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2016年5月の記事

2016年5月31日 (火)

直母が出来ない口唇口蓋裂の赤ちゃんへの搾母。(2ヶ月)

<ご相談内容>
初めまして。突然の相談おゆるしください。
2ヶ月ほど前に口唇口蓋裂の男の子を出産しました。妊娠中から分かっておりましたので、いろいろ検索しているうちにこちらに辿りつきまして、拝見させていただいておりました。
息子は直接母乳を飲む事ができませんので、産まれてからずっと搾乳したものを哺乳瓶で与えています。
私のおっぱいは少し前までは1日に8回の搾乳で、一回あたり120ml〜150mlほど出ておりましたが、体調を崩してからは少し量が減ったように思います。左右の分泌される量にも差ができてしまい、左は右の半分ほどの量しか出なくなってしまいました。
息子の手術がおわるまでは実家におりますので、母がいろいろ手伝ってくれています。4歳の娘もおりまして、東京に引っ越す予定もありますし、引越してからも今まで通り搾乳と授乳をこなす自信もなく、いろいろ考えているうちに母乳育児のモチベーションが下がってしまい、搾乳して与えることが辛くなってしまいました。
少しでも搾乳・授乳の負担を減らす方法は何かないでしょうか?ホッツ床をはめているからか、直接咥えさせてみても乳頭がすぐに口から出てきてしまいます。例えば乳頭保護器なんかを付けて咥えさせてみたら、飲めたりするのでしょうか?今の生活が辛いながらも、せっかく母乳が出ていますので、出なくなってしまうまでは息子に飲んでもらえたらと思っています。
長くなってしまいましたが、こんな私に何か一言いただけたら嬉しいです。
<SOANINの回答>
最近は妊娠中からおなかの赤ちゃんの様子や疑いのある病気がエコーで分かることが多くなりました。(勿論、分からないこともありますが、口唇裂・口蓋裂は分かることが多いです。)
お母さんへの告知は、赤ちゃんを受け入れていただくためにも必須ですから、出産までに産婦人科ドクターからお話をされます。

さて、相談者さんは、上の子さんがいらっしゃる中、家族の助けを借りながら、この2ヶ月搾母を継続されてきたのですね。
直母が困難な中、日々搾母を継続されてきたことに敬意を表します。
また、これから東京に転居されるとのこと、引っ越しがどんなに大変であろうかは経験者(実はSOLANINは結婚以来、最初の12年間で8回の転居歴があります。)としてお察しします。

口唇裂の手術の時期は、病院の方針や病状にもよりますが、体重で言えば5~6㎏ですから、満期産で2500g以上で生まれられたのであれば、2~3ヶ月頃になると思われるので、もうそろそろかもしれませんね。
見た目が全てではないですが、手術により見た目が劇的に変わるので、お気持ちも少し前向きになるかもしれませんね。

対して口蓋裂の手術は、1歳~1歳半頃とされています。
こと哺乳に関しては、治療として裂を小さくするためにもHots床の装着は重要ですね。
Hots床は型取りをしてのオーダーメイドでありながら、結構カパカパします。
そのせいで乳首を押し出してしまうのかもしれませんね。(装着しない訳には行かないので悩ましい限りですが・・・)
主治医に確認して頂く必要がありますが、Hots床を入れ歯安定剤で、ある程度固定してからだとパカパカしないから乳首を押し出しにくいと聞いたことが有ります。
もしかしたら、そういう工夫で、いくばくか直母ができるかもしれませんね。

搾母の負担は、想像に難くないです。
まずは、助産院かサロンでアロマトリートメントなどのマッサージをしてくれるところに行かれ、ケアを受けられるのがいいですね。
ついでに自分で出来るストレッチを教えて貰えたら、ある程度のセルフケアもできるから助かると思います。
疲れや心労が溜まってきていることは間違いないので、心身をほぐすことが必要ですよ。

次に、どんな方法で搾母をされているかを記載されていないので想像するしかないですが、例えばメ○ラ社のス○ィ○グマ○シ®のような、両乳いっぺんに搾ることが出来る電動の機種を選択されると、時間的負担・手首の負担・肩凝り・寄り目などがかなり軽減されると思います。
この記事でメ○ラ社の太鼓持ちをする気はありませんが、情報提供としてお伝えしますと、マ○シ®という機種は、従来の片乳ずつの電動機種よりも18%も多い量が搾れるそうです。
価格はかなり高め(2016年1月からスイスフランと円の相場変動のため値上げ)ですが、ここはケチらず、必要経費として、購入されることをお勧めします。
若しくは、NICUなんかに設置してあるシ○フ○ニ○®をレンタルされるのもいいかもしれませんね。

母乳育児のモチベーションが下がることは、お子さんにご病気が無くても、誰でもあることです。
決してご自身を責めないでください。
蔭ながら応援していますよ。

2016年5月29日 (日)

噛み癖が辛くて悩む。(1歳2ヶ月)

<ご相談内容>
間もなく1歳2ヶ月になる娘がいます。
これまで完母でやってきました。
現在、授乳は夜寝る前と夜間に1回程度(少食なので起きなくても起こして飲ませています)、日中は眠たくなった時にしています。
3回食になってから授乳の回数が減りました。
最近授乳の最初から最後までおっぱいを噛みながら飲むので、とても困っています。
歯は前歯が上下2本づつ生えています。
時々強く噛むこともあり、悶絶することもあります。
以前に遊び飲みで噛んでニャッと笑う事はありましたが、それではないかなと思っています。鼻をつまんで「噛んだら痛いよ。やめて。噛んだらおっぱいないよ。」と言っても大泣きします。それを繰り返しながら授乳しました。

