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2014年1月の記事

2014年1月31日 (金)

想像以上にデリケートです。

出産後の褥婦さんのカラダはかなりデリケートです。
個人差はありますが、普段は何の問題もないのに、消化器系がデリケートになってしまう方がちょくちょくいらっしゃいます。
例えば、お世話になるご実家が魚屋さんや居酒屋さんとかで、鮮度や品質に自信がある場合でも、お造り(≒刺身)を食べたら決まっておなかが緩くなるということは、しばしばあります。
タタキとか、酢牡蠣とかも危ういかもしれません。

焼き魚や煮魚だったら、特にどうってことないのに、何回食べても魚介のナマモノだったらアカンということです。

恐らく1ヶ月健診を過ぎる頃には、体調は本復に近いので、そういうことは無くなるようですが。

何気に食べてみて、どうもおかしいと感じたら、1ヶ月健診くらいまでは控えた方がいいかもしれません。
好物であっても、体調や時期的に食べない方がいいものもあります。
どうかお気をつけくださいね。

はぁ? 「卒乳しましょう!」ですって?

過去記事にも書きましたが、「断乳」の2文字は2002年4月交付の母子健康手帳から消えました。
SOLANINが赤ちゃんを育てていた頃つまり、10か月で断乳&離乳食は3回食しっかり食べさせる・・・のではなく、赤ちゃんとお母さんの二人が、他所のウチと比べるのではなく、個々のペースでおっぱいを飲み、食べられるようになればいいですよ・・・という考え方が根幹に据え置かれたということなのですね。


世界的にも同じく2002年に開催された第55回世界保健総会で採択された『乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略』に於いて、「6か月の完全母乳の推進と、2年以上の母乳育児の継続」が薦められているくらいですから。

しかし、残念なことにこのことを知らない医療者はかなり多く、『最強母乳外来』の読者さんの多くが、10か月や1歳半のの集団健診あたりで、「もうそろそろおっぱいを止めないとね。」「離乳食が食べられないのはおっぱいのせい。」「乳歯がボロボロの虫歯だらけになりますよ。」「甘えん坊になって自立できなくなっても知りませんからね。」「お母さんが子どもの要求に振り回されているだけですよ。」「お母さんがおっぱいを止めたくないからでしょう?」等々、酷いことを医療者から言われていることは、まだまだ多いようですね。

つまり、卒乳は結果として起こり得るもので、そもそも“しましょう”(=目指す)っていうことではないのですね。

なので、もしも集団健診の場で「もうそろそろ卒乳をしましょう!」「今が卒乳のチャンスです。」などと、医療者から煽られても、スル―してください。
くれぐれも、数年前に施策されたエコカー減税と補助金交付の打ち切り前の駆け込み需要みたく卒乳を同列に論じるようなことはしなでくださいね。

豊胸術と母乳育児。

私は美容整形をどうのこうのと申し上げるつもりはありません。
生死に関わる医療ではないですが、顔やカラダの手術を受けることで、明るく前向きに毎日が過ごせるようになる方も居られることでしょう。

実は私はこれまで、豊胸術を受けてから妊娠・出産された方に出会ったことは、数えるほどですがあります。
しかし、いずれも都会で暮らしておられ、里帰り出産された方で、産後間もない時期しか対応したことがありません。
最近出会ったMさんも、1人目さんを出産されてから2人目さんを妊娠されるまでにシリコンバッグを入れられたそうです。
(立ち入ったことは聞けないので、理由は分かりませんが・・・)

シリコンを入れても母乳育児は出来ます。
乳腺組織に切れ込むわけではないし、乳管も切ったりしないので、ちゃんとおっぱいは出てきます。
ただ、豊胸術をするのですから、元々の乳房は小さいわけで、シリコンで乳房が大きくなった分、当然術前よりもかなり皮膚が伸びています。
それに加えて、妊娠中から乳腺組織が拡張してきますから、出産前から乳房の表面を走行する静脈が浮き出してきますし、産後は早くから乳房がパンパンになり易いです。
乳房が四角くなるような感じかな?
シリコンを入れるには、乳輪の下縁あたりを切開するので、授乳が始まると若干乳輪の皮膚が引き吊った状態になります。
なので、先ほぐしをしないままですと、赤ちゃんはかなり飲みにくくなります。

乳房自体はうっ積が収まってくれば、緊満による痛みも軽減してきます。

唯一心配なのは、乳腺炎になった時です。
豊胸術を受けていない方よりも、症状が緩和するのに時間がかかる恐れがあります。
マッサージをする助産師も、おっかなビックリですることになるでしょうから、どの程度の圧をかけていいのか分からないですからね。

お母さんには母乳育児を大事にしてほしいので、どうしても豊胸術を受けるとしたら、できれば赤ちゃんを産み上げてからにしてもらいたいですね。

2014年1月30日 (木)

卒乳した幼児にとっておっぱいの味は?

弟や妹が生まれても、タンデム(同時に)授乳をされておられるお母さんは少しずつ増えてはいますが、現時点ではまだ上の子さんは卒乳して、赤ちゃんだけおっぱいをあげておられるパターンが多いです。
SOLANINの勤務先の母乳外来に卒乳した幼児が、お母さんや赤ちゃんと一緒に受診されることが多い長期休み中は、殆んどの上の子さんはおっぱいを飲んでいる赤ちゃんが羨ましく、メッチャ美味しそうに見えるので、一度はお味見しているようです。
その感想を聞きましたところ、「おっぱい、美味しくなかった。」「味薄いわ。」「もういらん。」などのコメントが98%くらいあります。
まっ、そんなものでしょうね。
色々なものを食べるようになった幼児には、パンチが足りないというか、淡白に感じてしまうのでしょう。
おっぱいを飲む時の口遣いも忘れてしまうこともあり、へたくそになっていてまともに飲めなくなってることを認めたくなく、負け惜しみを言っているという側面もあるのかもしれませんが。

でも、時々というか稀に、「美味しいなぁ~。」とハマッてしまう上の子さんもいます。
さすがにおっぱいを飲めなくなっている上の子さんはどうするか?
それはですね、キッチンに行って、コップを取ってきてこう言うそうです。
「あの~。これにおっぱい搾ってくれないかな?」
そこまでして、飲みたいか?⇒飲みたいんでしょうなぁ。(笑)

アルコールと母乳育児。

母乳育児中のお母さんの中でアルコール大好きという方、いらっしゃいますか?
聞いてみたいけど、例えばO式のセンセイや母乳外来の担当助産師に聞いたりしたらぶっ飛ばされそうで怖くて聞けませんね。

アルコールは分子量が小さいから、飲めばすぐに血漿中~母乳中に移行します。
一般的なお薬ですと、母乳中の濃度は血漿中の濃度の1/100程度とかなり少なくなりますが、アルコールの場合、母乳中の濃度は血漿中の濃度の90%以上という高レベルです。
例えば5%のアルコールが含まれる350mlの缶ビールには純アルコールとして、ほぼ17.5gのアルコールが含まれていることになります。

SOLANINの持ってる文献によりますと、お母さんの体重1kg当り1gのアルコールを摂取すると、射乳反射が阻害させると書いてあります。
おっぱいの出が悪くなるということです。

日本には明確なガイドラインがまだないようです。
ですが、アメリカの医学研究所では次のようなことが勧告されています。
「アルコールの摂取量は1日当り0.5g/kg(お母さんの体重)以下。」

お母さんがアルコールを摂取すると、赤ちゃんのおっぱいの飲みが悪くなるという報告もあります。
ガイドラインギリギリいっぱいのアルコールを摂取したら、最短でも2時間はおっぱいは避けてください。
母乳育児中にアルコールの大量摂取や、常態的摂取は止めてほしいです。
大量摂取をしたお母さんのおっぱいを飲んだ赤ちゃんが急性アルコール中毒の症状を示したという報告もあるそうです。
怖過ぎます。

2014年1月29日 (水)

手掴み食べはお行儀が悪い?

どんなに器用な0歳児であっても、離乳食を食べる際にフォーク・スプーン・お箸を達者に使うことは不可能です。

離乳食を食べる際にお行儀よくとゆうのは理想でしょうが、赤ちゃんの食べることに対する意欲・関心を高めるには、お行儀は二の次でいいのではありませんか?
それよりも、手掴みの方が食べ物の硬さや感触が伝わるし、赤ちゃんが自分でお口に運び易いので、ストレスが少なくなります。
こぼすのは当り前。

発達段階から大きく逸れたことを練習させても、上手く行く筈がありませんよ。
食べることが好きな赤ちゃんであっても、上手く食べられ無ければ、食べる時間がちっとも楽しくなくなりますよ。
そんな赤ちゃんを見ていると、きっとお母さんも余計にイライラするんじゃないかな?
全部最初から最後までお母さんが食べさせていけば、こぼすのは少なくなるでしょうが、赤ちゃんの食べるスタンスが常に受け身となり、幼児期学童期に至っても、自ら食べようとしなくなる傾向が強くなるので良くありません。

余談ですが、赤ちゃん本人が手掴み以外の方法で食べたがるのであれば、フォークやスプーンを持たせてあげるのは結構です。
でも、持ちたがったから直ぐに上手く使いこなせるとは限りません。
だからと言って「ウチの子は不器用なのかしら?」と気を落とさないでください。
また、フォークやスプーンを振り回したり投げたり、本来の使途とは違うことをする時は、危険なので取り上げたり叱ったり止めさせることも必要です。

大きい子におっぱいをあげることは変ですか?

「大きい子におっぱいをあげることはお母さんの自己満足だ。」とか、「ご飯が食べられるのだからおっぱいをあげるのは不自然だ。」とか、「大きい子がおっぱいを飲んでる姿に違和感がある、似合わない。」とか、意味不明なこと仰る方が世間にはおられます。

そんな㌧でもコメントは聞き流してください。
まともに受け止めて考える必要は全くナシですよ。

過去記事にも書きましたが、おっぱいはお子さんのためにあるんです。
もしも、お子さんが「お母さん、もうおっぱいは要らないよ。」と決心したら、どんなに勧めようが、無理やりだろうが飲んだりしません。

お子さんが「お母さん、おっぱいが飲みたいな~。」と言えば「あらそう?ぢゃあ、どうぞ。」とあげたらいいのです。
なのに「来月から保育園(幼稚園)だから。」とか、「あと1週間で3歳の誕生日だから。」とか、お子さん自身がそのように決意したなら別ですが、そうではなく大人側の都合で一方的に決め付けるのは間違っています。

どんなおっぱい星人であっても、おっぱいを止める日は来ます。
お子さんはずっとおっぱいを飲み続けるわけではないのですからね。

体験者のお母さんに聞いても2歳、3歳、4歳まで飲ませていても、それを後悔しているお母さんは聞いたことがありません。
「自立したなぁ~。感慨深いなぁ~。」と、自然卒乳したお子さんのお母さんは口を揃えるかのようにそう仰います。
安心感とお母さんの包み込むような愛情を目一杯貰えることで、お子さんの自立心は養われるのです。
もっと、自信を持っていいのですよ。

タバコと母乳育児。

私はタバコは大嫌いです。
タバコという文字を書くのさえ嫌なので、これまで記事にしてこなかったくらいです。
これを書きつつも言わずもがなというか、何を今更という想いしかありません。
だってそうでしょう?
母乳育児中のお母さんがタバコ喫っていいわけないじゃありませんか!
私は一体タバコの何を書けばいいのでしょうか?
(みなさんよくご存じかとおもわれますが・・・いかが?)

《タバコの害》
1)タバコに含まれるニコチンはおっぱいの分泌を低下させます。
    なので赤ちゃんの体重増加不良を引き起こす恐れがあります。(妊娠中は低出生体重児になりやすいですね。)
2)喫煙者のおっぱいに含まれるニコチン濃度はお母さんの血液中の2~3倍は濃くなります。
   (普通の内服薬は1/100くらいに減少しますがニコチンは増加するのです。)
3)お母さんがタバコを喫わなくても、家人が喫うと「受動喫煙」になりますから、やはりいくばくかのタバコを喫ったのと同じ状態になります。
   (副流煙の方がヤバいってことはみなさんご存知ですよね?)
4)ニコチンを摂取すると赤ちゃんは不穏状態になったり、頻脈、嘔吐、下痢などの症状が出ることがあります。
5)中耳炎になりやすい。
6)気管支炎・喘息など呼吸器系の病気になりやすい。
   (生後3ヶ月にもならないうちから喘息性気管支炎で入院した赤ちゃんを知っています。お父さんのタバコが原因で喘息を発症し1歳半の時、重積発作で治療の甲斐なく亡くなった子どもの死後の処置をしたことがあります。)
7)SIDSの発症頻度が非喫煙者の5倍に跳ね上がる。
8)赤ちゃんが動けるようになると「吸殻の誤飲事故」を引き起こすことがよくある。
   (フロアーに灰皿を置きっぱなしにしてたから赤ちゃんがタバコを誤飲して、QQ車で搬送されてきて胃洗浄というパターンを今まで何度も見ています。タバコを喫うだけでも考えものなのに後始末すらせず、生命に関わる事態に追い込むようなバカ親に育てられる赤ちゃんが不憫でなりません。)

アメリカ小児科学会では2001年にニコチンを母乳育児中の禁止薬物リストから外しています。
曰く、「たとえ喫煙していても母乳育児をするほうが、ミルク育児に切り替えるよりも児の健康面でのメリットは大きい。」という声明を出していますが。
それはそうかもしれませんが、だから大丈夫なので喫っちゃってOKとは言いたくないですな。

2014年1月28日 (火)

1歳3ヶ月で断乳したのに、3歳になって欲しがる。

<ご相談内容>
長男は1歳3ヶ月で断乳しました。
その時は何も知らず周囲の声に流されて、断乳をしなくてはならないものと思い込み、母子で泣いて止めました。
2歳4ヶ月になった時、下の子が産まれました。

(この頃、『最強母乳外来』と出会いました。)
長男は赤ちゃんが生まれる少し前から再びおっぱいに興味を持ち始め、赤ちゃんが飲んでいると欲しがって来て、その様子があまりに可愛かったのと、止めさせてしまったという罪悪感もあり、少し飲ませてあげていました。
長男も少し吸いつけば満足していましたが、赤ちゃんが生まれてから1ヶ月もしないうちに長男が風邪を引き、赤ちゃんに感染らないようにと話をして「治ったらね。」と言い聞かせをしたのですが、そうしたら欲しがらなくなりました。


それから8ヶ月、最近3歳になったばかりの長男がまた「お母さん、おっぱい飲みたいの!」と、言い始めました。
私は「甘えているんだな。」という気持ちと、「今からまた飲むの?」という気持ちを抱えています。
私に中では、おっぱいは赤ちゃんのものなので、長男が吸ってるのを見るのは、物凄く変な感じがするのです。
同じ3歳でも記事のお子さんのように、ずっと吸っている訳ではないし、ちょっと違うのかな?とも思います。
やんわり断っていいものなのか、赤ちゃんと平等に「どうぞ!」とあげるべきか、悩んでいます。


<SOLANINの回答>
長男さんのおっぱいを欲しがる件ですが、相談者さんはふたつの気持ちの中で揺れているのですね。
確かに長男さんは幼いなりに、断乳を一旦は受け入れられましたね。
一時復旧したのも束の間、赤ちゃんにに風邪をを感染してはいけないと言い聞かされて再度飲ませてもらえなくなり、そのまま忘れていたようでした。
長男さんには、一見おっぱいには執着していないように見えるでしょうが、何となく遠慮しているというか、秘めたものがあるようにSOLANINには思えます。


大きな子はブランクがあると、おっぱいが欲しいといっても舌が上手く使えず、飲めなくなってることも有ります。
忘れてしまって、ストローを吸うような吸い方になってしまうのですね。
赤ちゃんと対比すれば「赤ちゃんって上手におっぱいを飲むんだなぁ~。」って感心してしまうくらいの大差があるのです。
もしもブランクがありながら、舌の動かし方を憶えていて達者に飲めるなら、それこそ隠れおっぱい星人だったという動かぬ証拠です。
我慢して、遠慮して気持ちを封印してきたということです。


過去記事に出てくる3歳半の双子ちゃんのお兄ちゃんは、実は1歳半の時、不妊治療のため言い聞かせ卒乳をされています。
彼はもう5歳ですが、双子ちゃんたちが飲んでいると、「僕も欲しいなぁ。」とたまに擦り寄って来るそうです。
彼はもう上手には吸いつけません。
ちょっと咥えてみるだけです。
でも、とても嬉しそうな顔をするそうです。
双子ちゃん達はお兄ちゃんだから飲んだらダメとか、そういうことは一切言わないそうです。
但し、お兄ちゃんが吸い付くと、一人あぶれるので、揉めることがあるそうですが・・・


相談者さんが物凄く変な気持ちがするというのは、多分、一旦おっぱいから離れて「進化」した長男さんが再度おっぱいを吸うことで「退化」したように見えるからではないですか?
また、8ヶ月と言えばハイハイしたりつかまり立ちしたりし始めるので、赤ちゃんから目が離せず、これまでとは違った意味でお世話が大変なのに、もうひとり大きな赤ちゃんが増えるような気がするからではないですか?
だから、ふたつの気持ちの中で揺れるのではないでしょうか?


赤ちゃんと同じ回数とか、時間とか要求しているわけではないから、ここはひとつ、いじらしい長男さんに、今日のご褒美みたいな感じであげては如何でしょうか?
「大きい子は1日に1回だけだよ。おっぱいは赤ちゃんのご飯だから、沢山飲んだら赤ちゃんの分が無くなっちゃうからね。」と言えば、分かってくれるのではないでしょうか?


おっぱいを飲むためにお約束を作っても良いかもしれません。
例えば、「歯磨きをきちんとする。お母さんに仕上げ磨きをする時、暴れない。」とか、「使ったおもちゃは自分でお片づけする。」とか。
あまり、難しくないことで、それなりに結果が出て、お母さんが助かることだったら、一石二鳥ですよ。

香辛料と母乳育児。

一般的には香辛料のキツいものを母乳育児中のお母さんが摂取されると赤ちゃんは嫌がります。
頑として飲まない赤ちゃんもおられます。
味覚が鋭敏というか保守的というか・・・
その一方で味覚にうるさくない赤ちゃんや1歳以降になられると、「おっぱいを飲む」という行為が大好きで味は二の次というか不問に付すというお子さんもおられます。

また食文化の違いで、1歳にならないうちからキムチを食べさせたりするのが普通に行われている韓国や複数の香辛料を自宅で挽いたり混ぜたりするのが当たり前の南西アジア諸国では最初っから赤ちゃんはスパイシーなおっぱいを飲んでいることになります。(まぁ、それでも産後は多少は控えめにされているのかもしれませんが。)
それってどうなのか?

