« RSウイルス感染症って聞いたことがありますか? | トップページ | 後乳は栄養満点! »

2014年11月 3日 (月)

滲出性中耳炎と添い乳の関係。

<ご相談内容>
先日の10ヶ月健診では健康優良児とお墨付きをいただいた我が子(女子)が中耳炎になって1ヶ月たちます。
どうやら滲出性らしく長期戦になりそうです。
私の通ってる耳鼻科(以下A)ではミルクの子が中耳炎になりやすくて、母乳の子の方が中耳炎になりにくい。母乳を飲む姿勢(横抱き、縦抱き等)と中耳炎のかかりやすさは関係がないから好きな姿勢で飲ませてかまわないということでした。
しかし、友人は違う耳鼻科(以下B)で母乳は耳にたまって中耳炎になりやすいから縦抱き以外は禁止と言われたそうです。
これはどちらが正しいのでしょうか?
授乳スタイルが原因で中耳炎になることはありますか?
長期戦になりそうなので、自分達のおっぱいスタイルで過ごせた方が楽なのですが…もしB病院の言うことが本当だとすると、横抱きの私たちのスタイルだと長引いてしまうのかなぁと思ってしまいます。
ちなみに我が子は中耳炎でも哺乳ストライキをおこすことなく、少しずつですが快方に向かっています☆
お時間のあるときで結構ですので、お答えいただけると嬉しいです。

<SOLANINの回答>
このメッセージをいただいてから、改めて中耳炎について、色々調べてみました。
また、おっぱい育ちとミルク育ちの発症に有意差があるのか?等についても。
 

意外かもしれませんが、滲出性中耳炎のハッキリした原因というモノは未だ良く分かっていないそうです。
感染による急性中耳炎に何度も罹患したらなり易いとか、アレルギー性鼻炎の子はなり易いとかの説明もありましたが、すべてのアレルギー性鼻炎の子に付随するわけではないですし。

兄姉のいる子や保育園や幼稚園に通園している子の方が上気道炎を繰り返すことが多いので再発し易いとか、女子よりも男子の方がなり易いとか、満期産児よりも未熟児がなり易いとか、赤ちゃんよりも2〜3歳の幼児の方がなり易いとか・・・というのは、発症頻度的に大きい因子ということで、それ自体は原因ではないですからね。 

母乳育児に関する様々な文献検索をしても、確かにおっぱい育ちよりもミルク育ちの方が「中耳炎」には3倍罹患し易いという、先進国の中産階級を対象にした疫学調査結果があるそうです。
ただ、別の文献では「耳の感染症」と表記してありました。

・・・ということは、おっぱい育ちがなりにくいのは中耳炎は中耳炎でも「急性中耳炎」(熱発する方)ということなのだろうか?(という風に私は解釈してしまいました。)
であれば、滲出性中耳炎(熱発しない方)の場合、また別の考え方が必要なのか?
 

ここからはあくまで私個人の推論ですが、母乳育児中で、滲出性中耳炎に罹患した場合(そこまでいかなくても、風邪で鼻詰まりがあったり、喉に炎症所見がある場合とかイマイチ本調子ではない場合)は、可能であれば、立て抱きか、斜め横抱きか、添い寝であってもU字型クッションを活用して、若干上体を起こし気味にして授乳した方がいいかもしれません。
寝かせた姿勢は鼻の奥におっぱいが流れ込み易くなるのは確かで、風邪を引いたりして抵抗力が落ちている場合、上咽頭の炎症を誘発し易いですから。
(上咽頭に炎症が起きると、中耳にまで炎症が波及する恐れがあることは否定できないので。また、炎症までは行かなくても、若干起こし気味にして授乳した方が、哺乳する赤ちゃんのカラダがラクだと思われるので。)
それから、鼻掃除してからおっぱいをあげた方がいいと思います。
もちろん、ミルクと違っておっぱいには天然の殺菌成分が豊富に含まれていますから、流れ込みによる炎症云々については一概には比較できないかもしれません。
ただ、夜間どうしても上体を起こし気味の添い乳が出来ないのであれば、回復の助けになるかのしれないという気持ちで、それ以外の授乳は出来るだけ現状の横抱きではなく、上体を起こし気味の抱っこ(ポジショニング)にしてみてもいいかもしれません。
もちろん、風邪を引くこともなくお元気で、中耳炎に罹患したことが無い赤ちゃんについては、添い乳による中耳炎はあまり神経質にならなくても良いかと存じます。

〜今回、相談者さんの赤ちゃんは、中耳炎に罹患されても哺乳ストライキにならなくて、少しずつでも回復しておられるのは不幸中の幸いでした。〜 

授乳時のポジショニングを変更することで、どちらが早く治るかについては恐らくデータは無いと思われます。
乳幼児を被験者にして人体実験をするには倫理的にも問題があり、第一本人の意思確認が不可能だからです。

« RSウイルス感染症って聞いたことがありますか? | トップページ | 後乳は栄養満点! »

☆赤ちゃんの病気予防早期発見と対処法」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

カテゴリー

2022年2月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28          

アクセスカウンター

  • アクセスカウンター
    現在の閲覧者数: