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2013年12月の記事

2013年12月31日 (火)

基本に忠実にしていけば・・・頻回授乳!

頻回授乳により、乳頭に刺激を受けるとおっぱいの製造ラインにスイッチが入ります。
出産直後はお産に時間がかかったり(=初産婦さんで、安産と言われるのは、分娩所要時間が12~16時間以内の場合を指します)、出血が多いと産後の体調の回復に通常よりも時間がかかりますから、(安産で出血量の少ない方よりも)おっぱいの立ち上がりが遅くなりますが、こういう場合は止むを得ないことです。
喩えて言えば、光ファイバーとADSLの違いみたいなものでしょうか。(ニュアンスは伝わりましたかな。)

立ち上がりが遅れても、取り返しのつかないくらいとかではなく、充分追いつくことは可能です。
焦らなくても大丈夫ですよ。
出産による体力的消耗は、時間の変化とともに必ず回復します。
赤ちゃんが哺乳意欲旺盛でがっつり型ならば、「製造が追いつくかしら。」と悲観的に考えるのではなく、「やったぁ。これで、おっぱい工場の製造ラインのスイッチが入るから、もう大丈夫だな。」と、プラス思考になりましょう。

コンビ社の新型シリコン乳首についてその2

2013年夏に発売開始された「授○の○手○®」というコンビ社製のシリコン乳首があります。
「テ○オ®」ブランドの一種のようですが、現時点では病産院向けで市販されてはいないようです。
シリコンの色はなんと淡いピンク色で、細口の哺乳瓶に直付タイプなので、直ぐに識別が付きます。
先端部がとても薄く柔らかです。
孔が3つもあるのは、吸啜力の弱い赤ちゃんであっても唾液と搾乳やミルクが混ざり易いようにするためだそうですが、それって流量が多くないのかしらね?
上口唇が巻き込み難い形状とか、上顎のくぼみに密着し易い形状とかの特徴があるようですが、例えば直母でも難儀する上唇小帯がぶっとい赤ちゃんでもホントに巻き込まずに咥えられるのかしらね?
・・・ラインナップ的にはSS(赤ちゃんの体重が2000g以上)とS(赤ちゃんの体重が2500g以上)の2系統ありますが、どちらかというと、哺乳力の弱い、小さい赤ちゃん向けのようです。

要は鼻注でなくても吸啜出来るけれど、直母はハードルが高くてまだの段階の赤ちゃんを対象としている商品のようですね。

赤ちゃんの当座の吸啜欲求は満たしてあげられるのでしょうが、果たしてどの段階で直母に移行(切り替え)出来るのでしょう?
この商品を使いこなせるようになった後は、市販品の「テ○オ®」を使いなさいってこと?
う~ん・・・
その辺りはまだ新しい商品なので、データが無いようですね。
この商品に限りませんが、乳頭混乱が起きなければいいのですが、その辺りも未知数のようです。

コ○ビ社の新型シリコン乳首についてその1

先日SOLANINの勤務先にコ○ビ社の営業さんが来られました。
7月に発売された新型シリコン乳首(商品名:テ○オ®)のご紹介ということでした。

SOLANINの勤務先は、普段から搾乳やミルクの補足はシリコン乳首を殆ど使用しないということもあって、意外とこの手の情報に疎かったのです。
説明文を読むと、現在聖マリア学院大学で教授をされている松原まなみ教授監修ということでした。
確か松原先生は吸啜障害について研究され、歯学博士号も取得されていて、母子ケア研究会の重要幹部をされています。(故・山西みな子先生の後継者とも言われている方です。)
コンセプトは“おっぱいの形を真似るのではなく、赤ちゃんがおっぱいと同じ飲み方が出来るように研究しました。”とのことです。

これが事実ならば、吸啜障害の解決には画期的なことになります。
しかし・・・ホントなんだろうか?
吸啜パターンの波型グラフを書いたパンフを見せてもらいましたが、それによると確かに直母の吸啜パターンとほぼ同じではありましたが、しかし・・・。
実際を見たわけではないので、判断がつきません。(困)
哺乳スピードとか口の開口度とか舌が前に出る感じとか直母と同等の舌のうねりと巻きつけをどこまで再現できるのかとか・・・
逆にそこまで再現出来るのなら、「吸啜障害≒直母が上手くいかない」筈がないと思いますし、直母が上手く出来るのならば、このシリコンの乳首を使用する意義に乏しいのではないかという風に思えます。
(使用はあくまで哺乳量が足りない場合に限定されることになります。)
う~ん。
どうもよく分かりません。
何だか論理的に矛盾していませんか?

もしかして、読者さんの中に搾乳かミルクをコ○ビ社の「赤ちゃん○○かぶりつき」というシリコンの乳首を使って飲ませておられる方はいらっしゃいますでしょうか?

2013年12月30日 (月)

おっぱいの製造工場フル稼働となります!

この前にアップした記事は産後3~8日の間のことを指します。
それでは、産後9日目以降はどうなるのか。
SOLANINの勤務先の産婦人科・小児科のドクターや助産師は耳にタコができるくらい、『頻回直母』と言います。
退院診察の際も『おっぱいは1日10回以上。』と明言しています。

おっぱいの製造工場はシャッター全開になります。
24時間フル稼働体制になります。
これは、乳房の外におっぱいを出せば出すほど、生産・出荷がスムーズになり、生産量が増えてくることを意味します。

乳房が張らなくなったとか言ってる場合じゃないんです。
規模は拡張しているから、張らなくなったのです。
枯れることのない泉に変貌したも同然なのです。
張らないことは恐れることではないのですよ。

おっぱいの製造工場はいよいよ立ち上げ段階です!

赤ちゃんが産まれると、次に胎盤が娩出されます。
胎盤から分泌される2種類のホルモン『エストロゲン』と『プロゲステロン』の血中濃度は急激に低下します。
そして、妊娠中は制御されていた、下垂体前葉から分泌される『プロラクチン』が表舞台に登場するのです。

赤ちゃんが乳頭・乳輪に吸い付くたびに、脊髄神経を介してその刺激が脳に送られます。
それはおっぱい製造工場の生産ラインにスイッチが入り、おっぱいが造られるようになることを意味します。

また、それに伴いおっぱい製造工場は規模を拡大しようとします。
なのに、製造工場のシャッターは殆んど閉まったままで、出荷よりも生産が優先されるような状況になりがちです。
これが、乳房がパンパンに張って痛くなるということに当てはまります。

赤ちゃんに頻回におっぱいを吸わせること(もしくは搾乳すること)で、『プロラクチン』の分泌は高まります。
授乳中(搾乳中)はそうでない時の2倍の血中濃度にまで上昇します。
そうして授乳後(搾乳後)45分で、元のレベルに低下していきます。

気をつけなくてはならないのは、『プロラクチン』は、全く乳頭・乳輪への刺激が無いと、産後2週間で妊娠前の血中濃度まで低下するということです。
これはおっぱい製造工場の閉鎖作業に入ることを意味します。
おっぱいが張るまで赤ちゃんに吸わせないとか、搾らないというのは、『おっぱい造るのや~めた。』と宣言したことになります。
赤ちゃんにおっぱいをあげようとするお母さんのすることじゃないってことです。

量は少なくたっていいんです。
溜まるまで待たなくてもいいんです。
とにかく吸わせるか、搾るか出来るだけのことをやってくださいね。

乳房はおっぱいの製造工場です!

妊娠すると、分かりやすい例えをあげると、出産後おっぱいの製造工場が稼動するように、更地の敷地に地盤改良・基礎・土台・棟上・壁作り・設備の搬入・ライフライン接続工事が始まります。
・・・これは、妊娠4ヶ月末頃になれば、胎盤が出来ますが、この胎盤から分泌される2種類のホルモン『エストロゲン』と『プロゲステロン』によって、おっぱいを造るために必要な乳腺組織(乳管や乳腺房)の発達が始まるということです。
また、この2種類のホルモンは妊娠の継続に欠かせないホルモンでもあります。・・・

早い方は、妊娠5ヶ月に入る頃には初乳が分泌し始めます。
しかし、初乳の分泌はホントに少量です。

なぜなら、胎盤から分泌するホルモンがおっぱいを造るホルモンである『プロラクチン』の分泌を制御しているからです。
妊娠中は赤ちゃんの発育に大きな関与をしているのは胎盤ですからね。
お分かりいただけましたかな?

乳頭保護器の適応その1

乳頭保護器は使用せずに済むなら、それに越したことは無いのです。
しかし、それ以外の方法で赤ちゃんにおっぱいを飲ませるには搾乳しかない場合で以下の条件を満たしておれば、止むを得ず一時的に使用することはアリかと思われます。

<お母さんの要因>
①とにかく乳房が常にパンパンに張っている。(熱感あり。)
②温かいおっぱいが漏れ出すくらいの分泌がある。
③ゴリゴリの乳輪を欠かさず先搾りをしている。
④あいにく扁平乳頭や短乳頭である。

<赤ちゃんの要因>
注)タイプ別に例示したので、以下のいずれかに該当すれば。
なお、舌小帯短縮症や巻き舌の場合は乳頭混乱を誘発し易いので、搾乳して吸啜トレーニングを地道に行い、時期が来るのを待つのがベスト。
A赤ちゃんの体重は普通であるが、直母で吸啜しようと頑張るもツルツル滑る。
B赤ちゃんの体重が小さめで、眠りがち・疲れやすい。
C赤ちゃんの体重が小さめで、元々の吸啜力が弱い。

もちろん、1ヶ月健診の頃迄には<お母さんの要因>のうち、①②③は解決しているであろうことが予測されるし、<赤ちゃんの要因>についても克服できていそうなら、乳頭保護器を外すトレーニング開始です。

経験的に吸啜力に男女差があることに気が付いている助産師・お母さんは多いと思います。(一般的に男児が女児よりも強い。スッポンタイプ出現率高し。)
男児の場合体重小さめの赤ちゃんであれば3300~3500gくらいに達したら場合。
女児の場合体重小さめでも普通の赤ちゃんでも3800~3900gくらいに達した場合。
・・・についてはかなりの高確率で、直母がすんなり出来るようになります。

出来そうか否かの見極めは、抜き打ち哺乳量測定で、保護器外して直母で1回量が30g以上、哺乳出来るかどうかです。

2013年12月29日 (日)

不妊治療開始前に卒乳が必要ならば。

SOLANINの周囲では、次のお子さんを希望されていて、しかしながら高度な不妊治療を受けなくては妊娠が困難な方に限って(?)母乳育児を楽しんでいらっしゃることが多く、どうしたものかと悩んでいらっしゃることがしばしばあります。

個人差がありますから一概に申せませんが、治療の都合上、万一母乳育児継続が困難である場合は、おっぱいライフの中断が必要になることもある・・・かもしれません。

その際に絶対に止めてほしいのは、悩んだ挙句、突然一気に断乳することです。
恐らくは、「これから始める不妊治療が上手く行き、一日も早く次の赤ちゃんを!」という想いで心がいっぱいになるのでしょう。
年齢的にリミットが近い方は、早く治療に踏み切りたい心情が日毎に募っていくのでしょう。
それはSOLANINにだって理解出来ます。
ただ、目の前のおっぱい星人はにとっては、不妊治療という事情があっても、おっぱいとさよならすることを迫られるわけです。
だからこそお子さんの気持ちを慮って突然一気に断乳することだけは回避していただきたいのです。
「不妊治療のためだから、おっぱい星人のことなんてぶっちゃけ二の次だわ~。」とドライに割り切らないでやってほしいのです。

お子さんに何時間も声がガラガラになるほど大泣きされて、そんじょそこいらの乳腺炎の比ではないくらいに乳房がパンパンになって、「痛いんですぅ。何とかしてください!」という飛び込み受診希望を耳にする度、「あなたにとってのおっぱいライフは一体何だったの?こんなフィナーレで善しとするわけ?どうしてもっと穏便な方法を選択できないの?」と悲しくなります。

気のせいかもしれませんが、無理やりおっぱいを奪われた(≒つまりは言い聞かせ卒乳をしていない)場合、上の子さんの赤ちゃん返りが酷かったり、赤ちゃんに悪さをして叱らざるを得ず、「上の子が我がままで、癇癪が酷くて大変で・・・」と、お母さんがうんざりしているという構図、ちょくちょく目につきます。
どうか次の赤ちゃんに大好きなおっぱいを譲ってあげなくてはならないおっぱい星人の気持ちを、充分に汲み取ってやってください。

かつてウチの子どもが集団食中毒に巻き込まれた時の話。

今から十数年前、SOLANINがT市に住んでいた頃、次男と長女は自宅から至近のT市立K保育園にお世話になっていました。
確か次男が年中児で長女が未満児でした。

保育園には調理室があって、栄養士さんと調理師さんが毎日園児のために給食を作ってくださっていました。
今はどうか分かりませんが、当時のT市では小学校はセンターで給食を作っていましたが、保育園はセンターではなく、園内で作っていたので集団食中毒は起きにくい環境でした。

でも集団食中毒は起こってしまいました。
新聞記事にも大きく取り上げられ、当然保育も給食も一時中止でした。
可哀想に意識が朦朧とするくらい酷い下痢と嘔吐で数日間も入院したお子さんもおられました。
通院しての治療を受けたお子さんも数十人おられました。
そういう状況だったのでT市のエライさんと栄養士さんが各家庭に(何故か薬用石鹸を持参し)謝罪に回っておられ、我が家にも来られたことを憶えております。

原因はサルモネラ菌でした。

しかし、我が家のふたりをはじめ二十数人くらいの園児は検便にサルモネラ菌が出ていないか、出ていても全くの無症候だったのです。
全員に聞き取り調査をしたわけではありませんが、おっぱい育ちの子どもは大抵元気でした。(休園中、仕事を休んでふたりの子どもの相手をしていましたが、元気が有り余っていて私の方がしんどかったことが強く印象に残っています。)

おっぱいに長期的免疫があることをSOLANINが知るのはこの5年後のことでした。

P社の「母○相○室」乳首の「変格活用」について。(若干改訂版)

P社のゴムの乳首であり、O式推奨の直接授乳訓練用乳首である「母○相○室®」というお品は当ブログの読者さんであればみなさんご存知ですよね?
本来ゴムの乳首というものは、哺乳瓶に付けて、搾乳やミルクを哺乳させる場合に使用するのが正しい使用方法です。
なので、今からお話しすることは、あくまでも、SOLANINを含む一部(?)の助産師の見解なので、P社がこういう使い方を推奨しているわけではないので、誤解しないでくださいね。
文法チックに「変格活用」という記事タイトルにしたのはそういう意味があるからです。
搾乳が容易に出来る(≒おっぱいの分泌や乳管開通等には問題ない)レベルで、しかし、陥没乳首や極端な扁平乳首で直母困難な新生児の場合、この「母○相○室®」のゴムの乳首を乳頭保護器代わりに使用すると、意外と直母が上手くできることがあるようです。

特に数年前に、P社はハードタイプの乳頭保護器をリニューアル(したらしいですが、個人的には改悪した印象しかないですね。従来のハードタイプと比較したら、その使用感は雲泥の差ですね。)されてからは、余計にそう思います。

搾乳はおっぱいの分泌の維持向上には重要で立派なな行為ですが、内心お母さん達は「ちょっとでも直接吸ってくれたらいいのになぁ・・・」という気持ちでいらっしゃいます。
当り前ですが、直母で哺乳量が賄えたら、搾乳は必要ないですものね。
一気にダイレクトな(?)直母をするには難しいけれど、いわゆるデバイスを使えば何とかなる場合もあるので、そういう場合はあくまで通過点として使っても良いのではないかと思われます。

但し、たまたまかもしれませんが、昨年から今年にかけてSOLANINが出会った3500g 位迄の体重の新生児ちゃんは、乳頭保護器の代用として「母○相○室®」は使えるものの、ゴムの乳首として「母○相○室®」を使用するのが)難しい方がいらっしゃいました。
具体的に申しますと、搾乳やミルクを哺乳するの際に、本来の直母の時と同じ開口度による咥え方をすれば時間が掛かり過ぎたり、ある程度スイスイと飲むにはおちょぼ口でないと無理で、それではあまり直接授乳の訓練にはならないのではないかという方がいらっしゃいました。

・・・そういう場合は別の哺乳瓶(ゴムの乳首)が良さそうです。
それについては別途記事化しますね。

追記:退院間際でお母さんの搾乳が容易でない、つまり15分くらい要しても10~20ml迄/回が精一杯の段階で、赤ちゃんの吸啜力がまだ弱い場合に「母○相○室®」を乳頭保護器にしても、十中八九まともに哺乳出来ません。
要するに、変格活用の適応にはなりませんからお控えください。(赤ちゃんがくたびれるだけで量になりません。)

2013年12月28日 (土)

段々と乳房が張らなくなったけど大丈夫?(産後3ヶ月初産婦)

初産婦さんで「おっぱいが出過ぎるのではないか?」「新生児期の体重増加度が、完母で50g以上/日だった。」という傾向のある方は、3時間くらい経てば乳房がパンパンになって「早く飲んでくれないかな~」という張り方であることが多いようです。
そういうリズムが約3ヶ月くらい続きます。

丁度、赤ちゃんの満腹中枢が形成し、頸が据わってくる頃までです。
その時期を過ぎると、段々と乳房の張りが少なくなってきます。
3時間経てば、張ることは張るのですが、MAXだった頃と比較すると、「なぁんだ。大したことないなぁ。」というレベルです。

心配になって、助産院や母乳外来で診てもらっても、担当助産師からは
「張ってなくはないし、分泌はありますから大丈夫ではないかな?」
「これくらいの張り方で、充分ですよ。」と言われて拍子抜けしたり、何となく納得が出来なかったり・・・

何故なのかということは、まだ解明されていませんが、時が経てば乳房はさほど張らなくなってきます。
張らないのですが、赤ちゃんに吸ってもらったら、湧き出すようになってきます。
よく出る時間は30秒~1分くらいです。(赤ちゃんはその間ゴクゴク飲み下します。)
短時間で切り替えるとたくさん飲ませてあげられます。

してはいけないことは、「乳房がパンパンになるまで待つことです。」
赤ちゃんがおっぱいを欲しそうにしたらためらわずにあげてくださいね。

乳房が張らなくなったら、お母さんのお食事緩めていいの?

産後間もなく乳房が張り易い時期に、お母さんが少々でもお餅やお肉や揚げ物等脂っこいものや甘いものを食べつけると、いきなりガガっと乳房が張り易いものです。
赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらっても、張りがなかなか引かないと、冷や汗が出るくらい怖いものです。
しかし、やがて少々授乳間隔が空いても、少々イケないモノを口にしても、乳房の張りはたいしたことないなぁ~という時期がやってくると、それまできちんとお食事制限(?)してこられたお母さんほど、一気に気が緩むことがあるようですね。
「これで食事制限(?)解禁か?」と浮かれてしまうことがあるのですね。

それで、緩んだ内容のお食事が数日続くと、「えっ!なんでこんなトコロにしこりが出来たのかな?」「このしこり、押さえると痛いんだけど・・・(汗)」なんてことになってしまいがちです。
そうなるとヤバいですね。
昨今はお正月三が日、おせち料理だけで済ませる方が少なくなりました。
ハレの日だから、ご馳走も食べたいですよね。
その気持ちはとてもよく分かります。
でも、ご馳走ばっかりのオンパレードは、やはりNGなのですよ。

乳房が張りにくくなるということは、乳腺炎になりにくい時期になってきたことことを意味しますが、リスクゼロってわけぢゃないのです。
決して解禁ではないのですね。
お正月三が日から乳腺炎で母乳外来行くなんてシャレにならないですからね。
(開業されている助産院で乳房マッサージ専門のトコロは多分お正月三が日は休診ですよ。)

2013年12月27日 (金)

胎児機能不全って知っていますか?

