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2014年6月の記事

2014年6月30日 (月)

小児科選択のポイントは何だろう?

あるお母さんからご自分の体験談を聞かせていただき、思うことがあったので、この記事を書きますね。

小児科選択のポイントは何だろう?と。
小児科は15歳までの子どもを丸ごと診てくれる診療科ですね。
息の長いお付き合いになりますから、選択にはいくつかのポイントがあるかと思います。
ウチの子どもたちは3人とも小児科を卒業したのですが、かつて自分が転勤族だった頃、その土地で小児科を選ぶにあたり規準にしてきたことを、思いつくままに挙げてみます。
1)自宅から近いこと。・・・どんな名医でも車で1時間以上かかるのは、万一の緊急時を考えると一抹の不安があります。(万一の緊急時はQQ車という手段も有りますが、QQ車をタクシー代わりにしてはいけないのでね、。)
2)お母さんとの相性・・・どんなに名医でも、常にお母さんが気を遣わなくてはならないオーラの出ているドクターは、正直言ってしんどいです。
3)子どもが好きであること・・・俄かには信じ難いでしょうが、子どもが好きでなくても小児科のドクターになる方はいらっしゃいます。
4)病状や検査やお薬の説明をきちんとしてくれること・・・「検査結果?異常ないよ。」「取り敢えずお薬出しときますからちゃんと飲んでね。」「この用紙読んでおいてね。」だけではNG.。
5)お話の時、全く目が合わない・・・シャイなのか?という気もしますが、人の目を全く見れないって、どこか変です。
6)えこひいきしない・・・好みのタイプのお母さんの子どもだけ優遇するのはイカンでしょう。(でも、結構この手の話、聞くんですよね~。まぁ、ドクターも人の子だから分からんでもないけれど。でもやはり倫理的にイカンですよね!)
7)ミソクソ一緒にしない・・・例えば一般診療と、健診・予防注射を一緒くたに同じ待合室・同じ診療時間にするのは、おかしいです。
待合室や診察室を分ける・時間帯で診療を分ける等の配慮が必要です。
8)病診連携ができている・・・入院の際の受け入れパイプが出来ているか?退院後のフォローを元のトコロでしてもらえるのか?
9)お薬を混ぜないこと・・・風邪の時、思うんですが鼻水は止まったけど、咳が残る時、お薬が全部混ざってたら、不要な成分を摂取することになる。分けてくれていたら少なくともその心配は無いし。
10)個人差を考慮してくれる・・・赤ちゃんの体重は標準よりも大きくなければならないと思い込んでいるドクターは、標準よりも小さめの体格の赤ちゃんを認めないというか、厳しい眼で見てしまいがちですね。
体重よりも運動機能や頭囲の状況を鑑みることをしてくれるかどうかは、重要です。

 それから、少し話がズレますが、ドクターショッピングは決して良くないけど、セカンドオピニオンは聞いてもいいと思います。
特に現在受けている治療はこれでいいのか?という場合はね。

ラッチオンのダメ出しは躊躇わないで!

赤ちゃんが上手にラッチオンが出来ているかどうかの見え分け方は、過去記事にも書いてありますから、読者のみなさんはよ~くご存知かと思います。
(そして、花畑妊婦さんには衝撃の事実でしょうが、すべての赤ちゃんとお母さんの組み合わせで、最初から上手にラッチオンが出来るわけではないですね。)

明らかにラッチオンが上手くいっていない場合は、お母さんの乳頭がどんどんズタボロになってしまいます。
乳頭頂の発赤くらいでは済まず、水疱や血疱を形成したり、亀裂が入ったり、出血したり・・・というように、重症化してきます。
1回傷が付くと、治りきるのに数日から3週間くらいかかることもあります。
治りきるまでは、お母さんはラッチオンの瞬間から30秒~1分間は、痛みを堪え続けてはなりませんよ。


上手くラッチオンが出来てさえいれば、赤ちゃんがリズミカルに吸啜し始めて30秒~1分間経てば、最初におっぱいを吸啜された時の激痛が緩和されてきます。
逆に1分間以上激痛が続くなら、上手にラッチオンできていないのは明らかです。

お母さんが1分間以上痛みを堪え続けたままおっぱいをあげることを繰り返すと、赤ちゃんが勘違いしてしまいます。
つまり、より一層下手っぴなラッチオンを助長することになり、軌道修正が困難になってしまう恐れが大きいのです。


下手っぴなラッチオンに対しては、「今のラッチオンはなってないよ!」という注意喚起・警報発令することは想像以上に重要です。
お母さんが乳頭の痛みを堪え続けたら、赤ちゃんが上手にラッチオン出来る・・・ってものではないのですね。

時にはダメ出しが5回10回と続くかもしれません。
でも、ダメ出しをして、ラッチオンのやり直しをしなくては、「乳頭が痛く、傷がちっとも軽快しない」「時間ばかりが過ぎてゆく」「なのに量的に飲めない」という三重苦からの離脱が遅れるだけなのですわ。


ですので、稀にでも上手にできたら褒めちぎって、「今のは上手だよ。いつもこういう風にしてくれたらたくさんおっぱいが飲めるし、お母さんは助かるんだけどな。」と、赤ちゃんに対し、アピールしてください。
赤ちゃんがこの先、勘違いし続けないように、そして、出来るだけ早く上手なラッチオンをマスターするためにも、下手っぴなラッチオンに対してはダメ出しを躊躇わないでくださいね。

2014年6月29日 (日)

その時はそうするしかなかったのでしょう。でも・・・

経腟分娩で安産と言われた方よりも、難産だと言われた方や帝王切開をされた方の方が、退院時までに白湯や糖水や人工乳の補足をせざるを得なかったり、退院時も混合栄養になられる方が多いのが現実です。
BFHであってもそれは否定できません。

その原因の多くは、母体の疲労だとされています。
体力を消耗されたお母さんの身体のリペアが優先されるからだと。
確かにお母さんの産後の肥立ち(?)が悪ければ、色々不都合を来すであろうことは目に見えているでしょうし、フラフラで座ることも覚束ない状態で、「頻回直母をしましょう!」というのは、酷な気がします。

そう、そうなんです。
しかも、お母さんの口から「済みませんが、私2日も眠っていなくて、もうカラダがボロきれみたいなんです。せめて今日の夜だけでも寝かせてもらえませんか?」とか、「添い乳でおっぱいをあげるにしても、おなかの傷と腰が痛くて堪りません。痛み止めのお薬が切れているようですが、次のお薬の内服をしてもいいと許可された時刻にはまだなので、ホントに辛いんです。暫くの間、授乳は勘弁してもらえますか?」みたいな訴えをされると、スタッフはどうしても赤ちゃんを病室に連れて行っての直母ですら腰が引けてしまいます。
またお母さんに疾患があり、例えば重度の妊娠高血圧症候群で血圧がめっちゃ高かったりすると、安静第一なので添い乳すら難しいこともあります。
流れ的に、「仕方ないですね。それじゃあ朝になってから赤ちゃんをお連れしますね。」とか、「痛み止めのお薬が効いた頃に出直しますから、その時は赤ちゃんにおっぱいをあげましょうね。」とか、「血圧が下がったら授乳できると思いますので、その時まで待っていてくださいね。」となってしまいます。

そうなると、生後24時間以内の直母回数が、出生時以外で7回以上になることは殆ど不可能になります。
下手をすると、次の24時間の授乳回数も8回以上になることが難しくなります。
その後やっとお母さんの身体がまともに動けるようになられても、そこからは頻回直母(10回以上/日)で頑張られたとしても、それこそマンツーマンでスタッフが授乳の度に介助して適したポジショニングと正しいラッチオンをしているかどうか目を光らせ張り付いていても、最初から頻回直母が出来ていた方にはなかなか追いつけません。(涙)
偏におっぱいの分泌のための起動スイッチが入るのが遅いから。

お気の毒ですが、それが現実です。

勿論、「せめて一晩だけでも寝かせてほしい。」とか、「痛み止めが効くまでは病室での添い乳を待ってほしい。」と懇願されたお母さんに母性が欠如しているわけではないと思います。
お母さんの口からそんな言葉が出るということは、よほどのことがあったか最悪な体調たからだと、SOLANINは忖度(そんたく)できます。
血圧が高いお母さんに至っては、疾患なのだから授乳したくても出来ない状況なわけで、これは不可抗力だと思います。
つまり、その時はそうするしかなかったんでしょう。(涙)

ですが、そのツケが倍返し以上の確率でやって来るのもまた現実です。
「あの時、無理を押しても直母回数を落とさないようにすればor疾患さえなければ、
少なくとも今よりはおっぱいが上手くいっただろうに。」という想いは、常にSOLANINの胸の中には渦巻いています。
過ぎたことをあれこれ言ってもしょうがないのですが。

まぁこういう場合は、分娩がスムーズで頻回直母が普通に出来たお母さんの倍以上頑張らない限り挽回は難しいので、退院後も3つの「あ」(=「あせらず」「慌てず」「諦めず」)でいくしかないと個人的には思いますね。

自動車での長時間の移動について。

ご実家が遠方ですと、普段の交流が難しいですから、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの長期休暇で帰省される読者さんもいらっしゃるかと存じます。

 オトナだけの帰省ならば、どうということもないのですが、赤ちゃんを連れて行くなら状況が変わってきます。
優先したいのは乗り物に乗る時間が最小限であることです。
予算もあるのでしょうが、ここは奮発してもらうことをご決断願います。
 

仮に赤ちゃんが道中昏々と眠り続けているなら、何時間かかっても大丈夫かもしれませんが、そんなことは有り得ないですね。
自動車は小回りが利きますし、休憩も自由ですが、長期休暇中は渋滞に巻き込まれる可能性が大きいですし、お父さんお母さんが交代で運転されたとしても疲労度が大き過ぎます。
また、赤ちゃんも「長時間」同じ姿勢を取らなくてはならないと、むずがるなと要求するのは可哀想ですし、そんなの無理ですね。
かと言って、チャイルドシートから出してあやすのは危険です。
こちらがマトモな運転をしていても誰かに追突でもされたら、赤ちゃんは吹っ飛んで車外に放り出されます。
これが新幹線や飛行機ならば国内の移動ならば「長時間」になることは、稀になります。
気圧の変化でむずがることもありますが、おっぱいを飲ませたら治ります。
また、基本的に抱っこして歩いても差し支えありませんね。
座席予約の際におむつ交換や授乳の場所について確認しておけば、まごつかなくても済みますね。

 「長時間」をどう定義するかですが、オトナであっても仕事もしくは睡眠時間以上であれば、間違いなく「長時間」と言えると思います。 

キツい表現で恐縮ですが、赤ちゃんの体力の限界を超えた要求を「言い聞かせ」るのは親御さんのエゴになります。
百歩譲って、それでも「長時間」自動車での移動を強行されたとして、道中運良く赤ちゃんがいい子で居てくれても、現地に到着したら何時間も号泣し続けることは、十分に想定されます。(SOLANINも大昔5時間半の自動車での移動で懲りた経験があります。)
超機嫌の悪い赤ちゃんを宥め続ける役割は、一体誰がすることになるのでしょうねぇ?
「そこまでしなくてはいけない帰省って何なんだ?」と思いませんか?
帰省は一番体力のある方のペースに合わせると失敗します。

 理想を言わせて貰うならば、赤ちゃんのいらっしゃるお家は月齢が小さいほど祖父母の方が会いに来てくれるのが良いと思います。

ポジショニングは軌道に乗るまで勝手に変更しないでね。

飲み残しを作らないようにするには、普段から様々なポジショニングで飲ませてあげるのが理想です。
そうすることで、赤ちゃんの授乳テクニックが上達され、乳房トラブル発生時に効果的なポジショニングでの授乳がすんなり出来、改善に繋がることを私は過去記事でも書いてきました。
であれば、「この記事タイトルは矛盾しているのでは?」と思ってしまう方も居られるかもしれませんね。 

言葉足らずにならないように、私がこれからお伝えしたいのは、おっぱいが立ちあがり始める産後3日目から退院間際に授乳介助をしてくれた助産師から、「●●抱きが一番合うわね。」(若しくは「●●抱きにしてね!」)」とアドバイスを受けた方に対してなのです。
少なくとも「母乳育児を応援しています。」と、公言している病産院であれば、助産師が様々なポジショニングを日々教えてくれるかと思います。
その際、「●●抱きが良いかな~♪」というアドバイスと、「●●抱きが一番合うわね。」(若しくは「●●抱きにしてね!」)というアドバイスの意味は月とスッポンほどに違うのです。


「●●抱きが良いかな~♪」の意味は、「どのポジショニングでもOKだけど、乳房の張りやしこりの出来そうな位置を考えてより一層そうした方がいいですよ。」ということです。「ある程度お母さんにお任せしますよ。」というニュアンスですね。
極端に言えば、ポジショニングに関しては助産師は見守りだけで大丈夫と思える方に言う言葉なのですね。
反対に「●●抱きが一番合うわね。」(若しくは「●●抱きにしてね!」)の意味は、「入院中色々やってみたけれど、現段階では●●抱き以外の方法では、乳首を歪めたりつぶしたりのヘンな飲み方をしたり、哺乳量にならないから、おっぱいが軌道に乗るまでは、万全を期して、ポジショニングをいじったらダメだわ。」ということなのです。
「まだまだひとり立ちとは言い切れませんよ。」というニュアンスですね。
ビシッとモノ申す助産師であれば、「●●抱き以外はしないでね!」と、強く念を押されてしまうこともあります。
中には助産師の強圧的な言い方に気分を害されるお母さんも居られるのでしょうが、基礎(=その母子に最適なポジショニング)をマスターすることが最優先事項なので、悪く思わないでくださいね

2014年6月28日 (土)

掛け布団を蹴って寝冷え?

季節を問わず、赤ちゃんに掛け布団を被せても被せても蹴って跳ね除けてしまうこと、ありますよね?
いたちごっこというか、キリが無いというか・・・

 そこで質問です。
赤ちゃん(幼児も含め)は眠たくなると、おててが温かくなりますよね?
あれは、何故だかご存知ですか?
寝入るにあたり、体温を下げるための自然の摂理ということを知っていますか?
そういう時は、よく触ってみたら足先も温かくなってます。
こういう場合は掛けなくていいんです。
 

えっ、何も被せずに寝かせるのかですって?
そうは言いません。
赤ちゃんは眠りが深くなってくると、今度は手や足先が冷たくなってきます。
これは、さっきの逆でこれ以上体温を下げないようにというカラダのサインなんです。
こうなってから掛け布団をかけるといいタイミングなのです。
赤ちゃんが掛け布団を蹴って跳ね除けるのは、タイミング的に早いってことです。
タイミングを誤らなければ、寝冷えは予防出来ます。

お母さんの絶妙なハンドアシストが必要なこともある!その2

授乳開始した産科入院中、乳頭・乳輪の奥(過去記事風に表現すれば、スィートスポット)が硬いのは、お母さんのカラダが冷え症で、しかも妊娠中の乳頭ケアが出来ていないためであることが多いです。
そのままでは深くラッチオンが出来ないことがしばしば起こります。
(出来たと思っても、じきに浅くなってきて、まともラッチオンが出来ていないのですね。)
同名記事のその1のように、圧迫授乳をしてもいいのですが、それだけでは難しいですね。
それはある程度開通し、分泌も良くて、例えば搾乳がスムーズに20~30ml/回程度は出来るようになってからの話です。
それまでの初期のうちはどうしたらいいのか?

 それは、「先搾り」若しくは「先ほぐし」と言われる、乳輪の用手(用指と表現した方がより適切か?)マッサージです。
あまり痛いことはしたくないのですが、元々乳管が詰まっているであろうことに加えて、初乳や移行乳はねちょいですから、痛みを伴うこともあります。
乳輪の大きさにも依りますが、人さし指の幅一本分(だいたい1.2~1.5cmくらいだと思います。)乳輪の外側からマッサージします。
それを赤ちゃんにラッチオンさせる前に毎回行います。
滴たったおっぱいは捨てるのは勿体ないので、小さなカップ等に受けて後で飲ませましょう。
 

赤ちゃんがまともにラッチオンして量が飲めるようになるまでは続けてください。
1日10回以上の頻回直母をしていけば、やがて授乳前であっても乳頭・乳輪がソフトになって来ます。
その段階になれば、この作業は不要になります。
念のため申し添えますが、季節や気候にかかわりなく、このような状態の場合は冷たい飲み物を摂るのはNGですよ。

2014年6月27日 (金)

寝落ちの際のガブリが苦痛。(2歳2ヶ月)

 

<ご相談内容>
いつも、勉強させていただいてます。

相談です。
家の子供は、2歳2ヶ月です。ブログを読ませていただいて、また、私が出産した病院が、母乳育児に熱心だったこともあり、有難い事に完母でここまできました。もちろん、今もおっぱい星人です。
今のところ虫歯もなく、歯も生えています。自然卒乳するまで、おっぱいライフを満喫しようと考えています。

しかし、添い乳で入眠するのですが、眠ると必ず乳首を噛まれてしまいます。
私もウトウトしてしまい、眠っているのに気がつかない事も多く、痛くて飛び上がる位です(TT)

眠ってしまっているので、悪気はないと思うのですが、とても辛いです。

どうしたら、良いのでしょうか?

お忙しい中沢山の記事を更新していただき、ありがとうございます!
これからも、ブログ楽しみにしています。

<SOLANINの回答>
ううむ。
こりゃまた難しいご相談ですな。
お子さんが寝落ちした際に、お母さんが乳首をガブリと噛まれるのは、ちょくちょく耳にする話です。
ワザととか悪気があってのことではないので、たまにだったら許してやってほしいのですが、眠ると必ず(ということは、毎晩?)なので辛いのですね。

寝かしつけに添い乳は効果的ですが、噛まれる苦痛の方が強ければ、「現状スタイルの添い乳」以外の方法を考える時に来ているのかもしれませんね。

あっ、いえ、断乳を勧めているのではありませんよ。
SOLANINが推察するに、お母さんが寝落ち(!)するくらいですから、10分やそこいらの短時間の咥え方ではないのでしょうね。
ということは、もしかしたら相談者さんのお子さんは、日中運動不足気味orスタミナちゃんということが考えられます。

そうであれば添い乳開始前に、清水悦子先生の仰るような、眠る前30分間くらいのイチャイチャタイムを設けるとか、絵本を2つ3つ読んでからとか、何らかの前振りを行ってみて、「もっとお子さんが眠たくて堪らない状態になってからするスタイルの添い乳」に変更するのは如何でしょうか?
それだったら、現状よりも短時間でお子さんが眠りにつく筈です。
子どもというのは不思議なもので、寝落ちの際のガブリの場合でも、噛む瞬間は何故か自分の舌を引っ込めるのです。
お母さんの意識が清明であれば、「あっ、ヤバい!」の瞬間に乳首を引っこ抜けるのではないでしょうか?
反射神経が試されますが・・・寝落ちした際に噛まれるのを防御するには、多分これしかないと思います。

添い寝や添い乳をしたくないお母さん。

私は「添い寝をすると、赤ちゃんは安心して寝付きやすくなりますよ。」「添い乳はラクですから、ドンドンやってくださいね。お母さんがやろうと思わなくても赤ちゃんから仕掛けてきますけど。(笑)」と、お話すると、大多数のお母さんは添い寝や添い乳の良さに気がついてくれます。

 しかし、ごく少数のお母さんは「添い寝や添い乳の癖をつけたら、私としか赤ちゃんは眠ってくれなくなる。それでは困るんです。」と仰います。
いわく「旦那さんだけ自由時間が増えてずるい。」「私が感染る病気の時、赤ちゃんにまで感染してしまう。」「私がしんどい時に誰も代わって赤ちゃんを寝かしつけられないから困る。」・・・のだそうです。
 

そうですか。
そうきましたか・・・
まぁ、確かに、観たいドラマがあっても、寝かしつけの時間帯と鉢合わせすることは多いでしょうね。
ドラマを観ながら添い乳したって、赤ちゃんは寝付かないことは明白です。
でも、次の日登校してお友達と話を合わせなきゃならないわけじゃないですから、DVDにでも録画して、空いた時間にじっくりと観ればいいではないですか?

