乳児ボツリヌス症について。(若干改訂版)
読者のみなさんは『蜂蜜は生ものですから、1歳未満の乳児には与えないで下さい。』という注意書きを読んだことがおありになると思います。
ご存知のとおり、蜂蜜は、乳児ボツリヌス症の原因となる、ボツリヌス菌の芽胞が含まれているおそれがあるので、腸内細菌叢が成人とは異なり、ボツリヌス菌の芽胞の出す毒素に対する抵抗力がないので、与えてはいけないということです。
確定診断には筋電図・血液検査・便検査が必要とされています。
症状としては、「いきなり頑固な便秘」
「筋緊張の低下」
(例:眼瞼下垂・据わっていた頸がグラグラになる・手足がだらりとする・泣き声が弱くなる)
「哺乳力低下」
「瞳孔散大」
「無呼吸発作」・・・などがみられます。
治療としては血清の投与です。
困るのは潜伏期が長く、3〜30日間とかなりの幅があることです。一般的なボツリヌス食中毒よりは、致死率は低いですが、1〜3%あります。
決して侮ってはいけない菌です。
臨床的に感染しやすいのは生後8ヶ月までで、9ヶ月を越えると発症は稀だそうです。
でも、やはり注意書きには従った方が無難だと考えます。
取り返しのつかないことになってしまったら、悔やんでも悔やみきれないですからね。
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