そもそも、胎児機能不全とは、一体どういうことを指すのでしょうか?
日本産婦人科学会によれば、2006年に
“胎児機能不全とは,妊娠中あるいは分娩中に胎児の状態を評価する臨床検査において「正常ではない所見」が存在し,胎児の健康に問題がある,あるいは将来問題が生じるかもしれないと判断された場合”を指すと定義しています。
昔は胎児仮死(胎児ジストレス)という言葉が使われていました。
けれども、字ヅラ的に新生児仮死と似ていますが、胎児仮死=新生児仮死ではないので、胎児機能不全という言葉に差し替えられたようです。


う~ん・・・今イチ分かり辛い文章ですね。(汗)
妊娠中に胎児機能不全があるとしたら、予定日超過~過期産の場合、胎盤機能低下したり、子宮内胎児発育遅延とか、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の場合ですが、やはり大きな問題になるのは、分娩時ですね。

分娩開始の兆候は、規則的な陣痛、破水(水おり)、産徴(おしるし)ですが、それらはいよいよ子宮口が開大し、産道を徐々に下降して生まれてこようとするおなかの赤ちゃんにとって、程度の差はあれストレスであることは事実です。
勿論、そこを乗り切らないと、おなかの赤ちゃんは産声をあげることは出来ません。
ただ、何らかの要因で、通常の範囲を超えた長期に強いストレスがおなかの赤ちゃんに影響し、心拍に変化を示すようになった(≒かなりしんどくなって頑張りきれない)状態が胎児機能不全なのです。

そのままでは、おなかの赤ちゃんはみるみる弱ってしまうので、まずは産婦のカラダの向きを変えたり(臍帯圧迫の場合、これだけで改善することもあります!)、産婦が呼吸器疾患だったり重度の貧血等の理由で低酸素状態が疑われるならば酸素投与をしたり、過強陣痛であれば一旦点滴で陣痛を和らげたりします。(このような処置で、改善することも充分に有り得ることです!)

しかし、産瘤(さんりゅう)という胎児の頭にブヨブヨした瘤がどんどん形成されてきたり、逆子でもないのに羊水がドロドロに混濁してきた場合は、程度はともあれ胎児機能不全の兆候と見做されるので注意が必要です。
状況が改善し難い場合は、吸引分娩を試みることもあります。
また、臍帯下垂・臍帯脱出が見られたり、常位胎盤早期剥離の疑いがあれば、おなかの赤ちゃんの救命が最重要ですから速やかに帝王切開に切り替えることになるでしょう。

胎児機能不全の完璧な予防方法はありませんが、リスクを減らすことは出来るのではないかと思います。
例えば妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の予防、体重コントロール、貧血の改善は妊婦さんはその気になれば出来ることですよね。
分娩がスムーズに進行すれば、分娩中に胎児機能不全を惹き起すことはまず無いでしょうから、産婦人科ドクターから特別に安静の指示が出ているわけではないならば、体重の過剰増加予防も兼ねて、よく体を動かすこともいいと思います。

いずれにせよ、お産を舐めてかかってはいけません。

母乳パッドの記事が矛盾してるのではないかと疑問に思うあなたへ。

ブログカテゴリー「☆おっぱいの神秘」の過去記事に【搾乳を常温で放置するとどうなるのか】というものがあります。
おっぱいは常温で放置しても5~6時間は天然の殺菌成分が活動します。
その間は落下細菌を退治するから当初よりも落下細菌が減少する旨を書きました。
ということは、母乳パッドに含まれたおっぱいであっても、殺菌成分が無くなるわけではないから、交換はこまめにというのは矛盾しているのではないか?と。

矛盾はしていませんよ。
着衣に覆われた皮膚温は常温よりも高くなりますよね。
落下細菌の繁殖は、あるところまでは温度が高くなるほど凄まじくなります。
殺菌成分の勢いを超えて繁殖することも考えられます。
ということは、やはりこまめに交換しないと、細菌感染などの不都合をきたす恐れがあるということです。
必要な手間は惜しまないでね。

真空パックにご用心!

陥没や扁平乳頭のため直母が困難な場合、乳頭保護器のお世話になることもあるかと思いますが、P社の乳頭保護器のハードタイプは、個人的な感想を言わせてもらえば、前のモデルよりも改悪されていると思います。
実際に使ってみると分かりますが、台座がシリコンのためグニョグニョして、吸引圧が上手く掛らないようです。
おっぱいが乳頭保護器の内側に溜まって来るまでに、長時間を要します。
どうにもしっくりこなくて、イレギュラーな使い方ではありますが、ゴムの乳首を乳頭保護器の代替えに使ってみると、意外と良い感じになることはしばしばあります。
(もちろん、ゴムの乳首を製造するメーカーは、このような使い方を推奨していませんが・・・)

注意点としては、吸引圧が強くなると、お母さんの乳頭が、真空パックされたかのようになってしまいがちです。
そのような状態ではおっぱいは乳頭保護器の内側に溜まっていても、飲み下すことが出来ていないので、一旦ゴムの乳首を乳輪から外し、ゴムの乳首の真空パックを解除してから、再び装着し直して、仕切り直して哺乳という段取りになります。
真空パックされると、乳頭がメッチャ痛くなるかと思いますので、気がつかないということは無い筈です。

2013年12月26日 (木)

何度でも言います!おっぱいは水みたいに薄くなりませんよ。

ミルク育児全盛期の古い知識を振りかざす困った人達はブログタイトルのようなことを仰います。
半年とか10ヶ月とか1年とか、好きなことを仰っています。

では何故そういう㌧でも情報を流す輩が後を絶たないのか?
ギモンに思いませんか?
そう,それはお母さんがおっぱいを長くあげると困る人達からのネガティブキャンペーンなんですな。(なんか身も蓋もない表現になってしまいましたが・・・)

おっぱいの成分は未熟児さんには未熟児さんに、満期産児には満期産児に合ったおっぱいが出てきます。
月齢が進むと、若干組成が変化しますが、大きな変化はありません。

ただ、赤ちゃんはドンドン成長されます。
カラダも大きくなります。
起きて過ごす時間も長くなります。
運動エネルギーによるカロリー消費も増えてきます。

そうすると1日の哺乳量が、1.5リットルくらい必要になってきます。
さすがにそこまでの分泌は難しいし、仮におっぱいが分泌され、飲んでくれたとしても、胃の腑に収まりきりません。
よしんば飲んでも、吐き戻しの連続になってしまいます。

そうして、月齢が進めば歯も生えてきます。
赤ちゃん自身が噛みたいという欲求も出てきます。
徐々に消化機能も高まってきます。
だから離乳食が始まるのです。
おっぱいが水みたいに薄くなるから栄養分が足りなくなるからって訳じゃないのです。
みなさん誤解しないでね。

SOLANINの閃きから生まれた工夫型ハードタイプ乳頭保護器!

そもそも、乳頭保護器は、おっぱいの分泌には問題ないものの、主に乳頭のカタチや大きさ、或いは乳頭のキズの悪化や出血、或いはそれに伴う吸啜痛といった母体要因で直母が困難な場合や、哺乳稚拙や疳癪、或いは舌が短いせいで搾乳でしか哺乳出来ない児要因で直母が困難な場合に、便宜的に使用される性格のデバイスです。

乳頭保護器には大別するとハードタイプとソフトタイプがあり、ソフトタイプは赤ちゃん用品各社から発売されているものの、ハードタイプについてはP社のみが発売しているのが現状です。
そして、このP社のハードタイプ乳頭保護器は、これまでにもモデルチェンジを繰り返しているのですが、約3年前(?)に行われたモデルチェンジ型ハードタイプ乳頭保護器は、率直に申し上げて改悪(←失礼!)としか実感できない使い心地で、従来型のハードタイプ乳頭保護器を適用すべき母子が路頭に迷う有様でした。
ドラッグストアや問屋の倉庫の片隅にある従来型のハードタイプ乳頭保護器を買い集めて褥婦さんに提供するにも、廃番品なので、それにも限界がありました。

特に、巨大乳頭・裂状乳頭・過長乳頭で、いわゆる乳管洞(SOLANIN流に表現すれば、おっぱいのスウィートスポットですな)が深く奥まっている方で、従来型ハードタイプ乳頭保護器であっても苦戦を強いられていた方には、モデルチェンジ型ハードタイプ乳頭保護器は、問題外でした。
そういう方であっても、今回公開するSOLANINの閃きから生まれた(←そんな大層なモノかいな?)工夫型ハードタイプ乳頭保護器は、まさに打ってつけではないかと自負しております。

準備するものは、メ○ラ社の搾乳器のじょうごの部分と、P社やJ社の丸乳首です。
まず、じょうごの管部分を、電動鋸で、端からおよそ2cm程度の箇所で切断します。
怪我をしないように、切断面を鑢(やすり)で処理します。
それにP社やJ社の丸乳首を装着します。
以上です。
パッと見は、従来型ハードタイプ乳頭保護器にソックリです。
まっ、コロンブスの卵ですな。(笑)
でも、従来型ハードタイプ乳頭保護器と比較して、台座となるじょうご部分の直径が大きいのが特徴です。
では、ジャジャジャジャ~ン、画像公開しますよん♪

<工夫型ハードタイプ乳頭保護器>

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2013年12月25日 (水)

自宅で搾乳を続けることの大変さ。

退院時、おっぱいの分泌は充分にあるのに、何らかの理由で直母が振るわず搾母を補足せざるを得ないことがあります。

赤ちゃんがNICU 入院中で面会に通院する段階であれば、搾乳の日々は手がだるい以外は、さほど不都合は無いと思いますが、赤ちゃんが自宅に帰って来たらor健常新生児の赤ちゃんと同時に退院出来る状態であれば、想像している以上に搾乳継続はかなり大変です。

何故かですって?
そりゃあそうでしょう!
だってね、お母さんが搾乳する時に赤ちゃんがタイミング良くねんねしたり、機嫌良くして待ってくれる保障は無いですもの。

どうかすると、赤ちゃんが号泣している横で毎回のように搾乳しなくてはならないって、想像したことがありますか?
きっと、初めて出産を迎える妊婦さんには想像できないだろうなぁ。

毎回搾乳が済むまで旦那さんかおばあちゃんがあやしてくれたら助かりますが、そんな恵まれた環境の方ばかりではないと思います。
「何故私の赤ちゃんは直母が出来ないんだろう?」「やはり私の乳首のコンディションが今イチだから吸いつけないのかな?」等々、理由を考える度に気分が落ち込むし、情けなくなるし、お母さんの方が泣きたくなるかと思います。
そんなモヤモヤした気持ちを抱えて、赤ちゃんの泣き声を聞きながら搾乳って精神的に苦しいです。

かといって搾乳をしなければ、おっぱいの分泌の維持は困難ですし、直母だけでは必要な哺乳量を賄う段階ではないというのは、非常に悩ましい状態なのですよ。
退院後少しでも、搾乳の負担感(≒自転車操業みたいに追い立てられて搾乳する状態)を軽減するには、母子分離時or入院中、1パックでも多く搾乳を冷凍しストックを作っておくことです。
特に、母子分離状態での搾乳生活をされているのであれば、その時の赤ちゃんの1回当りの哺乳量は無視して、気持ち多めに搾乳することです。(搾乳による完母を目指すのであれば、400~500ml/日はキープしたいものです。)
家庭用のフリーザで1ヶ月は保管可能ですからね。

おっぱいの生産には赤ちゃんの吸啜の影響大です。

おっぱいの生産量アップのカギとなるもののうち、最大の要素は赤ちゃんの吸啜刺激です。
わけもなくミルクを足しまくったり、直母による授乳間隔を空け過ぎたり、離乳食を急ぎ過ぎると、おっぱいの吸啜刺激が低下します。
長期的持続的に乳房内におっぱいが溜まった状態ですと、おっぱいの分泌の調整機能が高まります。
それは取りも直さず、おっぱいの分泌量が低下することを意味します。
やがては乳腺組織の退行が始まります。
乳腺組織はおっぱいを生産するのを停止してしまいます。

日々成長する赤ちゃんに、一口でも多く、おっぱいを飲ませてあげたいと願うのは、お母さん共通のココロでしょう。
いつもSOLANINが頻回直母を推奨し、授乳感間隔の空き時間が長いと良くないというのは、おっぱいの分泌に絡んでいるからです。

乳頭保護器というもの。

読者のみなさんは「乳頭保護器」というものを使ったことがありますか?
使ったことは無いけど、見たことはあるという方は結構いらっしゃると思います。
適応としては、「乳頭の傷による痛みの緩和」「扁平や陥没乳頭を手っ取り早く飲むことができるようにしたい」時です。

乳頭混乱を誘発するリスクが高いのでホントはお勧めしたくないです。
どうしてもの場合は、いかなる介助や手段を用いてもこれを使わなければ直母が困難な場合です。

ソフトタイプというのは、陥没・扁平・小乳頭などの際に適応します。
全体が円形のものもありますが、吸い付き方によっては赤ちゃんの鼻腔にフィットしそうになりますから、上部がカットされた形の方がいいです。
デメリットはおちょぼ口を助長することです。

ハードタイプは最近(といっても、ここ1年以内)リニューアルして、台座とシリコンのン乳首の2段式でしたが、硬めのシリコンで、台座~乳首の一体型になっています。
こちらは、大きなお口を開ける練習がしやすいです。
「アヒル」さんのお口にしてもらいます。
この癖を付けたら、外しやすいです。
乳頭損傷の際はこちらのタイプにしなくては、ソフトタイプですと、傷を巻き込んで痛すぎるからです。
デメリットは、舌口唇を内側に巻く赤ちゃんは使いにくいことです。
「アヒル」さんのお口に出来にくいからです。

2013年12月24日 (火)

不味いおっぱいでも搾乳なら飲む?

お母さんの食べたものでおっぱいの味は変わります。
それは喋れるようになったおっぱい星人の子ども達の、多くの証言が物語っています。
もちろん、過去記事にも書いたように、乳房トラブルで多少おっぱいが不味くても不問に付すというか、拘らないというか、抱っこしておっぱいを飲ませてもらう行為自体が好きな子も居ますけどね。

で、その乳房トラブルで不味いおっぱいを、搾乳だったら飲む・・・というの不思議な話、聞いたことがありますか?
あ、もちろん、これは普段からちょくちょく搾乳をのませてもらってる赤ちゃん・お子さんに限定された話ですよ。
普段直母だけの赤ちゃんに、おっぱいが不味いからといって、いきなり搾乳入りの哺乳瓶のゴムの乳首を突っ込んだって、嫌がって飲まないのは自明の理ですからね。
そこを間違えないでくださいよ。

赤ちゃん・子どもの舌の感覚は本来鋭敏なのです。
しかし、搾乳の場合どこか感覚が鈍るのか、「よくこんな不味い味なのに飲めるよなぁ。」と、傍で見ていて気の毒なくらいのおっぱいであってもすうっと飲むのことがあるのですね。
もちろん直母は猫パンチで嫌がってます。
仰け反り過ぎて落っこちそうなくらい暴れて拒否します。
同じおっぱいなのに、どうなってるのかな?

そう言えば故・山西みな子先生もそんなことを仰っていたような気がします。
先日の記事で月経再来時に直母は嫌がるのに、搾乳はすんなり飲みますというコメントを下さった方がおられましたが、同じ理由だと思います。
これは、私の勝手な想像ですが、月経前や乳房トラブルの際は乳房に鼻先を近付けたら嫌なにおいがするのではないか?と思うのです。
赤ちゃんて、嗅覚が鋭敏だからそうなのではないか?と、思いました。
乳房からのにおい説については、まだ喋れるおっぱい星人に確認したことはないのですが、万一出会ったら是非とも聞いてみたいと思ってます。

但し、勤務先で出会う完母の子どもで、喋れるようになって哺乳瓶で搾乳を飲む子は皆無だから、確認したくても出来ないのですが。(汗)

スリムなお母さんのおっぱいには栄養が無いですって?

暫く前にみなさんから寄せていただいたトンでも情報についての続報です。

10年前~20年前と比較して、若い男性とは反対に、若い女性は痩せの方の割合が増加しているのは、ご存知かと思います。
そのせいかもしれませんが、よく分からないことを仰る方が居られるようです。
個人的には初めて聞きました。
「痩せたお母さんのおっぱいは栄養が無い。」って・・・えええええ~?
お母さんの体格でおっぱいの栄養分が変わるなんて、医学的にどうのこうのと論じるまでも無いことです。

しかもこの方は、「おっぱいには目盛がないからどれだけ飲んだか分からないから、ミルクをあげなさい。」と強要されたとのこと。
そりゃあ、おっぱいには目盛は無いですけれど、赤ちゃんの飲んだ様子や、おしっこの量や回数である程度判断できますし、赤ちゃんだって哺乳マシーンではないから、たくさん飲みたい時もあれば少しでいい時だってありますからね。

さらに、「お母さんの食べたものでおっぱいは味が変わるから、お母さんが何を食べようが味の変わらないミルクをあげなさい。」とも言われたそうです。
おっぱいの良いところが、お母さんの食べたもののお味をおっぱいを通して赤ちゃんが知ることが出来、味覚の発達に寄与するという点ですが、それはバッサリ切り捨てるようなことを言われるのですね。
赤ちゃんの飲み方が変わることで、月経再来や乳腺炎の予兆に気が付くくらい、おっぱいって神秘的な飲み物なのですがね。
大体、ミルクだってメーカーさんが変わればお味も微妙に変わりますから、それだけで飲んだり飲まなくなったりするくらい、赤ちゃんの舌は敏感なのですよ。

全体を通して全く逆(ぎゃく)ではないか?ギャグではないか?という、トンでもなアドバイスですね。(汗)
ミルク屋さんの営業さんであっても、ここまで言う方はそうそういらっしゃらないと思いますが・・・
こういうのは、真に受けちゃダメです。
読者のみなさんがお得意なスル―作戦で行きましょう♪

保護器外しは時期を待って、無理しないでね。

乳頭保護器、母乳育児のスタートに使用せずに済むならそれに越したことがないものの代表格です。
この乳頭保護器、もちろん乳頭形態やお母さんの極度のぎこちなさ(授乳姿勢を保てない赤ちゃんに自力でご自分の乳首を含ませられない等)、赤ちゃんの哺乳稚拙の場合など止むを得ないこともあるのでしょうが、直接授乳(いわゆる直母)介助をする助産師のテクニックの優劣にも使用頻度が左右されるように思います。
(若い助産師さんは直母介助のテクニシャンの先輩の手元をよく見て、テクニックを盗んでくださいね。)

乳頭混乱の元凶とも言われるこの乳頭保護器、大抵は片方が完全な正常乳頭でなければ両方の乳首に使用されることが多いです。
しかし、お母さんの乳頭がシンメトリーとは限りません。
例えば片方が仮性陥没、もう片方が扁平だったら、恐らく扁平乳頭の方が早く克服出来ます。
その場合は漫然と左右両方使用するのではなく、出来るようになった方から直母をしていってください。
片方でも出来るようになるとお母さんはとっても嬉しいです。
しかし、この段階で難しい方の乳首まで一気に外すと、大抵は上手くいきません。
お家に直母介助に秀いでた助産師がいるなら別ですが、フツーはそんな僥倖はありませんね。
そう、お母さんは焦ってはいけないのです。

下手をすると、順調に経過していた体重増加に水を差すことになりかねません。
最悪の場合、直母に固執すると、赤ちゃんの体重が減少してしまうことも稀ではありません。

乳頭保護器を外す際は必ず助産師に「これでいいのか?」のチェックをしてもらい、3日後くらいには再診して、自力でもやっていけるかどうか、確認してもらうことが必要です。

2013年12月23日 (月)

あの予防接種がいよいよ定期接種に!

