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2014年4月の記事

2014年4月30日 (水)

おっぱいを長く続けて行くか否かはお母さんの気持では?

おっぱいを長く続けて行く上で障壁となることは幾つもありますが、最終的にはお母さんに気持ちなのかなぁ?と感じる今日この頃です。
私の勤務先では、圧倒的に完全母乳のお母さんが多いです。
逆に混合栄養のお母さんは人数として少ないですが、混合栄養のお母さんの多くは、おっぱいをあげることを大切にしておられますので、長期授乳(この場合1歳以上)も稀ではないようです。

先日来院されたMちゃんのお母さんもそのひとりと言える方です。
0歳代で離乳食が開始されるまでは、最大500ml/日はミルクをあげておられました。
幸い食べっぷりは素晴らしいMちゃんだったので、離乳食はドンドン進み、その分ミルクを減量できたので、栄養の大半は離乳食からというレベルだったとお母さんは仰いました。
1年の育児休暇明けで保育園に入園されても、Mちゃんは保育園大好きで、保育士さんとは早いうちから馴染んでおり、お母さんに行ってらっしゃいをする時も、初回から泣いたことが無いので、拍子抜けだったとか。
そんなMちゃんですが、眠る前と夜中のおっぱいは欠かせず、長い時は3時間ノンストップでおっぱいにぶら下がっているそうです。
現在Mちゃんは1歳4ヶ月ですが、他の方法ではなかなか眠りにつかないし、幸せそうなお顔で吸い続けているし、お昼間は離れていることもあるので、気の済むようにさせているとのことでした。
周囲が断乳していく中で、お母さんの心が揺れる日もあるようですが、「もしもおっぱいが嫌いだったら絶対に欲しがらないと思いますよ。いつかは飲まなくなる日が来るし、欲しいと言っているのであれば、キツい日もあるでしょうが、続けてあげたら如何ですか?」とお話しすると、即、「ですよね~。」と答えられました。
Mちゃんのお母さんは、「心が揺れることもある。」とは仰るものの、実は意志の強い方なのかな?と感じました。

挙児希望、多嚢胞性卵巣治療は断乳?

<ご連絡いただいたこと>
先日のメッセージにお忙しい中、お返事ありがとうございました。
先日は私の多嚢胞性卵巣・子宮の萎縮によって、致し方なく断乳をする予定である事をご報告しましたが、ナント断乳はせずに済む事になりました♪
ご相談後もどうしてもどうしてもおっぱい生活を諦められず、いくつか産婦人科を巡っていました。
その中で、産婦人科で漢方専門医の先生に出会い、「多嚢胞性卵巣でも、子宮が小さくてもっぱい止めなくていいよ~♪お子さん可哀想だからね。」
「いずれも漢方でコンディション整えれば、み~んな妊娠してるから(^^)」と言われました!
嬉しくて泣きそうになっちゃいました。
このドクターに出会えて良かったです。
おっぱい生活ますます満喫していこうと思います♪
これからもSOLANINさんの記事で勉強させて頂きます。
これからもよろしくお願いいたします。

<SOLANINからのお返事>
次のお子さんを授かるにあたり、なかなかお母さんのカラダの条件が整わなくて、上手くいかないことがあります。
ホルモン剤を長期にわたり、服薬することになれば、おっぱいへの影響もあるでしょうし、治療効果を高めるには、断乳も致し方無しということもあるかと思います。
そんな中で、産婦人科のドクターで漢方専門医の資格を持つ方と巡り合って、断乳回避の治療方法があると言っていただき、本当によかったですね。
「み~んな妊娠してるから(笑)」と仰るのが凄いなと思いました。
きっと相当の治療実績のあるドクターとお見受けします。
これから先、治療を受けて、赤ちゃんを授かられることを心からお祈りしております。

2014年4月29日 (火)

1年くらいの授乳歴で断乳すると。

授乳回数がまだ5~6回以上/日ならば言うに及ばず、徐々に減少していたとしても、授乳歴1年くらいで断乳となると注意が必要です。
どういうことかと申しますと、当事者のお母さん的に乳房緊満がラクで、放置して差支えないレベルだと感じられても、乳腺房内に乳汁が残留していることがあるからです。

その時には自己流で排乳を試みて、然したる量ではなくても、高プロラクチン血症でもなかったとしても、断乳後放置していると、2~3年後に乳房の静脈が浮き出すような張りが出てきたり、いきなり乳汁がタラタラと出てくることがあります。

乳腺外科を受診して、各種検査を行っても原因が分からないそうです。
先日も乳腺外科ドクターから、「断乳する(した)んだったら、きちんと助産師にケアを受けないとね。」的なアドバイスを受けた方がいらっしゃいました。
余談ですが、SOLANINがマンモグラフィーを受けた時に乳腺外科ドクターとお話をした時も、同様のことを仰ってました。

勿論、授乳歴2年以上で全くの自然卒乳であれば、風船がしぼむように乳腺組織が委縮してくるので、その必要はないかと思います。

しかし、世間一般では、いまだに「1歳で断乳や!」と決めてかかってそれを実行しているお母さんは少なからずなので、そういう意味では乳腺外科ドクターの仰ることに一理あると思います。

搾乳がストレスで断乳。(産後1ヶ月)

個人的にはとても残念なことがありました。
乳頭形態に問題があり、妊娠中期から乳頭・乳輪のお手入れを個別指導の上取り組んでいただいていたお母さんですが、妊婦検診の際に母乳外来に再来されないので「変だな?」と心配していたら、「痛いしめんどくさい。」と途中から放棄されていたことが出産日に判明しました。

このままではヤバいなぁと危惧していたら案の定、産科入院中はこれまた赤ちゃんが“超”が10個くらい付くほどの下手っぴちゃんで、何回頑張っても直母はゼロ。(汗)
でも、開通は助産師の必死のマッサージで、OKとなり、搾乳は手搾り20分弱で50~60ml/回と量的に充分にあり、乳房コンディションも問題なく、オール搾乳で退院となりました。
(念のため退院までに乳頭保護器にもチャレンジしましたが、どのタイプもNGでしたので、シリンジとチューブで吸啜トレーニングを続行するしかない状態でした。)

2週間健診の時点でも、オール搾乳でした。
哺乳量測定のために直母してもらいましたが、私が介助してもゼロでした。
直母確立までには長期戦になりそうな予感がしました。
でも、分泌自体に問題は無いので、吸啜トレーニングを頑張れば将来的に直母は可能だと思われました。

しかし、このお母さんの気持ちは、「このまま頑張って行こう!」・・・ではなかったのです。

ブログタイトル通り、「搾乳がストレス・・・」とのことで、1か月健診の4日前から搾乳を中止して、いきなり完ミに切り替えておられたのです。
決して搾乳困難ではなく、短時間の手搾りで充分量の確保が出来る方だったので、私は「直母確立のためには暫くの間、吸啜トレーニングするしかない。」ということを強調しました。
しかし、このお母さんには退院しても全く直母が出来ないことに対する焦りや不安や搾乳継続のモチベーションの低下が先に来てしまったのだと思われます。
おっぱいをあげること自体に疲れ、厭になっておられました。

みずから完ミを選ばれたお母さんの希望は断乳でした。
「僅か1ヶ月で、とても良く出るおっぱいを止めるとは勿体ない。」という想いが私の中にはあり、いろいろ話をしましたが、このお母さんの翻意は無理でした。

直母が全く出来なかったためか、予想よりも乳房緊満は強くなかったです。
あと1週間くらい経てば、プロラクチンレベルは非妊時同様に低下しそうでした。
私は断乳の際の注意点(お食事や水分摂取の方法、冷罨法、お握り搾りの実技指導、月経再来と避妊の方法、ミルクの増やし方と与え方、スキンシップのあり方など。)について細かく説明しながら、断乳時の乳房マッサージをしました。

心に抱くものは複雑でしたが、このお母さんなりの決断です。
曲がりなりにも、約1か月おっぱいをあげられたのですから、決して卑屈にならなくてもいいとと思います。
でも、失恋して髪をばっさり切るかのごとく、完ミにしなくても、混合でもよかったのでは?・・・という気持ちは否定出来ません。
赤ちゃんは下手っぴちゃんだったけど、おっぱいを飲む権利だけは残しておいてあげてほしかったです。
あぁ、でもこれってもしかして私のエモ―ショナル・サポートが足りなかったのかな?

緊急避妊薬『ノルレボ®』について。

緊急避妊薬『ノルレボ®』ってご存知ですか?
2011年1月8日付のY新聞の朝刊(私の住む地域では第17面)に掲載されていました。
SOLANINは、過去記事でも緊急避妊について記事化していますが、この『ノルレボ®』というお薬、従来処方されていたお薬よりも、(もちろん妊娠中絶よりも)女性のカラダへの負担が少ないトコロがメリットなのですね。

『ノルレボ®』は、子宮頸管粘液を粘ちょうにすることで、精子が子宮内に侵入出来にくくすること(排卵日くらいになると、オリモノも水っぽいというかサラサラに変化しますよね?アレは、子宮内に精子が侵入し易くするためなのです。)と、子宮内膜の増殖を抑制することで、卵と精子が受精しても子宮内膜に着床しにくくする2つの作用を持ちます。

Y新聞の記事によれば、
「性行為後72時間以内の服用で妊娠の可能性が大幅に減少する。」
「海外48カ国で承認済み。」と書いてありました。

あってはならないことですが、万一、犯罪に巻き込まれたりして性暴力の被害に遭われた方にも処方は適用されます。
もちろん通常の避妊がおろそかになってはいけない。」のは言うまでもないことです。
日本家族計画協会クリニックによれば、緊急避妊を希望するに至る理由で多いのは、「コンドームの破損」42% 、「避妊しなかった」(←問題外ですな・・・)20%、「コンドームの脱落」17%・・・と、この3つで79%に上ります。
「避妊効果が100%というわけではない。」のは従来の緊急避妊によるピルの処方と同様です。

また、『ノルレボ®』は薬局・薬店では購入できません。
「医師の処方が必要。」
「健康保険は適用されない。」とも
書いてありました。

また、当たり前ですが、『ノルレボ®』では性感染症の予防は出来ません。

妊娠、つまり次の赤ちゃんは、家族みんなで温かい気持ちで、迎えられるようにしたいですね。
くれぐれも「自分だけは大丈夫。」という過信は禁物ですよ。

2014年4月28日 (月)

果たして40歳代初産ではおっぱいが出ないのか?

少子高齢化の世の中ですが、年々初めて出産される時のお母さんの年齢も上昇しています。
結婚年齢が上昇しているのも関係がありますが、不妊治療の末ようやく授かるというパターンも昔とは比べものにならないくらい増えてきていることも関係あるようです。

もちろん赤ちゃんを授かり、産むことができるのは女性ならではの大変さと喜びだと思います。
ただ、気になるのは40歳代で初産のお母さんの授乳観はどうなっているのだろう?ということです。
それ以下の世代で授乳に対する考えが甘い(←失礼!)方ですと、「生まれたら赤ちゃんは勝手におっぱいに吸いつき、蛇口を捻るかのように母乳はでてくるもの。」という、なんの根拠もなく自分に都合の良いように思い込んでいるのが特徴です。

しかし40歳代で初産のお母さんは完全に出産が妊娠のゴールと化していて、授乳するということ自体が「想定外」というか、「授乳って何ですか?」状態なので、胸元をはだけて授乳の態勢をとると、「えっ、何するんですか?」と尋ねてくる方がかなりおられます。
「今から赤ちゃんにおっぱいを吸わせるんですよ。お手伝いしますからね。」と声掛けしても、酷いお母さんですと、「えっ、私がおっぱいをあげるのですか?」とのたまう方がおられるのでこちらとしては仰天します。
「貴女があげなかったら、いったい誰が貴女の赤ちゃんにおっぱいを吸わせるんですか?吸わせることでおっぱい出てこいのスイッチを押すことになるし、飲んでくれることで初めてまた次のおっぱいが出る準備をするのですよ。」と、お話しています。
けど、イマイチぴんとこないから、上手くいかないのですね。

何とか母乳育児に関心を持ってほしいです。

SLE&骨粗鬆症と母乳育児。

<ご連絡いただいたこと>
私の赤ちゃんは今日で日齢144日を迎えました。
先日の4ヶ月健診では7005g(誕生時2930グラム)と、すくすくと成長しております。
一時期、体重増加に悩んでおりましたが、過去記事にあるように頻回授乳と深夜帯の授乳をしっかりしたら、めきめきと増えてきました♪
今もしっかり夜中もごくごくと飲んでくれてます♪
ぐうぐう眠ってても、おっぱい差し出すと「カプッ!」と勢いよく咥えてごくごくと飲んでくれてます。
大体2,3回は夜中でも飲んでくれてます。
夜中の授乳を大変だとおっしゃるお母さん方も多いですが、私は逆です。
大変どころか、幸せをいっぱい感じております。
おっぱいをごくごくと、嬉しそうに飲んでくれることが幸せでなくてなんなんだろうって思います。
私の赤ちゃんはちょっとキョロちゃんの傾向がありますが、添い乳だと集中して飲んでくれるので、がっつり飲ませたいときは昼間でも添い乳で飲んでもらってます。
私はSLE(全身性エリテマトーデス)を抱えております。
病気自体は今は寛解状態ですが、薬による副作用の骨粗鬆症が妊娠中と産後でかなり悪化してしまってます。
骨粗鬆症の薬は妊娠前からストップし、今も服用してません。
主治医はなるべく早くスタートさせたいようですが、私はなるべく長くおっぱいをあげたいし、何より自然卒乳を希望してます。
なので、しばらくはせっせとカルシウムを摂取して(サプリや小魚)、3箇所圧迫骨折してる腰椎はサポーターベルトで固定して、痛みは貼り薬でなんとかしのいでます!
それでも痛みは常にあるので、普通のお母さんみたいにひょいっと自然に抱っこしてあげられないことが不憫に思います。
とはいえ、お風呂も毎日私が入れてあげてますし、痛みがあるとはいえ頑張ればなんとかなるもんです♪

骨粗鬆症の薬は、もしかしたら授乳中OKなのもあるかもなので、その辺は主治医に相談しつつ骨粗鬆症とうまく付き合っていきます。

母乳育児がこんなにも楽しく幸せなことだと思えるのも、SOLANINさんの『母乳育児書』のおかげです。
毎日少しずつですが過去記事を読んでいます。
今は離乳のことを中心に読んでいます。
私は6ヶ月以降からスタートさせる予定です。
肩肘張らず離乳を進めていけたらいいなと思っています。
不安なことがあってもSOLANINさんのブログがある!と思うと、すごーく気が楽になります。(笑)

<SOLANINのお返事>
昔話なのできっとみなさんビックリされるかと思いますが、私が看護学生だった頃は、SLEの方は妊娠されると症状が増悪するので、妊娠自体が禁忌でした。
なので、妊娠されたSLEの方は主治医から中絶を勧められる有様で、週数的に中絶が無理ならば、出産後は避妊を徹底し、二度と妊娠しないようにと厳命されておられました。

近年は医学の進歩で、SLEの方であっても、妊娠・出産は病状コントロールできれば可能となりました。
実は当ブログの母乳育児中の読者さんには、持病を抱えておられる方が、少なからず居られます。
喘息、IgA腎症、重症妊娠性高血圧症候群後遺症、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、椎間板ヘルニア、糖尿病、逆流性食道炎、花粉症、突発性難聴、緑内障、ピロリ菌感染、潰瘍性大腸炎、智歯周囲炎 etc・・・
同じく当ブログの母乳育児中の読者さんで、産後に手術された方は、恐らく100人以上も居られます。
急性虫垂炎(そこから腹膜炎になられた方も)、甲状腺腫瘍、子宮頸がん、卵巣腫瘍、胆石症、尿管結石、交通事故による骨折 etc・・・

でも、母乳育児中の読者さんの素晴らしいところは、主治医にご自分の考えをしっかり伝える努力をしておられることです。
授乳中でも服薬可能なお薬を処方していただけるようお願いされたり、治療の時期を調整してもらわれたりしておられます。

メッセージをくださったこの読者さんは、SLEと骨粗鬆症という病気と闘いつつ、母乳育児をされているのですね。
ただやだ、感服いたします。

簡単には諦めない、母乳育児を手放さない努力に敬服いたします。
SLEについては、恐らく『プレドニン®』の内服があるかと思いますが、量が多くなければ大丈夫のようです。
骨粗鬆症のお薬で、授乳可能なものは何かあるとは思います。
そのお薬の名前が分かりましたらご一報ください。

追記:コメント欄にもあるように、妊娠と薬という有名なサイトについて情報提供くださり、勉強になるのでその後私もちょくちょくそのサイトを訪問するようになりました。
有難うございます。
但し、今更ながらふと気になったのは、SLE&骨粗しょう症の治療薬に限らず、どんなお薬もそうですが
妊娠中でも授乳中でも服薬可能なお薬もあれば、妊娠中は服薬NGで授乳中のみ服薬可能なお薬やその逆に妊娠中は服薬可能でも授乳中は服薬NGなお薬もあります。
くれぐれも一覧表をパッと見ただけで、早とちりをされないよう、ご注意願います。
(2011年2月17日)

2014年4月27日 (日)

まずはケアでしょう?

ちょくちょくあることですが、いつも疑問に思うことがあります。
例えば、赤ちゃんのお尻が荒れている場合、直ぐに「小児科ドクターに診てもらいたい。お薬が欲しい。」と、仰るお母さんがいらっしゃいます。

少しでも早く何とかしてあげたいという気持ちは伝わりますが、一括りにお尻の荒れと言っても、おむつが合わない場合、お尻拭きが合わない場合、お尻の拭き方が不適切な場合など色々ですし、少し赤くなった程度、ブツブツが出てきている程度、表皮が剥離している程度など様々です。

確かに、助産師や看護師が診せて頂いた状況によっては、ソッコーで小児科or皮膚科受診をお勧めし、キュアが必要な時もあります。
しかしながら、お母さんのケアで充分回復が可能な場合もあるのです。

お尻の荒れだけではありませんよ。
例えばお顔の湿疹、眼脂、お臍からの出血、皮膚の乾燥・・・お母さんのケアで改善することは結構ありますよ。

勿論経験の浅いうちは、ケアかキュアか判断が難しい場合もあるかと思います。
その場合は、電話で相談されたり、母乳外来や助産院を受診された際に、チェックしてもらってアドバイスを受けては如何でしょうか?

