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2014年10月15日 (水)

先天性股関節脱臼の疑いがあると指摘されて(生後3ヶ月半)

先天性股関節脱臼(以下、先股脱とします。)・・・聞いたことのある病名でしょうが、見たことはないという方が大半だと思います。
私の高校時代からの親友の一人と、看護学科3年生時代の寮の同室の後輩がこの病気で手術しているので、私にはわりと身近な病気です。

知っている方は知っていらっしゃるのでしょうが、簡単に説明しますと、股関節にある大腿骨頭をホールドしているカーブのあるお皿があります。
赤ちゃんはオトナよりも浅いので、脚を真っ直ぐに伸ばしたりすると外れてしまいます。
但し先股脱は「外れたら接骨院で嵌めてもらう。」という訳にはいかないのです。
先天性とありますが、生まれた瞬間に分かるということは稀で、むしろ発症は後天的なことが多いとされています。
男児よりも女児に、右足よりも左足に多くで易いというデータがあります。
 

大昔は布おむつを「脚が真っ直ぐになるように。」との願いから、日本では赤ちゃんのおむつは巻いたり逆三角に当てたりしていたので、先股脱を助長する因子が諸外国よりも高かったので、疫学調査が未だの時代には風土病のように恐れられていました。
時代は流れ、当時京都大学におられた石田先生が「股おむつ」「コアラ抱っこ」「おむつ換えの際は赤ちゃんの足首を持って脚を伸ばすようなことはしない。」「普段からM字開脚」を推奨され、先股脱の発症率は激減しましたが、現在でも赤ちゃん1000〜500人に1人の割合で見られます。

さて、先股脱の診断のためには視診(左右の脚の長さが違う)や触診(開排制限の有無とクリック音の有無の確認)とレントゲンやエコーなど検査がありますが、病状によっては装具の装着や(私の親友や後輩のように)手術もありますが、最近では手術までに至る赤ちゃんはホントに少なくなってきていらっしゃいます。
万一装具を装着することになっても、自宅療養で済むことですし、整形外科的な病気なので、おっぱいに制限は無く、今まで通りにあげられます。
装具はリーメンビューゲルと呼ばれるものですが、立体的な皮ベルト状になっているもので、股関節が良肢位を保てるようにするために装着します。
決して金属のボルトが突出しているようなものでもないし、それこそ赤ちゃんをコアラ抱っこするには打ってつけです。
 

少し古いハナシですが、確かシドニーオリンピックの男子110mハードルの日本代表選手の方は幼少時に先股脱だった方でそれを克服されアスリートになられた方です。
赤ちゃん時代に適切な治療を受けられたら、治る病気だと言われています。

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☆赤ちゃんの病気予防早期発見と対処法」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
初めまして。
いつも拝見し、勉強させてもらってます。
さて、 娘の話なんですが赤ちゃんの頃から左足にクリック音があり、レントゲンをとってもらったところ異常はなく歩き出す頃には治ってますと言われました。
2歳7ヶ月現在、まだ音はしております。
運動面では、特に問題はないのですが最近また精密検査を受けた方がいいのか悩んでおります。

異常なく、クリック音がするお子さんていらっしゃるのでしょうか。
大きい病院ですので、また小児科へ診察へ行き紹介状を持って精密検査となると時間もいりますし、少し迷いもあります。

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