今の日本の食文化はグルメ万歳的な状態で、居ながらにして世界各国のお料理が食べられます。
新しいもの、珍しいものを食べたいというのは誰にでもある欲求ですね。
母乳育児中だからあれもこれも食べちゃいけないと言われたらやっぱり悲しいし、何を食べたらいいのか分からなくなってしまうかもしれません。
食事制限を続けるのがあまり苦にならないのか、はたまた赤ちゃんのためだからとやりぬくお母さんは強いし凄いと思います。
(その一方で、今の日本の食文化は朝食抜きや孤食・個食、極端な偏食、行き過ぎたダイエット、手作りの回避など問題は山積してますが。・・・閑話休題。)
ただ、食文化というのはその土地の気候や風土や収穫物や特有の習慣や周辺地域との交流の濃淡や宗教上の教義などが加味されて何百年もかかって出来上がったものだと私は思います。

なので、香辛料の摂り方がそれらの国の方たちと日本人では異なって当然ですから口では美味しいと感じても胃腸はそうは感じていないというか、受付はするものの胃腸的にはしんどいというか、そういうことがあってお母さんのお食事由来の乳房トラブルは起きるのではないかと思われます。

伝統的な日本の家庭料理で香辛料を大量に使用するレシピってあまりないと思います。(辛子レンコンとか辛子明太子とか山葵漬けとか山椒昆布とかありますが、舌に突き刺さるようなスパイシーさはないですし。)

あとひとつ、これは個人差かもしれませんが、お母さんが激辛料理を食べると、赤ちゃんの肛門周囲の爛れが酷くなることがあるようです。
SOLANINの場合、長男と次男は気が付きませんでしたが、長女はテキメンこのパターンで私が激辛料理を食べる度にお尻がおサルさんになってしまいました。
つまり、食べると症状が出て、どんなにスキンケアに努めてもダメで食べないようにしたら症状は治まるのです。
多分10回以上の『人体実験』をしてそういう結論になりました。
長女よ、ごめんね。懺悔します。

2014年1月27日 (月)

突拍子もないアドバイスはミスリードの元凶です。

最初から混合栄養志向のお母さんであれば、それでいいのかもしれません。
しかし、少なくともリラクテーションを目指しているお母さんに対しては、医療関係者としても行政関係者としても言うべきではないことがあります。

例えば元々赤ちゃんが眠り王子or眠り姫系で母乳育児の確立が遅れている場合、直母回数が10回/日を割り込むのは致命的なことです。
特に新生児の場合、(当ブログの読者のみなさんに於かれましては周知の事実ですが)良い子だから良く眠るのではないですからね。
キツいかもしれませんが、こういう場合、叩き起こしてでも直母していただかないことには赤ちゃんの発育が立ち行かない時期なのです。

なのに、暫く前「生後1ヶ月頃の赤ちゃんとしては体重増加がとてもよい(48g/日)ので、ミルクの補足(僅か20ml×2~3/日)は止められるレベルですが、これ以上直母回数が増えると大変だからミルクは続けていいし、眠っている子を起こしてまであげるのはボチボチ止めて、泣いたらあげるやり方に変えたらどうですか?」というアドバイス(?)を家庭訪問の保健師(助産師かも?)から受けたという通報がありました。

その家庭訪問の方、何ゆうてますのん?
そんな突拍子もないアドバイス(?)せんといてや!(怒)
生まれてこのかた眠り王子or眠り姫系の赤ちゃんが、このレベルまで到達したのは、お母さんの不断の努力があったからですぞ!
これまでコツコツ積み上げてきたことを台無しにする言葉は、アドバイスだなんておこがましい!
単にミスリードな毒言です!
もっとハッキリ言わせてもらえれば、それは母乳育児妨害電波ですな。
家庭訪問した先のお母さんが望んでいらっしゃることが叶うような、実のある助言をしてあげないと、一体何のための家庭訪問なのか?ってことになりますやん!

大きくなったのに、飲んでいたらおかしいの?(4歳1ヶ月)

いつも申し上げていることですが、おっぱいを飲むことはお子さんの権利ですし、一生おっぱいを飲む子もいません。
病気知らずで活発に遊び、夜も眠り、好き嫌いも無く食べて、仕上げ磨きもしっかりさせてくれて、幼稚園生活でも何も問題なくお友達とも仲良くでき、ひらがなで自分の名前をかけるようになっても、おっぱいが好きなお子さんや、おっぱいが精神安定剤で、眠る前にちょっと咥えてみたいというお子さんは居られます。
ある程度(大体2歳以上)お子さんが大きくなられたら、それまでおっぱいライフで様々なトラブルを経験してきたお母さんであっても、腹を括れるのか、「ここまで来たのだから、本人納得の上の自然卒乳させてやりたいと思います。」という言葉が聞かれるようになります。

しかし、暫く前のことですが、幼稚園の先生や祖父母から「まだ飲んでいるの?」「もう止めたら?」と言われ続け、「大きくなったのに、おっぱいを飲んだらおかしいって言われた。おっぱいを飲まないと眠らないのはダメなんだって。」と、泣きながら1週間我慢して飲まなかったお子さんのお母さんとお話しをする機会がありました。
お母さん自身もモヤモヤしておられたようで、「ここまでおっぱいを頑張り、楽しんできたのに、こんなフィナーレでいいのでしょうか?」と、尋ねられました。
確かに飲まなくても眠れたことは、そのお子さんの努力だとは思います。
でも、辛い気持ちを押さえて、泣きながら1週間我慢して飲まないで眠りについたというのは、どうなんでしょうね?
僅か4歳のお子さんに、そこまで精神的に追い詰める権利を持つ者は何処にも居ないし、あまりにも切な過ぎると思いました。
私は、「眠る時におっぱいを飲まなくても、悲しくなったり、泣けてくることが無くなったら、その時こそが自然卒乳の日なのですよ。」とお母さんに話し、「おっぱいは悲しくなったり、泣けてくるうちは飲んでも良いのよ。」と、お子さんに伝えてくださいと頼みました。

自動車での帰省。

運転手さんは、旦那さんかな?
2~3時間の距離ならば、運転手さんは1人でもOKですが、それ以上長くなると、集中力や疲労度を考えると、交代制にしたほうがいいですよ。
職業運転手さんだって、長距離は安全対策上、交代制ですからね。

赤ちゃんがグズらなければ、ある程度慣れている道ならば、お母さんが運転しても差し支えないです。
車に揺られるのって、赤ちゃんにも心地よいので、最初は泣いていてもじきに泣き止むものです。
赤ちゃんがネンネしていたら、走っちゃいましょう。
起きておっぱいなら、何処かに駐車したほうが安全です。
おむつ交換も車中が無理なら、しかるべき場所(SAやPAのWCとか)を事前に調べておきましょう。
車中の室温は冷えすぎず、暑すぎずに調整してください。
暑がりのお父さんなら、かなり冷やしたがるので、掛け物で調節してもいいです。
くれぐれも、赤ちゃんに直接冷気が当らないようにしてね。
頸が据わっている赤ちゃんならば、チャイルドシートは寝かすより座るタイプの方が、車窓の景色を楽しめるので、ご機嫌ですごしてくれます。

時々、「うちの子はシートが嫌いで抱っこしています。」という親御さんがおられますが、それだけは生命を守るための最低限の行為です。座ることで赤ちゃんが泣いても、これだけは泣きに負けないでね。
これだけは譲ってはいけないですぞ。

2014年1月26日 (日)

おっぱいがビューと出ますが?(断乳後2ヶ月)

<ご相談内容>
SOLANINさんこんばんは。明日1歳になる息子がいます。

最強母乳外来のことを知ったのは7ヶ月の頃でしたので、もっと早く知っていれば・・・ということも多かったですが、知ってから本当に助かる記事がたくさんあり、これから出産する友人には教えてあげたいと思っています。

私は10ヶ月の時に断乳をしました。
(私が持病治療の内服を再開する必要が出てきたため。)
もともと乳腺炎を繰り返していたので、乳腺炎が怖く、断乳時その後と助産院に通ってマッサージを受けています。
2ヶ月経とうとしているのですが、絞るとまだぴゅーっと線状に母乳が出ます。おっぱいは見た目もうぺちゃんこで、張ったり、自然に垂れたりということはないですが、絞るとポタポタではなくぴゅーっと勢いよく出るくらいなんです。
断乳後、最初は数日おき、今は2週間おきくらいに助産院に通ってマッサージをしてもらっていますが、いったいいつまで通う必要があるんだろう?お金もそこそこかかってくるので、自分で絞って大丈夫ならそろそろ行かないようにしてもいいのかなと思いつつも、助産師さんに言われるがまま通っている状態で、まだ母乳が出ているので、出るうちは通った方がいいのかな・・・などと悩んでいます。
断乳後のおっぱいケアについて、SOLANINさんはどういう風に考えておられますか?個人差はあると思いますが、全く出なくなるまでかなり時間がかかるものなんでしょうか?
記事は見させていただいていますので、自然卒乳が一番よいことはわかっており、その場合とわたしのような「断乳」のおっぱいの状態とは違うとは思いますが・・。
お返事いただけると嬉しいです。
長文失礼しました。


<SOLANINの回答>
持病の治療再開のためとはいえ、断乳はお辛い選択だったかとお察しします。
乳腺炎になり易く、そのため断乳後も定期的に通院され早2カ月なんですね。
乳腺炎になり易かったということは、分泌過多気味で断乳されたということは、一気にシャットダウンしたことになりますから、射乳の時期が他の方よりも長い可能性はあるかもしれません。
しかし、2ヶ月経っても射乳はちと長いような気がいたします。
お話の様子では、間歇的に飛ぶのではなく、ビュービューと連続しているようですから。
もしかしたら?ということもあるので、一度産婦人科でホルモンの定量検査を受けて見られては如何でしょうか?

高プロラクチン血症ではないか、プロラクチン値を確認するのです。
ところで、月経は再来しましたか?通常、授乳中に月経再来しなかった方であっても、お子さんが飲まなくなって3ヶ月以内に月経が再来するものです。

しかし、高プロラクチン血症であれば、月経再来自体がが困難です。
従っておっぱいが止まりにくい理由はそのためで、そこを治さないと、延々マッサージということも想定されます。


私は3人目の最後O式でケアをしてもらいました。(断乳式は挙行していません。)
丁度1ヶ月でほぼ出なくなりましたが、元々かなり出る方だったので、半年後に受診したら少しだけビューっと飛びました。
それ以降は出なくなりました。
私がお世話になったO式のセンセイはかなりリベラルな方でしたので、「なんか溜まった感じがして気持ち悪かったり、肩が変に凝ったら、古いおっぱいが溜まっているからお掃除に来なさいね。」と仰いました。


今現在、何の問題も無ければ、一旦休止されても良いのではないでしょうか?その上で何か不都合があれば、再診させてもらうので、良いのではないか?と思いますよ。

自然災害に罹災した時に、改めて母乳育児の良さが実感できますよ。

山や海での遭難、そして痛ましい結果になったという報道を見ておりますと、ご冥福をお祈りしなくてな・・・という気持ちになります。
が、山に登ったり、海で泳いだりということは、キツい表現で恐縮ですが、ある程度自分で選択したことでもあります。

そうではなくて、集中豪雨の影響で山津波が発生したり、台風で浸水したり、火山が噴火してガスや火山灰が降ったりというのは、本人が避けようがないことですよね。
読者のみなさんの中には、先の大震災も含め、様々な自然災害に罹災された方もいらっしゃると思います。
自然災害に関しては、ある日突然ですから、本当に大変だと思います。

さて、もし(考えたくもないでしょうが)赤ちゃんがおられる状況で、何らかの自然災害に罹災してしまったらどうなるのか?
そういう場合でも母乳育児は威力を発揮します。
万一被災して避難所暮らしを余儀なくされた場合でも・・・です。
なぜなら、完ミですと、赤ちゃんが困らないように調乳・洗浄のためのキレイな水や、沸かすための電気ポットやカセットガスや、消毒液を常備してすぐに活用出来るようにしなければ、1日たりとも過ごせないからです。

ライフラインの大半が遮断されても、授乳場所さえ確保されれば、最悪お母さんがお握りとお水しかもらえなくても、衛生面その他赤ちゃんの授乳で心配なことは何も無いからです。
東京都の元知事さんは、ミルク育児推進なのか、災害対策関係の資料を見た方からの伝聞ですが、『ミルクの備蓄がどうのこうの・・・」という文書を都職員に作らせておられるとのことです。(もし違ってたら、元都知事さん、ごめんなさいね。)
出来る限り母乳でということを推進したほうが、弱者となる赤ちゃんを守ることになると思うのですが・・・
そのためには、妊娠出産の段階から妊婦さんに『いかなる時も、何を優先するか。』ということを認知してもらえるように、予め情報提供するべきじゃないでしょうか?
お母さんとなる方のスタンスが変われば、ドクターも都知事さんも変わらざるを得ませんから。

2014年1月25日 (土)

ミルクアレルギーの赤ちゃんにこそおっぱいでは?

それまでは完母だった赤ちゃんに市販のミルクを哺乳させたら、全身に蕁麻疹が出てえらいことになったという場合、状況証拠的に、ミルクアレルギーが疑われます。
ただ、月齢が若いと、アレルギーの検査をしても、判定を下すのに難しいことがあるのは事実です。

簡単に結果を知りたければ、もう1回市販のミルクを哺乳させればいいのでしょうが、そんな人体実験は恐ろしくて出来ませんからね。(汗)

であれば、完母に戻せるのであれば、そうしていただきたい。
何らかの事情で、栄養の主体をアレルギー用のミルクに変更しなくてはならないのであれば、それは止むを得ないですが、細々でもいからおっぱいは続けてあげてほしいです。
時々、アレルギー用のミルクの不味さに嫌気がさすのか、飲みたがらなくなると困るから、美味しいおっぱいは止めた方がいいのでは?という意見も聞かれます。

ん~、一理ありますが、栄養の主体がアレルギー用のミルクならば、赤ちゃんはそれに順応してくれるようになりますよ。
(順応せざるを得ないといった方が適切かもしれませんが。)
離乳食が開始してもミルクアレルギーの赤ちゃんには、乳製品全般を除去しなくてはなりませんが、離乳食を開始したらアレルギー用ミルクを嫌がり飲もうとしなくなったという話は、今のところ聞いたことがないです。
やはり、おっぱいはオプションorたまに貰えるお楽しみorご褒美的な位置づけとして、赤ちゃん本人が嫌がらなければ、細々でいいから存続させてあげてほしいなとSOLANINは思います。

1歳1ヶ月で自然卒乳後のおっぱいのケアは?(1歳3ヶ月)

<ご相談内容>
1歳1ヶ月で自然卒乳となりました。
夜中頻繁に起きる為辛かったけど1歳半までは頑張ると思った矢先に卒乳で寂しいやらありがたいやらでした。

その頃には夜寝る為に授乳するだけで母乳の分泌量は減っていましたが、アフターケアとして1週間後、2週間後、1ヶ月後に搾りました。
1ヵ月後にはほとんど出ず、しこりもありませんでした。
それから2ヶ月経ちますが、時々左のおっぱいだけぴりっと痛みが走ることがあります。
詰まったような感覚です。
しかし、目立つようなしこりは見当たりません。
おっぱいを押さえると痛いですが、トラブルではなくても押さえれば痛いんじゃないかという痛みです。
搾ってみましたが、少し出るくらいです。
先ほどお風呂で搾ったら2滴落ちました。
ここですごく気になるのですが、搾って出たものが黄色くしょっぱいどろっとしたものなのです。
次に妊娠して授乳するときに詰まる合図なのでしょうか?
そうであったら、今から何が出来ますでしょうか?
これが普通なのか?
問題があるのか?
問題がある場合どうすればいいのか?
教えていただけるとありがたいです。

<SOLANINの回答>
相談者さんは、おっぱいが足りないのではないかと悩みながらのスタートでしたね。
でも、途中から軌道に乗ってきましたね。
全体を通して見れば、おっぱいは充分に出ておられたと思いますよ。
でなければ、あんなに育つことは無いですから・・・(笑)

さて、授乳回数は減っていたものの、1歳のお誕生日を迎えられてほどなくして自然卒乳をされたのですね。
アフターケアもきちんとされているようですね。
これは助産師の手を借りてされたケアですか?
それともセルフですか?
セルフであっても助産師にどのようにしたらいいのか、教えてもらった上でのケアならば問題ないです。

充分おっぱいが出ていた場合、きちんと1ヶ月迄アフターケアをしていても、時としておっぱいが僅かに分泌することがあります。
黄色くて、しょっぱくて、どろっとしているのは、おっぱい製造工場が操業中止してきていることの証なのですよ。(古くなったおっぱいが少しばかり残っていますよというサインなのですよ。)
なので、これは異常所見ではありません。
次回の出産後に詰まる合い図でもありません。
次回スムーズなスタートをお望みならば、動物性脂肪を多く含むものや、お肉やお餅や揚げ物や甘いお菓子等は控えめにしてください。
ゆっくりよく噛んで食べる習慣を身につけてくださいね。

痛みも自制内で発熱も硬結も無いようだから、おっぱいはそのままでもいいかなという気もしますが、気になるようでしたら、O式をはじめ、おっぱいケアに定評ある助産師にケアしてもらってくださいね。
私も3人目の時は3ヶ月後と半年後にも、アフターケアを受けました。
自分でやっても何も出ないのに、助産師にマッサージしてもらったら、白いタオルが黄色くなっていたことを憶えています。
しこりも無くて、特に気になることもなかったけれど、行ってみるもんだな~と思いました。
肩が凝っていたのに、乳房マッサージ後はすっきりして軽かったです。

レントゲン撮影をしても母乳育児は中断不要ですよ。

いわゆる、レントゲン撮影といっても、様々なカタチがあります。
単純X線撮影(例えば胸部のレントゲン・・・健康診査などで撮影するアレです。)は全く問題なし。
歯の治療のために精査目的のレントゲンに至っては、方向も違うし、線量も微々たるものですから、大丈夫。
造影剤を使用しない単純CT撮影もOK。
胃の検査でバリウムを使う、胃透視も、バリウムは消化管から吸収されないので、おっぱいひいては赤ちゃんにも影響はないと考えてもらっていいです。
点滴型の水溶性造影剤(オムニパーク®、イオパーク®など)は添付文書には48時間は授乳を避けると書いてありますが、確かに乳汁中にも分泌はされるのですが、半減期が短いタイプの造影剤ですし、消化管からの吸収も、0.1%未満だということが判明していますので、撮影直後からの授乳をしても、赤ちゃんには何ら心配は要りません。

唯一(?)24時間以上搾乳して廃棄しなくてはならないのは、ガリウムシンチの時くらいかなぁ。
放射性同位元素っていうのは、ちょっと気をつけた方がよいかもしれませんな。

残念なことに、放射線科のドクターは、授乳との関係について、あまりお詳しい方が少ないのが現状なんですね。
なので、造影剤の添付文書の通りの説明しかしてもらえないことは、往々にしてありますので、何でもかんでもドクターの言いなりというか・・・鵜呑みというか・・・は、避ける勇気と知識を身につけてくださいね!