2013年12月19日の記事をお読みの方はご存知かもしれませんが、定期接種が増えることになりました。

当初予定よりも少なくなったようですが、65歳以上の高齢者を対象とした「肺炎球菌ワクチン」と共に、「水疱瘡ワクチン」も定期接種に加える方針が固まったそうです。

具体的な時期としては、2014年の秋からで、2回接種のカタチになるそうです。
「ヒブ」や「プレベナー」もそうですが、追加接種をすることで、ブースター効果が高まりますからね。

元々は血液のがんを患う子ども達が、水疱瘡に罹患するとそれこそ命取りになるので、それを未然に防ぐために開発されたと小児科病棟で実習していた学生時代に聞いた記憶があります。

大昔の私事ですが、SOLANINは、小学3年生の春に水疱瘡に罹りました。
痒さに負けて掻き壊して、1ヶ所だけですがおなかに痘痕(あばた)が残っています。
まぁそれは、普段目につかない部位なので、当時も今もさほど気にしていませんが、あの頃めっちゃ困ったことは、始業式から2週間くらいお休みすることになったことです。
クラス替えの学年なのに、友達作りに出遅れたことと、勉強がさっぱり分からなくて、落ちこぼれそうになったことが今思い出しても非常に辛かったですね。
そういう経験があるので、
我が家の旧・子ども達には、「水疱瘡」のワクチン、自己負担の任意接種時代ですが、勿論3人共接種していますよ。

赤ちゃんの鼻掃除はおっぱいを活用しては如何でしょう?

赤ちゃんの鼻腔は狭くて詰まり易く、ハナクソも溜まり易いものです。
しかし、鼻掃除をしようとすると全身で拒否して、号泣する子も稀ではありません。
っていうか、鼻掃除が大好きな赤ちゃんって、多分居ないと思います。

過去記事に書いたような気がするのですが、ちょっと見つからなかったので、書かせていただきます。
それはですね~、鼻掃除の際はみなさん大抵ベビーちゃん用綿棒にオイルを浸してクリクリと、ハナクソを取るという作業をされるかと思いますが、そうではなく、ベビーちゃん用綿棒に浸すのはおっぱいにしていただきたいのです。

おっぱいの出方には個人差がありますが、数滴だったら、断乳でもしていない限り恐らくほぼすべてのお母さんが出ると思います。
おっぱいを浸すメリットは、おっぱいの良い匂いがするから、いつもより嫌がらなくお掃除させてくれることです。
「あっ、あれ?おっぱいの匂いだぞ!」と気が付く頃には、ハイ!終了!
「もう終わったよ~頑張ったね~。」とおっぱいを飲ませてあげたら、斜めになりそうだったご機嫌はV字回復です。

しかも、おっぱいをお出かけ前に鼻腔粘膜に塗布すると、おっぱいに含まれる天然の殺菌成分で、ちょっとしたバリアが出来ちゃいます。
帰宅直後にもう1回塗布したら、外出中に鼻腔粘膜に付着した感染症の原因となる何やかやを排除することが出来るかもしれません。
何処まで効果があるのか?と言われてもまだ誰も研究していないから、何とも言えません。
しかし、何もしないで丸腰で外出して、感染症の原因となる何やかやを仕入れてくるリスクを考えれば、おっぱいはタダですし、赤ちゃんが嫌がることではなければ、やってみてもいいのではないでしょうか?
掃除兼バリア。
試してみませんか?

抱っこの仕方でおっぱいの出が良くなる?

抱っこの仕方(=ポジショニング)でおっぱいの出方が良くなる?・・・ってことはないです。
でも、抱っこの仕方が変わればそれまで以上に赤ちゃんが効果的に吸着(=ラッチオン)出来るようになることはあります。
たくさん飲めるようになります。
つまり、そのお母さんと赤ちゃんのカップルによって、また体重や月齢によってベストな抱っこし仕方(=ポジショニング)は変わり、吸着(=ラッチオン)のレベルも変わります。

吸着(=ラッチオン)のポイントは「深く」「大きく」「丸く」です。

従いまして、「赤ちゃんがむずがる」「乳首が痛い」「乳房にしこりが出来やすい」「赤ちゃんの口から乳首を離した瞬間、乳首がつぶれたり歪んだりしている」「赤ちゃんのカラダが捩れている」「赤ちゃんの頸が俯きがちになり折れている(=下顎が引きっぱなし)」「口唇が内側に巻き込んでいる」「赤ちゃんの向き癖に逆らった抱き方をしている」などは抱っこの仕方(=ポジショニング)か吸着(=ラッチオン)のどちらかもしくは両方とも上手くいってないということです。

自分なりにやってみてどうにもこうにも上手くいかない時は母乳外来で授乳の様子を見てもらい、アドバイスしてもらうのがいいと思います。

2013年12月22日 (日)

美食の季節到来!

もうすぐクリスマスがやって来ます。
大きなケーキにたくさんのこってりしたご馳走がこれでもかと繰り出される季節でもあります。
母乳外来やおっぱいケアに力を入れている助産院で働いている助産師にはアタマの痛い季節でもあります。

普段はストイックな食生活のお母さんであっても、(その反動もあるのでしょうが・・・)この季節はタガが緩むくらいでは済まず、完全に外れてしまう状態な方も相当数いらっしゃいます。
ウン年前のクリスマス明けには「3食の他に直径18cm(=6号サイズ)のクリスマスケーキをワンホール喰べてしまい、急性の超酷い乳腺炎になられたお母さんがSOLANINの勤務先の母乳外来に駆け込まれて来ました。

ワンホールですよ!
(ちなみにそれまでSOLANINは円型ケーキ1台をワンホールと呼ぶことを知りませんでした。)
推定カロリー2500~3000キロカロリーはゆうにあります。
おっぱい星人のお母さんの毎日の摂取カロリーはおよそ2400~2500キロカロリーはありますから、その日はいつもの2倍の摂取カロリーだったわけです。
そりゃあアナタ、そんな喰べ方をしたら、トラブりますって。
トラブって当たり前ぢゃないですか。
乳房診る前からどんな状態か充分に想像できます。(怒)
(きっと、おしっこにも糖が降りている筈です。)
あれだけ無茶な喰べ方しないでねって言ってるのに。(涙)
将来万一、ウチの長女や姪っ子が授乳中にそんな暴食したら、鉄拳制裁ですな。

イベント日だから、ケーキを一切れも喰べるなという野暮は申しませんが、全体のバランスを考えたお食事にしてやってくださいな。
宜しくお願い致します。

大きな乳房×小さい赤ちゃん=フットボール抱き?(新生児)

まぁ、一般的には助産師の間では、そういう風潮が主流だと思います。
それで問題なければそれでいいのです。

しかし、お母さんが再三の授乳指導にも拘らず不得手(つまり、ぶきっちょさん)であると、それが出来ないのですね。
具体的に申し上げますと、赤ちゃんの後頸部を支えるのに、赤ちゃんの下顎をお母さんの乳房の下縁側にくっ付くようにしてもらわないと決して哺乳できないのに、何回いや何日経っても、赤ちゃんの下顎が浮いてしまう=下顎を引いてしまい上顎にばかりチカラが掛かってしまうということです。
助産師がお手伝いしたら正しいラッチオンが出来ても、お母さんだけの力では正しいラッチオンが出来ないなら、その方には不適合なポジショニングなんですね。

おまけに赤ちゃんがスタミナ不足でおちょぼ口系の下手っぴちゃんであると、クチュクチュしてるだけですから、乳頭頂に乳頭亀裂が出来て、しっかりケアしているにも拘らずいつまで経っても軽快しないのですね。(涙)
挙句、うっ滞性乳腺炎になる、乳汁分泌が低下する、赤ちゃんの体重が一向に増えない・・・と悪いことずくめになってしまいます。

遅くとも生後2週間の時点でこのような状態だったら、私はポジショニング変更したほうが良いと思います。
舌小帯短縮症系の下手っぴちゃんの場合、お母さんがどんなに大きな乳房だったとしても、乳房をヨイショと上下に把持して立て抱きされることを迷うこと無くをおススメしたいです。
しかし、おちょぼ口系の下手っぴちゃんの場合、敢えて授乳クッションで高さ合わせして、交差横抱きにしてもらった方がしっくり来るかと思います。
ネックがあるとしたら、横抱き等寝かせる姿勢のポジショニングは直ぐにウトウトしてしまい、1クールが精一杯だということ。

新生児で小さい赤ちゃんの場合、SOLANINのこれまでの経験から鑑みても、かなり出方の良いお母さんであっても、1クールで30g以上哺乳出来る例は稀ですから、最低でも16クール/日はおっぱいをあげないと成長に必要な哺乳量は確保できにくいと考えます。

お母さんの乳頭・乳房トラブルの早期収束と、赤ちゃんの正しいラッチオンのマスターと哺乳量確保には、ポジショニング変更が有効だということです。

2013年12月21日 (土)

龍鳳胎って知っていますか?

過日、とあるセミナーで多胎児支援について学ぶ機会がありました。

読者のみなさんは信じ難いでしょうが、恐らく昭和の終わり頃迄は、双子ちゃんが出生することを忌み、年賀状などでお知らせすることを身内(例えば義両親)から厳禁されていた時代があったそうです。
つまり、身内であっても双子ちゃんの出生を心から喜んでくれないことがフツーにあったということです。

変な因習というか、人権的にも酷い話です。
自然妊娠であろうと、治療を受けてのことであろうと、ヒトが生まれて来ることはそれだけで素晴らしことだとSOLANINは思います。
ひとりの赤ちゃんを産んで育てるのだけでも大変で、双子ちゃんを産んで育てた経験の無い立場としては、忖度するしかないですが、きっと、「このお母さんだったら、僕たち私たちを受け入れて育ててくれるんじゃないかな。」と選んで来たのだと思います。

それを分からないなんて、どうかしてます!
あ~腹が立ってきた!

ところがお隣の中国では、双子ちゃんの出生を忌み嫌うような因習は無いようです。(民族が多いので全てを知るわけではありませんが・・・)
むしろ、男の子と女の子の双子ちゃんの場合、龍鳳胎(ろんふぁんたい)と呼ばれ、とてもおめでたいこととして、大いに祝福されるのだとか。

双子ちゃんの誕生をもっとナチュラルに受け入れられ、子育てに追われ、てんてこ舞いの双子ちゃんのお母さんを応援していけるのが成熟した社会の証ではないかと思います。
何か自分に出来ることは無いかと考える今日此頃です。
取りとめのない文章で済みません。(汗)

おっぱい製造工場を稼働させるスイッチは大きな力が要りますよ。

おっぱい製造工場を稼働させるためには、3つのおっぱいスイッチを入れることが必要です。
その1つが、「赤ちゃんの吸啜」であることは、読者のみなさんは既にご存知かと思います。

さて、このおっぱいスイッチ、何となくイメージ的には、タッチパネルに触れる程度かな~?という感じでしょうか?
確かにおっぱいの立ち上がりが早い傾向にある経産婦さんで、前回も分泌過多のお母さんにとっては、おっぱいスイッチはその程度かもしれません。


けれども、大抵の場合、それは違います。
バラエティー番組の「深○○ハナシ」のスイッチのように、力を入れてガッチャンとレバーを引かなければ入りません。


つまり、赤ちゃんの「しっかりと力強い」「頻回の」「深いリズミカル」な吸啜が無ければ、おっぱいスイッチはいつまで経っても入らないのです。(汗)

ですので、「怒るように、ギャン泣きするくせにおっぱいを咥えたらクッタリして、まともに吸いつけない」や「下手っぴちゃん」場合は、おっぱいスイッチが入らないものですから、お母さんは「私っておっぱいの出ない体質なの?」と悩まれることが少なくないです。
でも、実際はそうではないこともあるのですね。


時にはミルクの力も借りつつ(←あっ、自己流はNGですよ!)、赤ちゃんの体重増加を図り、日にちの経過と共に、哺乳力が身に付いてくれば、力を入れてガッチャンとレバーを引けるようになるのです。
直母量を抜き打ち測定し、回を追う毎に、少しずつでも直母量がアップしてくるのであれば、脈はありますよ。
簡単に諦めないでね。

「トゥィーティーの嘴」作戦とは?

こと、直母をするということに関しては、おちょぼ口さんは不利ではあります。
おちょぼ口さんは、直母を諦めざるを得ないのか?
いいえ、そんなことはありません。
直母が上手くいくように仕向けていくことは可能です。

どうすればいいのか?
もちろん、左右の口角間の長さは一気に大きくすることは不可能ですが、縦方向であれば、ある程度お口の開け方を大きくすることは可能です。
直ぐに出来て、かなり効果的なのが、「トゥィ―ティーの嘴」作戦です。
お母さんの親指と人差し指で、赤ちゃんの両口角の外側から正中に向かって、指の腹同士がくっつくくらいに挟み込むのです。
そしたら、赤ちゃんの口元が、「トゥィーティーの嘴」みたいになるでしょう?
指の腹同士を挟み込んだり緩めたりしてみるのを何度でも何度でも繰り返すのです。
単純な動作なのですが、暇に任せて(?)赤ちゃんを抱っこしている時等に毎日延々と繰り返していくと、赤ちゃんのお口の開き方が改善してきます。

ちなみに、目の前の赤ちゃんがおちょぼ口か否かのチェックをするとしたら、どの辺りで判定すればいいのか?といいますと、少なくともSOLANINがチェックするポイントは、赤ちゃんの小鼻の幅よりも両口角が内側であれば、おちょぼ口だと見做しています。
反対に、小鼻の幅よりも両口角が外側であれば、おちょぼ口ではなかろうということで、「トゥィーティーの嘴」作戦は不要かと存じます。

2013年12月20日 (金)

妊娠糖尿病のお母さんこそ、できる限りおっぱいをあげてね。

近年、妊娠糖尿病の診断基準が厳しくなったせいもあるのか、ここのところ、どの病産院でも妊娠糖尿病(以下GDMと表記します)の方が増えているようですね。

妊娠糖尿病の方が母乳育児をすると、母子双方に特典があります!
お母さんが将来、2型糖尿病になるのを予防する効果があるし、赤ちゃんが肥満や糖尿病になりにくいという研究報告が多数あります。
それは、GDMの鎖を断ち切れるかもしれないってことです。

ただ、GDMの赤ちゃんの中には血糖のコントロールが上手く行かず低血糖で治療を受けなくてはならない場合もあります。
出産直後はまだおっぱいの分泌が立ち上がっていませんから、止むを得ずミルクの補足をすることもあるでしょう。
場合によっては、赤ちゃんに点滴をすることもあるかもしれません。
また、生下時体重は大きめでも、今一つ活気に乏しく、クッタリして、直母ができにくい赤ちゃんも散見します。

その場合は焦っても仕方が無いです。
取り敢えずは気持ちを切り替え、搾乳を頑張りましょう。
おっぱいの分泌の維持向上を図りつつ、赤ちゃんの吸啜意欲の高まりを待つのです。
そして、やがて直母が出来るように、直母が出来るようになったら次は量になる位飲めるようにと、時間はかかってもひとつずつステップアップしていけるようにしていけたらいいのですよ。
ひとくちでも多く、そして1日でも長くおっぱいを飲ませてあげられたら、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても意味があるのですよ。

ゴムの乳首でどの程度であれば直母に移行できるのか?

直母する時のお口の開き方(SOLANIN流に表現すれば開口度)は150度以上必要ですが、一般的な哺乳瓶のゴムの乳首を吸う場合大体90度くらいで事足ります。
それは国内外を問わず各種哺乳瓶メーカーさんの細口の哺乳瓶全般がそうですし、太口哺乳瓶の代表選手的なP社の「母○実○®」も然りです。
(あのゴムの乳首は、先っちょの透明度の高い部分をクチュクチュするだけでジャンジャン出てきます。大きなお口を開ける必要性はありません。おちょぼ口を助長するというか、典型的なボトルマウスになる危険性が高く、自己判断で「母○実○®」を使用され、慣れてしまった赤ちゃんで、その後何の苦もなく直母が上手になって行かれた方にはSOLANINはまだお目にかかったことはありません。乳頭混乱で母乳育児を諦めた方には何人も出会ってますが・・・)

直母をするのと同じくらいの開口度でなければ真っ当な哺乳動作が出来ないゴムの乳首は、現時点で私が知る限りではP社の「母○相○室®」のみですが、どの程度近いのかということを文章で説明するには限界がありますから、思い切って画像でお見せしたいと思います。
以下、比較対象してみてくださいね。

《《母○相○室®の乳首を使った哺乳の好例》》

30_2

画像では、上口唇が若干内側に巻き込みそうに見えますが、実際は、しっかりアヒルさんのお口になっています。
ゴムの乳首の基底部に口唇がくっつきそうなくらい、ガバッと開いているのが、お分かり頂けるかと存じます。
出来れば上口唇は、あと5mmくらい深く咥えてほしいですが。
分度器を当てて貰うと分かるでしょうが、大体140度前後はあるようです。
この開口度でスムーズに哺乳が出来ていることが、まず最低限必要です。
この記事で言うトコロのスムーズな哺乳とは、100mlの搾乳やミルクであれば、「母○相○室®」のゴムの乳首を使って(もちろん、穴のサイズはSSです)、15(020)分程度で哺乳出来るペースです。
スムーズな哺乳が出来る領域に到達していれば、哺乳の最中にちょこっと口角を頬っぺた側に引いたら、直ぐに赤ちゃんの舌が見える筈です。
舌が前に出て、左右からの巻き付けが出来るようになっています。
この状態であれば、直母の習熟は充分可能だと思われます。
反対に、この開口度で咥えることが出来たとしても、哺乳の最中にちょこっと口角を頬っぺた側に引いても、赤ちゃんの舌が見えない状態であれば、スムーズな哺乳が出来る領域には到達していないと思われます。
舌が前に出てきていないし、左右からの巻き付けには至っていないからです。
口裂け女くらい口角を引っ張れば、赤ちゃんの舌が見えるかもしれませんが、そのような状態では・・・まだまだなのですね。(汗)
直母の練習は、これらのチェック項目をクリア―されてからの方が適していると思われます。

《《直母の好例》》を画像でアップしたいのですが、こういった場では猥褻物扱いになる恐れがあるようなので、差し控えさせていただきます。(涙)
(ご存知の方もあるかと思いますが、雨風呂の時そうだったので・・・)

この画像の赤ちゃんは直母ですが、アヒルさんのお口になっていますね♪
開口度はおよそ150度はあると思います。
この赤ちゃんの生まれた時の体重は、2000g程度の低出生体重児でしたが、3300gを超えて初めて真っ当に直母が出来た時のものです。
それまでは、ひたすら大きなお口を開ける練習としてトゥィーティーの嘴作戦を遂行したり、乳頭混乱を来たさないように、搾乳は常にシリンジと指で吸啜トレーニングで飲ませましたし、「母○相○室®」のゴムの乳首を乳頭保護器代わりに使用して、地道に直母の練習をしていました。
苦節1ヶ月半で、直母でスムーズな哺乳が出来る領域に到達されました。

2013年12月19日 (木)

定期接種ワクチンが増えるらしいです。

2013年12月16日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で、厚労省から示された予防接種に関する基本計画案を大筋で了承したとのニュースをご存知でしょうか?

