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2014年10月11日 (土)

乳児ボツリヌス症について。(若干改訂版)

読者のみなさんは『蜂蜜は生ものですから、1歳未満の乳児には与えないで下さい。』という注意書きを読んだことがおありになると思います。
ご存知のとおり、蜂蜜は、乳児ボツリヌス症の原因となる、ボツリヌス菌の芽胞が含まれているおそれがあるので、腸内細菌叢が成人とは異なり、ボツリヌス菌の芽胞の出す毒素に対する抵抗力がないので、与えてはいけないということです。

国内では1986年に千葉県内で初の症例が確認されてから20例以上発生しています。(確定診断したドクターは保健所に届出が必要です。) 

確定診断には筋電図・血液検査・便検査が必要とされています。

症状としては、
「いきなり頑固な便秘」
「筋緊張の低下」
(例:眼瞼下垂・据わっていた頸がグラグラになる・手足がだらりとする・泣き声が弱くなる)
「哺乳力低下」
「瞳孔散大」
「無呼吸発作」・・・などがみられます。
 

治療としては血清の投与です。

困るのは潜伏期が長く、3〜30日間とかなりの幅があることです。 

一般的なボツリヌス食中毒よりは、致死率は低いですが、1〜3%あります。
決して侮ってはいけない菌です。

国内では蜂蜜だけではなく、コーンシロップや野菜ジュースからも検出されたことがあるそうです。 

臨床的に感染しやすいのは生後8ヶ月までで、9ヶ月を越えると発症は稀だそうです。
でも、やはり注意書きには従った方が無難だと考えます。
取り返しのつかないことになってしまったら、悔やんでも悔やみきれないですからね。

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