開通すれば分泌は変わる!
確実な頻回授乳をしていれば、本来乳房マッサージは無くても差し支えありません。
それが出来ない場合、例えば赤ちゃんの吸啜力が微弱で、搾乳を補足しなくてはならない状況ですと、乳管の開通が今一つでストップしてしまうことがあります。
搾乳依存型ということで、母乳栄養としてはまぁいいとして、直母が出来ない辛さがありました。
赤ちゃんのIちゃんは、吸啜力が微弱で3分1クールが精一杯という状態が退院後もずっと続いており、どうしたものかと困っていました。
お母さんの不安も強く、「おっぱいで頑張ろうと思っても、気力が萎えそうで。」ということで、退院後のフォローをきめ細かくしていました。
生下時 2214g(逆子・経膣分娩・36週)
9日目 2288g(退院日)
15日目 2402g
17日目 2488g
・・・という経過でした。
お母さんのAさんは乳房うっ積とうっ滞がキツくて、入院中は『柴苓湯』の処方や『糾励根』の湿布を貼りまくっていた方でしたから、おっぱいが出ないことはなかったのですが、どうしても直母1回量が10~20g以上哺乳出来なかったのです。
通常はIちゃんくらいの週数や体重があれば2週間くらいで直母にシフトすることは可能ですが、とてもぢゃないけど搾乳をストップするのは無理でした。
17日目の段階で、ある程度乳房のコンディションが整ったので、思い切って乳房マッサージをしました。(入院中他の助産師が2回ほど乳房マッサージをしたのですが、時期尚早だったのか、収拾がつかなくなるほどの張り返しをきたし、恐ろしくて出来ない状態でした。)
乳房マッサージを開始して15分後のことでした。
いきなり「ぶちん!」と弾けるような大きな音がしました。
それとともに、おっぱいがジャージャー出てくるようになったのです。
普通の乳栓数個分ではないかというくらいの大きな音でした。
問題はそのおっぱいを飲めているかどうかでした。
お口からダラダラ零すので、Aさんは「Iちゃんが飲んでるのではなくて、Iちゃんのお洋服が飲んでいるのではないか?」と心配だったそうです。
また、「ぶちん」の後は、大して乳房が張ることが無くなり、搾乳も搾りにくくなったので「もしかして出なくなったのでは?」と心配だったとか。
ところが、Iちゃんはやってくれました。
退院時から17日目までの体重増加度は25g/日でしたが、17日目から25日目の体重増加度は70.5g/日に激増していました。
直母1回量も94gと断トツのアップで私の方がビックリしました。
念のため乳房チェックしましたが、グッドコンディションを維持しておられました。
搾乳はここのところ200ml/日だったそうですが、補足ではなく、乳房コントロールのためにあと1週間100ml/日は行い、次回2週間後までにはゼロにしていこうとAさんにお話ししました。
Aさんはとても嬉しそうで、「自信が付きました。」と笑顔でお帰りになりました。
次回再診がメッチャ楽しみです♪
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