具体的に何が大筋で了承されたのかと申しますと、これまで任意接種だった「B型肝炎」「ロタ」「水疱瘡」「おたふく風邪」「成人用肺炎球菌」の5種類のワクチンが予防接種法に基づき、自治体が実施する定期接種へ移行するということだそうです。

ほほぅ、いよいよですか。
「ロタ」以外の4種類は、国内でもかなり歴史(実績)のあるワクチンですからね。

日本は世界的に見ても明らかにワクチン後進国ですが、ワクチン先進国との格差を解消するための措置とのことです。

2013年春から定期接種に転換された「ヒブ」「プレベナー」や、「不活化ポリオ」のように安全性を高めたモノもありますので、徐々にではありますが、接種できるワクチンのギャップが少なくなるのは良いことだと思います。
接種を受けるにあたり、定期接種化されれば、万一の保障の面で安心ですし、経済的な負担も緩和されますしね。

厚労省は、一般からの意見も募った上で、来年4月頃に告示する予定らしいです。

財源は何を充てるのか・・・ちょっと気になりますが、子ども達の健康に有効なことに使われるのであれば、これぞ「生き金」だとSOLANINは思います。

通常時と乳腺炎時のおっぱいの味は違います。

赤ちゃんにおっぱいをあげた経験のある読者のみなさんは、今までにご自分のおっぱいをテイスティングしたことがありますか?
なんとなく違和感があって、テイスティングなんて出来ませんか?
見解の相違かもしれませんが、大事な赤ちゃんの口に入るものですから、そんなことを仰らずに、是非してみてください。

通常時は色目的には薄青白く、仄かに甘くて、さらっとしています。
全体的に薄味です。
赤ちゃんが必死になって喉を鳴らしてゴクゴク飲む、あの状態です。

しかし、乳腺炎になりかけると、色目的には黄色みを帯びてきますし、甘味が薄れてしょっぱく、ドロッとしてきます。
全体的に濃ゆい感じです。
赤ちゃんが猫パンチしたり、仰け反ったり、小言を言い乍ら飲む、あの状態です。

通常時からおっぱいのテイスティングをして、どういう味が赤ちゃんの好みの味かを憶えておくと、「もしかして、ヤバくなってきたかな?」の段階で、味の変化をお母さん自身が察知できるようになります。
適切な対処を迅速に行えば、乳腺炎の泥沼に入らず、傍を通り抜けるだけで済む可能性大です。

セルフチェックの意味で、おっぱいのテイスティングをしてみませんか?
コンディションが変われば、おっぱいの味が変わることを、自らの舌で体感していただきたいです。
人間のカラダは上手く出来ているなぁ、おっぱいは神秘的だなぁって思います。

添い乳って良くないのですか?(1ヶ月半)

<ご相談内容>
添い乳ってあまりしない方がいいのですか?
なんか、癖になったら大変らしいって聞いたのですが?
今のところ、私の乳房が小さいせいか、横になった状態では、赤ちゃんがおっぱいに届かないためしたことはないのですが・・

<SOLANINの回答>
添い乳は広い意味でポジショニングのひとつです。
した方が良いのか?or 悪いのか?という訊かれ方に対しては、何に力点を置いていらっしゃるのか分からないので、ちょっと答えにくいですね。(汗)

添い乳のメリットとしては、抱っこの授乳ではなかなか眠ってくれない場合の寝かしつけに効果的ですし、夜中に何度もお布団を出て抱っこして授乳するのは億劫だとお母さんが感じられるのであれば、わざわざカラダを起こすという負担がないですし、した方がラクなのではないでしょうか?

反対に、寝かしつけを旦那さんにさせようという考えの方には不向きですね。
当り前ですが、添い乳で寝かしつけるのは、お母さんじゃないと出来ないワザですからね・・・

相談者さんからしたら、物凄く先のことですから、ここから先は余談ですが、1歳を過ぎてからの長期授乳のお子さんで、添い乳をする際に気をつけることは、寝る前の歯磨きをしっかりして、可愛い我が子のお口の環境を綺麗なままで維持することです。(勿論、添い乳をしていなくても、目指す方向は同じだと思いますが、一部(?)の歯科関係者は添い乳=虫歯、長期授乳=虫歯という視点で、断乳を勧められる方もいらっしゃるからです。折角楽しんでおっぱいをあげていこうとしているのに、そんな風に言われたら業腹ですやん?)
長期授乳で添い乳を続けるって何となく大変なイメージがあるかもしれませんが、SOLANINの経験上言えることは、添い乳でさえセルフで飲んでくれるようになりますから、手間要らずになってくるということです。(笑)

2013年12月18日 (水)

後乳の脂肪の量が増えるのは知っているけれど。

国際認定ラクテーションコンサルタントの先生方のご著書を読んでいると、前乳・後乳という表記が出てきます。
いわく、後乳は飲ませ始めの前乳よりも脂肪分が多く、体重増加や赤ちゃんの満足感を考えると、3分とか5分とかの短時間で左右交代して飲ませるのではなく、後乳までしっかり飲ませてあげるのが良いです・・・とのことです。
~前乳はさっぱりしてい前菜のような感じで、吸わせる時間の経過とともに徐々に脂肪分が増えてきて、最後はデザートのアイスクリームのようになってくる、お食事のフルコースのような変化があるのです。~というような比喩をしていらっしゃいます。

そして、ご著書には、参考資料として、30秒毎に搾乳して試験管に入れたものがズラリと並び、脂肪分が増える様子が一目瞭然の写真が掲載されています。
直母であっても、ほぼ同様に変化していくということなのでしょうね。
説得力ありますねぇ。
なるほどねぇ。
しかし、その写真を穴が空くほど見つめ続けているうちに、SOLANINは「あっ!」と気が付いたのです。
何が「あっ!」なのか?
あまり重箱の隅を突くようなセコいことは言いたくないのですが、搾乳の入った試験管、全部で15本並んでいたのですね。
それって、トータルで7分半ってことだと思われます。
別に何十分間も延々と搾乳を採取していたわけではなさそうです。
勿論、搾乳を続けていた可能性も否定できませんよ。
でも、そうであれば、敢えて掲載していない理由は何だろう?って、SOLANINは思うのです。
順当に考えれば、恐らく「7分半以上搾乳を続けても、脂肪の量はさほど変化が無かったからではないか?」という推理が成り立ちます。
だって、もしも搾乳を続けることで、脂肪の量が青天井に増え続けるのであれば、試験管を15本なんかで終わらせる理由が無いからです。
試験管はもっと多くズラリと並べて撮影した方が迫力があるし、読み手に与えるインパクトも大きくなります。
なのに、15本で終わらせている理由があるとしたら、それ以降の搾乳の脂肪の量は、さほど変化が無かったからと見做すのが妥当ではないかと思ってしまうのです。

単なる深読みのし過ぎでしょうかねぇ?
仮にの話ですが、片方7分半吸啜させるのって、SOLANINには若干長く感じますが、べらぼうに長いとは言えない時間です。
この写真を見るたびに、何とも言えないモヤモヤした感じが払拭できないでいます。

浅飲みだけど大丈夫?(4ヶ月)

<ご相談内容>
はじめまして。
我が子はちょうど4ヶ月(産まれたとき3160g→現在7830g)です。
SOLANINさんのブログのお陰で退院後から完母でここまで来ることが出来ました。(本も二冊とも買いました♪)
突然の相談ですみませんが、我が子の浅飲みが気になります。
横から覗くと口角が90度位しか開いていません。
毎月定期的に出産した母乳外来でみてもらうのですが、「ここまで大きく育ってるから心配無い。気になるなら赤ちゃんが寝ぼけているうちに上唇をめくればいい。」と言われてしまいました。
私自身で乳輪から含ませようとするとえづかれたり、たまにそれまで飲んでいた母乳を吐かれてしまいます。
幸い乳房トラブルはあまり無く過ごせています。
赤ちゃんが順調に育っているのならばこのままで良いのでしょうか?

<SOLANINの回答>
ふむふむ、なるほど。
一読した限りでは、不思議な感じがします。
浅飲みで、口の開きが少ない赤ちゃんである。
しかし、しっかり飲めているのか、体重増加が良好な赤ちゃんである。
しかも、おっぱいトラブルもあまり無しとのこと。
二律背反というか、逆条件がそろっているのに、結果に問題が無いのですね。

おっぱいトラブルがあまり無しというのがどの程度かは想像するしかありませんが、恐らく相談者さんご本人が、気にならない程度なのでしょうね。

もしかして、流し込み直母なのか?と思いましたが、そうであれば、この位の時期から一気に体重増加度が月齢相当以下に激減しそうです。
そういう兆候は無いとしたら、流し込み直母ではないと思います。
たまたまラッキーなのか?
そうかもしれません。
罹りつけの母乳外来の助産師から、「ここまで大きく育っているから心配ない。」と言わしめたのですから、ホントに気にしなくていいのかもしれませんね。

では何故浅飲みなのに、しっかり育ち、乳房トラブルにならないかを考えてみました。(順不同です。)
1.お母さんの乳管が太い。
2.乳頭が長めの形であるか乳輪が柔らかくて、。
3.赤ちゃんのお口が、元々かな~り大きめである。
(例:布袋○泰夫人の今井○樹さんか、ドリカムの吉○○和さんをイメージしてください。)
あくまで稀なケースだと解釈してくださいね。
これは、普遍的に当て嵌まる訳ではないですからね。

2013年12月17日 (火)

上に体育館でのスポーツ系習い事をしているお子さんがいらっしゃる方ご用心。

上にお子さんがいらっしゃって、習い事をしていると、産後1ヶ月経たないうちから送迎をされることもあるかと思います。

その時充分過ぎるくらい気に掛けてほしいことは、寒さの厳しくなるこの時期は1にも2にも保温です。

ピアノや英会話やリトミックなどインドア系の習い事であれば、終わるまで待つ場所もインドアなので、そこそこ暖かいかもしれません。

しかし、いわゆるスポーツ系の習い事であれば、恐らく温水プールのスイミング以外はめっちゃ寒いと思います。
保護者が陣取れる場所は、器具庫の傍とか、アリーナ席とかですが、玄関のドアが開く度に寒風が吹きすさび室温が更に低下します。
赤ちゃんの授乳の際は、自家用車に戻ってヒーター付けられるとしても、冬の体育館は、国際大会や全国大会に供されるようなエアコン付きの一部の例外を除き、カラダの芯から冷えまくります。

学生時代、学校や地域の体育館で部活や試合を経験した方は憶えていらっしゃるかと思いますが、冬の体育館って、ボア付きのナイロン系のロングコートを着ても、ちっとも暖かくないでしょう?
応援や観覧のためにプラスチック製の椅子席に座った瞬間、お尻がキュンと冷えませんでしたか?
あの椅子席に座って座面が温まるまでにカラダの体温が奪われる感覚ってありませんでしたか?
冷たい椅子席に座るには絶対に座布団が欲しいし、携帯カイロや膝掛け毛布などで防寒しないと、足先の感覚が麻痺してくることだってあります。
スキー場やスケート場も確かに寒いですが、冬の体育館の寒さレベルも五十歩百歩ですよ。

そんな場所に赤ちゃんを連れて行ったらどうなるか?
下手をすると、低体温症になりかねませんよ!
短肌着・コンビ肌着・カバーオールの3枚着せて、おくるみ着せて、靴下履かせて、帽子被せて、携帯カイロや湯たんぽして、移動用ク―ファンに寝かせて、毛布着せても、36.5℃を維持できないかもしれません。

赤ちゃんにはふさわしくない場所、それが冬の体育館です。
産後間もないうちに、それでもどうしても行かなくてはならないなら、赤ちゃんはどなたかに預けた方が余程いいです。

ご存知でしたか?成乳>初乳という栄養成分がありますよ。

初乳の色は真っ白ではなくフルーツ牛乳みたいだし、指先に付着したのを触ってもねちょいですね。
乾燥するとゴワゴワしますよね。
免疫物質の量を成乳と比較しても、初乳の方が桁違いに多いこともあり、栄養成分的にもこのうえなく濃ゆい物体のようなイメージがあるかもしれません。

しかし、実際には成乳の方に多い栄養成分もあるのですよ。

何だと思いますか?
それはですね、脂肪分と乳糖とビタミンB6なんだそうです。

脂肪分は主にカロリーを担うものですね。
生まれて間もない赤ちゃんは、歯が生えていませんから、固形物を食べてエネルギー補給をしていくというのは、不可能ですね。
また、胃袋の大きさも徐々に大きくなるとはいえ、限界がありますよね。
脂肪分が増えることで、発育に必要なカロリーを賄うのでしょうね。

乳糖については、おっぱい独特のほんのり甘いお味の主成分です。
赤ちゃんが飽きずに美味しく感じ、幾らでも飲みたくなるようなあの味は、乳糖によるトコロが大なのですね。

そして、ビタミンB6です。
健康な皮膚の形成や免疫機能の正常化の維持、そして神経伝達物質の合成及び脂質代謝の改善など、多岐にわたる働きを有します。

今更ながらですが、自然の摂理って素晴らしいですね。
その赤ちゃんが飲む時期に応じた成分変化が見られるということですね♪

添い乳を漫然と多用することの危険性とは?

添い乳は赤ちゃんの寝かしつけに効果的です。
きっと、赤ちゃんもお母さんの傍で、暖かいお布団に包まれているので、安心感が大きいのだと思われます。
お母さん自身がラクで、赤ちゃんも好むのであれば、どうぞしてやってください。

但し、ひとつだけ気をつけてほしいことがあります。
まだ深いラッチオンの習得が出来ていない段階の赤ちゃんに、添い乳を多用(一日の授乳の半分くらい!&それも片方1回で終了!)で行うと、確実な体重増加が得られず、「発育不良」の烙印を押されてしまいます。

なぜなら、浅飲みになるのと、片方授乳のダブル弊害で、1回あたりの哺乳量が少なくなるのに、安心感が大きいゆえ、よく眠ってくれる傾向があるからです。(よく眠ってくれると、お母さんは助かる⇒添い乳を止めたくなくなる。)
乳頭の刺激も少なくなるので、常態的に添い乳を多用していると、おっぱいの分泌自体も低下してくることがありますので、気をつけましょうね。

※ここで早トチリしないでいただきたいのは、深いラッチオンが出来る赤ちゃんの場合や、夜間や昼寝前の寝かしつけに3回程度行うけれど、通常はきちんと座って左右両方から飲ませるようにしている場合は、この限りではありませんのでご安心ください。

2013年12月16日 (月)

1歳を過ぎたらおっぱいは水みたいになる?

SOLANINの尊敬する堺武男ドクターは、面白いことを仰る方です。
巷で言われるところの、「1歳以降のおっぱいなんて水みたいなもので、栄養なんて殆どないから。」的なフレーズ、読者のみなさんは聞いたことありますよね?
そのフレーズが上の句だったら、続く下の句は、「断乳しなさい!」だったりしますが。

まぁ、この記事では断乳については置いておきますが、堺武男ドクターは、上の句に対し、どう切り返されたのか?
「だったら、お母さんの血液も水みたいなものですか?違うでしょう?」です。

お見事ですよね~!

おっぱいはお母さんの血液からつくられていることは、読者のみなさんは既にご存知ですよね。
もしもお母さんの血液が水みたいになるのであれば、日々のハードな子育てや家事・仕事をやっていけませんからね。
寧ろ、月経再来しなければ貧血にもなり難いですし。

モノの喩えかもしれませんが、いかに不適切なこと、医学的に大間違いなことを言う人が巷に多いかが分かりますね。
トンでもさんは、そこかしこに居ます。
妄言に振り回されない、賢いお母さんになりましょう!

お出かけに備えて普段からミルクに慣らす?(若干改訂版)

一体、産後間もないお母さんに、赤ちゃんを誰かに預けざるを得ないお出かけってあるのでしょうか?
確かに、生活していく上でこなさなければならない、主婦として業務的なお出かけ(≒用事)はあるでしょう。
例えば買い物・銀行の窓口・お役所関係・幼稚園の送迎・・・
でも、それらのこなさなければならないお出かけよりも、お母さんが赤ちゃんの授乳やお世話に慣れるようにサポートするのが周りの者の務めではないでしょうか?
里帰り出産や実家からのお手伝いはそのためにあるものですよね。

例えばおばあちゃんが赤ちゃんを横取りして「お母さんは、外出して用事をしてきなさい。」というのはおかしいし逆です。
例えばお父さんに預けて昔のお友達とお茶するとして、年に数回、何時間かの留守のためにわざわざミルクの準備をするのですか?
(誤解しないでね。お茶しに行ってはいけないのではないのですよ。)
赤ちゃんとお母さんは生まれる前も生まれた後も、ひとつのユニットなんです。
変に離そうとするから何かとストレスが増すんです。
赤ちゃんも一緒に連れていってあげたら、特に問題ないと思いますがいかが?

2013年12月15日 (日)

その日の最後のおっぱいの後にミルク補足するって?

一般的に言われていることですが、夜間長く赤ちゃんに眠ってほしければ、その日の最後の授乳の後に、こんもりと追いガツオもとい、追いミルクをすればいいのよという話、ちょくちょく小耳に挟みます。

特に、ミルク屋さんの金城湯池的拠点病院である母子異室病産院の助産師に入れ知恵されたとか、家庭訪問の保健師さんに言われたとか。
追いミルクを推奨する理由としては、「里帰りが済んで自宅に帰ったら、きっとお母さんも家事と育児に大変になるからミルクを上手に使いましょうね♪夜間良く眠ってくれたらラクだからねぇ。」というような、親切ごかしなフレーズらしいですわ。

完母が全てではないですが、完母が出来るのに、敢えてミルク補足って個人的には納得がいきませんな。
また、混合栄養の方で、「母乳の量を増やしたいんです。」と仰る方がこんなことやってちゃ、逆ベクトルに進みますからダメでしょうが!

そりゃあ、夜間ぐっすり眠らせてもらえるなら有り難いことでしょうし、お気持ちは分かりますが、赤ちゃんの生態からみれば、本来は眠りの浅いイキモノですからね。
医学的根拠や必要性は無いのに追いミルクしちゃうお母さんって、もしも赤ちゃんの眠りが深すぎて戻ってこれなかったら?なんて考えたことないのでしょうね。(汗)

それに夜中は日中の2倍、おっぱいをつくる『プロラクチン』というホルモンが分泌されるゴールデンタイムなのに、(つまり、赤ちゃんの発育に必要なおっぱいが沢山出る時間帯なのに)そこを端折ってどうするの?って言いたいですな。

そこまでして夜間ぐっすり眠りたいわけ?
昼寝をして睡眠時間を確保するとか、『オキシトシン』が分泌している時期だからこそ可能である分散睡眠スタイルで、何とかなりませんかねぇ?

このような事実を知ってか知らずか分かりませんが、残念な授乳スタイルで、結果的に母乳育児が不首尾だとしたら、勿体ないなぁ~と思い、この記事を書いた次第です。

搾乳器付属の哺乳器具は使用しないでくださいっ!