「ケアでいけそうですよ~。」とアドバイスを受けたなら、まずはお母さんが取り組みましょう。
日々のお世話でちょっと工夫すれば、ひと手間かければ済むことです。
「ケアでいけそうですよ~。」とアドバイスされているのに、何もせず直ぐに受診する方はコンビニ受診者と呼ばれます。(汗)

「お尻が荒れてるのを診て、助産師さんは○○しましょうってアドバイスされたけれど、そんなのかったるいし、お薬で治したほうが早いんじゃないか?」と、受診されても、良心的なドクターほど、「お母さん、お尻にストレスをかけないケアをしてあげてね。これはお薬に頼らなくても改善しますよ。」なぁんて諭されるのがオチですから。

おっぱいだけで育てるのはそんなに難しいことなのか?

2009年の時点で日本の母乳率は退院時60%、1ヶ月健診時40~45%が全国平均だと申しましたが、SOLANINの勤務先のようなBFH認定施設ではそんなに低値ではありません!
入院中は出来る限り自然分娩を目指し、カンガルーケア、出生直後からの母子同室、乳房ケア、授乳介助などを行い、退院後も母乳外来で2週間健診や育児相談の場を設けお母さんのおっぱいで育てたいという気持ちをバックアップしているからです。
ちなみに、SOLANINの勤務先の2008年の母乳率は正常新生児であれば退院時95%、1ヶ月健診時92%です。

でも、その内訳は私が普段のお仕事の中で(例えば2週間健診時の状況からある程度の見通しが立つのですが・・・)
①「このお母さんは見守っているだけで、特に何もしなくても充分母乳育児ができる方だな。」と感じる方が40%です。(勿論、母子同室・頻回授乳が大前提です。)
②「節目節目で、アドバイスやメンテナンスが必要だけど、関わることで、上手くやっていける方。」も40%です。
③「しょっちゅう、短いスパンで、診させていただかないと、危なっかしいなぁ。」という方が10%ってところです。

SOLANINの勤務先の自慢をするのではありませんが、全国平均の1ヶ月健診時の母乳率が40~45%というのはこの中の①の方達の割合にリンクしているとしか考えられません。
医療者の努力とかではなく、その方が持って生まれた才能?で、つまり自力でやっていけるのがこの①の方達なんですね。

初めて触る新生児がわが子であるというお母さんが90%を超える時代だからこそ、
お母さんと赤ちゃんが幸せな気持ちで過ごせるよう、母乳育児ってどういうものか、どうすればしやすくなるのか、困った時は誰を頼ればいいのか、はっきりさせないと、
「おっぱいで育てたかったけど、頑張ったのにダメだった」と挫折感を抱くお母さんや「おっぱいをあげることが全然楽しめず、プレッシャーでしかなかった」というイライラ感でいっぱいのお母さんが増えてしまうのではないか、とても気になります。

未だ○○タイムに痛い。(産後10ヶ月)

<ご相談内容>
ここでお尋ねすることではないのでしょうが、誰にも聞けなくて、ずっと悩んでいるので、相談させてください。
我が子は10ヶ月になり、完母でスクスク成長しております。

産婦人科のドクターからは、産後の1ヶ月検診で、「産婦人科的には異常ありません。順調な経過を辿って居られますよ。夫婦生活も可能です。」とのことでした。

しかし、産後10ヶ月になったのに、夫から誘われても、膣口に激痛が走り、中も軋んだような違和感があり、受け入れ難く困っています。
ちなみに月経再来はしておりません。
オリモノは、妊娠前より若干減っているような気がします。
もちろん、出産までの夫婦生活で、このような激痛を感じたことはありません。

本来ならば、産婦人科を受診するのがスジだと分かっています。
しかし、1ヶ月検診で異常がないのに、今更受診というのもどうなんだろうか?と思ってしまい、受診できずに今日に至ります。
出産の際は、「上手にお産が出来ましたね。」と、助産師さんに褒めてもらいました。痔にもならず、切開や縫合等は必要なく、産後すぐ円座無しで座れるくらいでした。

<SOLANINの回答>
ううむ・・・困りましたな。
確かに『最強母乳外来』からは、ちょっと逸脱していますね。(汗)
結論からすれば、やはり産婦人科受診のうえ、ドクターに相談された方が良いかと思います。

けれども、その前に出来るだけのことをしてみてもいいかもしれません。
一つ目は、コトを起こす暫く前に、「バーユ」や「ホホバオイル」等でオイルパック(アーユルヴェーダ的にはピチュっていいます。)してから会陰マッサージをすることです。
伸展性を高める効果が期待できます。
二つ目は、同じくコトを起こす暫く前に。熟年世代の女性で性交痛のある方が使用され「リュ―ブゼリー」を使用することです。
軋む部分に潤いを与える効果があります。

「バーユ」や「リュ―ブゼリー」はドラッグストア等でフツーに販売されていますから、購入し易いので、トライしてみては如何でしょうか。

2014年4月26日 (土)

コレステロール値と中性脂肪値が高いです。

残念なことに、年齢と共に頼まなくてもズンズン増えるのが脂肪です。
もしかしたら当ブログの読者のみなさんの中にもBMIは22程度であっても、体脂肪率を測定したら、ほぼバラ肉状態で大変ショックを受けられる方がいらっしゃるかもしれません。
また、血液検査をしたらコレステロール値や中性脂肪値が基準値よりも高くて、メタボ予備軍か?というような数値を叩き出す方もいらしゃるかもしれません。
胸に手を当てて、思い当たるフシのある方は、こういう状態であげる母乳はどうなのか?と心配かもしれません。

でも、おっぱいをあげ続けることは、お母さんに蓄積された脂肪を分解していくので、お母さんの健康面では却って改善に向けて有効だと言われています。
おっぱいは血液から造られますが、ジャンクフードやこってり系のお食事を続けなければ、赤ちゃんに支障をきたすようなおっぱいにはならないと思われます。
また、聞くところによれば、中性脂肪を減らすには、お菓子をセーブすると良いそうです。
お母さんの健康は家族を幸せにします。
出来るトコロから取り組みましょう。

産後何気ない言葉に傷つくことがあります。

<ご相談内容>
産後自分に余裕のないせいなのか、他人の心ない言葉などにいちいち滅入ってしまうようになりました。
しかし冷静に考えたら心ないと感じてるのは私がおかしいのではないかと思うようにもなりました。
でも心療内科に行くほどでもないし・・・心ないと思う方は、割り切ってしまおうと思います。
産後はやはり神経質になりやすいものなんですかね?
自分は専門性のある職業柄か、ある程度落ち着いて何ごともできると過信してしまっていたせいか、自分の精神状態の脆さに驚いています。
相談というか愚痴のようになってしまい申し訳ありません。

<SOLANINの回答>
妊娠・出産・産後・・・で母となる女性のホルモンバランスは激変します。
何が増え何が減るかは専門書を見れば直ぐに分かることなのでここでは割愛しますが、ホルモンはほんのごくわずかな量で想像以上に大きな働きをするものです。

喩えて言えば、そうですね~ガソリンスタンドに石油を運ぶタンクローリー車(以下ローリー車と表記)ってありますよね?
一般にローリー車はタンク満タンで10000kl以上入るそうですね。
そのローリー車の無色の液体が満タンに入っているとして、そこに小さなスポイドで、1滴別の物質を垂らしたとします。
そしたら中に入っていた無色の液体が一気にスポイドで滴下した物質と同じ色にカラーチェンジするようなものなのです。
そう、有り得ないくらいの激変が起こっているのです。

つまり、本人の意思やキャリアや性格はお構いなしに、物事の捉え方や考え方が変わってしまうことは充分にあるのですね。
なので、何気ない一言がぐさっと心に突き刺さったり、反対に涙が出るほど嬉しかったりするのです。
ホルモンの影響は徐々に少なくなってきますが、長期化するような場合や気持ちを制御しきれない場合は専門家に相談することも必要かもしれません。
相談者さんは気持ちの制御が出来ているようなので大丈夫かなと拝察します。

2014年4月25日 (金)

何故、体重増加度も1回哺乳量もじわじわ減少してくるの?(新生児期)

通常、新生児期はおっぱいの分泌に問題がなければ、日齢を重ねる毎に、体重増加度も1回哺乳量も少しずつ上昇していきます。
赤ちゃんの哺乳力がパワーアップして、成長のスパートのかかる時期だから、ぐんぐん成長して当然の時期とも言えます。

しかしながら、ごく一部の赤ちゃんではありますが、この2つのチェック項目が少しずつ下降していく場合があります。
考えられる理由としては、乳房緊満に関わりなく乳輪の奥がゴリゴリしている場合です。
特に哺乳時のスタミナが直ぐに切れてしまいがちな赤ちゃんや、おちょぼ口で浅飲みの赤ちゃんの場合、徐々に乳管開通が悪化して、途中からまともなラッチオンが出来なくなってしまうことがあるからです。

こういう場合は、乳管の詰りを除去するために、母乳外来や助産院で乳房マッサージをしてもらい、乳房のコンディションを整えることで改善の兆しがみえるようになります。

その上で改めてポジショニングやラッチオンがお手本通りにできているかどうかを確認していく必要性があります。

もしや、『意味無し断乳教』の教祖様ですか?

㌧でもな断乳指導は数あれど、ウルトラ級の断乳指導を聞きました。
暫く前の話です。
生後3ヶ月の赤ちゃんを完母で育てておられるお母さんが咽頭痛と微熱&悪寒で、シーズン的に「もしやインフルエンザかっ?」と慄きながら近医を受診されたそうです。
幸い、インフルエンザの検査はマイナスで良かったものの、扁桃腺炎であると指摘されたそうです。
そのドクターから「喉の腫れや痛みが酷いようだから抗菌薬の入ったトローチを出しますからそれを舐めるように。」とのことでした。

察しの良い読者さんは、「あ〜分かった!トローチ舐めたから断乳って言われたのでしょう?」と、思っちゃったかな?
当初、私もそうだと思っちゃいました。

ところが、ぎっちょん!そうじゃないのよねぇ~。
「お母さんが扁桃腺炎になると、母乳から扁桃腺炎のバイ菌が赤ちゃんに感染るから、お母さんには断乳していただきます。それが僕のやり方です。」と、のたまったそうです。
はぁ?僕のやり方・・・って、何を言ってるのですか?
母乳から扁桃腺炎の原因ウイルスが出るってことですか?
おっぱいから出るのは病気から赤ちゃんを守る抗体ですが・・・
ドクターが真逆を説いてどうするの?
これまでにもSOLANINは、日本全国津々浦々から、「お薬内服中のおっぱいは搾って捨てなさい。」とか「ミルクをあげたらお母さんもカラダを休ませられると思うよ。」的なトンでも指導は耳にタコが出来るほど聞いてきました。
しかし、お母さんが扁桃腺炎になったからといって、断乳せざるを得ない医学的根拠があるのでしょうか?
ある訳無いですよね!

もしや、『意味無し断乳教』の教祖様ですか?
営業活動に熱心なミルク屋さんですら、こんな㌧でも指導はしないと思います。(怒)
ドクターの言葉の重みは、お母さんにとって想像以上なのに。
赤ちゃんのお母さんをミスリードするのだけは止めてほしいです。

子宮腺筋症と母乳育児。

子宮腺筋症・・・聞いたことがありますか?
子宮筋腫とは名前が似ていますが、全く別の病気です。
子宮腺筋症とは子宮筋層内にできた子宮内膜症です。
(過多月経や月経痛がハンパなく酷い等、症状もほぼ同じ。)
鎮痛薬でだましだましでは、病状は悪化していくので、しっかりと治療をしていかなくてはなりません。

治療方法としては手術もありますが、『リュープリン®』(月に1回するホルモンの皮下注射)や『スプレキュア®』や『ナサニ―ル®』(月経開始日~する点鼻薬)がありますが、いずれも授乳中は使用禁止です。

子宮動脈塞栓術(UAE)は健康保険が適用されませんし、入院が必要です。

集束超音波治療(FUS)というものもありますが、比較的新しい治療方法なので、詳細な治療データはまだ集まってはいません。
日帰り・ほぼ無侵襲というのがウリのようですが、3~5時間うつ伏せ姿勢を取らばくてはならず、しかも授乳中は適用しない(涙)となっています。
しかも、治療できる施設はまだ限られているようです。

低用量ピルの『トリキュラ―®』は大丈夫だろうか?というお問い合わせが先日あったのですが、国内の授乳中の症例を扱ったものは見つかりませんでした。
あるとしたら避妊方法としてでしたが、「母乳分泌が抑制される恐れがあるので・・・」という視点からだけで、赤ちゃんへの影響を示唆するような表現は見つかりませんでした。
海外の文献では、産後6ヶ月以降だったかは授乳中でも服用可との記載はありましたが、避妊方法としてのみの記載でした。

子宮腺筋症の治療に処方されるにしても、避妊目的に処方されるにしても、用法用量は同じようですが・・・
私もここ10日間くらい、『トリキュラー®』についての検索を必死に続けたのですが、なかなかこれというのが見つかりませんでした。

セカンドオピニオンとしてしかるべきところ(例:虎の○病院)とかにお問い合わせしていただいた方が良いかと思います。
お役に立てなくてごめんなさいね。

2014年4月24日 (木)

ミレ―ナ52って、知っていますか?

ミレ―ナ52って、知っていますか?
誰かさんのニックネーム?
いいえ、違います。

今更ながらですがミレ―ナ52は、2007年春から認可された黄体ホルモン剤を付加したIUD(子宮内避妊具)のようなものです。
何と5年間(以上?!)ピル並の避妊効果を発揮するそうです。

IUDのようなもの…とは、微妙な言い回しですが、形状的にはIUDに近いので、(医療器具)だと思っていらっしゃる方も少なくないようですが、分類的には(医薬品)になります。
過多月経でお困りの方には、経血量が減少するので、一石二鳥ですね。

しかし、ネックとなるのは価格の高さです。
大体70000円前後が相場らしいです。
それから、黄体ホルモンが添加してあるということは、おっぱいにも影響(分泌低下)があるようです。
おっぱい卒業後に使用するのであれば、問題ないのでしょうが、おっぱいをあげていらっしゃる最中のお母さんには避妊方法として、ちと不向きかな?という気が致します。

追記:不妊治療時(内膜過形成の治療のため)使用されることもあります。
経験者の方からの情報によれば、ミレーナ52による治療期間は半年で、そのおかげかどうか分かりませんが、その後ご懐妊されたそうです。

母乳育児で激やせ!大丈夫?(7ヶ月)

<ご相談内容>
私は143センチ49キロで妊娠し、悪阻で45キロまで落ちました。
その後もずっと悪阻があり出産直前は49.6キロでした。
現在はおっぱいがよく出るからか37キロ前後をさ迷っています。
妊娠発覚から出産まで絶対安静で最後は3ヶ月入院もしていて体力もなくなりました。

7ヶ月の娘は今は夜中は1~2時間置きに起きるようになり、おっぱいじゃないと寝なくなりました。
元々過分泌と言われているおっぱいは、4ヶ月頃以降、疲れがピークに達したり、体調を崩すと乳腺炎になりやすく、白斑も出来たり・・・という状態です。
先日、娘の卵白アレルギーも発覚し、食事にはかなり気を使っています。

一時期、おっぱい拒否もありましたが、最近おっぱいじゃないと寝ないので、実はおっぱい星人だったのかと思い始めています。

しかし、体重が激減し、おっぱいトラブルにも再々見舞われるため、旦那や家族からは「そろそろおっぱい止めたら?」とよく言われてしまいます。
出来れば卒乳を目指したいと思って頑張っているのですが…。


SOLANINさんはどう思われますか?やはり今はベビの為にも頑張る時ですよね。
良かったらメッセージいただければ嬉しいです。
お忙しいのに読んで頂いてありがとうございました。


<SOLANINの回答>
元々の体形が若干ぽっちゃりさんだったのですね。(←失礼!)
BMIでは23.1ですから、一応は標準範囲ですが・・・
で、激やせされた今のBMIが18.1ですね。
モデルさんのようなBMIに変化されたわけですが、実はこれも標準範囲です。
(BMIの下限は18.0、18.5の二つの考え方あるようですが、若い女性のやせ傾向は進む一方ですから、私は18.0を指標にさせてもらっています。)


確かに元の体形から考えると、ギリギリに近いでしょうね。
これ以上痩せるのは私も心配です。
体力的にもしんどいかと思います。
産後は抵抗力が低下しているので、余計に体調を崩し易いのだと思われます。
かといって、乳房のコンディションや赤ちゃんの食物アレルギーを考えると、カロリーのハイパーなものを食べるのは避けたいところですね。(きっともちろん、相談者さんは食べるつもりなど無いでしょうが・・・)


一方、赤ちゃんは食物アレルギーがあるので離乳食にも制限があり、まや、月齢的に回数を進めるには早過ぎるかと思います。
難しいですね。
う~ん、どうしましょうか?

おっぱいを続けるとしたら、免疫力を高める食材を継続的に摂取するとか、白斑部を詰まらせないには、デスパコーワによる局部のケアとごぼう子の服用と歪め飲みをさせないように、ポジショニング
やラッチオンをどうしたらいいか、担当の助産師に確認し、一番リスクの少ない方法を選択することの3つは必要ですね。

お母さんのカラダ第一に考えると、断乳してミルクに切り替えるというのも一手ですが、それは必ずしもノーリスクな選択肢ではありません。
というのも、過去記事にも書きましたが、完ミの赤ちゃんなのに途中からミルクアレルギーになってしまい、フツーの育児用粉ミルクは当然NGで、それよりも明らかに不味いアレルギー用ミルクの変更しなくてはならないのに飲んでくれず、困窮されている方をSOLANINは知っているからです。

また、赤ちゃんの卵白アレルギーはご心配かと思いますが、授乳中のお母さんの食事制限をするにあたり、比較的制限される食材が少ない方だと思います。
万一今後ミルクアレルギーがプラスするような事態が無いとは言えないので、そうなると、相談者さんの赤ちゃんはカロリーベース的にも月齢的にも現段階ではおっぱいorミルク>離乳食という段階なので、厳しいかなぁ?という気がします。

どのような選択肢を選ばれるかは、相談者さんを含むご家族で話し合って、相談者さんのお気持ちが尊重されるような形に落ち着いてくれたら一番かと思います。

2014年4月23日 (水)

プライドが高過ぎるのかな?