食生活に変化はないですし、新しい歯が生えてくるのかな?と思い、口の中をみてもそういった様子も見当たりませんでした。
寝かしつけに授乳が必要だし、自然に卒乳したいと思っています。
でも痛くて授乳が苦痛になっています。
何が原因でしょうか?お忙しい中かとは思いますが、返信お待ちしています。
<SOLANINの回答>
暫く前に何人か続けて同じような月齢で類似の相談を受けました。
噛み癖による痛みで悶絶。
授乳が苦痛、恐怖。

痛みは尋常じゃないですし、乳頸部や乳輪がえぐれるような激烈な傷を診ている者としては、本当に心が苦しくなります。

取り敢えずのケアはキ○パ○-○ッ○®の貼付が妥当でしょうが、根本的には噛むことを止めてもらわないとね。
新しい乳歯の萌出でもなく、乳房トラブルでもなく、ながら授乳に対する反撃でもなくであれば、何故噛むのか?
他に考えられることがあるとしたら、ううむ。
おっぱいに限らずなんでもかんでも噛む状態であれば、所謂「疳が強くなっている」ので、それを和らげてあげることが必要かもしれません。
具体的には小児鍼灸で治療を受けることを検討して頂くのが良いと思います。

そうではなく、おっぱいだけを噛む状態だとしたら?
相談者さんのお嬢ちゃんの場合、直にSOLANINがご相談を承ったお母さんと違うのは、哺乳の最初から最後まで噛むということ。
それはもしかしたら、「もうおっぱいは卒業しますよ。」のサインかもしれません。
他のお母さんのお子さんは、授乳の終わりがけや寝落ち前にガジっと噛むという状態でしたので、相談者さんとは状態が違います。

なかなか決断できないかもしれませんが、傷を治すために、昼間は授乳を取り止めましょう。
授乳はお母さんからは誘わない。
お嬢ちゃんがどうにもならないくらいせがんだらあげるのはいいですが、基本的に一口でも噛んだらそこで終了で、寝かしつけも別の方法でするのも一案です。
もしかしたら、おっぱいはさよならになるかもしれなせんが・・・

2016年5月27日 (金)

ゆら×2しないと飲まない&食が細いので心配。(もうすぐ1歳)

<ご相談内容>
もうすぐ1才の息子がいます。
出生時3172グラム、10ヶ月検診時(生後317日目)8100グラムです。

生後2ヶ月ごろまで混合でしたが徐々にミルクをのまなくなり(哺乳瓶拒否?)、不安ながらも完母となりました。
生後3ヶ月前よりあそびのみが始まりました。
生後3ヶ月を過ぎたある日、お風呂後の授乳をいやがり泣いてのまない日があり、たまたまと思ったのですがその日から泣いているのに授乳しようとすると泣いていやがってのけぞることが多くなりました。
保健師さんや小児科に相談しても、機嫌が悪くないならそういう時期といわれましたが、体重もなかなか増えず、母乳相談室(桶谷)に相談にいきました。
『お腹が減ってないのでは?出ないおっぱいではないから2時間以上開けてみて』といわれそうしましたが、そうしてみても結局同じで、直母できなかったときに搾乳してスプーンで飲ませるように言われ、そうしました。
4ヶ月頃よりあまりなかなくなり、3時間授乳してました。
その時はすんなり飲むときはそのまま寝てしまうか、遊びのみであまりのまないかという感じでした。
自分なりに遊びのみの対応をとってきましたが立って横抱きでゆらゆらしながら授乳がいいようだったのでそうするようにしていましたが、6ヶ月頃から、それだけでは飲まず、ゆらゆらされて寝ないと(目を閉じる状態にならないと)飲まなくなりました。
それでも飲まないときは搾乳したのを追加してました。
離乳食は5ヶ月すぎから始め、はじめの頃は順調で、この子は飲むより食べる方が好きなのかなと思ってましたが3回食にしたころからあまり食べてくれなくなりました。
椅子からすぐに立ったり抜け出したりしてしまうのです。
バンボ、バウンサー、木の椅子、キャンピングチェアどれも抜け出し、立てないときなど泣き出すのです。抜け出してからは立ち食いスタイルや少し遊ばせてから食べしたりとしてますが、徐々に口に近づけてもプイッとそっぽを向かれます。
メニューにもよりますが摂取量は数口~多くて8割です。
手づかみメニューがいいかと思いおにぎりにしてり、ミニハンバーグにしたりおやきなども作ってみましたがことごとくダメでした。
あまり無理強いはしないよあにしているのですが、1歳から私は仕事復帰し、息子は義母に預けることになっています。
今は日中4時間おき、夜は3~4時間おきに授乳(夜もぐっすりなので寝込みを襲ってますが最近はねこみ授乳でもあまりのんでくれません。
飲ませようとして逆に覚醒してしまって寝せるのに時間がかかってりもします。)してますが、なにせ、腹へったアピールがないために、義母のところで、お腹を満たせるか心配しています。
私は朝食後授乳して行きたいですが食事に30分程度かかる上にゆらゆらしないと授乳できないため、飲ませていけないと思います。
搾乳やミルクを足してもらうべきなのか悩んでいます。
桶谷の先生はいくらなんでもお腹減れば食べるし、日中離れることで飲みたくなるかもしれないからといってはいますが、3時間おきであまりたべない、のまないで4時間空けてみてもおっぱいを飲みたがったり離乳食の食べがよくなる感じがしなかったので心配なのです。
離乳食をどのようにたべさせたらいいのか、食べない時の対応はどうしたらいいのでしょうか。
長文申し訳ありません。   
<SOLANINの回答>
時々、「君は飲食に興味が無いのか?」「生理的な(つまりは空腹)欲求は無いのか?」と、真剣に訊きたくなるお子さんに遭遇します。
相談者さんのたゆまぬ努力の甲斐があって、お坊ちゃんは順調に育っていらっしゃるようで何よりです。
ただ、授乳スタイルもゆらゆらしないと哺乳してくれない、寝込みを襲っても逆に覚醒してあ~~な結果になり、悩ましいですね。

