乳児突発性ビタミンK欠乏症って知っていますか?
これはあくまで、まず普通に病産院で生まれたら罹るリスクの無いであろう病気(=発症は数千人に1人の割合)ですが、知らないと危機的状態を察知するのが遅れ、偉いことになってしまうので、記事にさせていただきますね。
おっぱいの栄養分はほぼパーフェクトなんですが、ビタミンKだけは不足しがちです。
また、赤ちゃんのカラダの中では生産できないビタミンです。
それで、通常は予防的に出生間もなく・退院前・1ヶ月健診の3回にわたり、シロップ製剤を内服することで、出血性の病気の予防をします。
お口から飲めない小さい赤ちゃんは小児科ドクターが注射をします。
生後間もなく発症するのは「新生児メレナ」という消化管からの出血です。
吐血・下血が主症状なので、授乳やおむつ交換をしていたお母さんが気が付くことが、殆どです。
それに対し、この突発性というのは別名、遅発性とも言われ、1ヶ月以降に起きるのが特徴です。
症状は「急に意識が朦朧となる」「急に頻回におっぱいを吐く」「機嫌が悪く、グズグズしている」「急におっぱいを吸う力が弱くなる」「けいれんが起きる」などです。
検査データ的に血液凝固因子というのが低くなるので、「血友病か」と、疑われることもあります。
今のところ、確たる原因は不明です
そういう場合でもビタミンKの投与を受ければ治ります。
お母さんに出来ることは、普段のお食事に納豆・緑黄色野菜など、ビタミンKを多く含む食品をを積極的に摂取することです。
「どうしよう納豆食べられない・・・人参も嫌いだし。」の崖っぷち気分のお母さん、キャベツだったら、食べられませんかねぇ。
キャベツは淡色野菜だけど、ビタミンKは意外に多く含まれているんですね。
お母さんの摂ったビタミンKはおっぱいに出てきてくれますので、大きな意味があるんです。
余談:新生児の出血性疾患について実習各校の看護学生に口頭試問すると、最近はみんな、国試対策万全なのか「メレナです。」と即答してくれます。
でも、「メレナって何?症状は?」と質問を重ねると、「習ってません。」とか「知りません。」って言うのよね。
それって、国試的知識としてはOKかもしれないけど、臨床的知識としては《へのツッパリ》にもなりませんな。
「予防は?」って聞けば、「ビタミンKです。」とは答えるものの、「それ何?あまり聞いたことのないビタミンだね?」ってカマかけたら、「そうですね。ビタミンCの間違いだったかもしれません。」とか、こちらに迎合したことヌカす学生もいます。こら~。
事前学習ができていない学生だけは容赦できない性格なので、SOLANINのブラックな性格全開で、ガンガン口頭試問を続けます。
反面、事前学習のできた看護学生にはとてもやさしいと言われています(笑)
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