搾乳器を使うと、乳腺組織を傷める?
流派を問わず、乳房ケア(いわゆる乳房マッサージですな)をしている助産師のかなりの割合の人たちが、記事タイトルのような発言をされます。
かつての私もそう思っていました。
手搾りにしないと乳腺組織を傷めるから駄目だと。
搾乳器を使うなんて言語道断だと。
でも、それって自分で確かめたわけではないのですね。
他人のせいにするつもりはありませんが、自分よりも経験豊富な先輩諸姉が仰るのだからきっとそうなのだろうと信じていたのです。
でも、「ホントかな?」という疑問は、常に抱いていました。
何故かと申しますと、手搾りであっても乳房にDVを受けたかのような“青タン”を拵えているお母さんを何人も見たことがあるからです。
逆に搾乳器を使用していて“青タン”を拵えているお母さんは見たことがありません。
ひとつ言えることは、搾乳なんてせずに済めば、どんなに授乳がラクになるか・・・です。
しかし、せざるを得ない方は、或る一定の割合で存在することは事実です。
健常新生児であっても、母乳分泌が良好でも、直母だけでは最低限必要な発育ペースが維持出来ない場合の第一選択は搾乳の補足なのです。
手搾りで辛くない方、上手に搾れる方は搾乳器を使用する必要性は低いです。
けれども、例えばどんなに頑張っても手搾りでは上手に搾れない方、赤ちゃんが下手っぴちゃんのため長期搾乳が必要なのに腱鞘炎や手根管症候群などで手の安静が必要な方、手指の欠損している方に「それでも搾乳器は使うな!手搾りをせよ!」と、命じるのは助産師の傲慢だと思います。
そりゃあ搾乳器もピンキリですから何でも桶とは申しません。
ただ、少なくともメ○ラ社のハ○モ○ニ○®は、性能的に乳腺組織を傷めるような粗悪品ではないですな。
少なくとも約10年間、SOLANINが対応させていただいた限りではハ○モ○ニ○®のユーザーだから乳房トラブルが多いとゆう因果関係は無いですな。
直母困難な方につきましては、どうにかしておっぱいを乳房の外に出し続けないと、おっぱいの分泌量はガクンと減少します。
一方、搾乳器でしか搾乳が採取出来ない方に搾乳器の害(?)を説けば、怖くなって搾乳器を使用しなくなるのは自明の理ですな。
率直に申し上げて、そういう保健指導って、完母を目指しているお母さんにとっては、片手落ちではありませんかねぇ?
一朝一夕に直母が上達するようなミラクルでも起きない限り、搾乳器による搾乳を停止した時点からおっぱいの分泌量はドンドン減少し、ミルクの補足量だけがズンズン増えていくのではないでしょうか?
もういい加減、搾乳器を色眼鏡で見るのは止めませんか?
母乳育児支援も科学的な視点が必要だと痛感する今日此頃です。
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コメント
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正論すぎですw
投稿: 龜蟲 | 2015年7月17日 (金) 11時30分