搾乳器を購入・使用された方であればご存知かと思いますが、大抵の搾乳器には、哺乳器具が附属しています。
カ○ソ○然り、P社然り、メ○ラ社然り・・・
メ○ラ社は最近モデルチェンジして、普通のゴム乳首付哺乳瓶ではなく「カ○ム」というシリコン乳首の下に丸いボコボコしたものが付いた哺乳瓶を附属させるようになりましたが。
この「カ○ム」については、身近に使用者がいませんのでどういうものなのか、使っても大丈夫なのか等のコメントは現段階では一切できませんが。

そうではなく、いわゆる普通のゴム乳首付哺乳瓶を何気に使うと厄介なトラブルが待ち受けている危険性大なのです。
SOLANINの勤務先では、退院までに補足が必要になった正常新生児に哺乳瓶で搾乳やミルクを飲ませることはほぼ皆無なのですが、この厄介なトラブルに巻き込まれるのが上の子さんも完母というお母さんが大半です。

どういうことなのかと申しますと、上の子さんの幼稚園の行事等で赤ちゃんをおばあちゃんに預ける⇒おばあちゃんにシリンジ授乳は拒否られるのが関の山(まぁ、これは理解出来ますが・・・)⇒じゃあ、搾乳してみよう⇒搾乳は搾乳器使わなきゃ⇒メ○ラ社の「ハ○モ○ー」は、お値段が高いっ!⇒同じようなのがP社から販売されていて、セールなら「ハ○モ○ー®」の半額じゃん♪⇒あっ、哺乳瓶も附属してるのね。こりゃあお得だわ♪⇒「母○実○®」ねぇ。これを使って飲ませてもらったらいいか。
・・・という展開を辿り、新生児以降の月齢で、いきなりな乳頭混乱や哺乳稚拙化が見られるのです。
助産師としては、入院中は何の問題も無かったのに、この有様は無いでっしゃろ?⇒えっ、P社の「母○実○®」のゴムの乳首使ってるってどういうことやねん?⇒はぁ?搾乳器のおまけに附属しているぅ?⇒そんなもん、使ったらアカンに決まってますやろが。(怒)です。
同じP社でも、「母○相○室®」なら理解出来ますが。
それとて、ラッチオンをどうするかは、過去記事のような写真を見せてもらい、助産師の説明を受けてもらわなければ、到底使いこなせないですが。

別に搾乳だったらOKでしょう?って感じなのか、完母経験者の経産婦さんって、ある程度おっぱいに自信があるから簡単に考え過ぎで困りますな。

まちの授乳室について。

おっぱいをあげてるお母さんが外出される際、利用されるのが「授乳室」ですね。
私が赤ちゃんを出産した頃は、殆んど無かったですね。
大判のストールなどを利用して、車中で授乳していましたっけ。
最近は少しずつ増えてはいますが、まだまだ不足していますね。

職業柄、「授乳室」と名のつくトコロはチェックします。
自分が授乳するわけでもないのに覗いています。
ぱっと見、怪しいおばさんかもしれません。(笑)
デパート、ショッピングセンター、お城、
動物園、空港、競艇場、病院、公共施設などなど。
近年ちょっと気になるのは、お父さんが同伴されていることかな?(時々遭遇します。)
その時の利用者が自分の奥様だけならいいんです。
でも他所の奥様がおっぱいをあげようとされるのに退出しないとしたら、利用者のマナーとしてどうなんでしょう?
嫌じゃないですか?
私だったら・・・そういう空気読めない人には、塩撒きたいです。

それともうひとつ。
「授乳室」の表示マークで哺乳瓶を摸したマークが当たり前というのが、気にかかります。
混合栄養やミルク栄養のお母さんを否定する気はさらさらないけれど、逆におっぱいをあげているお母さんは無視ですか?と聞きたいです。
乳房をマークにするのは難しいでしょうが、何か良いマークはないものでしょうか?
ちなみにSOLANINの勤務先では、トールペイントのオブジェで、「授乳室」と書いた看板(?)を出入り口に吊り下げています。

2013年12月14日 (土)

乳頭混乱をきたしやすい赤ちゃんとは?(仮説)

WHO/ユニセフの母乳育児成功の十ヵ条の第9条に「母乳で育てている赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう。」とあるのは、みなさんご存知ですよね?
その理由は、お母さんの乳首とゴムの乳首は似て非なるものだからです。
もう少し具体的に申しますと、お口を開ける角度やお口や顎の筋肉を動かすのに要すパワー面でも、哺乳の際の歯茎の扱き方や舌の巻き付け方等の技巧面でも、お母さんの乳首とゴムの乳首では全く異なるからです。

しかも、哺乳力がさほど強くはない新生児期であっても、ゴムの乳首であれば(直母の50分の1程度の小さな力で)スイスイ飲めてしまうのです。
しかも、おちょぼ口であっても・・・です。

つまり、それまで直母が出来る赤ちゃんであっても、ゴムの乳首を使うと、そのラクなところに魅入られて、お母さんの乳首を吸うのに要する多大な労力を放棄してしまうのです。
また、技巧的にもゴムの乳首は簡単ですから、一旦馴染んでしまうと、複雑なテクニックが必要な直母の仕方を忘れてしまうのです。
その結果、直母が出来ていたのに、或る日突然直母が出来なくなってしまうというのが、乳頭混乱なのですね。

そして、安易なゴムの乳首の使用が銃爪となり、乳頭混乱で泣いている母子は、かなり多いと思われます。
克服するのに何ヶ月も要することも稀ではないし、克服の見通しも方法も分からず、挫折して完ミというパターンもザラにあると思います。
おっぱいが出るのに直母が出来ないって、切ないですよね。(涙)

もちろん、お母さんの乳首であってもゴムの乳首であっても、是々非々で2通りの哺乳動作をマスターして、器用に使い分けている赤ちゃんがいらっしゃることをSOLANINは知っています。
でも、そういう赤ちゃんは先月下旬の記事にも書きましたが、ごく少数派です。

そして、ここからが仮説なのですが、いわゆる下手っぴちゃんの場合、安易にゴムの乳首を使うと、修復不可能な乳頭混乱に陥る危険性が高いと考えます。
ここで申し上げる下手っぴちゃんの定義は、直母でしっかり哺乳出来るようになるまでお母さんの乳首がキズだらけだったり、乳頭保護器を使用しないと直母が出来なかったり、おっぱいの分泌はまずまずなのに、直母だけでは量が賄えず搾乳を補足していたり・・・という項目に引っかるようでしたら、失礼ながらごく少数派の器用な赤ちゃんではないと見做し、要注意なのだと認識してくださいね。
君子危うきに近寄らず・・・ではないですが、器用ではない赤ちゃん安易にゴムの乳首を使用するべからずということを肝に銘じてくださいませ

外出する時、母乳は不便?(若干改訂版)

あ~。
それってよく聞かれるんですが、私は真逆だと思います。
外出って言っても、この場合、近くのスーパー迄・・・とかではなく、もう少し時間のかかるトコロですよね?
例えば高校の同窓会とか、友人の結婚式とか。
洗浄・消毒などの手間や必要物品のあれこれを考えても、おっぱいなら何も要らないですからね。
ランニングコストも特にかからないし。

でも、あなたは誰かに預かってもらうために赤ちゃんを育てているのですか?
普段は全く必要が無いのに、年に何回かのイベントのために、その日に備えてミルクに慣らすのですか?

おっぱいをあげている時期こそ、リフレッシュは大事ですから、可能であればイベントに参加するのはいいと思います。
ただ、5~6ヶ月以降の月齢であれば、預かり先でミルクにしてもらわなくても離乳食で何とかなるかもしれないので、そこまでしなくても・・・と思います。
離乳食前の月齢の赤ちゃんであっても、ミルクの前に搾乳の活用を検討してほしいですね。
外出する時は、ひとまず赤ちゃんを置いて出かけるという概念は頭から取っぱらかって、一緒に出かけるのが当り前だと発想転換してくださいな。
未婚の友人に赤ちゃんを見せるのも、何かの役に立つかもしれません。
もちろんいきなり、大勢の人に囲まれると連れて行った赤ちゃんもビックリして泣き止まなくなるおそれがあります。
予めその日は何があるのか?ということを赤ちゃんに説明しておきます。
(旦那さんはそんな奥様を快くお家から送り出してあげてくださいね。)

きっと、赤ちゃんを誰かに預かってもらい、リフレッシュした気分になっても、ココロのどこかで離れている赤ちゃんのことを気にして、今イチ楽しめないあなたがいると私は思います。
違いますか?

2013年12月13日 (金)

最近の母乳育児支援のトレンドとは?

最初にお断りしておきますが、この記事はさる方面からの伝聞を基にしています。

最近の母乳育児支援をしている医療者の間でトレンドになっている項目があるそうです。

それはですね、乳房トラブルへの対処だそうです。
母乳育児をする方が増えていく中で、医療者からお母さんへの保健指導が不充分だったり、医療者からの保健指導を軽視したり、自分に都合のよいことしか選択しないお母さんが増えているせいだからなのだとか。

ふ~ん。
そういうものなんですかね?
確かに、SOLANINの勤務先でも、かつて乳房トラブルが頻発している時代がありました。
でもそれは、かれこれ十年以上昔の話です。
今では当時のことを知っているスタッフは、すっかり少数派になってきたと言っても過言ではありません。(苦笑)
当り前のことを当り前にしていけば、何ヶ月或いは何年母乳育児を継続しても、お母さんが痛い目に遭う確率、つまり乳房トラブルを来たす確率は限りなく低下することも私たちには
積み上げてきた実績があるので知っています。

なので、乳房トラブルへの対処は大切なケアですが、それが母乳育児支援のトレンドなんだってさと言われても、「えっ!今更?今頃?」って言うのが正直なトコロです。
っていうか、口はばった表現になるかもしれませんが、SOLANINにしてみたらそれがトレンドだなんて、母乳育児支援のあり方として、「古いなぁ、遅れているなぁ!」って思ってしまいます。

こうして今この記事を閲覧してくださる読者のみなさんも、もしかしたらかつてヤバいことになって、慌てて検索して当ブログに辿り着いた方もいらっしゃるかもしれません。
手前味噌で恐縮ですが、当ブログの発信する乳房トラブルへの対処法は、極めて実戦的で大いに役立つと多くの読者さんから高評価いただいていますので。
ですが、当り前のことを当り前にしていれば、乳房トラブルはそうそう繰り返さないでしょうし、なったとしても重症化には至らないのではないでしょうか?
乳房トラブルへの対処について、この方面の知識が全く無い方や不充分な方が勉強する分には悪くはないと思いますが、同業他者として、こういう風潮(?)、ちょっと違和感があります。(汗)

母乳育児をしたいと思うなら、哺乳瓶は安易に使わないで!

乳頭混乱はどんな赤ちゃんにでも、何ヶ月でも起こり得る危険性があります。
或る日突然・・・ということだってあるのです。
もちろん、どこのどんなゴムの乳首を使って何ヶ月もミルクや搾乳を飲ませ続けても、是々非々で直母も両立出来る器用な赤ちゃんもいらっしゃいますよ。

でも、正直言って、それはたまたま大変ラッキーだっただけのこと。
普遍的に多くの赤ちゃんに当て嵌まることじゃないのです。
何せ、赤ちゃんのお口の中はとてもデリケート
ですからね
先日、とても残念なことがありました。
お母さんが超扁平乳頭で、直母困難が予想され、妊娠中からお手入れを必死に取り組んで、どうにか直母のみで退院された母子がいらっしゃいました。
分泌は標準以上にあるお母さんでした。
お父さんが赤ちゃんに搾乳を飲ませたくて堪らなかったらしく、リクエストに応えようということで、何気に「母○実○®」というP社のゴム乳首の付いた哺乳瓶を購入し、で50~80mlを数回飲ませたそうです。

そうしたら・・・直母が全く出来なくなってしまったのです。
まだ2週間も経っていない赤ちゃんですよ。
もちろん私の勤務先では、安易なゴムの乳首の使用は止めるように指導しています。
でも、中には私たちの指導を聞いてくれない方もいらっしゃるのですね。

少なくとも私が携わった母子で、「母○実○®」のゴムの乳首の付いた哺乳瓶でミルク屋搾乳を飲ませていて、直母が上手になった方は居ません。
乳頭混乱で克服するのに何ヶ月もかかって茨の道を歩むか、諦めて完ミになっちゃった方は何人も居ますけどね。

百歩譲って未熟児ちゃんで、口腔機能の発達がこれから(鼻注から瓶哺乳への段階)の赤ちゃんであれば、もしかしたら大丈夫なのか?・・・ということはあるのかもしれませんが、私の知る限り、少なくとも正常新生児の直母が出来る赤ちゃんにアレは使ってはいけないと思います。
他社のゴムの乳首だったらいいのか?とは言いませんけれど。
ホント、院内に写真入りで「使うな!」と張り紙をしたいくらいです。

乳頭混乱の赤ちゃんのお母さん、克服するために再診の予約は入れてくれたけれど、ドタキャンされました。
取り敢えず搾乳補足時は同じP社の「母○相談○」に切り替えてもらいましたが・・・
やはり、大変だから挫けちゃったのかな?(涙)

誰でも乳腺炎になる可能性はあるけれど・・・

誰でも乳腺炎になる可能性はあります。
乳腺炎になるお母さん全員を非難するつもりは毛頭ありません。
どうしても「お菓子祭り」を開催したい時はあると思います。
旬の果物を思いっきり食べたいこともあるでしょう。
やけ食いしたくなることも、ジャンクフードに嵌りそうになることも、私には折り込み済みです。

しかし、ほぼ10日置きに「100%お食事由来」で乳腺炎になるってどうなんでしょう?
ほぼ10日置きになるってことは治ったと思ったらまたすぐになるってことです。
もしくは治りきらないうちに次に行っちゃいましたってことです。

元々?乳房ケアに向いている「手」をしているのか、有り難いことに?乳腺炎の患者さんからは「乳腺炎は痛いけど、SOLANINのマッサージは痛くない。」という風に評価していただいています。
しかし、「やっちゃったけど、SOLANINにマッサージしてもらうから何とかなるし。」というのはちょっとなんだか・・・納得できません。
「つべこべ言わずに黙って乳房ケアしろよ!」ってことですかね。

2013年12月12日 (木)

P社のシリコン乳首についての追記。

追記:2011年6月30日に通知型読者さんのおひとりでもある「たろあん」さんから追加コメントを頂きました。

当ブログは記事本文だけではなく、コメントも読んでいただくことで記事の完成度が高まりますから是非そうしていただきたいのですが、なかにはコメント欄のチェックを端折る方がおられますので、「たろあん」さんの了承を得て、追加コメントいただいたことを、以下に転記します。(二重括弧部分です。)


『先日友人に頼まれて、O式相談室で母○相○室®の乳首を購入してまいりました。
助産師さんに話を伺った所、「この乳首のきちんとした使い方を知らずに購入、間違った使い方(普通の哺乳瓶のように軽く口に当てる)をした方から「全く飲めないで体重低下した。」といった苦情が相次いだため、一般への販売は難しい商品と判断され、O式相談室や病院等で助産師さんに適切な使い方を指導してもらった上で購入した方が赤ちゃんの安全を守る事になる・・・」と一般販売を中止する方向になったそうです。
O式相談室では使い方の説明を書いた紙をくれたりして、代理購入も可能ですし、電話で問い合わせしたりすると対応してくださるかもしれません。
母○実○®の売り込み方は、確かにちょっと違うなぁと思いつつ、母○相○室®が店頭から消えたのも少し納得する説明でしたので過去記事に失礼いたしました。
もちろん正確な使い方を知っているユーザーにとっては、会社を守るだけの酷い話かなとも思います。
でも、確かに正確な使い方を知らないと赤ちゃんを危険にさらしてしまうかもしれないと思えば、安全策も必要かなとも思います。
事情がそんななので、商品の製作を打ち切ったわけではないそうなので、欲しい方は是非とも本職の方に購入したい旨を話して欲しいと思います。』
                         (2011年7月2日15時00分)

これはお答えできないなぁ。

<ご相談内容>
生後2ヶ月の赤ちゃんがいます。
おっぱいは良く出るので、基本完母なのですが、週に1~2回くらいのペースで、上の子の習いごとの送迎の際に、同居しているおばあちゃんに赤ちゃんを預かってもらっています。
その際のミルクって、どのくらいあげたら丁度いいのですか?
ミルクの缶蓋には、1回量が200mlって書いてありますが、それは幾らなんでも多いですよね?
普段の授乳回数は、直母で8~10回/日です。

<SOLANINの回答>
ふぅぅむ。
まず最初に申しておきたいのは、乳房には、幾ら哺乳したのかというメーターは付いていないということです。
あっ、いえ、SOLANINは、決してふざけているのではありませんよ。

1日かかって、どのくらい哺乳すれば標準的なペースで育つのか?については、赤ちゃんの月齢や体重等で計算してお話しすることはできます。
けれども、赤ちゃんのおなかの空き具合はその時によりけりですし、先月中旬頃の記事でも書きましたように、哺乳瓶で飲むことは、直母とはスピードから口周りの筋肉や舌の巻き付けや顎の使い方に至るまで、全く違いますからね。
直母であれば、全く問題ない量を哺乳していても、ラクな哺乳瓶で哺乳すれば、同じ量でも口寂しくて飲んだ気がしなくて、グズグズちゃんになることもあるでしょうし・・・
逆に、口寂しくならないくらい、医学的適応を超えて大量に飲ませてあげたら、一瞬は満足するでしょうが、胃袋に収まりきらなくてガバッと吐乳してしまうかもしれませんね・・・

恐らく、上の子さんへの目配りといいますか、同居されているおばあちゃんの善意なのでしょうが、赤ちゃんの立場からみれば、こんな迷惑な扱いは無いと思います。
だって、習いごとの送迎くらい、お母さん以外の方でもできるじゃないですか!
敢えてお母さんが送迎担当にならざるを得ない理由は何ですか?
おばあちゃんが運転免許を所持していらっしゃらないからですか?
私は、相談者さんが、こんな小さなうちからお母さんが赤ちゃんと離れることに何の疑問も抱いていないのか?お母さんの立ち位置として、そっちの方が気になります。

上の子さんの習いごとの送迎をおばあちゃんに頼めないなら、せめて、赤ちゃんを連れて一緒に出かけられませんか?
赤ちゃんが出先でおっぱいを欲しがれば、その場であげればいいじゃないですか!
上の子さんの習いごとの先生と交渉したけれど、どうしても赤ちゃんを連れていくことを許可していただけないのであれば、おばあちゃんにみてもらうしかないのでしょうが、百歩譲っても、念入りに赤ちゃんにお願いをした上で、(折角おっぱいの出が良いのですから)まずはミルクではなくて、搾乳をあげるのがスジではありませんか?

・・・この手の相談、勤務先の母乳外来でも、ちょくちょくあります。
この手の答えを欲しがるお母さんは少なくないですが、悪いですが、赤ちゃんの気持ちを考えると、1回のミルクは何mlだったら丁度だなんて言えないですね。
言えたとしても概算でしょうね。
しかし、所詮、概算ですから、「SOLANIN、それは違うよ!」って赤ちゃんからクレームを付けられちゃいそうです。

2013年12月11日 (水)

妊娠中のお手入れにはバーユ!

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、バーユ(馬油)ってα-リノレン酸というn-3(オメガスリー)系の成分が豊富に含まれています。

妊娠中の乳頭・乳輪ケアとして、柔軟性を促進する効果があるそうなので、使うとしたらバーユがいいなと思います。

様々なメーカーさんから販売されていますので、お好みに合ったものを選んでくださいね。

妊娠後期になると特にお手入れをしなくても自然に乳頭・乳輪は柔らかくなると仰る方もいらっしゃいますが、臨床的に看ても、「えぇ~、っそうかなぁ?充分過ぎるくらい硬くて伸びないんですけれど、これで柔らかくなっているレベルですか?(汗)」と、困惑する経験が山のようにあるSOLANINにしてみれば、やはりお手入れは大事だし、効果が得られ易いアイテムを使うのが得策だと思いますが、如何でしょうか?

ヒト以外の哺乳類は四足歩行ですし、ブラジャーは装着していないし、陥没乳頭とか扁平乳頭っていうのは聞いたことが無いけれど、ヒトにはある一定の割合でそういう状態の方がいらっしゃるわけですからね。

妊娠中のお手入れ、バーユ使ってやってくださいね!

