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2014年11月 2日 (日)

RSウイルス感染症って聞いたことがありますか?

2010~11年にかけての冬は、SOLANINの勤務先でもRSウイルス感染症の赤ちゃんの入院が、何人かありました。
RSウイルス自体は決して珍しいウイルスというわけではなく、2歳までにほぼ全ての乳幼児が感染すると言われています。
最近はご存知の方も増えてきていると思いますが、このRSウイルスというものは、感染すると咳や鼻汁等の症状が見られ、上気道炎と診断されることが多いようです。
数日間症状が続き、やがて軽快することもあります。

しかし、上気道炎で収束しない場合もあります。
下気道までRSウイルスが侵攻してしまうことがあると、細気管支炎や肺炎になってしまう場合があるのです。
呼吸困難状態を何かに喩えるとしたら、まるで喘息のようだと表現されます。
空気を吸っても、吐き出せない状態で、ゼイゼイします。
赤ちゃんが感染すると、生命にかかわると言っても過言ではありません。
しかし、月齢の若い赤ちゃんの場合、哺乳力が低下しているとか活気が無いとか無呼吸発作が顕れたとか、他の症状が目立つ場合もあります。
 

RSウイルス感染症か否かの診断には専用の検査キットがありますが、健康保険の適応ではない(つまり、保護者が全額自己負担)なので、小児科ドクターも片っ端から検査をされるわけではないようです。

現段階でRSウイルスには予防注射はありません。
重症化を防ぐための有効な方法として、シナジス注射がありますが、その効果が持続するのは約1ヶ月間なので、大抵の場合10月〜3月迄の6ヶ月間、毎月注射をしてもらわなくてはなりません。
しかし、シナジス注射が健康保険の適応となるのは、ごく限られていて、正常新生児で生まれ、心臓や呼吸器疾患がない乳児は適応外なのです。
中には「そんなありふれていて、しかも怖いウイルスだったら全額自己負担でも受けさせるわ!」と息巻くお母さんも居られるかもしれません。
ですが、このシナジス注射、信じられないくらいお値段が高い!
体重1kg当たり、15mgのお薬が必要ですが、最小単位は50mg入り容器(個)となっています。
1個で賄えるのは3333g以下の赤ちゃんだけなのです。
6kgの赤ちゃんだったら2個、10kg超の赤ちゃんだったら4個準備しなくてはなりません。(モノがモノなので、使い回しはできませんからね。)
しかも1個のお値段が約80000円もします。
2個だったら約160000円、4個だったら約240000円もかかります。
これが6ヶ月続くと、家計はどうなりますか?
一般家庭では、まず間違いなく、やりくりの範疇を超えますね。
 

感染対策としては・・・赤ちゃんのうちは、特に冬場は人混みを避けていくしかないようですね。
でも、兄姉がいればそういうわけにもいかなかったり、兄姉が家庭内に仕入れてくる危険性があるわけですから、苦しいトコロです。

(⇒なので、入院加療が必要になる赤ちゃんが居られるわけです。いよいよ重症度が増せば、酸素投与や人工呼吸器に繋がれる場合だってあります。)

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コメント

第2子が9月上旬に生まれ、再び勉強させていただいております。上の子が帝王切開だったため、今回も同様で、羊水含め1リットル越える出血量でしたが、入院中(生後2日目)から頻乳に努め、完母でこれまできております。1ヶ月健診時には日増し64gと言われ、今回もおっぱいライフを楽しんでおります。第1子は1才半の頃にRSに罹り、入院し隔離されました(笑)。あんなにおっぱい大好きな子がおっぱいも飲めず(2才半までおっぱい楽しみました)、大慌てで救外に受診し「お母さん、入院ね」と言われましたが、医者のその言葉を聞いて、安心しました。本当にRSは怖いです。退院後も、定期受診が続き、キプレスを飲み続けました。母乳飲んでるのに、こんな病気…と悔しかったです。第2子も生後1ヶ月半にして結膜炎になってしまい…母乳だからって完全防備ではないのですが。これからインフルも流行る季節なので、気を付けていきたいと思います。SOLANIN
さんもご自愛ください。

初めまして。いつも読ませていただいています。
娘が5ヶ月の時にRSウイルスにかかってしまいました。
診断がおりた日に即入院にはならなかったものの、小児科医には「今晩か明日の午前には入院が必要になるかもしれない」と言われました。
その夜は、娘が咳で目覚める度に授乳しました。
翌日の診察では、奇跡的に下気道炎まで進行していないので、入院の必要もないとのこと!
結果、自宅で5日程静養して治ることが出来ました。
WHOのレポートで、母乳育児のメリットの1つに「授乳の際に赤ちゃんの唾液からウィルスのデータを取り込み、次の授乳の時にはその免疫物質を与えることが出来る」…あやふやですがそんな文章を読んだ記憶があったので、とにかく頻回に授乳しました。
小児科医にも誉めていただきました。
母乳って本当に凄いですね!
この件で主人は母乳育児にさらに協力的になってくれ、哺乳瓶でミルクをあげだがっていた母と義母もその後は言わなくなりました(笑)
長文、失礼しました。
更新、楽しみにしております。

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