんなおっぱいなのか、赤ちゃんがどんな飲み方をするのか、未知数です。
ゴリゴリしやすくてトラブルの起きやすいおっぱいよりも、フワフワでトラブルの起きにくいおっぱいの方が良いに決まってますよね?
語りかけの重要性についても知らなかったら・・・今は無いと思います。
妊娠中はとかく、出産がゴールになりがちだけど、出産を育児のスタートだと発想を切り替えられたら、妊娠中のお手入れの重要性についても気づきがあると思います。「これは赤ちゃんのご飯作るための準備なんだ。」ってね。
ここに辿り着けて良かったですね。

陥没側の乳首から飲めない。(新生児)

<ご相談内容>
6月16日に3408gの男の子を出産し、今日で生後9日です。
完全母乳育児目指してますが、片方のおっぱいが陥没で赤ちゃんがなかなかうまく吸えません。
入院中助産師さんがあの手この手で指導してくれたんですが、全くダメでした。
でも諦められず、退院後も保護器を付けて頑張ってるんです。
(もう少し大きくなれば吸えるかなと期待して…)が、やっぱり吸っても思うように出てこないのか、5分ほどしかもちません。
なので、反対側を15分あげて、足りなさそうな時は搾乳したものをあげる・・・の繰り返しです。
入院中にはあんなに張っていたおっぱいが、搾乳のせいか、今はほとんど張らなくなってしまい、搾乳量もあまり増えません。
いつか母乳が出なくなるのでは?と不安です。
今日の検診で体重は50g/日増えてると言われたんですが、これで大丈夫なんだろうかと心配です。

<SOLANINの回答>
極論ですが、お母さんが陥没乳首であっても、お母さんの生命の危険は全く無いし、日常生活に支障をきたすことはありません。
でも、こと母乳育児に於いては、正直言って最上級クラスの難敵です。
これは一般論ですが、妊娠中、陥没乳首のお手入れをまともにしない状態で、出産後、新生児に吸いつけ!と言っても多分無理です。
真剣に胎教を通してお願いして、かつ赤ちゃんが吸啜テクニックがテクニシャンであれば可能ですが。(汗)

なので、妊婦さん、特に陥没乳首の方で24週以降で切迫早産等の兆候がなければ、是非とも念入りにお手入れされ、「このやり方でいいのか?」をおっぱい方面に明るい助産師に定期的に確認してもらうくらいで丁度です。

だったら陥没乳首で直母は無理なのか?
そうは申しません。
でも、他人の何倍も大変ですし、赤ちゃんも大変です。
では、どうしたらいいのか?
赤ちゃんの体重や吸啜テクニックや(舌小帯短縮症であるため下手っぴちゃんであるとか・・・)開口度や乳房乳頭の柔軟性にもよりますが、乳頭保護器を使用しなければならないなら、それを続けるのは、新生児の今は仕方ないかもしれません。
問題なのは分泌の維持ですが、直接吸啜出来る方に比べたら、乳頭刺激が弱くなります。
なので、搾乳は必須です。
それも、張ってたら搾るとか、気まぐれに搾ったり搾らなかったりではなく、授乳前毎回5分間でもいいから搾乳することが分泌維持のポイントです。
乳頭保護器一本でするならば、乳房が張ってた方が直ぐに分泌してくれますから、赤ちゃんも嫌がらずに吸ってくれるので、搾らないほうが良いように思えますが、体重増加度が50g/日もあるのなら、急激に成長しておられるので、吸啜力はグイグイついて来る筈です。
ということは、乳頭保護器が外せる日が近いかもしれないということです。
その場合、赤ちゃんは乳輪の外周よりも大きくお口を開ける必要がありますから、却って乳房がパンパンに張っているとか、乳輪が硬いというのは吸啜する際に滑るばかりですから、大変難儀なことなんですね。

百歩譲って乳房の張りはともかく、乳輪の硬さ・ゴリゴリ感は致命的ですらあります。
なので、直母を目指すならば、ここを乳輪外周より1cmは外までほぐして柔らかくする必要があるのです。
乳輪からかぶりつくというか、おっぱいを吸うのではなくおっぱいを食べるんですね。
もちろん立て抱きは必須ですよ。
ギャン泣きしてる時は出来なくても当然だし、搾乳を多目にして補足する際も、「母〇相〇室®」以外のゴム乳首は下手っぴを助長するから止めてね。

