切迫早産の指標その1「顆粒球エラスターゼ」
絨毛羊膜炎(CAM)という病気、聞いたことがありますか?
切迫早産(もちろんホンモノの早産も)になる妊婦さんはかなりの割合で絨毛羊膜炎になっていることが判っています。
絨毛羊膜炎はいきなりなってしまう病気ではありません。
その前段階として子宮頸管炎や膣炎になっていてそれが進行して絨毛羊膜炎になってしまうのです。
子宮頚管炎や膣炎というのは感染によって起こります。
妊婦さんによっては妊娠発覚以来旦那さんとは性的な関係がゼロの方もおられます。
なのに、どこをどうやって感染するのか?
一見全く関係なさげですが、妊娠中は分泌される女性ホルモンの量が増えますから歯肉炎になってしまったり、歯肉炎が重症化する妊婦さんは結構多いのですね。
で、例えば歯肉炎になっている妊婦さんはそうでない妊婦さんよりも、血中のサイトカイン(歯科・口腔ケア関係の記事を思い出してね!)の量が増えますから切迫早産になってしまう割合が最大7倍もあるという研究報告があるくらいなのです。
そういう感染ルートもアリなんです。
それはどうしたら調べられるのかと申しますと子宮頸管粘液を採取して「顆粒球エラスターゼ」を調べてもらうのです。
切迫早産となる妊婦さんのかなりの割合で絨毛羊膜炎の恐れがある時は、その1~2週間前からこの「顆粒球エラスターゼ」が上昇することが判明しています。
つまり「顆粒球エラスターゼ」が上昇し、子宮頸管長が短くなり、おなかが張っていたらそれはまさしく切迫早産なんですね。
自宅安静でお薬を内服して様子を見ていい段階で済めばいいのですが、もし入院して治療を受けなくてはならなくなったら大変です。
健康な妊娠生活を送っていただくためには、カラダのどこかに炎症が起きていないかを確認することや、起きていたらそれを治すことが重要だと思います。
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