退院までに母乳育児が軌道に乗ればいいけれど、そうでない場合もあります。
お母さんの出産がスムーズだったとしても、おっぱい(乳頭・乳輪形態や母乳の分泌量など)に何の問題もなくても、早産児や低出生体重児でなくても、たまたま赤ちゃんの舌が短かったり、下手っぴちゃんだったり、眠り王子や眠り姫だったり、癇癪持ちのイラチちゃんだったりすると、上手くいかないことがあります。

退院までに母乳育児が上手くいくかどうかは、赤ちゃんのキャラにもよるトコロ大です。
こればっかりは、赤ちゃんが生まれてみないと分からないこととも言えます。
上手くいかないと悲しくて泣きたくなる気持ちは分かります。
「なんでよりによって私がこうなるわけ?」と恨み言の一つも言いたくなることもあるでしょう。
そういった困難を乗り越えるには時間がかかります。
数週間~数ヶ月を要することもあります。
辛い気持ちはお察ししますが、お母さんやご家族の方には、赤ちゃんはきっとできるようになると信じて待つ姿勢でいてください。
そういう母子には、助産師は精一杯手を差し延べさせていただきます。

しかし、これまでの人生で挫折知らずor順風満帆or出産や育児を舐めてかかっていたりする(?)お母さんには、このような困難にぶつかってしまうと、信じて待つことがとても難しいようです。

SOLANINはかつて、「心配だったら、一人で悩むくらいだったら再度受診したほうがいいですよ。」とお勧めしたのに、「別に私は再度受診したいわけじゃないんです。」と、切り返されたことがあります。
「お住まいの場所から病院までの交通が不便なのかな?」「再度受診したらお金がかかるからかな?」とさりげなく聞いたら、どうもそうじゃないらしい。
探りを入れたら、な、なんと、「上手くいかない赤ちゃんと自分を再認識することで落ち込むから嫌。」とのこと。

はぁ~。
落ち込むから再度受診するのが嫌だとはねぇ。(嘆)
でもね、もしも赤ちゃんやお母さんに何か不都合な事象が発生していたら、迅速な対応をしていく必要がありますからね。
特に、赤ちゃんは自分で意思表示してくれませんから、言い方悪いですが、新米お母さんだったら見落としor気がつかずスルーということもありますからね。
落ち込むのはその方の勝手ですが、再度受診することが不本意だったとしても、そこはぐっと歯を食いしばって受け入れて頂かないと!
それが母親ってもんじゃないですかね?
SOLANINは、「お母さんになる。」ということは、最低限赤ちゃんに関することであれば、自分にとって嫌なことであっても逃げないor駄々を捏ねない胆力を持つことだと思うのですが、読者のみなさんはどう思われますか?

乳腺炎のしこりは、乳がんの発症に関係あるのか?

どういうわけか、昔から、「乳腺炎を繰り返したり、しこりが出来やすかった女性は乳がんになり易い。」という話を耳にします。
でも、これって、結論から言えば「関係ない。」です。
俗説というか都市伝説みたいなものなのでしょうね。

恐らく、胃炎⇒胃潰瘍⇒胃がん・・・みたいなイメージではないかと推理しますが・・・
しこりはしこりでも、乳腺炎のしこりと乳がんのしこりは別物です。
あっ、でも、だから乳腺炎やしこりを放置していいのではありませんからね。
(ん?待てよ、普通、乳腺炎やしこりの放置はしませんよね・・・)

もちろん、乳がんで死亡する女性の数は近年鰻登りですから、2年に1回の乳がん検診は受検された方が良いと思います。
但し、母乳育児の真っ最中の場合、時期をずらさないと受検出来ない場合もあるようですが・・・(いつだったら受検してもいいののかは、受検予定の乳腺外科のドクターにご相談くださいね。)

長期授乳のお母さんで、マンモグラフィ―がしてもらえない状態が続くと不安かもしれませんが、その場合は、乳腺外科のドクターにまず自己検診の方法を教えてもらい、セルフメンテに努めましょう。
恐らく、がんの発見が自己検診で出来るのは、乳がんくらいですからね。
自己検診を侮ってはいけませんよ。

ちなみに、母乳をあげない女性の方が母乳をあげた女性よりも乳がんに罹り易いことは各種統計で判明しているようなので、おっぱいをあげることは、お母さんの健康に繋がるのだと自信を持ってくださいね。

授乳はしてないけど、乳首が痛かったり痒かったり(3歳児の母)

1歳代で卒乳されたTさんがSOLANINの勤務先の母乳外来にふらりと来られました。
「ここ最近、乳首が痛かったり、痒かったりで念のため乳腺外科で診て貰ったけど、異常なしといわれたんです。でも、ちっとも良くならなくて、困ってるんです。」とのこと。
「そんなこと仰っても私は専門が違うから・・・でも、乳腺外科で異常なしだったら、大きな病気ではなさそうかな?いわゆるマイナートラブルの一種かな?」と思いながらおっぱいを診せていただきました。

乳頭はちょっと乾燥してるようではあるけど、変形も亀裂も無く、見た目はフツウ。
でも旦那さんに触られても、ブラジャーが擦れても痛いし痒い。
月経はきちんと再来している。(つまり、妊娠はしていない。)
となると、ちょっとしたホルモンバランスの違いで乳頭が過敏になっておられるのかもしれません。
Tさんは何が困るかって言えば、痛みと痒みという2つの不快感だそうです。

それで『ランシノー®』を
乳頭に塗布して小さく切ったラップをして、ブラジャーを装着してもらったところ、Tさんは「痛くも痒くもない!」と仰いました。
急に晴れやかなお顔になられました。
で、お帰りになられました

2014年4月22日 (火)

産後は甲状腺機能の変化にご注意!

甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌するトコロですね。
普段は全く気にならないし、気にすることの無いトコロでしょう。
でも、産後は、ちょっと気にした方がいいと思います。
あまり知られていないことなのですが、産後は20人に1人の割合で、甲状腺機能に異常が現れる可能性があるのです。

妊娠中はおなかの赤ちゃんを育てるために、妊婦さんの自己免疫機能は下がっていることをご存知かとは思いますが、産後早期は下がっていた自己免疫機能がリバウンドしたような状態になり、甲状腺炎を来たす(=甲状腺ホルモン過剰状態になる)ことがあるのです。
産後1〜3ヶ月頃は甲状腺機能が亢進したような状態ですから、暑がり・食欲亢進・イライラする感じ・頻脈・体重減少等の症状が、尋常ではないレベルで起こることがあります。
(但し、時期が来れば甲状腺機能亢進は落ち着くわけですから、基本的に様子観察で治療することは稀だと思います。)

甲状腺炎が続くと、やがては甲状腺ホルモンの分泌は低下してきます。
そうなると産後3〜8ヶ月頃は、徐々に甲状腺機能が低下してきますから、対照的な症状が見られるようになってきます。
つまり、寒がり・食欲低下・気力が萎える・疲れ易い・便秘・脱毛・浮腫み・体重増加等です。

いずれの症状も、産後見られやすい症状なので、「赤ちゃんのお世話で疲れているのだろう。」「気にし過ぎではないか?」と、思ってしまいがちです。
単なる気のせいなのか、甲状腺機能の異常によるものなのかは、血液検査で分かりますから、「もしや?」という場合は、ひとりで悩まずにドクターに相談してみましょう!

万一、血液検査のデータで、T4が低く、TSHが高ければ、甲状腺機能低下症になっていると見做して間違いないと思います。
確定診断がつけば、内服治療が開始されます。
治療に使用されるお薬は、カテゴリー「☆おっぱいとお薬」の記事にもアップしていますので、該当する方は必ずご精読くださいね。

帝王切開後、次回の妊娠インターバルは?

<ご相談内容>

2人目は、どれくらい空けなければならないか?
今、8ヶ月の男の子が居ます。
出来れば年子が希望です。私の背が152センチと小さいうえに、第一子の出生体重が3524グラムだった為、念のためレントゲンを撮ったら骨盤が狭いため帝王切開で出産しました。
帝王切開だと1年は空けなくてはならないですか?
年子をと思うと、来年の3月生まれの子→今年の6月に妊娠!
そうするとお腹の子宮は、耐えられないのでしょうか?
教えてください。
よろしくお願いします。

<SOLANINの回答>

帝王切開に限らず、次の妊娠までのインターバルがあまり詰め詰めですと、切迫早産や妊娠高血圧症候群等に罹る割合がとても高まります。
一昔前ほどではありませんが、「次の赤ちゃんの妊娠は1年待ってね。」とドクターから退院指導を受けていれば、それに従ってくださいね。
但し、10ヶ月で次のお子さんを妊娠するのはさほど常識はずれというわけではありません。

2014年4月21日 (月)

卵アレルギーの方が使用禁忌のお薬とは?

卵アレルギーの方は、基本的に卵を含む食品は摂取してはいけないことになっています。(アレルギーの程度が軽い、つまり検査データも落ち着き、主治医から許可があれば、加工品から少しずつ摂取可能になることもあるようですが・・・)

卵(卵白)アレルギーの方が、使用禁忌として一般的にはあまり知られていない(←ドクターや薬剤師さんなどの専門職の方には周知の事実ですが・・・)のは、市販の総合感冒薬・咳止め薬・鼻炎薬・トローチ・点眼薬などに普通に入っているあの成分です。
何だかご存知でしょうか?
それはですね、「塩化リゾチーム」です。

お薬の箱に記載されているのを見たことありませんか?
めっちゃポピュラーな成分ですよ。
「塩化リゾチーム」は、卵白から抽出した酵素を精製したお薬です。
鼻汁や痰の排出をしやすくする効果があるとされています。
卵(卵白)アレルギーの方がうっかり摂取したら、発疹や下痢・嘔気・嘔吐などがみられることがありますし、頻度は低いとされていますが、アナフィラキシーショックのリスクもゼロではありません。

市販薬だから大したことないと余裕ぶっこいていたら、アレルギー反応が!ってなことだってあるのです。
まさかとは思いますが、ご存じなかった卵(卵白)アレルギーの方、充分にご注意願います。

なお、卵(卵白)アレルギーがない方が使用される分には問題ないですし、授乳中だから絶対に回避しなくてはならないお薬(成分)でもありません。

産後膣に湯が入ります。(困)

<ご相談内容>
産後、入浴中に膣内にお湯が入るみたいで、お風呂からあがって下着をつけて、オリモノシートを付けるんですが、だだ漏れで下着がびっちゃびちゃになります。
しかもどのタイミングで漏れるかも予想できない状態です…治りますかね…?
何か良い改善方法ありますか?
産後、膣が大きくなったんでしょうか…(T_T)

<SOLANINの回答>
ううむ。
産後はどのお母さんも赤ちゃんのお世話で手一杯ですから、ご自身のカラダの変化に気がついても、どうしても後回しになりがちです。

こういう症状のお母さんは、意外と多く、誰にも相談できずにいらっしゃるようです。
「会陰切開を大きな範囲でしたからか?」
「会陰切開をせずにいたからか?」
「会陰部が裂けたからか?」等々の原因究明的質問がありますが、どれも違います。
出産ではない時の膣の内径は2〜3cm程度と言われていますが、出産時の赤ちゃんの大横径は、9〜10cm弱もありますから、膣は確かに伸びます。
でも、膣は元々収縮し易いし、会陰の状態云々とも関係ないのです。
膣が大きくなったのとも違いますよ。

では、何故なのか?
これは、膣というよりも、骨盤の緩みなのですね。
ですので、尿漏れ防止の体操(お尻の筋肉にチカラを入れるのではなく、肛門括約筋を締める体操)や骨盤底筋群を鍛える体操を念入りに継続的にしていきましょう。
また、毎日の姿勢も大事ですよ?
座る時も立つ時も、猫背ではありませんか?
猫背は骨盤の締りを悪くするので、避けましょうね。
それから2011年、相○紗○さんのN○TのCMで、タクトを振ってるのがありましたが、憶えていらっしゃいますか?
CM的には可愛さ強調の演出でしょうが、見ているだけでうんざりするくらい内股でしたよね?
ああいう内股もNGです。
相談者さんは違うかもしれませんが、膣に湯が入る方は、同時に尿漏れし易かったり、尿漏れが長期化しやすい傾向があるようです。
放っておくと、将来子宮脱を含む内臓下垂のリスクも高くなります。

ですので、改善対策としては、尿漏れ防止体操や骨盤底筋群を鍛える体操を念入りに継続的にしていきましょう。
日常生活では、いつ湯が漏れ出すか心配でしょうが、くれぐれも湯上りに下腹を押さえて、湯を絞り出すようなことはしないでね。
そうそう、改善対策としては、トコちゃんベルトも装着された方が良いと思います。

※ちなみに、未婚で出産経験のない10代の若い女性でも、トコトン骨盤が緩んでいる方は、膣に湯が入ります。

産科入院中に発熱した!

ご出産の直前・最中・直後等、産科入院中にお母さんが発熱することがあります。
風邪引きやましてインフルエンザの疑いでもなく、「何だろう?」と不安に思うことがあります。

感染兆候が無く、お母さん自身が発熱によるしんどさが、あまりないようでしたら、心配無用です。
解熱薬の処方は不要です。
冷罨法はした方が気持ちよければしましょうか?というスタンスで結構です。
(つまり、冷罨法をしてかえって気分不快になるようでしたら、その必要は無いということです。)

何故この時期に発熱することがあるのか?
それは、出産というのはとてつもなく大きな運動状態なので、大量の熱が産生されるのですが、それが放出されているという、ある意味生理的な現象なのですね。
場合によっては悪感戦慄⇒38度台の発熱ということもありますが、慌てふためかなくても大丈夫。
通常は12時間以内に自然に解熱してきます。
強いて言うなら、水分の補給だけはマメにしてくださいね。

12時間を越えても一向に解熱してくる気配がなければ、もう一度感染兆候が無いかどうか確認は必要です。
一緒に暮らしていた家族にも感染兆候は無いか確認しましょう。
場合によっては相室から個室にお部屋の移動が必要になり、万全を期して面会制限を掛けられることも有りますので、ご注意願います。

2014年4月20日 (日)

産後授乳中の体温測定の仕方。

まっとうな病産院でご出産されたら、入院中の検温の際、通常の腋窩ではなく、肘窩で体温測定するように指導されたと思います。
何故だか分かりますか?

百歩譲って、ご出産当日や翌日は腋窩で体温測定しても差支えないと言えばそうなのですが、翌々日くらいになってくると、乳房が鬱積し始めて、ジンジンと熱くなっててくる方もいらっしゃいます。
甚だしい方ですと、母子同室で頻回直母をしているにもかかわらず、腋窩で体温測定すると38〜39℃台になったりします。
でも、それって、その方の体温として今イチ正確ではないのですね。

乳腺炎かも?っていう場合も然りです。
トラぶっている方の腋窩で測定したら、凄い高熱だったりします。
反対側の腋窩だったらそれより低く、肘窩だったら更に低くなります。
風邪を抉らせたか?インフルエンザか?という疑いがある場合でも、肘窩で測定します。
乳房のコンディションや体調にかかわらず、授乳中の体温測定で正確に測定するには、肘窩で測定するのがふさわしいので、知らなかった方は憶えておいてくださいね。

授乳中の予防接種について。

インフルエンザもピークを過ぎました。(まだ、たま~にB型が出ているようですが。)
インフルエンザはご存知の通り、不活化ワクチンの一種です。
インフルエンザワクチンは有効期間が短いし、毎年流行する型が微妙に異なりますから、毎年接種となります。

そうではなく、風疹・麻疹・おたふく風邪・水疱瘡は生ワクチンで、通常は抗体が付けば終生免疫と言って、何回も罹患することはないと言われています。
(最近はそうでもないことがあるので、子ども達には麻疹は追加接種の機会が設けられましたが。)

さて、授乳中のお母さんに予防接種、打っていいのか?悪いのか?
インフルエンザはOKであることは、読者のみなさんは既にご存知ですね。
では、生ワクチンであっても接種していいのか?
例えばお母さんが風疹・麻疹・おたふく風邪・水疱瘡に罹ったことがなくて、上の子さんが集団生活に入り、次のお子さんを妊娠するにあたり、これらの抗体が無いままではマズいとなったら、どのタイミングで接種すればいいのか?
(お母さん自身は幼少時から現在まで罹った記憶が無い場合でも、もしかしたらこれらの病気に不顕性感染しているかもしれません。しかし、それを言い出すとややこしくなるので、この記事では割愛し、まるっきり抗体がないものと考えて話を進めます。)

生ワクチンは授乳中でも接種できます。
授乳中の赤ちゃんに影響はありません。
但し、どうしても守っていただかないといけないことがあります。
生ワクチンを接種して抗体ができるのは8週間(2ヶ月とも言われる。)を要します。
なので、その接種したワクチンの抗体がお母さんのカラダに出来あがるまでは厳重に避妊して、絶対に妊娠は避けてください。
そうでないと、例えば風疹ワクチンを接種して、8週間以内に妊娠してしまったら、おなかの赤ちゃんは大変恐ろしい先天性風疹症候群になってしまう危険性がドド~ンと跳ね上がります。
お腹の赤ちゃんに抗体を分けてあげるどころか、感染させてしまうのです。
(先天性風疹症候群がどんな病気かは、みなさん、ご存知ですよね?)

お母さんに生ワクチン接種による抗体が出来あがってから授かったおなかの赤ちゃんには、胎盤を通してお母さんの抗体が確実に移行します。
確実に免疫のお守り札を持たせてあげることが出来るというわけです。
接種するタイミング、旦那さんにも協力してもらわないといけない避妊、ご夫婦で話し合ってくださいね♪

2014年4月19日 (土)

特定保育って知っていますか?