で、直母の際は3分間が乳頭頂の皮膚強度の限界ですから、それ以上連続では吸わせないことが乳頭亀裂の予防です。

分泌の差については直母出来る方と、搾乳&保護器の方とではダブルスコアくらいは想定内だと解釈してください。
一人で立ち向かうには大変なことなので、信頼できそうな母乳外来を受診されるか、地域の助産師で母乳育児のエキスパート的な方を紹介してもらって、助けてもらっては如何でしょうか?
(この場合のエキスパートの定義は乳房マッサージが上手というのではなく、授乳介助が上手という意味です。両方上手な方も居られますが片方だけ得意な方も居られるし、分娩介助は神業級だけどおっぱい関係はからっきしとか・・・助産師にも色々なタイプがありますからね。)

2013年9月 6日 (金)

乳首周りの体毛について。

妊娠に関わりなく、乳首周り(乳輪やその外周)に体毛が生えている方がおられます。
かなりしっかりした毛質で、脇の下の体毛のような硬さの毛が生えている方もおられます。
出産後直母の際、体毛が邪魔にならないかと心配かもしれませんが、意外と大丈夫です。
乳輪の皮膚は柔らかくデリケートなので、除毛フォームを使用するわけにはいかないし、毛抜きで抜いても剃毛しても、よほど清潔にしないと、後から毛のう炎を起こす恐れがあります。
硬い毛質であっても、アラブ系男性の鼻下の髭のように、びっしり生えているわけではないと思いますので、安心してください。

妊娠中の乳頭。乳輪ケアが出来ないお母さん。

例えば切迫早産で入院中(頻繁な腹緊のため持続的点滴による治療中とか・・・)であれば、乳頭・乳輪ケアをすることを躊躇われるかとは思います。
頸管長が短縮していたり、子宮口が柔らかくなっていたら、何とか1日でも長く妊娠を継続させるためドクターから乳頭・乳輪ケアはお休みするように指導されるかもしれません。

今回お話しするのはそうではなく、これは・・・どうなんでしょうか・・・まぁ、なんというか、乳頭・乳輪に触ったら(たとえそれが“別件”で旦那さんが触ったとしても)、或いは乳頭がブラジャーの内側で擦れただけなのに、気持ち悪くなる、吐きそうになる、悪寒が走る、悲しくて涙が出そうになる、急に気分が落ち込む・・・などの、強い気分不快症状を訴える方がいらっしゃるということです。
強い気分不快症状があるために、「乳頭・乳輪ケアをしよう。」と思っても出来ないのです。(腹緊などの切迫症状は伴わないのです。)
私も詳しいことは分かりませんが、どうもホルモンの影響で出てくる心身の症状のようです。
出現率としては少ないものなので、周りから理解されにくいし、助産師でも知らない方がおられるかと思われます。

産後までこのような症状が続くと、母乳育児すること自体が困難になってきます。
赤ちゃんは可愛いけど、おっぱいを含ませることが無理で、おっぱいの分泌自体は良好なのに、結局直ぐに完ミになるお母さんの相当数がこのホルモンの影響ではないか?と最近の私は推測しております。
何しろ、相手がホルモンですから私もどうにもならなくて・・・
気分不快症状だけなら、アロマテラピーをお勧めしています。

一昨年出産のお母さんで、どうにか意思のチカラで、1歳3カ月の今も完母で頑張っておられる方を知ってはいますが、彼女のように強靭な精神力が無ければ、難しいのだろうなとも思います。

ペチャパイは定期的に乳房マッサージしないとおっぱいが出ない?

答えを書きます。
産後、「定期的な乳房マッサージを受けないとおっぱいが出ない。」なんて、全くそのようなエビデンスはございません。
ペチャパイだろうが、ナンだろうがおっぱいは出ます。

それより大問題なのは、ペチャ乳頭(=扁平乳頭)です。
妊娠中からしっかりめに乳頭・乳輪マッサージして柔らかく伸びやかにしてください。
出来れば妊娠前から『ピペトップ』などで、乳頭の持続的吸引をしておくのが望ましいです。
陥没乳頭でなくても、扁平乳頭でも効果があります。
確かに高価(4個入り6300円)ではありますが、先行投資としては安いと思います。
手術でもないので、麻酔やお薬の心配はゼロですからね。
手術しても重症の陥没乳頭の方は30%近く再発してしまうそうです。
『ピペトップ』はその心配ナシですからね。

2013年9月 5日 (木)

楔状硬結(くさびじょうこうけつ)とは?