2014年1月24日 (金)

唐突な卒乳後、お母さんのお食事はどうすればいいの?

卒乳の時期も兆候(サイン)の有無もお子さんによりけりですが、ひとつ言えることは、おっぱい星人のお母さんの胃袋は毎日モリモリ食べるせいで、概してデカくなっているということです。

言い聞かせ卒乳の場合や、何となく近い将来卒乳しそうだな~という兆候(サイン)が察知出来れば、徐々に食事量を減らせるから問題ないのでしょうが、そうでない場合、自然卒乳であっても、唐突なフィナーレを迎えることもあり、そうなると、乳房の緊満がハンパなく大変なことになる恐れがあります。
そんな時はどうかダイエットをしてくださいね。

飲み手が居なくなるのに、お母さんは全盛期と同じレベルで食事を摂取されたら、おっぱいが異様に緊満したり、断乳した方のように中々すんなり分泌がセーブされなかったり、それらは免れても「母、肥ゆる!」になってしまいますからね。
お子さんの体重増加は成長の証ですが、
お母さんの体重増加は・・・ですからね。
危険過ぎます。

特におっぱいの分泌が落ち着かないウチから、ケーキやスナック菓子やお餅や霜降り肉なんぞを解禁なんてした日にゃあ、尋常ではない乳房緊満や、乳汁のドロドロ化が待っていますから、くれぐれもご注意召され!

片方の乳房が乳がんになっても、母乳育児は可能ですよ。

最近は乳がんの手術療法も全摘ではなくて、部分切除・温存する術式が増えてきています。
先日、アヒルちゃんのCMのがん保険のパンフがなぜかウチに来ていたので、ざっと目をとおしたところ、乳がんの5年生存率は83.1%とのこと。

ということは一昔前よりも、乳がんを患った女性が出産されることが増えてきていることが想定されます。
実際、片側の乳房を手術され(温存する術式)、健側の乳房でおっぱいをあげておられる(しかも完母で)という方に(数人ですが)、SOLANINは出会っています。

妊娠出来る段階で、抗がん剤を使用されてないですから、授乳は可能なんです。
注意すべきは、患側の乳房は乳腺組織が少ないものの残っていますから、折に触れ冷罨法などで鎮めておくことが必要です。
不用意に「お菓子祭り」などを開催すると、患側も酷い乳腺炎になったりしますから、
危険です。
母乳育児を経験された女性の方が、そうでない場合よりも乳がんの発症率が低いんですね。
つまり、母乳育児は健側の乳房を守ることにも繋がります。

またもし、患側におっぱいが溜まったようなしこりが出来たら、適宜排乳します。

2014年1月23日 (木)

小粒ちゃんの発育ペースアップのために。

栄養方法が完母のお母さんにありがちな悩みとして、生下時体重はパーセンタイルグラフの中ほどであったのに、いつからか赤ちゃんの体重の推移がグラフ下限ギリギリに移行すると、「ミルクの補足をした方がいいのかな?」と、心が揺れるかもしれません。

でも、こまめにおっぱいをあげることが、決して苦じゃなかったら&小児科ドクターや助産師から、「ギリギリではあるが桶ですよ。」とお墨付きを頂いているなら、ブレずに完母でいいのではありませんか?
思い切ってミルクの補足をしようとしたら、全力で拒否する赤ちゃんもいらっしゃいますしね。
そうなるとより一層、お母さんの気持ちは崖っぷちになっちゃいますよ。

小粒ちゃんって離乳食を開始したら、思いのほか喰いつきがよろしくて、おなか大丈夫かな?って心配になるくらい食べたがるタイプのお子さんも結構いらっしゃいます。

そういう場合は、離乳食をずんずん進めて、おっぱいは変わらず頻回直母を続ければ、体重増加度がアップしてくることは充分期待出来ますよ。
どのみち、(5~)6ヶ月以降は、どの赤ちゃんも乳と離乳食で育つようになるのです。
混合栄養の赤ちゃんだったら、離乳食の進みが順調ならば、ミルクの減量が出来ますからね。
待てる状態であれば、完母を継続してもいいのではありませんか?

自然卒乳後の乳房ケアはホントに不要なの?

<ご相談内容>
我が子は1歳3ヶ月なのですが、ついこの間まで2~3回/日はおっぱいに吸いついていましたのに、何故か急に自然卒乳したようなのですね。
機嫌よく元気に活動し、お食事も出されたものはしっかり食べてています。
私としてはもうしばらくおっぱいライフを楽しみたかったので、なんだか拍子抜けしたような日々なのですが、以前、SOLANINさんは、「自然卒乳後は乳房ケアは不要」という記事を書いていらっしゃったと記憶しています。
であれば、私のような場合でも、母乳外来や助産院等を受診して、乳房ケアを受ける必要性は無いのでしょうか?
飲まなくなり4日目ですが、乳房はバンバンに張りはしませんが、全体的に重くなり、乳房の脇と下側がゴリゴリしています。
取り敢えず冷罨法をして様子を見ています。

<SOLANINの回答>
自然卒乳おめでとうございます。
自然卒乳の時期はホントにお子さんそれぞれにより違います。
およその目安としては自然卒乳を1歳までにされるお子さんは20%、1,歳半までにされるお子さんは50%、2歳までにされるお子さんは80%、2歳以上にされるお子さんは残り20%という割合だそうです。
もっとも、世間にはお母さんから一方的に急に断乳されてしまうお子さんが後を絶たないし、未だに強烈な1歳断乳説が流布していることも影響し、,例えば1歳半のお子さん達であれば、実情としては80%近くのお子さんがおっぱいを貰えなくなっているようでがありますが。(汗)

SOLANINは確かにそういうタイトルの記事を書いた憶えがありますが、あれは、自然卒乳の目安、つまり概ね2歳以上で、授乳回数も1~2回/日程度に落ち着いた段階で自然卒乳を迎えた方をイメージしています。
相談者さんは、どちらかと言えば、早い段階での自然卒乳だったし、それまでおっぱいは2~3回/日は、飲んでいらっしゃったのですね。
しかも、今の乳房はパンパンには張らないけれど、全体的に重くなり、乳房の脇と下側がゴリゴリしていて、冷罨法をしているとのことですね。

このような状況を鑑みれば、やはり2~3日のうちに母乳外来か助産院で一度は残乳を排出するマッサージを受けた方が無難でしょうね。
また、(ご存知でなければ)受診された機会に助産師から正しいおにぎり搾りのやり方を教えてもらいましょう。
セルフメンテナンスとして、おにぎり搾りのやり方を知っているのと知らないのとでは後のラクさが違います。

授乳・離乳の支援ガイドの周知が重要な理由。

2007年3月に厚生労働省が策定した『授乳・離乳の支援ガイド』(以下『ガイド』とします。)は数年の経過をしたものの、周知が徹底していないという現実があります。

さて、『ガイド』を読み解くと、1995年に策定された『改定・離乳の基本』とは様々な面で解釈が変化しているのが特徴です。

例えば離乳準備食が不要ということ、開始時期、進め方、自分で手づかみで食べることの必要性、食べ方や量には個人差があり、無理強いをしないこと、おっぱいとの絡み・・・

3回食の開始時期ひとつとっても、SOLANINが長男を出産した頃は10ヶ月には断乳&10ヶ月には3回食の開始という保健指導がお定まりでした。
時代は変わり、現在は自然卒乳の考え方を尊重するようになってきつつあります。

離乳食にしても、1歳3ヶ月頃には3回食の開始ができるようにという方向なので、医療者が「早く進めなくては、発達が遅れる。」とか、「栄養不足になるのではないか。」というお母さんの不安を煽るような言動は慎むべきだし、進め方も緩やかになってきました。

さて、この『ガイド』の周知がなぜ重要かという理由は”健やか親子21”で行われている調査研究で、『ガイド』を知っている病産院の方が、知らない病産院よりも母乳栄養率が高いことが判明しているからです。
つまり、母乳育児を推進する上で重要な用件を含んでいるのですね。

2014年1月22日 (水)

断乳後のセルフケアをなおざりにすると、ヤバいです!

おっぱいをあげるお母さんに、個人的にしてほしくないことは幾つかありますが、その一つが断乳です。
自己流ならぬ自己チューで止めちゃうから、パンパンに張って痛くて辛くて・・・収拾がつかなくなって、駆け込み受診みたいなことをする人には、助産師も泣かされます。

《理由》
◆おっぱいに未練たっぷりのお子さんが可哀想でならない。
◆助産師の手がバカになるくらい搾らねばならないことがある。(大袈裟でもなんでもなく、「こんなに手を酷使して、万一動かなくなったら、労災だろうか?」と思ったことは一度や二度ではございません。)」

しかも、痛くて辛かったら助産師の指導(それもちっとも難しくないこと)を聴いてくれたら良いのに、聴く耳を持たない人が多い。
例えば、自分でするおにぎり搾り。
この間は、「おにぎり搾りは、次回来院時まで1日に1~2回/日くらいはしてくださいね。量は少なくても良いですから。」と注意念押ししたのに、「段々ラクになったし、変に刺激したらイケナイかと思って、自己判断でおにぎり搾り止めました。」などど抜かす人が居ました。(泣)

まったく、「○○様はアホでございますか?」と嘆きたくなりました。(by:ドラマ「謎解きはディナーの後で」の宝生家執事・影山役の櫻井翔くん風に。)
確かに段々ラクになるでしょうが、
次回来院時が2週間以上空く場合、全く触らなかったら、早々に乳管開口部が閉鎖してしまう危険性があるから、おにぎり搾りは勝手に止めちゃいけないのです。

段々ラクになったとしても、おっぱいの生産に急ブレーキが掛かったとしても、断乳したら即一滴もおっぱいがつくられなくなる・・・のではないですからね。
ジワジワつくられたおっぱいは放置すると、乳腺組織に溜まっているということですからね。
微量ならともかく、相当量が溜まってしこりみたいになっているのに、乳管開口血部が閉鎖してしまったら、助産師の手を借りても溜まったおっぱいが排出出来ないことだってあります。
そうなると、乳腺外科とかに受診して頂き、穿刺(せんし)して抜き取るなぁんてことになりかねないのですからね。

「そんな危険性があるのなら、もっと早くに再診させたらいいのでは?」ですって?
ところがギッチョン、お相手は自己チューさんですからねぇ。
「えぇ~っ、その週は都合が悪くて再診なんかできませんっ!」と返されるなんて普通にありますから。(涙)
どうにか予約を取ってくれても、結局後日キャンセルする人だっているんですよね。
で、「外科行って、針を刺されて痛かったし怖かった。」と呟かれてもねぇ。
対応させられる助産師としては、そういう物言いを付けられても、「ちょっとそれって違うんじゃないですか?(怒)」と逆に訊きたいですね。

おっぱいとダイオキシンは?

おっぱいの中にダイオキシンは含まれるのか?
答えはYESです。
おっぱいの中のダイオキシンの濃度は個人差が大きいと言われていますが、含有量のピークは1974年とはるか昔です。
現代は当時の半分の濃度だそうです。

一般的におっぱいの中に含まれるダイオキシンの量は、耐容1日摂取量(人間が一生のうち、毎日摂取しても健康被害が出ない量)を越えるものの、授乳期間は一生のうちの僅かな期間なので、ダイオキシン対策でミルク栄養にするよりも、おっぱいをあげるメリットの方が圧倒的に大きいといえます。

厚生労働省研究班が行った調査で、おっぱい中のダイオキシンの濃度(個人差が大きい)と、1歳児の身体発育・免疫のはたらき・甲状腺機能・アレルギー発症などについては関連性はないと報告されていますから、やみくもに不安がったりしないでね!

2014年1月21日 (火)

一卵性の双子ちゃんの発育・発達について。

生下時体重がほぼ同じで、特に先天的な疾患等も無ければ、0歳児のうちは哺乳力はほぼ同等でしょうし、お母さんが気になる体重増加度もほぼ同様である傾向が強いので、発育的には大きな差は生じないでしょうね。
勿論、お母さん的に分け隔てをしたくないというお気持ちがあるでしょうから、意識して公平を期しているという要因もあるからでしょうが。

ただ、発達については、少しばらつきがあるかもしれないと言われています。
例えば、寝返りやハイハイが出来るようになる時期的な差は、あって普通だと思います。
数日間から数週間の差は想定内ですから決して焦らないでくださいね。
一卵性と言えども、全てがコピーされているわけではありません。
目に見えない筋肉や神経の発達の違いはあってもおかしくないし、興味・意欲・関心というのはキャラによって違いますからね。

お母さんにしてみたら、発達の遅い方のお子さんが心配になるでしょうが、身近に絶好のお手本が居るということは、他には無い、大きな強みでもありますから、悲観的にならないでね。
赤ちゃんや小さいお子さんが、新たに何か出来るようになるために必要な要素には、模倣する・真似することってありますからね。

或る意味、お母さんとして、発達の差をその子の個性としてじっくり待てるかどうかという度量が必要になってくると言えますね。
それでもどうしても心配であれば、罹りつけの小児科ドクターに相談してみましょうね。

おっぱいセールスをしてもあげるべきか?(1歳2ヶ月)

<ご相談内容>
我が子は1歳2ヶ月
になり、昼間は外出先や家族がいる時などにセールスしても拒否して飲まなくなりました。
夕方から夜間、朝方と朝食前は、静かな環境で、いつもの授乳クッションをセットし、さぁ飲むよと話しかけてセールスすると飲むのですが。
欲しがって泣くようなことはほとんどなく、帰宅後に水分補給と思って、例えば先にお水をマグマグストローで飲ませて喉の乾きがおさまると、おっぱいは飲みません。
食事は三回プラスおやつにバナナ等の果物を食べています。
周りが驚くほどの食べっぷりです。
1歳7ヶ月で保育園に行く予定なため、心の拠り所としておっぱいは残したいと思い、飲みたいだけ飲んだらいいよと思ってセールスしてあげてますが、徐々にセールスは控えたほうがいいのでしょうか?

<SOLANINの回答>
母乳育児のスタートに、頻回直母は欠かせません。
また、満腹中枢が未形成な時期なのに、眠り王子・眠り姫であれば、発育不良への道をまっしぐらに進むことになりかねないというリスクが付きまといます。
お母さん側からみても、授乳間隔の空け過ぎは、乳腺炎発症リスクを高めるだけですから、百害あって一利無しです。
栄養の主体がおっぱいの時期は、授乳回数に制限をかける必要性はありません。
離乳食を開始しても、授乳・離乳の支援ガイドには、(ミルクとは異なり)「離乳食とは別に母乳は子どもの欲するままに与える」と記載されています。

しかし、相談者さんのお子さんは1歳を過ぎて順調に離乳食が進み、徐々におっぱいとは距離感が出てきているようですね。
また、おっぱいを飲むシチュエーションにもこだわりが出てきているようで、自分が決めたスタイルでなければ嫌だと言う意思表示も見え隠れしています。

確かに保育園に入園した後のことを思えば、おっぱいはあった方が良いのでは?とは思いますが、0歳児ではないですし、状況から察するに、何が何でもというような積極的なセールスは必要ないと思います。
取り敢えず暫くはいつものシチュエーションで誘ってあげることを続けて、お子さんの授乳の様子を見守ってください。
美味しそうに飲んだり、一生懸命飲んでいるなら現状続行で良いと思います。
さほど欲しそうでもなければ、「今はもう要らないのかな?」とあっさりと

引き下がる。(もっと飲みなさいよとは言わない。)
でも、もしもお子さんからおっぱいをせがむのであれば、断らない・・・というスタンスでいいのではないでしょうか。

お餅を食べるとおっぱいの分泌は増えるのか?

こんなことを言ってはナンですが、ご年配のご婦人になればなるほど、「お餅を食べたらおっぱいがよく出るわよ。」と仰って、産科入院中や退院後にお見舞いアイテムとして持参されることが、未だにしばしば見受けられます。(

パッと見には若そうでも、実年齢はそこそこいってらっしゃったり、実年齢は若くても、頭が硬くて新しいことを受けつけ難い性格だったりして。(汗)

マタニティークラスに参加されたり、そういった雑誌の愛読者のお母さんは《お餅は食べないでね!》と、耳にタコができるくらい聞かされておられますから、「あ~困ったぞ。お餅は食べてみたいし、助産師さんは食べるなって言うし、でもおばぁちゃんがわざわざ持って来てくれたし、食べないと角が立つかもしれないし。」という堂々巡りのジレンマに陥ることもあるでしょう。

かつて、私も3交代勤務をしていた頃、深夜帯に「おっぱいが痛いよ~。」と泣きながら昼間のうちにおばぁちゃんが差し入れされた、大福餅を食べているお母さんに遭遇したことがあります。
もちろん、見つけ次第、ストップしてもらいましたが、当時は今よりもそういう知識のない方が多かったのですね。

それはさておき・・・・本題に入りましょう。
お餅は食べるとおっぱいの分泌は増えると思います。
おっぱいの分泌はインシュリンの影響を受けると言われています。
お餅(=もち米)は普通のお米よりも血糖値が急速にアップするし、血糖値がハイレベルな状態が長く続くと考えられています。
確かに、腹持ちがいいですもんね。

但し(ここ重要です!!)血糖値がハイレベルですと、血液は粘ちょうになってきます。
おっぱいは血液から造られるので、おっぱいの性状も粘ちょうになります。
そうすると、乳房にしこりが出来やすくなり、流れが悪くなり、乳管が詰まり、やがて乳口炎となります。
おっぱいの性状が粘ちょうということは、そうです、恐るべきマヨネーズ状のおっぱい、略して《マヨ乳》となります。
おっぱいはたくさん造られりゃいいってモノぢゃありません。

どうせ造るなら、美味しいおっぱいを造ってあげようではありませんか!
その方が赤ちゃんもきっと喜ぶと思いますよ。

2014年1月20日 (月)

卒乳のタイミングが分からない。(汗)

<ご相談内容>
いつも勉強させていただいてます。
今1歳2ヶ月の男の子がいます。
産後2週間で乳腺炎になり、そこから毎月乳腺炎になっていました。腺が細いようで、しかも息子があまり飲んでくれず、ごぼうしを飲んでマッサージに通う日々です。息子は体重の増えが悪く、3ヵ月からミルクをたすように言われましたが飲んでくれず…離乳食が始まっても全然たべず…今やっと8キロになりました。

おっぱいに執着のない子なので、周りからは卒乳したら?と言われますが、まだまだ出るおっぱいを今やめて乳腺炎になるのが怖く、無理やり飲んでもらってる感じです。
回数を減らすのも怖く、昼間も3回、夜中に3回は減らせません。旦那が二人目が欲しいと言いますが、おっぱいがまた1年以上続いて乳腺炎を繰り返す日々を考えると…。どうしたらいいでしょうか。
ちなみに今も乳頭が白くなって痛いです。
コンディションがいい時なんてないので卒乳のタイミングがわかりません。
息子は1歳近くなってから急におっぱいを前より飲むようになりました。
でも自分から欲しがりはしません。
私が時間を決めてあげています。
前は誰かいたりテレビがついていると飲まず、静かな部屋じゃないと飲まないので出かけると大変でしたが、今はどこでもあげれば飲むし乳首をはなさない時もあるんです。今さら…と思ってしまい複雑です。
卒乳してからどのくらいたって妊娠するのがベストなのかも教えてください。


<SOLANINの回答>
まずはこの1年2ヶ月、乳腺炎と闘いながら、おっぱいをあげて来られたことに敬意を表します。
また、何と言うか、この一見全くおっぱいに執着してなさそうなお坊ちゃんですが、ミルク拒否&離乳食拒否という頑固一徹なパターンは実は隠れおっぱい星人の特長なんですね。
体重的にはパーセンタイルグラフ下限ギリギリ入るかなぁ~?というトコロですが、運動機能の発達や頭囲に遅れは無いのでしょう?
だったら、目くじらたてるようなことではないですよ。
おっぱいのコンディションを整えにくい状態ですが、ごぼう子を服用しておられたら、詰まりまくることは無いですよ。
乳房トラブルで助産師の手を借りねばならない状態でなければ、先ず大丈夫です。
あと、お子さんの体調も良い時にしてください。(詳しくは過去記事の「言い聞かせ卒乳」の項目をご参照くださいね。)


卒乳の際は言い聞かせをしていくことが良いようにも思えますが、その際はお母さんのお食事の量(カロリー)をダイエットして臨んでくださいね。
だいたい、おっぱい全盛期の3/4に落としてくださいね。
(そうでないと、乳腺炎になり易くなってしまうから。)


妊娠のタイミングについては、おっぱいが落ち着くのに1ヶ月要するとしても、月経再来すれば翌月でも可能です。

哺乳類といっても様々なおっぱいがある!