 旦那さんの自由時間については、意見が分かれますが、普通は頼めば寝かしつけ以外の協力はしてくれるでしょう?
旦那さんに寝かしつけてもらうのは、おっぱい卒業してからでも遅くないと思いますし、どうしても耐えられないなら、無理やりでも旦那さんと赤ちゃんと『川の字』になって休めばいいでしょう?
 

感染症については、ある意味不可抗力です。
お母さんが発症した時は赤ちゃんの潜伏期だってことはよくある話です。
添い寝や添い乳をマスターしておけば、起き上がれないくらいしんどい時でもおっぱいはあげられるし。
掃除や洗濯やごはん炊きは主婦の大事な業務ですが、”ひとりコンビニ”には限界があります。
体力的に頑張れないのは主婦失格じゃないですよ。
そんな時は臨時休業でいいじゃないですか。

どんなに可愛くても、赤ちゃんはやがて大きくなります。
先日次男に、「(小さい頃)添い寝が大好きだったよね?」と言ったら、「それは昔の話で、今はして要らんぞ。母さん、熱でも出たんか?」と切り返されました。
次男、年相応に成長しています。(爆)

 

お母さんの絶妙なハンドアシストが必要なこともある!その1

早産の赤ちゃんや低出生体重児の赤ちゃんや舌小帯短縮症の赤ちゃん達の場合、どうにか直母ができるようになっても、体力の限界に達するのが早いため、ポジショニングやラッチオンを万全にしても、乳頭・乳輪・乳房の条件(≒形態、硬さ、伸展性、おっぱいの分泌、乳管開通等)に問題が無くても、早い話、量的にまともに飲めないことがあります。

 勿論、いざとなったら、しばし搾乳で凌ぐと割り切るのも致し方ないのですが、「乳房基底部からの圧迫授乳」若しくは、「わし掴みするかのように乳房を把持すること」で、突然直母が出来るようになることもあります。
何となく過去記事に出てきた流し込み直母チック・・・ではありますが、一応直母は直母です。
 

通常、「乳房基底部からの圧迫授乳」若しくは、「わし掴みするかのように乳房を把持すること」を痛みを伴わない程度に励行することは、問題ありません。

 お母さんの絶妙なハンドアシストが、直母確立の強力な助っ人になることもありますよ。
反対に、してはいけないことは、看護師さんが血圧測定する際、ゴム球をシュポシュポするかのように、乳房そのものをモミモミすることと、乳房に出来た硬結部分をゴイゴイと扱(しご)くことです。
乳腺体を傷めますからなぁ。
ご注意願います。

2014年6月26日 (木)

抱き癖をつけてください!

甘えてばかりで、べったりとお母さんにくっついている赤ちゃんを見ると、「抱き癖がついたら家事ができないよ。」「ちょっとくらい泣かせればいい、そうでないと我儘になる。」など、子育てに変な介入をしてくる、おじいちゃん、おばあちゃん、医療者にはほとほと困ったものです。
大きなお世話なんですよね。
ヒトの赤ちゃんはお母さんとの充分なスキンシップを通して人になっていくのです。
過去記事で、「ヒトは生物学的に早産だ。」というお話をしましたが、憶えておられますかな?

 最近はスキンシップ不足の赤ちゃんに色々な問題が発生しているのです。
たまたま手がかからないから、泣かないからと放置され・・・
あやしてもらう経験が少なすぎて、笑わないから愛想がない子と放置され・・・
これ以上心が傷つかないようにという自己防衛のため、心を閉ざしてしまったのに、視線が合わないからと放置され・・・
 

それだけではありません。
スキンシップ不足は、頸が据わるのが遅れたり、カラダが硬く突っ張ったり、腹ばいが出来なかったり、頭が歪んだり・・・
ということにも絡んでくるのです。
情緒面だけではなく、運動機能の発達までもが遅れまくるということも心配されるのですね。
「ウチの子、もしかして抱っこが足らないかしら?」という心配があれば、抱っこしてあげたらいいのですし、反対に抱き癖ガついているのはお母さんと赤ちゃんの絆のひとつのカタチですから、「抱き癖上等!」とご自分を褒め称えてくださいね。

授乳表を記入してみましょう!

SOLANINの勤務先の母乳外来に何度か通っていらっしゃる方の多くは、「授乳表」を記入していらっしゃいます。
決して大層なモノではなく、時間枠が0時~23時まであり、各時間枠毎に授乳をしたら斜線を入れ、その他の欄には、補足があればその内容と量(例えば搾乳を10mlだったら“サ10”とかミルクを40mlだったら“ミ40”と書きます。)もしくは直母のみの方であれば、2クール飲んだとか、眠りがちだったとか直母の様子を書き、あとは、おしっこやうんちが出たら正の字で回数を入れて行きます。(例えば同じ時間帯に3回出れば、正の字の三画目まで書きます。)

 この授乳表の記入って意外と簡単で、最後におっぱいをあげたのがいつなのか明瞭に分かるので、記入してソンは無いです。
しかも、赤ちゃんの睡眠、授乳パターンを把握するのにも、ミルク減量をしていくのに、赤ちゃんに無理させないように配慮するにも、うんちの出方やおしっこの出方に不備は無いか確認するにも、一度に出来ますからとても便利です。
例えば、かかりつけの母乳外来や助産院、或いは母乳育児を支援している小児科ドクターに診ていただく時も、打ってつけです。
1枚が両面印刷になっていて、3~4日記入できる仕様なので、嵩張りません。
 

今まで「授乳表」記入したことのない方、この記事を読んだ今日からで結構ですから、記入してみませんか?
SOLANINは、お勧めします。

2014年6月25日 (水)

妊娠中の歯科検診がまだの方へ

全国のすべての自治体…ではないかもしれませんが、昨今は相当多くの自治体で、妊婦さんの歯科検診が1回限りですが公費負担になっているかと思います。(有効期限が産後1年までというトコロもあるらしいですが。)

妊娠中は、妊婦さんの自覚の有無にかかわらず、お口の中はそりゃあもう悲惨な状態になっています。
「歯磨きしていて歯茎から血が出るのよね。」という方は、ヤバいですよ~。
妊娠悪阻の最中は無理としても、遅くとも安定期に入ったら、必ず歯科検診を受けましょう。
健診の際、よくないトコロ(虫歯や歯槽膿漏など)が見つかれば、早速治療を開始しましょう。
歯科衛生士さんがいらっしゃるクリニックであれば、口腔衛生の指導を受けることも可能でしょうから、とにもかくにも産後にまでよくないトコロを引きずらないように徹底的に治しましょう!

特に、切迫早産の方は言うまでもないことですが、それ以外にも「最近おなかが張り易いのよね。」「赤ちゃんが小さめだって言われたけれど、大丈夫かな?」というあなた、要注意ですぞ!
歯周病菌が悪さをしている可能性大ですからね。
また、生まれてくる赤ちゃんを虫歯にしないためにも、妊婦さんのうちから口腔内環境はクリーンにしておきましょうね!
クリーニングをすれば、菌の数が減少して、それだけ健全なマタニティライフを送ることが出来るのですから。
お母さんの口腔内環境がよくないせいで、ご自身の妊娠経過にもお中の赤ちゃんにも差し障りがあるなんて嫌じゃないですか。
それだけは、避けましょうよ。

育児の主体はお母さんです。

当り前のことですが、育児の主体はお母さんです。
栄養方法が何であっても。
もちろん、待望の初孫誕生に浮かれる新米おばあちゃんを否定する気はありません。
母と娘(若しくはお嫁さん)が仲良しなのは麗しきことです。
しかし、助産師の問診にまで、娘(若しくはお嫁さん)である赤ちゃんのお母さんにお尋ねしていることを新米おばあちゃんが代返するってどうなんでしょう?(例:陣痛が10分毎に開始したのは●時○分からです。1日のおっぱいの回数は●回です等々。)
また、父性を目覚めさせるには旦那さんの役目にしてもよさそうなことを、お婿さん(若しくは息子)が疲れるからと、敢えて新米おばあちゃんが代行するって変じゃないですか?

娘(若しくはお嫁さん)が育児に悩んでいて、新米おばあちゃんが新米お母さんだった頃の経験談を聞かせてほしいと求められたのならば、是非とも聞かせてあげてほしい。
SOSの手助けを求められたら、一肌脱いでやってほしい。
でも、そうではなく、頼まれもしないのに、「ああしろ、こうしろ」と、指図したり、昔はともかく今は良くないとされること(例:ベビーパウダーを使用すること、脚を伸ばしてグルグル巻きにすること、泣いても抱っこしないこと、早くから離乳準備食を食べさせること等々)を強要するか勝手にやったり、家事を娘(若しくはお嫁さん)にさせて、新米おばあちゃんが日がな赤ちゃんを囲い込んで、授乳以外は娘(若しくはお嫁さん)に抱っこさせない・・・って、やはりおかしいです。
まだるっこしいかもしれないけれど、娘(若しくはお嫁さん)を見守る姿勢を忘れないでいてやってね。

おっぱい星人の兄弟姉妹が仲良くなる語りかけとは?

今は完母です!と仰る方であっても、最初からおっぱいライフが順風満帆な方はほんの一握りです。
みなさん、何らかの山や谷を乗り越えて今日に至るのだと思います。
そして、やがては次の赤ちゃんを授かられることもあるでしょう。

 兄弟姉妹が出来て、仲良しでも喧嘩はつきものですが、少なくとも、赤ちゃんが兄姉に好感を持つように仕向けるにはいい方法・語りかけがあります。 

「あなたのお兄ちゃん・お姉ちゃんはおっぱい星人でね。でも、最初はいろいろ大変だったのよね。なかなか上手くいかなかったし、お母さんも凹んでいたのよね。でもね、お兄ちゃん・お姉ちゃんが頑張ってくれたから、あなたは早いうちから美味しいおっぱいが欲しいだけ飲めるのよ。お兄ちゃん・お姉ちゃんのお蔭なのよね。ありがとうだね。」ということを呪文のように言ってください。

 おっぱい星人の弟妹もおっぱい星人である可能性は高いので、そういうことを聞かされて育つと、きっと兄姉に好感を持つだろうし、兄姉も自分がおっぱい星人だったことが誇らしくなり、きっと弟妹優しい目で見てくれるようになるかと思いますよ。

2014年6月24日 (火)

完母で問題ないのに、ミルクを補足したがる祖母対策。

<ご相談内容>
私の赤ちゃんは生後3ヶ月ですが、生まれてこの方、完母で順調に育っています。
しかしながら、同居している義両親は自分の子どもを完ミで育てたたため、完母で育てられることが信じられないそうです。
呪文のように「意地を張らないでミルク足しなさい。」「ママのおっぱいだけでは足りないから可哀想。」と、言い続けるため、毎日イライラします。
旦那は義両親には頭が上がらないので、私の怒りのボルテージは上がる一方です。
どうしたらいいですか?
 

<SOLANINの回答>
まずは、赤ちゃんが完母で順調に発育されていることをお慶び申し上げます。
そして・・。義両親と同居なさっているのですね。
実・義を問わず、母乳育児に理解が足りない親世代と毎日顔を突き合わすのは、我慢の日々かとお察しします。
旦那さんが当てにならないなら、尚更です。(涙)
 

さて、どうしたものか?
この場合、ミルク育児を否定されるのだけは止めておきましょう。
あなたの愛する旦那さんも完ミっ子なわけですから。
焦点になっているのは、母乳が足りていないという「思い込み」をいかに払拭するかですね。

そうなると、それを変えるチャンスは赤ちゃんの健診です。
但し、集団健診の場合、時として㌧でもさんが居たりしますから、注意が必要です。確実なのは、母乳育児を推進・支援している小児科ドクターに、個別で罹っては如何でしょうか?
もちろん、義両親の両方は無理でもどちらかを赤ちゃんの健診に帯同させるのは言うまでもありません。
バトルフィールドは自分に有利なトコロに設定するのは基本的鉄則ですよ。
義両親ならではの母乳だけでは足りていないという「思い込み」を、小児科ドクターの医学的立場から論破してもらいましょう♪

 こんなことをSOLANINが言うのもナンですが、母乳育児に限らず、嫁のいうことには聞く耳を持たない義両親は世間にゴマンと存在しますから、多少のことではメゲてはいけないよ!
きっと、義両親もクリニックを後にする頃には、かなり変化するのではないかな?
また、当ブログの書籍を老眼鏡掛けてでも、読んでもらうのも一計ですよ。

こどもの入院・手術の際に、直母はNGと言われた。(1歳)

<ご相談内容>
我が子は来月で1歳になります。
近い将来(1ヶ月先くらい)我が子は入院し手術を受けることになりましたが、1週間の入院期間中は、直母が出来ないそうです。(そういう病院らしいです。)
(ちなみに手術は足の手術です。)
そのまま卒乳してしまうのでしょうか?
それとも、それ以前に、断乳をした方が良いのでしょうか?
私としては、なるべく自然卒乳させてやりたいのですが・・・

 <SOLANINの解答>
ご相談内容からは詳しい事情が読めないので、ピントがズレているかもしれませんが、手術をする病院の方針(?)で直母が出来ないとのことですが、それって1歳のお子さんを単独で入院させるということなのでしょうか?
もしもそうだとしたら、乳幼児は意思表示が困難ですし、手術前後の情緒の安定のためにもお家の方の付き添いを許可するのがスジだと思うのですが。
だって、手術前後に不安や痛みで泣き叫んでいたら可哀想じゃないですか。
他の患者さんや看護師さんにも迷惑がかかるし・・・とか何とか言ったら、付き添いが通りませんかね?
余談ですが、そういう病院であれば、、母子麻酔なんて採用していらっしゃらないのでしょうね。(涙)
 

もちろん、NICUで保育器に入ってる未熟児さんとか、特殊な状況なら付き添いが難しいのは理解出来ますが、1歳のお子さんでしょう?(と、ブツブツ文句を言ってしまいました。)
もしもそうだとしたら、完全看護か何か知りませんが、随分酷い対応ですね。

 そうではなく、付き添い出来るのであれば、足の手術ですし、麻酔が覚めて、特に問題が無ければ流動食とかすぐ開始だと思うので、おっぱいも広義で流動食ですから、直母が出来るように粘り強く交渉してみては如何でしょうか?
手術だから個室でしょう?
極論ですが、個室に監視カメラでも付いていない限り、直母出来ないですかね?
相室でも、仕切りのカーテンくらい下がってますよね?
だったら直母できると思いますが。
何故直母をしたらいけないのか、SOLANINには理由が分からないです。
 

手術前に断乳なんて㌧でもないですよ。
お子さんが、「おっぱいなんかもう要らないよ!」というのであれば別ですが。
違いますよね?
まずは勇気を出して病院側と交渉しましょう。
正当な理由が無いのに、病院側の都合に屈することはないと思いますよ。

 万一、お母さんが納得できる理由を説明されたなら、病院側の都合を受け入れられるとして、だったらだったで、お子さんにしっかり言い聞かせをしましょう。
1ヶ月かけてじっくりとね。
いつになったらおっぱいが貰えるのか?
手術では何が起こるのか?
入院とは何か?等々・・・
言い聞かせについては過去記事を読んでね。

2014年6月23日 (月)

乳頭のカタチが左右で著しく異なる場合。

当ブログの読者のみなさんは、利き手・利き足があるように、利きおっぱいがあることはご存知かと思います。
そう、産科入院中から放っておいても良く出る方のおっぱいのことです。

大抵はお母さんの得手や赤ちゃんの向き癖などがきっかけで決まってくるようですが、お母さんの乳頭のカタチが左右で著しく異なると、赤ちゃんは正常乳頭かそれに近い形態の乳頭の方を好むことが多いです。
やはり、癇癪を起さず、平易にラッチオン出来るからですな。

勿論例外はあるのでしょうが、例えば右が陥没or扁平乳頭で左が正常乳頭だったとしたら、殆どの場合、左を好むという状況になるということです。

だけど、「はいそうですか、それじゃあ。」ってな感じで、そちらからばかりorそちらから開始の回数を偏重して授乳を繰り返すと、乳房の大きさから分泌からめっちゃ左右差が付きますから良くありません。

終いには、片乳しか飲まないor利きおっぱいじゃない方を嫌がって、寝呆けているときすら咥えようとしないなぁんてことになってしまいがちです。

ラッチオン出来るかどうかの段階や乳頭損傷が癒えていない段階は致し方ないとして、一応苦手克服した暁には、意識して難易度の高い方から飲ませる回数を増やしてみてください。
極端な左右差が顕れていないかどうかは、お風呂に入った時などに、ご自身のおっぱいの大きさチェックしてみることで確認できます。
よろしくお願いします。

おっぱいをあげている奥様の連れ合いさんに聞いてほしいこと。

あなたの奥様は今とても大事なことを毎日昼夜を問わず、頑張って行っておられます。
赤ちゃん(お子さん)は、しっかり抱っこして、目を見て語りかけて、おっぱいを飲むことですくすくと育たれます。
それでも、もしかしたら、ミルクだけにした方が奥様が自分に振り向いてくれる時間が増えるのではないか?と思われるかもしれません。
ミルクだけにしたら夜中の授乳も代わってやれるのに・・・と思われるかもしれません。

も、あなたの奥様はきっとそれは望んでおられません。
あなたの奥様は毎日あなたとの間に授かった赤ちゃん(お子さん)を懸命に育てておられます。
そんな奥様があなたにしてもらうことで、一番嬉しいことは何でしょう?
嬉しいことの価値観は人により違うこともあるでしょうがこと子育てに関して共通して言えることは、日々頑張っておられるあなたの奥様を認めて感謝して労うことではないでしょうか?
我が子だからこそ、頑張れるんです。
お母さんが赤ちゃん(お子さん)のお世話をすることは当たり前ですが、大変なことなんですよ。
「俺だって仕事が・・・」なんて、口を尖らせて言わないでね。
 

そんなこと言ったら、(聞いたら)奥様はがっかりします。
了見の狭いどうしようもない男だと落胆します。
一生そうしろとは申しません。
せめて授乳中だけでもいいから、懐の深い人になってくださいね。
お節介なSOLANINからのお願いです。

圧迫授乳の極意とは?

圧迫授乳って、聞いたことがありますか?
普段から気を付けてポジショニングを色々変えながら授乳されたり、同じポジショニングであっても赤ちゃんの吸啜テクニックが超絶技巧派だったりしたら、乳房に硬結(=しこり)が出来にくいと思います。

 しかし、ポジショニングを助産師から「○○抱き以外はしないでくださいね。」と釘を刺されていたり、赤ちゃんが下手っぴちゃんだったり、硬結の部分に赤ちゃんのお口の中央が来ないポジショニングしか出来ないと、そうもいかず、結果気が付けば乳房に硬結が出来てしまうことがあります。
そんな時、圧迫授乳をしてみると良いかもしれません。
 

暫く前に過去記事にも書いたのですが、乳房の硬結そのものをグリグリと揉みながらおっぱいを飲ませると、乳腺を痛めてしまうので、NGですよ~という記事、憶えておられますか?
あれと同じ理屈です。
硬結のある部分の乳房基底部(要するに乳房の付け根、硬結よりも外側)を親指と人差し指の指叉で、乳頭方向に押さえながら赤ちゃんに吸啜してもらいましょう。
長期間、乳房の硬結を放置していたのでなければ、、赤ちゃんがゴキュゴキュ飲んでくれれば、硬結が徐々にラクになってきますよ。
これが圧迫授乳の極意です。(爆)

2014年6月22日 (日)

義父の有難迷惑(!)な厚意にどう対処するか?