実はウチの長男のT1も、何を与えても1歳半くらいまでは鳥の餌くらいしか食べず、立食パーティ専従班に所属しておりました。
お食事のお行儀は良くなかったです。
つかまり立ちの頃は、手掴みは片手で身体を支えることになるので転倒の危険が伴うため、スプーンで食べさせるスタイルをしていました。
どうなることかと心配でしたが、T1は自宅では一向に捗々しくない食事摂取量だったにもかかわらず、義母宅では徐々に食べてくれるようになりました。

1歳を過ぎると、恐らくアンヨもできるようになるでしょうし、運動エネルギーの消費量が一気に増えます。
相談者さんのお坊ちゃんは、おばあちゃんにおっぱいをねだっても無理だということは、これまでの経験で本能的に悟っていらっしゃるでしょうから、1日や2日では期待薄ですが、数日を経て、食べるようになられると思われます。
そういう意味では、SOLANINはO式のセンセイの仰ることに賛成の1票を投じます。

勿論、仕事復帰までに諄々と「おばあちゃん家で過ごすこと。」「おばあちゃん家ではご飯を食べること。」「お母さんはお仕事に出るから日中おっぱいは飲めなくなること。」「お家ではおっぱいが飲めること。」などを諭していきましょうね。

2016年5月25日 (水)

シリンジ哺乳時の注意点。

搾母やミルクを補足する際、シリンジであげることはトレーニングになると何度か過去記事で説明していますが、新生児の口腔、舌の上中央に真っ直ぐ入れるのは言うまでもありませんが、入れる長さが全く足りない方がちょくちょくいらっしゃるようですね。

赤ちゃんがえずきそうで怖いかもしれませんが、示指の第1関節と第2関節の間くらいまで入れないと、真っ当な吸啜ができないのです。
特に舌の挺出が難しい場合は、「口唇と歯茎を超えたらいいのでは?その方が、お母さんの示指を捕えようとしてくれるのでは?」と、期待しがちですが、結果は逆です。
歯茎でお母さんの示指をガジガジ齧り倒して終了となります。
当然ですが、シリンジの中身は内筒を押さないと1滴も飲めません・・・
一体、何のために手間を掛けているのか?
新生児が上手に吸啜できるようになるためですよね?
乳頭混乱を来さないようにするためですよね?
効果的な吸啜刺激が得られないと、母乳分泌は増加しないですよ。
勇気が要るでしょうが、そこはきちんと押さえましょうね。

齧り癖が付くと、乳頸部に亀裂が入り易くなりますよ。
乳頭頂の亀裂も痛いですが、その何倍も痛いですよ。
これ以上痛い目に遭わないようにするためにも、吸啜トレーニングは正しく行いましょう。

 

 

2016年5月23日 (月)

こういう場合、卒乳ってどうしたらいいの?(1歳10ヶ月)

<ご相談内容>
はじめまして(o^-^o)
ただいま1歳10ヶ月になる息子とおっぱいライフを楽しんでいます。

実は先日、息子に知的能力障害(54)の診断がつきました。
病名は分からないままなのですが、こちらの話している内容は分かっていない事が多いようです。(叱っている事などはなんとなく分かっているようですが、「あれ見て」「それちょうだい」等は今のところ言葉にあった反応を見せてくれません。)

おっぱいに関してはとても執着があり、暇さえあれば私の服をずり下げ、離乳食を食べている最中でもちょっとご飯でお口がいっぱいになるとおっぱいで飲み込んで……という状態です(^-^;
1日昼間7~10回 夜間3~4回といったところでしょうか。。

そこで、私自身はまだもう少しはおっぱいライフを楽しんでいても良いかと思っているのですが、今後次の子を考えたり、万が一病気になったり等でおっぱいをやめようという日が来たとき、言い聞かせができるかどうかを心配しています。

言葉が分からない我が子。。。
毎日毎日話しかけていても成果が出ていない現状を見てきて、『言い聞かせ続ければ絶対に分かってくれる!』とは言えない気がしてきています。

こんな場合は、無理矢理断乳という形で決行するしかないのでしょうか(>_<)
言葉が分かるようになるまで(4歳5歳になってでも。。。)待った方が良いのでしょうか。。。(その頃までに分かるようになるとも断言はできないのですが…。)
無理矢理おっぱいから離すとパニック状態になる時もまれにあります。

