SOLANINが5分2クールを推奨するわけ。
おっぱいのあげかたについて、質問がありました。
よくわたしは、「5分2クール吸わせる」と申しておりますが、ラクテーションコンサルタントがおられる病産院ですと、「赤ちゃんが満足するまで、吸わせる(=何分かではなく、脂肪分の多い後乳まで飲ませる)」と、指導されるとことが多いかと思われます。
「赤ちゃんが満足するまで」は理論的に正しいと思います。
でもなぜ、「5分2クール」なのか?
理由を書きます。
1.乳頭・乳輪に掛かる負担を減らすためです。(正しい吸着をしていても、あまりに長い時間吸わせ続けたら、乳頭・乳輪の皮膚がふやけてキズがつきやすくなります。
キズが酷くなると、授乳自体が苦痛の原因になりおっぱいをあげることが全く楽しめません。
2.頻回直母をすると、おっぱいが溜まるまでに次の授乳になることもしばしばです。
吸啜刺激で乳汁分泌ホルモンである「プロラクチン」の血中濃度が上昇する時間を考えると、片方に長くあげることは、どうなのか?という疑問が出てきます。
3.片方に満足するまで長く吸わせると、反対側も同じように吸いついてくれないことがよくあります。
赤ちゃんが吸啜することに疲れるからです。
例えばたまたま授乳間隔が空いてしまった時にこのやり方で授乳すると、後からあげた方の乳房の残乳感が解消されにくくなります。
左右のアンバランスを助長するような飲ませ方は、乳房トラブル(うつ乳も含めて)の原因となります。
まぁ、ざっとこんなものでしょうか?
あぁ、それともうひとつあります。
4.赤ちゃんの胃の体積は小さく、おっぱいの消化・吸収は早いものです。
しかも、赤ちゃんはある程度体重を増やし、成長していくべき存在です。
極端な表現になりますが、3kgで生まれた赤ちゃんが1歳の誕生日に3kgでは発育不良であることはどなたでもご理解いただけると思います。
(大人は自分の体重がちょっとでも増えると悲しい気持ちになりますが、わが子の体重が順調に増えて悲しくなる親御さんは稀だと思います。)
トラブルを起こさない・起こしにくい飲み方を取り入れるべきではないかと考えるわけです。
実際、「5分2クール」で、授乳回数の数え方を正しくすることで(もちろん、乳管の詰まりを取り除くことと、その母子に見合った正しいラッチオンが出来るポジショニングを取ることが大前提ですが・・)赤ちゃんの体重増加不良が改善されることは経験的に数えきれないくらいあります。
なので、多くの方にマッチングしやすい「5分2クール」を推奨するわけです。
もちろんケースバイケースということもあると承知しております。
決して自分のやり方をあなたに強要するつもりはありません。
しかし、あなたの今の授乳方法で何か不都合があれば、また1.2.3.4.の理由にご賛同いただけるのでしたら、試していただく価値があるのではないかということです。
「どうすれば、おっぱいが上手くいくのか?」をSOLANINは追求しているのですね。
・・・上手くいかないなら、いかせてみせようホトトギス、かな?
« おっぱいを飲ませてあげた後に搾るメリットとは? | トップページ | おっぱいの分泌がカツカツかも知れない時こそ »
「☆母乳分泌のメカニズム」カテゴリの記事
- 喫煙と母乳分泌に連関性はあるのか?(2016.01.13)
- 罨法の違いで分泌にアクセルとブレーキ。(2015.11.27)
- 極端に水分摂取が少ないと、母乳の分泌量に影響しますよ!(2015.08.17)
- 完母の方が離乳食開始までに懐妊することのリスク。(2015.01.19)
- 仕事中に1回搾乳しているが、量が減ってして心配!(4ヶ月)(2014.11.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント