へんてこりんな保健指導1
乳頭混乱のため、搾乳を中心にあげておられるお母さんに出会うことがありました。
赤ちゃんは33週で出産し体重的に小さく、最初のうちは点滴に繋がれ、保育器に入っていて、授乳もままならなかったそうです。
やがて鼻注が抜けて、哺乳瓶による授乳に変わり、さてようやく直母をしようとしたら・・・全く出来なかったとか。
それから血の滲むような努力をされ、直母も30g/回くらいは出来るようになったそうです。
そこまでは良かったのですが・・・
しかし幾らなんでも30g/回では少ないので、止むを得ず搾乳の補足を続けていました。
段々赤ちゃんの要求量が増えて追いつかないが、どうしたらいいのかという相談でした。
よくよく聞いてみると、出産した病産院では、「3時間以内に欲しがるようなら、3日毎に搾乳の1回量を10mlずつ増やせばいい。」と指導されたとか。
赤ちゃんの体重は退院時は3400gくらいに増えていましたが、その時点での直母はおおむね30g台、それに搾乳を70mlずつ、3時間毎に補足していたそうです。
よく泣くので、言われた通りに3日毎に搾乳1回量を10mlずつ増やしていき、SOLANINの勤務先の母乳外来を受診された退院12日後には搾乳1回量が110ml×8回/日まで増やされていました。
何だかおかしくないですか?
日齢が進み、直母の練習に付き合うならともかく、搾乳の量を増やせってねぇ。
だいたい、元々の搾乳の量が多過ぎますね。
3400gの生後1ヶ月の赤ちゃんに対し、直母の他に800ml/日くらい、搾乳を哺乳させていたそうですから。
「これ以上、搾乳出来るかどうか、自信ないんです。おっぱいをあげるって、こんなに大変なんですか?」と、そのお母さんは涙目で尋ねられました。
その保健指導のペースで増やし続けたら、生後2ヵ月半くらいには、搾乳だけで最多量ならば210ml×8回/日も与えなくてはならなくなります。
搾乳だけで、1680ml/日も哺乳するんですよ。
赤ちゃんの胃の腑に納まるわけがないんです。
そんな馬鹿な話がありますか?・・・ナンセンス極まりないでしょ?
他人様の保健指導にケチをつける気はありませんが、これは酷すぎるので、修正させてもらいました。
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コメント
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子供が卒乳してから1年3ヶ月になり、
久しぶりにブログを訪問しました。
ソラニン先生、まだ連日更新されているのですね。
また新しい記事を見ることができて嬉しいです。
私は子供が産まれてからやっと母乳にするかミルクでもいいか考え始め、
でも幸いなことに産んだ病院が新しいメンバーの母乳推進派だったので、
自然と母乳を目指す方向に導かれました。
二時間おきの授乳でしたが、その合間にブログを読み、
他の母乳育児の本も多数斜め読みし、
楽な方向へ、楽な方向へ…とやっていったら、完母へ行き着くことができました。
夜中の調乳は、体力のない私には無理でした。
重ねがさねお邪魔して申し訳ありませんが、
おかげで息子も2歳になりました。
おっぱいを自分からやめたのは、
その後も息子の自律につながっていると思います。
ありがとうございます。
投稿: 田舎のデグー | 2014年5月22日 (木) 00時39分
お久しぶりです。いつもありがとうございます。お陰様で自然卒乳を果たし一年になろうかとしています。約四年半のおっぱいライフを過ごせたことに感謝しております。
さて、久々に書き込みに来ましたのは今朝のテレビで「くる病」についての放送があったからです。母乳育児や離乳食の遅れが誘発原因みたいな言われように何かしら違和感を覚えました。
過去記事を見つけ出し安堵しましたが、母乳育児中のママを批判する材料にされかねないと思いました。
ブレないことが大切なんですが。
また見解をお聞かせ頂ければ幸いです。
それでは、これからも頑張って下さい。
投稿: ぶぅぶ | 2014年5月22日 (木) 10時37分