<ご相談内容>
義父がとても孫を可愛がってくれます。
旦那や私のことはさて置き、孫しか眼中にない、目の中に入れても痛くないというのはこのことかというくらいです。
我が子は9ヶ月ですが、まだ食べられないプチダノンとか買ってきたり、瓶の離乳食を山ほど買ってきてくれたり・・・
でも、それが私にはストレスです。
旦那にもちゃんと「コレが嫌なんだ」とか「コレはしてほしくないから伝えて」とか言うと旦那から「そんなに親父が嫌いなの?」と言われて・・・
義父が嫌いとかそういうのではないのです。
どうすれば旦那が私の気持ちを汲み取ってくれるでしょうか?
また、それが義父に伝えられるでしょうか?

<SOLANINの回答>
義父さんの有難迷惑(!)といえる厚意への対処方法は、たいへんシンプルですが「何か買う時は事前に息子夫婦に聞く。」ということを徹底してもらうのが良いと思います。
旦那さんも自分のお父さんを悪く言われると、父子関係が良いほど気分を害されると思うので、「コレが嫌なんだ」的な発言をされると、妻の気持ちを理解しない訳ではないのでしょうが、カチン・ムカッとくるのでしょうね。
例えば食べられないBFを買い込む厚意に対しては、「東日本巨大地震以来、被災していない地域ですら買占めが起きるようなご時世だから、自分さえよければというようなことはしたくないし、無駄(この場合赤ちゃんが食べられないモノを山ほど買う)は勿体ない。なので、ひとこと、『こういうのを食べられるかな?』と、ひとこと確認してもらえませんか?」と直接下手(したて)にお願いしてみたり、旦那さんから伝えて貰ったらいいのではないでしょうか?

特に食べ物に関しては「あまり早くからBFとかは添加物が心配だからあげない方がいいと、かかりつけの小児科ドクターに指導されたばかりで・・・」と、ドクターのアドバイスにしちゃうのも一手です。(爆)
そうすれば旦那さんとのバトルも回避されるし、義父さんも孫のためにより良いものを選んでみようかなという気持ちになってくれますよ。

今はまだかもしれませんが、赤ちゃんが大きくなると、近い将来おもちゃ攻撃も開始されるかもしれません。
それについても、例えば毒々しい染料で染め上げられたおもちゃであっても深く考えず『色目が綺麗だから買ってきた!』というようなことが想定されます。
狭いアパートなのにタタミ2畳分くらいのスペースを取るおもちゃを『孫が喜ぶだろうから』と、いきなり持参されるかもしれません。

その場合でも「ウチの子は何でも直ぐに舐めるので塗装していないものしかあげないようにしているんです。あまり神経質にはなりたくないけれど、最近は色々な化学物質が問題になっているから・・・」というように、婉曲にお話しすれば、直接義父さんにモノ申す場合であっても角が立たないと思いますよ。
大き過ぎるおもちゃについても、「ウチは狭くて置くのも仕舞うのもスペース的に無理だから、義父さんのお家に行かせてもらった時に使わせてもらえるよう、そちらに置いてください。きっと楽しみにしておじいちゃん家に行くようになると思いますから。」と、義父さんに『なるほど!』と思わせる、よく気のつく嫁を演じては如何でしょうか?

我が子が耳の手術で入院!でも、おっぱいは続けられますよ!

<ご連絡いただいたこと>
先日、我が子の副耳&耳漏口の手術、無事終わりました。
言い聞かせの呪文が効いたのか、手術前日は入院して環境の変化のこともあったのでしょうが、夜間、1~2時間毎の頻回授乳でした。
きっと、今のうちに!!って思ったのかもしれません。
9時オペ開始だったので、4時半までが最終母乳だったのですが、4時ちょっと前に目覚め、25分ほどおっぱいにぶらさがってました。
朝は、多少泣きましたが、全投薬のセルシンがきいたのか、入室時には笑顔でバイバイして入室していきました。
術後、4時間は絶飲食だったので、3時間経過したあたりから、さすがにおなかが空いたのかギャン泣きでしたが・・・
久しぶりのおっぱいをほおばりながら、安心して眠っていしまいました。
そして、入院生活は無事に終わり、ほっとした気持ちで週末を迎えることができました☆

 SOLANINさんのブログに出会えてなかったら、間違えなく、入院までには断乳・・・になっていたと思います。
仮にドクターから、「手術までに断乳してください。」と言われたら「そういうものなのか。」と諦めてしまっていたと思います。
そして、言い聞かせなんて、絶対しなかったと思います。
これからもおっぱいライフを満喫します。
 

<SOLANINからのお返事>
まずは無事にお子さんの手術が済み、退院できて良かったですね。
おめでとうございます。
一般的に乳幼児のの手術は、全身麻酔になりますから、お母さんとしては色々心配もあったかと思います。
お子さんの入院に際し、病院によっては、「完全看護」を盾(?)に取り、お母さんから引き離すトコロもあると聞きますので。

 今回はそういうことも無く、お母さんは病室で付き添いすることが出来たのは何よりでした。
ドクターによっては、手術前後の絶飲食だけなのに、赤ちゃんであっても手術の際は、断乳という言葉を使う方も居られるそうです。
生後何ヶ月であろうと、「これを機会に・・・」とかナントカ。
怖ろしい話です。
 

子どもであっても、近い将来、自分の身に何か(今回は入院と手術)が起こることは漠然とした不安があったと思います。
それに対し、事前にしっかり言い聞かせをされたことは、お子さんがそれらを乗り越えられるように、助けてあげたことになり、素晴らしいと思います。

 術後の絶飲が解除されるまでは、お子さんも辛かったろうけれど、許可が下りて、おっぱいが飲めるようになった時は、嬉しさと安心感でいっぱいだったと思います。 

お話しを伺って母と子の絆が強くなったのではないかと感じました。

2014年6月21日 (土)

上皮真珠腫とは?

上皮真珠腫とは、生まれて間もない新生児の歯茎に見られる直径数ミリ程度の白っぽく丸っこい腫瘤のことです。
多くは上顎の乳中切歯の萌出する場所に発生します。
文献などによると、違う部位にも出来るらしいですが、SOLANIN的には、まだ遭遇したことがありません。
パッと見が真珠のようなので、この名前が付いたそうです。
でも、真珠ほどの硬さはなく、触るとぷよっとした感じがします。
どうしてこんなモノが出来るのか?
と申しますと、まだお母さんのおなか居た時、ちょうど歯歯を形成するための組織が、何故か形成後も残存し変化したものと考えられています。
数週間のうちに自然に消失するので、特別な治療は不要です。
悪性のものでもありません。
直母にも乳歯の萌出にも影響しないので、安心してください。

実母の言動に育児不安増大して・・・(2ヶ月)

<ご相談内容>
初めてメッセージを送らせていただきます。
いつもこちらの最強母乳外来を参考にさせていただいております。
私はもうすぐ2ヶ月♂新米ママです。

質問したいことがございましてメッセージを送らせていただきました。
私は現在実家に里帰り中で明日にはアパートへ戻る予定です。
ご質問というのは実母に言われた言葉です。
こちらのブログを拝読させていただいて、反論するのですが、毎回鼻で笑われてハイハイそうですか、と言われて悔しくてなりません。
理屈を説明しようとするとお前は細かいと否定されるので、最近は理由を話すのも億劫になりました。
実母に言われたのは以下の通りです。そして私が答えた言葉も続いて書きました。
何か間違っているでしょうか?
 

◎実母さん「母乳間隔が短い。お前の母乳は薄いのか。足りてないんじゃないか。」
→夜中は2、3時間おきだけど昼間はチョコチョコ飲みだから30分~1時間おき。薄いのではない。

◎実母さん「(一時間以上、間隔の狭い授乳を見て)そんなに飲んだらでぶになるよ。」
→母乳は消化がよいし、休み休み飲んでるから、太る事はない。赤ちゃんが飲みたいときにあげるのはいいと言われている。(だらだら飲みになっていますが、離すと泣いて、余計ひどくなります)
 

◎実母さん「胸が痛いなら、搾乳をしろ(後搾り)」
→後搾りをするとどんどん生産されてしまうから、赤ちゃんに飲んでもらった方がいい。

◎実母さん「(赤ちゃんがスヤスヤ寝ているのに)自分の都合でのませるのか。」
→もう3時間以上飲んでいないし、自分の胸も痛い。だからおむつ替えとかをして起こして飲ませる
 

母乳とは関係ないですが、
◎実母さん「こんなによく眠っているのにおむつ替えするのか。(おむつ替えをすると、眠いときやお腹が空いているときはかなり機嫌が悪くなります。)」
→おむつかぶれがこれ以上ひどくなるのはかわいそう。うんちがでていればすぐ替えなければいけない。
・・・などです。思い出せば色々ありますが、少しでも自分の知識と違うことをすると言うのです。あまりにうるさいので、こちらのブログを紹介しようとしたら、ネットにある情報ということでバカにされてしまいました。
本当は赤ちゃんを見てニコニコしていたいのに、毎回そんなことを言われるとイライラしてしまいます。

 ちなみに息子は標準体重、身長です。
最近は喃語も出てきて、足の力も首の力も強く、自力で横になろうとします。
成長は問題ないと思いますし、市の助産師さんの訪問では母乳で十分ですから自信持って下さいと言われました。
間違っていないとは思うのですが、言われ続けていたら心配になりました。
お時間ございましたらお答えいただきたいと思います。
 

<SOLANINの回答>
まずはこの2ヶ月、逆風の中、懸命に赤ちゃんを育ててこられたことに敬意を表します。
本来は母乳育児のサポーターになっていただきたい実母さんから「あんまりなこと」を毎日言われ続けて、反論してもハナであしらわれては折角の母乳育児が楽しめなくなりますね。
意外に思われるかもしれませんが、産後って、これまで隠れていた本当の母子関係が露呈する時期なんですよね。
困ったことです。
・・・まぁ、なんと申しましょうか、実母さんは典型的な母乳育児をしていない方の言い草ですな。(汗)
実母さんからすれば、私などの若輩者且つネット情報発信者の申すことなど聞くに値しないのでしょうが。
一言反論させていただくとしたら、私自身3人の子どもをおっぱいで育てているし、BFH認定病院で勤務する現役助産師ですので、自分の発信する情報に責任を持っています。
これまで誰もしてこなかったことを、しているという自負心もあります。
そうでなかったら、1円の利益も享受することが無いのに、大切なプライベートの時間を削ってまで、こんなブログ書いたりしますかね?
一応これでも兼業主婦ですから、家事も育児もこなした上で、書いているのだということを知ってほしいですね。
この記事はプリントアウトしていただき、是非とも実母さんに老眼鏡掛けてでも読んでいただきたいくらいですな。

SOLANINが何を言わんとしているか?
SOLANINが腹を立てて気を悪くしてるかですって?
違いますって。
SOLANINはそこまで了見は狭くないですよ。
実母さんが「あんまりなこと」をリピートして言い続けられるから、実母さんの娘さん(=相談者さん)が母乳育児を楽しめなくなりそうなくらい不安に陥らせていることを知ってほしいからです。
 

正しいのは相談者さんです。
何一つ間違っていませんよ。
どうかブレないお母さんになってくださいね。
過去記事にもありますように、それでもネット情報なんてと頭から決めつけられるのであれば、山縣威日ドクターの「孫育ての時間」(吉備出版)を速攻で購入され、「これを読んでから意見してください!」くらい言っちゃって良いと思いますよ。(笑)
ではでは。

電子音では起きられない!?

夜間の授乳の重要性や必要性については過去記事にわんさか書いておりますから、過去記事もしっかり読まれる読者さんはよくご存知かと思います。
しかし、毎日の疲れかはたまた体質なのか、夜間起きて授乳出来ない方も居られるようです。

特に赤ちゃんの体重増加を狙っているお母さんや乳腺炎になり易いお母さんはは何があっても夜間の授乳は頑張ってほしいです。
先日のコメント欄で、「産院の助産師で子育て経験のある方が、その日の最後のおっぱいの後、ミルクを飲ませたらよく寝るわよ。とお勧めしていたという、母乳育児にはあるまじき指導を受けたことを聞き、「その助産師が行った保健指導は母乳育児支援として外道!」と言ってしまったSOLANINです。


閑話休題。
さて、赤ちゃんが夜間勝手に起きておっぱいを欲しがってくれる方には、想像できないかもしれませんが、目覚まし時計を2~3個掛けても、夜間は電子音では起きられなくて白河夜船で朝を迎え自己嫌悪に陥るお母さんも居られます。
決まって「赤ちゃんが泣いたら起きられるんですが・・・」と仰います。
だったら、こうしては如何でしょうか?
SOLANINはIdealistでもあることはみなさんご存知ですよね?
では、知恵を公開します。(笑)
みなさん、ケータイは持っておられますよね?
手順を記します。
①ケータイのムービーモードで赤ちゃんの出来るだけ大きな泣き声を撮ります。
②それを保存します。
③アラーム(目覚まし)設定をお好みの時間にします。
④Iモーションで、先ほど撮った赤ちゃんの泣き声を選択します。
⑤そしてそれをアラーム音にするのです。
⑥できるだけ大きめの音量にします。

 ※但し機種によってはアラーム音を選択できないモノもありますから、その時はご容赦願います。 

そうすると、夜間であろうと授乳しようと思った時刻になれば、赤ちゃんの泣き声で目が覚めます。
赤ちゃんの泣き声だったら起きられる自信がある方は試してください。
尚、ケータイの取り扱いについてのご質問はお受け致しかねます。
そういう質問は旦那さんかお友達か販売店でしてください。

 追記:リ●ム時計工業の「伝言●ん●ージュW」という目覚まし時計は赤ちゃんの泣き声の録音が出来ます。
録音時間の2種類で40秒と14秒です。
時計そのものは文字盤表示ですね。
お値段は6480円。(税込)
ちょっと高いって?
でも、泣き声録音の時期が過ぎたら、好きな方の声を録音し直したり、お気に入りのデジタル音楽プレーヤーなどから音楽を取り込むこともできるそうで、色々変化させて活用できそうですよ♪
 

更に追記:レアもの・ユニークギフト専門店というオンラインショップに「録音した●で起こしてくれる目●ま●時計」というものがあることを発見しました。
こちらの価格は2678円。(税込)
こちらの商品は写真立ても付いているらしいです。
デザイン的には向かって左が写真で右がデジタル表示ですね。

2014年6月20日 (金)

「母乳育児を妨げる囁き」に耳を傾けないでね。

家庭訪問や集団健診の場で保健師さんや栄養士さんから「その日の最後の授乳の際はミルクを足しなさい。そうすれば夜ぐっすり眠ってくれるわよ。」という一見親切そうなアドバイスを受けた方、相当いらっしゃるのではないでしょうか?
あっ、あれね、「母乳育児を妨げる囁き」なんです。
だから、真に受けて従ったりしないでね。

おっぱいにばかり、しがみついてる。(1歳5ヶ月)

<ご相談内容>
1歳5ヶ月の息子のことで相談です。
これまで産院の助産師さんやSOLANINさんのおかげで完母でやってこられました。自然卒乳するつもりでいます。

 しかし、最近たまにくじけそうになる事があるのです。
赤ちゃんの時から寝ない子でちょこちょこ飲みだったのですが、最近は3~4回起きてもおっぱいですぐ眠ってくれます。
日中も外出していれば7~8時間飲まなくても平気な事もあります。
しかし、お家にいるとおっぱいに依存しているかのようにずーーーっとしつこくおっぱいにしがみついています。
乳首から離れてよそ見をしている間におっぱいをしまうと、反り返って怒りだします。その繰り返しがたまらなく苦痛なのです。
 

楽しい事はたくさんあるよ~と絵本を読んだり、オモチャで一緒に遊んだりするのですが、忘れられないのかおっぱいおっぱいと洋服をめくります。
朝と夕方30分ずつ公園にも連れ出していますし、ご飯もしっかりと食べます。
ちなみに体重11キロ、身長82センチです。
とにかくおっぱい星人なので、嬉しい反面、ずーーーっと息子に付き合っていては、何も出来ずイライラしてしまう事もあるんです。

 私はこの息子の要求に応えるべきなのか、それともここは時間を決める等して泣いても放っておいていいのかをご教授いただければ幸いです。
私事ながら、実家、義実家ともに遠く、主人は毎晩0時近くの帰宅です。
休みも1ヶ月とれていない状態で、猛暑の疲れもあってか正直私もまいっています。
本来、楽しいはずの母乳育児。
もっと楽しみたいのにどう対処するのが正しいのかわからず迷っています。
こんなイライラママでは息子がかわいそうですよね(泣)
 

<SOLANINの回答>
完母で良く育っておられるおっぱい星人ちゃんなのですね。
離乳食も食べられますし、外出中は数時間飲まなくても大丈夫とのこと。
しかし、そうは言っても確かに四六時中、お坊ちゃんの相手とおっぱいでは疲れるし、イライラが募って当然です。
用事が出来ないのは主婦として辛いものがあるかと思います。
おまけに猛暑が続き体力も消耗し、旦那さんの帰りが遅く、おじいちゃん・おばあちゃんの協力を仰ぐことが不可能ときては・・・

 でも、私には相談者さんのイライラの原因が、おっぱいではないような気がします。
日常生活のアレコレが、相談者さんの肩にのしかかってきている現状こそが、我慢の限界に近づけている気がしてなりません。
我慢の限界に達すると、気持ちがいっぱいいっぱいだから、おっぱいを止めたくなるのではないでしょうか?
おっぱい止めたいオ―ラが出まくっているから、お坊ちゃんはそれを察知してお家に居る時、ぶら下がっているのではないでしょうか?
反対にお出かけ先や公園で遊んでいる時は、お母さんのおっぱい止めたいオ―ラ出ていないし、楽しいからぶら下がったりしないのだと思います。
 

一番いいのは旦那さんに30分でも早く帰ってきてもらうことです。
そして、辛い胸の内を聞いてもらうことです。
30分早く帰ってきてもらうくらいでは具体的・直接的に何かしてもらうのは、時間的には難しいかもしれないです。
でも、30分早く帰ってきてもらい、旦那さんに精神的に我慢の限界であることを知ってもらうだけでも、不思議とイライラは減ってきますよ。

 万一、それがどうしても不可能ならば、お坊ちゃんの一時保育をお願いしてみては如何でしょうか?
たとえ3時間でもお坊ちゃんと離れると、冷静に自分を振り返ったり、黙々と家事をこなす中で、気持ちにゆとりが芽生えてきます。
反対におっぱいにぶら下がらせたくなったりして。(爆)
なので、手を拱いていないで、思い切って旦那さんにアプローチしてみましょう。

2014年6月19日 (木)

妊娠悪阻の際の口腔ケアは?

妊娠悪阻(つわり)の酷い時は、お口のケアはどうすればいいのでしょう?
歯ブラシを口に入れただけでえづくこともあると思います。

少しでもしのぎやすい状態にするには、嘔吐した場合は、できるだけ早めに含嗽することです。
取り敢えず、胃液に含まれる酸を落とすためです。
いわゆる酸蝕症を防ぐためです。
そして、30分以上経過して、ある程度再石灰化を進めた段階で、歯磨きをします。

但し、妊娠悪阻の際の歯磨きは、結構辛かったりします。
そんな時は、口腔用保湿ジェル(商品名:オ○ト○オ○ズ®)というものがありますので、歯科で相談してみては如何でしょう?

完母の赤ちゃんは預かる時大変?(Byおばあちゃん)

今のおばあちゃん世代はミルク育児が主流でしたから、ご自分がなさっていない完母を実践しているお母さんの授乳スタイルを理解しがたい傾向があるのは否めません。

 こんなことを申すのもナンですが、SOLANINは勤務先の母乳外来で㌧でもなことを言われることがあります。
例えば、「赤ちゃんを預からなくてはならない時、哺乳瓶が使えなかったり、ミルクが飲めなければ代わりに世話することも出来ないじゃないですか。」とか「完母を勧めることは、お母さんのリフレッシュ機会を少なくする。(美容室に行けない、映画も観に行けない等の事例を引き合いに出されます。)」「完母ではお母さんにしか懐かない赤ちゃんになってしまい人見知りが助長される。」等の、おばあちゃんなりの心配や不安を真正面から受けている者としては、この誤解を解いていきたいと思います。
 

まず、赤ちゃんを預からなくてはならない時って、想像とは異なり、そうそうザラにはありません。
(お母さんが育児放棄しているなら別でしょうが・・・まさかそれはないでしょう。)
お母さんから赤ちゃんを切り離そうとするから問題が生じるのです。
「預かる。」のではなく「付き添う。」ようにすればいいのです。

 哺乳瓶が使えなくても、スプーンやスポイドやソフトカップ等でも赤ちゃんは飲めます。
ミルクが飲めないなら搾乳や冷凍母乳を活用すれば良いのです。 

仮にお母さんが体調不良の時は、赤ちゃんのお世話を肩代わりするよりも、赤ちゃんのお世話だけ専念出来るように洗濯物を干したり、ご飯の支度や片付けをしてあげたり、上の子の送迎を請け負ってあげたり、お風呂に入れてあげたりした方がより一層、感謝してくれるのではないかと思います。

 美容室は美容師さんが実行確実な予約を入れるとか、過去記事にもあるように赤ちゃん同伴で行けるサロンを選ぶとかすればいいのです。
映画を観たければ、赤ちゃん連れでも行ける映画館(曜日・時間指定制)を選んで行くとか方法はあります。
(ってか、赤ちゃんが小さいうちは映画観る余力があるお母さんてあまり居られないという気がしますが。新作を大画面で観るのに拘らなければ、DVDをレンタルして、自宅で赤ちゃんがネンネの間に観る方が余程気楽ではないですかね?)
 

お母さんが入院しなくてはならないなら、月齢によっては赤ちゃんの同伴入院が可能な施設もあるのですから、予め情報収集しておけば、いざという時慌てずに済みます。

人見知りについては過去記事にもありますように、ある一定の月齢になれば発達段階のひとつとして発現してもフツーであること、いつまで続くのか?程度がキツイいのかユルいのか?は赤ちゃんのキャラにもよるトコロが大きいので、完母だから完ミだからと一概には言えないことをきちんと説明したら分かってくれます。 

赤ちゃんがおっぱいだけの時期はせいぜい5~6か月。
やがて離乳食も食べるようになります。
赤ちゃんへ「餌付け」をしたければ、ミルクでなく、お食事の方が長い目で見て、色々食べさせてあげる楽しみが大きいと思います。
特に完母の赤ちゃんの離乳食はゆっくり傾向が強く、お母さんが食べさせると少ししか食べないけど、おばあちゃんだったら食べっぷりが良いことも多々あります。
ミルクに慣らさなくても、お母さんをサポートすることは充分可能です。

また、これはかなり個人的希望ではありますが、産後早急な仕事復帰とかの特殊事情がなければ、お母さん自身も出産前や出産直後から「いつでも気軽に赤ちゃんをおばあちゃんに預ける育児」を想定するのではなく「いつでもお母さんが傍にいるよと赤ちゃんを安心させてあげる育児」を目指して貰えたらと願います。

意味のない授乳停止は止めましょう!

 

先日母乳育児中の5ヶ月の赤ちゃんのお母さんと街角でばったり出会った時のお話です。
なかなかおっぱいが上手くいかなくて混合栄養中のお母さんです。
1滴でもたくさんおっぱいをあげたいと、母乳外来にも度々来られていた方です。

 暫く来院されないなぁ~と思っていたら、今になって、何故かロタウイルスに感染したそうです。
数日間吐き戻しと下痢でフラフラで、辛抱出来ずにQQ受診されました。
(休日だったこともあってQQ受診されたそうです。)
で、当直のドクター(男性で内科?)に『ガスター®』『ナウゼリン®』『ラックビー®』を処方されたそうです。
ドクターいわく、「授乳中では出せないお薬だから、搾乳して捨ててね。」と言われ、QQの看護師からも「そうよ。おっぱいに出るからね。」と注意されたそうです。
 

とにかくしんどかったので、確認する意欲もなく、4日間はおっぱいは搾って捨ててたそうです。
お母さんはもちろんしんどかったのですが、おっぱいをあげずに搾って捨てたのはやはりドクターやQQの看護師から「NG。」と言われたのがアタマに残っていて、「そうなのか。」と思ったからだそうです。

あぁ~だから言わんこっちゃないのよね。
他科のドクターはご自身が母乳育児中でもなければ、授乳中のお母さんの服薬について
、「専門外」だし「関心が無い」からお薬の添付文書棒読みで無難なトコロで話を付けたがられる傾向大なのですよ。 

この3つのお薬、「☆おっぱいとお薬」に出てくるお薬なんだけどなぁ。
『最強母乳外来』の読者さんで、記憶力の良い方だったらビックリ仰天な授乳停止指示でしょう?
かようにドクターの発せられるお言葉は重いのですね。
けれども、過去記事にも書いてますが、この3つのお薬、授乳中停止しなくてもよいお薬ばかりなんですね。
しかも一般の方ならまだしも、このお母さんはとある総合病院の看護師さんなのですよ。
[20歳代]ですが、ぽっと出の新人看護師さんではありません。
また、この3つのお薬は、かなりポピュラーというか、産婦人科以外の科で汎用されますから、知らない筈はないと思います。

 お薬の作用やどの程度のお薬かが分からないというのは、有り得ないです。
ホンマかいな?と思ったら、電話でも良いから、聞けば済むことですからね。
「何故確認の電話をかけて来なかったのか?」
「そのお母さんにとって、おっぱいは所詮その程度のモノだったのだろうか?」
普段から授乳中で産婦人科以外を受診時にはこう言われるから、必ず確認してね。と助言してるのも関わらず・・・だったので、がっかりでした。
「要するにこのお母さんは人の話を聞いちゃいないのかなぁ?」
「そんなんで、よく看護師さんが務まるなぁ?」
「おっぱいを大切にすることはご自分と赤ちゃんを大切にすることに繋がるのに。」
・・・と、残念な気持ちになりました。

2014年6月18日 (水)

乳児健診の賢い利用方法とは?

SOLANINは別に昔の育児の方法を全否定しているわけではありません。
昔と言っても色々な時代があるし、おばあちゃん世代と言っても範囲は広いですし。

そんな中、子育てのお手伝いをしてくださるおばあちゃんの「意識改革をしたい。」
「イマドキの子育てについてもうちょっと知識を仕入れて欲しい。」「嫁(若しくは娘)の言うことは聞いてくれないけれど、医療者のアドバイスなら聞いてくれるかも。」ということを考えておられるならば、是非ともお勧めしたいのが、赤ちゃんの健診(病院での個別健診でも、保健所や保健センターでの集団健診でもどちらでも。)におばあちゃんを連れて行くということです。
 

もちろん、相手となる小児科ドクターのキャラや母乳育児にどれだけ熱心かという事前調査はしてくださいね。

策士?のお母さんはドクターの言質を上手に誘導されますね。(笑)
例えば、母「おっぱいの後げっぷをしても唸りますが、大丈夫ですか?」
D「げっぷをしても唸るということは、たくさん飲んだということですね。」
母「たくさん飲んだら太り過ぎになるのでしょうか?」
D「母乳の場合心配ないですよ。満腹が分かるようになれば、調整して飲むようになりますからね。」
母「では、唸りにくくなるよう、寝かせ方に工夫をしたらいいのですね?」
D「そうなりますね。」
母「義母さん、やはり平らよりも頭を高く寝かせれば〇〇ちゃんは唸らないからいいようですね。」
・・・とまぁ、こんな感じに采配を振るわれます。
傍で見ていても、見事ですな。
 

SOLANINは勤務先では2週間健診を担当することが多いですが、そういうお母さんがおられたら意を汲んで対応しています。
おばあちゃんを嫁(若しくは娘)の母乳育児のサポーターに仕立て上げる工作員として日々活動中です。(笑)

グズグズ言い始めたら直ぐに飲ませる?

赤ちゃんがグズグズ言い始めたら、直ぐにおっぱいを飲ませた方が良いのか?
疑問に思うことってありますよね?
赤ちゃんの月齢やキャラにもよりますが、基本的には私は「おむつ見て、汚れてたら交換して」「抱っこしてあやして」それでもダメだったら授乳間隔が詰まっていようがなんだろうが気にしなくていいから「躊躇わずにおっぱいをあげてね」と勤務先で出会ったお母さんたちに助言してます。

 おっぱいを速攻であげると、咥えた途端に眠ってしまう赤ちゃんもおられるので、悩ましい想いのお母さんもおられるでしょう。
しかし、例えば夜中だったらグズグズでも泣き声は響くから、お家の方たちも目を覚ましてしまわれるかもしれません。
また、グズグズを放置してギャン泣きをさせると、巻き舌で飲み方が下手っぴちゃんの場合、怒りのあまり収拾がつかなくなり、おっぱいに吸いつけなくなることすらあります。
 

家庭訪問の保健師さん達はこの件に付いて訪問先のお母さんに色々意見されることもあるようですが、グズグズの「放置プレイ」は止めた方が良いと思います。

2014年6月17日 (火)

妊婦さんは湿布を貼ってはいけないの?

妊娠経過とともにおなかが大きくなり、重心もズレてくることや、リラキシンというホルモンの影響で骨盤周囲が緩むことなどから、腰痛を訴える妊婦さんは少なからずいらっしゃいます。

軽々に内服薬(痛みどめ)に手を出す妊婦さんはまずないでしょうが、「湿布や塗り薬(=外用薬)だったら大丈夫かな?」と、思ってしまう妊婦さんは居るかもしれませんね。

でもね、モノや時期によっては、絶対禁忌ということもあるのです。
SOLANINが若かりし頃(つまり大昔)に勤務中に産婦人科ドクターから教えて頂いた話があります。
「妊娠中期以降(後期だったかも?)非ステロイド系消炎鎮痛薬の「インダシン®」を妊婦さんに投与すると、おなかの赤ちゃんの腎臓にダメージを与えたり、動脈管が早期に閉鎖してしまい胎児死亡という症例があったので、そのリスクを回避するために、「インダシン®」を投与しちゃいけない。」という内容でしたが・・・あれは確か外用薬としてではなく内服薬としてだったと記憶しています。

閑話休題。

ここ最近の話ですが、非ステロイド系消炎鎮痛薬の外用薬を使用した妊婦さんに同様の症例報告があったので、産婦人科ドクターは、妊婦さんから腰痛の訴えがあっても、おいそれとは湿布を処方されることはなくなりました。
あっ、もちろん、湿布と申しましても、すべての湿布がNGとゆうわけではありませんよ。
所謂、市販薬でいうところの第1種医薬品(店頭購入の医薬品で、薬剤師さんの説明を受けないと購入できないお薬=薬剤師さんが不在時は販売してもらえないお薬。)がNGなのは特別に説明しなくても即ご理解いただけると思いますが、第2
種医薬品であっても、効き目の強いタイプの外用薬がそれに該当しますので注意が必要だとゆうことです。
市販薬としての商品名を挙げると、「ジクロテクト®」「ボルタレンAC®」「フェイタスZ®」などですな。
病院で処方されることのあるお薬の商品名としては、「モーラス®テープ」「エパテック®ゲル」「ミルタックス®ハップ」などですな。
「ロキソニン®テープ」は?
う~ん。
今のところ、おなかの赤ちゃんの動脈管云々の報告はないですが
、「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。」とのことですから、積極的に使うべきではないと思いますね。
喘息持ちの妊婦さんは症状悪化の恐れがあるので、ハナから使えませんし。


それ以外の第3種医薬品の湿布であれば、産婦人科ドクターの処方をしていただかなくても普通に店頭で購入できますし、それらは妊娠中使用禁忌の記載もないのでOKとなります。

妊娠中の腰痛は、トコちゃんベルトを適切な位置に装着すれば、とてもラクになりますし、産後も使用できるものなので、SOLANIN的には腰痛時の対処の第1選択は湿布じゃなくてトコちゃんベルトだと思いますね。
動脈管云々のリスクが無いから安心ですし。

祖父母の口出し(困)

お母さんの方のおじいちゃん&おばあちゃん(=実父母)ならば、そうでもないかもしれませんが、旦那さんの方のおじいちゃん&おばあちゃん(=義父母)に子育てに関するお母さんの気持ちや方針を伝えるのは簡単ではありませんね。

 旦那さんが名コーディネーターならばいいのですが、そういうご家庭ははっきり言って少ないと思われます
旦那さん自身が親のいいなりだったり、嫁の気持ちを伝えるにも、テクニック的に下手(=ガンガン言うだけ)で逆効果だったり・・・
 

米の研ぎ方や靴下の干し方くらいなら、義母さんに合わせてもいいかもしれないけど、赤ちゃんの育て方については頼みもしないのにあれこれ口出しされたり、お母さんの気持ちを踏みにじるようなことはしてほしくないですよね

 そんな時はなるべく早く、『お願い作戦』をしてみましょう。
後になればなるほど、「じゃ、今までのは何だったのか?」とか、「昨日までは、文句を言われなかったのに、何故今日からダメなのか?ということになりますから、早ければ早いほどいいです。
項目はひとつづつ。
細かく分けた方がいいです。
旦那さんには「そういうわけだから、親父、お袋頼むよ。」だけ言ってもらえばいいのです。
これだけなら、かなりの口下手さんでも大丈夫です。
嫁の言うことは聞かない義父母も、息子の言い分には耳を傾けますから。
それから、旦那さんの兄弟姉妹を味方につけること。
これは『相談作戦』です。
相手を立てて、困っていることを、「心配なんです。どうしたらいいですか。」と、相談を持ちかけるのです。
(後でお礼を忘れずにね。)
相当性根の悪い人じゃなければ、強力な援軍になりますよ。

読者さんから教えていただいたグッドアイデア。

1歳のお子さんを母乳育児中のてんとーむしさんから、とても素敵なグッドアイデアを教えていただきました。
私が知ってるだけでは勿体無いので、是非ともみなさんに、お知らせしたいと思います。(事後承諾でゴメンなさいね。)
母乳育児は山あり谷ありです。
お子さんがおっぱいちょうだいのサインを出すにも、「ここではちょっと・・・」の場面や、お母さんの気分がすぐれない時は、嬉しい気持ちであげられないこともあるかもしれませんね。
そんな時に「おっぱいちょうだいの時、チュッてするのよ。」と、お子さんに憶えておいてもらうと、お子さんがおっぱい欲しい時、お母さんの機嫌をとりたい時(空気を読んだ時?)はチュッてしてくれるので、和むそうです。

 お子さんにチュッされるのって、きっとほんわか気分になるんじゃないかしら。
大きくなったらチュッなんてしてくれない(多分・・・経験上・・・)でしょうから、赤ちゃんや授乳中の幼児期ならそういうお約束も自然に憶えてくれるでしょう。
毎日のおっぱいタイムに導入されてはいかがでしょうか。
ほんわかしたいお母さん、今なら間に合いますぞ。

2014年6月16日 (月)

お母さんが傷つく言葉「おっぱい足りてるの?」

メンタル面での健康は大事です。
赤ちゃんとお母さんにお見舞いに来られた方々から、ほぼ100%挨拶代わりに聞かれるのがこの言葉です。

 私、この言葉、嫌いです。
聞いてる人に、悪気はないんですよね。
それは分かります。
でも、産後ってお母さんの気持ちも不安定なんですよね。
おっぱいがよく出ているお母さんでも、こういう言葉を耳にされると、「えっ、私ってまだあんまり出てないのかな」って惑わされてしまわれるから。
私はかつて自分が出産で入院している時、「おっぱい足りてるの」と聞かれた時、とても嫌だったから、絶対に使いません。
 

赤ちゃんはとても敏感です。
何となく浮かぬ顔のお母さんを見ると、「お母さん心配しないで。」とシグナルを送りますが、そういう時のお母さんのアンテナは低くなってるから気がつかないんですね。
で、だんだん不安にかられ赤ちゃんは泣くのですね。

 そういうデリカシーのない言葉を聞いて私同様、ムカっとしたお母さんは次のように受け流してください。
「ひにちに応じた出方をしていると、助産師に言われました。」
「パンパンに張ると赤ちゃんが飲みにくいので、このくらいの張り方でちょうどいいそうです。」
「ウチの子は食い意地が張っているので、こまめにあげなさいと小児科のドクターに言われました。」
「こまめにあげるとおっぱいの出方が良くなるので、昨日は15回もあげました。」
・・・などなどです。
悪意のない嫌な言葉には、詰まるのでなく切り返しちゃいましょう。
冷静・強気で行っちゃいましょうね。

母乳育児サークル。

実はSOLANINはひょんなことから、京都市で1983年頃から活動を継続しておられる、『母乳育児サークル』さんと知り合うことがあり、設立から携わっておられる、浅井富美子さんと親しくさせていただいております。

 私の住まいからはかなり遠方ですし、仕事もあるので、毎週の集会には参加は難しいのですが、普通会員ではなく、賛助会員という区分ができたので、2009年度から入会することに決めました。 

先日送付していただいたサークルだより第49号に特別例会「2歳児との付き合い方」という演題でアンハウスの内村紀子さんがお話された内容が掲載されていました。

 ”魔の2歳児”という言葉があるが、宥めても厳しく言い聞かせても扱いにくさを感じるのはお子さんが「いや」という言葉を覚えて頻繁に使うからだ。
でも、悲しいことですが、親に捨てられたり虐待された子は「いや」とは言えないし言わないことを知っていますか?
「いや」というのは魔法の言葉で、大好きなお母さんが振り向いてくれる、構ってくれるのが分かっているから連発するお母さんへの”絶対的な信頼のあかし”であるそうです
・・・「いや」を連発されると、お母さんもイライラするし、自分の育て方が間違っていたかと悩むこともあるでしょうが、その逆で、ちっとも間違ってなんかいないんだと自信を持って「いや」をとことん楽しんじゃいましょう。
 

内村さんからのメッセージで
①子供の好奇心を育てよう。
②子どもと一緒に感動しよう。
③子供に安心感を与えてあげてねとありました。
素晴らしいそして、元気の出る言葉ですね。

・・・あっ、もしかしてこの記事って、『母乳育児サークル』さんの会報誌の著作権に抵触しますか?
大丈夫ですよね?
SOLANINは単に京都市近郊にお住まいのお母さんで、まだ『母乳育児サークル』の存在を知らない方に対し、この記事を通して参加される方が増えたらいいなという意図で、ご紹介しただけです。
それ以外の意図はありませんので、ご了承くださいね。

2014年6月15日 (日)

新生児の呼吸は。

新生児は鼻呼吸しかできません。
鼻腔が詰まって苦しそうにしているのは、ホントに苦しいからです。
大泣きしていたら、口呼吸しているから大丈夫?
いいえ。
大泣きしていても、鼻腔が詰まっていたら窒息の恐れがあります。
(新生児は、まだ口呼吸はできませんから。)
あえぎ呼吸の時は早急に鼻腔の詰りを取り除いてやってください。

鼻腔の詰りが起きるのは、大抵は鼻粘膜が浮腫んでいる時です。
鼻の温罨法をするのも良いですし、お部屋の加湿をするのもお勧めです。
その上で、鼻くそが塞いでいる場合は、おっぱい綿棒でお掃除してやっていただけたら苦痛も少ないので助かります。
鼻汁の場合も鼻の温罨法をしてから、鼻吸い器で吸引するといいでしょう。
鼻吸い器の機種につきましては、過去記事をご参照くださいね。

母乳育児中のお母さんがしてもらって嬉しいこと(旦那さん編)

休日出勤の日の私の仕事はお母さんと赤ちゃんのお世話ですが、母乳外来の患者さんが受診されると、私が対応することになっています。
今日は乳腺炎の方ではなく、6日前に2週間健診を受診され、退院時よりも体重が減少していた、Hちゃんとお母さんのAさん&その旦那さん(=Hちゃんのお父さん)が来院されました。