松原まなみ先生のご著書を読んでいると、面白いことが書いてありました。
アザラシのおっぱいの乳脂肪は36.1%とかなりドロドロです。
氷の上に赤ちゃんを置いて、1日の授乳は2~5回/日。
寒いし、頻回にはあげられないから、このような乳脂肪分になります。

次いで、うさぎ、ライオンと続きます。20~16.7%です。
うさぎは穴の中に赤ちゃんを残して、ライオンは草原の安全な場所に置いて、お母さんは餌を探します。
なかなか赤ちゃんのいるトコロまで帰って来れませんから、陸上の生物なのに、乳脂肪はかなり高くなっています。

豚やカンガルーは4.6~4.2%とさらに薄くなります。
これは生まれて間もない頃からお母さんの後を付いて歩いたり、未熟過ぎておなかの袋で守られていたりする状況だからです。

霊長類はこれよりさらに薄く3.3~3.5%です。
常にお母さんに抱っこされ、赤ちゃんが欲しがればすぐに与える、離れてはいけないというか、離れたらおなかが空いてもすぐにおっぱいを与えられくなりますから。

そういうところから、授乳回数が他の哺乳類よりも多くなり、それがお母さんと赤ちゃんの絆を形成するはたらきがあるそうです。
乳脂肪って種によってこんなに違うんですね。

2014年1月19日 (日)

決して赤ちゃんを蔑ろにしているのではないでしょうが。

上に兄弟姉妹が複数いらっしゃり、なのに、家の中のことに旦那さんが非協力的で、上の子達のお世話や家事にお母さんが忙殺されていると、なかなか赤ちゃんは順調には育ちませんな。

皮肉なことに、お母さんが過労で倒れて入院されたり、赤ちゃんが病気で入院されると、上の子のお世話や家事に忙殺されずに済むので、赤ちゃん(この場合、お母さんが赤ちゃんの入院に泊まり込みで付き添いされたり、お母さんの入院に赤ちゃんがくっついてきたパターンですが)の発育ペースが信じられないくらい好転する傾向が見受けられます。
ミルクの補足が必要だとされていた赤ちゃんであっても、「このペースなら充分減量可能だよね?もしかしたらリラクテーションできたりして。」ということも、あったりします。

しかし、退院後の家庭内環境が、何ら改善されていないと、また元の黙阿弥になってしまいがちです。

旦那さん!お仕事や接待で毎日お疲れ様ですが、もう少しだけ、奥様を手伝ってあげてください。
このままでは、奥様がクラッシュしてしまいますぞ!
お兄ちゃん、お姉ちゃん!お母さんに甘えたい気持ちは分かるけれど、君たちの弟や妹がしっかり育つために、少しだけでも自分で出来ることは自分でやってよね。
お母さんを粗末に扱うと、後で碌なことにならないよ!

3歳児健診でおっぱい星人であることをカミングアウトすべきか?

母乳育児をしておられるお母さんで長期授乳(私的には1歳半以上若しくは、達者に歩けて、尚且つ2語文程度の片言が言える段階と考えます。)されている方は、一昔前よりも増えてきていると思われます。
SOLANINの住むまちでは、3歳児健診は3歳半で執り行っていますが、確か事前に記入しなくてはならない問診票には「授乳している・していない」の項目は無かったように記憶しています。

暫く前、SOLANINは勤務先の母乳外来を受診されたおっぱい星人のお母さんから「(3歳児健診では)おっぱいを飲んでいることを言った方が良いのでしょうか?」という質問を受けました。

担当保健師さんにも依るのでしょうが、3歳児健診の場では恐らく「○●ちゃんはおっぱいを飲んでおられますか?」という質問をされる可能性は極めて低いと思われます。
多分、あちらさんは3歳児でおっぱい星人であるということは想定外だから。
問診の内容も、これまで以上に発達が主眼に置かれますし、おしっこや視力や虫歯や虐待の兆候の有無等のチェック項目も増えますから、あちらさんは確認事項の数が膨大になって来るのですね。


なので、「敢えてわざわざお母さんの方から言わなくても良いのではないですか?」と、申し上げておきました。

もちろん、3歳児健診を見事にクリアーされて、最後に一発、保健師さんへのサプライズとしてカミングアウトする分には異存はありませんが。(爆)

カンガルーケアで気をつけるべきこととは?

カンガルーケアにはどういう意味があるのでしょう?
カンガルーケアをすることで、赤ちゃんの体温が下がりにくく、血糖値も下がりにくく、泣いていても泣き止みます。
子宮外生活への適応をスムーズにするためにはとても重要です!
お母さんとのスキンシップはお母さんの常在細菌を貰うので、病原菌の定着を防ぎます。
つまり、感染予防のはたらきがあるのですね!

しかし、いつだったかのTVでも特集がありましたが、カンガルーケアをしていて、医療者が次のお産に向かったため、お母さんと赤ちゃんの傍に誰一人居なくて、その間に赤ちゃんが無呼吸状態になり、脳に障害を受けたお子さんの事例が報告されていましたね。
出生間もなくは、赤ちゃんのカラダの機能は劇的に変化します。
時には、リスクの感じられない自然分娩だったとしても、何が起こるか分かりません。

カンガルーケアが危険で、中止するべきことなのではなく、何が起きても迅速な対応ができるように、医療者が常に傍に付き添うことが必要なんですね。
カンガルーケアだけではなく、どんなことでも安全に留意することなしに、安易にしてはいけないのですね。
例えば、柵のないベッドで、カンガルーケアをしたらお産で疲れて腕に力が入らないお母さんが赤ちゃんを落としてしまうかもしれません。
そうすると、柵なしのベッドでしてはいけないということが分かりますね。
無呼吸状態が心配ならば、カンガルーケアをする時はSPO2₂
をチェックしながらするべきですね。
万一SPO₂の値が低下したら、警報が鳴るような設定をすることも必要でしょう。
また、赤ちゃんを抱っこする時、赤ちゃんの膝を曲げて脚を屈曲させればSPO₂
は低下しませんが脚が伸展していると、SPO₂はドーンと低下しますから、そういうことすら知らないで何気に流行でやってしまうのはやはり危険ですね。
赤ちゃんとの最初の絆を育むにもカンガルーケアは大切にしたいですし、TVのお子さんのような悲しい出来事が二度と起こらないようにするためには、ガイドラインの作成とそれを順守することと、機械の活用と最後は必ず人が確認することが必要だと私は考えます。

2014年1月18日 (土)

おっぱいの分泌維持に努めるべきか否か?(1歳4ヶ月)

<ご相談内容>
「自然に授乳回数が減って、今はお昼寝の前と夜中だけおっぱいを飲んでいる」
「夜だけおっぱい」・・・なんて話をよく耳にするのですが、それって自然卒乳の一過程ですよね。
その場合って、母乳は沢山出ているものなのでしょうか?
(個人差はあると思いますが)

母乳の分泌維持の為に、搾乳や圧抜きをしているのですか?
それとも、卒乳に向かっているので、余程の時以外は触らずに刺激をしないようにしているのですか?
もし良ければ教えてください。


うちの子は、1歳4ヶ月でまだまだ授乳回数は多いのですが、時々、日中の授乳間隔が4~7時間開きます。
あまりにパンパンに張る時は、少し搾っています。
大丈夫そうな時は何もしないのですが、そんな日は分泌が落ちる気がします。
なので、いざ寝る前や夜中の飲みたい時に母乳の出が悪くて、かわいそうです。

授乳回数が減った時、分泌維持に努めるべきか?否か?教えてください。
それとも状況によるもので、一般論を論じるものではないのでしょうか…そうだったら、すみません。

<SOLANINの回答>
おっぱいの回数が自然に減ってくるのは、自然卒乳の過程で見られる現象と捉えて間違いないと思われます。
但し、自然卒乳の時期には個人差がありますから、0歳児なのに何故かおっぱいの回数が減少し、おっぱいに執着しないお子さんもいらっしゃいます。

そして、そういうお子さんの多くはご飯に走っている傾向があります。
反対に2歳3歳であっても、1日に数回おっぱいを欲しがるお子さんも居られます。
どちらかと言うと、そういうお子さんは食の細い傾向があります。


授乳回数が減少するということは、おっぱいの分泌にブレーキがかかることを意味します。
ブレーキのかかり始めこそ乳房はパーンと張ったりしますが、やがて授乳間隔が半日近く空いても、乳房はパーンと張らなくなります。
乳房が張って辛い、若しくは乳房トラブルを再三繰り返した経験があり、またあのようになるのは真っ平ゴメンだというのであれば、適宜搾乳しても良いかと思います。


なお、大丈夫そうな日に何もしないとおっぱいの分泌が低下するような気がするとのことですが、1~2日続くくらいならば、ホントに気のせいだと思います。
しかし、大丈夫そうな日に何もしないことが常態的に1~2週間続けば、おっぱいの分泌は徐々に低下してくると思います。


お子さんが夜寝る前におっぱいを飲みたがり、ある程度の分泌が必要ならば、お風呂に浸かってカラダを温かくしたり、夕食後かお風呂上がりにたんぽぽ珈琲かハーブティ―等を嗜まれては如何でしょうか?
授乳回数が減った時に、分泌維持に努めるべきか否かというご質問の答えですが、それはケースバイケースではないでしょうか?
おっぱいへの依存度というか執着というか、つまり栄養面でも情緒の安定でもお子さんにとっておっぱいの役割がまだまだ大きいならば、ある程度分泌の維持は必要でしょう。(いや、待てよ。それならばそもそも1歳4ヶ月でも授乳回数が減る筈が無いので、普通にしていれば分泌の維持など意識する必要性は無いのです。)
けれども、自然に授乳回数が減少してきているのであれば、恐らく徐々にご飯を食べるようになっておられるのでは?おっぱいよりも楽しいものを見つけつつあるのでは?と、お見受けします。
であれば、何が何でもおっぱいの分泌維持に努める必要性は薄いと思います。
もしかしたら・・・お子さんがおっぱいを欲しがる気持ちよりも、お母さんがおっぱいをあげたい気持ちが勝っているのかな?という気がしました。
違っていたら、ごめんなさいね。

母乳育児が伝承出来にくい理由。

赤ちゃんをお母さんのおっぱいで育てることなんて、当り前すぎるので、学ぼうなんて考えたこともない妊婦さんは多いと思います。
「それより、出産でしょ?」と、出産関係のマタニティークラスには参加されても、残念なことに、「母乳育児」と名前が付くと「忙しいから、別に行かなくてもいいぢゃん!」っていう分かっちゃいない妊婦さんは少なくないです。

でも、この頃出産されるお母さんのお母さん、つまり赤ちゃんのおばあちゃん世代はミルク育児全盛期にご出産されていますから、1か月健診時の母乳率が20%程度と今の半分以下(=母乳育児に関してはお粗末な世代)だということをを知っていましたか?
どうして母乳育児を学ぶことが必要なのか?
よく考えてほしいのは自分がかつて経験していないことや専門的に学んだことでなければ、他の人に伝えたり、教えたりはできないんぢゃないかと考えられるからです。
その根拠は例えば英語。少なくとも中高6年間はお勉強していますから、苦手な方でもアルファベットくらいは書けるし、「HELLO」が「こんにちは」に相当するくらいは知っておられるはずですね。

でも、スワヒリ語やウルドゥー語で、「こんにちは」って言ったり書けたりできますか?
私は出来ません。
なぜなら、その言語圏で生活したという経験もなく、大学で、その方面の言語学を専攻したわけぢゃないですから。
私が言いたいのはそういうことなんです。
殆んどのおばあちゃんは、若かりし頃、自分の赤ちゃんのおむつ交換、抱っこ、沐浴、ミルク授乳は経験があるから娘さんやお嫁さんに教えられるでしょう。
けれども、経験のない母乳のあげ方や足りているかどうかの見極め方などは教えられないと思います。
母から娘に伝えられないことだからこそ、学ぶ必要があるんですね。

2014年1月17日 (金)

これだから、知らないお母さんは始末に負えない!(嘆)

母乳育児を成功させるために、頻回直母は欠かせません。
しかしながら、当ブログの読者のみなさんとは対極で、母乳育児に対して熱意に乏しい方やマタニティクラス未受講組のお母さん達は、ご自身の勉強不足は横に置いといて、「1日10回以上の頻回直母って、一体いつまで続ければいいんですか?」的な逆ギレ発言が凄く多いです。(文章では伝わり難いでしょうが、会話の中で単なる質問ではなく明らかに責め口調です。そういうニュアンスは相当鈍感な助産師であっても察知できるレベルです。)

頻回直母が大変でないとは申しません。
しかしながら、赤ちゃんの哺乳力や身体的(生理的)特徴や発達段階をしっかり事前学習しているお母さんは、それを当然のこととして、受け止める心の準備というか胆力があると感じます。
“大変な中にもやりがいがあるから頑張れます”というオーラが醸し出されています。
それがないと、“やらされている感”“日々の生活が授乳優先であることの不満感”で一杯になっちゃうんでしょうなぁ。(嘆)

頻回直母に否定的なお母さんに敢えて言わせていただきます。
そもそも赤ちゃんをおっぱいで育てるということは、アウトソーシングやスピード至上主義や省力化という概念枠組に当て嵌められることではありません。
なのに、それらを優先したいというのなら、それってわが子を厄介者扱いするということですか?
血を分けた、お腹を痛めたわが子を、邪険にしないでやってくださいませんか?
当り前過ぎることを否定しないでくださいませんか?
根本が理解できていないから、きちんと学んでいないから、釦を掛け違えてしまっていることに、どうか気がついてください!
逆ギレお母さんに頻回直母をされている赤ちゃんが不憫でなりません。

我が子より月齢の若い赤ちゃんが卒乳して焦る。(1歳)

<ご相談内容>
完母の友人が卒乳しました。
ウチの子よりも4ヶ月も若く、(?)なんと8ヶ月です。
離乳食もまずまず食べているとのことで、今ではフォローアップミルクを飲ませているそうです。
その友人に「えっ!まだおっぱい飲んでいるの?甘えん坊だね。」と言われてから、心が何だか粟立ちます。
(ちなみに専業主婦で、仕事に出る予定は全くありません。)
心を鎮めるために、卒乳の相談をしようかと、母乳外来か助産院を受診した方がいいでしょうか?

<SOLANINの回答>
う~ん。
心が静まるのなら、受診されては如何でしょうか?
だって焦りと不安がない混ぜになっているのでしょう?
助産師は大局的に物事を観て、アドバイスをしてくれるでしょうからね。

そのご友人がどういう経緯で「卒乳」したかは存じませんが、8ヶ月で、離乳食がまずまず進んでいるとしても、せいぜい2回食でしょうし、歯もそんなに生えていないでしょうし、従って栄養の主体はまだおっぱいの時期ですね。
フォローアップミルクがどういう代物(シロモノ)なのか、当ブログではこれでもか!」というくらい書いておりますのでそれはしっかりご精読いただき、ミズリードされないように気をつけてくださいね。
絶対に間違えてほしくないのは、早い卒乳が早い発達を意味するのではないということです。
あなたらしく、おっぱいライフを続けていけたらいいのですよ。

赤ちゃんはいつ満腹が分かるようになるのかな?

新生児のおっぱいの飲み方は様々です。

①おっとり、のんびりタイプの赤ちゃん・・・例えば体重が小さめの子、少し早く生まれた子、女の子、生まれてくる時難産だった為、酸素投与されたり一時的に保育器に入った子、黄疸が強く出ている子、眠りがちな子などは起こして促してこまめにおっぱいをあげることが必要です。
こういう赤ちゃんの場合、泣くのを待って授乳というスタイルでは、成長どころかだんだん体重が減り続けたり、どうにか減らなくても退院時から2週間健診時まで体重が全く増えないことも有り得ます。(=生理的体重減少ではなく、退院後も減ってしまいます)
赤ちゃんの活力はジリジリと低下してきます。
1回の授乳に2クールするのは至難の業で、1クールが精一杯です。

②ハフハフ、ガツガツタイプの赤ちゃん・・・例えば体重が大きめの子、10ヶ月で生まれた子、男の子、安産ですぐから同室できた子、黄疸はさして強く出ていない子、飲んでも眼がランランして、起きている時間が長い子、お母さんが時計を見なくてもみずから積極的におっぱいを欲しがる子などは赤ちゃんの泣くまでを待ってからあげても差し支えありません。1回の授乳に2クール以上でも余裕で吸い付ける状態です。
赤ちゃんは活力に溢れているようです。
うんちをブリブリと出しながら、吐きながらでも飲みます。

「これでは少ないからもうちょっと飲んでおこう」とか「これ以上飲んだら吐きそうだから、やはり腹八分目でとどめよう」が分かるようになるのは予定日前後で生まれた子でも、その3ヵ月後です。
そうです満腹中枢の形成は、それまでは期待できないのです。
スタミナが切れたら必要量を飲んでいなくても終了する一方、スタミナがあり余っていれば、おなかがパンパンでも延々と飲み続けます。
もしおなかが苦しそうならアタマを高くしたり真横向けで寝かせてカラダをラクにしてあげましょう。

2014年1月16日 (木)

セントジョーンズワートの摂取!