P社のシリコン乳首について。

『最強母乳外来』でシリコン乳首のことをお話しするのはどうかな~?と思いますが、そうは言っても乳頭保護器の代替に使用してらっしゃるお母さんや混合栄養でミルクの補足をしつつ、おっぱいをあげておられるお母さんもおられるわけで。
そういうお母さんに知っておいてほしいので、敢えて記事にさせていただきます。

P社はシリコン乳首・哺乳瓶を従来の細口のタイプは廃番にされ、デブいタイプの「母○実○®」という商品に一本化される方針だと、SOLANINはいつだったかな(数ヶ月前かな?)情報を得ました。
デブいタイプといえば、O式のセンセイが開発された「母○相○室®」という商品が昔からありますが、アレは店頭販売されている分を売り切ったら、再入荷は無いそうです。
ネットで購入しようにも在庫分限りだと思います。(ユーザーさんには死活問題かも知れません。)

では「母○相○室®」」という商するのか?といえばそうではなく、医家向け限定で製造販売されるとか。
なので、病産院で使用されているトコロはこれまで通り出入りの業者さんにオーダーしたら、入荷してきます。
ただ従来は3日間くらいで入荷していたのが1週間くらい要するそうなので、産科病棟スタッフでこの記事を読まれた貴女は「これまでよりも早めにしたほうがいですよ~。」長さんに教えてあげましょう

では、「一般ユーザーのお母さんや赤ちゃんはどないしたらいいの?」ということになります

これはもう、人道問題なのでされた病産院にお願いするしかありません
お取り寄せしてもらいましょう。
はそういう事情がありますから母さんからがあれば、くれぐれも拒否しないでくださいませ。

さて、少し前の記事のコメント返しにも書いたので知ってる方も居られるでしょうが、「母○相○室」と「母○実○®」はどちらもP社から販売されています(いました)が、全くもって似て非なるものです。
シリコン乳首を「母○実○®」に集約されたP社さんは総力を挙げて売り込み強化されていらっしゃるようでございます。
ママのクチコミサイトナンバー1」とか「哺乳瓶界のエベレスト」とか「病産院でも看護師さんおススメ」とかあらゆるキャッチコピーで売り込みアップを図っておられます
しかし、この「母○実○®」というもの、決してキャッチコピーや箱に記載のセールストーク通りのシリコン乳首ではないと思います。
あまり言うと名誉既存で訴えられそうですから止めときますが、個人的に率直に言わせてもらえば、明らかに「母○相○室®」の方が商品として優れています。
もちろん、どんなシリコン乳首でも乳頭混乱のリスクがあるので、安易な使用は推奨できません。
乳頭混乱が起きてしまった赤ちゃんのお母さんで、乳頭混乱の克服を本気で取り組むならば、過去記事の「イケッチさんの体験記」を参考にしていただきたいです。

しかし、(次善の策で)どちらかを選んで使用するとしたら?と聞かれたら、私だったら「母○相○室®」って答えるだろうなぁ。
ちなみにやミルクを「母○相○室®」で飲ませる場合、「母○相○室®」の哺乳瓶のコネクタ(ピンク色のプラスチックの部分)に赤ちゃんの唇がれるくらい大きなおクチを開けさせて吸い付かせましょう。
母同様、唇の開口度が150度以上になるように開けさせるのが目安です。
おちょぼ口ではとても飲めないし、飲めたとしてもそれでは何の訓練にもならないからねぇ
それから・・・「母○相○室®」と「母○実○®」の両方の内径は30mmですから、哺乳瓶が異なってもシリコン乳首そのものの互換性はあると思います。 
なので、哺乳瓶ごと買い替えしなくても、使用できると思いますよ。

最近「母○実○®」のシリコン乳首部分の形はマイナーチェンジしたようですが旧式でも新式でも「母○実○®」の哺乳瓶には「母○相○室®」のシリコン乳首は嵌め込んで使用できます。・・・確認済みです!)

赤ちゃんを連れてのお出かけ(出生~離乳食開始以前)

私が次男を出産した頃は、生後30日くらいの赤ちゃんを連れての外出なんて1ヶ月健診でもなければ、許されざる雰囲気でした。
丁度次男が生後35日目だった日に、いつも通りに長男をスイミングのレッスンに参加させるために次男を伴い車でスクールまで行ったら、見知らぬご婦人から「まぁ、こんな小さな子を早くから連れ回すなんて、今時のお母さんは・・・」と呆れられたものです。
赤ちゃんを連れての外出というだけで、叱り付けられたことだってあります。
「赤ちゃんはお家に居て当然。連れて外出なんてもっての外。」ってことですか。
すごく理不尽な想いをしたことを今でも覚えています。

だけど、生活していくには買い物だって、上の子の通園や習い事の送迎だって、銀行の窓口にだって、行かねばならないことはあります。
用事のある度に旦那に休暇を取ってもらうことなど出来ませんからね。
お節介なご婦人たちは、一体、赤ちゃんのお母さんにどうせよと言うのでしょうか。

自宅に祖父母を呼んで、見てもらうパターンはかなりあるかもしれませんが、「泣いていないかな。」と、気になって仕方がないものです。
お母さんの希望や都合に合わせて貰えるとは限らないし。(特に義父母)

そんな想いをするくらいなら、いっそのこと、「赤ちゃんを誰かに預ける。」ということを想定外にしちゃえばいいのではありませんか。

誰に何と言われようと、「赤ちゃん一人を自宅に放置して出かける。」わけにはいかないのですから、陰口叩かれても、一緒の方がいいはずです。

気をつけるのは『交通安全』と『人混み』です。
外出先でのおっぱいだって、授乳服とスリングか大判のストールがあれば、人目を気にせずに授乳出来ます。
予めリサーチしておけば、”授乳場所がなくて右往左往すること”もないでしょう。

2013年12月10日 (火)

保護器離脱できたのに、直母途中で怒るんです。(1ヶ月)


こんにちは
2ヶ月の男の子の、まだまだ新米ママです
の乳首は偏平のため、最初、赤ちゃんはなかなか吸えず、「母〇実〇®」の乳首を使ってました。
1ヶ月になる前くらいに直で吸えるようになり、とても嬉しかったです。
までは2回に1回ミルクを40~60g足し、検診で、体重が退院2950→4188gと順調だっため、夜と夕方に80~100g足すのみにしました。
間は2時間ごとに授乳ですだいたい1に付き5分で2クールあげていました。 

体重も先週は1週間で300g増加で、痛かった乳首も治りました。
ところが、その頃から、2分ほどでイライラして吸わなくなり、首をふって乳首を離してしまうようになりました。左右の乳首を変えても同じ感じ。
2クール目!としても泣いて嫌がります。

スケールで量ると120g飲む時もありますが、だいたい60~80g。
ない時は30gしか飲めてません。 

で、小児科に相談すると、途中から出が悪くてイライラしてるのだろうからミルクを足した方が良いかもと言われました..
どうすればもっとちゃんと吸ってくれるでしょうか?
それとも、やはり途中から出なくてイライラして吸わないならミルク足すべきですか
アドバイス願いします!!  

<SOLANINの回答>
扁平乳頭でしたが、乳頭保護器を離脱出来て、尚且つ乳頭痛も治り、努力の甲斐があり直母が出来るようになって良かったですね。
しかし、その頃以降赤ちゃんが哺乳途中から泣いて怒って吸ってくれなくなり困っておられるのですね。 

体重4kg台の赤ちゃんであれば、通常600(~700)ml/日も哺乳すれば、順調に体重が増加します。
赤ちゃんがっても体重増加度が良ければ、栄養面で不足ではないということです。
つまり、赤ちゃんは機械仕掛けのミルク飲み人形ではありませんから、直母の場合は1回毎に飲みムラはあって当然なのですよ。
えばたくさん哺乳してもうんちがどっさり出たり、ずっと起きていれば直ぐにおなかが空くから次のおっぱいを早く欲しがります。
ししか飲まなくても、欲も得もなく眠たい時はちょこ飲みでも眠ることはありますね。
1ヶ月健診以降のミルクの補足が100ml以下/日で、体重増加度がかなりありそうなので、やはり総合的に考えても母乳不足ではないと思います。
泣いて怒って吸わない理由は、この「母〇実〇®」の乳首に慣れ切って、軽い乳頭混乱になっているからと思われます。 

このところミルク飲み干すのが早くなってきているでしょう?
いてるとせっかちさんにするから、「っ取り早く飲ませてくれ~。」っているのね
でも、哺乳瓶でミルクを飲むのと異なり、おっぱいは出てくるまでに時間がかかるから、待ちきれないのです。 

では、どうすれば良いのか?
ミルクの補足が止むを得ないならば「母〇相〇室®」のように、時間がかかる乳首にするのが良いかも知れません。
ミルクであってもそう簡単には飲めないのだということを分かってもらうためです。
分泌をアップさせる方が良いのであれば、「マリアアザミ」や「コロハ」のサプリメントの摂取もお勧めです。
そうこうしていくうちに、段々と落ち着いてきます。

通学、スクーリングと母乳育児。

ご結婚されてから、赤ちゃんをご出産されてから、通学されるお母さんにちらほら出会います。
私なんかとてもそこまでのパワーが無かったので、毎日が無事過ぎていくのに精一杯でしたが。
具体的には、介護士さん、ヘルパーさん、医療事務さん等の資格取得や、そうそう、交通機関の不便な地方に引越しされてやおら自動車免許を取るために通学されておられるアクティヴなお母さんがおられます。

月齢の小さいうちはどうかなとは思いますが、離乳食が進んできたら、通学は可能です。
当たり前のことですが、通学までにお母さんと離れる間、おばあちゃんとか保育園とか、お子さんを見てくださる方を、確保してくださいね。
お子さんには「ママはお勉強してくるから、お家に帰ったらおっぱいにしようね。」と言い聞かせます。
お母さんがいなくなる=おっぱいが二度ともらえなくなる・・・では踏んだり蹴ったりで可哀想過ぎます。
そんな酷いことはしないでやってくださいね。

通学するからこそ、おっぱいを簡単に手放さないでくださいね。
宜しくお願いします。

2013年12月 9日 (月)

執着が強過ぎて断乳に踏み切った!(3歳代)

年に数えるほどですが、3歳代までおっぱいを堪能させてあげていたのに、断乳に踏み切るお母さんがいらっしゃいます。
次の子が欲しいのに月経が再来しない訳でもなく、お食事はそれなりに進み食が細い訳でもなく、虫歯にもなっている訳でもなく、トイレトレーニングも済ませ、発達全般に問題なく、場合によっては保育園や幼稚園に通園され、昼間離れている時間がある(≒お母さんがリフレッシュする時間がある)にも拘わらず・・・です。
勿論乳首を噛まれたり、こねくり回されだりといった身体的苦痛を与えられている訳でもありません。
授乳回数は個人差がありますが、3~6回程度/日です。(遊び飲みも合わせてです。)

しかし、3歳代で断乳に踏み切るって・・・
「う~ん、ここまで続けてきたのに勿体ないなぁ、何故かなぁ?」と思ってしまいます。

理由を訊くと、殆どのお母さんが口を揃えるかのように、「あまりにもおっぱいへの執着が強過ぎて、授乳を楽しめなくなった。」とのこと。

これはちょっと(かなり?)悲しいことです。
嫌々ながらお義理で授乳を続けても、精神衛生上良くないですね。
ただ、そこまでお母さんの気持ちが冷えるまでに、お子さんと何とかお話しができないものでしょうかねぇ?
そりゃあ、「おっぱい止めようか?」と尋ねたら、おっぱい星人は間違いなく「NO!」と答えるでしょうね。

でも、「お母さんね、○○ちゃんにおっぱいをあげるのがしんどくなってきた。困っているの。」と言うのは、アリだと思います。
一時は半狂乱になるかもしれませんが、それはおっぱいより楽しいモノや美味しいモノがまだ見つかっていないからかもしれませんね。
それが何かはみなそれぞれに違いますが、ハマるモノや夢中になれるモノがあれば、執着は薄くなります。

もしかしたら、(お母さんを責めるつもりは毛頭ありませんが)これまではそれを探してみる努力が少なかったのかもしれません。
だったら、改めて一緒に探してあげませんか?
もしかしたら、(お母さんを責めるつもりは毛頭ありませんが)お子さんのおっぱいコールに付き合っていたつもりが、振り回されていたからなのかもしれません。
お子さんの気持ちに寄り添うことは良いことですが、理不尽過ぎるくらいゴネまくりおっぱいを要求する場合は、お母さんとして最低限のイニシアチブを取ることは必要ですよ。

3歳代で断乳するには相当の事情がおありだとお察ししますが、やはりここまで来たのですから、断乳は極力回避してあげてほしいです。
止むを得ない場合でも、お互いのため、せめて言い聞かせ卒乳に持ち込めないか方法を考えてみていただけませんでしょうか?

ゴムの乳首で補足することのリスクとは?

赤ちゃんにおっぱい以外のものを補足する必要性が発生したとして、看護師さんや一部の助産師は「哺乳瓶であげればいいんでしょう?」と仰います。

(それ以前に補足の手段なんて考えたこともない方もいるようですが。)

私は赤ちゃんのお母さんに「何故、SOLANINの勤務先では哺乳瓶を使用した補足をしないのか?」と一度は抱く素朴な疑問には以下のように答えています。

「ポスターにも書いてあるように、大抵の赤ちゃんにとっては、ゴムの乳首と直母という、全く異なる2つの吸啜の動作をマスターするのは並大抵なことではないんですよ。2つを使い分ることは、とても難しい。そして簡単で力を要しないゴムの乳首での吸啜を先にマスターしたら、直母での吸啜が出来なくなったり、下手っぴな吸啜しか出来なくなるんです。もちろん、是々非々で使い分ける器用な赤ちゃんもおられるのでしょう。けれど、これはいわば英語のマスターのようなもので、帰国子女でもないのに何故か英語に達者な方もおられるけど、それはかなり少数派であって、大半の方にとって英語のマスターは容易ではありませんね。逆に英語を先にマスターして日本語を後に・・・となると、それはそれでひときわ大きな困難を抱え込むことになりますね。だから哺乳瓶での補足は止めているんです。」

・・・というように説明しています。

ここまで説明して、お母さん方には初めてコトの重大性が明確になるのですね。

予防に勝る治療は無いのです。

授乳スタイルに拘りのある子の外出時の授乳をどうするか?

<ご相談内容>
私の赤ちゃんは9ヶ月になりますが、おっぱいをあげているときに、集中力がないのか、人影があったり場所が変わったり(自宅以外の場所という意味です)すると飲まなくなります。

また、授乳クッションがないと、横抱きを嫌がりすぐ乳首をはなして怒ってしまいます。
縦抱きも試しましたが、すぐはなしてしまいます。
これらは仕方がないのでしょうか?
今は授乳時間にかぶらないようにささっと外出して対応しています(>_<)
何かよい対策がありましたらアドバイスいただけたら嬉しいです。

<SOLANINの回答>
恐らく相談者さんの赤ちゃんはキョロちゃんだと思われます。
静かな集中できる環境でないと、気が散って飲めないのだと思われます。
普段からおっぱいを飲む部屋を設定したり、ケータイの呼び出し音や玄関チャイム等、授乳中は音の出るものはご法度だと思います。

予め自宅に居られる時で、赤ちゃんと視線が合うタイミングで授乳ケープを見せ乍ら、「この中に入って飲むのよ。そうしたら、気が散らずにおっぱいが飲めるよ。」と、何度も説明してください。
授乳ケープを使うのは、ぶっつけ本番ではなく、外出前数回、お家で練習するのもいいかもしれません。
キョロちゃんの程度が軽ければ、外出先で間仕切りのある授乳室が利用できれば、授乳ケープは要らないかもしれませんが・・・

次に9ヶ月になられて立て抱きというのは、ポジショニングとして取りにくいことと、この月齢でいきなり普段とは違うポジショニングを取っても、赤ちゃん自身に哺乳するというイメージが浮かびにくいので、嫌がったり遊んだりしてしまいます。
普段が横抱きなら横抱きで通すしかないでしょうね・・・

でも、授乳クッション無しでは横抱きを嫌がるとのこと。
う~む。
背中が痛いのか、お母さんの姿勢が良くないので、咥えにくいのかもしれませんね。
アフガンやバスタオル等、手持ちのモノを工夫して、お母さんの乳首と赤ちゃんのお口の高さ合わせをして飲ませるのは如何でしょうか?

2013年12月 8日 (日)

乳頭混乱克服・イケッチさんの体験記のSOLANINの補足文

個人的にはシリンジとチューブの代用品として最近閃いたのは、化学実験用のポリエチレン製のシームレスタイプのピペット型スポイドです。
但し、ポリエチレンは耐熱温度が60℃なので、煮沸消毒はNGですよ。

大型だと、容量が10ml(以上)の製品もあります。(10mlの製品でウチの近くのホームセンターで135円でした。)それに搾乳やミルクを吸収して、赤ちゃんの口角に2cmくらい入れ、フィンガーテストのように、口唇に当たる人差し指の部位が第一関節と第二関節の間くらいになる深さまで真っ直ぐに舌の上に挿入し、吸啜させるのです。

最初のうちは溜まる部分を押しながら指を正しく吸啜することで、中味が出てくるということを赤ちゃんに学習してもらいます。(=哺乳トレーニング第一段階)

哺乳トレーニングが上達したら、押さなくてもみずからのチカラで、赤ちゃんは吸い出せるようになってきます。(=哺乳トレーニング第二段階)

哺乳トレーニング第二段階が確実に出来るようになったら、直母の出来る吸啜力が身に付いてきたと見做します。

何故なら、第二段階では口角を耳側に引っ張れば,舌が見えますし、歯茎での扱き方や舌が下顎の歯茎のラインよりも前に挺出し、挿入した人差し指を左右からロールするように巻きつけられるようになっているからです。
これはまさしく、直母の舌運動に相似と言えるのではないかと思われます。

乳頭混乱は赤ちゃんが哺乳瓶のゴムの乳首に慣れきってしまい、瓶哺乳の真逆の努力が必要な直母を頑張ることがアホらしくなるためサボったり、舌運動に違いがあり過ぎるためスキルとして直母が出来ず、(つまりゴムの乳首と直母の使い分けができず)怒ってずっと直母を拒否し続けるという困難な状況をいいます。

予防が大事なのですが、残念なことに殆どの病産院では、糖水や搾乳やミルクの補足は哺乳瓶で行われることが常態化しているので、いつでも誰にでも乳頭混乱は起こり得る現象なのですね。

予防のための対策としてはバースプランを聞いてくれる病産院であれば、「補足の際にゴムの乳首は絶対に使わないでください。」とか「泣いている時の口封じに絶対におしゃぶりを吸わせないでください。」と書くことをお勧めします。

哺乳瓶哺乳がNGな赤ちゃんを預ける時は?