楔状硬結(くさびじょうこうけつ)って、何なのでしょう?
恐らくですが、助産師の中でも、乳房ケアには疎い方はご存じないかもしれませんね。

文字通り、楔状というのは、物と物の継ぎ目にV字型に打ち込んで止めたような状態を指します。
平たく言えば、ガチっと深く、あたかも根っこ(←この場合、乳房基底部)に喰い込むように動かない様子ということです。

うっ滞性乳腺炎では、硬結は出来ても、楔状であることはまず有りません。
では、楔状とはどういう状態かと申しますと、感染性乳腺炎の場合に触知されるものです。
撫でるような触り方であったとしても、尋常じゃないレベルで痛がられますし、高熱と患部の発赤が認められます。
その部位からは乳管開口部が閉塞しているわけでもないのに、全くと言っていいくらい排乳が出来ません。

こんな言い方をするのはナンですが、こういう場合、どんなに高い技術を持っていようとも、乳房マッサージだけでどうにかなるものではないと思います。

患者さんの苦痛軽減と一日も早い回復のために早く見切り(?)をつけて、産婦人科ドクターに抗菌薬の処方をお願いするのがスジだと思われます。

妊娠中の乳頭・乳輪ケアは何としてでも行ってくださいね!

SOLANINとしましては、妊娠中の乳頭・乳輪のケアは必要だともいます。
WHO/ユニセフもラクテーションコンサルタントもラレーチェリーグもO式も妊娠中の乳頭・乳輪のケアについては“ノーコメント”だったり「必要ない。」と断言しておられますが、現場で毎日仕事している者といたしましては、フランチャイズの学習塾K式のCMではないけど「やってて良かった、妊娠中の乳頭・乳輪ケア♪」だと実感しています。

いつから始めるのがいいか?という看護研究もあまたありますが、妊娠24週位から始めてもらった方がいいですね。
1日に2回は行ってくださいね。
(妊娠16週位から始めてもらうのと効果は同等という先行研究がありますので、それならゆっくりスタートでもいいかなということです。)
切迫早産の方は妊娠37週に入れば短期強化練習のつもりで、最低1日に8回以上、理想を言わせてもらえれば、時間を問わずに授乳するかのように頻回に、これまでの出来なかった分を挽回するつもりでケアしてくださいね。
(それくらい頑張ってケアを行えば、24週から1日2回のペースでケアを行っていた妊婦さんにどうにか追いつけますから。)

乳頭・乳輪のケアの目的・メリットは三つあります。

第一としては、乳頭・乳輪が柔らかくなり、伸展性が増し、赤ちゃんが吸い付きやすくかつ乳頭損傷が劇化しにくいからです。
劇化というのは乳頭損傷には「発赤」「水疱」「血疱」「亀裂・出血」(治癒過程として「痂皮形成」という段階もある。)などの諸段階がありますが、後者の方ほど痛みが強いのですね。

第二としては、乳管が開通することで産後の乳房うっ積が軽くなります。
うっ滞もしにくいです。
つまり産後の乳房の「張るわ」「痛いわ」「そのくせあまり量にならないわ」という三重苦になりにくいし、なっても早く離脱出来ます。

第三としては、『私は私のおっぱいで私の赤ちゃんを育てるんだ。』という決意・熱意が自然に日々高まって来ることです。
~産後のこま切れ睡眠でも対応できるカラダ(お母さんモードとでもいいましょうか)に変貌するのはホルモンのなせるワザですが、これは赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことで、そうなっていきます。~
その前段階・下地作りという意味です。

前にも記事で書きましたが出産準備は赤ちゃん用品を買い揃えたり、呼吸法の練習をするだけでは不完全なんです。
妊娠のフィナーレが出産なのではなく、出産の先にある母乳・育児を見据えることが赤ちゃんのお母さんになる方には必要なんですね。
ここを忘れないでほしいのです。

カラダの準備とココロの準備が必要なんですね。

妊娠中に乳管の詰まりだけは取り除いておきましょう!

