妊娠末期にカロナールを内服してはいけない訳って?
偏頭痛持ちの妊婦さんは結構おられると思います。
私もかつて介護の一翼を担っていた頃は、ストレスで偏頭痛が酷く、鎮痛薬が手放せない状態でしたから、その辛さは分かるつもりです。
普段ならば『アスピリン®』か市販薬なら『バファリン®A』を内服される方が多いかな?
この他にも、小児にも処方されるお薬で授乳中でもOKな『カロナール®』を妊娠中に処方してもらっている方もおられることでしょう。
この『カロナール®』、どうして妊娠末期は処方が見合わされるか、ご存知でしょうか?
動物実験でですが、おなかの仔の動脈管が収縮し、新生児遷延性肺高血圧症という怖い病気を発症する危険性があるからです。
程度としては最も危険性が高いのは、『ボルタレン®』『インダシン®』『ポンタール®』『カピステン®』『ブルフェン®』など。
危険性が中程度なのは『クリノリル®』『オパイリン®』など。
危険性が軽度なものならば、それこそ、『アスピリン®』『カロナール®』など。
しかし、軽度とは言えこのお薬を内服して、過去に上記のような症例があるのです。
ですから、妊娠末期はこれらのお薬を自己判断で絶対に内服しないでくださいね
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コメント
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助産師さんの領域のお話、いつもわかりやすくお話していただけて勉強させて頂いています。
薬剤師です。薬の話だったので、少しお尋ねさせてください。
私見ですが、タイトルのカロナールを服用してはいけないという表記は、やや行きすぎているように感じます。PMDAから動脈管収縮について警告が出ているのは事実ですが、根拠になった症例は38wに1回のみ服用した例と12wに服用した例、23wに服用した例で、最初の症例以外は後期ですらないです。いずれも35から40wに緊急カイザーになっていますが、時間的に言えばアセトアミノフェンはすでに消失したかなり後です。12wや23wに動脈管が閉鎖していたとしたら、その後35週以降まで妊娠が継続して、そこで異常が見つかったのでカイザー→適切な治療の後軽快、とはいかないように思うのですが‥ 完全に因果関係が否定できないから注意を喚起しているだけではないかと考えています。もちろん、作用機序からいってリスクはもちろんあるとは思うので自己判断での服薬はストップをお願いしたいところですが‥ 医療従事者の管理下での服用までは、ストップするべきではないかと思いますし、産科Drも治療上必要ならば処方しないわけではないとおっしゃる方が多いと聞きます。
SOLANINさんがご経験(もしくはエビデンス)としてなにか明らかにアセトアミノフェンと動脈管早期閉鎖の因果関係があると思われているのでしょうか?
そうでなければ、ちょっと医薬品名をあげて、服用してはいけないと書かれるのはどうかなと、思ったのでコメントさせて頂きました。
投稿: takazen | 2013年9月20日 (金) 19時14分