正直今は2人目を考えるなんてできる状況ではないので、長く先を見ての悩みなのですが、SOLANINさんでしたらどうするか一人のお母さんとして、一意見としてくださると嬉しいと思っています。

お忙しいのに長々と相談してしまって申し訳ありませんが、お返事いただけるとありがたいです。

おっぱい中でも目が合うことはありませんが、たまに飲みながらほくそ笑む息子(笑)を見ながら勇気をもらっています。
<SOLANINの回答>
相談者さんのおっぱいライフは、1年10ヶ月になられるのですね。
その間山あり谷ありだったかとお察しします。

私は過日、1歳半健診で第1子が自閉症の診断を受けた方とお話する機会がありましたが、丁度その頃、お子さんの偏食が昂じて、まともに口にするのはバナナとおっぱいのみだったそうです。
それまで食べられていたものを徐々に受けつけなくなり、食べさせようとすると全てえずくので、どうにもならなかったそうです。
おっぱい卒業できないかな~と思っていたらそんな有様なので、止むを得ず受け入れたそうです。
ちなみに当時そのお子さんはバナナは1日平均7本は食べていたそうです。
毎日バナナ2房購入が欠かせなかったので、スーパーのレジの方から「もしかして、お猿さんを飼っていらっしゃるのですか?」と聞かれたこともあったし、「あ、バナナの奥さん!」と呼ばれたこともあったそうです。

ちなみに、そのお子さんのバナナブームが終焉を迎えたのは、3ヶ月後でした。
再び色々なものを食べられるように復旧されるようになられた暫く後に、本当に何の予告もなく、「おっぱい要らない!」という意思表示をされて、おっぱいライフはフィナーレになったそうです。
要らなくなった理由は、今もって不明だそうですが、そういうことも有り得るのです。

相談者さんのお坊ちゃんの場合、お母さんの話をどこまで理解できるかは、現時点ではあやふやなのでしょうが、今後少しずつ&ゆっくりではあっても、発達はされる筈ですから、時間はかかるのは織り込み済と心得て、今からボチボチ言い聞かせをされてもいいかと思います。
知的障害の有無にかかわらず、子どもには喜怒哀楽の感情があります。
無理やりおっぱいから離すとパニックになるのは、離されたくないからですよね?
どこまで分かってくれるかが分からないというモヤモヤ感はつきまとうでしょうが、今後は自分に都合の悪いことは、聞こえてないフリをすることも出てくると思います。(笑) そうなると言い聞かせの脈ありかな?
4歳になっても5歳になってもあげ続けることがお坊ちゃんのためになるかどうかは、正直言って分かりません。
ですが、バナナのお子さんのように、或る日突然あっけなくということもあるので、「今はもう暫くはおっぱいライフを楽しんでみるか?」位のスタンスで過ごされていいのではないでしょうか?
話変わりますが、1歳代以降の長期授乳で注意すべきは、月齢が進めば進むほど、乳歯も萌出するわけで、虫歯予防として仕上げ磨きは重要ですぞ!
そこはきちんと押さえましょう!

2016年5月21日 (土)

そこまで下剤を回避しなくても・・・

妊婦さんは、妊娠によるホルモンの変動で腸の動きが鈍くなったりしがちなので、程度の差はあれ便秘傾向が続きやすくなります。
便秘が続くと、おなかが張って苦しくなったり、スッキリしない不快感が日毎に増してイライラしたり・・・嬉しいことは何一つありません。
そこで妊婦検診の際、その旨を主治医に伝えると、大抵は酸化マグネシウム(マグミット®やカマ®など)が処方されることになります。

勿論妊娠の有無に関係なく、便秘の際はまずは食事の調整が必要です。
例えば、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく充分に摂取することは大切です。
食物繊維だけではなく、水分摂取も不足しないように気をつけるのは申すまでもないですが・・・
それから、ウォーキングやヨガなど軽い運動をするとかも、有効です。

しかし、妊娠悪阻がスッキリしない時期には、調理することすら難しいでしょうし、栄養は二の次で食べられるものを口にするのが精一杯でしょうし、食物繊維にまで気が回らないのが現実でしょう。
しんどくて動けないとか、切迫流産で安静を命じられているのであれば、軽くであっても運動は無理ですよね。

産婦人科ドクターはその辺りまで見越して、酸化マグネシウムを処方される訳です。
しかしながら、「たかが便秘でお薬だなんて!」と、おなかの赤ちゃんへの影響を心配して、処方されたのに全く内服しようとされない方がいらっしゃるようで、如何なものかと案じます。
赤ちゃんへの影響ではなく、負けず嫌いな性格(じゃんけんで負けても真剣に悔しがるレベル)の方に至っては、ご自身が便秘に負けたような気がして許せなくて内服されないという方もいらっしゃるようです。
それらの方が、便秘で自然排便を待たれる場合、4~5日も!ということもあるそうです。
心配なのは、気合と根性でどうにかしようとする意識が勝つせいか、物凄い勢いで、息んで出されるそうです。