助産師でなくても産後のお母さんでしたら「そりゃそうだ。」なことですね。
妊娠中は出産がゴールに思えておっぱいに無関心な妊婦さんもおられます。
「ミルクだっていいじゃない?」と安易に考えておられる方に出会うたびに、母乳育児支援をライフワークにしている者としては悲しくなります。
ただ単に赤ちゃんのおなかを満たしてあげるのでしたら、ミルクでもいいのでしょう。
ミルクにすれば、おばあちゃんに預けて心おきなく遊びに行けるかもしれません。
でも、赤ちゃんのお母さんになろうとしている人がそんなスタンス(=何があっても自分優先)でいいのでしょうか?

生後間もないころから、詰まりっぱなしのおっぱいを吸わされる赤ちゃん。
おっぱいのカスが取り除けていないから、赤ちゃんはカスの吸い出し業務に従事しなくてはなりません。
妊婦さんがおっぱいのケアに無関心ですと、このような事態に陥ります。
準備さえしておけば・・・と産後悔やむことにならないようにしたいですね。

その一方、助産師の無知でお母さんを精神的に追い込んだり、適切な助言やケアの実技指導が受けられなかったばっかりに、上手くいかないということだけは、避けたいですね。

2013年9月 4日 (水)

妊娠中の血乳を放置すると…?

過去の記事にも書いたことがありますが、妊娠中に血乳が出る妊婦さんは程度の軽い場合も含めて1/20人くらいの割合でおられるようです。

当然このような場合は、産婦人科のドクターに相談してスメア検査をしてもらうと良いのではと思います。
と申しますのも、妊婦さんですから安全な線量であっても、レントゲン検査は抵抗があるでしょうし、エコーにしても、妊娠に伴い乳房の状態が変化しますからね。

今日勤務先で出会ったUさんは、申し送りで「左右どちらの乳房とも、開口部から鮮血が出続ける。」ということで、おっぱいがあげられない状態でした。
赤ちゃんは35週の早産児で体重も小さく、血糖管理をしなくてはならず、止むを得ず低体重児用のミルクを補足していました。
お母さんの乳頭は硬くて小さくて扁平で吸いつきにくいカタチでした。
しかも赤ちゃんは吸啜する力が弱く、眠りがちでした。

Uさんは妊娠中にマタニティークラスBにも参加して、乳頭・乳輪のお手入れはしておられましたが、「血乳が出るのが怖いから。」「非常にソフトな触り方で、たまにする程度のお手入れしかしなかった。」ということで、効果的な乳頭・乳輪ケアをしておられませんでした。

そう、ハッキリ言わせてもらえば何もしていないも同然でした。
妊娠中のスメア検査はクラスIIIだったので、微妙な感じでしたが、血乳を放置して問題が解決する筈もないのでした。
ただでさえしっかりとおっぱいを飲ませてあげないといけない“おちびちゃん”なのに、1滴もあげられないなんて。

どうしようもないので、授乳のたびに助産師が排乳しなくてはなりませんでした。
「退院するまでに、白いおっぱいになるかしら?」と私の方が不安になるくらいの鮮血でしたが、排乳20回弱の段階で(今日は産後1日目)乳房が緊満し出してからパタリと血乳が出なくなりました。
もしかして在庫一掃?

それなら願ってもないことです。
Uさんの場合乳頭・乳輪のケアが出来ていませんでしたたから、いきなり直母は難しくても搾乳ししたおっぱいを赤ちゃんにあげることが出来るますからね。

乳管が詰まりっ放しでおっぱいが出ない!(若干改訂版)

流石に、このブログのコアな読者さんは、妊娠中からのおっぱいのお手入れが大切だと言うことを,よ~くご存知だと思いますが、世間的にはそうでもないようです。
例えばSOLANINの勤務先で出産されるお母さんの約25~30%は、里帰りの方なんですね。
マタニティー雑誌には妊娠5~7ヶ月には、ご挨拶を兼ねて受け入れてもらえるようお願いに行きましょう・・・なんて書いてありますが、それぞれの家庭には色々な事情があるでしょうから、SOLANINの勤務先の産婦人科ドクターは理解があるので、たとえ妊娠9ヶ月でも受け入れてくださいます。