ハーブの一種でセントジョーンズワートというものがあります。
別名西洋オトギリ草だったかな?
気分がすぐれず、鬱っぽい時に効果のあるハーブだそうです。

授乳中のお母さんには関係ないお薬のひとつに経口避妊薬というものがあります。セントジョーンズワートと経口避妊薬と併用して摂取すると、避妊効果が減弱するので、ダメだということが以前から指摘されているものでもありますね。
(将来使用するかもしれないお母さんはこのことを忘れないでね。)

さて、このセントジョーンズワートは授乳中には使用をしないでほしいサプリメントなんですね。
何故かと申しますと、赤ちゃんに疝痛発作が起きたり、嗜眠状態になったり、無気力や昏睡に陥る危険性があるのです。
光過敏症や消化器症状(腹痛・嘔吐・下痢・便秘など)が現れるという調査報告もあるそうです。

一般的にハーブ系サプリメントはデータが少ないのです。
私自身何でも知ってる訳ではないので、この件についてあまり情報提供は出来ません。
ハーブはお薬ではないので使用に際し抵抗感が少ない方が多いようです。
しかし、例えば過去の記事にも取り上げたセージは乳汁分泌を抑制する作用があるのでおっぱいをあげているお母さんが使用するものではありませんね。
安易な摂取は差し控えた方が無難なようです。

おっぱいに出てくるカフェインはどんな程度?

おっぱいをあげているうちは、お母さんの飲食したものが出てくるわけですから、皆さんそれなりに、気をつけておられると思います。

普段、お酒、たばこを嗜まれる方もそこは我慢しておられることでしょう。
O式のセンセイは珈琲は厳禁されてますね。
私も飲まずにいられるお母さんはそうされたらいいと思います。
「でも、カフェ中で、どうしても・・・」というご相談を、しばしばSOLANINは勤務先の母乳外来で受けます。
カフェインが赤ちゃんのカラダから排出するのに要する時間は国際ラクテーションコンサルタント協会のデータによれば80時間とのことです。
う~ん。長いですな。
赤ちゃんはカフェインに敏感なので、キーキー言ったり、寝付きが悪いのでしたら、やめた方がいいですな。
お世話が大変になるだけですから。
あと、ダイエット関係のサプリメントなんかにも入っているから、体重の増えにくい赤ちゃんのお母さんも控えた方がよさそうですな。
あまり濃くないものを1日1~2杯程度ならギリOKかな。
あと、飲んで2~3時間後にはおっぱいに出てくるから、何気に夜更けに飲むと夜中赤ちゃんのおめめがギラギラになったりする恐れもあるから、時間を考えて飲んだ方がいいと思います。
あっ、カフェインは紅茶や緑茶、ドリンク剤やコーラにも入っていますから、気をつけてね。

2014年1月15日 (水)

上の子がおっぱいを欲しがるから、新生児は混合栄養!?

過去記事で、タンデム授乳は結果としてそうなることがあっても、目指すものではないし、基本的に優先すべきは、下の子つまり赤ちゃんであることは、読者のみなさんは既にご存知かと思います。

暫く前ですが、タンデム授乳のお母さんで、「上の子(2歳代)が赤ちゃん返りが酷くならないように、タンデム授乳をしています。」という方がいらして、それはまぁいいとして、続けて「上の子は、母親以外の人には懐かないので任せられないから、ゆくゆくは赤ちゃんを旦那やおばあちゃんに預ける時に便利だし、懐かせたいから赤ちゃんは混合栄養にしようと思うんです。」という発言を聞き、耳を疑いました。

おっぱいはジャブジャブ出ています。
赤ちゃんの発育も極めて良好。
ミルクを補足しなくてはならないエビデンスは皆無です。
お母さんっ子の上の子さんへの配慮なのでしょうが、どう考えてもそれは違うのではないかとSOLANINは思いました。
歯が生えて、ご飯も食べて、外遊びが好きで、カタコトくらいは喋れる2歳児の対応こそ、旦那さんやおばあちゃんに請け負ってもらって然るべきことです。
上の子さんの気持ちを慮ることは大事なことですが、もっと立場の弱い赤ちゃんを蔑ろにするのは止めてほしい。
そこで、SOLANINは、「旦那さんやおばあちゃんに協力してもらうことは、赤ちゃんにミルクを飲ませてもらうことじゃなくて、お母さんが心おきなく赤ちゃんにおっぱいがあげられるような環境作りや家事代行や上の子さんの食事や着替えやお風呂や寝かしつけ等の世話や遊びにつき合ってもらうほうが余程助かりますよ。」と、滾々とお話ししました。
分かってくっれたでしょうかねえ。

排卵期~月経中のおっぱいは美味しくない?

<ご相談内容>
※この記事は、暫く前完母になったお母さんからのご相談です。
最近月経が再来し、赤ちゃんが嫌がるのでおっぱいのお味見をしたところ、明らかにいつもとはおっぱいの味が異なり(=甘味が薄い。)美味しくない。
お食事は根菜類を多く摂取して気を付けています。
しかも分泌が低下するのか、怒ってしまいミルクを補足することもあります。
不味くて出方が少ないおっぱいならば、いっそ、月経期間中はミルクをあげたらいいのでしょうか?

<SOLANINの回答>
たとえおっぱいの味が不味くて出方が少なくても、おっぱいはおっぱいです。
ミルクの補足を検討する前におっぱいでいいと思います。
月経の再来には個人差がありますが、頻回にあげていれば再来が休止することもあります。

月経が再来すると厭な方、是非頻回直母してくださいな。
また、この時期にこそ、赤ちゃんへの言い聞かせを忘れないでいただきたいです。

つまり、「月経が来るとお母さんのおっぱいが不味くなるかもしれないし、出方も少なくなるかもしれないけど、そンな状態ははいつまでも続かないよ。あなたが頑張っておっぱいに吸い付いてくれたら、また元通りの美味しいおっぱいが一杯出るように戻るから、大丈夫だよ。よろしくね。」と頼んでみましょう。

乳児突発性ビタミンK欠乏症って知っていますか?

これはあくまで、まず普通に病産院で生まれたら罹るリスクの無いであろう病気(=発症は数千人に1人の割合)ですが、知らないと危機的状態を察知するのが遅れ、偉いことになってしまうので、記事にさせていただきますね。

おっぱいの栄養分はほぼパーフェクトなんですが、ビタミンKだけは不足しがちです。
また、赤ちゃんのカラダの中では生産できないビタミンです。
それで、通常は予防的に出生間もなく・退院前・1ヶ月健診の3回にわたり、シロップ製剤を内服することで、出血性の病気の予防をします。
お口から飲めない小さい赤ちゃんは小児科ドクターが注射をします。

生後間もなく発症するのは「新生児メレナ」という消化管からの出血です。
吐血・下血が主症状なので、授乳やおむつ交換をしていたお母さんが気が付くことが、殆どです。
それに対し、この突発性というのは別名、遅発性とも言われ、1ヶ月以降に起きるのが特徴です。
症状は「急に意識が朦朧となる」「急に頻回におっぱいを吐く」「機嫌が悪く、グズグズしている」「急におっぱいを吸う力が弱くなる」「けいれんが起きる」などです。
検査データ的に血液凝固因子というのが低くなるので、「血友病か」と、疑われることもあります。
今のところ、確たる原因は不明です
そういう場合でもビタミンKの投与を受ければ治ります。

お母さんに出来ることは、普段のお食事に納豆・緑黄色野菜など、ビタミンKを多く含む食品をを積極的に摂取することです。
「どうしよう納豆食べられない・・・人参も嫌いだし。」の崖っぷち気分のお母さん、キャベツだったら、食べられませんかねぇ。
キャベツは淡色野菜だけど、ビタミンKは意外に多く含まれているんですね。
お母さんの摂ったビタミンKはおっぱいに出てきてくれますので、大きな意味があるんです。

余談:新生児の出血性疾患について実習各校の看護学生に口頭試問すると、最近はみんな、国試対策万全なのか「メレナです。」と即答してくれます。

でも、「メレナって何?症状は?」と質問を重ねると、「習ってません。」とか「知りません。」って言うのよね。
それって、国試的知識としてはOKかもしれないけど、臨床的知識としては《へのツッパリ》にもなりませんな。
「予防は?」って聞けば、「ビタミンKです。」とは答えるものの、「それ何?あまり聞いたことのないビタミンだね?」ってカマかけたら、「そうですね。ビタミンCの間違いだったかもしれません。」とか、こちらに迎合したことヌカす学生もいます。こら~。
事前学習ができていない学生だけは容赦できない性格なので、SOLANINのブラックな性格全開で、ガンガン口頭試問を続けます。
反面、事前学習のできた看護学生にはとてもやさしいと言われています(笑)

2014年1月14日 (火)

完母の赤ちゃんにビタミンA・C・Dの補給は必要?

<ご質問内容>
我が子が生後2ヶ月の頃からこのブログに辿り着いて、読者をしています。
現在はアメリカ在住です。
今、過去の記事を読んでいる最中なのですが、『最強母乳外来』には、お薬のこと・離乳食のこと等、アメリカではなかなか知ることができない情報がたくさん詰まっているのでとても有り難いです。

アメリカでは、3ヶ月健診から日本人の小児科の女医さんにお世話になっています。
こちらでも、6ヶ月までは母乳でいいですよと言われたのですが、唯一日本で聞いたことのないことを言われたので質問させてください。
母乳だけだと、ビタミンが足りないので『Tri・Vi・Sol』というビタミンA,C,Dのシロップ(ファーマシーに売っているもの)をあげてくださいと言われました。

匂い・味ともに小児用シロップなのですが、スポイトであげたところ全部口から出されてしまいました。
説明書には、ミルクや離乳食に混ぜて…などと書かれているのですが母乳オンリーなので結局最初の1回切りで中断中です。
女医さんからも、絶対あげてくださいとのことではなかったので無理しなくてもいいのかなとは思っているのですが…。

過去の記事を読み進めていけば、書いてあるのであれば特にお返事はいりませんので気になさらないでください。
ちなみに、4ヶ月検診で6.21㎏と順調に大きくなっています。

<SOLANINの回答>
あ~『Tri・Vi・Sol』という名前なのですね。
人づてに、アメリカではビタミンの補給を乳児にするらしいとは聞いていましたが、そういう名称なのですね。
サプリメント大国らしい、アメリカならではの考え方なのでしょうね。

念のため調べてみましたが、ラクテーションコンサルタント関係の文献でも、日本母乳の会の出版物等にしても、母乳育児中の乳児に絶対的な論調でビタミンの補給が必要だというのは、明記されていないようです。
保健所や保健センターでの3~4ヶ月児の集団健診でも、ビタミン補給の指導はなされていないようです。

あっ、新生児にビタミンKは必須ですよ。
ビタミンKは脂溶性ビタミンですが、そもそも殆ど胎盤を通過しないので、胎児の体内に蓄積されることが、とても少ないですからね。
~レメディ事件以降に、日本小児科学会が生後3ヶ月以内の乳児に毎週ビタミンKの投与することが望ましいという声明(?)を出しておられるのは聞いたことがありますが、今回は話がごちゃごちゃになるので、その件は割愛します。~
他には以前、北欧圏の読者さんから、「新生児にビタミンKは投与しているかどうか、聞いたことが無いけれど、ビタミンDの投与は必須です。」という報告を受けたことがあります。

彼の国々では、日照時間が短いですから、くる病の予防ということが重視されているのだと思われます。
日本国内で乳児に対しビタミンDの投与というのは、NICU卒業生(この場合≒未熟児さん)には普遍的に行われているようですね。
~何故NICU卒業生に必要なのかは、該当児のお母さんは小児科ドクターから聞いておられる筈なので、その説明も本題から外れるので省略いたします。~

お母さんの食べたものがおっぱいになることは、読者のみなさんはよくご存知かと思います。
仮の話ですが、母乳育児中のお母さんの食生活がメチャクチャで、慢性的にビタミンの摂取量が極端に少なければ、おっぱいに含まれる何らかのビタミンが欠乏するかもしれないことは・・・あるかもしれません。
しかし、常識的に考えて、そういうことはちょっと考えられないと思うのですね。
本来おっぱいに含まれるビタミンの量は安定的です。
特に脂溶性ビタミンであるAやDは、お母さんに蓄積されていますから、水溶性ビタミンのBやCに比較して、食事の影響を受けにくいと言われています。

やはりこれは、国情の違い、食生活の違いということに端を発しているのではないかと思われます。
ちなみに私はミルク育児全盛期に赤ちゃんだった者ですが、今とは違い、昔のミルクは牛乳の粉末のような代物だったとかで、赤ちゃんにビタミン補給は必要だという指導が一般的だったそうです。
そのため「ポ●ンS®」というビタミン剤を服用させていたと、実家の母から聞いたことがあります。
また、私自身は3人の子どもをおっぱいで育ててきましたが、赤ちゃんにビタミン剤を服用させたことは一度もありません。

追記:この記事を書いた後、更に色々調べていたら、ベジタリアンの方はビタミンB群が不足しがちなので、おっぱいへの配慮をするならビタミンB群の補給をすることが望ましいという考え方があることを知りました。
ご質問はA・C・Dなので、B群では少し内容がズレますから、記事本文の追記というカタチで補足させていただきました。

今後も5分2クールの飲ませ方でいいのか?

おっぱいの分泌には個人差があります。
産後数か月経っても授乳と授乳の合間におっぱいが漏れ出してきたり、シャワーのお湯を乳房に当てると、ビュービュー出てくるような方ならば、量的には1クールでいいのかもしれません。

まぁ、そこまでの出方ではない(=つまり、分泌過多ではない。)方ならば、2クールすることで量的に丁度必要な分が出てくるであろうと想定されます。

かなりのスタミナ溢れるパワフル系の赤ちゃんでも、3クール以降になると、飲み方がユルくなります。
SOLANINの勤務先の病院の母乳外来でも様々な月齢の赤ちゃんの哺乳量を測定していますが、どの赤ちゃんも3クール目以降は量的には大して飲めてないようです。
前に記事にしましたが、5分2クール以上咥えたがっても、それはおっぱいの量が足りなくてしがみ付いているのではなく、お楽しみタイムですから、授乳時間にカウントするモノではないと思います。

つまり、3クール目以降は赤ちゃんが眠るためや気持ちを落ち着けるためにお母さんのおっぱいを拝借しているという風に解釈してもらっていいのではないかと思います。

おっぱいはカラダの成長に必要な栄養分だけを与えているく訳ではないのですから。

2014年1月13日 (月)

最近の先天性代謝異常検査ってスクリーニング結果の異常が多いですね。

入院中(≒退院前)に行う先天性代謝異常検査は、先天性の赤ちゃんの病気の早期発見のためにある重要な検査で、公費負担となっています。

この手の検査は、医療機関との接点がゼロ(例:野良妊婦状態での自宅出産)だったり、保護者が頑強に拒否されない限り、未受検で退院ということはまず無い筈です。
けれども昨年でしたかねぇ、検査の種類が増えてから、「再検査必要」「精密検査必要」の結果が返ってくる赤ちゃんが増えている印象が強いです。

再検査や精密検査の結果は異常なしであることが殆どなので、検査の試薬や機械が過敏過ぎるのかもしれませんが。

通常、産後1ヶ月健診までは退院してからの居所を転々と変更される方は稀でしょうが、先日の記事とは逆に遠方からの里帰りで、退院後数日のうちに実家撤収パターンをされますと、この検査に引っかかり「再検査必要」「精密検査必要」に該当した場合、再検査を受ける機会や場所が宙に浮いてしまうことがあります。
つまり、遠方の実家にわざわざ再検査だけのために帰省することは困難⇒しかし、自宅近隣の病産院では再検査だけの受け入れはしてもらえない⇒もしも再検査が未受検であれば、病気の有無を確認することができない⇒万一病気であれば、再検査が未受検の間にどんどん進行し、赤ちゃんの発達発育に重大な支障を来たす恐れがある…とゆう展開になってしまいます。

退院後早いうちに遠方からの里帰りを切り上げて自宅に戻るには、それなりの事情があるからなのでしょうが、赤ちゃんが再検査対象者になった場合の未受検を防止する重要性を鑑みれば、それは止めた方がいいと思います。

おっぱいの分泌がカツカツかも知れない時こそ

授乳間隔を空けて、少しでも乳房を張らせてからおっぱいをあげた方が、何となく赤ちゃんもがっつり飲んで満足してくれるような印象を受けるでしょう。
しかし、乳房はペラペラでも構わないから積極的に頻回におっぱいをあげたほうが、赤ちゃんは育つし、おっぱいの分泌は上昇します。
最悪でも分泌の低下は避けられますから、カツカツかも知れない時こそ、頻回直母をしましょうね。

SOLANINが5分2クールを推奨するわけ。

おっぱいのあげかたについて、質問がありました。
よくわたしは、「5分2クール吸わせる」と申しておりますが、ラクテーションコンサルタントがおられる病産院ですと、「赤ちゃんが満足するまで、吸わせる(=何分かではなく、脂肪分の多い後乳まで飲ませる)」と、指導されるとことが多いかと思われます。

「赤ちゃんが満足するまで」は理論的に正しいと思います。
でもなぜ、「5分2クール」なのか?
理由を書きます。

1.乳頭・乳輪に掛かる負担を減らすためです。(正しい吸着をしていても、あまりに長い時間吸わせ続けたら、乳頭・乳輪の皮膚がふやけてキズがつきやすくなります。
キズが酷くなると、授乳自体が苦痛の原因になりおっぱいをあげることが全く楽しめません。

2.頻回直母をすると、おっぱいが溜まるまでに次の授乳になることもしばしばです。
吸啜刺激で乳汁分泌ホルモンである「プロラクチン」の血中濃度が上昇する時間を考えると、片方に長くあげることは、どうなのか?という疑問が出てきます。

3.片方に満足するまで長く吸わせると、反対側も同じように吸いついてくれないことがよくあります。
赤ちゃんが吸啜することに疲れるからです。
例えばたまたま授乳間隔が空いてしまった時にこのやり方で授乳すると、後からあげた方の乳房の残乳感が解消されにくくなります。
左右のアンバランスを助長するような飲ませ方は、乳房トラブル(うつ乳も含めて)の原因となります。

まぁ、ざっとこんなものでしょうか?
あぁ、それともうひとつあります。

4.赤ちゃんの胃の体積は小さく、おっぱいの消化・吸収は早いものです。
しかも、赤ちゃんはある程度体重を増やし、成長していくべき存在です。
極端な表現になりますが、3kgで生まれた赤ちゃんが1歳の誕生日に3kgでは発育不良であることはどなたでもご理解いただけると思います。
(大人は自分の体重がちょっとでも増えると悲しい気持ちになりますが、わが子の体重が順調に増えて悲しくなる親御さんは稀だと思います。)
トラブルを起こさない・起こしにくい飲み方を取り入れるべきではないかと考えるわけです。
実際、「5分2クール」で、授乳回数の数え方を正しくすることで(もちろん、乳管の詰まりを取り除くことと、その母子に見合った正しいラッチオンが出来るポジショニングを取ることが大前提ですが・・)赤ちゃんの体重増加不良が改善されることは経験的に数えきれないくらいあります。

なので、多くの方にマッチングしやすい「5分2クール」を推奨するわけです。
もちろんケースバイケースということもあると承知しております。
決して自分のやり方をあなたに強要するつもりはありません。
しかし、あなたの今の授乳方法で何か不都合があれば、また1.2.3.4.の理由にご賛同いただけるのでしたら、試していただく価値があるのではないかということです。
「どうすれば、おっぱいが上手くいくのか?」をSOLANINは追求しているのですね。
・・・上手くいかないなら、いかせてみせようホトトギス、かな?

