双子ちゃんの母乳育児の確立にまず必要なのは?
双子ちゃんの場合、正期産まで妊娠を継続し、尚且つ二人とも2500g以上ということが皆無ではありませんが、大多数は週数に対して小粒な発育状態(いわゆるIUGR)になりがちです。
管理入院をしていても、止むを得ず早産になることもあります。
在胎週数や赤ちゃんの体重にもよりますが、特に日齢の若いうちは、ギャン泣きすることは少なく、よく眠っていることが多いです。
哺乳については、運良く鼻注(=赤ちゃんの鼻腔から胃に管を通して注入する栄養方法)を免れても、恐らくは柔らかいゴム乳首を含むのに精一杯という状態がしばらく続きます。
端的に申しまして、お母さんのおっぱいを吸啜する以前の、それこそ開口して咥えることすら難儀な段階が続くということです。
吸啜が出来たとしても、せいぜいお口を数回クチュクチュしたらもう体力の限界に達します。
頑張り過ぎると、小児科ドクターの指示量を哺乳出来なくなってしまうくらいの僅かなスタミナしか持ち合わせていません。
ですので、一般的な健常新生児とは異なり、双子ちゃんで母乳育児の確立を目指すには、理屈抜きに搾乳が重要になってきます。
直母だけでいきたい気持ちは分からなくもないですが、それはかなり高いハードルなので、敢えて当面の目標は、搾乳で哺乳量を確保することとしてください。
そのためには、過去記事にも書いていたかと思いますが、妊娠中から乳房基底部を揺らすマッサージを1日に2(~3)回程度行ってもらうと効果的かと思われます。
経産婦さんで、前回の出産時に分泌過多だったとしても、今回の妊娠が双子ちゃんの場合に限っては、乳房基底部を揺らすマッサージをしてください。
何故かというと、前回とは異なり、哺乳量が2人分必要だからです。
1人の赤ちゃんに母乳育児をするには分泌過多だったとしても、2人の赤ちゃんに母乳育児をするには、そのくらいで丁度必要な哺乳量に相当する分泌が賄えるであろうからです。
また、1回の授乳に要する時間も、お母さんの体力消耗も2倍以上になるので、お母さんの休憩時間を確保するためには、搾乳をがっつり哺乳させ、しっかり体重増加させることが不可欠になります。
ある程度双子ちゃんの哺乳力が向上すれば、直母は練習次第で可能になりますから、決して焦らず、慌てず、諦めず、まずは搾乳を頑張りましょう。
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双子記事、待ってました!
今生後二ヶ月半、直母してますが、昼間は二時間毎授乳、夜中寝付かせる時はエンドレス状態で枯れ枯れな感じです。
上三人、二歳まで完母でした。
母乳相談や発達外来に行くと、体重増加ギリギリ足りないくらいで一日1~2回ミルク足すようにと。どうしたら母乳だけになるかな。悩み中です。
また双子記事待ってます。
投稿: けいこ | 2013年9月12日 (木) 14時12分
私も双子記事 待ってました!!!
残念ながら、最強母乳外来を最近知ったので、双子の第二子は既に完ミとなってしまいました・・。
小さく生まれたこと・入院が長かったこと・病院が母乳育児に熱心じゃなかったこと・様々な要因があります。
第一子は退院が早く哺乳瓶を使用した期間が短かったためか、なんとか完母になりました。
二人に同じようにおっぱいをあげれない罪悪感はありますが、せめて一人だけでもおっぱい続けたいと思います。
投稿: りんりどー | 2013年9月12日 (木) 15時38分
私も双子記事待っていました。
半年の双子今まで完母でどうにかやってきました。
周りから足りてるの⁈ミルクにしたら?
離乳食にはミルクいれてね!など
街の健診でも小さいからと何度も言われて
心が折れそうになりました。
2750g2400gで産まれまだ7キロありません。
信頼できる小児科の先生を見つけ
フォローしていただいております。
おっぱいの数だけ育てられると
出産時に言われたのでその言葉を今も信じてここまでやってきました。
未だに他の子どもと比べると小さく
周囲からのミルク攻撃に負けそうになり、心配になります。
同時授乳も難しくて出来てません。
一人ずつです。
いつも楽しみに拝見しております。
双子記事ありましたらまた
宜しくお願いします。
投稿: ひまわり | 2013年9月13日 (金) 03時04分
はじめまして。
いつも参考になる記事をありがとうございます。
私は、昨年6月に第三子、四子となる双子を出産しました。
上の二人を完母で育てたこともあり、今回も頑張って母乳で育てています。
家の双子は、36週、2,244gと2,186gで産まれました。小粒ではありますが、一絨毛膜二羊膜の双子にしては上出来だと言われました。体重が2,000gを超えていたのですぐに保育器から出られるはずが、かなりミルクを吐いてしまっていたため体重が増えず、結局2週間ほどNICUに入院しました。退院してからも眠り姫の二人は直母と搾母で頑張ったものの、吐くのは相変わらずだったせいか体重の増え方が良くありませんでした。新生児科の先生は、小さいけど増えているから様子を見ましょうと言ってくれたのに対し、保健センターなどではミルクを足した方が良いといわれたりしました。脳に栄養が行かなくなるとか、さんざん言われました。私もかなり追い詰められて、母乳不足感はなかったのに夜だけミルクを飲ませたりもしました。でも、結局は吐いてしまって意味がなかったようでした。なので、短期間で止めてしまいました。ただ、本当に足りているのかを評価する為にベビースケールをレンタルして哺乳量を測定してみました。すると、1日で700~800位飲めていました。(4ヶ月時、4,200gくらい)これをきっかけに少し自信を取り戻し、母乳育児を頑張ることができました。
その後、離乳食が始まる頃から吐くことが減り始め、体重の伸びも良くなり9ヶ月を過ぎたあたりから成長曲線の下限に入り始めました。
現在、1歳2ヶ月になった双子たち。小粒なのは変わりませんが、ごはんもおっぱいも大好きな元気な子に育っています。発達も問題なく、最近、歩いたり単語を話したりします。
今、思い返してみると、離乳食が始まるまでの体重の増え方は、基準ギリギリだったかもしれないけど、この子たちなりの増え方であったのだなと感じます。
体重がなかなか増えないと焦ったり不安になったりする気持ち、とっても良く分かります。でも、負けずに頑張って欲しいと思います。
上手く文章が書けず、きちんと伝わるかわかりませんが、少しでも皆さんの参考になればと思います。
長くなってしまい、失礼しました。
投稿: ややこ | 2013年9月14日 (土) 23時55分