里帰りする妊婦だからうっちゃってしまうのか、忙しくてそこまで手が回らないのか、はっきり言って里帰り妊婦さんの乳頭・乳輪のお手入れは壊滅的です。
(唯一の例外はBFH認定病院からの里帰り妊婦さんです。)
地元の方は、早くから妊婦検診時に乳房チェックされたり、マタニティークラスで学ばれたりするから、意識が高くなり、大抵はさほど困難な想いをせずに済む傾向にあります。(もちろん、地元の方でも何もしていなければ、やっぱりダメですが・・・)

入院中はスタッフが頑張って授乳のお手伝いをしたり、必要に応じたケアをしますが、どうしても限界があります。
で、退院後に対応するのが、私の役割になっています。
最近ちらほら気になるのが、タイトルの通り『詰まりっ放し』の方なんです。
当然直母はヒトケタ~10g台で、乳頭頂だけが傷だらけです。
「赤ちゃんが勝手に吸ってくれると信じていた。」とか「妊娠中の乳頭・乳輪のお手入れがどうこうなんて話半分に聞いていた。」とかまだ産後2日目なのに「乳首が痛いからおっぱいを止めようかと思った。」とか、ちょっとご都合主義でないかというお母さんなんですね。(怒)
「おっぱいは出たら飲ませるけど、出なさそうならミルクでいいか。」と言うコメントにずっこけそうになります。
退院後に詰まった乳管を開通させるって、結構大変です。
開通させたら直母介助して、「ちゃんと吸啜するってどういうことなのか。」ということまで、体感して、今そのお母さんと赤ちゃんに一番マッチしたポジショニングを憶えてもらうところまでしておかないと、帰ってもらうわけにはいかないので、時間がいくらあっても足りません。
妊婦さんには、乳管が詰まりっ放しで困るのは、産後の自分と赤ちゃんなんだということを、肝に銘じてもらいたい今日この頃です。

乳頭・乳輪の鍛え方

妊娠中からの乳頭・乳輪のお手入れとは別に乳頭を鍛えることは出来ます。

お天気のいい日に、乳頭・乳輪の日光浴をすればいいんです。

他人に見られないよう、プライバシーの保持に努めてください。

1回につき、10分間もすればいいでしょう。

2013年9月 3日 (火)

FILという物質を知っていますか?

FILという物質をご存知じゃろうか?

正しくは、Feedback Inhibiter Lactationという綴りですな。
和訳しますと、乳汁分泌抑制因子のことですじゃ。

「乳汁の分泌を増やすために、乳房がカラになるまで搾りましょう!」というフレーズ、耳にしたことのある読者さんも多いと思います。
昔の助産師達は、かなりの頻度でそう言ってましたからねぇ。)

端的に申しますれば、アレの逆サイドを突くということですわ。
つまり、乳腺房内に乳汁が溜まった状態をできるだけ長くすることで、乳汁の生産量を減らしてしまうということですな。

FILは乳汁に含まれるとされています。
間違っても「私の乳房は張りが今イチだから、授乳間隔を空けて乳房をパンパンに張らせないと、赤ちゃんにゴキュゴキュ飲ませてあげられないからねぇ。」なんて風に流されないでくださいよ。(汗)
特に、「ひとくちでも多く、我が子におっぱいを飲ませてあげたい!」と願うお母さんは、敢えてFILを増やすようなことはしないでくださいよ。
「これからおっぱいの分泌量を増やしていくぞ!」という大切な時期に、わざわざ冷や水ぶっかけて、おっぱい工場をシステムダウンさせてどうすんのよ!って思いませんか?(SOLANINは思います。)

正しい知識を持っていないと、ミズリードされて危険です。
どうかご注意願います。

ピペトップって知っていますか?