 Aさんは入院中から、乳房がガチガチで、糾励根の湿布が手放せない状態でした。
元々冷え性/肩こり/骨盤の緩みと3拍子揃っていたのに加えて、赤ちゃんの吸着に問題があり、飲みムラも激しく、昼夜逆転傾向でした。
退院後は熱発し、乳腺炎にもなり、乳頭は傷だらけのままで、心が折れそうになっておられました。
「張るし、痛いし、おっぱいが出ないし。」の三重苦でしたから。
今日はAさん母子に旦那さんが付き添われ、私にも実に多くの質問をされました。
赤ちゃんの生理的な現象や乳房の状態など、旦那さんの疑問には誠意を持って答えました。
が、多分奥さんのことが心配でならないのでしょうが、「妻がおっぱいにかかずらっている。自分が赤ちゃんをあやしてもどうにもならず、結局赤ちゃんはおっぱいを飲まなくては承服しない。ミルクだったら自分が妻に代わってしてやれるのに。夕方過ぎからグズグズ泣いて1時間置きにおっぱいで、乳首もふやけ乳房も張らず、ホントに出ているかどうかのようなおっぱいをあげることに意味があるのか」と気持ちを述べられました。
う~~~~ん。どうでしょう?
Aさんは几帳面な性格の方ですが、今日はおっぱいの出方にも自信が持てる状態で、赤ちゃんの体重も増えてきていたので、表情も明るく前向きでした。
旦那さんの仰ることも分からなくはないですが。
 

皆さん、いかがでしょう?
完母またはそれに近い状態のお母さん、旦那さんが「ミルクを足したら。」と言ってくれて、嬉しいですか?
私はそうじゃないと思うのです!!
確かに懸命にあやしてもおっぱいには敵わないから、きっとこの旦那さんは無力感が強かったのでしょう。
大変な状態の妻の役に立ってあげたい、赤ちゃんを泣き止ませたいのでしょう。

 でもそうじゃなくて、大変な状態の妻を認め、労うこと。
例えば「ここを乗り切ったらきっと赤ちゃん眠ってくれるから、もうひと頑張りやな。」「いつも赤ちゃんのために痛くても吸わせてくれて有難う。」っていうような言葉をかけてくれたら、妻としてはとても報われるというか、嬉しいのではないでしょうか。
 

また、旦那さんが自分に出来る家事をしてくれることも、産後は特に助かるのではないですかね。
例えばのどの渇いている妻にさりげなくお茶を淹れてくれたり、(恩に着せたりせず)出勤時にごみ出しをしてくれたら助かりますよね。

 上手く表現が出来ませんが、旦那さんには赤ちゃんに対し、妻と同じことをするのではなく、妻を支える言動をしてくれた方が、夫婦の人間関係が良くなるし、その方がおっぱいが楽しくなると思います。

おっぱいのお写真撮っていますか?(若干改訂版)

SOLANINの勤務先の母乳外来のお部屋には、B4サイズに伸ばした授乳中のお写真を飾っています。
ずっと昔はポラロイドでお母さんが赤ちゃんを抱っこしているお写真を撮らせてもらってました。
それをパネルにペタペタ貼って飾っていました。
そもそも、「お母さんと赤ちゃんとの2ショット」のお写真って、無いのよね。
「赤ちゃんだけ」とか「誰かが赤ちゃんを抱っこしている」お写真はあるんです。
けど、赤ちゃんに一番近いお母さんが撮影係になっちゃうから、「お母さんと赤ちゃんとの2ショット」は意外と貴重です。

最近は時々ですが、同意のあった方に「授乳中のお写真」を撮らせてもらっています。
これがまた、たまらなく可愛い。
どの赤ちゃんもいいお顔しているんです。
お母さんはシャイな方が多いので、横顔かうつむき加減でお顔自体は分かりにくい角度で撮っています。
もちろん、ご協力いただいた方にはL判サイズで焼いてプレゼントしています。
 

私は子供が3人もいるのに、授乳中のお写真はたったの5枚しかありません。
それも月齢の小さい頃ばかり。
今更ながら、残念です。

この記事を読む多くのお母さんは実現可能だと思います。
最近はデジタルカメラやケータイorスマホのカメラなど、その場で確認できる手段がありますから、ダメ写だったら直ぐにやり直せますし、便利な時代になりました。
きっと良い思い出になりますよ。

ちなみにSOLANINが若かりし頃は、アナログカメラで撮影したフィルムを写真屋さんに持ち込み注文していた時代です。
あの頃は、いち早く写真を仕上げたいなら同時プリントするしかなく、仮に㌧でもな映りの写真があっても、全部引き取らねばならなかったし、それを回避するには、先にネガを焼いてもらい、それを見て映りの良いのを選ぶやり方でした。
そうすると、仕上がりにめっちゃ日数がかかりましましたからね。

追伸:どんなに可愛い赤ちゃんも干支(えと)が一回り(=12年)する頃には、生意気になります。
その時までお写真は大事に取って置き、ここぞとばかり見せてやりましょう。
①赤ちゃんの頃は無条件に可愛かったこと。
②お母さんが毎日一生懸命慈しみ育てているたこと。
③そんなお母さんに悪態ついたらバチが当ること。

                             
 以上!

2014年6月14日 (土)

上の子への夜間頻回直母に悲鳴!(2歳6ヶ月)

<ご相談内容>
上の子(2歳6ヶ月)と下の子(3ヶ月)にタンデム授乳中です。
下の子は3,455gで生まれ、満3ヶ月で6,800gと順調に成長中です。
昼間は1~3時間に一度のペースで授乳、左右5分*2クールなんてとんでもなく、大抵早ければ2分、睡眠前などに長くても10分も飲めば満腹になるようで飲むのを止めます。
その後は溢乳しますので足りていないことはないのだと判断しています。
1日の授乳回数は10~12回です。夜間は6~7時間続けて眠る親孝行な子です。
しかしながら上の子は新生児の時からおっぱいっ子だったのですが、現在も一回の授乳時間も授乳回数も下の子を上回ります。
特に授乳時間が夜間は一度飲み始めると30分~1時間と大変長く、しかも毎晩2~4回。
下の子が朝までに1回程度なのに上の子が新生児並みにおっぱいから離れないのが苦痛でなりません。
自然卒乳を目指しているのですが、『おっぱい飲む』と言われるとストレスを感じる自分が嫌ですし、私自身も寝不足、上の子は果たして充分に眠れているのかと心配になります。
言い聞かせで『ご飯をしっかり食べて、寝るとき飲んだら朝までしっかり寝ようね』と話すのですが効果は見られません。
このまま上の子への授乳を続けるのが子どものためになるのか悩み中です。

<SOLANINの回答>
1歳以上の長期授乳をされる場合、おっぱいの役割は栄養の主体から徐々に心の安定剤的なものに変わってきます。
2歳でも3歳でも、おっぱいを飲みたいと思うこと、おっぱいを飲む行為自体は微笑ましく出来る限り受け止めてあげたいものですが、相談者さんのように昼夜を問わず新生児並の頻回直母、それも下の子さんの授乳回数を超える勢いともなれば、心身に苦痛を感じても致し方ないとお察しします。
お母さんだけが耐え忍んで、上の子さんの意を汲み頻回直母を受け入れるというのは、流石に如何なものかとSOLANINも思います。

かといって、タンデム授乳をされるまでの相談者さんに、今更ながら夜間断乳を勧めるのも何だかなぁ~という気がします。
相談者さんは、上記のように言い聞かせをしていらっしゃいますが、効果は無いとのこと。
となれば、別の形で言い聞かせをしませんか?


旦那さん(大家族であればおじいちゃん・おばあちゃんもアリです)に協力してもらい、「ネンネの前におっぱいは飲んでもいいけれど、もう2歳なんだからネンネはお父さんと一緒だぞ!」「2歳の子は赤ちゃんとは違うんだよ。」ということを、毎日何度でも根気よく、繰り返し言い聞かせて貰います。

その上で、夜間減乳(←SOLANINの造語です、多分)を試みては如何でしょうか?
2歳6ヶ月だったら、ギリギリ受け答えができるかと思います。
それだったら、この作戦は出来るかなと思います。
まず日中、上の子さんと一緒に、「おっぱいカード」を作成します。
一気にゼロは難しいでしょうが、一晩の授乳が4回が2回に減ったら、随分心身の負担感が減りませんか?
そこを狙います。
「ネンネの前に忘れないように「おっぱいカード」を枕元に置いておこうね。」
「おっぱいが欲しくて目が覚めた時は、この「おっぱいカード」を1枚だけ持ってくるのよ。」
「お母さんに「おっぱいカード」をどうぞ!してね。そしたらおっぱいあげるからね。」
「ただね、夜中におっぱいは今日から2回までだからね。」
「おっぱいを飲んだら、お父さんと一緒にネンネだよ。」
(おっぱいとネンネを切り離せればいいのですが、無理っぽかったら、寝落ちした後、旦那さんに上の子さんを引き取って貰います。)
「2回より多いとお母さんはしんどくなって、おっぱいあげられなくなっちゃうの。」
「3回目はナシだからね。お父さんと一緒にネンネだよ。」
「夜はおっぱいもネンネするんだよ。そうでないとおっぱいも元気がなくなって、出なくなっちゃうんだ。それって困るでしょ?お母さんも困るんだよね。」と説明してあげてください。


上の子さんが持参した「おっぱいカード」の取り扱いですが、取り敢えずお母さんの敷き布団の下にでも敷いて、朝まで隠しておいてください。(上の子さんに夜中に「おっぱいカード」を奪還されないようにするためです。)

恐らく2~3日はグズグズ、ブーブー文句を言われると思います。
それでも、お母さんの気持ちは変わらないことを実感できたら、きっと受け入れてくれます。
どうにか「おっぱいカード」で、夜中の授乳が2回迄に収まれば、必ず褒めてやってください。
「おっぱいカード」を差し出された時は、必ず受け入れてやってください。
そして、朝の目覚めのおっぱいは、お母さんから誘ってご馳走してやってくださいね。
「おっぱいカード」は毎晩リサイクルして活用してください。

乳頭混乱や哺乳ストライキの時の母乳管理はどうするの?

「乳頭混乱」も「哺乳ストライキ」も、大変辛い出来事です。
昔から、これが原因で母乳育児を諦めるお母さんは少なくありません。
復旧するのに数日で済めば奇跡的、数週間~数ヶ月を要することも、決して稀ではありません。
「乳頭混乱」は、安易に(新生児のうちからであっても!)哺乳瓶哺乳に慣れさせると、お母さんの乳首をどうすれば吸啜できるのかという基本的動作が、一瞬にして分からなくなり、結果直母が出来なくなることです。
注意したいのは、哺乳瓶を何度も使ったら起こるものとは限らず、たった1回2回の使用であっても、そうなってしまうことがあることです。

 「哺乳ストライキ」は、まだ離乳の完了ではない時期なのに、赤ちゃんが心身にダメージを受けることがきっかけで、直母による哺乳自体をしてくれず、赤ちゃんが直母を拒否し続けることです。
いささか感性の鈍いお母さんだったら「早い卒乳」として片づけられることもありますが。(汗)

このような場合、一般的には、次のように指導されることが多かろうと思われます。

▼「とにかく吸わせなさい!吸わせれば分泌も増えます!」、
▼「搾乳なんてしなくていい。そんな暇があったら吸わせなさい!」
▼「寝ぼけているとちゃんと吸ってくれないから刺激にならないよ。耳を抓ってでも起こして吸わせなさい!」

ふむふむ。なるほどね。
確かに一理はありますね。
けれども、「乳頭混乱」や「哺乳ストライキ」という状態は、そもそも赤ちゃんがお母さんの乳首を咥えない、仰け反って嫌がる、吸啜もしないという困難な状態です。

 おっぱいの分泌の維持向上のためには、赤ちゃんをしっかり起こして吸啜させないと、効果的な乳頭刺激にはならないことは事実ですが、それに該当するのは、単純な眠り姫・眠り王子の場合です。
眠り姫・眠り王子の場合は、ひたすら叱咤激励し、おっぱいセールスに励むことこそが、母乳育児確立のための最大の方法です。
 

しかし、「乳頭混乱」や「哺乳ストライキ」の場合、お母さんの乳首に咥えも吸いつきもしないのですから、この指導は論理的に矛盾しているのですな。
ハッキリ言って、このような指導は、「画餅」以外の何物でもありませんな。

では、差し当たりどうすればいいのか?
いつ咥えてくれるか、吸啜してくれるかは正直言って未知数ですから、それまでは最優先事項はおっぱいの分泌の維持向上です。
つまり、NICUに搬送されて母子分離状態のお母さん、仕事復帰が早くてなんとか母乳育児を続けようとしているお母さんと同様のことをされたらいいのです。(ブログの本文右側にあるサイドバーの「☆仕事復帰とおっぱいのの両立」「☆搾乳の分泌維持と活用・冷凍母乳」「☆乳頭混乱」や「☆哺乳ストライキ」というカテゴリーを復習して対策を講じてください。
直母の練習は赤ちゃんの機嫌を見ながら慎重に進めます。
しっかりと覚醒している時は大抵失敗しますから、赤ちゃんが寝惚けているタイミングを見計らいましょう。


 「乳頭混乱」の最大の予防は、赤ちゃんに安易に哺乳瓶(ゴムの乳首)を使ったり、おしゃぶりを与えないことです。
「哺乳ストライキ」の最大の予防は、赤ちゃんの心身の健康管理に尽きます。
美味しいおっぱいを落ち着いた環境で飲ませてあげること、口腔系や耳鼻咽喉科系の病気に罹らないことに尽きます。

2014年6月13日 (金)

耳瘻孔とは?

耳瘻孔は遺伝的な要因が関与していると言われています。
場所としては、その殆んどは耳の前側に見られます。
だいたいですが、2~3%の赤ちゃんに見られます。
穴の大きさとしては、ピンホール(小さめのピアスホール?)くらいです。
大抵の場合、普通に過ごしていれば何の症状もないので、特段の処置は不要です。
小児科ドクターも、「何の症状もなければ放置していいよ。」と言われることが多いと思います。

但し、この穴の下には袋が隠れています。
清潔にしないと、その袋に分泌物が溜まることがあり、それが原因となり、細菌感染することがあります。
そうすると、穴の部位に炎症所見が出てきます。
具体的には、穴の周囲がプクッと腫脹したり発熱や疼痛を伴うことがあります。
症状が重くなったり、感染を繰り返すようであれば手術適応になりますが、そこまで進行することは稀だとされています。

赤ちゃんのうちに炎症所見が出たという話は聞いたことが無いですが、行動範囲の拡がる1歳以降は、感染機会が増えることが想定されます。
仮におっぱい星人であれば、腫脹・発熱・疼痛が出現すると、おっぱいを飲みにくそうにしたり、飲みながら手で耳の前側を触りながら泣いたりするかもしれません。
耳瘻孔があるお子さんには、時々でいいですから、「大丈夫だよね?何ともないよね?」というスタンスで穴の部位をチェックしてあげるとよいでしょう。

赤ちゃん、おっぱい飲んでもいいですか?

「赤ちゃん、おっぱい飲んでも良いですか?」
これは、喋るおっぱい星人が、お母さんのおなかの赤ちゃんに尋ねた言葉です。
妊娠中は心身ともにデリケートですから、おっぱいの最中に乳房が痛くなったり、気分が悪くなったり、吸っている我が子が疎ましくなったり、わけもなくイライラしたりという変化が起きることがあります。

 それは特段おかしなことではないのですが、おっぱい星人のリクエストのままに応えることは、ちょっとしんどくなることもあります。

そんな時、どうすればいいのか?それはですね~、喋るおっぱい聖人におなかの赤ちゃんへお伺いを立てさせるのです。
そして、およそ有り得ない裏声で、「イイですよ。」とか、「今はお休みしてください。」とか、「ちょっとだけにしてもらえますか?」というようなアンサーをお母さんがすればいいのです。
その前に普段から、「おっぱいは基本的に赤ちゃんに優先権があること」
を、くどいくらい念押ししてくださいね。
「今はお休みしてください。」の時は、「ええっ、駄目なの?」と、機嫌が悪くなる危険性はありますが、「もう暫くしたら大丈夫かもしれないから、後でもう一回聞いてみようね♪」と、気を取り直してくれるように前向きの言葉かけをしてあげましょうね。
「ちょっとだけにしてもらえますか?」の時も、赤ちゃんのお願いを聞いてくれたわけですから、おっぱいの後に、「ちょっとだけで済ませてくれてありがとうね。」と、労ってあげてくださいね。
 

お兄ちゃんやお姉ちゃんになるということは、「物事には順番があること」や「譲ったり、ちょっとだけ待たなきゃならないこと」を思い知ることでもあるのです。
一方的に要求したり命令しても、あまり気の進まないことに耳を傾けてはくれませんが、「お母さんが自分の気持ちを分かってくれること」や「労ってくれること」をアピールすることで、少しずつ乗り越えていけるようになってくるのですね。

 追記:裏声がバレないかですって?
それが意外に大丈夫なんですよ。
おなかの赤ちゃんに尋ねる時は、おなかにお口を当てるように喋ってもらい、おなかの赤ちゃんからのアンサーを聞く時は、おなかにピタッと耳を当ててもらうので、お母さんの口元さえ見られなければ、問題ないです。
勿論、万全を期すために、裏声で喋る時は、出来るだけ口唇を動かさないように、つまり、できるだけ「いっこく堂さん」に近づけてくださいね。

張って来なけりゃ搾らなくていい?

母子分離…可能であれば絶対に避けたい状況です。
でも、現実には赤ちゃんがNICUに搬送されたり、産科入院時お母さんが感染症になると念のためということで赤ちゃんをスタッフが預かったり、広義には母子異室も母子分離状況と言えます。

 こんな時、おっぱいはどうなるのでしょうか?
よくあるパターンがスタッフが「乳房が張って来なけりゃ搾らなくていい。」若しくは「乳房が張って来たらおっぱいを搾りましょう。でも、張りが強くなければ、お母さんもたいへんだから、何もしなくていいですよ。」という“アドバイス”です。
 

しかし、この“アドバイス”大きく間違っています。
本来おっぱい製造工場は、赤ちゃんの吸啜で、起動スイッチが入ります。
確かに何もしなくても、2~3日すれば張って来る方もおられます。
でも、乳管が殆ど開通していなかったら、「張るは」「痛いは」「出て来ないは」の三重苦になってしまいます。(汗)
反対に、張らない方もおられるのです。
ぢゃ、永遠に搾り始められないではありませんか!
そんな馬鹿な話有るわけないでしょ?
赤ちゃんが吸啜出来ない状況にあるのなら、お母さんが搾るしかないのですよ。
乳頭刺激は想像以上に重要なんです。
それに過去記事にも書きましたよね?
乳頭刺激を1週間もまともにうけなかったらおっぱい製造ホルモンの「プロラクチン」の血中濃度は非妊娠時レベルにドド~ンと急降下するって・・・

 搾乳は1回量が少なくてもいいんです。
とにかく乳頭刺激をこまめに与えることが重要なんです。
少なくとも8回/日は搾乳します。
搾乳の仕方はスタッフに聞きましょう。
搾乳は赤ちゃんに飲ませてもらいましょうね。

2014年6月12日 (木)

激カワ☆クッション族!