2014年1月12日 (日)

おっぱいを飲ませてあげた後に搾るメリットとは?

まず、先にお断りしておきますが、この記事は「私って、分泌過多なんです。」というお母さんは軽くスルーしてくださいね!と、念を押しておきます。

昔の助産師はよく、「授乳後は乳房が空っぽになるまで搾りましょう。」とお母さんに指導したものです。
私も若かりし頃?そのフレーズを先輩から聞かされたものですが、少々揚げ足取りな性格なので、「乳房はスケルトンぢゃないし、どうやって、空っぽかどうか、判断するんだろうねぇ?」とココロの中で思っておりました。

いわゆる後搾りのメリットは、例えば赤ちゃんの飲み方がユルくてどうにも乳房がスッキリしない時、1クール半とか2クール半とか、この「半」というハンパな飲み方をして、おっぱいの残った感じに左右差がかなりある時に乳房のコンディションを整えることが出来ることです。
あと、もうひとつは、後搾りをすると、おっぱいの造られる量が増えることです。
誤解のないよう、もう一度お断りしておきますが、一番の鍵は頻回直母です。
直母の時間を削ってまで、することぢゃありません。
やりすぎると、「寄り目」「肩凝りの増強」「腱鞘炎」の誘発になりかねません。
でも、何らかの事情で、頻回直母ができないお母さん、肝心の赤ちゃんがイマイチしっかりとおっぱいを飲んでくれず、悩んでいるお母さんには合うと思います。

「分泌過多」のお母さんがしっかりした後搾りをすると、さらに分泌過多になるので、しないでくださいね。
例外は乳頭に傷があったり、乳口炎になっている場合で、患部からの上行性感染予防目的に限り、”しっかり”ではなく、”ほんの4~5プッシュ”の後搾りをするのは有効とされていますが・・・くれぐれも間違えないでね。

1回当りの哺乳量をどう考える?

母子異室の病産院で入院生活を送られると、どうしても赤ちゃんの哺乳量が画一的な指導になるというか、そういう傾向が否めません。
SOLANIN宛にご相談されるお母さんも、母乳不足に悩んでおられ、
「3日目だから1回に30mlは哺乳させないといけないと指導され問答無用で補足されました。」
「粉ミルクの缶蓋には2週間までで1回に付き80mlと書いてあるけど、私はレンタルのスケールで哺乳量を測ったら65gだったので、そういう場合は15mlミルクを足しています。」
「今は120mlの時期ですが120g直母出来たのに3時間経たずに泣きます。」
などの表現をなさいます。

赤ちゃんの1回当りの哺乳量をどのように考えておられますか?
完ミであれば、ミルクの缶蓋に従ってもらえれば良いと思います。
しかし、完母の方や混合栄養の方でリラクテーションを目指して頑張っている方は、ミルクの缶蓋の数値はは参考意見程度に捉えてもらえませんでしょうか?

おっぱいとミルクは似て非なるものです。(過去記事を読んでね。)
どうしておっぱいをミルクと同じに(ミルクに合わせて)しなくてはならないのですか?
1回の量はミルクよりも少なくたって良いのです。
1日のトータルでしっかりと飲めていたらそれでいいんです。
ある種の病気でお食事の量やカロリー、水分、塩分など毎回計量して時間を決めてお食事をしなくてはならない患者さんならともかく、あなた自身が毎日毎回量や時間に捕らわれたような食生活を送っておられるのですか?

違いますよね?
同じように食べても運動量の違いや精神的な要因で食べたい時、食べたくない時、おなかの空く時、空かない時、色々あるでしょう?
赤ちゃんはおっぱいやミルクを飲むマシーンではありません。

すくすくと成長して欲しいのは親心として当然ですが、今から相撲界に入門させるとかの予定はないのならば、赤ちゃんの体重は普通くらいで増えてくれたら特に問題はないと思いますが、いかがでしょうか?

2014年1月11日 (土)

何でもかんでも可哀想って言うな!(怒)

困ったことに、旦那さんや(実・義を問わず)赤ちゃんの祖父母の中には、何の根拠もないのに、感覚だけで妻または娘(嫁)のすることに物言いをつける人が居ます。

例えば、「眠っている新生児をわざわざ起こしてまでおっぱいをあげるなんて可哀想!」「横向きに寝かせたら可哀想!」「頸が据わっていないのに立て抱きするのは可哀想!」「夜にならないと沐浴して貰えないなんて可哀想!」「布おむつじゃないなんて可哀想!」「おっぱいばかりでミルクを貰えないなんて可哀想!」「2ヶ月なのに薄めた果汁を飲ませて貰えないのは可哀想!」「産前産後保育園に預けられる上の子は可哀想!」等々、枚挙に暇(いとま)がありません。(←全てSOLANINが耳にした実例です。)
平たく言えば、病産院で教えて貰ったことや、お母さんが全力で取り組んでいることは認めないっちゅうことですな。

あ~、イラッとします!
こういう物言いってめっちゃストレス増強因子ですやん?
或る意味、寝不足よりも辛いかもしれませんな。
何の根拠もないのに、感覚だけで「赤ちゃんが可哀想!」のリフレインの中で子育てする妻または娘(嫁)の方が、何億倍も可哀想です!

で、こういう物言いの人に限って、まともに赤ちゃんのお世話なんかできませんし、何か不都合な事象が発生した場合、責任を取ることは120%ありませんから始末が悪いんですね。
要するに、自分が対応できないことだから、ひたすら「可哀想だから止めておけ!」というメッセージを発信しているんでしょうね。
まぁ、産後身動きが取れない時期に、こちらの希望通りの家事を手伝ってくれるなら、まだ使い道(!)はありますが、それすら無いスットコドッコイに振り回されるのだけは御免蒙りますからな。(汗)

腹の立つことを聞き続けるとムカついて血圧まで上がりそうですから、華麗にスル―しましょう。
子育ての主役はお母さんなのですから、ギャラリーにご無体なことを言われても、ブレずに自分の信念を貫いてくださいませ。

おっぱいを飲ませてあげる前に搾るメリットとは?

頻回におっぱいをあげているのなら、おっぱいを飲ませてあげる前の搾乳は不要でしょう。
でも、「以前はともかく、最近は授乳間隔も空いてきてるのよね。」というお母さんには是非とも前搾りをしてほしいです。
以前の記事にも書きましたが、授乳間隔が3時間以上空くようになると、乳房だけではなく、乳輪や乳頭までゴリゴリして硬くなります。
そういう状態で赤ちゃんに吸わせていると、赤ちゃんは意地になって吸い付くので、吸引圧が大きくなり、乳口に過剰負担がかかり、水疱ができやすくなります。
水疱が潰れると、とても痛いです。
また、それは手強い乳口炎への扉を開けてしまうことになるので、危険過ぎます。

前搾りをすることで、赤ちゃんはおっぱいが飲みやすくなります。
時々、「私はおっぱいが分泌過多と言われているから、前搾りすることで、さらに分泌過多になったら困るんですが・・・」と仰るお母さんがおられます。
でも、乳頭・乳輪を柔かくする程度でとどめていて、飲ませてあげた後は触らないならその心配はないです。

・・・と、ここまで書くと、私の記事を読み慣れている勘の良いお母さんは、きっとこう来ると思われたのではありませんか?
「では、おっぱいを飲ませてあげた後に搾るメリットってあるのでしょうか?」と。
はい。分かりました。
じゃ、次の話題はそれでいきますね!

WHOの見解では、妊娠中の乳頭・乳輪ケアは必要ナシですが・・・

2009年11月14~15日BFH連絡会議に参加してきたSOLANINです。
全体会の後、分科会という形式でした。
同じ勤務先の幹部職員は『ちょっと早く生まれた赤ちゃんの母乳育児支援』の方に参加したのですが、私は『乳房ケアを考える』の方に参加でした。

そこで改めて聞かされたのですが、WHOは妊娠中の乳頭・乳輪ケアは必要ナシと言う見解を出しているとのことでした。
日本は情報発信力が今一つなので、どうしてもこういう国際基準的な話になると、蚊帳の外というか、欧米主導の考え方に飲みこまれるような印象が強いです。

あちらさんの論理としては、授乳というのは家族的な経験的なことで、例えば何百年前、何千年前にそういうケアをしていたのかと言えば、答えはノーである。
ラッチオンやポジショニングを正しくすれば、おっぱいが飲めないということは無い。
・・・と、まぁ、こういうことを仰るわけです。

はい、確かにそうですね。
ヒトは哺乳類ですからね。
でも、では何故おっぱいが上手くいかなくて悩んでいるお母さんが多いのか?
それは、現代ならではこそ、大昔とは異なる生活スタイルだからこそ、変わることがあるのではないか?ということを私は常に感じてきました。
母乳育児支援をしている助産師が共通して思っているのは、ブラジャーの初装着の低年齢化と晩産化が乳頭・乳輪のコンディションを悪くしているのではないかという疑問です。
年々乳首が硬くて伸びなくて・・・という方が増えています。
ティーン用ブラジャーでもワイヤー入りのが普通に販売されてます。
そういうのは乳頭・乳輪を常に押さえつけるし、乳房も締め付けます。
第一子出産までの期間が一昔二昔前よりも長期化しているのは確かですし。

閑話休題。
例えば乳頭形態異常が判明しても「妊婦さんがそれを指摘されることで自分のカラダの自己評価が低下するから、その点を慮って何もしない。」という考え方があります。
誰も妊婦さんを傷つけるつもりはありません。
でも、このまま放置したら、ほぼ確実に母乳育児で苦難が待っていて、マタニティーブルーになっちゃうかも?ということが予測されるとしましょう。
だけど今からケアをすれば、妊婦さんの意識を変えれば、産後の悪い予測を覆すことは充分に可能だったら、私は率直に伝えても良いのではないかと考えます。

全ての妊婦さんに妊娠中の乳頭・乳輪ケアが必要ではないことは分かります。
例えば上の子さんに妊娠中でも授乳しているならば、少なくともそういう方は不要ですもんね?

ケアっていうと、いきなり何かやるイメージがありますが、そうではなく、まず乳頭・乳輪の観察(チェック)することは、言ってみれば先天性代謝異常検査を受けてスクリーニングするようなモノなんです。
その段階で問題ありならば、精密検査に進むように、篩(ふるい)に引っかかれば、個別指導していく・・・ということですね。
「こんな筈ではなかった。」というお母さんを一人でも少なくするための乳頭・乳輪の観察(チェック)・・・

それはあってもいいんではないかと思います。
もちろん乳頭形態異常でも、産まれてから努力されたお母さん、自分ひとりで頑張って克服されたお母さんはおられるでしょうが。
きっとそれは手探りで艱難辛苦の道だったのではないかと思われます。
WHOの見解、みなさんはどう思われますか?

2014年1月10日 (金)

早産児にとってのおっぱいとは?

時々TVの特集でNICUが取り上げられることがありますね。
700g台の赤ちゃん、予定日の4ヶ月前に産まれた赤ちゃんなどを見ていると、心から『生きるんだよ!頑張れ。』という気持ちになります。

そんな小さな赤ちゃんに、おっぱいはどんな意味があるのでしょうか?
病状が許すならば、生後24時間以内におっぱいをあげることで、赤ちゃんの腸が萎縮するのが防げると言われています。
腸管内にビフィズス菌などの善玉菌のバリアを作ります。

早産児には成熟児とは異なる組成のおっぱいが、お母さんから分泌されます。
小さな赤ちゃんのお母さんのおっぱいには、感染予防に関する物質(ラクトフェリン、サイトカインなど)が産後間もなく~約7週は成熟児のお母さんのおっぱいよりも、1.5~2倍も多く含まれています。
また、大昔には「早産児には特殊なミルクを与えるべき」という考え方が主流でした。
しかし、今ではミルクよりもおっぱいをあげた方が神経発達が良いことが明らかになり、誰もそんなことは言わなくなりました。

後乳を飲ませるという考え方。

前乳は飲ませ始めのおっぱいで、カロリーが低く、サッパリしています。
前菜のようなものですね。
それに対し後乳は〆のおっぱいで、カロリーが高く、まったりしています。
ラクテーショんコンサルタントの先生方は、この後乳を飲ませたほうが、赤ちゃんの体重増加も良くなることから推奨されるようです。
なるほど、確かにこの考え方は理屈に合います。

しかし、胃の体積が極小の未熟児さんならともかく、ある程度の大きさの赤ちゃんであれば、そこまでしなくてもいいのではないか?・・・懸念されることがあります。

ひとつは、後乳まで飲ませるとなると、恐らく片方のおっぱいから30分間くらいは吸い付いている状態になるので、片方のおっぱいで満足してしまう恐れがあること。
そしたら、残ったほうはどうなるのかな?
搾って捨てるのだろうか?
分泌過多傾向のお母さんの乳汁分泌抑制であるまいし、後乳を飲ませようとすることは、実質、片方授乳となり易いので、トラブルへの注意が必要です。
フツウくらいの乳汁分泌状態の方でも、これをやると、うっ滞性乳腺炎になリ易くなるんですよ。
乳頭の皮膚もふやけて来ますよ。
そうしたら、キズがつき易くなりますわな。
乳頭が切れたら、メッチャ痛いですよ~。
痛いのは出産で充分ではないでしょうか?

そういう理由で私は後乳を飲ませるのには、あまり熱心ではありません。
左右こまめに切り替えて、左右差を少なくする、飲ませ方を勧めています。

2014年1月 9日 (木)

産後、あなたを手助けしてくれる方はいますか?

読者のみなさんが出産(予定)の病産院で、バースプランというのはありましたか?
昔と違って、「産ませてやる!」みたいなスタンスの病産院はぐ~んと減ってきて、「どういうお産がしたいですか?」とリクエストを聞いてくれる(許容範囲は病産院によって違いますが・・・)スタンスの病産院は増えてきています。
SOLANINの勤務先でも、妊婦さんにはバースプランを書いていただきますが、きっちりというか拘り過ぎちゃうか?っていうくらい、ビッシリ事細かに書かれる方もある一方、設問の意図をご理解いただけているのか危惧されるくらい花畑な方もいらっしゃいます。(汗)

よその病産院のバースプランがどういう内容かは知りませんが、SOLANINの勤務先では、「産後、あなたを手助けしてくれる方はいますか?」という設問があります。
助産師にしてみたら、「家事や雑事を誰がどの程度手伝ってくれるのか?」というのは、産後の養生や母乳育児の確立のためには欠かせない項目なので要チェックなのですね。

しかしながら、出産が済めば身軽になるから、家事くらい充分自分ひとりで出来ると思い込んでいる方や、何の根拠もないのに赤ちゃんは授乳が終わればコテンと眠るものだと決めつけている方や、話し合ったわけでもないのに家事は旦那さんにしてもらえると安易に期待している方など、産後の生活を舐めているのか?現実逃避なのか?お気楽過ぎるのか?という方がちょくちょくいらっしゃり、頭を抱えたくなります。

確かに、退院したその足でスーパーに買い物に行き、洗濯機を回し、部屋を掃除して、晩御飯をつくるツワモノ母もいらっしゃいます。
死ぬ気で頑張れば、その日だけなら出来るかもしれません。
でも、それを毎日続けられるのは、人並み外れた強靭な体力と手際の良いカリスマ主婦並の家事能力の持ち主に限られていると思います。
つまり、それは誰にでも出来ることじゃないのです。

確かにおっぱいの後はコテンと眠る赤ちゃんもいますが、数としては極僅かです。
新生児とはいえ、そもそもお母さんの家事の都合に合わせて眠ってくれることを期待するのは、どう考えても虫が良過ぎます。

確かに家事に協力的な旦那さんはいらっしゃいます。
でも、現実問題として、仕事を休み続けて家事をしてくれたらそりゃあ助かるでしょうが、どう考えてもそんな職場ありませんよね?
逆に旦那さんが休み続けられたとして、その間の生活費はどうするんですか?
旦那さんに仕事目一杯頑張らせて、帰宅してから家事全部やって!というのは、いくら赤ちゃんのお世話が大変でも、旦那さんが過労でぶっ倒れるかもしれないリスクをはらんでいます。

自分なり旦那さんなりの親御さんに頼るにしても、お仕事をされている場合や病気を抱えている場合や介護中であれば、いくら可愛い娘や嫁のためとはいえ、全面協力は難しいかもしれません。

産後の生活環境がとてもシビアな状態になりそうだと予測されるのであれば、一体どうすればいいのか?という対応策を予めご夫婦で話し合っておきましょうね!

ママが感染る病気になった時、おっぱいは?

今日、SOLANINの勤務先の病院の母乳外来に、質問の電話がありました。
「私(=赤ちゃんのママ、産後2ヶ月)がロタウィルスに感染して、下痢が酷いのですが、おっぱいから赤ちゃんにロタが感染りませんか」というものでした。

ロタは冬場を中心に乳幼児が罹り易いいわゆる胃腸風邪の一種(=嘔吐・白色下痢便・発熱などを主症状とする)ですが、春先に、大人がなるのは珍しいことです
抵抗力が低下していたのかな
まぁ、それはともかく、結論から言えばおっぱいからロタは感染しません
但し、経口感染なので、いつも以上に手洗いを厳重にして、くれぐれも赤ちゃんに感染させないように努めてくださいね
因みにお母さんがO-157であってもサルモネラであっても、おっぱいからは赤ちゃんに感染しません。
それどころか、赤ちゃんをそれらの細菌から防御する物質がおっぱいから出るそうです。

またひとつ、おっぱいの神秘ですね。

20分の呪縛。

殆どすべての育児書と名のつく書籍には母乳不足の見分け方として次のように記載されています。
「赤ちゃんが20分以上おっぱいに吸い付いて離さない、離すと泣く。」

病産院で渡されるパンフレット等にも同様に記載されていることが多く、おばあちゃんや家庭訪問の保健師さんからも言われたりするので、これはある意味育児常識化しているかもしれません。

しかし、ちょっと待ってください!
ホントに「20分以上おっぱいに吸い付いて離さない、離すと泣く。」のは母乳不足だからミルクを補足する基準なのでしょうか?
そんなに機械的に決めてしまっていいのですか?

