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2014年8月13日 (水)

幼児にフッ素塗布することの是非は?

<ご相談内容>
1歳半になる娘の母親です。
これまで完母でおっぱい星人です。
さて、もう暫くしたら、1歳半健診があるのですが、私の住む地域では、ルーチン的にフッ素お塗布があるそうです。
ただ、最近いくつかのサイトを閲覧していたら、フッ素の毒性や幼少ゆえの誤嚥のリスクなどについて記述してあるものを知り、心配になってきました。
SOLANINさんは、フッ素の塗布について、どのように考えていらっしゃいますか?

<SOLANINの回答>
個人的には幼児にフッ素の塗布をすることは、虫歯予防の観点から有効であると認識しています。
勿論、フッ素の塗布が免罪符になり、お口のケアを怠ったり、だらしない食生活をすれば虫歯リスクが高まりますし、100%の効果ではないことは知っています。

フッ素の塗布のメリットは、虫歯菌が酸を出さないようにすることや、歯の再石灰化の促進や薄いエナメル質を補強する働きですね。
具体的な成分としては、歯磨き粉であれば主にフッ化ナトリウムやフッ化リン酸ナトリウムなどであり、クリニックでの塗布に供されるのは、酸化フッ素リン酸溶液です。

フッ素の急性毒性については、体重1㎏あたり2㎎以上の摂取をすると危険だということは有名な話です。
例えば体重12㎏の幼児であれば、24㎎以上の摂取をしたら危険だということですが、歯磨き粉に含まれるフッ素の量は1000ppm以下、つまり、歯磨き粉1g中フッ素1㎎以下と法律で定められていますから、歯磨き粉を24g以上一気に食べると危険だということです。
クリニックでのフッ素の塗布に使うお薬の濃度は1ml当り9000ppmとされていますので、体重12㎏の幼児であれば、2.67ml以上使わなければ大丈夫ということになります。
この量が多いか少ないかは、歯科のドクターや歯科衛生士さんに確認すればすぐに分かることですね。
冷静に考えれば分かることですが、理論的に歯磨き粉やクリニックでの塗布でここまで大量に摂取及び投与することは有り得ないでしょう。

フッ素の慢性毒性については、斑状歯というものがありますが、これは地域的に水道水に高濃度のフッ素が含有されていたことによって起こった病態であり、歯磨き粉を使って歯磨きしたり、クリニックで定期的にフッ素の塗布をしてもらうことで発症したという報告は、検索してもありませんでした。

そうそう、フッ素は人骨の中にも少量蓄積されていますし、人体の構成元素のひとつでもありますね。
腎機能障害でなければ、摂取したフッ素の90%以上が24時間内におしっこの中に排出されることは、相談者さんをはじめ当ブログの読者のみなさんであれば既にご存知かと思います。

少しでも体内にフッ素を取り込むことが怖いとなると、食べるものに制限がかかってしまいますね。
何故なら、微量ですがお茶や果物や野菜や海産物やビールなどにも含まれているからです。
ついでに申せば、フッ素加工のフライパンやケーキ型なんかも危なくて使えなくなりますね。(汗)
全身麻酔に使われるお薬にもフッ素が含まれていたような・・・じゃあ手術はどうなるのか?

但し、誤嚥のリスク回避については、もしも相談者さんのお嬢ちゃんが生まれつきか何らかの要因で、既往歴として誤嚥性肺炎になったことがあるのでしたら、避けられた方がイイかもしれませんね。

それから、1歳半健診の場でルーチンな感じでフッ素の塗布が行われているとのことですが、最終的に受けさせるか否かは保護者の判断ですので、強要されることは無いと思いますよ。
但し、フッ素の塗布を受けないのであれば、必ず別の方法で、虫歯予防対策をしてあげてくださいね。

ちなみに、当家では、3人の子ども全員に幼少期から定期的にフッ素の塗布を受けさせてきました。
そのうちT1,T2は現在に至るまで、虫歯は1本もありません。
H1につきましては残念なことに、小学校の高学年になって永久歯に虫歯が発生してしまいました。
しかし、少なくとも乳歯の段階では虫歯はゼロでした。

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