乳頭形態が扁平型や陥没型であると、直母するのが難しいことがあります。
でもあくまで、《難しい》のであって、出来ないのではありません。
そうでない方の「2倍3倍頑張らなくてはならないこと」や「準備しておくと助かること」があるということです。

最近何か変わったものはないかと色々探していたらいたら、ピぺトップという、ブラジャーの内側に常に仕込んでおける乳頭吸引器があることに気づきました。お値段は高い(通常の乳頭吸引器の10倍前後)ですが、奮発して購入いたしました。

お試しで装着したら、確かに吸引はしているようです。
私の乳頭は特徴のない正常型ですが、それでも乳頭が引っ張られている感覚がありました。
扁平型や陥没型の妊婦さんが装着されたら、効果の程が分かりますが・・・現在のところ装着に適した方は入院されていないので、確認のしようがありまえん。

読者のみなさんで、このお高い乳頭吸引器を使用された方は居られませんか。
もし、ピぺトップを使用されたことがあれば、お話をお聞かせくださいな。

扁平乳頭・陥没乳頭のお母さんの母乳育児

まずは妊婦さんのうちから、はっきりと「私はおっぱいで赤ちゃんを育てたい。」という意思を持ってほしいです。
人一倍大変かもしれないけど、自分は挫けないぞという覚悟・・・大層ですが。

それから、妊娠中からの乳頭乳輪マッサージは、切迫の症状がない限り24週にはスタートしましょう。
腹緊があっても可能な乳房基底部マッサージは毎日何回でも行ってください。

乳房基底部マッサージをすると、分泌過剰になるのではという考え方もありますが、万一出生まもなくは直母が出来なくても、分泌が多ければ搾乳や乳頭保護器を上手に活用することで、赤ちゃんにおっぱいをあげられます。
また、乳房基底部に可動性が少ないと、乳房の鬱積が長期化しやすく、鬱積とうっ滞と一緒くたになってしまうと、お母さんの受ける苦痛が倍加します。
なので、私は妊娠中からの乳房基底部マッサージを勧めています。

そうそう、ワイヤー入りブラジャーは使わないのが一番です。(妊娠中も出産後も)

冷え性、肩凝りのキツい方は足湯やストレッチをして、授乳がしやすくなる下準備をしましょう。

動物性脂肪を多く含むものは乳管を詰まらせる元凶だから、妊娠中から控えましょうね。

ブレストシールド®や、最近話題のピぺトップ®の装着もいいかもしれませんね。

兎に角、妊娠中から1回は母乳外来や助産院で診てもらうといいです。

特に陥没乳頭の方はマッサージの仕方が特殊なので(=ブルックス・ホフマン法)指導を受けないと自力では難しいと思います。

2013年9月 2日 (月)

おっぱいから、茶色っぽい汁がでてきた!

母乳育児を成功させるためのも、妊娠中からの乳房・乳輪のケアが必要ですが、私のみるところ、20人にひとりくらいはケアをしておっぱいが滲み出たのかと思いきや、茶色っぽい汁が出てきたと、びっくり仰天される、妊婦さんがおられます。

産後も妊娠中のケアが不十分ですと、そういった汁が出てくることもあります。

その正体はなんでしょうか。
それは血です。
中には真っ赤な血そのものが出てくる方もおられます。
原因はひとつではありません。

乳房を強打した後、炎症の後、赤ちゃんのお母さんだったら、搾乳をものすごい力でやってしまい、微小血管を損傷した場合などです。

『でも、もしかして、乳がんだったら・・・』と、心配ではありますよね。
その場合はまず、産婦人科のドクターに相談して、その汁にガン細胞が紛れ込んでいないか、病理検査をしてもらいましょう。

妊婦さんならば、検査の結果を聞いて、(普通問題なしなので、おそるるに足らずですが・・・)大丈夫と確認してもらったら、ドンドンその、茶色っぽい汁を排出してくださいね。
そうでないと、赤ちゃんが「ちち」ではなく「ち」を飲むことになります。
血を飲むとムカムカして気持ち悪くなるので、赤ちゃんは哺乳後に嘔吐します。
生まれたての赤ちゃんが血を吐いたらそっちの方が怖いです。

赤ちゃんには美味しいおっぱいをあげましょうね。

乳房の大きさとおっぱいの出具合の関連性は?