特定保育とは何なのでしょう?
少なくともSOLANINが子どもたちを育てていたウン十年前にはなかった制度です。
よくあるパターンとしては、
お母さんがフルタイム(常勤・非常勤を問わず)でお仕事をされるのではなく、いわゆるパートタイムでお仕事をされる際に保育園が利用できる制度です。
具体的には、時間にして1ヶ月で64時間以上になります。
パートタイムのお仕事以外にも、職業訓練・通学・介護などで家庭での保育が困難である場合も該当します。
原則として継続的に利用することが前提になります。

例えば、週に3日で1日6時間前後とかになりますね。
勿論、1日に通常保育の時間通りに受け入れるコースもあります。
時間外保育や土曜日の保育の実施の有無は市区町村(保育園)により異なります。

特定保育の保育料は、基本的に所得による差はなく、お子さんの年齢(例:3歳未満・3歳以上)で分けられます。
・・・あっ、3歳未満でも0歳児は別料金という市区町村(保育園)もあるようですな。
0歳児の受け入れは2ヶ月からとか6ヶ月からとか、市区町村(保育園)によりばらつきがあるようです。
保育料の計算は、1日or半日で計算される市区町村(保育園)もあれば、1時間当たりいくらという計算をされるところもあり、まちまちです。
昼食代については別途徴収されるようです。

特定保育は、市区町村の全ての認可保育園(公立も私立も)で実施されているのではなく、一部の保育園での実施になりますので、まずは希望される保育園で実施されているかどうかを確認してくださいね。

特定保育を希望される場合は、事前(概ね1ヶ月前くらいが相場)に申請書・就労証明書や在学証明書等の必要書類を揃えて市区町村(または保育園)に直接提出してくださいと指示されます。
手続きの際に、親子面接を実施している保育園もあるそうです。
また、どの市区町村(保育園)にも受け入れには定数があります。
つまり、希望すれば全員が通るわけではないので、後手に回らないようにてきぱきとお話を進めたほうがいいと思います。

産後の便秘予防と解消には昆布がいいのかな?

昨日、同じようなタイトルで、アロエバージョンの記事をアップしました。
今回は、「では、昆布だったらどうなのか?」について、お話ししたいと思います。(笑)
昆布の成分の1/4はアルギン酸です。
このアルギン酸は、便秘予防と解消に効果的と言われる食物繊維と同様、体内で吸収されることが無く、排便を促すのに効果的な物質です。
あっ、勿論ですが、昆布にも食物繊維は多く含まれますよ。
とろろ昆布でもいいし、SOLANINは出汁に使った昆布を四角に切って、塩分控えめの佃煮にしています。
(塩昆布風発酵食品も個人的には気に入っています。)

但し、体質的にヨード禁の方は海藻系はNGですので、気をつけてくださいね。
そうでなければ、便秘予防と解消に昆布はいいですよ。
海藻としては昆布のほかに、ヒジキ・ワカメなども食物繊維の宝庫ですね。
塩分を添加していない10〜20cm位の棒状に乾燥させたワカメも、揉んでご飯にふりかけたり、そのままバリバリ食べたりできるから、お手軽に摂取できるのでお勧めですね。

断乳して2年後、いきなりおっぱいが出てきた!

<ご相談内容>
1歳2ヶ月迄完母でした。
子どもは意外にもすんなりと断乳を受け入れてくれ、お食事もよく食べ発達面は順調です。
断乳後の乳房の緊満は自己処理して凌げました。
月経は断乳後3ヶ月以内に再来し、現在は妊娠していません。
現在断乳して2年が過ぎ、何故だか急に乳房が張った感じがして何気なく乳頭・乳輪を触ったら、おっぱいが出てきて、腰が抜けるほどビックリしました。
乳腺外科でマンモグラフィーを撮影してもらおうと思っていた矢先です。
しかし、プラスチックの板に乳房を挟んでギュ~と押さえこんだら乳腺を刺激しておっぱいがジュワ~と出てきそうなので、行くに行けません。
でも、放置しておくのは怖いし、どうしたらいいでしょうか?

<SOLANINの回答>
断乳後月経が再来し、リズムも一定でその点は問題なさそうです。
断乳を自己流でしていると、たまに相談者さんのように1年とか2年とか3年とかジワジワ程度ですがおっぱいが出続けることがあります。
今まで気が付かなかっただけかもしれませんが、急に乳房が張って来た感じというのも少し気になります。
念のため産婦人科を受診し、血液検査でホルモンの定量検査を受けてみてはいかがでしょうか?
もしかしたら、おっぱいを作るホルモン『プロラクチン』がハイレベルになっているのかもしれません。
場合によってはお薬の内服による治療が必要になるかもしれません。
でも・・・『プロラクチン』がハイレベルなら、一般的には月経再来しにくく、リズムもバラバラになりがちですから、このお母さんはちょっと違うような気もします。

取り敢えず、受診・受検して、異常が無ければ母乳外来や助産院で対症的に乳房ケアをしっかり行い、おっぱいの処理をしていくことで解決していくと思います。

2014年4月18日 (金)

産後の便秘予防と解消にはアロエがいいのかな?

突然ですが、年配者から便秘予防に効果があるよとアロエジュースを服用するように勧められたことのあるお母さん、意外と多いのではないかと思います。
アロエの成分は複雑なのですが、その中のアロインという成分には強い緩下作用があるので、便秘予防と解消のためということなのでしょうね。
ちなみに成人のアロエエキス(←アロエそのものではなく、アロエ抽出分のこと)の基準摂取量は、50〜300mg/日とされています。
(余談ですがこの基準摂取量に相当するのは、キダチアロエであれは15g程度、アロエベラ生葉であれば20g程度だそうです。)
アロエエキスを高濃度(≒50%以上)含有したアロエジュ―スやアロエジェルにはアロインという成分も沢山含まれているので、母乳育児中のお母さんは、できるだけ避けた方がいいです。

何故かと申しますと、母乳育児中のお母さんが基準摂取量内のアロエエキスであっても服用すると、赤ちゃんの10〜33%にうんちの回数が増えたという報告があるからです。
しかも、疝痛(せんつう・・・刺し込むような強い痛み)を伴う下痢を起こすことがあるそうですから、このアロインという成分は、かなり母乳に移行するのでしょうね。

早とちりしないでいただきたいのですが、市販されているアロエ入りヨーグルトなどに含まれるアロエ加工食品には、これらの症状を惹き起す可能性のある、アロインはほぼ含まれていないので、心配には及ばないでしょう。
アロエの薬効は多岐にわたり素晴らしいと思いますが、こと、母乳育児中のお母さんがアロエエキスを高濃度(≒50%以上)含有したアロエジュ―スやアロエジェルを摂取されることは、赤ちゃんへの影響を考えると、できるだけ避けた方がいいと思います。

あっ、言わずもがなですが、アロエエキスを高濃度(≒50%以上)含有したアロエジュ―スやアロエジェルの摂取は、妊婦さんや乳幼児は必ず避けてくださいね。

もしかして氷食症かしら?

氷食症(=ひょうしょくしょう)って聞いたことがありますか?
文字通り氷を食べずにいられないという症状を主とする病気です。
季節お構いナシに暑かろうが寒かろうが氷ばかりガリガリ食べてしまいます。
定義によれば、毎日製氷皿1皿以上食べてしまうこととなっています。
(最近の冷凍冷蔵庫はタンクにお水を入れておけば勝手に氷が出来るから、一皿っていったらどうかなぁ・・・15キューブくらいでしょうかねぇ?)
誘惑に負けて食べ過ぎると、お腹が冷えたり、口内炎が出来たり、食欲不振になったりすることもあります。
ストレスが大きくなるといつもよりたくさんガリガリしたくなります。

原因としては血液中の鉄分が欠乏していることが多いとされています。
つまり、鉄欠乏貧血やその前段階である、貧血ではないけど、血液検査したら鉄が欠乏している状態でも起こります。

果たして鉄欠乏状態なのか否かは、血液検査をしなくては判断できませんから、かかりつけのドクターに事情を話して血液検査を受けさせてもらいましょう。
検査項目としてはヘモグロビンが正常値(女性ならば11g/dl)以下、血色素値(=MCHC)が31未満、血清フェリチン値が14ng未満/ml、トランスフェリン飽和度(=血清鉄/TIBC)が16%未満であれば鉄が欠乏している状態と言えるので、鉄剤による治療が開始されます。
内服か注射かは病状その他の状況でドクターと相談してくださいね。

妊娠中~出産時の出血によりヘモグロビン等の値が低下しても、出産後は月経再来しない限り、徐々に回復してくる筈なので、氷を食べたい衝動は収まってくる筈ですが、何らかの理由で鉄欠乏状態になっていると、産後も持続して氷食症は続きます。

カラダが冷えるのはおっぱいにも影響しますから、「もしや?」の場合は一度受診されたほうがいいですよ。

2014年4月17日 (木)

予防接種要注意者とは?

先日の記事で、予防接種不適当者についてお話ししました。
予告通り、本日は、予防接種要注意者についてお話します。

どういう方が、要注意者になるのかは以下の通りです。
☆心臓血管疾患・腎臓疾患・肝臓疾患・血液疾患および発育障害等の基礎疾患がある方
(勿論、主治医の判断によるところは大ですが、例えば、慢性の心疾患の方はインフルエンザに感染した場合のリスクが高いので、接種が望ましいとされています。)
(無脾症候群の場合、肺炎球菌ワクチンの適用になります。)
(急性腎不全の方や免疫抑制剤を使用中の方は接種してはいけないとされています。

☆過去に予防接種を受けて2日以内に発熱・全身発疹等のアレルギーを疑われる症状を呈した方。(接種前に皮内テストを実施して、問題なければ接種できます。)
☆接種しようとする予防接種液成分に対してアレルギーを呈する恐れのある方。
(これも上記同様ですな。)
☆過去に免疫不全の診断がされている方および近親者に先天性免疫不全症の方がいらっしゃる方。(生ワクチンの場合、結果的にウィルス感染を呈することもあるので、当然ですが、治療中は避けることになります。)
☆過去に痙攣をおこしたことのある方。
(熱性痙攣であれば、事前にダイアップ座薬を挿肛しておけば、予防効果が期待できます。)
(てんかんの場合、コントロールが良好で、最終発作から2~3か月程度無事に経過されていたら、ワクチンの種類を問わず接種しても差し支えないとのことです。)

☆BCG接種にあたり、過去に結核患者さんとの長期接触がある方や結核に感染している疑いのある方。

・・・だそうです。
アレルギー体質(アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・ある種の蕁麻疹・気管支喘息等)だから、予防接種は全面的に無理と決めつけるのは早計なので、「ホントに接種しての大丈夫かしら?」と、気になる場合は、かかりつけの小児科ドクターに相談してくださいね。

痩せすぎて身体が疲れやすくなる。(完母・6ヶ月)

<ご相談内容>
完母のおかげで妊娠中の体重増加分は1ヶ月ほどで元に戻ったのですが妊娠前の体重より3キロも痩せてしまいました。
痩せすぎると身体が疲れやすくなるのは経験済みだったので、どうにか体重を増やせないかと思っているのですが…
ご飯はいつもの二倍位食べています。
乳腺炎や乳口炎になったこともあり食事はいつもヘルシーメニューで揚げ物や甘いものは極力避けております。
書籍第2弾の実践編のなかにも二人分は食べなくてよいとのことですが、どうすればよいでしょうか?


<SOLANINの回答>
一般的に授乳中のお食事に関しては、妊娠前(大体1750 〜1800Kcal程度)に付加量が350Kcalだったと思います。
体重増加度が標準的な赤ちゃんの場合、これで問題ないのですが、たまにいらっしゃる標準の2倍以上のペースで増加しているような赤ちゃんや双子ちゃんで完母の場合、あっという間に妊娠前よりも痩せてしまうことも少なくありません。(このような方の場合、標準的な方よりも付加量をもう少し多くしても良いのではないかと思います。)
かと言って、カロリー的にハイパーなものを食べ続けると、おっぱいがヤバくなってしまいます。
さて、どうしたものか?
これから赤ちゃんは成長していくにつれ、動きが活発になるので、お母さんの運動量は増えると思いますので、直ぐに体重を増やすことは難しいかもしれません。
但し、体調を整え、疲れにくい身体作りをしていくことは可能です。
具体的には何をどうしたらいいのか?


一つ目は、免疫力が低くならないように、休養をしっかり取ることです。
毎日は無理でも1日置きに赤ちゃんと一緒にお昼寝をするのもいいですし、出来るだけその日の最後の授乳が終われば、一緒に眠るようにしましょう。
夜鍋仕事は止めておきましょう。
二つ目は、カラダを冷やさないことです。
出来るだけ暖かくしましょう。
暑い時期は保清もシャワーになりがちですが、バスタブに浸かるのは、新陳代謝を高めるので良いと思いますよ。
その他、飲み物・食べ物・服装・ツボ等、過去記事をご参照くださいませ。
三つ目は、食材選びです。
バランスよく摂るのは言うまでもありませんが、一歩進んで免疫力を高める食材を、日々の献立に採り入れましょう。
個人的にお勧めの簡単メニューとしては、長芋や大和芋のとろろ汁、納豆、青菜の煮浸し、大根おろしのなめ茸添え、蒸し鶏の梅肉和え、ニラ玉、青魚のツミレ汁等ですかね。(順不同)
それから、ご飯に雑穀を混ぜるのも、目先が変わるし、香ばしくて意外と食べ易いし、いいと思います。
四つ目は、ゆっくりよく噛んで食べることです。
唾液の分泌を多くするような食べ方をしましょう。

追記:産後の激やせは、もしかしたら、ホルモンバランスの変化からくるものかもしれません。
また、貧血になっている方もいらっしゃるようで、そのため疲れ易いということもあるようです。
「おかしいな?」という場合は、無理せず、取り敢えず産婦人科を受診してみましょう!血液検査等で、原因究明できるかもしれませんから。
お母さんが元気でいてくれないと、赤ちゃんは途方に暮れますよ。

双子ちゃんのお母さんの授乳期のお食事について。

授乳中は理屈抜きにおなかが空くものですが、その中でも双子ちゃんのお母さんはおなかの空き方がハンパない状態です。
日本人の食事摂取基準2005年版の妊婦・授乳婦の項目をみると、授乳期の必要カロリーは非妊娠時+450キロカロリーと言われています。
例えば身体活動レベルが低い(=カラダを動かすことが少ない、家事程度)の妊婦さんは30歳未満で1750キロカロリー、30歳以上で1700キロカロリーと言われています。
授乳期はそれに+450キロカロリーということは、2200~2150キロカロリーということになります。

でもこれは、一人の赤ちゃんに授乳する場合で、双子ちゃんの場合は単純計算して+900キロカロリーなので、2650~2600キロカロリーとなります。
これを3食で食べきるのは余程の大食漢でないとさすがに難しいです。
また、完母であれば授乳は1日にそれぞれの赤ちゃんに10回くらいは行っていますね?
ということは、直ぐにおなかが空くことを意味していますので、こまめに食べた方が理に叶っていると言えます。
SOLANINの勤務先でご出産された双子ちゃんのお母さんは、大体5食/日のペースでお食事を摂取しておられます。
5食にすると、殆どのお母さんがおやつはナシでもおなかの空き方がコントロールできるようになります。
毎食定食形式のお食事の準備は難しいでしょうが、ご飯(お握り)と造り置きした味噌汁や野菜の煮物等の和食メニューが一番良いです。
パンや麺類が1食入っても構わないのですが、粉モノは血糖値が急上昇して急降下するので、カロリーの割に腹もちが悪いので、食べ過ぎてしまう傾向が強いです。
ご飯は血糖値が粉モノよりもゆっくり上昇し、ゆっくり下降しますからおなかの足しになるのです。

例えばの話、チョコチップメロンパンの平均カロリーは540もありますが、コンビニお握りで油を含まない具材の1個包みのものの平均カロリーは170です。
私はこの仕事長いですが、おなかの空いている時にチョコチップメロンパンを1/3食べて満足した授乳中のお母さんに未だ遭遇したことはありません。
よく噛んで食べればいいのでしょうが、チョコチップメロンパンをひと口齧って30回噛む人にも出会ったことがありません。(っていうか、途中で気持ち悪くなって飲みこんでしまいますよね?)
でもお握り1個でもよく噛んで食べたらおなかが落ち着くという意見は多くあります。

百歩譲って何食食べようが「お母さんの体重がドンドン減る。」ならもう少し食べる量を足しても良いかな?ということもありますが、そうではなく「お母さんグングン育つ。」だったらそれは誰が何と言おうが食べ過ぎです。
やはり、お食事のカロリーを控えるべきだと思います。

2014年4月16日 (水)

お母さんが産後貧血になったら鉄分を摂取する重要性とは?(若干改訂版)

出産時出血多量になってしまったら、産後の貧血が一日でも早く回復するように努力しましょう。
お母さんの貧血が長引くと、抵抗力が低下したり、家人に協力してもらっているにもかかわらず、身体が疲れ易く産後の回復が遅くなる感じが続くかと思います。

恐らく産婦人科のドクターから鉄剤の注射や内服を処方されると思いますから、確実に指示に従いましょう。
余談ですが、健常新生児の場合、妊娠中にお母さんが貧血になっても速やかに改善すれば、生まれた時に身体の中に予め備えた貯蔵鉄があるから、滅多に貧血にはならないでしょう。
しかし早産児・低出生体重児・お母さんが妊娠糖尿病・お母さんが妊娠高血圧症候群であると、生まれた時に身体の中に予め備えた貯蔵鉄が元々乏しいので、月齢が進むにつれ、赤ちゃんが貧血になるリスクが高まります。

既にご存知のように、おっぱいはお母さんの血液からつくられます。
産後のお母さんが貧血であると、それに比例しておっぱいに含まれる鉄分も少なくなります。
おっぱいに含まれる鉄分の量はそんなに多くはありませんが、人工乳の鉄分と比較してみると、吸収率がとても良いことが判明しています。

あっ、勿論ヒトの身体には、バランスを取るはたらきがありますから、元々貧血が無い場合は、鉄を含む食品を沢山摂ったからといって、おっぱいに含まれる鉄分は増えないので、その点は理解してください。
おっぱいは工業製品ではありませんからね。(汗)

また、月齢を問わず赤ちゃんが貧血であると診断された場合は、小児科のドクターが、お薬を処方されるので、その際は確実に指示に従ってくださいね。

授乳中の月経時の不快症状はどうしたらいいの?