1歳代のおっぱい星人に時々お会いする機会があります。
ハッキリとした単語はまだ出ていない段階のお子さんは、お話の最中におっぱいが欲しくなると、お母さんの服をめくったり、引っ張ったりして何とかおっぱいを飲もうとアクションします。
相談中でも乳房マッサージをしている最中でも、飲ませていただくのは何の問題も無いので、お子さんの気の済むようにしてもらっています。
いつだったかは、グーパーを繰り返すお子さんがいましたっけ。
「おっぱい」や「ミルク」を表すベビーサインですが、あれって何気にスマートですよね♪

過去記事でもご紹介しましたが、お母さんの頬にチューするというのも、微笑ましいですね♪

そんな中、あくまで個人的な意見ですが、激カワだなぁと思ったのは、クッション族のお子さんです。
授乳用クッション、かつてフットボール抱きをソファでする際は、どなたも必需品だったと思います。
しかし、1歳代ともなれば、カラダが大きくなるので、フットボール抱きの際であっても、必ずしも授乳用クッションを使用しなくても出来るようになります。
ただ、習慣的に常に使用していると面白いことに、お子さんにはおっぱいの前に準備するものとして、しっかりインプットされるのですね。
そうすると、おっぱいが飲みたくなったら、まず、授乳クッションを探して、お母さんの許に持参するようになります。
色々なバリエーションがあります。
例えば、授乳用クッションを引き摺って運ぶ子もいますし、肩に担いで運ぶ子もいますし、大事そうに抱きかかえて運ぶ子もいます。
・・・様々ですが、みんなお母さんにおっぱいを飲ませてもらうために一生懸命です。

「1歳過ぎておっぱいねぇ~。」みたいな言い草のおばあちゃんであっても、あの健気な姿を見たら、「ほら、おっぱいが欲しい人が、クッション持ってやってくるから、早くあげなさいよ。」なぁんて、言ってくれるかもしれません。
現在0歳代の赤ちゃんのお母さんで、フットボール抱きを汎用される方は、どうぞこの授乳用クッションの使用継続をしてみてくださいな。(笑)
毎日のおっぱいライフがより一層楽しくなりますよ♪

出産後のおっぱいマッサージは要るの?

先日私は「開通すれば分泌は変わる!」という記事を書きました。
誤解されませんように補足の意味でこの記事を書きます。

 SOLANINの勤務先のように出生直後から24時間母子同室というスタイルであれば、産後のルーチンケアとしてのおっぱいマッサージは要りません。
もし、産後のルーチンケアとしておっぱいマッサージが必要だとすれば、母子異室の病産院で、3時間以上の授乳間隔を空けて、規則授乳をしているのであれば、乳房うっ積が重症化し易いから、欠かせないと言えるでしょう。
 

一般的にはご存じない方も多いのですが、そもそも、おっぱいの分泌を高めるには、赤ちゃんに頻回に吸ってもらうことが一番なのです。
赤ちゃんが吸ってくれることで、おっぱいを造る『プロラクチン』というホルモンの分泌が増加して、おっぱいの分泌が増加するというメカニズムになっているからです。

 そうは言っても、「おっぱいマッサージをしてもらったら、おっぱいがビュービュー出て来た。」という話は耳にタコが出来るくらい聞いたことがありますよね?
それはどういうことなのか?
おっぱいマッサージをしてもらうと、先日の記事のAさんのように、乳管の詰まりが取り除け、開通が改善します。
乳頭・乳輪が柔らかく伸びやかになり、赤ちゃんの吸啜が効果的に出来るようになります。
また、おっぱいマッサージにはおっぱいを射出するホルモンである『オキシトシン』の分泌を増やすはたらきがありますから、勢いよく出るようになります。
そうすると、赤ちゃんは懸命に吸啜しようとしますから、おっぱいを造るホルモンである『プロラクチン』が増加して・・・という展開になるのです。
おっぱいマッサージをしてもらったからといって、おっぱいを造るホルモンである『プロラクチン』が増加するわけではありません。
 

そこのところを誤解しないように気を付けてくださいね。

2014年6月11日 (水)

ドクターの指示「安静にしてください。」の意味するトコロ。

妊婦検診では様々な検査が行われますが、切迫流早産と診断された際、産婦人科ドクターから「安静にしてください。」と指示が出されることがあります。

安静という指示を具体的にイメージすると、どんな感じでしょう?
勤労妊婦さんであれば、
「落ち着くまでお仕事をお休みすればいいのよね?」
「自宅で家事程度なら差支えないってことかな?」
今回の妊娠が2人目以降の専業主婦の方であれば、
「上の子の抱っこは控えなくちゃ!」
「重いものを持つことや、お布団の上げ下ろしとかを旦那さんにしてもらえば何とかなるでしょ?」
とゆうあたり(≒自宅安静)が殆んどでしょうか?

うう~ん、どれも違いますね。
基本的に産婦人科ドクターが「安静にしてください。」と仰ったら、「何もしちゃいけませんよ!」ってことです。
つまり、「妻として母として主婦としてという役割に求められる、あらゆることを放棄してください」と、言われたも同然ということです。

「ええっ、そんなこと言われたら、家の中しっちゃかめっちゃかになるじゃない!」
「そんなの現実問題として、無理よね?」
とゆう呟きが聞こえてきそうです。
でも、この期に及んで自己都合を前面に押し出すようでは、妊婦として自分に甘過ぎですな。
そこまで徹底しなきゃ、もうおなかの赤ちゃんの生命が守れない、ヤバい状態になってしまっていることを認識してください!
ユルいこと言ってる場合じゃないんです。
崖っぷちなんですよ!

勿論、切迫流早産の程度が軽ければ、自宅安静で済むかもしれません。
しかし、程度が重ければ、自宅安静の場合、役割の放棄が困難なので、「入院が必要です。」ということになってしまいます。
逆に入院すれば、「何もしちゃいけませんよ!」が実現可能ですからね。
おなかの赤ちゃんの生命を守るには、最適の選択肢となるわけです。


良く出る方のおっぱいを争奪戦!(タンデム授乳中)

<ご相談内容>
乳首のカタチのせいなのか、私の利き乳は右乳です。
左乳からはどんなに頑張っても、右乳の半分くらいしかおっぱいは出ません。
タンデム授乳中ですが、上の子(4歳)には、「赤ちゃんが生まれたら左だけだよ。」と、言い聞かせ、この1年間そのように授乳してきました。
1日1~2回のことですが、素直に且つ喜んで左乳を飲む毎日でした。


ところが先日人生初のうつ乳(しかも黄金の右乳!)になってしまい、下の子(1歳)に飲ませても飲ませてもどうにもならず、辛抱出来ずに上の子にも右乳を飲んでもらったのです。
有り難いことに4歳児の吸引力は凄まじく、あっという間にフワフワに回復しました。
「ありがとうね!」と上の子を労いましたが、変な表情をしています。
「どうしたの?」と、尋ねたら「右乳はいっぱい出るんだね。」と、呟きました。「(自分は)いつでも左乳だったから忘れていたけど、右乳は温かくていっぱい出て美味しいね・・・」と恨めしそうなのです。
そう言えば、左乳を飲ませていたら、「お母さん、途中からあまり出なくなってきたよ。もっと飲みたいのに!」と、クレームを付けてくることもありました。(汗)
そして昨日、「(自分だって)右乳飲みたいよ!」とハッキリ意思表示してきたのです。

下の子は1歳ですが、典型的なおっぱい星人で離乳食は殆ど食べません。
おっぱいだけで、約10kgになりました。
ゆくゆくは離乳食も進むと思いますが、今はまだ無理っぽいです。
どうしようと案じていたら、今日、二人は右乳をどちらが飲むかでかなり逼迫した争奪戦を開始したのです。(汗)
エライことになってしまいました。
どうしたらいいでしょうか?


<SOLANINからの回答>
止むを得ない事情があったとはいえ、上のお子さんには封印してきた右乳を飲ませてしまったのですね。
そして、パンドラの匣を開けてしまったのですね。(汗)
ううむ。
どうしましょうか?


お母さんの心情的には恐らく下のお子さんに沢山おっぱいをあげたいのだと思います。もちろんそれはそうだと思いますが、上のお子さんも色々な意味でおっぱい功労者であります。
おっぱい功労者の気持ちを無下にしてはいけませんよね。
となれば、まずは交渉開始です。
例えば週1回だけ上のお子さんに右乳を開放するという条件が通じるならば、食の細いおっぱい星人でもある下のお子さんの上前を撥ねるほどにはおっぱいを飲み干されはしないでしょう。


交渉しても、そのような譲歩を引き出せない時はどうするか?
ちょっと味気無いのですが、タイマー作戦は如何でしょうか?
例えばタンデム授乳で右乳を先に飲む子は3分間だけ飲ませてもらうのです。
3分間終了のタイマーが鳴ったら、何があっても途中交代することを約束させます。
左乳を先に3分間飲み、右乳を後に飲む子は気の済むまで咥えさせてもらえる・・・というやり方です。
(右乳を先に3分間飲む子はそれで終了しても良し、次に左乳を咥えていても良しとします。)
公平を期するなら、カレンダーで日替わりにしても良いです。
二人とも保育園に行っておられるならば、順番を決めてそれを守るのは集団生活をする上で避けて通れないことですから、躾にもなりますね。


お母さんは、タフな交渉人になってください。
健闘を祈ります!

お母さんが病気で入院(赤ちゃんは自宅待機)した時のおっぱいは?

子育て中は自分(=お母さん)の健康を保つことの大切さを日々実感しておられ、気を配っておられることでしょう。

 しかし、時として思いがけなく病気になることもあります
お家で養生できる範囲ならばまだいいのですが、入院とか手術をせざるを得ない場合は一体どうしたら、いいのでしょうか
 

可能であれば、赤ちゃんを同伴入院できる病院を探すことです。
母子同室の病産院ならばまずOKでしょう
SOLANINの勤務先だったら、お母さんの病気入院による母子分離はまずないですね。
もちろん産婦人科以外の科で、事前に主治医の先生にその旨の希望を伝えるのはお母さんの役割で、それをしなければ、単独入院になってしまいますが。

 しかし、赤ちゃんの同伴入院が認められず、個室にも入らせてもらえないとなると、授乳も出来なくなりますね。
それでもお母さんが入院とか手術をせざるを得なければ、母子分離期間のおっぱいの分泌維持が重要です。
入院中は赤ちゃんに飲ませていたのと同じ回数、同じ間隔で搾乳をしてください。
搾る量は個人差があるので○○mlとは申せませんが、左右合わせて15~20分で搾れる量でいいのです。
(手で搾るのがいいのですが、無理ならばメ○ラ社のハ○モ○ーがいいです。)
1日トータルで、完母の方ならば700~1000mlくらいもあれば十分です。
乳房は張っていなくても心配ないから、それより3時間以上の時間を空け過ぎないようにしまよう。
1回には多くを搾れなくても、小分けにすれば何とかなることもありますからね。

2014年6月10日 (火)

裂状乳頭のラッチオンはより一層慎重な見極めを!

裂状(れつじょう)乳頭という形態の乳頭があります。
一応正常乳頭に近い程度に突出していますので、ご自身がそれとは気がついていないことが多いように見受けられます。
裂状乳頭の特徴は、乳頭頂にある乳管開口部が横一文字の太めのものが1本限定という感じになっています。
文字の通り乳頭頂が開口部を挟んで裂けているように見えます。

裂状乳頭の場合、通常よりも一層慎重に観察したいのは、ラッチオンが正常に出来ているかどうかです。
正常に出来ていれば、搾乳と同じくらいの量が直母でも哺乳出来る筈です。
ところが、下手っぴちゃんの最右翼と称しても過言ではない、シーク様吸啜とかいう、ガジガジと歯茎で乳頭を齧るような吸啜をする癖のある赤ちゃんの場合、縦抱きにすると潰し飲みをするので、深くラッチオン出来ているようにしか見えないのに、量が殆ど飲めない(1回直母量を測定したら0~4g程度。しかし、搾乳は30gでも40gでも可能)という現象が起きます。


そういう場合は、敢えて交差横抱きをしてください。
赤ちゃんが慣れてきたら、搾乳と同じくらいの量が直母でも哺乳出来るようになります。
喩えをすると、ケータイ灰皿の中に灰を落とすには、開口部を片手でパコッと開けますよね?
ケータイ灰皿の開口部が裂状乳頭頂で、片手でパコッと開ける行為が、赤ちゃんが交差横抱きでラッチオンするということです。
そういう咥え方をすればいいということです。
ご理解いただけましたでしょうか?

2014年6月 9日 (月)

一応確認として、しておいた方が良いこと。

あまり神経質になるのはどうかと思いますが、順調な発育経過を辿っている(であろう)赤ちゃんであっても、最低1ヶ月に1回くらいは体重測定をしてみることをお勧めします。
新生児の頃は爆発的な勢いで体重増加をしている赤ちゃんであっても、月齢が進めば体重増加は徐々に落ち着いてきます。
しまいにはパーセンタイルグラフの下限エッジラインギリギリということも。
それでも、一応パーセンタイルグラフ内にとどまり、右肩上がりに増加していれば、気にしなくてもいいでしょう。

しかし、1日10回以上の頻回直母が大事な新生児期なのに、家庭訪問などに於ける㌧でもな保健指導を鵜呑みにして、意識して直母回数を2回以上/日のペースで減らしていくと、お母さんのおっぱい製造工場のリストラが始まります。
つまり、おっぱい分泌の勢いを削がれやすくなります。
当然ですが、体重増加度も急落します。

具体的には、退院時~2週間健診時の体重増加度が50g台以上/日だったのが、2週間健診~1ヶ月健診の体重増加度がその8割未満のペースに減衰したという場合です。
これは要注意、いや危険信号なのです。
順調だった発育ペースが、そのまま坂道を転げ落ちるようなことになりかねないのです。
特に、生まれた時の体格がさほど大きい方ではなく、分泌過多気味のおっぱいで、流し込みっぽい飲み方をしていた場合は、要注意です。

しかも、2ヶ月頃になれば、昼夜のリズムがついてきますから、夜間の授乳間隔が空いてきますので、日中の授乳を意識して増やさない限り、1日の授乳回数が減少しがちなので、ダブルパンチになります。

1ヶ月に1回くらいのペースで体重測定をしていれば、異変に気づくのが早くなりますから、母乳外来なり助産院なり母乳育児支援をしてくれる小児科なりを受診する機会を設けることができますから、早急に手を打つことは可能です。
間違っても4ヶ月健診で、周囲を見渡して、「ええっ、ウチの子全然大きくなってないよ!どうしよう?」ってなことにはならない筈です。

添い乳で眠らないためのケータイ使用って?

<ご相談内容>
産まれた時は3720gと大きめちゃんだった我が子は今、生後10ヶ月で、体重10kgになり、よく育っています。。
離乳食は食べたり食べなかったりです。
ほぼ添い乳で授乳してますが、現在までおっぱいトラブルは皆無で順調です。

よく雑誌等に載っているおっぱいのあげ方で、静かな部屋で(静かな音楽をかけたりして)赤ちゃんの目を見ながら、話しかけたりしてあげましょうってありますが、我が子はそれを実践した所、目を見たら、笑っておっぱいを離し、話しかけたら、遊んでくれるの?と言わんばかりに目を輝かせておっぱいを離し・・・というう風になって授乳どころじゃなくなります(^-^;

だから、携帯をいじったりして、我が子を見ないようにして授乳しているんですが、やっぱりよくないんでしょうか?
ちなみに今は、寝る時の授乳がほとんどで、30分以上おっぱいを咥えているのもザラで、一緒に寝る時は携帯いじらずに添い乳で寝たりしますが、昼寝の時は寝てる間に家事をしたくて、何もしないと寝ちゃいそうになるので、よくないかなぁと思いつつも携帯が必須になっちゃっています。(汗)

 

<SOLANINの回答>
まずは、今までおっぱいトラブルが無く、完母でしっかり充分に赤ちゃんが育ってくれて良かったなぁと思います。
離乳食の食べっぷりにムラがあっても、まだ気にしなくていいと思います。

赤ちゃんとの絆を育むには、スキンシップしながらアイコンタクトした上で語りかけることは効果的です。
それ自体は、とても良いことなのですが、頸が据わって以降の多くの赤ちゃんは、別にキョロちゃんではなくても、お母さんがおっぱいの時に語りかけたりした日にゃあとびきり嬉しくなってしまい、おっぱいを飲んでいるところじゃなくなってしまうのです。(汗)
ですので、哺乳最中のアイコンタクトや語りかけは、ハッキリ言って良くないと思います。


かと言って、添い乳時にケータイかぁ~、ううむ、それはどうかなぁ?
添い乳の最中に赤ちゃんを見ないようにするのではなく、ちょっとだけ視線をずらして、赤ちゃんを見てあげたらいいのではありませんか?
「湿疹や汗疹は出来ていないかな?」
「今日はうんちが少ないような気がするけど、こんなものかなぁ?」と観察することは、きっとこの後、役立つと思います。
添い乳をすれば、大抵ネンネするのでしょうが、そうではない時もあるでしょうし、そういう場合に、おっぱい終了時に、アイコンタクトをして、抱っこして、いっぱい語りかけてあげたら良いと思います。

アクロバテイックな飲み方をするのは何故?(9ヶ月)

<ご相談内容>
こんばんは☆
混合から自己判断で完母にしてしまい、大混乱の中こちらのブログにたどり着きました(汗)
ちなみに、我が子は体重は出生時2910g、生後298日6480gとかなり小さめですが、離乳食もいっぱい食べ現在はつたい歩きもし、発達面も順調に成長しています。
(現在は毎月、小児科に通い指導を受けています)

 

その我が子なのですが‥
先月末あたりから、右のおっぱいを飲むときだけすごく暴れます。
(毎回ではないです)
横になり‥縦になり‥また横になり‥時には私の太ももを蹴ります(>_<)
しかし、暴れながらもしっかりおっぱいは離さないで飲み続けます。
月経が再来した頃だったのですが、やはり関係あるのでしょうか?
月経が終了した今でもまだ暴れるのですが、何か改善した方が良いのですか?
過去記事を拝見させていただきましたが、見当たらなかったので質問させていただきました。
お忙しいとは思いますが、よろしくお願い致します!

 

<SOLANINの回答>
紆余曲折を経て、現在ではきちんと小児科で毎月フォローをうけておられるのは大変賢明だと思います。
また、小粒ちゃんながらもお元気で発達面での進歩も順調なのですね。
安心しました。
 

さて、ご相談の件ですが、大抵は高温層(と思われる月経前)に分泌が低下したり味がイマイチになり、結果いつもとは違った飲み方をするわけですが、たまに月経開始してもしばらくアクロバテイックな飲み方をする赤ちゃんが居られます。
恐らくどの角度からだったら沢山飲めるか試行錯誤中なのですよ。
「味は百歩譲ってボチボチで結構ですから(!)、兎に角今は沢山飲ませて欲しい。」という赤ちゃんも、割合としては少ないながら居られるのですね。

 

『最強母乳外来』時代、2011年3月6日アップの“月経連動の分泌低下時、あなたの対処方法は?”という記事は、ご精読されましたか?
あ、記事というよりも、みなさんからお寄せいただいたコメントですね。
あの記事コメントは母乳分泌に関する智恵蔵のようです。
お金がかからない方法や、お手軽な方法が多く寄せられました。
当ブログの記事コメントには色々有益な情報が満載されていますよ。
分泌アップだけではなく、おっぱいに良さそうなものを紹介してくださっているので、味も良くなると思いますよ。
まずはコメントを読み返してみてね。

2014年6月 8日 (日)

分泌過多なのに夜間授乳が無くなった時の対処法は?(10か月)

<ご相談内容>
“3回食段階時の体重増加と母乳分泌について。(生後10ヶ月)”の記事を読んで思ったのですが、ウチの息子も明後日で10ヶ月になります。
夜中はほとんど起きず、私がおっぱいが詰まりやすく分泌量も多めなので、夜中は起こして授乳をしています。
お昼間に6回ぐらい、夜中に2回ぐらいあげています。
離乳食は2回食で量としては少なめです。
おっぱいをあげてから離乳食をあげています。
離乳食の後はおっぱいをほしがりませんので、あげてはいません。
ここ1カ月では15g/日増えています。(現在約9キロです)
これだけ増えていれば、夜中に授乳する必要はないのでしょうか?
最近、目覚ましをかけていても夜中になかなか起きられなくなってきてしまって・・・
もし、夜中に授乳しなくてもいいのでしたら、張るおっぱい(詰まりやすい)はどのように対処するとよいのでしょうか?
夕飯のボリュームを抑える以外でできることはありますか?
二人目を考えているので、息子には申し訳ないのですが、1歳の誕生日が来たら言い聞かせておっぱいを止めたいと思っております。
(寝かしつけもおっぱいではないので、執着はないようです。)

お忙しいとは思いますが、アドバイスをおねがいいたします。

<SOLANINの回答>
夜間は添い乳で乗り切っているお母さんが多い中、夜間眠れるというのは、有り難いことなのでしょうが、分泌過多のお母さんにしてみたら、乳房トラブルが怖いですね。

近い将来、言い聞かせ卒乳を検討されているのであれば尚のこと。
夕食のボリュームを抑える以外何か方法はあるか?とのことですが、トラブルを置き難くする、詰まりにくいケアをする・・・というのが良いと思います。
まず、内側からですが、「ごぼう茶」を飲まれては如何でしょうか?
過去記事で「ごぼう子」について、紹介しておりますが、そこまでしなくても大丈夫だと思うし、もう少し飲み易いものは?となると「ごぼう茶」ですかね。
私は以前、SOLANINの勤務先の母乳外来受診された患者さんから教えていただいて、自分でも取り寄せて飲んでみました。
自○派○く○村という熊本の会社のを購入しました。
見た目は乾したごぼうを切り刻んだもの。
飲んでみるとちょっと土の匂いがします。
でも、「ごぼう子」を煎じたほどの強烈な不味さはありません。
「えっ?ごぼうって根っこのモノだから分泌を高めるのでは?」と思うでしょ?
でも、乳質が良くなるから、問題ないのですね。

次に外側からですが,「じゃがいも湿布」を赤ちゃんが眠る時間帯に貼付するのです。
「えっ?トラブルが起きてないのに?」と思うでしょ?
でも、それが出過ぎのおっぱいを宥めるのにはかなり効果大なのですね。
数日貼付してラクになったら毎晩貼付しなくてもいいです。
また、昼間はおっぱいをあげるから、貼付しません。

あと、念のために申し添えますが『カバサール®』『テルロン®』『パーロデル®』なんかのお薬の処方を産婦人科ドクターにおねだりしたり、勧められても決して内服しないようにね。
(註:これらのお薬は、疾患の治療上必要があって処方されるもので、上記理由で安易に内服するものではありませんので。)

赤ちゃんを寝かせる時は3つの「安」を!