妊娠していない時の乳房の大小は脂肪の多いか少ないかで決まります。
おっぱいを造るのは乳腺組織ですね。

妊娠中に多少なりとも乳房が大きくなれば、それは、おっぱい工場建設予定地に地盤改良がされたということ。
そこまではいいんですがそれだけじゃ、もう一歩が足りない。

助産師の視点からすると、乳房全体の『可動性』があることと、乳管の詰まりを取り除き、乳頭・乳輪を柔らかくしておくことが、大変重要に思います。
可動性とは乳房か緊満してきても、付け根からガチガチにならないこと。
たとえ乳房が小さくても、動かして『ゆとり』があることです。
それは、おっぱいの保管庫の素材が柔軟で、地震がきてもクラッシュしないこと。
乳管の詰まりを取り除くとは、生産されたおっぱいの出荷ルートを確保すること。
乳頭・乳輪を柔らかくしておくことはおっぱいをすぐに飲めるよう紙パックやガラス容器に入れ、コップやストローの準備をすること。

妊娠中からゆったりした下着を着けた方がいいことは過去の記事でも書きましたが、乳房全体を揺らしたり、下半身を冷やさないようにすること、妊娠中から乳頭・乳輪のお手入れをしておくことで、おっぱいの出具合は変わってきますし、不必要に痛い目に遭わなくてすみますね。

陥没乳頭だからずっと乳頭保護器を使えばいいの?

ひとくちに陥没乳頭といっても、様々な型があります。
ここでは、割合として多い、仮性陥没型について述べさせていただきます。
仮性陥没型はその名の通り、平時は乳頭が陥没していて、乳輪から突出している部分は殆んど無く、手指でつまみ出せば、一旦は出るものの、しばらくすると、徐々に引っ込んでいくタイプのモノを指します。

妊娠中から相当気合を入れて地道なお手入れをしておかないと、また、生まれてきた赤ちゃんがメッチャ器用でもない限り、「乳頭保護器を使わないと、直母は難しいかなぁ・・・」ということで、大抵はP社のハードタイプの乳頭保護器を使うことになるのでしょうね。

また、運良くおっぱいの分泌が良ければ、量的には飲めようになるるので、「まぁ、これでいいんじゃないか?」という風に思いがちですが、流し込み直母の記事でもお話したように、乳頭刺激が少ない状態が常態化すると、或る日おっぱいの分泌がダダ~ンと減ってしまう恐れがあります。

赤ちゃんというのは現金なトコロがありますから、ハードタイプの乳頭保護器を通して、おっぱいがジャカジャカ出てくる分には黙って飲みますが、チョロチョロくらいの出方に低下すれば、「話が違うでしょう?」と、クレーム付けてきます。
そして、そうなってから慌てて直母の練習なんかしても、乳頭保護器に慣れきっているから、「なんで今更こんなに吸い付き辛いおっぱいを飲まなきゃならないの?」と、怒り狂います。
ネコパンチを繰り出しながら直母拒否という場合もあります。
大人しく辛抱して吸い付いてくれたとしても、新生児とは異なり吸啜力が強くなっているので、刺激に弱い陥没部分の皮膚が直ぐに悲鳴を上げて、乳頭亀裂だらけという展開もあります。(そうなると痛くて飲ませられませんわなぁ。)

止むを得ずハードタイプの乳頭保護器を使うことになったとしても、その手が母乳育児中ずっと使えるとは限らないのです。
また、使い続けることはそれなりのリスクがありますから、できるだけ早い時期にハードタイプの乳頭保護器から離脱するようにしていくか、1クール目は乳頭保護器を使用しても2クール目は外して直母するとか、効果的な乳頭刺激を与えられるように何らかの工夫をしておっぱいの分泌低下を来たさないように、各自対策を講じてくださいね。

2013年9月 1日 (日)

せっかくBFHで出産しても。

BFHでは、通常赤ちゃんに異常が無ければ、最初から母子同室ですし、だから頻回直母が可能で、結果おっぱいが上手く行く・・・という展開になるのですな。
助産師はお母さんから赤ちゃんを拉致ったりしませんからな。

しかしながら、恐らく大抵のBFHでもそうだと思われますが、赤ちゃんに異常が無くても、例えばお母さんが出血多量で極度の貧血で手術後のようにおしっこの管が入っていて、ベッド上で座ることも出来ない状態だったり、お母さんが重症の妊娠高血圧症候群で安静を余儀なくされたり、大きな合併症があって帝王切開になったりすれば、お母さんはICCUに収容されることもあるので、当然ですが、赤ちゃんが泣いてもあやせないし、抱っこも無理で、おむつ交換も出来ませんから、止むを得ず新生児室でお預かりして、ICCU迄コットに乗せた赤ちゃんをお母さんの許にお連れして面会に通ったり、3時間毎若しくは赤ちゃんがおっぱいを欲しそうなサインを見せたらお母さんの病室にお連れして、添い乳していくことになります。