妊娠前、月経困難症・子宮内膜症などがあった方は、妊娠・出産で月経がストップするとパラダイスです。
しかし、やがて月経は再来します。
完母の方ですと、1年くらい月経休止の方も稀ではないのですが、なにぶん個人差のあることですから、「なるべく後に来てほしい。」と願っていらっしゃる方にとって予想外に早いとがっかりかと思います。

月経が再来すると、下腹痛だけでなく、頭痛や吐き気を伴い、日常生活を過ごすのにも苦痛が大きい方も居られるので、大変です。

授乳中ですから、基本、ホルモン剤はNGですから、不快症状は産婦人科受診して、漢方での治療をドクターに相談されてはいかがでしょうか?
頭痛薬の頓用については、カテゴリー「☆おっぱいとお薬」を参考にしてくださいね。
また、時々、貧血症状を訴えられる方がおられますが、月経再来1回で血が薄くなることは無いので、検査まではしなくていいと思います。
妊娠前や妊娠中に血が薄くて(=つまり、鉄欠乏貧血)で、献血なんて到底無理な方であっても、産後数カ月間月経が再来しなければ、比重やヘモグロビン値が献血できるレベルまで改善していることも普通にあるからです。(もちろん、授乳中は献血は出来ませんが。)

頻回直母をしていけば、月経が再度休止したり、経血量が少なくなったり期間が短くなることも有り得ます。

取り敢えず、そのように対応してくださいね。

2014年4月15日 (火)

予防接種不適当者とは?

感染る病気を防いでくれる予防接種は、様々な意味でお子さんに受けさせていただきたいものです。(一部の極端なナチュラリストのお母さんは、全ての予防接種=害悪のようにお考えですが、お子さんには予防接種を受ける権利があります。それを阻害するのは避けてくださいね。)

しかし、逆に世の中には、予防接種を受けたくても受けられない方がいらっしゃいます。
そういう方を予防接種不適当者といいます。
定義としては、以下の通りです。
☆明らかに発熱している方。(そりゃそうだ!)
☆重篤な急性疾患に罹患している方。(例えばRS感染症で入院加療中だったりしたら、無理だわな。)
☆ある疾患にかかわる予防接種液に含まれる成分でアナフィラキシーショックになったことが判明している方。(予防接種液成分によりアナフィラキシー経験があれば、生命にかかわりますからな。)
☆麻疹・風疹・ポリオの予防接種を受けるにあたり、妊娠している方。(例えば抗体の無い妊婦さんが風疹の予防接種を受けたら、おなかの赤ちゃんが先天性風疹症候群になってしまうことは充分想定されますな。)
☆BCGの予防接種を受けるにあたり、外傷(例:各種の怪我や手術痕など)によるケロイドが出来ている方。(ふむふむ、確かにBCGは細かい複数の針でスタンプしますからな。)
・・・以上5つの項目に該当する方は状況的に理解しやすいでしょうが、もうひとつの項目に該当する方は、ドクターの判断ということになるのでしょうね。
☆その他、予防接種を行うことが、不適当な状態にある方。
「ん~、それってアレルギー体質のことなのか?」って解釈してしまいそうですが、そうではないそうです。
アレルギー体質の方は、予防接種要注意者だそうです。
それについては、次回記事化したいと思います。

心身の不調時におっぱい要求に応えるのがしんどい。(1歳5ヶ月)

<ご相談内容>
現在1歳5ヶ月のおっぱい星人の母です。
私は体力がないので完母になるのがとても大変で、母乳の頻繁回数が苦痛なときもありましたが、添い乳などでなんとか乗り切りました。
幸い離乳食はかなり順調で、食べないなどの悩みはまったくありませんでした。
そのような感じで現在のおっぱい星人が出来上がった(?)わけですが、最近かなりのおっぱい欲しい攻撃に悩まされています。
飲ませてあげればいいと言えばそれまでですが、私の精神がもたず…6月に月経再開して精神的にかなりブルーな症状が出てきました。
これまでにもイライラや、育児の疲れから夫や子どもにあたったり、子どもを怒り過ぎたりもありましたが、月経再開からそれが更に激しくなりました。
思い余り、先日婦人科に行き相談しまして、現在漢方薬で様子見です。

ただ、子どものおっぱい頂戴攻撃が、わたしの精神的にかなりブルーであることから来ているのだと思うと、申し訳なくて・・・
それで「このままでは可哀想、やはり、存分におっぱいをあげようと頑張るのですが、おっぱい頂戴攻撃が激しいとまた辛くなります。
子どもの癇癪が辛かったり、泣くのを我慢する行動に心を痛めて自責してしまったり・・・
こんな悪循環をどうにかしたい!どうしたらいい?と自問自答しています。

<SOLANINの回答>
おっぱい星人であってもなくても、幼児期の子どもは病気でない限り、元気が有り余っているかのように感じられます。
お母さんが心身共にくたびれていると尚更強く、そう感じられます。
(嘗て、私もそうでした。)

過去記事でもお話ししたことがありますが、1歳以降の長期授乳に於ける授乳のスタンスの基本は、「欲しがれば受け止め、お母さんからセールスするのは差し控える」だと思います。
けれども、心身共に不調気味の相談者さんにしてみれば、過度のおっぱい要求は、時には辛いことがあるのも理解出来ます。
相談者さんは、現在、漢方薬で心身の不調を整えている状態とのことですから、おっぱい要求の全てに応えるのは難しいこともあるでしょう。
なので、「今はどうしてもおっぱいをあげるのは無理だ。」と、感じた場合は、それはそれで我が子に伝えることも必要です。
おっぱいの要求に無い平常時に、「お母さんは時々、しんどくなることがあるの。すぐにおっぱいをあげられないこともあるの。分かってね。」と、繰り返し根気よくお話ししてください。
勿論、相手は1歳児ですから、直ぐに貰えないと、癇癪を起こすこともあるでしょう。
その泣き声を聞いて余計にしんどくなるかもしれませんが、それでもあげない方が、ラクだと感じる場合は、「お母さんは今は無理なの。ごめんね。」と伝え、抱き締めてあげてください。
ご自分の体調がまずまずであれば、気持ちを奮い立たせなくてもあげられると思いますので、「お母さんは今は大丈夫だから。」と伝え、おっぱいをあげたらいいと思います。
また今後に向けてですが、少しずつおっぱいから距離を持てるように、おっぱいよりも楽しいこと、美味しいものを見つけ、共有し合う時間が持てると良いですね。
ただ、気になるのは、旦那さんです。
相談者さんがイライラしてあたっても、受け止める度量をお持ちの方ですから、きっと心の広い方なのでしょうが、今よりもほんの少しでも助けて貰えたら、また状況が変わるかもしれませんね。
旦那さんにしてほしいことがあれば、率直に伝えた方が話が早いと思います。

PMSでも母乳育児は出来ますか?

PMSという病気、知っていますか?
そう、月経前症候群というアレです。
症状には多様性があり、とても辛いものです。
辛すぎて何かに当りたくなるのも問題です。(困)
SOLANINの勤務先の母乳外来に通って来られるお母さんの中にも、何人かPMSを患っている方がおられます。
もちろん、産後直ぐには月経は再来しにくいので、一般的に再来する時期と言われる3~6ヶ月以降の方が多い割合になりますが。

軽症のうちだったら、イソフラボンを含む豆乳がお手軽だし良いようですね。
ハーブティーを飲んでおられる方もおられます。
授乳中なので、さすがにホルモン剤で治療というのは、いかがなものかと思われますので、そういう場合は漢方薬が選ばれるようですね。
『当帰芍薬散』(とうきしゃくやくさん)など、その方の症状に合うお薬が処方されます。
但し、漢方薬は最短でも2週間くらい服用しないと、効果があるかどうかは判断出来ません。
くれぐれも、数回内服して「効かない!」と焦らないように。
月経血の量が多いと、貧血症状が出る場合がありますが、そうであればきちんと血液検査をしてもらい、ヘモグロビンが低値だったら鉄剤の処方をされることもあります。
痛みがある場合は、カテゴリー「☆おっぱいとお薬」をご精読いただき、授乳中でも安心できる痛み止めを処方していただき、痛みのコントロールしていきましょう。

2014年4月14日 (月)

花粉症でお困りの方に朗報!

花粉症でお困りの方が増えるこの季節、母乳育児中のお母さんの中にも辛い想いをしていらっしゃる方も少なくないとお察しします。
授乳中のお薬については、花粉症関係だけでも点眼薬・点鼻薬・内服薬それぞれに記事化していますので、ご参照いただくとして、普段の生活に役立つグッズは無いかと探しましたら、あるんですねぇ、イイものが。

それはですね、CMでも見られたことがあるでしょうが、もう使っていらっしゃる方もおられるでしょうが、「ク○ス○ヴ○ル」というものです。
ジェル一滴を鼻の外側に塗るだけです。
お化粧をした上からでも塗れます。
しかも、塗ったから化粧が崩れることもありません。
眠くならないですので、車の運転も安心です。

しかも、妊娠中・授乳中の方が使用しても差し支えないことがセールスポイントなんですね。
花粉症でなくても、ハウスダストや埃でくしゃみ・鼻水が・・・という方にも適しているとのことです。
キャッチコピーを見れば、塗った部位にプラスイオンの静電界を作り、プラスの物質は弾き飛ばし、マイナスの物質は吸着して鼻腔内に花粉が侵入するのを防ぐ作用があるそうです。
これまでの花粉症対策グッズとは開発の段階でコンセプトが違いますね。

先に書いた条件に合致する方は、試してみる価値は有ると思いますよ。
価格的には、確か1500円くらいだったと記憶しています。

線維腺腫があっても母乳育児は出来ますか?

乳房の病気の一種に線維腺腫というものがあります。
良性の腫瘍です。
母乳育児は可能です。
ただ、出来ている位置や大きさによっては産後痛くなったりします。(乳腺組織の拡張期は特に痛みを感じる方が目立つようです。)

なにしろ、線維化していますから、その部位からの乳汁産生ということは、期待出来ません。(全くないわけではないのでしょうが・・・)
でも、他の部位から(つまり、正常な乳腺組織から)はフツーに産生されますから、心配無用です。

痛みを伴う場合、じゃがいも湿布や冷罨法はして宥めてください。
直に収束してきます。
対症療法で乗り切ります。

まだ先の話ですが、卒乳して乳がん検診を受ける際は、問診票の記入を忘れずにすることと、線維腺腫の部位をよ~く診てもらいましょう。

2014年4月13日 (日)

出産に向けての心構え。

規則的な陣痛があり、どんどん順調に分娩が進めば何の苦労もありませんが、中には微弱陣痛で分娩が遷延し、耐え切れなくなったお母さんが、泣き出してしまうことがあります。

確かに赤ちゃんに出会うまでに入院から3日も4日もかかれば、大抵の病産院では、「陣痛促進剤を使いましょう!」「もうこれ以上頑張らなくていいから、帝王切開にしましょう!」的な話に向かうことになるかと思います。

でも、おなかの赤ちゃんが思いのほかお元気であれば、産婦人科ドクターによっては、「赤ちゃんんは満を持して自分が生まれたい時に生まれてくるから、大変だけど待ちましょう!」と仰ることもあります。

こういう場合、痛い想いや辛い想いをしている産婦さんの気持ちを代弁すべく、旦那さんや実母さんが、ヤイノヤイノとせっつかれることがあります。
立ち合うご家族としては見ちゃいられない、可哀想、代わってあげられないし、何とかしないと産婦さんの人格が崩壊するのでは?という追い詰められたお気持ちになられるようです。
それは充分理解できますが、それってどうなのか?とSOLANINは思います。

厳しいようですが、出産に立ち合われるご家族のあるべき役割とは、弱音を吐いている産婦さんに同調するのではなく、気持ちを受け止めつつ励ましてあげることや一緒に呼吸法をしてあげたり、腰を擦ったりしてあげることじゃないでしょうか?
簡単な方、楽な方に逃げてしまいたい産婦さんの気持ちを奮い立たせるならともかく、産婦さん以上にご家族がテンパってしまうようなら、立ち合う資格は無いと思います。

そういう産婦さんを甘やかすようなご家族の言葉を聞いてしまうから、「もう、赤ちゃんなんか要らない!」「こんなしんどかったらお産止める!」というあるまじき暴言を吐かれる産婦さんが出現するのだと思います。
おなかの赤ちゃんはお母さんを選んでくれたのに、恥ずかしくないのかと情けなくなります。

昨今の産婦さんは、自分に対して甘ちゃんが増えているのかもしれません。
どんなに辛くても、何があっても、人任せにせず、自分の生命を賭けて産んで見せるくらいの気概を持ってほしいですね。
立ち合われるご家族も、気持ちをしっかり持ってほしいです。

食中毒で入院となり、おっぱいが出なくなった。(1 歳児母)

<ご相談内容>
我が子は丁度1歳になるのですが、先月に私が食中毒のため、緊急入院で(10日間)を余儀なくされました。
入院当初は、先生にお願いして授乳可能な薬で対応してもらい、病室に我が子を連れて来てもらい授乳をして、それ以外では搾乳を頑張ってしていました。
しかし、なかなか症状が改善しないので、泣く泣く授乳禁の薬に変更になりました。
搾乳だけは・・・と、頑張っていましたが、ずっと絶食が続いていたことや、40度の熱があったため、そこまでマメには搾乳は出来てなかったため、おっぱいが出なくなりました。(涙)
我が子が心配で早めに退院をお願いし、そこからは頻回授乳をしましたが、完全には体調が回復してはいなかったことと、食事が思うように摂れず、なかなかおっぱいが元のようには出ませんでした。
しかも、退院して3日目に、また体調不良と発熱で緊急入院になってしまい、絶食と授乳禁の薬の投与が再開となりました。(泣)
再入院の時も搾乳はしていましたが、全くと言っていいくらいおっぱいが出なくなりました。
実母には、「弱っている身体でおっぱいを出すと、栄養が取られて身体が回復しないから、もう授乳は辞めて欲しい。」と、言われましたが、6日後に退院してからは、私は自分の意思で授乳を続けました。
しかし、全くおっぱいがでないので、我が子は大号泣。
しまいには、出ないおっぱいを吸われ続けて、乳首が赤くなり、血豆が出来てしまいました。(汗)
痛くて吸わせる事ができなくなり、身体もなかなか回復しないため、授乳を諦めてしまいました。
私なりに授乳を続けたくて頑張りましたが、もしかしたら、授乳を続けられる方法が何かあったのでしょうか?
SOLANINさんの意見が聞かせて欲しいです。

<SOLANINの回答>
食中毒になられたこと、お見舞い申し上げます。
緊急入院や、再入院になったりで、踏んだり蹴ったりだったのですね。
心身ともに、お辛い状況だったと思います。
おっぱいが好きなお子さんに、出なくなったおっぱいを吸わせて血マメが出来て痛かったこと、大号泣されたこと、それは、その時できる精一杯のことをされてなってしまったことです。
不本意だったと思いますが、体調、特に胃腸の調子が悪い時は、おっぱいにはブレーキがかかってしまいますし、そのせいで、出なくなったことはある意味不可抗力でしょう。
このような厳しい状況での分泌維持のために、何か他に方法があったかとの質問ですが、私にもちょっと思いつきませんし、調べてみましたが、学術的にどうのこうのというものもありませんでした。
相談者さんは出来る限りの分泌維持を頑張られたものの、残念ながら症状が激烈過ぎて、どうにもならなかったのだと思います。
相談者さんは精一杯出来る限りのことをされたのですから、決してご自分を責めないでくださいね。

ところで、出なくなったおっぱいをお子さんはどうしていますか?
見向きもしませんか?
ちょこっと、咥えたりしてますか?
それともニヤ~ッと笑いながら触りますか?
もしもお子さんが、少しでもおっぱいにふれあいたそうな様子があり、それがお母さんの身体的痛みを伴わないことならば、させてあげてもいいのではないかと思います。
おっぱいを飲むのは卒業されたとしても、おっぱいを介してのスキンシップは、そのまま続行というお子さんって、ちょくちょくいらっしゃいますよ。
それはそれで、お子さんの気持ちを受け止めてあげているのですから、おっぱいライフ番外編がスタートしたと解釈判断していただき、お付き合いしてみてくださいね。

乳腺炎ではないのに血乳が出た!(若干改訂版)

妊娠中の血乳について過去に記事を書きました。
産後に乳腺炎になった際、血の混じったおっぱいが出たということも過去に記事を書きました。

しかし、乳腺炎でもないのに、血乳というのは、どうして起こるのか?
現在のところ、原因は不明と言われています。
私も分かりません。

でも、乳房って結構デリケートです。
授乳中の乳腺組織は膨大していますので、そんな乳房に向かって上の子さんが突進してきて乳房にヘディングをかましたら血乳が出たという方には出会ったことがあります。
SOLANINが絶対お勧めしないタイプの超強圧の搾乳器を使い続けた方で、乳汁に血液が混入して本来なら白色の乳汁が淡いピンク色になっているのは見たことがありますが。(汗)
乳がんが気になるでしょうから、心配な場合はスメア検査(細胞診)をしてもらいましょう。
スメア検査は産婦人科でも乳腺外科でもどちらでも対応してもらえる筈です。(事前に電話確認をしましょう。)
結果が出るまでに1週間くらいかかるようです。
(これも過去に記事を書いていますが、バリバリ授乳中にマンモグラフィーは難しいと思います。念のため。)

お母さんが健康であってこその母乳育児です。
ちなみに私は、これまで産後の血乳で「乳がんだった。」という方には遭遇していません。

2014年4月12日 (土)

マタニティーブルーに効く香りとは?

マタニティーブルーの程度には個人差がありますが、多くのお母さんが経験されているのではないかと思います。
それは出産により女性ホルモンのバランスが激変することが、脳に影響を及ぼしているから起こることなのですが、実はマタニティーブルーの改善に有効な香りがあるそうです。

何だと思いますか?
長崎大学の篠原一之ドクターによれば、それは「β-カリオフィレン」という香りの成分だとか。
これはエキゾチックな苦みのある香りです。
アロマセラピーをされている方はご存知かと思いますが、エキゾチックでちょっと官能的で苦みのあるスパイシーな香りです。
精油で言えば、「イランイラン」です。
花で言えば、芳香シクラメンです。
スパイスで言えば、黒胡椒ですね。

該当するかもというお母さん、試してみてくださいね。

乳房マッサージを受けた日は・・・

トラブル症状の自覚の有無を問わず、例えばO式だと週1回定期的に受診して、乳房マッサージを受けることを勧められるようですね。

私は無印マッサージなので、そこまでの受診をお母さん方に自ら勧めることはありません。
乳房トラブル時は早目の受診を促しますが。

さて、乳房のコンディションを問わず、乳房マッサージを受けた日は、乳房の血液循環が良くなっているのか、授乳間隔がうっかり空いてしまったり、入浴して肩までどっぷりと湯船に浸かり乳房を温めてしまうと、“張り返し”状態になって、折角良くなりつつある状態が一歩も二歩も後退してしまいがちです。

そうなってほしくないので、乳房マッサージを受けた日は季節的に暑い位ならば「今日だけシャワーにしてください。」とお伝えしています。
まだ寒い時期は、シャワーではカラダが温まらないので、肩・後頚部・肩甲骨間・下半身・手首にお湯を集中して当ててもらうのと半身浴を組み合わせてもらっています。(乳房はお湯から丸出し状態です。)

みなさんは、乳房マッサージの後はお風呂、どうしていらっしゃいますか?

