乳汁生成Ⅰ期には、吸啜刺激は不要なのか?
ずっとずっと前の過去記事でも述べている通り、おっぱいが生産される時期はおおまかに分けて3つに分類されますが、そのことは、読者のみなさんだったら、既にご存知ですよね?
その中で一番初っ端の時期である、乳汁生成Ⅰ期というのは、妊娠中期からおよそ産後2日目迄を指します。
国際認定ラクテーションコンサルタント協会の文献に依りますと、「この時期に分泌される乳汁はほぼ初乳のような組成になっており、吸啜刺激が無くても分泌されるものである。」とされています。
「ええっ!吸啜刺激が無くても分泌?」
そうですねぇ~確かに母子分離されたお母さんのおっぱいをチェックしていると、1回も赤ちゃんに吸啜されていないor1回も搾乳もしていない・・・にも拘らず、じわじわと分泌している方は確かにいらっしゃいます。
そして、その方達が口を揃えて仰るには、「妊娠中からじわじわと分泌していました。」ということです。
妊娠中に上の子さんへの授乳継続中の経産婦さんだけではなく、初産婦さんでも同様のことを仰る方はいらっしゃいます。
これは一体どういうことなのか?
実は、妊娠中期以降は、非妊時の20倍の『プロラクチン』が分泌されているので、おっぱいの製造能力は有るのです。
それ自体はおかしなことでも何でもないのです。
しかし、妊娠中は、『プロラクチン』よりも、『プロゲステロン』や『エストロゲン』のチカラの方が強いので、おっぱいの分泌はセーブされているのですね。
つまり、間違っても妊娠中に、おっぱいがジャカジャカ出るというわけではないのです。(チョロチョロくらいは出ます・・・)
産後2日目迄に分泌される乳汁の存在を分かり易く説明すると、妊娠中に製造している、いわば帳簿に掲載していない、隠し預金みたいなものです。
それも、スイス銀行に預けるほど膨大なものではなく、タンス預金程度と見做すのが妥当でしょう。(授乳されている方は、勿論それより多いことは確かです。)
だからと言って、「だったら産後2日目までは、母子異室並にじっくり休んで面会者の相手をするくらいで、基本的に授乳関係は何もせず、のんびりしていればいいのよね。おっぱいは吸わせなくても勝手に出るらしいから。」と考えるのは早計です。
放置乳房にしておくと、乳汁生成Ⅱ期にスムーズな移行が出来なくなるかもしれません。
頻回直母が出来なければ、せめて1日7~8回の搾母をすることが、必要だということでしようね。
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コメント
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SOLANINさん、こんにちは。お世話になっております。長女を妊娠した2011年から欠かさずお邪魔させていただいています。
先日次女も無事産まれ、現在4ヶ月になるところで、今まさに移行期?です。
張りまくり出まくりさしまくりで次女がむせてブチ切れる日々から
ここ数日でだいぶおっぱいの暴走が落ち着き、
さしてないときには吸い付いてもすぐ離してブチ切れ、それでも咥えさせてようやくさしたらおとなしくガブ飲み…の、ブチ切れ時に難儀している段階です。
独り言というかご報告というか…
次女妊娠時には昼寝時と就寝時にクチュクチュする程度の長女(当時1歳2ヶ月)でしたが、数回出血があり切迫気味だったため
授乳が分かると産院からだいぶ怒られ
なんだかんだ2ヶ月弱くらいでフェードアウトしました。
30〜1時間おきにちょこちょこ飲み、全然寝ない、1時間でも2時間でもずーっとおっぱいにぶら下がって1日最低14回直母が当たり前、保健婦訪問でそれらを大批判されてストレスでおっぱいが止まり、復活に丸3ヶ月かかったけどなんとか完母で曲線ど真ん中でいけた長女のおっぱいフィナーレの日は台所で泣きました。
しかし先日までじゃかじゃか出るおっぱい、よく飲みよく寝る次女。
張りまくりのお乳を台所で搾乳していると隣には長女(現在1歳11ヶ月)。
先日まで、搾乳したおっぱいは長女の一番のおやつでした。搾乳器が見えると、ずーっとそばで待っていて、
まだ50くらいなのにたまってくると我慢しきれず搾乳器の受け瓶の方をつかんで
そのまま奪われ、おいしー、おいしー、ふー、おいしー、もっかい(もう一回)ね!と。
この数日で搾乳するほど張らなくなったので長女を喜ばせることができない寂しさ笑もありますが、
またちょこちょこ搾乳してあげたいなぁ、と思いながら、
わたしなりに、憧れだったタンデム授乳だと思って、今日もおっぱいライフ楽しみたいと思います。
長くなりましたが、大切な時間を割いてわたしたちにおっぱいの大切さを教えて下さりありがとうございました。
これからも記事楽しみにしています。
寒さ厳しき折、どうかお身体大切になさってください。
投稿: まりぃ | 2014年2月14日 (金) 13時14分