赤ちゃんには色々なキャラがあり、そのことは過去記事にも書いていますから、きちんと過去記事を読み進めている方はもちろんご存知かと思います。

今日は、母乳育児の初っ端の新生児の頃(ここで躓くと、後が大変です。)にありがちな、20分という条件では判断できないということについて説明します。
分かりやすいように、キャラによる飲み方の違いとして、対照的な2つの例を挙げて述べてみましょう。

例1)体重が少なめでおっとり系の女の子の場合、1回の授乳で3分1クールの哺乳すらやっとこさというパターンであることが、非常に多いですね。
授乳時間は当然20分未満です。
呆気ないくらい早く終わります。
しかも、とてもよく眠ってくれます。
なのに、体重チェックしたら停滞か微増です。
それでしっかり飲めたことになるでしょうか?
違いますよね。

例2)体重が大き目でガッツリ系の男の子の場合、1回の授乳に5分で3クールなんてことも珍しくありません。
特に大量うんち排出後や、吐乳の後はハフハフが止まらなくて、スタミナが尽き果てるまで延々と吸い続けることがありますね。
とてもぢゃないけど20分では終わりません。
途中で切り上げようものなら号泣します。
しかし、体重チェックしたら大抵は激増しています。
それでも母乳不足なのでしょうか?
違いますよね。

例1)の新生児の場合、20分以上吸い付かせると、恐らく元々あまりない体力を消耗しますから、20分以内で切り上げて数を稼ぐ頻回授乳が成長のカギとなります。
起きるまで授乳しないと、1日の授乳回数が8回を割ってくることも稀ではありません。
授乳回数が減少すれば、乳房緊満が上昇します。
いつも以上に浅飲みになり易く、すぐにスタミナ切れを来たします。
「眠る子は育つ」という諺が全く該当しないキャラですね。

例2)の新生児の場合、20分以上吸い付かせないと、あふれんばかりのスタミナを発散させる場所がありませんから、吸わせる時間に制限をかけると、泣き止まないのでずっと抱っこしてあやすしかなくなります。
それはそれで、なかなかにキツいものがあります。
毎回の授乳で連日そんなことをしていたら、マタニティ―ブルーになってしまうかも?
もしくは、ド・ケルバン病にまっしぐらです。(滝汗)
眠りにつくためには、ある程度吸わせ続けなくては仕方が無いことだってあるのです。

退院後毎日体重測定する必要性はありませんが、新生児のキャラによって飲み方は違いますから、そこを見極めなくてはなりませんね。
余談ですが、新生児期の母乳不足と母乳不足感の見極めには、2週間健診が効果的です。
退院してから受診までの期間、どういう状況なのかということを客観的な視点で判断してもらうことや、今後の見通しについて知る機会としてとても効果的です。

20分というのは見分け方の「目安」であって「絶対的な基準」ではありません。
そこを間違えないでくださいね。

2014年1月 8日 (水)

赤ちゃんがゴクゴクとおっぱいを飲まない!

初産のお母さんで最初のうち、長く見て3ヶ月くらいは、授乳間隔が3時間くらい空けばけっこう乳房が張る感じのあった方が多いのではないでしょうか?
この時期は、赤ちゃんもおっぱいを飲む時は、ゴクゴクと喉を鳴らしていることも良く見受けられます。

けれども、4ヶ月くらいからいよいよ乳房は3時間くらいでは張らなくなります。
2時間足らずで飲ませる時は殆んどペチャンコだったりして。
赤ちゃんの飲み方も何だか休み休みで、引っ張り飲みしたりされると、おっぱいが足りなくなったかと不安になることもあるかもしれません。

でも、実はこれって「分泌不足か!?」というわけぢゃないんですよね。
おっぱいを造るホルモンはプロラクチンだということは、みなさんご存知ですよね?
血中プロラクチン濃度は最初のうち、高いレベルを持続しています。
なので、最初のうちは、おっぱいの生産自体が過剰傾向にあります。
ところが、3ヶ月を過ぎると自然に血中プロラクチン濃度はやや低下します。
そうして、赤ちゃんにおっぱいを飲ませると急激に血中濃度が上昇するのです。
赤ちゃんに飲ませるときだけ、プロラクチンがフルスロットルで出るということですな。
決しておっぱいが枯れてしまったのではないのです。
つまり、おっぱいを造る機能が低下したのではなく、おっぱいを造るシステムが変化したということなんですね。
そこを間違えないでくださいね!

2週間健診時の一回哺乳量測定の意義について。

cf:この記事は、昨日0時00分にアップした記事との関連記事です。
母乳外来も2週間健診も無い病産院もまだまだ少なくないので、こんなことを言うのもナンですが、母乳外来が開設されていて、2週間健診がルーチン化されている病産院であれば、受診時に1回哺乳量を測定されているのではないかと思います。

「1回哺乳量を測定することにどれほどの意味があるのか?」という考え方をされる産婦人科・小児科ドクターや助産師諸姉もいらっしゃるようですが、SOLANINは意味があると思います。
勿論、測定前の条件がてんでバラバラではいけません。
面倒ですが、ある程度条件は整える(揃える)必要があります。
しかし、そうすることで、1回哺乳量は“使える指標”になるのです。

1回哺乳量を測定する際は、当たり前ですが来院直前の哺乳は避けて貰います。
来院直前に哺乳して、電車や自動車に揺られた日にゃあ・・・新生児はほぼ確実に爆睡してしまいますからね。(汗)
かといって、4~5時間も間隔を空けて、乳房を異様な位に緊満させて来院するのは間違いです。
授乳間隔を空け過ぎた状態で哺乳量測定して、1回に100g哺乳出来たとしても、それではしっかりおっぱいが飲めているとは到底評価できません。
なぜなら、ミルクよりも消化の早いおっぱいで、3時間以上の授乳間隔を空けることは、1回哺乳量測定の条件として最もフェアではないからです。

つまり2(~3)時間程度の常識な授乳間隔で、来院していただくのがベストなのです。
目が覚めていて、程よくおなかが空いて、ヤル気を見せてくれるコンディションとでも言えば分かり易いでしょうか?
だってね、新生児は、「久しぶりに病院に来たから、助産師に一丁イイトコロを見せてやるか!」的な努力はしないものです。
根っからのハフハフちゃんなのに、「おっぱいはゆっくり上品に飲むよ。がっついて飲むことなんてないなぁ。」的な演技も出来ませんからね。
自分をよく見せようという下心は皆無ですから、実態よりも盛ったり下げたりする概念もないのですね。
なので、条件を整えて(揃えて)測定すれば、普段どの程度の哺乳が出来ているかが推定出来るのです。

2014年1月 7日 (火)

その手があったか! 区域外就学!

区域外就学って、聞いたことがありますか?
例えば、DV旦那から母子が逃走中だったりすると、住民票を動かすと追跡されてしまうので危険ですよね?
このように住民票の地域の小学校には、おちおち通園通学出来ないという事情がある場合や、両親が共働きで帰りが遅く、登下校時の安全確保や鍵っ子対策として、住民票とは別の市区町村等に、祖父母が在住していて頼りたい事情がある場合などに認められる制度です。

「ふ~ん、でもそれって特殊なケースの人に適用されるんでしょ?」と、呟いた読者のみなさん!
確かにどのような事情であれば先方の市区町村が受け入れてくれるかは、ケースバイケースです。
(厳格なトコロ、寛容なトコロ、色々あるようです)
しかしSOLANINは先日、里帰り出産でも出来なくはないらしいことを知りました。

例えば、上の子さんが小学生だったら、産前産後の数ヶ月間学校を休ませるわけにはいかず、かといって住民票を移すとなると大ごとになるし、頼りにしたい旦那さんが企業戦士で育休取得どころか残業を切り上げて定時に帰宅してもらうことすら不可能だったり、単身赴任だったりすると、家事育児の協力は望めません。
そんなんでは産後の養生も出来ません。
心身の疲労は半端ないですから、あっという間にクラッシュしちゃうかもしれませんよ。
昔と違って祖父母世代も勤めをしている方が多くなっていますし、自営業や農業など、里帰り出産なら何とか手伝えるにしても、長期間地元を離れて産前産後の娘や嫁を手伝うことが困難なパターンも増えています。

そんな場合、里帰り先の市区町村の小学校に期間限定で就学させてもらえると、「義務教育が受けられない!」という一番のネック(心配)が解消されます。
上の子が小学生で、ご懐妊されている読者のみなさん、「里帰り出産が出来たらいいけれど、そんなの絶対無理よね~。」と端から諦めなくてもいいかもしれないです。
まずは里帰り先の市区町村に、臆せず聞いてみたら、道は拓けるかもしれませんよ♪

おっぱいの中のCa(=カルシウム)含有量は?

牛乳にはおっぱいの3倍のカルシウムが含まれています。
一見、おっぱいをあげるよりも、骨や歯が丈夫になりそうな気がします。

ところが、逆なんですな。牛乳の中のカルシウムは同じく牛乳の中の脂肪酸と結合して、鹸化しますから、赤ちゃんの腸管からはあまり吸収されないんですね。
おまけに、牛乳の乳糖はおっぱいの乳糖よりも含有量が少なめです。
乳糖はカルシウムの吸収を促進します。

含有量は大事な目安だけど、吸収率はもっと大事ですね。
おっぱいって上手く造られているなぁっていつも思います。

完母で順調に育つ健常新生児の1回哺乳量の目安とは(2週間検診時)

これはあくまでSOLANINが経験上導き出した目安ですが、健常新生児で、昨日申し上げましたように受診時の条件を整えて(揃えて)、2週間健診の日まで完母で1日10回以上の頻回直母を実践し、新生児の体重増加度に余裕のある(≒30g以上/日)場合は、2週間健診当日、来院して1回哺乳量を測定した場合、大抵40g以上/回は哺乳出来ているということです。
「えっ?粉ミルクの缶蓋には2週間までの新生児は、〜80g/回って記載してあるよ。40g以上/回って少な過ぎやしない?」ですって?
それがねぇ、そうでもないのですよ。
完母で退院した健常新生児であれば、おっぱいの場合、粉ミルクの缶蓋に書いてあるほど沢山哺乳出来なくても、1日10回以上の頻回直母をしていたら、ちゃんと育っちゃうのです。

勿論、月齢が進んだり、体重が4kg以上になれば、1回哺乳量の目安は変わりますので、「へぇ~、1回哺乳量って、おっぱいだったらずっと40g以上/回でいいんだ!」とは、早トチリしないでくださいね。(こういう人がいるだろうなと思うと、書きたいけれど書けない記事が多いです。)
失礼な物言いになって恐縮ですが、ブログ冒頭の虹色の文章を、飛ばし読みが常態化している方には早トチリが多い傾向があると思われますので、くれぐれもご注意ください。

注)ここでいう健常新生児には、早産児・低出生体重児等の小児科入院の新生児や過期産児・巨大児は含みません。
37周0日以降41週6日までに出生した、2500g以上4000g未満の小児科入院をしなかった新生児を指します。
該当しない新生児のお母さんは、この目安を無理やり当て嵌めたり、拡大解釈しないでくださいね。
特に小児科入院となられた新生児の場合は、事情が違います。
入院中は主治医が1回哺乳量の指示を出していらっしゃるかと思いますので、指示に従うのが、ベストであることに間違いないと思います。

2014年1月 6日 (月)

お母さんがしょっぱいものを食べるとおっぱいは?

お母さんの塩分摂取量が多いと、それに比例しておっぱいの中の塩分も増えて、しょっぱいおっぱいになるのでしょうか?
また、赤ちゃんは塩分の過剰摂取になるのでしょうか?

おっぱいだけを飲んでいるならば、その心配はありません。
元々、おっぱいのミネラル濃度は他の乳類よりも低いからです。
例えばおっぱいと牛乳を比較すると、ミネラルの中で、P(=リン)は6倍、Ca(=カルシウム)は4倍、Na(=ナトリウム)は4倍も多いことをご存知でしたか

粉ミルクにしても、おっぱいに近づけてはいるものの、Pは1.3倍、Caは1.5倍、Naは1.3倍・・・と、多く含まれています。

昔の粉ミルクや最近のフォローアップミルクというものは、ミネラル濃度が高いので、赤ちゃんの腎臓はこの余分なミネラルを排出するために、大きな負荷がかかります。
ミネラル濃度が高いものを口にすると、赤ちゃんはやたらと喉が渇きます。
そして、水分を欲しがります。
ミネラル濃度を水分で薄めておしっこにして出すわけです。
ミルク育児をしてきたおばあちゃん世代が白湯やお茶を飲ませたがるのは、こういう理屈なんですね。

もちろん、お母さんの健康のため、塩分摂取量を控えめにすることは重要ですから、それは心に留め置いてくださいね!

おっぱいの後にミルクをあげるのが母乳育児?

これまた俄かには信じ難いことですが、「おっぱいの後にミルクを補足するのが母乳育児だ。」と産院の産婦人科のドクターに言われてそう思い込んでおられたお母さんがSOLANINの勤務先の母乳外来を受診されました。
赤ちゃんは生後93日目でした。

「それは混合栄養で、母乳育児じゃないと思うよ」とSOLANINの勤務先で出産したお友達に言われたお母さんはショックを受けられたそうです。

「何とか私も完母になれますか?」
「おっぱいの後に赤ちゃんが泣くと、やっぱり足りないのかな?と不安なんです。」
「自己流でミルクを減らそうと頑張ったけど、補足を400ml/日から200ml/日までは減らせたけど、そのあとが心配もあって進められないんです。」

この赤ちゃんも是々非々というか、乳頭混乱を起こしていませんでした。
また、満腹中枢が形成期に入ったのか、ミルクを補足しても飲まずに余ることもあるとのことでした。

試しに直母1回量を計ったら106gも飲めていました。
体重は5210gだったので、充分な量を飲めました。
お母さんは少ないと思い込んでおられましたが、そうではないことを説明したら納得してくださいました。

ただ、授乳表を付けておられなかったので、私としては一抹の不安があったので、1週間後の再診までは100~200/日の補足をお願いしました。

再診日、生後100日目でした。
授乳表を見せてもらい私はビックリしました。
大胆にもお母さんはこの1週間補足ゼロで過ごされたことを知りました。
「大丈夫かなぁ~?」と心配だった体重測定をしてみると、5450gにアップしていました。
上手くいって良かったのですが、対応する側としてはヒヤヒヤしました。

2014年1月 5日 (日)

アドレナリンが出まくるとヤバいです!

どんなにラブラブのご夫婦であっても、産後大喧嘩しました・・・という話はちらほら耳にします。

そうゆう時、母乳育児中のお母さんは、あまり怒り過ぎないでほしいです。
と申しますのも、茶碗や皿が投げ飛ぶような、刃物が出てくるような修羅場状態になると、当然ながら罵詈雑言の嵐で、ちょっとやそっとじゃ収拾がつきません。

つまり、戦闘モードに突入すればするほど、アドレナリンがバンバン分泌されましから、一気におっぱいが出なくなってしまうそうです。

只でさえ、お父さんとお母さんが不穏な雰囲気になると、赤ちゃんは敏感に察しますから、ギャンギャン泣いたりします。
おっぱいを含ませようにも仰け反ってしまったり、含んだところでからっきし出て来ないから、更に泣くという悪循環に陥りがちです。

旦那さんに対し腹の立つことこの上ないにしても、赤ちゃんには罪は無いので、ひとまずは矛を収めてください。
大喧嘩しておっぱいが出なくなった方から聞いた話ですが、復旧するのに2時間ほどかかったとか。
その間、ちっとも出ないおっぱいにぶら下がらせ、謝り続けたそうです。
枯れてしまったのかと思うくらい、出なくなったそうです。
アドレナリン恐るべし、ですな。

妊婦さん向けのお勧めの香り。

妊婦さんはホルモンの影響で気分が変調し易いものです。
“アロマテラピーでリフレッシュ♪”は、良いアイデアですが、妊娠中は使用禁止のエッセンシャルオイル(=精油)もありますので、注意が必要ですね。

「妊婦さんが使ってもOKで、尚且つ爽やかな気分になれる香りで、殆どの妊婦さんに好感を持っていただけるエッセンシャルオイルは何ですか?」と、知人でもあるNARDジャパンのT先生に伺いましたところ、「マンダリン」と「ラヴィンツァラ」をミックスしたものが良いとのアドバイスを受けました。

「マンダリン」は、柑橘系ですが、空気を浄化したり、不安感を和らげたりする作用があります。
「ラヴィンツァラ」は、暫く前まで「ラベンサラ」と、呼ばれていました。
主な成分組成が、「ユーカリ・ラディアタ」と似ているのですが、比較すると、「ラヴィンツァラ」の方は、ツンとした感じが少なく、ソフトな印象です。
抗ウイルス作用や抗菌作用が強いです。
これらのエッセンシャルオイルは、直接キャリアオイルに混和して塗布するというのではなく、お水を入れたデフューザーに数滴ずつ入れて香りを楽しむのが適しているとのことです。
※個人的には、「ラヴィンツァラ」は1~2滴くらいで、「マンダリン」を多めに滴下した方が好ましい香りだなと感じました。

・・・そうだ!これからの時期、感染症も増えるでしょうから、この組み合わせで病産院の待合室やマタニティ―クラス等、妊婦さんが大勢集まられる場所に使っても良いかもしれませんね♪
早速SOLANINも勤務先で採り入れてみようっと!

途中から完母に変わることはある3(1歳以降)

厚労省の『授乳・離乳の支援ガイド』にも、離乳食の進みとともに、ミルクは減らしていく旨が記載されています。(ちなみに、おっぱいについては制限しなくてもいいと記載されています。)

1歳まではミルク寄りの混合栄養を余儀なくされていたお子さんで、それでもお母さんはおっぱいをあげたい場合で、お子さんも実はおっぱいが好きな場合、思い切ってミルクを止めても、おっぱいとお食事で充分育ってくれるようになります。

いつかは完母になりたいお母さんで、1歳まではそれが叶わなかったとしても、お子さんのお食事が進めば、ミルクを止めたって差し支えない日は来るのです!
だいたい、WHOやユニセフも、「2歳くらいまでは母乳をあげましょう!」って言っています。
SOLANINもたびたび、「1歳を過ぎてからが、おっぱいライフの醍醐味ですよ~!」と申し上げているではありませんか!

諦めたら、そこで試合終了ですからね♪
周囲には「何故、そこまで頑張るの?」と、なかなか理解してもらえないかもしれません。
母乳育児のモチベーションの維持には、当ブログを何度でも読み返してくださいね。
おっぱい星人は例外的ですが、1歳以降になると、徐々に栄養の主体はお食事に移行し、反対におっぱいやミルクに依存する割合は徐々に減ってきます。

2014年1月 4日 (土)

産後3日間、全くおっぱいが出ない!