いけませんなぁ。
それってスーパーサイヤ人に変身するような勢いで気張るってことでしょう?
滅茶苦茶腹圧を掛けることになりますやん?
そんなことをしていたら、切迫早産の原因になるかもしれませんよ。
過度の腹圧を掛ける行為こそ、妊娠中はご法度なのですよ。
行き過ぎたお薬拒否は、おなかの赤ちゃんに負担を掛けることになるのです。
そんなに気張らなくてもスルッと出るくらいが丁度良いのです。
お薬が効き過ぎて下痢になったら困るから?
ん~、それが心配なら、少量から探り探りご自身のベスト(≒落としどころ)な内服スタイルを決めていけばいいじゃないですか!
便秘改善のための酸化マグネシウム内服に関しては、絶対に薬袋に書いてある通りの用法容量じゃなくてもいいのです。
ぶっちゃけ、目安的な意味合いが濃ゆいです。
ただ、過剰服用は考えものですから、「どこまでだったら増やしてもいいのか?」につきましては、事前に必ず主治医に確認してくださいね。

2016年5月19日 (木)

このような状態で直母の意味があるのか?

<ご相談内容>
初めまして。
38w1d、3252グラムで誕生した第2子(次男)のことで相談です。
本日生後5日目、ダウン症で、合併症の房室中隔欠損のため出生直後から小児循環器科新生児心臓治療室(NICCU)に入院しています。
授乳は1日8回、私が産婦人科に入院中も退院後も直母ができるのはうち1回、その他は搾乳またはミルクを哺乳瓶で飲ませることになると説明を受けています。
哺乳瓶は母乳相談室ではなくピジョンなどのいわゆる普通のタイプがいろいろ使われているようです。
0日目から搾乳を始め、1日8回程度、1回に60ml前後搾れるようになってきました。
長男は完母でしたし(小1の今も実はまだ寝る前にくわえています)、次男も最終的にはそうしたいと希望しています。
幸い次男の体調も落ち着いており、4日目の昨日は1回に40ml飲んでいました。

相談は直母のことです。
1日目から直母の練習をしていますが、どんどん吸い付けなくなる感じです。NICCUの看護師が一応指導する形になっているものの最初にちらっと見てじゃあまた後で来るねと放置、飲む量の制限があるため前後に体重をしっかり測るばかりでアドバイスはありません。
直母量はほぼゼロです。
哺乳瓶メインなのに意味があるのかな、混乱するばかりでは?とつい思ってしまいます。
次男と密接に触れ合える貴重なチャンスなので楽しみな時間なのですが、練習という面では不毛さがぬぐえません。
入院は1ヶ月半程度続く予定です。この時間どんな心持ちで臨めばいいのか、どのように活用していけばいいのかアドバイスをお願いいたしします。
<SOLANINの回答>
次男くんのお誕生おめでとうございます。
心臓の病気があると、状況によっては水分量(哺乳量)が指示されることがありますし、利尿剤を服用させることもありますね。
色々ご心配あると思います。

分泌の維持のためには「1にも2にも搾乳頑張ろうオー!」なんですが、相談者さんの次男くんは、現段階では、栄養摂取として瓶哺乳メイン(≒直母はトライしてもゼロレベル)なのに、直母を《練習》させる意義に疑問をお持ちなのですね。
NICUの看護スタッフは、まずは主治医からの指示を履行しつつ、お母さんとの《触れ合い》の時間を設けさせてあげようという配慮、つまり《練習》という名目で、実質的には《触れ合い》してみましょう的なスタンスではないかと推察します。
これは専門用語でいうところの「非栄養的吸啜」という範疇になります。
頑張って吸わせても量にならないと徒労感が増しますし、《練習》なのに量の確認だけで肝心の直母がチラ見程度では何のために?と思っちゃいますよね?

ただ、今は貴重な《触れ合い》の時間なのだと割り切ってもいいのではないでしょうか?
「非栄養的吸啜」を無意味なことと馬鹿にしちゃあいけませんよ!
次男くんの消化液の分泌や腸蠕動を高めますし、普段お母さんと離れ離れの次男くんの情緒を安定させる働きがあるのですよ♪
そうそう、相談者さんのの射乳反射を呼び起こしてくれる効果もあります♪

勿論、手術の絡みも有りますし、心臓の病状さえ回復されたら、体力的にも今以上に頑張れるようになられますから、「お母さんのおっぱいはこれなんだよ。」「今はしんどいから哺乳瓶だけど、元気になったらしっかり咥えて飲めるようになろうね。」と、前向きに声掛けしてあげてください。

 

今は体力的なこともありますから、哺乳瓶は「母○相○室®」ではなくても致し方ないです。
恐らく今の次男くんはピジョンの普及モデルで、指示量が15~20分程度で飲み切れる段階ですよね?
近い将来、次男くんが手術やお薬の治療を受けられて、授乳予定時間よりも早くに前啼泣されたり、普及モデルでの哺乳が10分を割るくらい迅速な段階になられたら、「母○相○室®」に切り替えられても遅くないと思いますよ。
真の意味での直母の《練習》はそこから始まると思います。
相談者さんにとってNICUのスタッフの対応は満足のいくものではないでしょうが、上記の理由と推察されますので、今は受け流したほうが精神衛生上イイと思います。
その代わり、いよいよな段階になれば、もうちょっと授乳介助に明るいスタッフにマンツーマンでご指導頂けるよう、今からこっそり師長さんにお声掛けさせていただいては如何でしょうか?

