妊婦さんは湿布を貼ってはいけないの?
妊娠経過とともにおなかが大きくなり、重心もズレてくることや、リラキシンというホルモンの影響で骨盤周囲が緩むことなどから、腰痛を訴える妊婦さんは少なからずいらっしゃいます。
軽々に内服薬(痛みどめ)に手を出す妊婦さんはまずないでしょうが、「湿布や塗り薬(=外用薬)だったら大丈夫かな?」と、思ってしまう妊婦さんは居るかもしれませんね。
でもね、モノや時期によっては、絶対禁忌ということもあるのです。
SOLANINが若かりし頃(つまり大昔)に勤務中に産婦人科ドクターから教えて頂いた話があります。
「妊娠中期以降(後期だったかも?)非ステロイド系消炎鎮痛薬の「インダシン®」を妊婦さんに投与すると、おなかの赤ちゃんの腎臓にダメージを与えたり、動脈管が早期に閉鎖してしまい胎児死亡という症例があったので、そのリスクを回避するために、「インダシン®」を投与しちゃいけない。」という内容でしたが・・・あれは確か外用薬としてではなく内服薬としてだったと記憶しています。
閑話休題。
ここ最近の話ですが、非ステロイド系消炎鎮痛薬の外用薬を使用した妊婦さんに同様の症例報告があったので、産婦人科ドクターは、妊婦さんから腰痛の訴えがあっても、おいそれとは湿布を処方されることはなくなりました。
あっ、もちろん、湿布と申しましても、すべての湿布がNGとゆうわけではありませんよ。
所謂、市販薬でいうところの第1種医薬品(店頭購入の医薬品で、薬剤師さんの説明を受けないと購入できないお薬=薬剤師さんが不在時は販売してもらえないお薬。)がNGなのは特別に説明しなくても即ご理解いただけると思いますが、第2種医薬品であっても、効き目の強いタイプの外用薬がそれに該当しますので注意が必要だとゆうことです。
市販薬としての商品名を挙げると、「ジクロテクト®」「ボルタレンAC®」「フェイタスZ®」などですな。
病院で処方されることのあるお薬の商品名としては、「モーラス®テープ」「エパテック®ゲル」「ミルタックス®ハップ」などですな。
「ロキソニン®テープ」は?
う~ん。
今のところ、おなかの赤ちゃんの動脈管云々の報告はないですが、「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。」とのことですから、積極的に使うべきではないと思いますね。
喘息持ちの妊婦さんは症状悪化の恐れがあるので、ハナから使えませんし。
それ以外の第3種医薬品の湿布であれば、産婦人科ドクターの処方をしていただかなくても普通に店頭で購入できますし、それらは妊娠中使用禁忌の記載もないのでOKとなります。
妊娠中の腰痛は、トコちゃんベルトを適切な位置に装着すれば、とてもラクになりますし、産後も使用できるものなので、SOLANIN的には腰痛時の対処の第1選択は湿布じゃなくてトコちゃんベルトだと思いますね。
動脈管云々のリスクが無いから安心ですし。
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