どうしても母乳育児がしたくて、わざわざ、片道車で1時間以上かかるSOLANINの勤務先の病院を選んで出産されたお母さんがおられます。
妊娠中から、乳頭・乳輪マッサージを行い、毎日1万歩歩き、妊婦体操を欠かさず行い、とても努力をされてきました。

ところが出産の際、赤ちゃんの頭の回り方が反対周りになり、(最後にお母さんのお尻の方を見て産まれるはずが、お母さんのおなかの方を見て産まれてしまうという状態。)微弱陣痛も相まって、分娩所要時間が60時間もかかってしまいました。
出血量も多く、出産後はヘロへロでした。

それでも、ねをあげることもなく、頑張って1日12回くらいのペースで授乳しておられました。
ただ、赤ちゃんは効果的な吸着ができにくいタイプでした。
かなり程度の重い、舌小帯短縮症でした。

母子共に悪条件が重なったのだと思います。
妊娠中は乳頭・乳輪のお手入れの際に、滲み出していたおっぱいが、全く分泌してこないのです。
入院中の他のお母さんは、全員揃いも揃って爆乳系というか、噴射するくらいおっぱいの出る方ばかりで、焦らないでというのが無理でした。

私は産後3日目に乳房チェックをさせてもらいました。
感触的には0日目でした。
産後のお母さんと赤ちゃん係の助産師に「0日目同様だわ。退院日の6日目に10g/回くらい哺乳できたら後は何とかするね。暫くは補足も仕方ないけど・・・」と、伝えました。
乳房を刺激するようなマッサージを行い、赤ちゃんの吸啜刺激が有効になるようなポジショニングに変更しました。
また、止むを得ず、『プリンペラン®』を内服してもらいました。

産後4日目、乳房に熱感が見られ、直母量を測ったら2g飲めていました。
産後5日目、乳房の緊満が強くなり、鬱積とうっ滞が一緒くたにやってきました。
辛いので、『プリンペラン®』の内服は中止して、糾励根(きゅうれいこん)の湿布を開始しました。
そして、産後6日目の今日、1回の授乳につき、2クールで20~30gコンスタントに直母が哺乳できるレベルになってきました。
糾励根の湿布も中止できるレベルになってきました。
当初の予測よりも、しっかりと直母できるようになってきました。

未分泌には理由があるのです。
「ずっと出ない人」というわけではありません。

理由が判り、適切な対応さえすれば、遅ればせながらおっぱいは出ます。
見極めて待つことも大事ですね

途中から完母に変わることはある2(離乳食開始後)

赤ちゃんの発達は体重増加が全てではありません。
心ある小児科ドクターであれば、運動機能の獲得や頭囲の伸長の方が優先順位として高いことは承知していらっしゃいます。

識別が難しいことは確かですが、当ブログの過去記事にもあるように、「ゆっくりと体重が増える」タイプの赤ちゃんは、補足はせずに経過観察されることが適切です。
但し、おっぱいの分泌が追い付かず、どうやら真正の「体重増加不良」タイプの赤ちゃんの場合、運動機能の発達に後れを生じたり、頭囲が一向に伸長しないという憂慮すべき状態であれば、やはりミルクの補足は止むを得ません。(これを医学的適応といいます。)

しかしながら、離乳食が開始されると、状況が変わることがあります。
決して急いではいないのに、赤ちゃんが食べることに対して意欲的で、離乳食が順調に進むことがあります。

育児雑誌に書いてある目安量を食べられる赤ちゃんは、実はさほど多くはないのですが、それをペロリと平らげてしまう健啖家の赤ちゃんもいらっしゃるわけです。
そうなると、ミルク200mlの栄養分が、およそ1食分の主食・主菜・副菜・デザートで賄えるようになられるのです。
あっ、重湯を開始した頃ではまだ無理ですよ。
だいたい2回食がしっかり食べられるようになる頃でしょうか。
そうすると、ミルクの補足量が何mlかによりますが、お食事が進めば進むほど、ミルクの減量が実際に可能になってくるわけです。

そして、最終的にはおっぱいとお食事で栄養分を賄えるようになるのです。
理論上は、例えばミルクの補足量が1日400ml迄で収められているのなら、2回食がスムーズに食べられる頃には、それが可能なのですね。
完母になりたいお母さんで、離乳食開始前はそれが叶わなかったとしても、赤ちゃんの離乳食が進み、ミルクの補足が止められたら、こんなに嬉しいことは無いと思います。
諦めたら、そこで試合終了ですからね♪
もちろん、ひとりでは挫けそうになることもあるでしょう。
母乳育児のモチベーションの維持には、当ブログを何度でも読み返してくださいね。

2014年1月 3日 (金)

旦那さんに手伝ってほしいことがある時は・・・

一般的に女性(つまり奥さん)よりもコミュニケーションが得意ではないとされる男性(つまり旦那さん)に手伝ってほしいことがある時は、ただ単に「もうちょっと家事を手伝ってよ!」「疲れているのは分かるけれど、赤ちゃんのお世話、何にもしてくれないのね!」的な声掛けはアカンらしいです。

心理的にカチ~ンとくるし、何をしてほしいのか今イチ分かっていないので、困惑することが結構あるとのこと。

具体的に、「浴槽を洗剤とスポンジで洗っておいてね。」「冷蔵庫の上の箱を降ろしてくれる?」「この瓶の蓋を開けてね。」「お米2合研いで水加減硬めにしてくれる?」「○●ドラッグストアに行って、このメモに書いてあるものを買って来て!ポイントカードはこれだからね。」」「赤ちゃんのおむつを交換して、おむつは丸めて捨ててね。」「赤ちゃんを立て抱きにしてスクワットしてくれる?」のように、日本語初心者に説明するかのように話すと良いそうです。

そもそも家事も育児も夫婦で協力し合ってナンボですが、手伝ってくれた旦那さんには、わざとらしくない程度に、「ありがとう!」「助かるわ。」「頼んで正解だったわ。」と感謝の気持ちを伝えてくださいね。
そういう感じで続けていくと、奥さんのことを召使か何かと勘違いしている大馬鹿者or極端に人格的に問題がある危険人物(例:DV系やハラスメント系)でもない限り、日々気持ちよく手伝ってくれるようになるでしょうし、家事や育児のスキルも徐々に熟練され、段取り良くしてくれるようになりますからね♪

まぁ、SOLANINがこんなことを申すのもナンですが。(爆)

おっぱいに含まれる糖類=乳糖(ラクトース)の特徴について3

おっぱいの中の乳糖は腸管内で、オリゴ糖と共に、ビフィズス菌のエサになってくれるので、下痢の原因菌である大腸菌などの繁殖をブロックします。

おっぱいだけを飲んでいる赤ちゃんのうんちは、酸っぱい臭いがします。
粉ミルクだけとか混合栄養の赤ちゃんのうんちとは臭いが異なりますね。
もちろん、大人のとも違いますね。
つまり、赤ちゃんの腸管内は善玉菌のビフィズス菌でいっぱいなのです。

正常新生児だけではありません。
2001年の母乳育児シンポジウムに参加した私は、その時の教育講演で、大阪府立母子センターの北島博之先生に、「未熟児にビフィズス菌を投与すると、壊死性腸炎(=腸管内の細菌叢が好気性菌優位になり、ガスが大量に発生し、腸が腐ってしまい、最悪の場合、死に至る恐ろしい病気です。)の進行を食い止められるし、ビフィズス菌が十分におなかに定着すれば、未熟児の体重増加が多い。」ということを教えていただきました。
1990年以降、未熟児にビフィズス菌を投与することで、腸管原性の敗血症や壊死性腸炎が激減しているそうです。
おっぱいには粉ミルクよりも乳糖が多く含まれていますから、おっぱいをひとしずくでも多く飲ませてあげることは、生命を繋ぐのに、とても大きな意味があるのですね。

途中から完母に変わることはある1(離乳食開始前)

ご出産された病産院がバリバリの「ミルク育児推進病院」だったり、「なんちゃって母乳育児推進病院」だったりすると、母乳育児のスタートで大きく躓いてしまうことは有りがちです。
先に書いたような病産院では、授乳のたびにミルク補足が義務付けられていたり、マンパワー不足のせいか、助産師から直母ができるようになるためのお手伝いをしてもらえないことが、間々あるからです。

新生児のうちは赤ちゃんによっては吸啜力が弱い児や、乳首を咥えたらすぐに眠りこけてしまうスタミナ不足児や正常新生児であるにもかかわらず病産院の方針で頻回授乳を禁じられていたりといった要因で、乳頭刺激が乏しく、結果おっぱいの分泌量が伸びなくて混合栄養に至るというお母さんは相当数いらっしゃるようです。
また、おっぱいの分泌には問題なくても、乳頭の形云々のせいで直母自体が困難だったり、直母だけでは体重の増加を図ることが難しく、搾乳の形で補足の必要な方もいらっしゃいます。

実際、当ブログの読者さんでも、「1ヶ月半以降(5~6ヶ月迄=離乳食開始前)に完母に変われました。」と、ご報告してくださる方が、大勢いらっしゃいますからね。
しっかり飲めるようになれば、乳頭刺激が確実になり、結果分泌がアップするという典型例ですな。

しっかり飲めるようになる迄のおっぱいの分泌量の維持・向上のためには、効果的な頻回の乳頭刺激が欠かせません。
直母が出来なければ直母(をするであろう回数)と同じだけ搾乳をするのは必須ですぞ。
まだ直母がしっかりできていない状態なのに、搾乳を長期間(例:1週間とか)サボり・・・ではどんなに完母を期待できそうな条件が揃っていても、混合栄養離脱のチャンスを自らつぶしてしまっているように思えます。
「地道に搾乳していた頃は、1回に10~20ml(以上)はコンスタントに搾乳できていたけれど、サボってからは滲むくらいしか出ない。(泣)」な~んてことにだけはならないようにね!

母乳育児がなかなか上手くいかないと精神的に凹むでしょうが、吸啜力やスタミナ不足といった乳頭刺激乏しいことが主な要因であれば、いつか道は拓かれる筈です。
もちろ私はん医学的適応でミルクの補足が必要な赤ちゃんがいらっしゃることは承知しておりますし、完母が全てではないと思っていますが、少なくとも完母を目指していて、手伝ってくれる助産師が肯定的(例:「もう少しで完母になれそうですよ。」というようなアドバイスをもらえた。)であれば、ご自身と赤ちゃんの可能性を信じて、出来る限りの努力をしてみられることをお勧めします!

2014年1月 2日 (木)

おっぱいに含まれる糖類=乳糖(ラクトース)の特徴について2

昨日の記事で、乳糖についての知見を書きましたが、他にもお伝えしたいことがあるので、続きます。

おっぱいには乳糖が多く含まれる代わりにミネラルや塩分が少ないのが特徴です。(初乳は胎便の排出のため、塩分が成乳より多いですが。)
ミネラルや塩分が少ないということは、赤ちゃんの内臓にかかる負担が少ないということです。
そして、乳糖にはカルシウムの吸収をアシストする働きがあるのをご存じでしたか。

赤ちゃんの成長に重要な役割を担う、骨や歯を丈夫にするのがカルシウムですね。
私もこの間、勉強するまでは乳糖にそんな働きがあるなんて知りませんでした。

以前にも成分として含有率も大事だけど、吸収率にも注目しないと、栄養学的にフェアな判断は出来ないことをお話したのを読者のみなさんは覚えておられますかな。?(笑)
覚えていらっしゃいますよね?(笑)

母乳育児支援者の有無がリラクテーション成否に影響する!

SOLANINは様々な理由から、完母を目指す気持ちが全く無く、最初から混合栄養を希望されるお母さんがいらっしゃることを認識しています。
と同時に、全ての混合栄養のお母さんが完母を希望していないわけではない・・・ことも承知しています。

例えば、厚生労働省が2000年に行った乳幼児身体発育調査の月齢別乳汁栄養法の割合の一覧表に依れば、1ヶ月時の母乳率母乳のみ(=完母)で赤ちゃんを育てている方の割合は44.8 %、混合栄養率は44.0%、人工栄養率は11.2%となっています。
そして、この結果から読み取れることは、完母の方は、特に医療者の手を借りなくても概ねどうにか自力で完母を継続出来る方なのだと推定します。
翻って、混合栄養をされているお母さんの殆どの方が、自力では難しくとも、何らかのカタチで医療者の手を借りさえすれば、途中から完母に変われる可能性を秘めた方達でもあると推定します。
(言い換えれば、何らかのカタチで医療者の手を借りなければ、途中から完母に変わることは、難しいということです。)

BFHやそれに準ずるくらい母乳育児支援にチカラを入れている病産院か否かの差が、この混合栄養率の群にカウントされるお母さんが、実は完母でやっていけるのか、そのまま混合栄養を続行するかの分かれ道を表しているのだとSOLANINは考えます。

でも、どの方がどの群になるかは、蓋を開けてみないと分かりません。
ですので、少なくとも完母を希望される方がそうなれるようにするためには、どの方にも等しく、医療者の手を差し伸べることが大事なのだと思います。

2014年1月 1日 (水)

おっぱいに含まれる糖類=乳糖(ラクトース)の特徴について1

おっぱいに含まれる糖類のうち主になるものは乳糖(ラクトース)です。
乳糖は哺乳類の乳汁にのみ含まれます。
糖類はエネルギー源ですね。
それと同時に、赤ちゃんの脳つまり中枢神経系の発達に関与すると考えられています。
哺乳類の中でも、脳の体積が大きく、発達している動物ほど、乳汁中の乳糖は多く含まれる傾向があります。
例えば牛乳に含まれる乳糖の1.5倍の量の乳糖がおっぱいには含まれます。
粉ミルクに含まれる糖は、乳糖以外にもしょ糖などの他の糖類も含まれます。
正常新生児とは異なり、低出生体重児や早産児は血糖コントロールが上手くいかない時があります。
特に低血糖は怖い兆候ですので、緊急避難としてブドウ糖や粉ミルクを与えることがあります。
それらを投与すれば、血糖値は急上昇します。
しかし、分解されてエネルギーになるのが早いということは、下がるのも早いわけで、補足の仕方をよく考えなくてはなりません。
それに対し、乳糖は分解されてエネルギーになるのがゆっくりです。
血糖値を維持できる時間が長いのですね。
乳糖って凄いんですね。

新年のご挨拶♪

2014年(平成26年)の元旦です。

まずは昨年はまともに出来なかった、読者のみなさんへの年賀状をアップしますね。
雨風呂時代からの読者さんでもあるメロディーズさん(でも、私は親しみを込めてミズさんと呼ばせてもらっています。)のアドバイスに従って、一応、本人の画像入りでのご挨拶です。(ちょっくら被りモノ&修正をしています。)
初詣の直前に次男のT2の部屋のドア前で撮影してもらいました。
何故か非常口のプレートが貼ってあります。(笑)

あけましておめでとうございます!

さて、2013年(平成25年)は、読者のみなさんには、当ブログにご訪問いただき、過去記事及び新規脱稿記事をご愛読いただきましてありがとうございます。

SOLANINは、実生活では、お蔭さまで病欠ゼロで元気に仕事に精励できました。

また、勤務の合間を縫って、2つの学会に一般演題の応募をして、いずれも口演発表することができました。

更に、自腹で各種研修の受講や資格取得等のため8都府県を渡り歩きました。(そのため、経済的には非常に苦しくなってしまいましたが、得たモノは多かったです。)

そして、な、なんと!2013年(平成25年)12月1日をもちまして、R県の民生児童委員に委嘱されました。
取り敢えず任期は3年間だそうです。
まさかこの私が民生児童委員に推薦されるなんて・・・
正直言って想定外でした。
こんな若輩者且つ仕事を持つ身に務まるのかという懸念はありますが、先輩委員さんにご教示いただきながら、頑張りたいと思います。
ちなみに12月は定例会に参加し、寝たきりの方におむつ券を配布したり、登下校の子ども達の見守り活動をしたり、独居老人宅の室内灯点灯確認の見回りをしたり、自営業の方のお子さんが保育園に入園するために必要な就労証明書を書かせてもらったりしました。
近い将来、「こんにちは赤ちゃん事業」の家庭訪問なんかもすることになりそうです。(笑)

26                          SOLANIN近影》
SOLANINは、
日付が変わって間もなく次男のT2と一緒に初詣に行きました。
こんな時間帯にお参りするのは、学生時代以来だと思います。
石段に蝋燭の灯りが揺らめいて幻想的な雰囲気です。

26_001                       《初詣した某神社》
では、SOLANINは2014年(平成26年)も読者のみなさんのご多幸をお祈りしつつ、お役に立つ記事を沢山書きますのでご愛読宜しくお願いします♪

扁平乳頭のお母さんに初っ端から乳頭保護器を使うってどうよ?

扁平乳頭って分かりますか?
包み(=くるみ)ボタンみたいに平べったい感じで突出がわずかな乳頭のことです。
正直言って正常乳頭に比べて赤ちゃんは吸着しにくいです。
特に不器用な赤ちゃんの場合、癇癪を起こすので余計に・・・否定出来ません。

でも、妊娠中から乳頭・乳輪ケアをいしていたら、ホントに柔らかくなりますよ。
乳輪から摘まみ出したらビヨ~ンと痛みなく伸びるようになります。
当たり前のことですが赤ちゃんは乳頭だけをチューチューしているのではありませんね。
乳輪からがっつりと大きなお口を開けて喰らいつきます。
そういうやり方でないと赤ちゃんはおっぱいを飲むことは出来ないのです。

残念なことに「扁平乳頭だったら即乳頭保護器を使用する的」な支援が巷では一般的なんですね。
ありとあらゆる方法を試して搾乳以外には乳頭保護器を使用しなくては哺乳が出来ないなら兎も角、大して支援らしきものをすることなく「はい、貴女はこれを付けてね。」って感じで勧められてしまうことが多いように思われます。

乳頭保護器は文明の利器です。
絶対に使用してはいけないとは申しません。
シリコン製でも哺乳瓶の乳首とは少し異なる性格を持つと私は考えます。
どういうことかと申しますと、哺乳瓶なら中に搾乳やミルクが「いらっしゃ~い」状態で待ち構えているわけですが、乳頭保護器は離れたトコロから遠隔操作をするが如くある意味直母よりも吸啜するチカラはたくさん必要なんですね。(なので、よほどお母さんのおっぱいの分泌が良くなければすぐに疲れてくったりしちゃうのですな。)
でも使用するからには正しい使い方を教えてあげてほしいし、何時になったらどうやったら外せるのかもお母さんに教えてあげてほしいです。

もしかして、そういうこと分かってないまま・教えないままお母さんに勧めているの助産師が相当数いるのではないかとい疑念にとらわれてしまう今日この頃でした。

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