2016年5月17日 (火)

具合が悪いと哺乳ストライキをするの?(4ヶ月)

<ご相談内容>
はじめまして。
2歳2ヶ月と4ヶ月になる子どものママです。
今朝から、下の男の子におっぱいを飲ませようとすとるとものすごく拒絶します。
今日の早朝までは問題なく飲んでいたのですが、よく考えるといつも朝はうんちもりもりなのに、今日はおしっこしかしていませんでした。
お腹はすいているようだったので何度か試したあと仕方なく搾乳したおっぱいを飲ませたところぐいぐい80ml飲んでしまいました。
すかさずおっぱいをくわえさせたのですが、やはりギャン泣きで飲みません。
寝ぼけたところにあげてみるとのんだのですが、多めに吐いてしまいました。
具合が悪いのは悪いようなのですが、よくなれば飲んでくれるのでしょうか?
上のお姉ちゃんも8ヶ月でおっぱいストライキをして、搾乳したものをコップで飲ませながら飲んでくれるのを待っていたのですが結局4日待ってもダメで、福岡のゴッドハンドと呼ばれる有名な母乳外来に行ったところ、おっぱいがおいしくないと怒られ油と肉を食べないよう厳しく言われて、お母さんがなめられているからだと言う事で、おっぱいを無理やりくわえさせて一時間、お互い泣き続けてやっと飲んでくれるようになりました。
またあそこに行くのは絶対嫌なので、家で同じように無理にくわえさせてねばってみたほうがいいのか悩み中です。
まわりにおっぱいストライキの経験がある人がおらず、みんなおっぱいは喜んで飲むのになぜ私だけととても辛いです。
どうしたらいいでしょうか?
知恵をお貸し頂ければ幸いです。
<SOLANINの回答>
ううむ。
ちょっと分からないのですが、相談者さんは完母なのですよね?
であるのに、哺乳瓶使っていらっしゃるのですか?
文面から察するに、上の子さんは保育園には通園されていないようですが・・・
普段から搾乳を哺乳瓶で飲ませることが、しばしばあったということですか?
(それは何のために?)

直母の完母で4ヶ月児の口に、何の予告もなくいきなり哺乳瓶突っ込んだら、断固拒否のリアクションをすることが殆どですが、80mlもゴクゴク哺乳したということは、日常的に使っていらっしゃったんですよね?
体調不良でしんどい時は、瓶哺乳の方が圧倒的にラクですから、そちらを選びたがることは充分想定されますよ。
瓶哺乳の最中は、お坊ちゃんの目を見ながら「しんどいのが治ったら、ママのおっぱいを直接飲んでみようね!」と呪文のように語り掛けてください。
体調によるものであれば、回復とともに、直母を求めるようになりますよ。
経過としては、早ければ2~3日で終わるかもしれないですが、1週間くらいはかかることもありますよ。

話変わって福岡のゴッドハンドの助産師とは・・・?
何人か顔と名前が思い浮かばなくはないですが、お姉ちゃんの哺乳ストライキの時、強烈な対応を受けたのですね。
そんなことされたら、二度と行きたくないですよね。
「お母さんがお子さんから舐められているから哺乳ストライキする!」という理由は、私の理解を超えていますが、その助産師のアドバイスが全て的外れとも言えないです。
例えばかつてお姉ちゃんが8か月の頃哺乳ストライキをされたのは何故だったのでしょう?
(2歳2ヶ月ならそこそこお喋りできるでしょうから、そのあたりの事情聴取はお済ですよね?)
もしも主な原因がおっぱいの味の変化によるものだったとしたら、相談者さんはそのあたりは対応済なんですよね?
普段からちょくちょくおっぱいのテイスティングをされていて、特に変わりなかったのですよね?

今回の哺乳ストライキの原因が体調不良や味の変化によるものではなかったとしたら、考えられるのはいったい何なのでしょう?
もしかしたらお坊ちゃん、おっぱい飲んでいる最中に、余程嫌なことがあったのかもしれません。
であれば、いつもより沢山スキンシップして安心させてあげてくださいね。
お坊ちゃんの気持ちが宥められたら、直母可能に戻れる筈ですよ。
それまでは、不本意でしょうがお坊ちゃんに譲歩されて搾母を瓶哺乳であげてください。
これまで築いてきた母と子の関係性を信じて、乗り越えていきましょうね。
蔭ながら応援していますよ。

2016年5月15日 (日)

同じ部位にしこりを繰り返し、児が飲んでくれない。(8ヶ月)