2014年4月11日 (金)

貰い乳をするから母乳は足りると思います?

貰い乳ってご存知ですか?
本来、AさんのおっぱいはAさんのお子さんのためにありますが、何らかの理由がある場合、AさんのおっぱいをBさんのお子さんに飲ませてあげるという栄養補給システムです。
形態は、搾乳であったり、冷凍母乳を解凍したり、直母であげちゃうなど、様々なバリエーションがあります。

勿論、勝手に飲ませてあげるわけにはいかないので、双方の合意のもとに・・・が大前提です。

SOLANINの勤務先でも、年に1~2組程度ですが、姉妹で3ヶ月と違えずにご出産される方たちがいらっしゃいます。
そういう場合、赤の他人ではない姉妹という心安さから貰い乳という事象が発生することがあります。
姉妹の場合、交互(相互)に授乳し合うというパターンになることが殆どのようですが、一方通行的なパターンになると、貰う方は「ごっつあんです。」で済むでしょうが、あげる方の心身の負担感は結構大きいと思います。

特に、「足りないから」「上手く飲ませられないから」等の理由の場合、貰い乳が長期のルーチンワークになってしまうリスクが高くなるのでヤバいです。(汗)
何か不都合な時、例えば体調不良でおっぱいの調子が良くない時でも、貰い乳する赤ちゃんには罪はないですが、追い立てられた気分になったという訴えを聞いたことがあります。

緊急避難的に一方通行的に貰う(あげる)ことがあったとしても、常態的で一方通行的に貰う(あげる)のは、たとえ姉妹であっても、自分以外の人の褌(ふんどし)で相撲を取るのも同然ですので、止めておきましょう。

授乳中の爪水虫の治療、どうすればいいの?

<ご連絡いただいたこと>
私は過去記事と担当医、そして主人と相談しまして、現在『イトリゾール®』で爪水虫の治療をしているおっぱい星人の母です。
記事の内容からは、『ラミシール®』の方が母乳への影響が少ないように読み取ったのですが、私は『イトリゾール®』を選択いたしました。
『ラミシール®』は6ヶ月間毎日飲み続けるのですが、『イトリゾール®』はパルス療法で1週間飲んで3週間休暇を3クール行うことで爪に6ヶ月間とどまり効果を与え続けると説明を受けました。
ただし、その分、1回の服用量が多いです。
私は、『ラミシール®』で6ヶ月間毎日母乳に出てることを考え続ける日々より、実質3週間のみの服用で済む『イトリゾール®』の方が精神的な負担が少なく済むと考え、そのような選択をしました。
治療を始めて3ヶ月が過ぎ、きれいな爪がはえてきました。嬉しくて爪を眺める毎日です!
本当にありがとうございました。
我が子は1歳3ヶ月。
4月からは保育園に通います。
おっぱい飲みながら横目で私を見てニヤッと笑う姿をまだまだ見ていたいので、保育園に向けて言い聞かせを始めました。
これからもブログを楽しみにしています。
どうぞお体に気を付けてお過ごしください。

<SOLANINからひとこと>
爪水虫は頑固で治りにくいイメージがありますが、最近はパルス療法を選択される方も増えているそうです。
6ヶ月とか長期の内服になると、個人差はありますが、肝機能の数値が異常になったりする場合もあるので。
パルス療法も1クールが大量なので、定期的に肝機能チェックは必要でしょうが…
今のところご無事のようで何よりです。
また、お子さんの方も特に『イトリゾ―ル®』の副作用的症状も発生もしていないご様子で、良かったですね。
爪水虫の治療に加えて、お仕事復帰が目前ですが、それを断乳の言い訳にはせずに、おっぱいとの両立を図ろうとされる姿勢に敬意を表します。
これからもお子さんにしっかり言い聞かせを続けられ、おっぱいが継続出来ればいいなと思いました。(笑)

どこでおっぱいのケアを受けることができますか?

誰も好き好んで、おっぱいトラブルを抱え込むのではありません。
無知と根拠のない過信が、症状を悪化させます。

おっぱいに躓いた時、あなたはどこでケアや相談を受けますか?
「里帰り出産なんで、母乳外来とか助産院とか、どこに罹ったらいいのか分からない。」はブッブーです。
なぜなら、出産前日に実家入りしたわけじゃないでしょう?
時間はあるのだから、万一に備え、おっぱいが上手くいかない場合の避難経路を確保しておきましょう。
土地勘がない方も、保健センターに問い合わせれば、まず大丈夫です。
まちの何処に、ケアや相談に対応してくれるトコロがあるのか、予め確認しておきましょう。
出向かねばならないのか?
家庭訪問してくれるのか?
料金はいくらか?時間は1回何分なのか?
曜日が決まっているのか?

絶対に妊婦さんのうちに確認しておいてくださいね。
そうして一度は乳頭・乳輪チェックをしてもらい、ケアの方法を教えてもらっておきましょう。
退院後にこんな筈ではなかった・・・とべそを掻かずに済むよう
に。

2014年4月10日 (木)

産後の尿漏れ、どうすればいいの?

なかなか周囲に相談しにくいのが、産後の尿漏れだと思います。
程度の差はあれ妊婦さんの10人中9人は尿漏れを体験されているようですが、昨今は産後も軽快せず、それどころか量的にも増えてしまう方もかなりの割合でいらっしゃるようです。
尿漏れに至る原因は、出産時に骨盤底筋群はダメージを受けると、膀胱や尿道の知覚障害を来たすからです。
出産時にダメージを受け易い因子とは、「切迫早産で入院加療を受けていた。」「微弱陣痛で分娩進行に長時間要した。」「子宮口全開から5時間以上要して赤ちゃんが生まれた。」「生まれた時の体重が3500g以上のビッグベビーだった。」「出産後1週間経っても、子宮下垂している。」「経膣骨盤位分娩」「高齢初産」「吸引分娩」等です。(順不同)

産後早期から上の子さんを立位で抱っこやおんぶして歩きまわったり、中身の入った灯油缶やビールケース等の運搬したり、雪掻きをしたり、きついウエストニッパーや引き締めガードルの類を装着したり、腹筋運動をしたり、物凄い馬力で息みながら用を足したり、おなかを押さえながら排尿したりすると、一気に悪化することもあります。

ダメージを受けた骨盤底筋群は、先に挙げたような無茶をせず、無事に過ごしても回復には6~8週間を要すると言われています。
ですので、この産褥期間を無事に過ごし、その時点から骨盤底筋群を鍛える運動をすれば、尿漏れは軽快してきます。
もちろん、骨盤ベルトも回復には効果的ですが、トコちゃんベルトのように、上前腸骨棘よりも下に巻くタイプにしてくださいね。

おっぱいが上手くいかないと、マタニティーブルーになり易い?

そうですね。
それはあると思います。
他のお母さん方のおっぱいは上手くいき、自分ひとりが上手くいかないというか、取り残されてしまったような気がすると言われる方に時々遭遇いたします。
もちろん、客観的に見れば、そうでもないことが殆どですし、上手くいかないとしたらそれは何故なのか?という理由は、お母さんの傍にいる助産師だったら分かると思います。(解決策も・・・)
どっぷりブルーになると、ボロボロ泣いてしまうお母さんもおられます。
でも、スタッフの援助を受けながら、おっぱいが軌道に乗り始め見通しが立てば、途端に元気百倍になられ、笑顔が見られるようになります。

妊娠中からの乳頭・乳輪ケアはWHOも国際認定ラクテーションコンサルタントもは必要ないと表明していますが、SOLANINはそうは思いませんね。
産後シャカリキにならなくても、妊娠中からの積み重ねがモノをいうことを、私は何人もの褥婦さんから学んでいます。
産後はともかく、産前は違うんです。
備えあれば憂いなしってことです。

2014年4月 9日 (水)

妊婦さんのシートベルトの正しい当て方とは?

一昔、いや二昔前は、妊婦さんはおなかの赤ちゃんを圧迫したらいけないからシートベルトはしない方がよいとか、もっと昔だとシートベルトを装着しないで運転していて検問に引っかってもお目こぼし(?)かという対応が取られた時代もありましたが、今は違いますよ。

自動車を運転するにしても、他の席に搭乗するにしても、シートベルトは装着してください。
勿論、おなかの赤ちゃんを圧迫したら・・・という懸念はあるかと思います。

でも、もしも事故に巻き込まれたら、被害を最小限に食い止めるには、やはり装着すべきです。
ポイントは場所です。
大きくなったおなかにダァ~っと巻くのではなく、トコちゃんベルトを巻く部位がお勧めです。
あっ、時々、ショルダーベルトを背中に回している方がいらっしゃいますが、あれはよくないですよ。
きちんと駅伝選手の襷のように掛けてくださいね。

お母さんがうつ病になってしまったら?

<ご相談内容>
現在母乳育児中です。
母親の私がうつ病になってしまいました。
おっぱいと治療が両立可能なお薬も相談したのですが、「最初に強めのお薬でで症状押さえましょう!」と、ドクターから言われ、授乳お休みしてます。
搾乳器もメ○ラハ○モ○ーを買い、再開に向けて頑張っています。
おっぱいをお休みしてから2週間ほど経ちますが、今日の搾乳回数が6回で合計470ml(1回50~130)でした。
もっと回数増やした方がいいんですよね?
我が子は生後93日で5130g、ミルクを1日5回720ml(120~160)あげています。
おっぱい再開出来たらミルクをなるべく減らしたいのです。
しかし、今の量だと完母は難しいでしょうか?
搾乳回数を増やす以外に何か出来ることはあるでしょうか?
もちろん少しでもおっぱいをあげられるだけでもいいのですが、飲んでくれたら出来るだけあげたいので。
アドバイスよろしくお願いします。

<SOLANINの回答>
産後3ヶ月、うつ病になられたのですね。
お見舞い申し上げます。
内服開始され2週間・・・そろそろお薬の効果を実感されてきましたか?
お薬の種類や量については、ドクターと話し合うことですから、私がどうのこうのということではありませんが、強い効果のお薬なので「服薬中は飲ませない。」というルールに従えば、復旧可能になった時に、しっかり分泌してくれるように定期的な搾乳が不可欠と言えます。
飲んでもらえないおっぱいを搾るのは残念だし辛いし、廃棄するなんて、とってもモヤモヤしていると思いますが、お母さんの病状さえ落ち着けば、再びおっぱいをあげられる日が来るのだから、そこは辛抱してね。

過去記事にも書きましたように、分泌の維持としての搾乳はは400~500ml/日は欲しいトコロです。
総量については、このくらいで良いかと思います。
しかし、搾乳回数が6回というのは、どうしてなのかな?
もしかして、深夜爆睡ですか?(汗)
深夜はおっぱいを作るホルモンが昼間の2倍は多いですから、私としては赤ちゃんのお母さんにフル回転の夜なべ仕事をしろとは申しませんが、せめてあと1~2回/日は短時間で良いから、搾乳回数を増やしてくださいと、書きたいところなのですね。
「搾乳回数を増やす以外に何か出来ることは有るでしょうか?」と仰っても効果的な乳頭への刺激を与えることが分泌維持のための王道ですからね。
何かをするよりも、まず搾乳回数を増やされることが先決ですよ。
お食事やたんぽぽ珈琲やハーブ茶のお話も過去に書いているけれど。
何処の何を優先するか、考えていた方が良いと思います。

完母に戻せるか否かは、そのお母さんの搾り方が大きな要因です。

追記:コメントをくださった読者のみなさんへ
その後、相談者さんは、成育医療センターで内服しておられるお薬が授乳可能か否かのコンサルトを受けられ、幸い授乳可能であることが判明したので、罹りつけの精神科のドクターとも相談の上、内服しながら授乳再開されることになりました。
おっぱいの分泌は維持できたとのことでした。
ドクターからは赤ちゃんの様子を定期的に診てもらうことと、授乳再開して相談者さんの症状が悪化しないかどうかを観察していくということでした。
直母ブランクはあったものの、赤ちゃんは乳頭混乱なく、相談者さんのおっぱいに吸いつけたとのことで、何よりでした。
赤ちゃんの飲み方も助産師に看てもらわれ、上手に飲めていると言われたそうです。

兎角、精神科のお薬を内服することになると、断乳止むなし的なイメージは有りますが、必ずしもそうではないのですね。
授乳可能かどうかを然るべきところで調べてもらうためのアクションを起こすこと、お母さんの病状や赤ちゃんの様子を診て貰いながら授乳していくこと、どうしてもNGのお薬であれば、搾乳して分泌を維持するということ等、何に気を付けたら良いのかということ、何が出来るのかということを今一度振り返ってみることが大事なのですね。
焦ってはいけないですが、1日も早いご回復を心からお祈り申し上げます。

月経再来は人工的にするものなの?

<ご相談内容>
出産した病産院から「産後1年経っても月経が再来しなければ、人工的に月経を再来させるので、受診してください。」と言われました。
現在赤ちゃんは5カ月で、まだまだ先のことではありますが、ホントにそうしなくてはいけないのでしょうか?

<SOLANINの回答>
最近読者さんになられた方で、まだ過去の記事を読破していらっしゃらないお母さんからの質問です。

以前からの読者さんはご存じですよね?
おっぱいをあげていたら(特に完母だと)、月経の再来は遅れることが多いこと。
おっぱいをあげていて月経が再来しないのは産後1年であっても、それ以降でも異常ではないこと。
月経の再来が遅くても、子宮や卵巣が干物のように干からびたりしないこと。
エコーで見ると、確かに子宮が小さく見えるし、縮んでもいるが、それは病的所見ではないこと。
月経の再来を心配すべきは、卒乳して満3カ月を過ぎてもない場合で、その時こそ、人工的に月経を再来させなくてはいけないということ。
おっぱいをあげることで、骨密度は低下せず、かえって骨の貯金ができること。
・・・などなど。

心ある産婦人科のドクターは、無闇に患者さんを怖がらせるようなことを仰る筈がないですよ。
ただし、別件ですが子宮がん検診の受診が2年以上間隔が空くのは良くありません。
「そういえば・・・」という方、ご自分の健康管理の意味で必ず受診をしてくださいね。

2014年4月 8日 (火)

お母さんがばね指になってしまったら?

ばね指って知っていますか?
弾発指というのが正式名称です。
妊娠中から産後にかけて、なり易い病気です。
ホルモンなバランスが通常とは全く異なる状況にあることと、慣れない子育てで手指の誓い過ぎが原因とされています。
このあたりは腱鞘炎とほぼ同じですね。

症状としては、「ある特定の指が曲げ難い感じがする。」「じゃんけんのグーからパーをすると、ある特定の指だけ伸ばせない。」というのが特徴です。
リューマチの患者さんの手のこわばりとは少し違います。
なぜなら、リューマチの患者さんはある特定の指だけではなく、手指全体が強く強張ってしまうから、ばね指とは違いますので、注意してくださいね。

対処方法は腱鞘炎と同じように考えてもらったらいいです。
患部の安静が第一です。
冷やすことは良くないので、温かくして血行促進するくらいのつもりでお願いします。
お風呂以外でも温かいお湯に手指を浸したり、使い捨てカイロで温めた上で、じんわりゆっくりなグーパー体操もしてみてください。(もちろん痛みが強い場合は安静が大原則です。)
最終的にはステロイドの注射や手術もあります。
しかし、産後の方はホルモンバランスが整ってくると、症状が落ち着いて来ることも想定されます。
いきなり手術!ということは無いかと存じます。
貼り薬や塗り薬の類は、授乳中でも使用可能ですが、どのような成分のお薬が良いかは、過去記事等を参考になさってくださいね。

産後子宮が下がってきた?(産後1ヶ月半)

妊娠すると、段々大きくなり重くなる子宮を支えている靭帯が緩みます。
内臓下垂傾向になります。
具体的に見られることは、切迫流早産・痔・尿漏れなど。
困ったことばかりです。
産後は赤ちゃんと胎盤・羊水の重みがなくなり、子宮も段々収縮してきますから、靭帯にかかる負担は少なくなります。
また。若いうちは靭帯が伸びきっていても筋肉でカバーできる場合もあります。
しかし、現代人は骨盤底筋群のチカラそのものが昔の人たちよりも弱くなっていますから、産後子宮下垂傾向になることもあります。

予防としては、産後第一歩行までに骨盤ベルトを正しく装着することです。
それでも用便でいきんだり、咳き込んだりして腹圧がかかると、子宮が下がるならば、是非とも産婦人科を受診して診察してもらってください。
初期のうちは、セルフで押し込んだら元に戻ることもありますが、受診時は敢えて下がった状態で診てもらいましょう。(ドクターに正しく判断してもらうためです。)

程度によっては骨盤底筋群を鍛える体操だけで回復することもありますが、リングの装着を勧められることもあります。
(このリングは避妊用のリングとは違います。)
それで何とか持ちこたえられることは、多々あります。
いけないのは放置すること。
症状が進行して単なる下垂にとどまらず、完全に脱出して還納出来なくなるからです。
いよいよ酷くなったら、手術して子宮を摘出しなくてはならないことも想定されます。
そうなるまでに、早めに産婦人科を受診しましょう。

2014年4月 7日 (月)

うちの子の哺乳量って少な過ぎませんか?(新生児)

<ご相談内容>
私の赤ちゃんは生後10日目です。
ものすごく眠りがちな赤ちゃんのため、退院迄に直母が上手くできませんでした。
1回哺乳量は0~22g程度で平均で14gくらいでした。
それでも、母乳分泌はまずまずで、退院時に取り敢えず
搾乳を補足するよう、助産師さんから指導されました。
搾乳の1回量は30mlで、1日に8回以上あげるようにとのことでした。

ところが先日、同級生で私よりも先輩ママの友人から、「ええっ!1回の搾乳が30mlって少なくない?」「それっておかしいよ!うちなんか、退院日から1回量で80mlは飲ませてたよ。」と言われました。

病院では、哺乳量が足りているかどうかの目安で、おしっこやうんちの話は聞いています。
その規準は満たしているようです。
でも、1回量が30mlと80mlでは違いすぎます。
友人の話を聞いてから、言い知れぬ不安でいっぱいです。

<SOLANINの回答>
おっぱいが軌道に乗るには、1にも2にも頻回直母です。
だから、赤ちゃんにはこまめにしっかりと吸啜させてほしいです。
けれども相談者さんの赤ちゃんは、眠り王子か眠り姫なのですね。(汗)
こういう場合、おっぱいの分泌が伸びにくいことが多いけれど、相談者さんのおっぱいの分泌は良さそうで幸いでした。

そういう理由があるから、退院時に定期的な搾乳の補足が必要ですよと助産師から指導されたのだと思います。
ただ、相談者さんは、ご友人のお話を聞かれてから、搾乳の1回量が30mlというのが少な過ぎだと思うのですね?

