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2015年4月27日 (月)

体重が2500g以上でも、早産児は早産児です。

NICUでの長期入院が予測される早産児、具体的には極低出生体重児(生下時体重が1500g未満)や超低出生体重児(生下時体重が1000g未満)であれば、保育器収容の上、人工呼吸器を装着されたり酸素投与を受けたりの状態がスタンダードです。
栄養方法も最初は輸液のみで、状態を見ながら鼻から栄養チューブを通して搾乳やミルクの注入開始となるのが一般的な対応です。
生命の維持と体重増加が大きな課題ですから、それは致し方ないというか当然のことです。
だから、瓶哺乳ましてや直母なんて遠い先の話と、お母さんもスタッフも、いい意味での割り切りが出来なくはないのです。
ただ、早産と言っても34~35週台生まれだったり、特に生下時体重が2500gを超えていたりすると、「意外と直母イケるんとちゃう?」と、お母さんもスタッフも欲目になっちゃうんですね。

しかし、34~35週台生まれの早産児は、生下時体重が2500gを超えていても、人工呼吸器や酸素に頼らなくて済んだとしても、早々と保育器から出してもらえたとしても、輸液がoffになったとしても、瓶哺乳でクタクタ飲み(滅多やたらと時間がかかる飲み方)が精一杯なのは当然ですし、仮に瓶哺乳がスムーズに出来るようになっても、直母をさせたらさっぱり量が飲めないということは、よくあることなのですね。

34~35週台生まれの早産児は、搾乳で充分な量を確保でき、乳房トラブルが皆無であっても、2500gを超えていても、口腔機能の発達や吸啜力は正期産の赤ちゃんとは全く異なるのが現実です。
それでも、「いやいや、ウチの赤ちゃんは直母で量が飲めますよ。」という方がいらっしゃったとしたら、おっぱいが分泌過多で常にダダ漏れ状態⇒流し込み直母が可能⇒正しく吸啜をしなくても、直母で量が飲めてしまっている・・・というカラクリなのです。

何となく諦めがつかないモヤモヤ感満載でしょうが、直母に拘り過ぎると1回当たりの授乳時間が長くなり、お母さんもスタッフも疲労困憊で共倒れになりかねません。
出産予定日くらい迄は、直母で量が飲めなくても「気にしない。」、搾乳が確保出来たら「それでよし。」、吸啜刺激が得られたらおっぱいの分泌には「好影響。」、直母の練習が少しでもできたのだから「ラッキー。」と腹を括ってください。
どうにもならないことで、うじうじ悩むとメンタルやられちゃいます。
時期が来れば解決への道標が見えてくることはあるのですから、焦らずじっくり待ちましょう。

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