重症化した乳腺炎になると,赤ちゃんも困ります。
経験者の方は分かるかと思いますが、乳腺炎になると頭痛が酷くなったり、高熱でしんどくなったり、乳房がズキズキと疼いて堪りませんよね。
乳腺炎に至る原因は様々ですが、堪らないのはお母さんだけではないことをご存知でしょうか?
「あっ、おっぱいが不味くなるから、赤ちゃんが困るからでしょう?」と答えられた読者さん、半分だけ正解です。
残り半分の答えはですね、「おっぱいの分泌量が激減する」です。
実は軽症であっても、普段の分泌量の3/4~1/2強になることも稀ではありません。
それまで完母で体重増加が順調なペ-スでだった赤ちゃんでも、微増ペースになってしまうことだってあるのです。
お母さんにしてみたらショッキングな話でしょう。
ですが、入院しなきゃならないくらい重症化すると、そんなレベルでは済みませんよ。
下手すると、普段の分泌量の1/3~1/4にまで減少します。
直母1回量が平均で100g以上の方であっても、何回測定しても20~40g程度に下落することだってあるのです。
そのため、軽症のうちは頻回直母を励行することでどうにか凌げても、入院しなきゃならないくらい重症化すると、頻回直母のみでは追い付かず、赤ちゃんの体重が乳腺炎になる以前と比較して、発症7~10日間くらいのうちで、甚だしい場合は300gくらい減少することだって有り得るのです。
当然、赤ちゃんのおしっこの量や回数は減りますし、それまで快腸だったのに、いきなり便秘になることさえあります。
おっぱいが不味くても健気に飲んでくれる赤ちゃんには頭が下がりますが、分泌量が激減したら、相当ひもじいのではないかと察します。
離乳食を開始している赤ちゃんであれば、離乳食を進めることも一案ですが、離乳食開始前の赤ちゃんの場合、乳腺炎が改善しておっぱいの分泌量が復活するまでは、一時的とはいえ、ミルクの補足も止むを得ないでしょう。
但し、乳腺炎はひたすら頑張っておっぱいを飲んでもらうことで治りがスムーズになるわけですから、闇雲にミルクの補足をすると、今度は肝腎のおっぱいを飲んでくれなくなるので、匙加減が難しいトコロです。
なので、決してミルクの補足は自己流ではなく、担当の助産師に相談され、必要最小限に留めてくださいね。
それから、それまで完母の赤ちゃんの場合、ミルクの補足は回復するまでの、あくまで一時的なモノだと思われますので、哺乳瓶を買い込んで慣らさないようにしてね。
手間がかかるけど、用心してスプーンやソフトカップで飲ませてあげてください。
乳腺炎が治り、赤ちゃんの体重が持ち直しても、乳頭混乱を来たしたら大変ですからね。
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