先天性トキソプラズマ症って知っていますか?
トキソプラズマというのは、猫を宿主とする原虫です。
その原虫に感染して起こる病気が、トキソプラズマ症です。
人から人には感染しません。
妊婦さんが感染しても、大抵は無症候なので、血液検査をしない限り、発覚することは稀だと思われます。
けれども、感染が発覚したとして、無症候だから放置してもいいのかというと、決してそうではありません。
トキソプラズマ症の胎内感染率は、妊娠中にルーチンで検査している病産院は圧倒的に少ないため、不明とされていますが、先天性トキソプラズマ症の赤ちゃんは、0.05%は発症しているのではないかと推測されています。
この、いわゆる先天性トキソプラズマ症の症状としては、胎内死亡、流産、小眼球症、水頭症、小頭症、脳内石灰化像、肝脾腫、腹水、網脈結膜炎、てんかん様発作、痙攣等が挙げられます。
週数の若いうちに感染するほど、おなかの赤ちゃんの症状は重篤化し易い傾向が高いので、決して侮ってはいけませんよ。
ちなみに、妊娠前に感染していても、おなかの赤ちゃんが先天性トキソプラズマ症になる心配はありませんから、安心してください。
おなかの赤ちゃんを先天性トキソプラズマ症から守るためにはいくつかの有効な方法がありますので列挙しますね。
1) 極力生肉や加熱の不十分な肉料理を口にしない。
2) 果物や野菜も食べる前にはしっかり洗う。
3) 食用肉や野菜などに触れた手は、温水でよく洗う。
4) ガーデニングや畑仕事等の土をいじる際は、手袋を装着する。
5) 猫のトイレの処理時は手袋を装着するか、家人に代行を頼み、妊娠中は行わ ない。
6) 妊娠初期から予防として上記1)~5)を励行することと、産婦人科ドクターにお願いして、妊娠初期に抗体検査をして、 感染の有無と状況を正しく把握することが肝要です。
また、感染が発覚したら、アセチルスビラマイシンという内服薬による治療方法がありますが、羊水検査の結果、おなかの赤ちゃんへの感染が確定した場合は、内服しても治療効果がありませんのでご注意ください。
その場合は別のお薬による治療となる可能性が高いです。
治療条件に該当する妊婦さんは、速やかに治療を受けられ、出来得る限りのリスクを減らしましょう。
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