舌小帯短縮症でも沢山おっぱいが飲めてたらいいの?
一般的に舌小帯短縮症の赤ちゃんは飲み方が下手っぴです。
1回あたりの哺乳量も少な目で、特に新生児期は直ぐにウトウトしてでも直ぐにギャ~と泣いての繰り返しが多い傾向が強いです。
お母さんの乳首がキズだらけになり、なかなか軽快してくれません。
程度の差はあれ、5~6人に1人は舌小帯短縮症であることが、経験的に分かっています。
舌小帯短縮症の新生児には助産師が手厚く介入しないと直母が上手くいかないことが多いから早期発見する必要性があるからですね。
気が付かないと、大抵はお母さんのおっぱいの立ち上がりが遅くなります。
従って舌小帯短縮症の新生児の体重減少率は生後3日目以降も続いたり、軽く10%を超えることも稀ではありません。
(SOLANINの勤務先は新生児に軽々しく糖水やミルクを補足しませんが、正しくラッチオン出来ていれば、頻回直母だけで体重がドーンと減ることはありません。せいぜい7~8%減少する程度で済みます。)
ところが、どういう風の吹き回しなのか「よくこの舌でおっぱいが飲めるなぁ。」というくらいシビアな舌小帯短縮症なのに、ビックリするくらい1回に沢山のおっぱいが飲める新生児がおられます。
体重のリカバーも大きいので、おっぱいのことをあまり知らない助産師だと「まっ、いっか。」と思いがちです。
これはどういうことを意味するのでしょうか?
この現象は、量としては新生児のカラダの中におっぱいは入っていますが、正しく飲めているのではないことを意味しています。
効果的な乳頭刺激を受けなければ、おっぱいの立ち上がりは遅れるものですが、何故かおっぱいの立ち上がりが上手くいき、赤ちゃんが下手っぴちゃんなのに、「流れ出てくるおっぱいを流し込むように嚥下している。」から結果哺乳量測定すればメッチャ沢山飲んでいることになるのですね。
「流れ出てくるおっぱいを流し込むように嚥下している。」だけですから、舌の巻きつけが出来てなくても量が飲めるんです。
「流れ出てくるおっぱいを流し込むように嚥下している。」だけですから、通常下手っぴちゃんが哺乳動作時にしてしまいがちな、舌先で乳頭頂を弾いたり歯茎で噛んだりする必要性がないから、乳頭損傷は酷くならないし、うやむやのうちに治っていくこともあるのです。
しかし、元々は正しく飲めていない(=効果的な乳頭刺激なし)のにおっぱいの産生は長く続きはしませんから、或るところからパッタリとおっぱいの産生が急降下してしまいます。
で、おっぱいが足りなくなる。(涙)
こういう悲劇を起こさないために、産科入院中の母子に関わる助産師は「沢山飲めるか。」ではなく「正しく飲めるか。」をもっと重視していかなくてはならないのではないかと、SOLANINは考えます。
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