赤ちゃんの体重が分からないので、正確ではないかもしれませんが、仮に3000g前後の標準的な出生体重だとしたら、現時点が生後10日目だし、直母で少しは哺乳できているので、特に少ないとは思えません。
入院中に直母が概ね10g台はあったということは、頻回直母をしつつ、指導された量と回数の搾乳の補足をすれば、普通に赤ちゃんは育ってくれる筈です。

ご友人の赤ちゃんは退院日から1回に80ml哺乳していたとのことですが、それってほぼ完ミの赤ちゃんではないですか?
ミルクの缶蓋には「~2週間 / ~80ml」って記載されていますからね。
そもそもですが、完母と完ミって、似て非なるものなので、同列に論じること自体、ナンセンスですよ。
どっちが良いとか悪いとか、正しいか間違っているとかじゃなくて、お互いの規準というか目安が別物なので参考にならないんですよね。

恐らく相談者さんは、妊娠中に母乳育児について、特に学ぶということが無かったのではないですか?
なので、退院時の助産師からの指導を受け入れきれなかったり、ご友人のお話を聞いてお気持ちが揺れるのではありませんか?

生後10日目の眠り王子や眠り姫に搾乳やミルクを1回に80mlも補足しちゃったら、爆睡いや昏睡しちゃいますから、頻回でなくても直母自体が不可能になっちゃいますよ。
退院時に指導した助産師の気持ち、SOLANINにはよ~く理解できますよ。
「赤ちゃんに頻回直母をさせたい。」「でも、直母だけでは発育に必要な哺乳量を賄いきれない。」「幸い母乳の分泌は良い。」「眠り王子や眠り姫である。」「搾乳の補足は必須である。」「但し1回量を増やすと頻回直母は不可能になる。」そこで、落としどころとして1回量が30mlという判断になったのでしょう。
充分に妥当じゃないかしら?

気になるなら、近日中に母乳外来を受診した方がいいと思いますよ。。
あっ、でも、ここまで考えて指導してくれているのだから、SOLANINが申すまでもなく、近日中に受診だったりして。(笑)
違いますか?

お母さんがド・ケルバン病(=狭窄性腱鞘炎)になってしまったら?

ド・ケルバン病・・・SOLANINよりも、整形外科領域で働く看護師さんか、現在罹患しているお母さんの方がお詳しいかと存じます。
甚だ僭越ではありますが、リクエストも有りましたので、記事化させていただきます。

ド・ケルバン病は腱鞘炎の一種です。
解剖学的な説明は・・・小難しくなるので、ここでは敢えて省きます。
腱鞘炎と言えば手指を長時間酷使する事務系のお仕事や編み物の先生、ピアニスト等の職業病のように思われるかもしれません。
かつて私が看護学生だった頃も講義ではそのように教えてもらいました。

しかし、助産師として働き始め、特に産科退院後のお母さんと出会う機会が増えてから、腱鞘炎になられるお母さんにちらほら遭遇することが今もなお続いています。
「何処が痛むのですか?」とお尋ねしたら、殆どの方が手首の親指側を押さえられます。
腫れてくることも有ります。
親指の使い過ぎ(過剰刺激とでも言いましょうか)でその部分腱鞘が肥厚したり傷が付いて、親指を使うと激痛が走ります。
親指を使った作業ではなくても、例えば親指を握りこんでグーを作って、手首を小指側に倒すと手首の親指側が「うっ!」と呻くような痛さを感じれば、ド・ケルバン病である疑惑があると思われます。

医学書によれば産前産後や更年期の女性に多く見られ、ホルモンバランスの変化で起こるとされています。
(個人的には産前から発症している方にはまだ遭遇したことがありませんが・・・)

症状の改善には一にも二にも患部の安静なのですが、産後は赤ちゃんのお世話が山ほどあり、なかなか患部の安静が困難な状況かと思います。
軽症の段階であれば、湿布を貼ったりサポーターで保護したりで凌げることも可能です。
ただ、一旦軽快しても再発し易いのがド・ケルバン病の難儀なトコロです。
「おかしいな?」と感じたら、早めに整形外科受診されることをお勧めします。
というのも、先にも述べましたようにド・ケルバン病の治療には安静第一なので、重症化すると、赤ちゃんのお世話ですらストップの指示が出されることさえあるからです。
現実問題として、赤ちゃんのお母さんとしてそれは不可能ですし、万一そんなことになったら大変です。
但し、内服薬でも湿布薬でも「おっぱいは止めましょう!」と断乳を迫る整形外科ドクターも中には居られますから、受診前に必ずカテゴリー「☆おっぱいとお薬」の記事や“お母さんが腱鞘炎になってしまったら?”の記事を熟読され、母乳育児を中断する必要性のないお薬を処方していただき、赤ちゃんのためにご自分のおっぱいを守りましょう。

おっぱいをあげていると月経の再来は?

おっぱい星人のお母さんの産後最初の月経はいつ再来するのでしょうか?
個人差が大きいものですから、一概には申せませんが、平均で3~6ヶ月といったところでしょうか。
でも、完母でも産後2ヶ月にならないうちから月経が再来する方もおられます。
かと思えば、1年経っても2年経っても月経とは音信不通の方もおられます。

おっぱいをあげていて、月経が再来しないのは決しておかしいわけではありません。
元来、おっぱいを造ったり、出したりするホルモンと月経を再来させようとするホルモンは真逆なので、卵巣が冬眠状態になっているってことです。
頻回直母をしていると、再来しにくいです。
頻回直母であっても、1日のうち、どこかでバーンと授乳間隔が空くようになれば再来する可能性はあります。
一旦は再来しても夜泣きなどで夜間授乳が頻回になると、再び卵巣が冬眠状態になり、再来しなくなることもあります。
多様性があるのですね。

気をつけるべきは、おっぱいを卒業して、丸3ヶ月を過ぎても、月経再来にウンともスンとも音沙汰なしならば、一度産婦人科を受診し、調べてもらいましょう。

2014年4月 6日 (日)

お母さんが肺炎で入院してしまったら?

<ご相談内容>
熱が下がらない為先程再度受診しましたところ…肺炎になっていました。
両肺二ヶ所肺炎になっているようでもしかしたら入院かも…との事。
入院でなくとも強い抗生剤を服用・点滴するので断乳してくださいと言われてしまってあまりのショックに貧血で倒れてしまいました。

息子は混合から完母になり、ミルクは受け付けません。
blogを読ませて頂き、ほとんどの薬が大丈夫と書かれていたので「母乳を続けたい・大丈夫なのでは?」と伝えたのですが答えはNG。
このあと検査の為大きな病院へ行くのですが悔しくてなりません。

<SOLANINの回答>
重症の肺炎で入院しなくてはならないにしても、強い抗生剤を服用・点滴しなければならないにしても、断乳なんて冗談ぢゃないです。
肺炎を治療するのに抗がん剤を使うわけぢゃあるまいし・・・ねぇ?
抗生剤を使うのはスタンダードな治療ですからねぇ。
いくら考えても、断乳の必要性が分かりませんね。
肺炎治療で断乳だなんて・・・無茶苦茶だわ。
受診先を間違えてしまったかな?

ここまでお返事を書いて、念のためブログ訪問をしましたところ、大きな病院で検査をされ、肺炎は誤診で、抗生剤投与されても母乳育児は継続できるとドクターから説明があったとのこと。
緊迫した様子ははるくんママさんの記事に訪問して、体感してください。
とても他人事では済まされない、母乳育児中のお母さん必見の記事だと思います。
記事のURLをこの下に貼りますね。

↓         ↓          ↓         

http://ameblo.jp/sana0926/entry-10643213713.html

世間には色々な方がいらっしゃいますが、ドクターにも色々な方がいらっしゃいます。
ドクターといえどご専門は様々ですし、母乳育児に理解のある方ばかりではないのが現実です。
母乳育児には全く興味が無くて、母乳もミルクも変わりゃあしないだろう?くらいのスタンスの方も少なくないです。
産婦人科・小児科以外ののドクターであってもご自身が母乳育児を実践されたか、奥さまが母乳育児を実践され、且つ旦那さんに強力にレクチャーされでもしない限り、治療開始=断乳宣告の図式が罷り通ってることは否定できません。

受診先により母乳育児継続の可否の判断が180度変わる・・・恐ろしいことです。
今回は誤診という事件も有ったようですし。
お母さんが病気になった時の病産院選びも重要だと痛感しました。
読者のみなさんも気を付けてくださいね

妊娠中の授乳って?

一昔前や今でも母乳育児に関心が薄い病産院では妊娠中に授乳をしているなんてことを、ドクターに言おうものなら、凄い剣幕で『今すぐやめないと、おなかの赤ちゃんがダメになってしまうわよ。(怒)』・・・by細〇和〇・・・っぽく恫喝されがちです。

これまで流産を繰り返しているとか、今現在逆子でおなかが張りやすいとか、双子のため管理入院せざるを得ないとか、子宮頚管が短縮していて切迫早産で点滴が必要な危険な状態だとか、そういうリスクを抱えている妊婦さんは念のためおっぱいは止めた方がいいこともあります。
でも、妊娠経過が順調ならば、断乳しなくてはなんて考えなくても大丈夫です。
お年寄りは『お腹の子が奇形児になる。』とか、どこにそんなエビデンス(=根拠)があるのかというような言葉を仰います。
その心配は全くなしです。

因みに妊娠中に上の子におっぱいをあげていらっしゃったら、妊娠中の乳頭・乳輪のお手入れは不要です。
先日は陣痛室で、お母さんが呼吸法を頑張ってるその場所で、上の子さんが、おっぱいに吸い付いておられました。
現役のおっぱい星人が頑張ってくれたおかげで、上手くいきます。
パワーの凄さが分かると思います。

2014年4月 5日 (土)

それって冊子読んでおけばいいんですよね?(ある日の退院指導にて)

読者のみなさんが産科入院中に退院指導や沐浴指導などを受けられた時、病産院が作成した冊子を使うことってありませんでしたか?
記載内容がかなり詳細だったとしても、どんなに読解力のある方であっても、初めてご出産された方にとっては、到底目を通した程度では、すべての内容を理解できるものではなかったと思います。
やはり、助産師から口頭で補足説明を受けたり、理論だけではなく実践的な例を挙げえもらうことで理解が深まったのではないでしょうか?

「だったら最初から書いておいてよ!」と、仰る方もいらっしゃいますが、紙幅の関係で補足説明や実践的な例まで書くのは不可能です。
なので、極稀ではありますが記事タイトルのように、「それって冊子読んでおけばいいんですよね?」「今日は面会者が多いから、指導は今日じゃなくても後日で結構ですけれど。」的な発言の褥婦さんに遭遇すると、SOLANINは非常にカチンと来ます。
もしもそれがホントならば、学校の勉強なんて不要になりますから。
自宅でボチボチ教科書読んでおけば、学習内容はすべて理解できてるってことになりますから。(汗)
でも、実際はそうじゃないですよね?

目を通しておくのと内容を理解するのとでは、全然違いますからね。
逆に、ご自身の賢さをアピールしたいのか何なのか存じませんけれど、こちらが話をさせていただく前に知ったかぶりをされると、「イタイ」です。
ここまで申し上げても、まだ違いが分からない方は、相当○○なのだと思います。

お母さんの抜け毛が酷くなってしまったら?(産後2ヶ月半)

<ご相談内容>
早速ですが、質問させてください。
2ヶ月半の娘がおり完母で育てていますが、最近になり一段と抜け毛が増え、毎日ビクついています。
産後から抜け毛はあったのですが、量がどんどん増え、束ねてる髪の量が明らかに減ったのを感じています。
一人目の時もこの時期の抜け毛はありましたが当時よりひどいです。
また、一人目の時に美容師さんに言われたのは、普通産後抜けるのは前髪あたりだけど、私は頭頂部が減ってるようで、今回も主人から「ちょっとつむじ周辺が…」と言われかなり落ち込んでいます。
色々調べてみたら、授乳中はホルモンバランスの影響でやむを得ないとか、栄養が母乳でとられているからとか、授乳と関連つけて書かれていたり、授乳との関連はなく、妊娠中はホルモンの影響で抜けにくくなり、それが産後一気に抜けるとか、育児のストレスが影響しているなどと色々書かれています。
一人目は授乳量が減ってくる7~8ヶ月頃には抜け毛も減った記憶があるので、母乳と抜け毛は関係あるのかなと思ってますが、完母だけど抜け毛はほとんどないと言っている友人もおり、謎ばかりです。
ホルモンバランスなら仕方ないと思うしかないのでしょうが、栄養面やストレスだったら改善出来るはずと試行錯誤しています。
お時間があるときで結構ですのでよろしくお願いします。

<SOLANINの回答>
抜け毛の原因は人それぞれのようですが、個人的にはホルモン説を取っています。
もちろん、ストレスもあると思いますが、妊娠中切迫早産で絶対安静で、WCもベッド上排泄・入浴禁止・食事制限あり・面会制限あり…なんて方も居られますが、そんな妊婦さんで抜け毛バサバサという方にはまだお目に掛かったことがないからです。

それと妊婦さんの頃、冷たいものを食べ続けたり、クーラーガンガンの職場で働いてたり、露出の多い服装だったり、果物や果菜ばかり食べたりしていた方は酷くなり易いと言われています。
つまり、冷え説ですな。
尚、授乳中でも育毛剤は使用されても大丈夫です。

大人の病的なシャックリを止めるには?

赤ちゃんのお母さんには滅多にないことですが、少し前に出産されたお母さんの実父さん(透析中の方)で、シャックリが止まらなくて難儀したというお話を伺いました。
なんでも、24時間ひっきりなしにシャックリが出続けたそうです。
しかも、その方はその状態が1週間も続き死ぬほど辛かったとか。
病院でお薬を貰ったけれど効果はなかったそうです。(泣)

それで、困り果てていたら同病の患者さんから「柿のヘタを煎じて飲めば治るよ。」と聞かれたそうです。
藁にも縋る思いで、漢方薬局で柿のヘタを買い求め、煎じて内服したところ・・・何と驚くべきことに、30分後に完全ストップしたとか。

柿のヘタ自体は、ごぼう子などと同様に、それ自体が漢方薬というのではないのですが、「シャックリ止め」には劇的な効果がある民間薬のようです。
これといった副作用も無いそうです。(なんせ柿のヘタですから・・・)

もしも、読者のみなさんの周りにそういう方がいらしゃったら、是非教えてあげてくださいね。

2014年4月 4日 (金)

お母さんがヘルペスになっってしまったら?

<読者さんからのメッセージ>
質問ではなく、感謝の気持ちをお伝えしたてメッセージさせていただきます。
2840gの男の子を出産しました。
1ヶ月健診まではなかなか体重が増えず、毎日泣きながら授乳をしていました。
でも、このブログに出会って記事を全部読んでから、母乳も軌道にのって、小さめ君ではありますが、いま4ヶ月で6500gと成長曲線にそって増えてくれています。
先日行ったO式のマッサージでも「よく出ているし、おいしいおっぱいですね。」と褒められました。
ところが先週発熱の後に、持病のヘルペスが顔にできてしまいました。
近くの皮膚科を受診したら「バルトレックス
®を出すから2週間ミルクにしなさい。」とさらっと言われました。
しかし、過去ログで「大丈夫。」と書いてあったので
、遠方の出産した病院にも確認をとったところ「大丈夫。」ということでなんとか母乳育児を続けることができました。
授乳時に完全に患部に蓋をして、消毒をして、息子に触るのも授乳時だけと家族に助けられながらの日々でした。
私は育児休業は1年で仕事復帰なので、自由に母乳を与えられる時期に限りがあるため、おっぱい星人の息子との時間を大切にしたく、このブログに助けられています。
本当にありがとうございます。
これから離乳食も始まります。
楽しみながら、こちらのブログで勉強させていただきます。

<SOLANINのお返事>
ヘルペス、痛かったでしょう?
しかもお顔にできては頬擦りも出来ないし、それよりなにより、お坊ちゃんに感染ったらどうしよう?おっぱいは続けられるのか?と心配が山積みだったかとお察しします。
そんな中、お近くの産婦人科を受診されたのは、決して間違いではなかったのですが、残念なことにおっぱいとお薬に関してあまりお詳しくないドクターだったようで授乳可能な『バルトレックス』を2週間授乳禁止と指導されてしまったのですね。(汗)

この読者さんの賢明なトコロは、「あれ?ホントの授乳禁止だったかしら?何だかおかしいぞ。」とアンテナを立てて、過去記事を検索してくださったこと。
そして、念のためにとご出産された病院(恐らく母乳育児推進病院ではないかと推察します。)に確認を入れられたこと。

そうすることで、ご家族の協力を得ながら、治療しつつおっぱいを続けて行けました。
この読者さんの対応は授乳中に病気になり、服薬が必要になった場合の理想的な対処法と言えます。
素晴らしい対応に拍手です。

母乳育児中なのに月経再来しちゃったよ~。(汗)

完全母乳のお母さんですと、産後の月経の再来は平均で3~6ヶ月と幅があります。
しかし、かなり個人差があり、いつ再来するかはその時にならないと、判りません。

再来すると、おっぱいの味が変わったり、分泌量が低下するといわれます。
(特にO式のセンセイが・・・)
赤ちゃんは敏感なので、もしかしたら、引っ張り飲みしたり、グズグズすることもあるかもしれません。

でも、恐れないで!
いつもより、おっぱいに良いものを食べたり、頻回直母をしていけば、月経中は乗り切れますよ。
授乳間隔が空くようになると、卵巣の働きがブロックされているのが解除されるから、再来しやすくなるのです。
赤ちゃんの哺乳リズムが変化して、また、こまめにおっぱいを欲しがり、授乳間隔が詰まってきたら、期間が短くなったり、経血量も減少したり、再びブロックされて、音沙汰なしになることもあります。

2014年4月 3日 (木)

母親学級を自ら進んで受講してくださいっ!