親戚、友人を問わず、結婚式・披露宴などに出席するにあたり、おっぱいをどうするか?という問題に直面することは、誰にだって有り得ることです。
離乳食を食べられる時期の赤ちゃんならば、その時間食べさせてもらうことで、出かけることも可能ですが、半年までのおっぱいだけの時期ですと、そうもいきませんね。

その時だけミルクにする?
う~ん。でもねぇ。
赤ちゃんだって味覚くらいありますから、いつもとかけ離れているお味のものを与えられても困惑しますよ。
特に「生まれてこのかた哺乳瓶なんて使ったことない場合。」
「以前に何度か試したけど哺乳瓶が嫌いな場合。」
「生まれてしばらくは直母が出来ず、搾乳を哺乳瓶であげていたけど、ようやく乳頭混乱を克服して直母が出来るようになった場合。」などは、そもそも、哺乳瓶による哺乳がNGな赤ちゃんなので、たった1日のために何日も前から練習しても、首尾よくマスターしてくれるとは限らないです。
赤ちゃんにしてみたら、
「なぜこんなことしなくちゃならないのか?」
「目の前にいつものおっぱいがあるのに、なんでいつも通りにもらえないのか?」
という心境だと推察されます。

ぢゃ、どうすればいいのか?
これは、私も経験ありますが、実母もしくは旦那に付き添いしてもらい、控室で待機してもらいます。
予めウエイター・ウエイトレスさんにメッセンジャーになって頂く旨お願いしておきます。
赤ちゃんが泣いたらメモなどで知らせてもらい、さりげなく控室に赴き、おっぱいをあげます。
終わったら、再び席に戻ります。

付き添いが頼めない場合、誰かに自宅か実家で預かって貰う場合、せめて冷凍母乳を多目に準備しておきます。
1回の授乳の前に10mlずつでもいいから、まめに搾り、冷蔵します。
ホントは1回分ずつ専用バッグに入れるのですが、衛生的に作業するなら、2~3回分の冷蔵母乳を合体させてから冷凍バッグに詰めてもいいです。
家庭の冷凍庫でゆうに1ヶ月は品質保持出来ます。
1ヶ月以内ならば、日付の違うのを混ぜても大丈夫です。(詳しくは冷凍母乳についての過去の記事を読んでね。)

飲ませる場合は、当日までに何度か、おなかが空き始めた頃か、お風呂上りやお散歩の後で喉が渇いているような時を狙って、小さいコップか、ストローか、スポイドなどを活用し、お母さん以外の方がお味見程度に少量あげてもいいでしょう。
その際はもちろん、普段通りにおっぱいを飲む時も、月齢の大きい小さいを問わず、何日も前から赤ちゃんには予告をしておいてください。(赤ちゃんにもココロの準備が必要ですから。)「お母さんが留守をすることがあること。」「その間は誰がお世話をしてくれるかということ。」「おっぱいはどんな方法で飲むかということ。」「お母さんは必ず帰って来て、またいつも通りにおっぱいが飲めること。」・・・くらいは、何度もくどいくらいに繰り返して聞いてもらってね。
もちろん、赤ちゃんを抱っこして、目を見て真剣に語りかけてください。

花嫁・花婿いずれも恐らく赤ちゃんのいる日常が判っていませんから、招待状を寄越すんですね。
で、貰った方は困るわけです。
自分の結婚式や披露宴の時に来てもらってたら、義理を欠いてはいけないし、そりゃあまぁ、ちょっとくらいは気分転換に出かけてみたい気持ちもあるかもしれないけどね。
もちろん、招待する側が親族などで断りようがないこともありますが・・・
赤ちゃんはモノぢゃないから、いつも一緒にいて当然の存在だから、お母さんと離そうとするから、問題になるのですね。

2013年12月 7日 (土)

保温の重要性が理解して頂けなくて困ります。

特に上の子さんが桜の花が咲く頃から木枯らしの吹く迄の暖かい気候(夏だったら暖かいじゃなくて暑いですな・・・)の時期にお生まれになっていると、ビックリするくらい新生児の保温に無頓着なお母さんがいらっしゃいます。
しかも、かなりの割合で存在しているようです。

そのお家の部屋割りの都合で、家族全員が同じ部屋で雑魚寝もとい川の字に寝る場合、新生児にマッチした室温(今の時期ならば概ね20℃以上)に設定すると、上の子達には暖か過ぎて、やたら寝相が悪くなりがちです。
掛け布団は蹴飛ばすわ、敷き布団の無い場所に転がって行くわで却って寝冷えが心配になることもあるかと思います。

だからと言って、上の子達に合わせてお部屋の設定温度を下げたせいで、新生児が寒さに震えていたり、体温維持にエネルギーを使い果たしていい筈がありません。
お部屋の設定温度を下げるなら、まずは新生児を温かくしてあげましょう!
例えば毛布などに包んだり、アンカや湯たんぽの暖を取ることができるようにしてあげるのは必須ですよ。
布団に入ってぬくぬくしている筈なのに、新生児の足裏が紫色だったり、異常に冷たい場合は要注意です。

元気に生まれて退院した新生児が、お家が寒かったせいで弱り切ってしまい、おっぱいを飲むスタミナ切れを起こしたり、体重増加不良になっては元も子もありませんからね。
SOLANINは(こういう表現はキツいかもしれませんが)、寒い時期なのに新生児の保温を疎かにするお母さんは虐待予備軍だと思ってしまいます。

乳頭混乱克服・イケッチさんの体験記2

前回1では、イケッチさんの赤ちゃんの乳頭混乱克服が出来たという体験記を記事として書きました。

基本に忠実に、赤ちゃんの乳頭混乱に、じっくりと取り組まれているご様子が伺えました。

また、具体的に何がどうよかったのか?

お道具の調達はいかがなされたのか?

などの詳細な内容を是非知りたいと思い、再度お尋ねしたところ、困っておられるお母さんのために是非役立ててくださいという心温まる返信をいただきました。

なので、今回2では物品活用の驚異的アイデア(イケッチさんの旦那さんの秀逸な工夫と卓越した知恵)を中心にご紹介させていただきます。

文章は基本的にプチメ原文ママですが、一部日時等の表記を月齢に変更したり文意を損なわないように配慮しつつ加筆しているところもありますのでイケッチさんも読者のみなさんご了承くださいね。

①鼻注用栄養チューブ[以下長いのでチューブと略します。]にシリンジを繋ぎ、人差し指を吸啜させる哺乳トレーニングに使用された物品は、チューブは虫ゴム(1mが100円くらいで販売されている。)注射器代りの容れ物は油差し30ml(120円くらいで販売されている。)です。

記事ではチューブのサイズを3Frと記載していましたので、恐らく虫ゴムの内径はもう少し太いのでしょうが、そんなことは言ってられないので、まずはチャレンジしました。
ちなみに哺乳トレーニングは旦那さんが担当されました。

⇒素晴らしい!夫婦連携ですね♪

シリンジの内筒を押す力加減は、油差しの蓋の締め具合で出方の調節が出来ます。
シリンジの内筒を押さなくても中味を吸い出しができるかどうかの目安は、吸啜力が付いてきたら油差しを押さなくても上手に吸い出せるということが分かりました。

哺乳トレーニングの実地指導は受けてはいませんが,過去記事を読んだのと、検索で他の人が指の使い方を記述しておられたので、それらをそのまま実行しました。
哺乳トレーニングは丁度5か月に入ってから開始しましたが、おっぱいに吸いつけたのはトレーニング開始10日目のことでした。

もっと早く開始したらもっと早くできるようになっていたかどうかは、分からないです。

⇒あぁ、でも、在院中の新生児期から★病院ではトレーニングしてますから、きっと出来る可能性は高いと思いますよ。

②お風呂でのカンガルーはホントびっくりしました。なんでなんでしょう?

陸上ではあんなに嫌がり、泣き叫んでいたのに、お風呂ってだけでパック!ですよ。
上手くいかない日もありましたが、生後2カ月くらいから続けていました。

ただ、陥没乳首なので、見つけてくれても上手く吸いつけなくて申し訳なかったです。

以前過去記事のコメント欄に投稿しておられたひなたママさんと同じ5か月半で、直母が出来るようになったわけです。

ひなたママさんのコメントに勇気をもらいました。
お礼を言いたいです。

⇒ひなたママさ~ん、この記事、読んでおられますか?

③ソフトカップの代用は、100円ショップで手に入る、シリコン製のオカズ入れです。

縁がナミナミになっているのではなく、円筒形のものを選びます。
お猪口や小さいコップは赤ちゃんの口にガチガチ当り、上手くいきませんでしたが、柔らかいので上手くいきました。

④ナーシングサプリメンターの代用も、虫ゴムを哺乳瓶のゴムの乳首の穴を広げて通すと出来ます。

⑤参考文献はラ・レーチェ・リーグの「乳頭の混乱」の【必ずおっぱいに戻って来る】と、SOLANINのコメント「赤ちゃんはお母さんを困らせるために生まれてきたのではない。」です。・・・これを信じて直母諦めなくて良かったです。

プチメを読ませていただいて、イケッチさんへの返信にも書きましたが、「必要は発明の母」という言葉が浮かんできました。

旦那さんが代用品を見つけてくるのが得意な方だそうですが、発想が柔軟で素晴らしいです。

私もホームセンターや100円ショップに赴き、確認してきましたが、煮沸もしくはミルトン等の薬液消毒に耐え得る素材で問題ありませんでした。

乳頭混乱で困っておられる読者のみなさん、身近に有るもので代用できます。
悩んでどうにもならないことが続いているならまずはチャレンジではないでしょうか。

次回はこの素晴らしいイケッチさんご夫妻の努力の軌跡を知ったことで、僭越ながらSOLANINが閃いたことを補足文として記事にいたします。

飲ませてあげるなら美味しいおっぱいを!

昔、「愛のエプロン」というTV番組がありましたね。
トンでもなく料理センスのない芸能人が、口にすることが不可能な料理(もどき)を作り、審査員に供するという企画でしたね。(もちろん、プロ顔負けの凄い腕の持ち主も参戦されてましたが・・・)
あの時、嚥下不可能なお味に遭遇した審査員には“エチケットタイム”という吐き戻しの時間が与えられていましたね。

お母さんの食べたものでおっぱいの味は変わります。
いつもいつもストイックにとは申しません。
発作的にジャンクフードを食べたくなる衝動に駆られることもあるでしょう。
誘惑に負けることもあるでしょう。
けれども、美味しいはずのおっぱいが、ある日突然ゲロ不味になってしまったら・・・
赤ちゃんの衝撃は大きいのではないでしょうか?
お母さんにしてみたら「これしきのこと」でも赤ちゃんにとっては「容認できないこと」である可能性を無視してはいけないのではないでしょうか?
それが「“エチケットタイム”=哺乳ストライキ・・・の始まりでした。」という例が巷にはかなりあるのですね。

どうか赤ちゃんが美味しいおっぱいが飲めるように、配慮してやってもらえませんか?
未だに知らない方がおられるので私はビックリしちゃいますが、おなかの中に居る頃から赤ちゃんには味覚があるのです。
赤ちゃんはお母さんのおっぱいを日々味わっておられますので、「今日のお味はいかが?」と聞いてやってもらいたいです。

2013年12月 6日 (金)

乳頭混乱克服・イケッチさんの体験記1

『最強母乳外来』の読者さんでイケッチさんという方がおられます。生後5ヶ月半になられる赤ちゃんのお母さんです。

イケッチさんは産後(というか赤ちゃんの生後ですね。)間もなくから赤ちゃんが乳頭混乱に陥ってしまわれ、苦労をされて来ました色々調べて行くうちに、ここに辿り着いてこられ、過去記事を参考にしていただいて、頑張って取り組んでこられました。

久しぶりのプチメをいただきました。
私は「あれからどうしておられるか?」と案じておりました。
何と乳頭混乱を克服されたとの速報でした。
ブラボー&マーべラスですな。

どのようにされたのか、何が効果的だったのか興味津津だったので、返信したところ、次のような内容でした。

注)イケッチさんご本人に、乳頭混乱を克服された体験記をみなさんにご紹介したいという、私の厚かましい申し出にご快諾いただきましたので、記事にさせていただくことが出来ました。イケッチさん有難うございます。

乳頭混乱で困っている方の参考になればと、私が試した方法をご報告いたします。
1.言い聞かせ
2.チューブと指でのトレーニング?補足?というのでしょうか。
3.お風呂でカンガルーケア
4.自分の子を信じる←これは方法ではないですね。
突破口となったのはお風呂でカンガルーというか入浴中の横だっこはおっぱい近くでも顔をそむけないなぁと思いたって、試しにおっぱいを引っ張って「あーん」とさせてみたら吸い始めてくれたのです。
そのまま5分。

「では反対も」と思ったら、これも吸い始めてびっくりです。
で、お風呂から上がって添い寝乳をしてみたんです。
で、できたんです。
「体勢がきつい」と私が言ってたら夫に「普通も試してみたら」といわれ試すとこれも、できたんです。
なんか、あっけに取られた感じでした。

次の日から添い寝乳、立て抱きで試して、どうしてものけぞって嫌がるときと本当に飲めているのか不安だった時はチューブ、哺乳瓶で補足してました。
(哺乳瓶は本当は使っちゃだめよねぇと思いながら・・・)

克服できた日から5日後には嫌がることが少なくなったので、これは夜間の授乳を乗り切ると大丈夫!と思ってすごして、乗り切りました!
なので、6日後から搾乳なしにチャレンジ。
「おしっこもうんちも出ているのでこれはもう大丈夫。」と、本日に至ります。

これは、時間が解決してくれたのか?とも思ってみたり。
何らかの我が子の許しみたいな、ひらめきみたいなのがあったのかなぁと思ってみたりしてます。
まだ吸い付き始めが下手っぴちゃんなのでこれは徐々に上手になっていくことを願いつつおっぱいライフを楽しみたいと思います。
(ほぼ原文ママ。日時表記に一部変更あり。)

基本に忠実に、赤ちゃんの乳頭混乱に、じっくりと取り組まれているご様子が伺えました。

また、具体的に何がどうよかったのか?

お道具の調達はいかがなされたのか?

などの詳細な内容を是非知りたいと思い、困っておられるお母さんのために役立ててくださいという心温まる返信をいただきました。

次回2は物品活用の驚異的アイデア(イケッチさんの旦那さんの秀逸な工夫と卓越した知恵)を中心にご紹介させていただきます。

おっぱいの味と食べ物の因果関係について。(国際比較?)

過去記事にも書いたことがありますが、欧米系の母乳育児支援(ラクテーションコンサルタント、ラ・レーチェ・リーグ等)と、日本系の母乳育児支援(日本母乳の会、O式T式SMC式をはじめとする助産院、母子ケア研究会、母乳育児サークル等)と比較して真っ向から異なるのが、お食事によって、おっぱいの質や味が変化するか否かということについてです。

欧米系は変化なしと主張するのに対し、日本系は変化ありと主張されます。
で、どっちなんだろう?って思ったことはありませんか?

私はずっと考えてましたが、やはりあると思います。
例えば日本人が乳製品を摂取することが一般化したのはここ2~3世代です。
国民1人当たりのチーズの年間消費量は2006年現在で日本は2.2kgであるのに対し、最多のギリシャは28.7kg(2005年)フランス24.5kgドイツ21.9kgと続きます。
少ない国としてはニュージーランドで7.1kgという例もありますが、それでも日本の3倍以上です。
バター国民1人当たりのバターの年間消費量は2000年現在で日本は0.63kgであるのに対し、最多のインドは19.5kgグルメ国フランス7.6kg健康志向の強いアメリカ2.3kgという差があります。
日本の3~10倍以上の摂取をしている国々の方が少々控えめに食べようが、変化は無いかもしれません。
しかし、さほど多くない摂取量の国の方がいつもよりも多く摂取すれば、何らかの変化が出てくる可能性があってもおかしくないと思いませんか?
食生活が欧米化したと言われて数十年が過ぎましたが、人間のカラダはそんなに早く変化についていけないのではないかと思います。

2013年12月 5日 (木)

あえぎ呼吸には要注意!

生まれて間もない赤ちゃんへのカンガルーケア(正式にはearly skin to  skin contact,つまりはSTSですな)の際、気をつけなくてはならないことがあります。

それは、記事タイトルにもあるような、あえぎ呼吸です。
見た目的にはあっぷあっぷして、必死に呼吸しているように見えます。
生まれた赤ちゃんが精一杯頑張って呼吸しているからSTSを続けても差支えない・・・わけありません!
あえぎ呼吸は、呻吟(しんぎん)つまり呼気時の“うめき”や、鼻翼(びよく)呼吸つまり小鼻をピクピク膨らませるような息遣い同様に、呼吸障害の一種に該当します。
決して大袈裟ではなく、あえぎ呼吸は無呼吸の一種と考えた方が正確です。
最近は何処の病産院でもSTSの際のガイドラインを設け、SPO2をモニタリングしながら行っているかと思いますが、あえぎ呼吸を発見したら、STSは速やかに中止するのが妥当です。
直ぐに小児科ドクターにコールして、あえぎ呼吸を正常な呼吸状態に回復させるために指示を仰ぎ、対処しましょう!

生まれて間もない赤ちゃんの呼吸が大丈夫かどうかは、医療者ではないお父さんやお母さんでは分かり難いとは思いますが、見た目的にに「何だかしんどそうではないか?」と感じたら、近くに居るスタッフに見てもらい、呼吸状態を確認してもらってください。
もしも近くにスタッフが居なかったらどうするか?
ん~、STSの最中にまさかスタッフ不在は有り得ないと思いますが、一刻の猶予もないこともありますので、病棟中駆けまわってでも、探し出して捕まえてください!

乳頭混乱をきたしている赤ちゃんの直母トレーニング!その2

風呂でカンガルーケア作戦】が確実に出来るようになったら、次の段階です。

この方法は私が会員になっている母子ケア研究会の年1回の会報に掲載されていたもので、実際にSOLANINの勤務先の母乳外来に受診しておられるお母さんに試していただいて効果がありましたのでご紹介します。
(私の使命は母乳育児の推進とその支援ですから、“防毒マスク”こそ被っていますがこう見えても実は母乳育児関連の様々な団体の会員になったり、セミナーを受講したりして自己研鑽に励んでいるのですな。)

その方法とは、名付けて【足湯作戦】です。
フットバスの機械があればそれを使ってもらえればいいのですが、なければ大きめのバケツか盥(=たらい)にお湯を張ったものでも構いません。
それをソファかゆったりと座れる椅子の前に設置します。
授乳するまでに冷めてしまうからお湯はちょっと熱めにしてね。
やけどしないようにを付けてね。)
などでふたをしてしておきます
母さんは素足になり、脚が膝まで出るようにしておきます。
ちゃんをっこしておさんはをはだけてできるにします。
できればコアラ抱っこというか、立て抱き風にしてみてください。
おっぱいがじわっと滲み出した方が方が赤ちゃんが自分で咥えてくれやすいので、少し乳頭におっぱいが付いている状態の方がいいと思います。
普段仰け反って嫌がる赤ちゃんも意外とパクッと吸い付いてくれます。
さんは足しながらちゃんにおっぱいをあげることになります

湯にはお母さんの好きなエッセンシャルオイルを2~3滴垂らしてもらってもいいですよ。
リラックス効果が高まるから、必ず質のいいものを使ってください。
こればっかりは100均はNGです。
合成香料では効果がないから。

スパイシーなものを食べるとおっぱいを嫌がる理由について。

大抵の場合、お母さんがスパイシーなもの(例えばカレー・キムチや明太子で激辛のもの・トムヤンクン・タバスコをかけた料理)を食べると赤ちゃんがおっぱいを嫌がって飲まなくなったりしがちです。
乳首を噛んだり、喋れる子はハッキリ「辛い」と意思表示をすることさえあります。
アレルギーみたいに顔や体に発疹が出る子も居ます。
何故なんでしょう?