事情があり、新生児室でお預かりせざるを得なくて、お預かりしている赤ちゃんがいるのですね。
それを拡大解釈するのか、何なのか知りませんが、怪しからんことに夜中に我が子を新生児室に預けて帰るお母さんちょくちょく居るのです。
もちろん、助産師だって鬼や悪魔ではありませんから、超頻回授乳で、疲労が著しいお母さんには、「2時間くらいだったら預かるから、ちょっと眠ってきなさいよ。」と声を掛けることはあります。
そんなのではなく、ただ単に赤ちゃんが傍に居ると落ち着いて眠れないから、泣いたら来ますから呼んでください的な意味合いで新生児室に置き去りにしちゃうんです。
泣いたら助産師は呼んでくれますよ。
でも、赤ちゃんがおっぱいが欲しいというサインで泣くというのは最終段階なので、もっと早く察知してあげてほしいのです。
でも、夜勤のスタッフはどこも人数がカツカツで少ないですから、業務はわんさかあるし、複数の出産があると、どうしてもそちらに手を取られますから、赤ちゃんが泣いていてもお母さんを呼びにいけないことだってあるのです。

となると、どど~んと授乳間隔が空いてしまいます。
夜中は昼間の2倍多く、おっぱいを作るホルモンが分泌される時間帯なのに。
母乳育児確立のための絶好のチャンスなのに。

預けっぱなしにするからお母さんのおっぱいの立ち上がりが遅れたり、パンパンに張って乳腺炎みたいに痛くなったり、赤ちゃんの体重が激減したり、黄疸の数値が高くなって治療しなくてはならなくなったり、脱水になって高熱が出たりすることになるのです。
全く、何やってんだか!
こんなことをしゃあしゃあとやるなんて、一体何のためにBFHで出産したのか分からないって思いませんか?
入院中におっぱい頑張らないと、いつ頑張るのでしょうね?
一番スムーズに母乳育児が確立するのは入院中なのに。
物事にはタイミングというモノがあるのにね。

事情が合ってお預かりしている赤ちゃんが居るのを見て、自分の子も普通に預かってくれれるのねと思い込むのかナンなのか知りませんけど。(汗)
酷い方だと助産師の見ていない隙に、勝手に赤ちゃんを新生児室に置いていき、病室でお母さんは高イビキだそうです。
SOLANINは、何かはき違えているような気がしてなりません。
みなさんはどう思われますか?

乳房がパンパンに張る=おっぱいが沢山出る…ではないです

乳房がパンパンに張る=おっぱいが沢山出る・・・って思い込んでいる方はとても多いです。
元来分泌過多(=過分泌とも言います)のお母さんの場合、確かに乳房はパンパンに張ります。

でも、理由は何であれ、パンパンに張った乳房のおっぱいは非常に吸啜しにくいものです。
がっぷりと深く吸啜しようと思っても、浅くしか吸啜出来ません。
当然ですが、乳頭痛や乳頭損傷が酷くなりがちです。
しかも、熱が出ることもあります。

ちょっと小粒な赤ちゃんや少し早めに生れた赤ちゃんの場合、「こんなの吸いつけないもんね~!」と、早々に不戦敗の白旗を挙げてきます。
大きめで満期産のガッツリ系の赤ちゃんであっても、スタミナ切れで少ししか飲めなかったりすることも稀ではありません。

しかも、パンパンに張るということは、大抵は授乳間隔が空き過ぎたり、あまりおっぱいには良くないモノを食べてしまった場合であることが多いです。
すると、おっぱいの味が不味くなったり、嫌いな臭いになったりしますから、赤ちゃんは間違っても喜んで飲むことはありません。

乳房がパンパンに張る時は、もしかしたら普段よりも沢山おっぱいは作られているのかもしれませんが、肝腎の赤ちゃんが飲んでくれるかどうかは全く別の問題です。
いつもSOLANINは、申し上げておりますが、「おっぱいは赤ちゃんが飲んでくれてナンボ」です。
何事も過ぎたるはなんとやら・・・でございます。
乳房が生理的に程良く活気ついたり、ほんわか温かくなるのは良いのですが、パンパンに張ることは赤ちゃんにとってもお母さんにとってもむしろNGなのだということを憶えておいてくださいね。

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