クレチン症って聞いたことがありますか?
クレチン症って、聞いたことがありますか?
この病気は、先天性甲状腺機能低下症とも言われます。
甲状腺は、赤ちゃんの成長に必要なホルモンを作り、分泌するトコロです。
みなさんの赤ちゃんは先天性代謝異常検査という公費負担の検査、産科入院中に受けられたと思います。
(生後4~5日目頃の赤ちゃんの踵に、絆創膏が貼ってあったことを憶えていませんか?・・・但し、低体重で生まれた赤ちゃんや、抗菌薬の点滴をした赤ちゃんは、検査結果が不正確にならないように採血する日が後にずれ込むことがあります。)
検体は病産院から各都道府県の検査センターに送付され、結果は最寄りの保健所に報告されます。
万一再検査(精密検査)が必要な場合、保健所から病産院に通知があり、病産院から赤ちゃんの保護者へ電話連絡され、来院&再検査・・・という流れになっています。
(最初に採血をした日から、「再検査が必要です。」の結果が病産院に通知される迄に、およそ10~14日間を要します。)
クレチン症は厳密には先天性代謝異常症の一種ではないのですが、採血したら、一緒に調べられるようなシステムになっているのですね。
クレチン症の赤ちゃんについての記事は2010年の5月23日(フェニックスでは2014年10月24日でしたかな?)に書いていますので、必要な方はそちらもご参照いただきたいのですが、早期発見&早期治療が大変有益な病気なのですね。
恐らく、当ブログの読者さんの中にも、赤ちゃんがクレチン症の方がいらっしゃるかと思われます。
確率的に4500人に1人の割合で発見されますので・・・
先日2週間健診で出会った赤ちゃんは、上のお子さんを完母で育てたお母さんの赤ちゃんで、あまりにもよく眠ることと、体重が退院時からガタっと減っていて、「何とも言えない嫌な感じ」がして、母乳外来の再受診もしくは小児科受診を促しておりました。
というのも、そのお母さんのおっぱいの分泌には何の問題もなかったし、直母も1日10回はあげておられましたし、2週間健診時も眠っていた赤ちゃんを起こして促せば、70gも飲めたので、哺乳そのものが出来ない訳ではなかったからです。
そしたらなんと、再受診もしくは小児科受診しようかと考えておられた間に先天性代謝異常検査の結果が返って来たそうです。
結果はTSHが正常値よりも高かったので、再検査・再々検査もされたのですが、回を追う毎に数値がドンドン上昇してきたとのことです。
そして最終的に「クレチン症です。」との確定診断が下りたそうで、『チラージンS』の内服治療を開始されたそうです。
クレチン症はおっぱいを中止しなくてはならない病気ではありませんし、離乳食も月齢が進めば普通に開始できます。
ただ、おなかが空いていようが何だろうが兎に角眠りがちなので、しっかりおっぱいを飲めない傾向が強いです。
なので、眠っているからと放置していては成長に支障をきたしますので、哺乳量の確保としてお母さんがしっかり起こして促してあげるという配慮が欠かせません。
また、大変頑固な便秘症であることも多く、便秘対策を講じる必要性がありますね。
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