<ご相談内容>
はじまして。
8ヶ月の娘を母乳で育てている母親です。
1ヶ月半ほどから突然右おっぱいにしこりを繰り返すようになり、途方にくれています。
しこりができる箇所はいつも同じで、上側に広くゴリゴリしています。
少し前にそれまでの助産師さんとは別の助産師さんにマッサージをしてもらい、その後1週間ちょっとはフワフワおっぱいを維持できていましたが、また昨日からしこりができ、やっとなくなったように見えていた白斑も再発しています。
乳輪部分を必死でマッサージしても、にじむほどしか出てこず、何度やってみても娘もほとんど吸ってくれません。
このブログを拝見し、食事にはこれ以上ないほど気をつかい、肩や脚を冷やさないようにし、水分も十分取り、湿布をし、牛蒡子を煮だして飲み、葛根湯を飲み、白斑にラップパックをし、抱き方を変え、思い付くことは全てやっているつもりです。
まだ何かできることがあるのか、体質だと割りきるしかないのか、何かアドバイスをいただけるとありがたいのですが…
正直、心が折れそうです。
助けて下さい。
よろしくお願いいたします。
<SOLANINの回答>
ううむ。
直接診させていただいたわけでもないし、触らせていただいたわけでもない者が症状だけを伺って、そこから回答することは、本来避けるべきことですし、とても難しいことです。
確かに体質というか腺(乳管)が細くて詰まり易い方はいらっしゃいますが、相談者さんは6ヶ月半ばまでは、無事に過ごされていたのでしょう?
そもそもの最初のトラブルに至るきっかけは何だったのでしょう?
何も思い当たるフシはありませんか?
まずはそこを改善したらいいのではないでしょうか?

出来る限りの対処法はなさってはいるようですが、最初のトラブルの直前以降、お嬢ちゃんの乳首の咥え方が浅く引っ張った飲み方になっていませんか?
乳首を歪めたり潰したりした飲み方になっていませんか?
トラぶっている方をどうしても吸ってくれないのであれば、敢えて半日から1日、患側のみ過剰な乳房緊満を来さないように気をつけながら、搾乳とじゃがいも湿布で凌いでは如何ですか?

あとは、もう1回、乳房ケアを受けられた方が良いと思います。
出来れば背部マッサージをしてもらえたら、リラクゼーション効果で身体が緩み、乳口炎部位が開通し易くなるかもしれませんね。
その時、診ている助産師が一番分かると思うので、「何をどうすれば?」を聞いて下さいね。

2016年5月13日 (金)

「詰まっていない」のに痛い!

<ご相談内容>
はじめまして。
11ヶ月男の子がいる三児の母です。
上は二人とも小学生です。とても困っているので、今までの経緯と共に書きたいので長文になりますがよろしくお願いします。

産まれてから何度か右に白斑ができ、マッサージに通いつつもこのブログを
読み助けられてきました。
左は調子がよかったのでつい痛い右ばかりをあげてきました。
右が治った頃とうとう左が痛くなったのですが、右に白斑が出来た時とは雲泥の差の激痛!
乳首から乳房にかけてビリビリズキズキでいてもたってもいられなくなりマッサージに
走りましたら、「左はドロドロが出るが右は詰まってないよー。」と言われたのです。
シコリがある様な感触があると伝えると、これはシコリではないと言われました。
その日は大丈夫だったのですが、次の日やはり激痛…。
2日ほど自分でケアしましたが寝られないほどなので別の方に診てもらいましたら、やはり詰まってないと…。
シコリもないと。
そこで気になることを言われたのですが、いつだったか忘れましたが痛みがない時に左の乳首にポコっと穴が2つ空いているのを発見しました。
クレーターのような物です。
前からなってたっけ?とは思っていたのですが、そこから乳腺に痛みが走っているのではないか?と言われました。
デスパコーワ、葛根湯、食事、冷え対策、ジャガイモ湿布、色々やっているのですが痛みが引いてはまたぶり返すの繰り返しです。
右の白斑だった時と違うのは、白斑の時は飲ませ始めが痛くて飲ませている最中は痛くなかったのですが、左は飲ませている間中痛いです。
かなり読み込んだつもりですが、この症状の様な記述は見当たらず藁にもすがる思いで書き込ませて頂きました。
詰まってないのに痛いとなるとどうしていいかわからず困り果てています。
どうかお忙しいでしょうがご回答よろしくお願いします。
<SOLANINの回答>
ううむ。
何なんでしょう?
直接診せていただいているわけではないですし、触らせて頂いているわけでもないですし、ましてやSOLANINは医師でもないですから、申し訳ないですが軽々に診断名や対処法は出せないですね。
当ブログを熟読して頂いている風な文面ですが、調子の悪い方ばかりあげて、良い方はなおさりにされていたとは!
私、そんなこと書いてましたっけ?
そういうあげ方をすると、良い方までも引きずられて、終いにはモグラ叩きみたいになるから危険ですよ~という記事を書かせていただいたことがありますけれど・・・?
それって、当ブログを熟読されているのではなく、単に対処法だけつまみ喰いしてるってことですよね?(涙)
厳しいことを申すようですが、ご自身に都合のよいトコロだけを切り取られると、そういうことも起こってしまうと思います。(嘆)

それでも気を取り直して、分かる範囲で助言するとしたら、以下の通りです。
気になるフレーズが幾つかありますね。
「ドロドロの乳汁が出ていた。」
につきましては、これだけですと、やはり古くなった乳汁が溜まっていたようですね。
「ポコっとした穴が2つ空いている。」
につきましては、もしかしたらいわゆる乳栓が飛んだ痕跡かもしれませんね。
かつてそういう方の乳頭頂にクレーター状の穴(?)が開いているのは見たことがあります。
でも、そこからくる痛みかもしれないというコメントは・・・正直言って意味が解りません。
クレーター部位を触ったり擦ったりしたら痛みますか?
「飲ませている間中痛い。」
「詰まっていないのに痛い。」
ということは、吸われていなければ痛くないということですか?
搾った時は痛くないのですか?
乳房ケアを受けている最中も痛くなかったのですか?
もしかしたらカンジダかもしれませんが、やはり診ていないので何ともはや。
乳管にダメージを受けているのであれば、11ヶ月にもなられるわけですから、お子さんにきちんと言い聞かせをした上で、半日~1日ほど直母をお休みして、その間は乳房緊満をコントロールの意味で様子をみながら搾乳をして凌いでもいいかと思いますが・・・