私はやはり日本独自の食文化から離れたものだからではないかと思います。
もちろん上記の例は、今の日本ではポピュラーなメニューですね。
授乳以前、つまり普段から口にしているものばかりかもしれません。
でも、よ~く考えてみると、どれもここ数十年~百年程度のうちに広まったメニューです。
日本の食文化は時代と共に変化していますが、つい数十年~百年前までは,カレーのスパイスや激辛唐辛子を普段から食することは無かったわけです。
平たく言えば個人的には大好きでも、民族的にまだソウルフードではないということです。
だから赤ちゃんがおっぱいを嫌がるのではないか?と考えるに至りました。

なので、最近は多くの外国籍の方が日本で出産されて、母乳育児をされることもあるわけですが、例えば中国の四川省出身の方が激辛麻婆豆腐を食べても、韓国の方が本場のキムチを食べても、インド・パキスタン・スリランカ・バングラデシュの方がカレーを食べてもタイの方がトムヤンクンを食べても、臨床的に赤ちゃんが嫌がるとか、乳房トラブルになるという話は滅多に聞かないです。
それは彼の国のソウルフードだからと考えればしっくりくるのですね。
基本的にその土地で採れた旬のものが、一番良いのかもしれませんね。

余談ですが、最近私が気になっているのは、ハーフやクォーターの赤ちゃんです。
ソウルフードが最初から複数ありますからね。
どの程度のものを受け入れられるのか…気になりませんか?(笑)

2013年12月 4日 (水)

乳頭混乱をきたしている赤ちゃんの直母トレーニング!その1

この方法はラクテーションコンサルタントの講義に通っている同僚から教えてもらったことで、何組もの赤ちゃんとお母さんのカップルに実践してもらい効果のあったことです。

哺乳瓶のシリコンゴムの乳首や乳頭保護器に慣れ切って要り赤ちゃんは、直母になると、ギャン泣きしてしまい、なかなかそういった哺乳デバイスから離脱出来ないという子が相当数おられ、お母さんも苦しんでおられるようです。
SOLANINの勤務先の母乳外来にも他院出産で保護器を外したいという目的で受診される方が月に数名おられます。
(私もそういうお母さんの何とか力になりたくて、自腹で様々なセミナーを受講して情報収集をしております。)
その中で、いかにして乳頭混乱を克服していくかなのですが、お母さんも赤ちゃんもストレスが少なくリラックスして出来る方法があることを知りました。

それはですね・・・【お風呂でカンガルーケア作戦】です。
浴槽に半身浴が出来るくらいのお湯を張ります。(熱過ぎないくらいのお湯です。)
そこで赤ちゃんを立て抱きにしてお母さんは若干斜めに凭れかかるような姿勢をとってください。
お母さんに抱かれてお湯につかりつつですと赤ちゃんはリラックス出来ます。
目の前におっぱいがあるという状態に赤ちゃんをセットします。
すると、赤ちゃんが自分でお母さんの乳首を捉えようとしますから、少しずつ赤ちゃんのお尻を持ち上げてお母さんの乳首に到達するように誘導します。
頸が据わっていない赤ちゃんは後頸部をそっと支えるくらいにしてください。
頸が据わっている赤ちゃんは基本的に赤ちゃんの好きにさせてやってください。
くれぐれも、赤ちゃんのお口を直ぐに乳首を咥えさせようと焦らないことがキーポイントです。
カンガルーケアの時のように赤ちゃんに捜させて、自分の力で乳首を捉えさせるのです。
これで確実に成功するようになると次の段階(つまりお部屋でふつうに授乳する時も直母が出来るように。)に進みます。

授乳中夜間の飲食について。

特に昼夜逆転傾向の赤ちゃんにおっぱいをあげていると、深夜でもやたらとおなかが空きますよね?
そりゃあそうです。
お母さんは深夜勤務をしているようなものですから。
ずっと抱っこか、おっぱいか・・・って感じでしょうからねぇ。
時間帯によっては、人格が崩壊しそうなくらい、おなかが空くことだってあるかと思います。

もちろん、キホン的に夜間の飲食はされない方が良いと思います。
というのも、通常赤ちゃんがネンネされたら、お母さんはバタンキュ―になるでしょうから、食べて直ぐに眠るということは、それだけで太りり易くなります。
母乳でダイエットを目指しているお母さんにとっては、自爆行為だと思いますよ。
また、食べて直ぐに眠るということは、今流行(?)の逆流性食道炎になり易いし、消化も悪くなる恐れがあります。
自ら引き起こした病気による内服が待ち受けていますから、危険行為だと思いますよ。

なので、キホン的に夜間の飲食をしても止むを得ないという状況は、常にオ―ルナイトで、横になることなんて、有り得ない方限定ですね。
お茶や小さくかためのお握りを枕元に置いておき、良く噛んで食べるくらいなら、乳房トラブルや逆流性食道炎にはならないでしょう。
言わずもがなですが、深夜にお菓子は食べないでね。

2013年12月 3日 (火)

学資保険の注意ポイントとは?

SOLANINは何処の会社の何という商品を推奨するとか、そういうことはしません。(この記事はそうゆう記事でもありません。)
『契約者である保護者に万一のことがあれば、以後の掛け金は払込不要』・・・というのは、昔から殆ど全ての保険会社がされている最低ラインの特約ですし、『病気やけがで入院した時のお見舞い金の受け取り』も、学資保険としては珍しい特約ではありません。

ただ最近、幾つかの学資保険といわれる商品の掛け金と受取額を見る機会があり、ビックリしたことがあります。
それはですね、保険会社にも依るのでしょうが、元本率が100%しかない商品がちょくちょくあるということです。
元本率100%というのは、掛け金の額しか受け取れないということを意味します。
つまり、貯蓄性はゼロってことです。
ここ20年くらいは、ずっと低金利時代ではありますが、それでも預貯金の利子がゼロというわけではないですよね?
学資保険に求められる条件として、貯蓄性とゆうのはやはり大事ではないかと思いますので、きちんと計算してから加入しましょうね♪

ちなみに、大人向けの医療特約付きの10年満期の貯蓄性保険なんて、保険会社を問わず元本率100%割れのがザラにあるようです。
その場の雰囲気に流されず、くれぐれも損をされませんようにご注意願います。

舌小帯短縮症と手術。

舌小帯短縮症の赤ちゃんが何に難儀するかというと、「舌運動がぎこちないので疲れやすい」「ちょこちょこ飲みになりがち」「先ばかり吸うので、乳頭損傷が酷くなりやすい」「しっかり飲めないから体重増加不良になることがある」「しっかり飲めないから飲み残しが多く、しこりが出来やすかったり、乳腺炎になりやすい」「癇癪をおこしやすい」等々が挙げられます。

O式の先生は舌小帯短縮症の赤ちゃんに手術を勧められることが多く見受けられます。
重度の吸啜障害なら必要かもしれませんが、日本小児科学会では
推奨していません。
手術をして、舌の動きが良くなったように見えても、「見えるだけ」のこともあるし、瘢痕化して、結局効果なしということもあるからです。
また、小なりとはいえ、「手術」ですから、赤ちゃんのカラダへの負担を考えると、如何なものか?ということです。

じゃあ、SOLANINはどう考えるのかと申しますと、私も基本的には安易な手術はお勧めしません。

吸啜障害といっても程度があるし、ポジショニングや乳房のコンディションを調整するだけで、解決することが多くあるからです。

物心ついてからの手術はしのびないという保護者もおられますが、舌小帯短縮症が本当に問題になるのは、お話が出来るようになってからです。
舌足らずな喋り方しか出来ない(例えば、「さとしくん」という名前なら「たとちつん」としか発音出来ない)」「RとLの発音が使い分けられない」「睡眠時無呼吸症候群である」など、本人が必要性を感じて受けるという方が納得できるのではないでしょうか。

吸啜については過去の記事にもあるように、4800gを超えれば大抵解決しますからね。

新米ママに食べてほしいカレー、キムチ、魚のフライ?

プ●ジ●ン●べ●ーという育児雑誌の記事で、「新米ママに食べてほしいカレー、キムチ、魚のフライ」というのがあり、興味深く読ませてもらいました。
現役産婦人科ドクターでラクテーションコンサルタントであり、ラ・レーチェ・リーグのリーダーであり、7人のお子さんのお母さんでもある高名な方の記事でした。

要約しますと、以下のようにQ&Aされていました。
Q1 [脂っこいものは避けた方がいい?」⇒A1「避ける必要なし。むしろ魚の脂はオススメ」
Q2「甘いものは控えた方がいい?」⇒A2「母乳が甘くなったり糖分が多くなることは無し」
Q3「においの強いものや刺激物は母乳の味に影響するか?」⇒A3「影響あり。風味の違いが赤ちゃんの味覚を育てます」

ふむふむ。
いやぁまぁ何と申しましょうか、ラクテーションコンサルタントやラ・レーチェ・リーグのリーダーさんならではのお答えだと思いました。

A1の魚の脂についてはDHAやEPAを含むので、同意できる部分もありますが、「量は問題無く中身に気を付けましょう」という答えの補足に関しては、かつて土用の丑の日に特大サイズの鰻の蒲焼きを2匹食べたり、魚のフライを食べ過ぎたりで、一気に乳腺炎になられた方々の対応をした経験のある者としましては、魚の脂とはいえ、量もある程度は関係あるのでは?と考えざるを得ませんね。
実際、お母さんの脂肪摂取が増えれば、ある程度母乳中の脂肪量が増えることが分かっていますからね。
脂肪の中身については、やはり動物性脂肪(特に肉の脂身やバター、生クリーム)については出来るだけ避けてほしいなと思います。
そこはご存知なのかな?と思いました。

A2の糖分が多くなることは無い件については、答えの補足で「現代のお食事でカロリー的に不足することは無い。お母さんの健康のためちょっと控えめが丁度いいでしょう」という点については同意できます。
母乳中の糖分量はお母さんの摂取量が増えても、脂肪量ほどにはお食事内容が反映されないことは、私でも知っています。
でも、調子に乗ってドンドン食べちゃって!という意味ではないと思います。

A3のにおいや刺激物に関しては答えの補足で「大量の激辛の食べ物とかではなかければ、味覚を育てることに繋がります」と記載されています。
これについては、実際に飲まされる側の赤ちゃんが嫌がるのであれば、はやりそれは避けた方が無難であると考えます。
赤ちゃんが嫌がっているのに、それを克服するために敢えてお母さんが食べるというのもナンセンスですよね?
色々な味やにおいを知って欲しいのは山々ですが、肝腎の飲み手である赤ちゃんが嫌なのに、お母さんが好きだからという理由でバンバン食べちゃうとなると、キツい言い方ですが、それってお母さんのエゴではないでしょうか?
言い方を変えますと、赤ちゃんの味覚を育てることは、赤ちゃんが楽しみ乍ら行うものであり、鍛錬の一環として行うものではないと言いたいのですが、違いますかね?
おっぱいの成分分析しても、においや味の違いについては、計測機械では数値化が困難だったり、有意差が出ないけれどこれはやはり違うのだという要素もあるのではないでしょうか?
赤ちゃんの舌は敏感ですからね。
また、長期授乳中のお子さんの場合、抱っこが好きで飲むお子さんも居られますが、おっぱいの味が好きで飲むお子さんも居られるという事実がある以上、やはりにおいや味が嫌で飲まない場合は、きめ細やかな配慮が必要だと思いました。

結論としては、プ●ジ●ン●べ●ーという育児雑誌の「新米ママに食べてほしいカレー、キムチ、魚のフライ」の記事内容は、一理あることもありましたが、でもちょっと違うのではないかと感じたことがいくつもありました。

2013年12月 2日 (月)

乳頭混乱を起こさない補足の方法は?

乳頭混乱を起こさないようにしたければ、最初からゴムの乳首を使わなければいいのです。

でも、哺乳力の弱い未熟児さんで、鼻注からようやく経口哺乳ができるレベルになったものの、直母はまだ難しい状態である時はどうしたら良いのでしょうか?

必要量を直母で飲めたらいいのですが、そうもいかない時はどうしたらいいのでしょう?


もしくは、どうしても赤ちゃんを連れては出かけられない場所に行かなくてはならない時(例えば親しい方のお葬式、自衛隊の基地など・・・)はどうしたら良いのでしょうか?


少量の補足ならばカップやスプーンなどで出来ますが、飲む量が増えて100mlくらいになると、難しくなります。

そんな時はメ○ラ者のソフトカップがいいです。
乳頭混乱は起きません。
赤ちゃんのお口にガバッとスプーン状の部分の半分くらい、思いっきり突っ込んで咥えさせるとフツーに飲めます。


あとはシリンジにア○ム社の栄養チューブ(3frの細いもの)を繋ぎ、お母さんの人差し指を吸わせつつ、栄養チューブの端を口角から挿入し吸啜する練習をします。(チューブは長いですが、切断してはいけませんよ。そのままの長さで使います。)

効果ありますよ。

寒いところは危険です!

とある週明けに全くトラブル知らずのMさんがSOLANINの勤務先の母乳外来を受診されました。
「おっぱいにしこりが出来て痛くて・・・」と乳腺炎のようです。
早くから職場復帰され、お食事内容も食べ方も気を付け、搾乳も毎日きっちり励行され、授乳間隔もいつも通りで赤ちゃんの体調も悪くありません。
「何が原因だろうね~?」と言いながら乳房マッサージをしていました。
「痛くなった週末、いつもと違うことしませんでしたか?何かあると思うけど・・・」

そうした世間話の中でMさんは私の想像を超えることを仰ったのです。
なんと、産後3ヶ月ながら、祖父母、本人、旦那さん、赤ちゃん、上の子2人と、一家総出でスキーを楽しんでおられたのです。
当然最初は本人は車中若しくはロッジで赤ちゃんのお世話をしながら待機のつもりだったそうですが、上の子たちにスキーを教えるという役割を祖父から振られたそうです。(当初旦那さんが教える筈だったのでしょうが、自分で楽しみたかったのかな?)(もちろん祖父も教えてくれていたのですが、マンツーマンでの方が早く上達するだろうからと、授乳以外は白銀の世界に半日近く居られたそうです。)

「あぁ~、そうか、冷えちゃったのねぇ~。」と気が付いた私はそう答えました。
「着こんでいてそんなに寒さ感じなかったんですが、そうなんですか!」とMさんも驚いておられました。
スキー場やスケート場、授乳中でも行っても良いですが、服装だけでなく、例えば腰や足裏に懐炉を貼るとか、万全の対策が必要なんですね。

しかし・・・産後3ヶ月でスキーって・・・「やるなぁ~。」って思いました。

2013年12月 1日 (日)

赤ちゃんの鉄不足を予防するためには?

乳児の鉄不足を出来る限り予防するにはどうしたらいいのでようか?
それはですね、妊娠中からの摂取が大きなカギになります。

勿論、時期を問わずではありませんよ。
過去記事にもありますように、妊娠初期はレバーなどに含まれる、動物性ビタミンA(=レチノール)の過剰摂取は神経管閉鎖障害発症のリスクを考えれば避けなくてはなりませんからね。

一般的には母体からの鉄の移行は妊娠後期3ヶ月が最も盛んだとされていますから、おおよそ妊娠7~8ヶ月頃からの日々の鉄の摂取が重要と言えます。

丁度、おなかの赤ちゃんの発育が著しい時期で、母体の循環血液量が増加してくる時期とリンクします。
妊婦さんを採血すると、かなりの割合でヘモグロビン値が低くなる時期ですね。
産婦人科ドクターから「貧血になっているので、鉄剤を処方しますね。」と言われたことのある方、いらっしゃるかと存じます。
「内服すると胃がムカついたり排せつ物が真っ黒になるから嫌だな。」とか「便秘になり易いから内服は止めよう。」とかの言い訳をして処方された鉄剤を服用しないのは、妊婦さんとしてあまりにも無責任な振る舞いなので、絶対に駄目ですよ。

普段のお食事の見直し、献立の工夫に加えて鉄剤の服用で改善を図ることは、おなかの赤ちゃんの発育不良を防止するだけではなく、赤ちゃんが生まれてから数ヶ月も先々のことにまで影響するのです。
現在妊娠中の読者のみなさんは、妊娠後期の鉄の摂取、貧血の改善について本腰を入れてくださいね。
とても大事なことですから。

乳頭混乱になったのかな?

直母中の赤ちゃんに安易にゴムの乳首で搾乳やミルクを与えると、次にお母さんの乳頭に吸いつこうとしたら、出来なくなることは実はしばしばあるのです。
想像以上に赤ちゃんのお口の中はデリケートですから、たったの1回でアウトになることさえあるのです。
もちろん、是々非々で使い分けるとても器用な赤ちゃんもおられますが、あきらかに少数派です。
特に新生児は直母が上手に出来ているように見えても、まだまだ見習い中なので、哺乳量が増えたからといって飲み方が上手になった訳ではありません!
これは小児科ドクターや助産師でも勘違いしてしまう落とし穴です。特に乳頭混乱を起こし易い条件について、挙げていきます。
お母さんの乳頭が扁平や陥没でもないのに
1.すぐに癇癪を起す赤ちゃん、
2.吸いつくまでにやたらと時間のかかる赤ちゃん、
3.泣きだすとお口の中で舌が巻き上がって降りてこない赤ちゃん、
4.お母さんのおっぱいの分泌量が増えてきても哺乳量測定をすると0~10g程度にとどまり、搾乳を補足しなくてはならない赤ちゃん、
5.舌打ちしながら飲む赤ちゃん、
6.笑窪の出る赤ちゃん、
7.お母さんの乳頭損傷が激しく出血や痛みが酷くて乳頭保護器を使わずにはいられない時、
8.
お母さんの乳頭損傷がケアしているにも拘わらず、退院後もなかなか軽快しない時、
9.直母を離した瞬間の乳頭がへしゃげている時⑩未熟児さんで瓶哺乳が長期にわたる時
・・・などです。

そういう赤ちゃんに安易にゴムの乳首を使うことは大変危険です。 

新生児に搾乳やミルクを補足する際はカップ・スプーン・注射器・スポイドなどがいいです。
そういう補足の仕方をお母さんに教えてあげることは必要ですね。

トラブル時の食事指導をどう受け止めるか?

おっぱいトラブルになると、多くのお母さんは助産師の元に駆け込んで来られます。
(お近くに母乳外来や助産院が無い方は、当ブログを参考に出来る限りのセルフケアをされる方もあるでしょうし、それはそれで適切な判断ですけれど。)

ただ、一部のお母さんは、助産師にケアをしてもらうと、ほぼ必ずと言っていいくらい、食事内容についての指導を受けるので、それが嫌だからケアを受けないとか、何回もおっぱいが痛くなって母乳育児が嫌になったから断乳するという方もいらっしゃるようです。(涙)
確かにイキナリそれまでの食生活とかけ離れた、あまりにもストイックな食事内容を提示されたら、「むむむ!こんなの無理!」と唸ってしまうでしょうが、2つか3つの食物を、取り敢えずおっぱいトラブルが改善するまでお休みするくらいなら、赤ちゃんのために出来るのではないかと思うのですが。(汗)

最近ちょくちょく耳にするのは、妊婦さん時代に体重管理が厳し過ぎる病産院でご出産されると、出産するやいなや「さぁ、喰うぞ!」とばかりに、お菓子やファストフードの差し入れをガッツリと満喫される方がいらっしゃるそうです。
大抵は産後3日目あたりにおっぱいトラブルになってしまわれますが。
(もちろん、世間には何をどれだけ食べても、おっぱいトラブルとは無縁のお母さんもいらっしゃるので、いざエライことになってしまわれると、「何故自分が?」と、何となく不公平感を抱かれるのでしょうが。)

また、一方で、おっぱいトラブル予防のためだけに、一部の流派の助産師たちが提唱する超ストイックな食事制限を極めてしまい、激ヤセされたり、摂食障害になってしまわれる方も出現されているそうです。
そういう話を聞くと、私にはこれまで経験はないけれど、おっぱいトラブル時の食事指導の匙加減って、繊細だなぁと思う今日此頃です。

最近の医療の現場では、クリニカルパスを活用し、指導項目でも何でも標準化というか画一化されてきていますが、それをどう活用するかが大事なのでは?と、思います。
口はばった言い方で恐縮ですが、経験の浅い助産師の場合、自分の言ったことに対し、お母さんの反応を見る余裕が無く、指導項目を抜かさずに伝えるだけで精一杯かもしれません。
お母さんのキャラをきちんと把握した食事指導が、楽しく母乳育児を続けて行ってもらうためには必要だなぁと、改めて感じました。

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