SOLANINの勤務先はBFHです。
あのWHO/ユニセフから、赤ちゃんにやさしい病院として認定された施設です。
日本中の分娩受け入れ施設が2000余りですが、BFH認定施設はそのうちまだ70ヶ所に満たないので、母乳育児支援についてはプレミアな存在と言えます。
SOLANINの勤務先はBFH
認定を受けてもう何年も経過しているので、近隣の方にもそのネームバリューはじわじわと拡散しています。
そのせいか、ここ2年ほどは最低限の事前学習も準備も放擲して、「んなもんは助産師に任せときゃいいんじゃね?」的な方達がちらほら出現するようになり、とても困惑しています。
何の根拠もないのに、「1人目はおっぱいが上手くいかなかったけれど、今回はBFHだから何とかなるかな?」とか「BFHって普通にしていたら、完母でいけるらしいよ!」的な、安易且つ超楽観的なスタンスで遣り過ごそうとする妊婦の風上にも置けない方達です。

そりゃあまぁ、肩肘張らずに自然体で母乳育児ができたらいいと思いますよ。
でもね、BFHだからって変に安心しちゃって、母乳育児に関する事前学習がゼロの方って、マジで「イタイ」です。
確かに運が良ければ事前学習ゼロでも、おっぱいは出るし、赤ちゃんは飲んでくれるでしょう。
ただ、こういうことを運任せにするのは間違っています。

BFHでなくても、真っ当な病産院であれば、母乳育児に関するコマの母親学級はあります。
しかも殆どの病産院では、母親学級の受講は無料です。
母親学級って、妊婦さんの事前学習としてはこれ以上はないくらい好適なものなのに、困ったことに最近はSOLANINの勤務先でも受講しない方達が増えているのです。

お仕事が休めない?
ん~、まぁ、そういう方もいらっしゃるでしょう。
でも、ご自身の妊娠・分娩・母乳育児を真摯に考えている方は、振り替え休みや代休などを活用して、どうにかスケジュール調整されて受講されていますよ。
(っていうか、お仕事されている方の受講率は意外と良いのです。妊婦さんとしての意識が高い方が多いと実感しています。)
SOLANINが理解し難いのは、それなりに時間に余裕のある専業主婦or無職の方で初めての妊娠&病産院のスタッフから妊婦健診のたびに勧められているのに、一向に受講しない方達です。
多分ですが、未受講の理由は・・・面倒くさいんでしょうね。
でも、それって大人なのに、しかもこれから人の親になるのに、あまりにも無責任過ぎませんかねぇ?
母乳に関して産後グダグダになる未受講者を見るたびに、「ほら、言わんこっちゃない!」「下地ができていないから、直ぐに躓くのよね。」とこぼしたくなります。

自ら母乳育児に関する命綱を断ち切っておいて、問題発生したら「どうにかしてくれ!助けてくれ!」と言われてもねぇ。
なんか違うんじゃないか?と、げんなりします。
SOLANNの本音としては、「初めて妊娠したのなら、言われなくても都合つけて母親学級くらい受講しなさいよ!最低限の事前学習なんだからさ!」です。

えっ?「それだったら、いっそ受講を強制にすればいいのでは?」ですって?
ん~、SOLANINは、母親学級の受講って自ら進んでするものだと思います。
やらされている感満載では、学びとして有効ではないから。
だから、母親学級の強制受講は避けたいのです。

お母さんが結核になってしまったら?

結核・・・病名は聞いたことがあっても、何となくピンとこないかもしいれませんね。
まず、症状から診て「結核では?」という疑いがあれば、ドクターは検査をされます。結核か否かの検査は喀痰の培養・塗抹・PCRの3つの検出検査やツベルクリン反応・レントゲン等があります。
それぞれに利点と欠点があります。
例えば培養は検出感度が高く、信用性も高いのですが、液体培地という早くできる方でも結果が出るのに1~2週間もかかります。
塗抹は1時間以内に結果が出るのですが、10000個以上の菌の数が必要なので、万一それ以下であれば?という危険性があります。また、結核菌は抗酸菌の一種ですが、結核菌なのか非結核性抗酸菌なのかの区別がハッキリしませんし、菌が生きているのか死んでいるのかの区別がつきません。(汗)
PCRは2日以内に結果が出ますし、結核菌か非結核性抗酸菌かの区別がつくのですが、菌が生きているのか死んでいるのかの区別がつきません。(困)

ツベルクリン反応は・・・みなさんご存知ですね?
レントゲンも分かると思います。

そして、もしも「開放性結核」である。と診断されたらどうなるのでしょう?
結核菌は空気(飛沫)感染をしますから、「開放性結核」というのは、排菌しているということを意味します。

赤ちゃんへの感染予防のため一時的に隔離ということもあるかもしれません。
詰まり、直母ができないということです。
但しそんな状況であっても、結核性乳腺炎のようなレアケースでなければ、おっぱいの中には結核菌は検出されないので、搾乳はあげられます。

(赤ちゃんに症状が無くても予防的に抗結核薬『イソニアジド
®』を投与することになり、その後母子同室・授乳再開…というのが標準的な治療方針のようです。)
もちろん、念のため家族も結核感染の有無を検査されることを勧められるかと思いますが、それは想定内だと自覚してくださいね。

結核に感染していることが発覚しても、排菌している「開放性結核」でなければ感染の危険性はありません。
ですから、闇雲にお母さんから赤ちゃんを隔離したり、授乳禁止にするエビデンスは無いですね。
「開放性結核」ではないという診断基準はお母さんがツベルクリン反応陽性でも胸部レントゲン所見に異常がない場合や胸部レントゲン所見に異常があったとしても喀痰培養等で感染性が無いと判明している場合です。
もちろん、「開放性結核」でなくても治療は必要です。
咳や微熱等の気になる症状が収まっても、自己判断で服薬中止だけは絶対にしてはいけません。
通常は、万一隔離になっても、2週間の治療を受けて、検査結果で感染性は無いと診断されたら、それ以上の隔離は不要とされています。
『イソニアジド®』等の抗結核薬はおっぱいに出てはくるものの、赤ちゃんへの影響は報告されていません。
っていうか、赤ちゃんにも結核感染の予防的として『イソニアジド®』が直接投与されるのですからね。
冷静かつ論理的に判断して、「大丈夫であろう。」ということはご理解いただけるかと思います。
私はかつて「開放性結核ではない。」と診断されて母乳育児を継続していたお母さんに出会ったことがあります。

ストレスって怖い!

SOLANINの勤務先でご出産された初産婦さんで、双子ちゃん達のお母さんがおられました。
在胎週数の関係で、二人とも近くのNICUのある病院に新生児搬送されました。
入院中の経過は順調で、1ヶ月にもならないくらいで、揃って退院されました。
その間、お母さんは懸命に搾乳され、1日のおっぱいの分泌量は約400mlまで、増えていました。
双子ちゃん達は直母とミルクの混合栄養でしたが、いきなり自宅(実家)に連れて帰るのは大変なので、同室して双子ちゃん達に慣れるため慣らし入院をすることになりました。
(因みに、このように元の病院に帰ることをバックトランスファーといいます。ちょっとカッコいいでしょ!?)
ただでさえ、授乳は大変ですが、いきなり二人はもっと大変です。
助産師が付き切りで介助しましたが、入院されて3回目のおっぱいで、ピタッとおっぱいが出なくなったんです。
搾っても滲むくらい・・・
あれれ、おっぱいどうなっちゃったんだろう?
恐らく、極度に緊張したり、頑張らなくてはと意気込みが強かったので、お母さんのカラダがびっくりしたのだと思われます。
初日の夜は無理させず、スタッフが双子ちゃん達をお預かりして、とにかく眠ってもらいました。
朝から授乳でしたが、お母さんがお食事と水分をしっかり摂れるように配慮して、ボチボチでいいからと、慣らし授乳を進めていきました。
同時授乳などを行い、授乳回数がそれぞれ8~10回/日になるようにしていき、お母さんの体力の消耗を最小限に食い止めるようにしていきました。
それから丸3日して、おっぱいの分泌は復活して、ほどなく母子が退院されました。

2014年4月 2日 (水)

お母さんが腱鞘炎になってしまったら?

授乳中のお母さんで、手首を捻じって抱っこする癖がある方、あるいは私のように手を酷使する職業の方は腱鞘炎になることがあります。
整形外科受診すると、塗り薬を処方してもらうことになるかと思います。
ドクターによってはご多分にもれず、「おっぱいは止めてね。」と指導されるかと思います。

でも、断乳なんてしなくていいですからね。
「え~、でも、『インテバン®クリーム』でも大丈夫なの?」と、以前、某病院の看護師さんに尋ねられたことがあります。
いわゆるインドメタシンは妊婦さんは使用禁止ですし、キツいお薬であるというイメージが強いのですが、授乳中のお母さんが内服してもおっぱいに移行しにくいタイプのお薬だということが判明しているのですね。(臨床的には産婦人科ドクターはあまり処方されることは無いですが。)
まして、塗り薬でしょ?
過去記事にも書きましたが、塗り薬・・・は、外用薬の一種ですね。
(外用薬とは、塗り薬だけではなく、点眼薬や点鼻薬や貼り薬等を含みます。)
外用薬は内服薬よりも血液中への移行が少ないコトは、みなさん憶えていますよね?
『インテバン®クリーム』を塗った部分を赤ちゃんが四六時中ペロペロ舐めているわけではないでしょうし。
母乳育児中だからといって、腱鞘炎の痛みを我慢して、必死に耐える必要性は無いのですよ。
腱鞘炎も軽度のうちなら、塗り薬を使用して、ポジショニングを変更したり抱き方を変えることで、炎症による痛みはラクになることもあります。

質問です☆風疹の抗体価はありますか?

私はご出産後のお母さんの母子健康手帳を見る機会がとても多い立場にいますが、最近、風疹の抗体価が無い方(=×8↓)をよく見かけます。

風疹の抗体価がなくても、ご出産直後は特に問題ないのでしょうが、やがて、次の赤ちゃんを希望された時が大変危険なのです。

今の赤ちゃん(その頃はお兄ちゃん・お姉ちゃん)が幼児期以降になると、集団生活が開始されます。
つまり、色々な感染る病気をお家に仕入れてこられる機会がど~んと増えます。
そうすると、たまたまMRワクチンを受けていないか、受けられても万一
抗体が出来ていなかったら、お母さんが風疹に罹る恐れがあるわけです。

で、もし、お母さんが妊娠初期だったら、おなかの赤ちゃんが先天性風疹症候群になる可能性が大なんです。
2012年、2013年風疹の流行は凄まじかったです。
何の罪もないおなかの赤ちゃんが、何故先天性風疹症候群になってしまうのか?
妊婦さんに抗体さえあればこんなことにはならなかったので、本当に痛ましい限りです。
それは風疹を軽い病気と見做したり、自分には関係ないことだと思い込んだり、妊婦さんにとって風疹の抗体が無いことがどんなに恐ろしいことかという認識が足りないからだと思います。

いかなる事情があろうとも、この先何年後かは分からなくても、赤ちゃんを授かろうと予定している方がそういうスタンスでいることは、間違っています。

これから授かる筈のわが子を被害者にしないためには、ご出産後出来るだけ早い時期に産婦人科のドクターにお願いして、風疹の予防注射を受けられることをお勧めします。
受けられたら、抗体の出来る時期、つまり、接種後8週間迄は避妊を完璧に行ってくださいね!

2014年4月 1日 (火)

乳頭損傷の有無は、赤ちゃんの口唇で見分けられる!

大きなお口を開けておっぱいに吸いつくことが出来たら、口唇に吸啜胼胝は出来ません。
上口唇の真ん中の少し内側に「大きな水疱か?」それとも「ビーバーの歯か?」ってな吸啜胼胝を拵えているのは、おちょぼ口さんの証ですな。
ぱっと見て大きなお口を開けて吸いついているように見えても、「まだまだ下手っぴちゃんだなぁ~。」の段階です。(泣)
つまり、直母にあたりテクニカルな面で未完成なので、お母さんの乳頭頂には発赤や亀裂などの損傷が発生し、授乳時に痛みを伴うことが多いです。

吸啜胼胝は形成されていないのに、乳頭損傷が出来ることがあるとしたらどんな場合があるか分かりますか?(月齢が進んでからの咬み傷は除きます。)
考えられるパターンは、ひとつ。
低出征体重児の場合で、テクニカルな面では問題無しでも、どうにもこうにもサイズ的にお口が小さい場合です。
直母開始前は口唇を見ても全くピンと来ないですが、直母終了直後に見ると、口唇全体が白色系のリップを塗ったみたいな色目に変化していることがハッキリ分かります。
これは、口唇にレイノー現象を来しているっちゅうことですな。
数分後には口唇の色は普通に戻っていますから、直後に確認しないと見過ごしてしまいますぞ!
この場合、乳頭頂の痛みはさほどではなく、乳頸部に亀裂が生じたり、強い痛みを感じます。
テクニカルではなく、サイズの問題ならば、表現がナンですが、ガンガン飲ませて体重を増やしさえすれば、比例してお口のサイズも大きくなるので、解決は早いと思います。

吸わせ方対策としては、過去記事をご参照頂きたいのですが、トウィティーの嘴作戦と、大きなお口を開けたタイミングでのラッチオンの励行です。
痛み対策としては、患部に乳首リングを嵌めて冷罨法してから直母するか、キズパ○ー○ッ○®を貼付して直母するかで凌いでいるのが妥当です。

お母さんが酷い便秘になってしまったら?

妊娠・出産から体質が変わる方もおられます。
特に産後便秘になる母乳育児中のお母さんは稀ではありません。
なぜかというと、ゆっくりWCに座って(しゃがんで?)いることが難しいからです。
赤ちゃんのお世話は忙しいですからね。
授乳回数も多いし・・・

それと、完母のお母さんは最大で1リットル(双子ちゃんのお母さんはその2倍?)くらい/日のおっぱいを分泌していらっしゃいます。
しかも、おっぱいの成分で水分は88%もありますから、1リットルのおっぱいのうち、0.88リットルが水分としてお母さんのカラダから毎日抜けていくわけです。
もちろん、食品にも水分は含まれますが、ご飯やリンゴで水分の計算するのって、事実上不可能ですね?(そんな煩雑な計算はやってられないですよね?)

では、どうすればいいのか?
私はコップや汁椀で大まかなカウントをすることをお勧めします。
お母さん自身のカラダに必要な水分も考えて、コップや汁椀での計量できる形で1.5リットル/日は摂られた方が良いとお話ししています。(これは産後になり易い膀胱炎の予防でもあります。ある程度水分を摂らないとおしっこに行く回数が、産後はがくんと減りますからね。)
(あと、水溶性と不溶性の食物繊維を含むものをバランスよく摂取することは言うまでもありませんね。)

それでもなお便秘であるならば、下剤の登場です。
「☆おっぱいとお薬」にもあるように、『マグミット®』『ラキソべロン®』は授乳中でもOKですね。
下剤を使用しないと、便が硬くなったり、いきみ過ぎて痔になることもあります。
市販の『ボラギノール®』は使用OKですが、下剤で排便コントロールをした方が苦痛が少ないのではないでしょうか?
便秘はおっぱいにも良くないですから、早めの対応が望まれますね。

子宮がん検診っていつ受ければいいの?

まず、最初に申し上げたいのは、何歳であっても、最初に妊娠の疑いで産婦人科を受診した際、頸管スメア(=子宮の入り口のがんの検査)をされてから1年経てば、もう1度頸管スメアを受けてほしいということです。
百歩譲って赤ちゃんが生まれてから1年経てば受けてくださいませ。

もしかしたら、この記事を読んでいる方の中には「私、妊娠初期に子宮がんの検査なんて、ドクターに頼んでないし、受けた覚えないんだけど・・・結果なんて聞いてないけど?」というお母さんがおられるかもしれません。

でも、妊娠しているかもしれない女性が産婦人科を受診して、子宮がんの検査をしないなんて絶対にありえないのです!

どうしてかって?
それは、妊娠というものがお母さんのカラダに与える影響が物凄く大きいからです。
妊娠というものは、ざっくり説明すると、卵と精子が受精して、着床することですね。
受精卵の大きさって知っていますか?
尖った縫い針で突いたくらいです。
そんな受精卵が最終月経初日から約280日かかって、3000g前後にまでおなかの中で育まれるのです。
途方もない大変化なんですね。

当たり前ですが、旦那さんは、入籍していても、どんなに愛していても生物学的に他人です。
受精卵が着床しても、半分は自分(=お母さん)ぢゃないものを、おなかの中で時間をかけて育まないと胎児として進んでいけないんです。

ここで思い出してほしいのは、臓器移植!
自分以外の臓器が生着するには、免疫抑制剤などを投与して、「新しい臓器は異物じゃないよ。自分の臓器として稼動するんだよ。」とカラダに言い聞かせて拒絶反応を押さえ込んでいるから、成立するんですね。

ということは、お察しの通りです。
妊娠はお母さんのカラダの免疫力を自然に低下させることで、成立するんですね。
大したものです。
しか~し、感心ばかりしちゃいられません。
免疫力が自然に低下しているということは、感染る病気に罹りやすくなっているし、もうひとつ、もしも「がんの芽」がお母さんのカラダにあれば、妊娠の経過と共にアウトブレイクしちゃうってことを意味します。
果たしてこの妊娠を続けても良いのかどうか、を知るために頸管スメアはどうしてもしなくちゃいけない検査なんです。

医療全般に穿った見方をされる方は、妊娠の疑いのある方に頸管スメアをすることに、「病院がファストフードのセットのように、儲けようとしてルチン化しているんじゃないか?」とか「費用対効果として、適切なのか?」と、言われます。
それらはとても残念な発言です。
数年前、代理母問題で話題になった、向井亜紀さんのことを思い出してくだされば、きっと理解してもらえると、思っています。

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