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2013年10月13日 (日)

送り出す側の医療者にお願いしたいこと。

割合的には少数派でしょうが、当ブログの読者さんの中でも、開業助産院や、大きな病院の中に開設されている院内助産所や、こだわりの開業産科でご出産されるおつもりの方、いらっしゃるかと思います。
やはり、そういった産科施設でご出産を希望されるということは、自然分娩と母乳育児をしたいという意識を強くお持ちであるからだと思います。
それらの希望が実現すれば、大変素晴らしいことですし、一生の良い思い出になるかと思います。
勿論、SOLANINは、その選択にケチを付けようなどという考えは毛頭ございません。むしろ、それらの希望が叶えられれば良いなぁと、心の底からそう思います。

しかしながら、確率的に、全妊婦さんの10~20%は、いわゆる正常分娩が出来ない可能性があることは否めません。
そして、それは産み場所を問わずに起こり得ることなのですね。。
いいえ、もしかしたら逆かもしれません。
予めハイリスクが予想される妊婦さんは、妊娠中期くらい迄に、設備の整った総合病院やNICUの充実した大学病院やMFICUのある周産期センター等に管理入院されていますから。

万一の話ですが、何らかの事情で、思い描いていたような自然分娩が出来ず、母乳育児をする筈が、ミルク育児からのスタートになってしまったとしても、それは誰のせいでもないことです。
産科医療において、一番の優先事項は母子の生命の確保です。
いわゆる母体搬送や新生児搬送の当事者になったとしても、それで母子の生命が救われたなら、思いっきり喜んでいいんですよ。

しかしながら、実際には、困ったことに、搬送先でマタニティ―ブルーになったり、搬送先のドクターや助産師に心を閉ざしたり、攻撃的になられる方もいらっしゃるようで、受け入れ側のドクターや助産師が妊産婦さんへの対応に苦慮するということを、しばしば耳にします。

そこで、送り出す側のドクターや助産師にお願いしたいことがあります。
送り出す妊産婦さんにどうか肯定的な言葉をかけてあげてください。
恐らく、そういった施設で妊婦検診を受けて来られた方々ですから、妊産婦さんとドクターや助産師との間には濃密な人間関係が出来ていると思われます。
送り出される側のドクターや助産師は、送り出される妊産婦さんから全幅の信頼を寄せられていらっしゃるわけです。
ですので、せめて、「残念ながらここでは出産が出来なくなったけれど、あなたとあなたの赤ちゃんのためには、今はそれが一番良い選択なんですよ。」「向こうのドクターや助産師のやり方は、こことは違うこともあるだろうけれど、お母さんと赤ちゃんを大切に思う気持ちに変わりは無い筈ですよ。」くらいは、言ってあげてほしいです。

そうでないと、赤ちゃんの救命のために行った緊急帝王切開を何ヶ月経っても受け入れられなかったり(←「あそこの病院は何でもかんでも、直ぐにおなかを切るらしいよ。」というような噂を鵜呑みにしていることが原因だったりする。)、赤ちゃんが低血糖で点滴をしなくてはならなかったり、おっぱいの分泌がどうにもこうにも追いついてこないため、医学的適応でミルクの補足をした場合でも凹み続けたり(←正常新生児と早産児や低出生体重児は同列に論じられないことが多々あり、そういう基本的なことが何も分かっていらっしゃらないのに、ミルクを補足する指示を出したドクターや、実際に補足した助産師に暴言を吐かれたりする。)というようなエピソードをSOLANINなんかも色々なトコロで聞かされます。

医療介入は妊産婦さんと赤ちゃんのためになされたことなのに・・・です。
産科医療におけるスムーズな病診連携は、困難な状況に際しても、妊産婦さんの気持ちが前向きになられるように、寄り添い支えることから始まるのではないかと思います。

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☆同業他者へのお願い」カテゴリの記事

コメント

初めまして。第二子出産後より読ませてもらっています。
まだすべてを読み切れてはいないのですが、この記事に少し気持ちが救われる思いがしてコメントを書かせてもらいます。

私は現在4歳の娘と、4か月の息子を育てています。
娘の出産前後から去年の今頃までは、大変でありながらもとても充実して幸せな毎日を送っていました。
いえ、いまも幸せです。
でもどうしても心から消えないものがあり、誰にも言えずにいるのでここに書かせてください。
娘の出産、子育ては本当に感動の連続で、息子を授かったときもまたこのような幸せが味わえるのかと思いとても楽しみに過ごしていました。
けど妊娠20週ころだったと思います、子宮内胎児発育遅延の診断により、医師の指示で休職。
その後、祈るような気持ちで自宅安静の日々を過ごしましたが、32週に入ってすぐに総合病院に転院、即日入院。その6日後には緊急帝王切開で息子を出産しました。
ベットから起き上がれるようになってふと我に返ると、たいして大きくもならなかった自分のお腹だけでなく、心の中もすっかり空っぽになっていました。
息子は1202gで生まれ、GUCに1か月半入院。
その間まさに「血と涙と汗の結晶」である母乳を搾って、病院に面会に通いました。

息子が退院して3か月が経ちますが、いまでは未熟児だったことを忘れるくらい元気に育ち、幸せな日々を送っています。
子ども二人に恵まれて、幸せはこの腕の中に確かにあるのに、どうしても消えない気持ちがあります。

息子を自然分娩で産めなかったこと。
そして、大きなお腹の女性を見ると、苦しくなって目をそむけたくなります。
急に得体の知れない強い不安が襲ってきて、パニックになりそうになります。
身近な友人の妊娠でさえも、心から祝ってあげることができなくなってしまいました。

きっと贅沢な、わがままな悩みですね。
主治医の先生方も、母子の命を守ろうとしてくれた結果であることは分かっています。
それでも自分の気持ちの行き場がなくて、ここに書かせてもらいました。
乱筆乱文お許しください。
これからも記事を楽しみにしています。


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