最近の助産師教育にモノ申す!
助産師教育というのはホントに手がかかるというか、座学も盛りだくさんですが、実習もハンパなく大変です。
その中で、「直接介助」という実習項目があります。
分かり易く言えば、「赤ちゃんをひとりで取り上げる」ということです。
あっ、誤解のないように申し添えますが、「ひとりで」というのは産婦さんと学生を二人きりにして、臨床指導者やドクターや助産師がいない訳ではありませんから、安心してね。
実習時間(というか、赤ちゃんを取り上げるために待機する時間も含めて)はある程度学校の裁量に任されています。
赤ちゃんはいつ生まれるか分かりませんから、まぁ、当然ですが。
で、法令的にはひとりの助産学生は10例のお産に「直接介助」することになっています。
私の出身校は、日本最古の産婆教習所が前身ですから、その辺は厳しくて何日も産直実習を続けて正味で10例に到達するまで、やり抜きました。
私の場合、10例に達するまでに実習開始(最初の1か月は日中だけの実習だったのですが。)から終了まで、6ヶ月半かかっています。
その間に講義はあるし、継続して受け持たせていただく妊婦さん2名に対する実習も込みです。
母性衛生学会への参加や、マタニティークラスの講師役の練習、国試の勉強もありますし、とにかく忙しくて暇がない状態でした。
今も出身校の実習は大筋では変わらないと思いますが、この間ある方から聞いたのですが、驚くべきことに某大学の助産学科は実習期間がたったの5週間しかないそうです。
「5週間で10例の直接介助なんてどうやってこなしていくの?」と私は尋ねました。
そうしたら、「実習は3人ひと組だから、間接介助とか、外回りとかそれなりに役割分担してるけど、3人が3例ずつ直接介助したら、(ほんとは違うけど)そこで9例直接介助したと計算してしまうわけよ。書類もそう仕上げるのね。だから、数合わせなんてどうにでもなるのよ。」という答えが返ってきたのです。
私ぶっとびました。
助産学生の教育の場でそこまで大きな不正が罷り通るなんて。
ということは、実数としてせいぜい3~4例の直接介助しかこなしていない学生が、国試受験資格をゲットして、ペーパー試験でミスらなければ、「助産師でござい~。」と就職してくることも有り得るということなんですね。
助産師として大事な「直接介助」の実習でこの有り様ですから、この某大学で行われている助産学生に対する教育内容は想像するのが怖いですね。
誤解のないように申し添えますが、これはごく一部の大学・学校だと思います。
ただ、殆どすべての助産学生は「直接介助」の座学と実習だけでで手一杯です。
そのためかどうかは知りませんが、座学・実習のカリキュラムでも母乳育児という項目が無いうえに、実習先によってはミルク至上主義の病産院もあるわけです。
母乳育児を学ぶことなく卒業して就職することは、自分が困るだけでなく赤ちゃんのお母さんにも迷惑かけちゃうんですよね。
母乳育児が教育の現場(助産学生はもちろん、医学生・看護学生はもとより、アタマの柔らかい小学生くらいから)でオプションでなく、必須となれば病産院での状況は好転するのかなと思いました。
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