赤ちゃんを寝かせる時って、堅綿の敷布団をフラットな角度で、仰向けで寝かせるものだと思い込んでいらっしゃいませんか?
えっとね、それ違うんですよね。
それは大人の思い込み。
思い込みに拘るから、抱っこしてたら眠ってくれるのに、置いたらおめめパッチリでギャ~なのよね。(涙)

赤ちゃんを寝かせるのはタイミングも大事ですが、3つの「安」条件を満たしているかどうかのチェックは欠かせませんよ。

まずは安全。
当り前ですが、転落や窒息等の生命に関わる危険性が無いことです。

次に安楽。
生まれて3ヶ月くらい迄の赤ちゃんの脊椎のカーブがC字であることは、過去記事でも説明しましたから読者のみなさんはよ~くご存知かと思いますが、少し頭を高くしてC字を保つような姿勢を取らせてあげないと、カラダが辛いのです。
まして、寝返りする時期は早くても4ヶ月頃からですよね!
一度、お母さんはフラットなフローリングか畳の上に仰向けで寝てみて、何分間その姿勢で耐えられるか試してみてください。
脊椎のカーブが緩いS字の大人ですら、そうそう何十分もじっと仰向けで寝ていられないと思いますよ。
左右どちらか横向けになりたくなってきます。

最後に安心。
おなかの中に居るような、ちょっと窮屈な状態が、赤ちゃんの好みなのです。
それに近いのがぎゅっと抱き締められた時なのです。
お雛巻きの状態で、抱っこされた感じですね。
赤ちゃんだって不安感が強ければ、オチオチ眠ってなんかいられませんもの。

寝かせる際はオトナから見て良さそう・・・ではなく、赤ちゃんにとって必要な3つの「安」条件を満たしているかどうかチェックしてくださいね。

2014年6月 7日 (土)

お母さんの事情は分からないではないけれど。

年々増加しているベビ待ちの治療者。
挙児希望なのに、特別な治療方法でなくては、どうしても授かれない方にとっては高度な治療は福音だと思います。
大昔とは異なり昨今は、いわゆる受精卵の段階で凍結保存することもできるようになっています。
この保存技術が確立されたことにより、理論上次の赤ちゃんをいつでも授かりたい時に授かることが可能になりました。

数ヶ月間、何度も母乳外来を受診され、アドバイスを受けながら、ようやっと搾乳生活から離脱できたり、リラクテーションのお手伝いをすることは、ホントに嬉しいことです。
ただ、艱難辛苦の末、完母になられても、ガックリきちゃうことがあります。

今抱っこしている赤ちゃんではなく、次の赤ちゃんのことに目が行ってしまっているお母さんです。
あっ、いや、先々のことを考えるのは、決して悪いことではないし、何年の間隔で何人の赤ちゃんを産みたいと思うかはご夫婦で決めたらいいことで、病産院サイドでどうのこうのと申す立場にはないと思います。

でも、まだ、離乳食も開始する前の月齢ですよ。(汗)
せめて離乳食がそこそこ食べられるようになり3回食に進んでいるなら、栄養の主体としては、徐々におっぱいは脇役になるので、言い聞かせ卒乳という選択肢もアリだと思います。
尚且つ、年齢的にアラフォーとか、授かりにくくなる年齢に差し掛かるというのであれば、検討に値するかもしれません。

そういったことはなく、それ以下の年代で、しかも離乳食が開始する前に、断乳の相談をされてもねぇ。
で、「ようやっと完母になれてよかったねぇ。」と、喜びを分かち合ったその日に断乳を切り出され、呆然とすることがしばしばあるのですな。
断乳の理由が、凍結受精卵の保管料が半年払いとか年払い制のため、高額(数万円?)だからという理由となると、「んん~、そうでっか、そうきますか・・・」としか。(涙)

SOLANINが代わりに保管料を払ってあげることはできないけれど、目の前の赤ちゃんのために、何とか思いとどまっていただけないかと、切に望んでしまいました。
「貴女の赤ちゃんは、まだまだおっぱいが飲みたいんだよ。」
「保管料のお支払いが1年ほど延長しても、明日から生活が出来なくなるわけじゃないよね?」
どうにか翻意してほしい心境です。

母乳パッド(使い捨てタイプ)の交換のタイミングはどうしてますか?

特に一人目さんで、おっぱいの分泌が多く、時間が空くと直ぐにパンパンになるタイプの乳房ですと、おっぱいとおっぱいの合間にお乳が漏れてくることがあります。
お乳が漏れても下着や洋服が汚れないようにするために「母乳パッド」をあてるわけですが、交換のタイミングはどうしてますか?

汚れたら?
まぁ、そうでしょうね。
勿体ないから粘着テープ(ブラジャーに貼り付けるテープ)が吸いこんだお乳の重みに耐えきれなくなるまで使用します?
う~ん。
それは交換しなさ過ぎですよ。

確かに一旦吸収したお乳は逆流しませんが、人肌の温かさで、栄養分たっぷりのお乳が含まれた母乳パッドに細菌が繁殖し、不衛生になりやすいです。
つまり、開通している乳口から細菌感染を起こす恐れがあります。
産後は抵抗力が低下している方が多いので、保清の意味で、母乳パッドの交換は出来ればおっぱいの度に交換してください。
少ししか漏れなくても1日に1回以上は交換してくださいね。

もちろん、お乳の漏れは、月日と共に減少します。
でも、それはおっぱいの分泌が低下したのではないから心配無用です。
また、一般的に初産婦さんの方が経産婦さんよりも漏れやすいし、漏れる量も多いし、漏れる期間も長い傾向にあります。

普段殆ど漏れない方であっても、乳腺炎になった時は感染しやすいので、母乳パッドの交換を怠らないように注意してくださいね。

お待たせしました?肩開きの体操

腕引き伸ばしの体操の後は肩開きをしましょう。
これもする人とされる人の2人必要です。
される人は仰向けに寝てください。腕はやはり伸ばしますが、カラダの横に少し斜めになるように脱力しておきます。
する人はされる人の頭の上に正座して座ります。
そのまま膝立ちになり、手の平をされる人の肩関節に置きます。
指先は肩関節を包み込むようにしますが、する人の親指の先はされる人の足の方向になるようにします。
する人の手首をバイクのエンジンをかける時のように、外側に包み込んだまま反転させます。
この時軽く体重をかけますが、ぐっと圧迫するのでなく、じわ~と外方向に開くようにします。
これも10秒くらい開き⇒緩める・・・というのを5回繰り返します。
これだけです。

試してみられた方、ご感想をお聞かせくださいね。

2014年6月 6日 (金)

おっぱい重視の病産院の選び方

おっぱい重視の病産院の選び方について、具体的にしてみたいと思います。
あっ、でも、これはあくまでもSOLANINの意見ですからね。

まず、「ここで妊婦検診を受けて、大丈夫か?」という指標ですが、外来の看護師さんや助産師の身なりを見てください。
☆ 白衣(カラーのトコロもあるのでユニフォームというほうが適切ですが。)に清潔感がありますか?
☆ ワンピース式ならば、ストッキングが破れているのを平気で履いているのは論外だし、白い網タイツや柄入りなどを仕事着に選択するのは変です。
☆ 同じく、メイクがド派手だったり、巻き髪・盛り髪で、アゲ嬢みたいな看護師さんや助産師も言わずもがな・・・です。
☆ 手元をみてください。付け爪やマニキュア、指輪はしていませんか?
看護師さんや助産師の手は、清潔第一です。
飾り立てた手で、有効な手洗いや除菌は不可能です。
もし、「YES」ならば、感染対策がNGな施設であるということを、院長自ら宣伝しているようなものです。(職員への指導が行き届いていないということですから。)
考えてみてください。
飾り立てた手であなたの赤ちゃんを触られたら、赤ちゃんが怪我をするかもしれませんね。
飾り立てた手で、乳房ケアを受けたいですか?「NO」ですよね?
・・・まぁ、ここまでは、おっぱいに限らず、真っ当な医療を提供しているかどうか一般的なことですね。

★ 病産院内のあちこちにミルク屋さんのグッズが蔓延していませんか?
ミルク屋さんのポスター、パーセンタイルグラフ(赤ちゃんの身長・体重の発達曲線の書いてあるあのグラフです。)、靴ベラを架けるフック、ドクターの使用しているボールペン、問診票を挟んであるバインダー、入院患者さんが使用するポット、授乳クッションなど、ありとあらゆる物品にミルク屋さんのロゴやマスコットキャラクターが使用されたものを使っていませんか?
★ 出産されたお母さんにはルーチンで調乳指導が行われていませんか?
★ 出産されたお母さんにケーキやお餅などのおやつタイムがあるのはNGです。
(理由は説明しなくても分かりますよね?読者さんだったら・・・)
★ 赤ちゃんの1か月健診の際、栄養士さんによる「栄養指導」があるのはいいことです。
ただ、その栄養士さんの所属が院内ならばOKですが、ミルク屋さんからのハケンだったらNGです。
自社製品のさりげない売り込みのセールスを「栄養指導」の名のもとに行っておられるからです。
病産院が“ミルク屋さんに軒を貸すこと”の意味を、悟ってください。
★ 退院時のお土産に粉ミルクや哺乳瓶・消毒セットなどがもらえる病産院はNGです。
★ 同様に、退院後の育児サークル活動をされるのはいいことです。
しかし、離乳食教室などの場で、ミルク屋さんからのハケン栄養士さんが参加されると話は別です。
ベビーフードだけではなく、必ずミルクのセールスをこれでもかというくらいなさいます。「ウチは完母なんで・・・」と言っても、「完母に拘るあなたの考え方は、偏屈ですよ。」とか「あなたが病気になったらどうするんですか?」など、洗脳まがいのトークは常態化しているようです。
★ マタニティー教室で、おっぱいのことをきっちり指導してくれますか?
妊娠中のお手入れのやり方を教えてくれますか?
妊婦検診中におっぱいチェックがありますか?
★ 産後の母子同室は何時間後からされてますか?
(直後からがベストです。)
★ 赤ちゃんが眠りこけていたり、上手く吸いつけなかったら、助産師が手伝ってくれますか?
★ 帝王切開だったら、お母さんが身動きできない状態の場合、赤ちゃんをお部屋に連れてきて、授乳介助をしてくれますか?
★ 赤ちゃんに問題がないのに、「帝王切開の方のおっぱいは産後4日目から。」とか、訳分からないくらい長期間、赤ちゃんを拉致られたりしていませんか?
★ 仮に直母が難しいなら搾母のやり方を教えてくれますか?
★ 大幅な体重減少や脱水による熱発、低血糖など医学的適応で補足が必要だとして、いきなりミルクではなく、糖水や白湯や搾乳優先にしてくれますか?
★ 赤ちゃんへの補足には小さいカップやシリンジ、スポイド、スプーンなどの哺乳瓶以外の方法をとってくれますか?
★ 母乳外来が常設されていますか?(困りごと、心配なことがあったら相談・ケアを受けられるトコロが無いと・・・ね。)
★ 病産院からもらう出産準備用品リストに哺乳瓶やおしゃぶりが書いてないか、(  )付きになっていますか?
安易に哺乳瓶やおしゃぶりを使わないようにという指導があるのはいいですね。
(乳頭混乱防止の意識が徹底しているか、そこまでの認識が無いかの違いがこれで分かります。)

・・・思いつくままに書いてみました。
他にもあるかもしれませんが。
最近の病産院はバースプランを書かせてくれますが、母乳育児関係の記入欄がなければ、用紙の余白に上記★の項目を書くのも医療者の自覚を促すのにいいかもしれません。

上記★の視点であなたの病産院をチェックすることをお勧めします。
産後の母乳育児に於ける「こんな筈ではなかった・・・」を撲滅するためにも!

お待たせしました?腕引き伸ばしの体操

この体操にはされる人とする人の2人が必要です。
まず、される人は仰向けに寝ます。
左右どちらからでもいいのですが、快・不快は右脳で感じるとのことことなので、左からスタートするとして手順を進めます。
左腕を耳につけるくらい真っ直ぐに上方向に伸ばしてもらいます。
してあげる人は腕の外側でされる人の手の平辺りに座ります。
される人の上腕中ほどと前腕中ほどをしっかりと掴んで綱引きの綱のようにじんわりと10秒くらい上方向に引き伸ばします。
ちなみに左右どちらの手が上腕を持ってもいいです。
やりやすい手で掴めばいいです。
10秒くらい引き伸ばした後は10秒くらい緩めます。
そしてまた引き伸ばす張る⇒緩める・・・という作業を5回繰り返します。
脇の下と腕のストレッチ効果でとても気持ちよくなります。

どのくらい効果があるのか体感してもらうには、5回引き伸ばしてもらった後、一旦起き上がって立位でも座位でもいいのですが、背泳する人のように肩を後ろ方向にグルグル回してみてください。
明らかに左肩~左腕が軽く感じられ、回す時もぎくしゃくしません。
滑らかに回る感じがするはずです。

体感してもらったら次は残った右腕を耳につけるくらい真っ直ぐに上方向に伸ばしてもらいます。
そうして先ほどと同じ手順で引き伸ばし⇒緩める・・・という作業を5回繰り返します。

注意すべきは肩関節の脱臼癖のある方です。(念のため止めた方がいいです。)

2014年6月 5日 (木)

妊娠中の尿漏れは。

我慢するしかないの?
そんなことありませんよ。
骨盤底筋体操をすれば、症状の改善や克服の可能性はありますよ。
骨盤底筋体操って、なんとなく腹圧掛けるイメージがあるから、妊婦はしちゃいけないイメージがあるけれど、そうではありません。
引き締めるんです。
基本の動作は以下の通りです。
①まずはふぅ~っと息を吐いてカラダの力を抜きます。
②次に肛門を引き締めます。
イメージ的には左右からお尻の筋肉を寄せ合う感じですかね。
肛門を引き締めると、このあたりの神経は叢(くさむら)のように張り巡らされているので、膣の入口や尿道口も自然に引き締まります。
③そしてそのまま5秒間数えたら、お尻のお肉を元の位置に戻します。

これをですね、1度につき(10~)20回行って1セットと数えます。
出来れば1日に4~5セット、分散して行います。
姿勢的には、立位でも座位でも臥位でもいいです。
SOLANINの勤務先の妊産褥婦向け教本では、机やテーブルに手を着いた姿勢や四つん這いの図も掲載していましたっけ。
色々な姿勢でやってみるとよいでしょう。
勿論、トコちゃんベルト®を装着すると、更に効果的ですね。

やっておいて損はありません。
毎日地道にコツコツと続けましょう。
早ければ、3週間くらいで尿漏れ改善の手応えがあることも、決して稀ではありませんよ。
妊娠中に骨盤底筋体操を続ければ、安産や産後の尿漏れの予防に繋がりますからね。(逆に難産だった方で、産後尿漏れの気配すら皆無という方はごく稀だと思います。)

さぁ、今日から試してみましょう。
不快な尿漏れからバイバイしちゃおうじゃありませんか!

母乳育児に詳しい医療者かどうかの見分け方。

その医療者がどのくらい母乳育児に精通しているかを簡単に測る方法があるって知っていますか?
会話の合間に相手がウンチク傾けたら、「へぇ~。凄いですね。そんなこと、私初めて聞きました。母乳育児のこと、お詳しいんですね。○○さん(○○センセイ)は母乳育児について、いつお勉強されたんですか?やはり、学生さんの時ですか?」とさも感心したフリをして、尋ねてみましょう♪

感心したフリを真に受けてしまう医療者はかなり多いです。(爆)
で、「そうですね。学生時代の知識は半分くらいかな?」と答えるパターンは、まぁ、ありがちですね。
「私、こう見えて、結構学生時代は真面目で、講義サボったりしなかったんだから。だから、その時のことを未だにしっかり覚えているのよ。」と答えるパターンはトンでも医療者です。(断言)
だって、医学部であろうが看護学部であろうが、母乳に関しては「栄養」については教えてもらうけど「育児」については教えてもらわないから。
キホン、カリキュラム無いし。(汗)
唯一例外があるとしたら、実習病院がBFHで、母乳育児について別枠で徹底教育されてきたのであれば、そういう答えでも大丈夫な医療者でしょうが。
「いやいや。母乳育児に関する知識の95%は卒業してから専門書やセミナーや自らの体験で学んだんですよ。」というならホンモノだと思います。

ぱっと見じゃがいものように純朴でありながら、その芽に含まれる毒のような質問で相手の力量が推し量れます。
「この医療者の力量はどれくらいなんだろう?」とふと思った方、勇気を出して質問してみませんか?(笑)

赤ちゃんの向き癖が強すぎると、上手く咥えられない!

赤ちゃんがおっぱいを上手に飲めなかったり、乳頭頂が切れたり、片方のおっぱいは上手く飲めるのに、反対側は飲めない(乳頭形態に特異な差が無いにもかかわらず・・・)ということの原因が赤ちゃんの向き癖にあることがあります。

向けない方向は大きくお口が開けられません。
そのため、お母さんの乳頭の先っちょしか咥えられず、舌で巻きつけることが出来ない赤ちゃんがおられます。
赤ちゃんのカラダが反りくり返るからです。
咥えられても飲み残しが多く、しこりが出来やすくなるのです。
例えば右乳は横抱きで、左乳はフットボール抱きしか上手く飲ませられない・・・というような場合は(乳頭形態に問題がないのに・・・)要注意ですね。

毎日の寝かせ方で防止することは出来ますが、どうにも上手くいかない場合は赤ちゃんの整体をしてくださる専門家に罹られるといいと思います。

2014年6月 4日 (水)

退院後おっぱいをフォローしてくれる病産院を選ぼう!

