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2014年11月 7日 (金)

インフルエンザウィルス検査キットの感度について。

インフルエンザワクチンの接種時期になりました。
インフルエンザワクチンは母乳育児中でも接種可能ですから、赤ちゃんに感染させないようにする一つの手段として、是非早めに接種していただきたいものです。

さて、少し話が変わりますが、このくらいの時期からは春先までは、特にインフルエンザワクチンを接種していない方で、それらしき症状が発現したら、「うちの子はインフルエンザに感染したのでしょうか?」「感染したら出席(出勤)停止になるので、白黒つけるために検査してください。」的なリクエストが、小児科外来や内科外来の窓口で飛び交っているのを耳にします。
その時、担当ドクターからうんざりした表情で、「検査をするかどうかはドクターが決めることで、患者さんやご家族から要請されてするものではないのです。必要だと判断したらしますし、必要でないと判断したらしません。」と言われ、してもらえなくて立腹された経験のある方もいらっしゃるかと存じます。

このインフルエンザウィルス検査キット(以下、長ったらしいので、検査キットと表記させていただきます)の信頼性を評価する指標のひとつに感度(かんど)という項目があるのをご存知でしょうか?
これは、分り易く述べますと、「インフルエンザに罹患していることが明白な集団に検査を行い、確かに陽性ですという結果の出る割合」を指します。

イメージとしては、「そんなもん、100%に決まってる!」でしょ?
ところがですね、最新鋭の検査キットの感度は、概ね60%程度なのです。
意外でしょうが、事実です。(90%という説もあるにはありますが・・・)
世間一般の検査キットに対する期待度が高いのは悪いことではないのですが、決して完璧ではないということを知っていただきたいのです。
インフルエンザの確定診断には、検査キットとそれを実行する検査技師さんがいらっしゃったら事足りる・・・ってなものではないのです。

いいですか、しっかり読んでくださいよ。
感度の結果を知るために検査キットを使った対象は、”インフルエンザに罹患しているかどうか分からない集団”に対してではなく、”インフルエンザに罹患していることが明白な集団”に対して行っているのです。
つまり、間違いなく罹患しているにもかかわらず、検査キットの目をすり抜ける割合が40%(仮に感度が90%という説を採用するとしても10%)も存在するってことなのです。

検査キットによる検査は決して完璧ではなく、あくまでも参考データであり、問診などからの情報収集を加味したうえで患児(患者)さんを診察して、最終的に罹患しているかどうかを診断するのは、ドクターなのですね。
なので、「つべこべ言わずにさっさと検査キットで結果を出してくれたらいいのに、あのドクターはしてくれなくてやってられないわ!」的なリアクションはお控えいただき、診断というものがどういう意味を持つのかをご理解くださいね。

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