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2013年10月17日 (木)

母乳育児は医療の一環でしょう?違うのですか?

<ご質問内容>
医療技術が日進月歩で進歩しているこの世の中で、なぜ「母乳」についてこんなに「昔からの言い伝え」的なものが「常識」として未だにまかり通ってしまっているのでしょうか…
母乳は、赤ちゃんを一人前の大人に成長させるための根本にあるもので、医療の根底にあるべきものだと思うのですが…
母乳育児については医療の世界ではあまりメジャーではないのでしょうか…
全く知識のない人間の生意気な発見をお許しください。

<SOLANINの回答>
仰る通りだと思います・・・と、言いたいところですが、これがどうもそうとは言い切れないのですね。

と申しますのも、「母乳育児」というモノは、厳密に言えば、医療の範疇に入らないという考え方が、医療者の多くの考え方でもあるからです。
医師や看護師の養成コースでは、「母乳栄養」についての講義は、ちょこっとだけあります。
栄養素や免疫の話ですね。
でもね、「母乳育児」については、ほぼ皆無といってよいくらい不毛なのですよ。
そもそも、教育のカリキュラムに入ってないのです。
助産師の養成コースで、かろうじて若干有るかどうかのレベルです。
助産師教育の中心は助産診断と分娩介助が中心ですからね。
「母乳育児」は習俗的なモノとか生活の一部というか、医療とは別のモノという考え方をされるエライさんはまだまだ多いのです。

確かに大昔はそれで良かったのかもしれません。
しかし、習俗的なモノとか生活の一部と見做したら、当然母から娘(や嫁)に伝えていけるはずのモノですが、今のおばあちゃん世代は、ミルク育児全盛時代に子育てをしていらっしゃったので、ミルクの調乳指導は出来ても、「母乳育児」のなんたるかを教えてあげられなくなっているのが現実なのですね。

ですので、「ミルクでも充分に赤ちゃんは育つのに、なんでウチの娘(や嫁)は母乳に拘るのかしら?」という疑問でモヤモヤしているおばあちゃんは実に多いです。
医療者の中にも教育に組み込まれていないが故に、また、勤務先がミルク屋さんと仲良しであればある程、授乳介助にかかわる業務がラクですし、給与にも反映されませんから、「母乳育児は総論賛成・各論反対」「母乳かミルクかはお母さんが選択されるものであり、医療者が母乳育児を推進するのは医療者のエゴではないか?」的な発言をされる方もいらっしゃるのですね。(泣)

もっと酷い方になると、産婦人科・小児科領域でお仕事していらっしゃっても、「母乳育児」には全く無関心・・・な方さえいらっしゃいます。(涙)
ということは、裏を返せば、産婦人科・小児科領域以外のの医療者のみなさんで本気で「母乳育児」の推進・支援を考えてくださる方は、BFH勤務者か恐らく当ブログの読者さんで、「母乳育児」を実践していらっしゃる方くらいではないかと推定されます。

現在の我が国で、いやしくも「母乳育児」の推進・支援している医療者と公言している方で、「あなたは何処で母乳育児の知識や技術を身につけましたか?」と聞かれて、「ほぼ全て学生時代です。」と、答えたら、その方は正直言って余り期待できないと考えてください・・・という過去記事、お読みになりましたか?
(唯一例外があるとしたら、BFHで臨床実習された方くらいですかね?)

以前震災関連の記事を書いた時に、「そもそ被災地で母乳育児を推進・支援する医療者の活動やPRが不足している。」と批判的なコメントが寄せられましたが、我が国のBFHで生まれる赤ちゃんの人数がようやく全出生数の3%にまで来た段階だということは読者のみなさんもあまりご存じではないかと思われます。
「今からBFHを目指そう!」という病産院や「BFH認定されていないけれどほぼ同等に近い?」という病産院、それと助産院で生まれる赤ちゃんの人数を入れても恐らく10%程度ではないかと思われます。

・・・ということは、母乳育児を推進・支援する、産婦人科・小児科領域の医療者の割合もそれとおっつかっつなのですよ。
3(~10)%VS97(~90)%。
正直言って、気の遠くなるような差ですわ。
でも、そこで諦めたら、救われない母子が如何に多いかということが、分かっているから、「母乳育児」の推進・支援をする医療者は頑張っているのですね。
SOLANINも毎日必死にボランティアで(←これも変な表現ですが)記事を書いているわけです。
長文になりましたが、SOLANINの言わんとすること、分かっていただけましたか?

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