分娩できる病産院がドンドン減っています。
BFHであっても、分娩が取り扱えなくなったトコロが幾つか出現してきています。
そこしかなかった・・・ということは有るかと思います。
しかし、選ぶことができるのであれば、是非とも退院後おっぱいをフォローしてくれる病産院を選びましょう。
そう、つまり、母乳外来のあるトコロです。

片道1時間程度なら、候補として入れてくださいな。
陣痛発来して1時間以内に出産する可能性はとても低いから、間に合わないということは無いでしょう。
過去記事にも書きましたが、日本の母乳率は低いです。
正常新生児だけに限定しても、退院時60%程度、1ヶ月健診時45%未満です。
(註:平成22年以降は51%に上昇してきました。)

ヘンな比較ですが、医師の国家試験の合格率よりも低いんです。
母乳育児支援をする気のない(?)ミルク推奨病院で赤ちゃんを産んだら1か月健診時どうなるか?
余程の決意が無ければ、産後は傷つきやすいお母さんの心に楔を打ち込む人たちがいますからね。
妊娠中からおっぱいのお手入れもせず、吸いつき難い形であれば、赤ちゃんが上手に吸ってくれることは期待できないのが現実です。
なので結果は火を見るよりも明らかです。

妊娠中~産後の肩凝りや冷え性は早く治そう!

赤ちゃんの姿勢の話からお母さんの姿勢の話に進みます。
SOLANINが勤務先で接するお母さん方を見ていると、産後乳腺炎等の乳房トラブルになる方は減ってきています。
授乳間隔やポジショニングおよびラッチオンやお食事の摂り方を変えるだけで、★病院に再々就職した頃に比べると、
乳腺炎になるお母さんの人数・程度とも、最初の4~5年以降半減しているのを維持しています。

それとは別に、産褥早期に乳房がカチカチになり、痛くて糾励根湿布を貼用してもらわずにはいられないお母さんは常に一定の割合で存在されます。
(ちゃんとした統計は取っていませんが、申し送りを聞いている分には産科入院中のお母さんの10~15%は貼用されているようです。まぁその分お母さんには痛い乳房マッサージはしなくて済みますが。)

予防のためには、普段から裸足を避ける、足湯をする、果物や果菜を控え根菜類を食べる、ゆっくりよく噛んで食べる、肩まわしをするなどして自衛することは言うまでもありませんが・・・
妊娠中から(それが出来なければ産褥早期から)肩や背中の凝りや冷え性は出来るだけ早く、改善しましょう。
自分で出来ない方は整体や按摩など、プロの手を借りてでも、された方がいいです。
妊娠中でも産後すぐでも、整体や按摩は罹ることは出来ますから。
(鍼灸は産科専門の技術をお持ちの先生でないと、妊娠中は止めた方がいいです。産科専門の技術の例としては、鍼で逆子を治すとか・・・です。また、産後ぎっくり腰を治すのに整体や鍼灸は適しています。)

2014年6月 3日 (火)

下剤は上手に活用しよう!

産後は会陰切開された方や、裂傷部位を縫合された方はおしもが痛いので、おトイレに行くのが苦痛という話、ちょくちょく耳にします。
日にち薬で徐々に痛みはマシになりますが、特に脱肛状態ですと、お通じの時にどのくらい息んでも差し支えないか加減が分からず、戦々恐々だったりします。
かといって、便秘が続くと子宮復古にも悪影響なので、お通じはスムーズに出てくれるのが一番です。
そのため、産婦人科ドクターは産後のお母さんに下剤を処方されることが普通にあります。
下剤を内服すると、それこそ下痢ピーになるので、おトイレに間に合わなかったら大変だし、おなかが痛くなるから苦手という方や、赤ちゃんへの影響を心配される方もいらっしゃるでしょう。
でも、お通じの硬さは、それこそ服用されるお薬の量や回数を調整すれば済むことです。 また、赤ちゃんへの影響については、カテゴリー「☆おっぱいとお薬」にも書いていますように、「マグミット®」や「ラキソベロン®」は、問題ありません。

但し、漢方薬で大黄(だいおう)の入っているものだけは、赤ちゃんの下痢を誘発するリスクが高いので避ける必要がありますが、母乳育児中のお母さんに大黄入りの漢方薬の下剤を処方される産婦人科ドクターはいらっしゃらないと思いますし、産婦人科以外の近医に受診され処方を受ける場合は、その旨を伝えれば済むことです。

ところが人伝てに聞いた話ですが、退院後どうしても下剤に頼らず自力でお通じを出そうとして、おトイレに2時間も籠城され、エラいことになってしまったお母さんがいらっしゃったそうです。
その方は経産婦さんで、分娩時は会陰に傷も何も無く、安産を絵に描いたような方だったとのことです。
どういう事態に陥ったかと申しますと、おトイレで気張り過ぎたせいか、会陰が2倍くらいにパンパンに腫れてしまい、痛くて座れないし眠れなくなったため、腫れが引くまで足掛け2日ほど再入院される羽目になったとか。
会陰が2倍くらいにパンパンに腫れるって、血腫でもできたのか?って感じだったそうです。
ご本人もまさかそんなことになろうとは想定外だったでしょうし、「このまま治らなかったらどうしよう?」と、不安だったそうです。
産後のお通じは、まずはお食事や水分摂取でコントロールを図るのは当然のことですが、それでも出なかったら、変に意地を張って自力で出すことに拘らず、お薬の力を借りても差し支えないですから、上手に出して行ってくださいね。
 

会陰が2倍って・・・怖過ぎます。

BFHでおっぱい指導を受けるということ。(9ヶ月半)

<ご連絡いただいたこと>
5ヶ月半で完母になった我が子は、9ヶ月半になりました。
混合から完母に挑戦して風邪で直母を拒否られ、体重が減ったこともありましたが、風邪が治ったら順調に増えてくれ、なんとか完母になれました。
今ではおっぱい大好きなベビーに育ってくれてます。。

成長曲線内ですが、小さめな我が子ですが、4ヶ月半でズリバイを始め、6ヶ月に入り俯せから座れるようなったかと思えば、すぐつかまり立ちし、8ヶ月でハイハイして今は一人たっちもだいぶできるようになり発達も十二分に成長してくれています。
それに、最近は抱っこすると服の上からおっぱいをさわさわ触ったり服をめくるようになりました。

今月は胃腸炎になり、一時はイオン飲料のみで絶食しなければならず、おっぱいが欲しかったり、眠たくておっぱいが欲しくて泣いて服引っ張ってかわいそうな思いもさせましたが、おっぱい再開した時の嬉しそうな我が子の顔を見ているとおっぱいをあげれることがとても幸せやなぁと改めて思いました。
おっぱいを飲んで遊んでどんどん成長する我が子を見ていると本当に幸せです。

一時はかつかつな体重増加で我が子に我慢させてるのかな?とか、上の子の時に完母にできなかったから意地になってるだけなのかな?と、悩むこともありましたが、諦めず頑張ってよかったです。
改めてBFHの病院の母乳外来に出会わせてもらったSOLANINさんに本当に感謝です。
ありがとうございました!!!
一度もへこむこともなく、頑張れたのはその都度相談にのってくださり、キツいことも言わず褒めて下さり、モチベーションを下げることなく頑張れたのはBFHの病院だったからなのかと思います。

そしてSOLANINさんの魔法の言葉のおかげです。
まだまだ寒い日が続きますが、どうぞご自愛下さいませ。
これからも楽しみにしてブログ拝見させていただきます。

<SOLANINからひとこと>
このお母さんが、おっぱいで育てたいと諦めない気持ちを抱き続けるのに、わずかながらでも当ブログがお役に立てたのであれば、これほど嬉しいことはありません。
最初のうちは混合栄養であっても、このお母さんのように、決して凹まないでほしいです。
リラクテーションのためには、日々正しい知識を得て、「私は私のおっぱいで私の赤ちゃんを育てたい!」というモチベーションの維持は不可欠です。
そして、母乳育児を支援してくれる母乳外来や助産院や小児科で継続的に診てもらうことで、困難であろうことも、乗り越えられるようになることはあるのですね。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「

まだ日本国内にはBFHの無い県が15ほどあります。
秋田・福島・栃木・群馬・埼玉・千葉・(山梨)・福井・滋賀・奈良・和歌山・広島・香川・徳島・(高知)・・・( )は、かつてBFH認定施設があったものの、分娩取り扱い停止等の理由でBFHの返上を余儀なくされておられる県です。
BFHで出産したくても県内にBFHが無いという場合はいざ知らず、お住まいからBFHが至近距離にありながら、「その病産院がBFHであるということすら全く知らなかった。」「そもそもBFHって何の略ですか?」という、おっぱい関係の情報収集不足の妊婦さんはまだまだ多いような気がします。
実際、私の勤務先でもBFHだからという理由で選ぶ方は稀で、「里帰りで実家に近かったから。」「女医さんがおられるから。」「お支払いが出産一時金でおよそ賄えるから。」等の理由で選ばれる方が大半だと思います。(汗)

「私は私のおっぱいで私の赤ちゃんを育てたい!」という妊婦さん、妊婦予定のみなさんは、可能であれば是非ともBFHでご出産くださいね。
尚、BFHによっては、他院出産のお母さんを母乳外来で受け入れない(マンパワー的に受け入れる余裕が無い?)トコロもあるらしいので、「産科退院してから行ってみよう。」と思っていたら門前払いを喰らわされた方も居られるようです。
この記事を読んでくださるみなさんが、私の妹や娘や姪っ子であると思って言わせていただきます。
片道1時間圏であれば、ご出産からBFHを選ばれることを心の底からお勧めします。
なぜなら、母乳育児が成功する確率は、そうではない病産院を選ばれた場合よりも遥かに高いからです。
初っ端から余計な苦労をしなくて済みます。

乳房基底部が硬いか柔らかいかで、おっぱいの出方は変わる!

一見、関係なさそうですが、お母さんの背中や肩が凝っていると、乳房がカチカチになり、おっぱいが出ないことがあります。
肩や背中が凝っていると、動脈(乳房に流れ込む血管)の流れが悪くなり、静脈(乳房から流れ出す血管)の流れも悪くなり、乳房の静脈が怒張します。
すると、乳腺や乳管が圧迫されて、カチカチになるくらい痛いのに、雫ほどしかおっぱいが出ない・・・ということになります。

よく、O式の先生が”、乳房基底部をあける”という表現をされますが、乳房基底部を緩めるマッサージをすると、動脈・静脈ともに血流が良くなります。
すると、乳腺や乳管の圧迫が解除されるので、乳汁分泌が良好になります。
乳房マッサージをしてもらったら、肩や背中の凝りが治ったという話をしばしば聞きますが、それにはそういう意味があったのです。

私はO式の免許皆伝者ではありませんが、乳腺炎等でのマッサージの際は患部の圧迫をしないので、痛くないとお母さんから言われます。

但し、産褥早期の場合、基底部を触っていいものかどうかということもあり、その場合は文字通り、肩や肩甲骨周辺のマッサージをします。
すると、大抵は乳房のカチカチは改善し、分泌がスムーズで、赤ちゃんが飲みやすいおっぱいになります。
大抵は・・・というのは、重症の肩凝りや冷え性の方はそちらを改善しないと、なかなか思うように乳房のコンディションは改善しないということです。

2014年6月 2日 (月)

帝王切開のバースプラン。(おっぱいについて)

<ご相談内容>
母乳推進と言われている県立病院で予定帝王切開をしました。
赤ちゃんは元気に生まれてきてくれました。
バースプランもきっちりお話しして、こちらの希望を伝えていたものの、入院診療計画書(?)には、「帝王切開当日は、赤ちゃんは保育器からは出られません。」
「明日からおっぱいのたびにお部屋に連れて行きます。」とのこと。
私はなおも、「出来れば当日から少しずつおっぱいをあげたい。体調がよければ、母子同室で添い寝でやりたい。」と伝えました。
しかし、先方は、「随分ハードね。私たちは赤ちゃんが脱水になったら不安だから先生と相談するまで何とも言えないわ。」と、言われてしまいました。
結局手術後に赤ちゃんにちょっとだけ触り、その後はまだ、赤ちゃんを触っていません。
過去記事に【抱っこから布団に寝かしつけが全くできないくらい離れなくなった例がある】記事を読んだこともあり、このままでは赤ちゃんがどんなになってしまうのか、おっぱいは大丈夫なのか、不安な夜を過ごしています。

<SOLANINの回答>
赤ちゃんの状態に関わらず、相談者さんがご出産された県立病院では、帝王切開された赤ちゃんは1日間保育器収容される決まりがあるのでしょうね。
となると、なかなか病院の方針を変えることは難しいでしょうね。
(一般的に、その病院の標準的な方針とは異なるバースプランは、入院までに提出のうえ交渉され、予め病院側が受け入れてくれないと、入院後の変更はとても難しいと思います。)

また、私の過去記事の内容が、相談者さんの不安を助長したのであれば、ごめんなさいね。
私としては、NICUに搬送されたり、保育器収容等の理由で母子分離になった赤ちゃんが、お母さんから離れたがらなかったり、かなり甘えん坊になるのは、寂しかったからなので、ウザがったりせずに赤ちゃんの気持ちを受け止めてあげてほしいという意味で書いたのですが・・・(汗)

希望されたバースプランが受け入れてもらえない状況は辛いですね。
でもね、翌日から授乳の度に、赤ちゃんを病室に連れてきてくれるのでしょう?
だったら、客観的にみて良心的な病院だと思いますよ。
少なくとも8回/日くらいは、連れてきてもらえる機会があるということですからね。
授乳時間は赤ちゃんとのふれあいタイムなのですから、その時に赤ちゃんにお母さんの気持ちを伝えましょう!
「お母さんもあなたと離れている時間は寂しいよ」「大きなお口を開けておっぱいを飲んでね」「あなたが大好きだよ」等々。
そして、お母さんの温もりが感じられるように、赤ちゃんを抱き締めてあげてください。
可能であれば、お母さんの匂いがするガーゼ等を保育器に入れてもらったり、コットの枕元に置いてもらっては如何でしょう?
赤ちゃんがお元気で、お母さんの体調さえよければ、近いうちに母子同室にしていただけるのでしょうから、あと僅かの辛抱ですよ。
今は置かれた状況の中で、どうしていくかということを前向きに考え、出来る限りのことを対処されるのが最善だと思いますよ。

赤ちゃんにとって自然でラクな姿勢とは?

それはもう、100%決まってます。
頭からお尻までのライン(脊柱)がやんわりとカーブしていて、ちょっと見には勾玉っぽいカタチです。
スリングに入れたり、抱っこしたりの間は気持ち良さそうにウトウトねんねするのは、赤ちゃんのカラダの骨組みにマッチしているからです。
従って、お布団(またはベビーベッド)に寝かせたら「おめめぱっちり」「ぎゃ~」になるのは背中が痛いのかもしれませんね。
寝かせ方の工夫、興味ありませんか?

2014年6月 1日 (日)

おばあちゃんに預ける時に困るから哺乳瓶の練習?

<ご相談内容>
現在産後3週間です。
我が子は2400g台で出生しました。
入院期間の前半は、スタミナ不足におちょぼ口なため直母が振るいませんでした。
直母が無理なうちは2時間毎に搾母をスポイドであげ続けました。
努力の結果、哺乳力も徐々に強くなり、退院日には生下時体重を超え、直母での完母となりました。(喜)

ただ、退院して実家で世話になっている時、自分の母に言われたのですが、「直母しか飲めなかったら、イベントとか何処かにお出かけしたくても、赤ちゃんを預かれないよ。」「私はスポイドなんて使えないし。哺乳瓶だったら使えるから、母乳にこだわるなら搾ったおっぱいを哺乳瓶で飲ませる練習をしてくれないとねぇ。」と、やんわり厭味を言われました。
何となくモヤモヤして、主人に愚痴をこぼすと、「俺だって、お前が倒れたら赤ん坊の授乳をするのに、スポイドなんて出来ないし、愚痴るお前が間違ってる。お母さんの言われることが尤もな意見だと思う。」と切り返されてしまいました。(泣)

私は仕事に復帰する予定はないし、今まで大きな病気をしたこともなく、健康体だと思いますが、万一周囲に頼らなくてはならない時に、直母しか受け付けない赤ちゃんだったら周囲に迷惑を掛けるのかな?どうしたらいいんだろう?と悩んでいます。

<SOLANINの回答>
う~ん。
個人的には直母で完母の赤ちゃんを哺乳瓶に慣らすって発想に強い違和感を感じます。
百歩譲って、直母で完母の赤ちゃんを哺乳瓶に慣らすことにメリットがあるとしたら、産後8週間で仕事復帰で、お母さんの直母来園を受け入れていないタイプの保育園に預けなきゃならないことが確定しているといった限定的な場合でしょうかねぇ?
しかし、少なくとも相談者さんは、お仕事に復帰されるわけでもなく、健康体とのことですから、哺乳瓶に慣れさせる意義は限りなくゼロだと思います。

世間一般では赤ちゃんへの授乳=哺乳瓶というイメージや、過去の実体験が幅を利かせていますから、実母さんも旦那さんもそのように仰ったのでしょう。
確かに具合が悪くなったら・・・とか、赤ちゃんを預かってほしい時に困るのは自分・・・という考え方はありますが、具合が悪くて困っている人を助けないのは、根本的に人の道に外れる行為です。
ましてや頼る相手は身内ですし、そこまで深刻に考えられなくてもいいのでは?

それより、相談者さん!赤ちゃんのお世話を頼まなくてはならないことがあるとしたら周囲(≒主に実母さんや旦那さんでしょうね・・・)に迷惑になるという発想、気を遣い過ぎっていうか、遠慮し過ぎだと思いますよ。
完母の赤ちゃんであっても月齢が進めば離乳食も開始しますからね。

赤ちゃんは、お荷物でも厄介者でもありませんよ!
未来を担う宝です。
もっと堂々としてください!

周囲の方と要らぬ悶着を回避するには、直母で完母の赤ちゃんは、誰かに預けることを前提にする生活スタイルではなく、予め、常に離れず連れて歩くという生活スタイルなんだということを毅然とした態度で布告しておくといいと思います。(つまり、連れていけない場所には行かないというスタンスです。)
たった一度の哺乳瓶使用で乳頭混乱になることだってあるのですから、そんな目に遭えば、悔やんでも悔やみきれないですよ。
(乳頭混乱についての詳細は、過去記事をご参照くださいね。)

ましてや、いつあるかわからない(あるかどうかさえもわからない)イベントのために、大きなリスクを負うことは止めましょう。
相談者さんにとっても赤ちゃんにとってもマイナスでしかないですからね。

母乳育児を推進・支援している病産院の検索の仕方。

<ご相談内容>
里帰りでも自宅でも、お近くに母乳育児を推進・支援してくれる病産院・助産院は何処にあるのかという情報は、どうやって仕入れればいいでしょうか?

<SOLANINの回答>

「㌧でも病産院の見分け方」という項目が、書籍の方にありますので、ご参考になさっていただけるといいかなと思います。
あとは、日本母乳の会の書籍で「母乳育児何でもQ&A」か「母乳育児心配ごと解決集」の巻末に、母乳育児推進・支援病産院の一覧表があります。
もちろん、ウ●メ○ズ●ー○等で、捜してみても良いです。
でも、地元のことは地元の保健センターの母子保健担当者に電話で聞いてみるといいと思います。
里帰りでも、自宅の戻れば、何処をかかりつけにしたらいいのか?
元気なうちに情報収集に努めておきましょう!
何かトラブルがあってから、しんどい状態なのに検索や問い合わせの電話なんかかけてられないですからね。

上の子が抱っこをせがんできたら?(若干改訂版)

SOLANINが言うまでもないことですが、めいっぱい抱っこしてあげてね。

但し、お座り抱っこに限定してください。
なぜなら、産後8週間かかって、ようやく子宮の大きさも、それを支える靭帯の伸展も、骨盤の骨の継ぎ目の緩みも元の状態に戻るんです。
また、骨盤の緩みもトコちゃんベルトを正しく装着すれば、修正されてきます。

産後早期からシャカシャカと動いたり、重いものを持ち上げると、そういう部分に負担がかかります。
若いうちは、例えば靭帯が伸びても、骨盤の骨の継ぎ目が緩んだままでも、筋肉が萎えていないお陰で子宮が降りてくることはないでしょうが、年を重ねるほどそうもいきません。

上の子も説明すればお母さんのこと、分かってくれますよ。
家族の協力もとても大事なので、思いっきり話を盛って伝えましょう。
(特に旦那さんと義両親には!)

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