SOLANINが産後の乳頭ケアで動物性油脂を避けた方がイイという理由。
SOLANINは一昨日の記事で、「妊娠中の乳頭・乳輪ケアにはバーユを使うのはイイと考えるが、産後乳頭の傷のケアにバーユやラノリンなどの動物性油脂を使わない方がいい。お勧めしないです。」と、申し上げました。
事情はどうであれ、産後授乳開始してから乳頭に傷が出来てしまうのは、(妊娠中に乳頭・乳輪ケアをしっかりしていたとしても。していなかったら尚更ですが・・・)ポジショニングがしっかりとれていないor合わないものを選択していることと、ラッチオンがなってなくて、要は浅飲みになっているからです。
そこの修正がまず第一で、それなしでは根本的解決には至らないからです。
「でも、乳頭の傷がめっちゃ痛くて、(バーユやラノリンを塗布しないと)授乳タイムが恐怖タイムになっちゃうんですけど?」ってご意見はちょくちょく耳にします。
特にラノリンはねっとり感があるので、傷の保護としては優れモノだとは思います。
けれども、ある意味、これが曲者(くせもの)なのですよ。
傷の程度や個人の痛みの鋭鈍(←すみません、私が今作った造語です)感覚にもよりますが、下手に(?)というかその場凌ぎ(?)というか刹那的に(?)痛みがラクになるから、「ラノリン塗ったから、どうにか授乳できるぞ!」と、なってしまい、先程申し上げたように乳頭の傷の根本的解決の方向には至らないのです。
で、ズルズルと使用期間が長期化しやすい傾向が強いのです。
そして、この「使用期間が長期化する」というのが大きな問題で、大抵の場合、傷が重症化していくことを助長するリスクが高いのです。
そしてその傷に厄介な細菌感染を来たしたり、そこから逆行性に感染性(→化膿性)乳腺炎に至ることがあるのです。
以前、専門職の集まりでの研究発表会で難治性の乳頭の傷や乳腺炎で、培養検査をしたらGBSが検出されたとか、MRSAが検出されたとかの報告例も聞いたことがあります。
確認した研究者はまだ居ないようですが、もしかしたら動物性油脂の栄養分が、細菌の培地的な役割を果たしているのではないかという意見も出されていました。
避けた方がイイという理由は以上の通りです。
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コメント
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三人娘の母です。SOLANINさんのブログで勉強しながら只今1歳3ヶ月のおっぱい星人に楽しい母乳育児をしています。
私は三人とも同じ総合病院で出産しました。その病院では母乳の研究をしているそうで、1人目の出産の時、入院中からひどい乳頭トラブルでしたが、助産師さんから「傷口に母乳を塗ると治りが早いということが分かったので是非やってみて下さい」と言われました。
今回も産後から乳頭トラブルになりましたがこの言葉を思い出し授乳後や、服にあたって痛いと感じる時などに、必ず母乳を傷口に塗ってケアしていました。
母乳をつけると痛みも和らぐし、とにかく赤ちゃんにとっても安全なので薬に抵抗のある方に是非オススメです。
投稿: あおたん | 2014年7月15日 (火) 22時45分
お忙しいところ早速の記事化どうもありがとうございました!
投稿: sara | 2014年7月16日 (水) 14時10分
早速の記事化ありがとうございました!
なるほど、まるで私のようだと思いました(;^_^A
乳頸部に傷が少し出来てバーユ、悪化したらデスパコーワと使っていましたが、数週間経っても治らないので、過去記事のラッチオンを読み直したところ、不安を感じたら母乳外来等でよーく診てもらったがいいというのを読んで、つい先日行って来たところでした!
やっぱり助産師さんにしっかり指導して頂くと全然違いますね。
たくさんの記事があり、色々な不安への対処がたくさん載っているので本当に助かります。
間違った方向へ行きそうな時の早期発見、改善を教えて下さってありがとうございます!
投稿: お魚 | 2014年7月16日 (水) 14時50分
2人目が一ヶ月になりました。今回はありがたいことにはじめから完母でやれています。が!この記事にびっくり!まだ乳首にヒリヒリ感があり、馬油を塗っていましたが、やめたほうが良さそうですね…一応、助産師さんに飲ませ方は見てもらい、歪みなどはなく、まだ少し頻回授乳からの乳首の皮が負けてる感があったので塗っていましたが(>_<)まだ母乳をぬりぬりしていたほうがよいのかなと思いました。
1人目がなにもしなくてもつまりやすく、食事に気をつけすぎて痩せすぎたのですが、今回も怖くてあまり食べれていません。ご飯、味噌汁、野菜、魚だと段々痩せて行きます…体力がなくなるのでなんとかしたいのですが、カロリーのありそうなものは避けているので…話がずれましたが、負けないように頑張ります!
投稿: あさんと | 2014年7月17日 (木) 11時45分
記事化ありがとうございました!
元々は、やはり産院で乳首に清浄綿を使っていたことから傷になり、あまりの痛みに授乳タイムが恐怖になりました。
「この子が卒乳するまでラノリン使い続けるのかな…」と不安にもなりました。
清浄綿をやめて、授乳中の息子の上唇をめくって浅飲みを改善したり、ポジションを変えてみたりと、試行錯誤の3ヶ月でしたが、その間何もなくて良かったです〜。
当時はあのネットリ感が救世主に思えましたが…
ホント、清浄綿使えって言った看護師さんに正しい知識身につけて欲しいです。
お陰様で今は楽しいおっぱいタイムです。
これからも新しい記事を楽しみにしております。
投稿: パペットくま | 2014年7月18日 (金) 23時41分