ひとまずは炎症所見が出ていないか、受診された助産師の嘱託医師に血液検査やカンジダではないか等の鑑別診断をしてもらわれては如何ですか?
思い切って乳腺外科のコンサルを受けられるのもいいと思います。
また、取り敢えずの症状を緩和するために、授乳中でも服薬可能な鎮痛剤を屯用で処方いただけるようお願いされるのも一案です。
どうぞお大事になさってください。

2016年5月11日 (水)

1回の授乳に1時間も要していては・・・

1回の授乳に1時間も要する・・・ということは、客観的に見ても長過ぎます。
勿論何事にも例外はありますから、ゼロではありません。
ですが、あったとしても、それはせいぜい1日のうちに1回か2回だと思います。
ただ、ここで申し上げる例外というのは、端的に申し上げて、体重増加に問題が無い場合です。
「眠るためにお母さんのおっぱいを貸してほしいのかな?」
「寂しいのかな?」
「なんとなく不安だからかな?」でおっぱいにしがみついている場合です。

そうではなくて、体重増加が今一つであったり、たまたまとかじゃなくて常に不機嫌で、あやしてもあやしてもちっとも泣き止まなくて、飲んだ傍からずっとハフハフして、鼻をフガフガさせて物欲しそうにしている場合は、哺乳量として不足していると思います。
仮に退院当初は体重増加度も標準範囲だったとしても、まだ1ヶ月健診を受けないうちから徐々に体重増加度が下がるとしたら、赤ちゃんが何かの病気を抱えているわけでもない限り、哺乳量が不足していることは明白です。

特に混合栄養のお母さんでミルクの補足を減らしたいと希望されても、補足をしてようやっと標準的な体重増加度が維持できている場合は、その段階では絶対に減らすべきではないし、徐々下がりなのに減らすなんて言語道断です!

「完母で行きたい。」
「里帰り先から自宅に戻るまでに完母になりたい。」
「BFHはミルク足さないんでしょ?」とか仰るお母さんがいらっしゃいます。
そんなことないですよ。
勿論軽々にミルクの補足は致しません。
しかし、医学的適応であれば、ミルクの補足をすることは有ります。

ミルクを補足したくないというお気持ちは痛いほど分かりますが、その段階ではどうにもならない場合はあります。
赤ちゃんの順調な発育と母乳分泌を確認してからでないと、無理やり自己判断で完母というのはしないでくださいね。

2016年5月 9日 (月)

体重増加が振るわず、ミルク補足をベビーが拒否して八方塞がり。(4ヶ月)

<ご相談内容>
出産後より勉強させていただいています。
子供の体重増加について悩んでおり、過去記事もチェックしてできることはすべてやっているつもりですが体重がなかなか増えません。
個別の相談は受け付けておられないことも承知していますが、なにかアドバイスいただけたらと思いコメントさせていただきました。

出生時:体重3872 身長49.8 頭囲35.8 (妊娠41週)
2日目:体重3778 (直母8回/日 ミルク20~40ml×8回)
4日目:体重3826 (直母8回/日 ミルク60~80ml×4回ほど)
5日目:体重3852 (直母8回/日 ミルク60ml×8回の指示で退院)
12日目:体重3992 (直母後にミルク80ml毎回補足指示でるも飲めず)
19日目:体重4196 (直母後に子供が飲みたいだけミルクを与えるようにとの指示)
27日目:体重4420 (ミルク補足400ml/日指示あるも飲めず)
30日目:体重4516 (ミルク補足400ml/日指示あるも飲めず)
45日目:体重4640 (ミルク補足400ml/日指示あるも飲めず)
56日目:体重4940 (増加不良にて小児科受診、ミルク160~240ml補足指示)
61日目:体重5124 身長59.2 (ミルク補足160もできていなかったが、体重増加したので小児科終診)(ミルクは搾乳に変更 夕から夜にかけて40~60ml2回程度補足)(ニップルを卒業した)
74日目:体重5402 (ミルクを断固拒否しはじめたため、母乳育児支援病院の外来受診し、直母回数を8回から10回以上に増やした、夜間も3時間おきに授乳するも0.5クールのことも)
94日目:体重5664 身長62 
107日目:体重5870 身長62.1 頭囲41.7(3か月検診、体重増加不良で経過観察。寝返り可能でよく動く)
120日目:6020
母乳育児相談にはたびたび通い、体重チェックとおっぱいの状態をチェックしてもらっています。よく動くからなのか日中は2時間あかずにおっぱいをほしがることも多いです。おしっこは日中回数は多いですが1回量は少ないです。うんちは1日1回出ています。
新生児から眠り姫、今でも夜はよく寝ますが、23時・2時・5時と起こして授乳しています。
こんな私にご助言いただけませんか?
<SOLANINの回答>
相談者さんの愛すべき眠り姫ちゃん、大きくお生まれになったにもかかわらず…なので、ご心配はいかばかりかとお察しします。
頼みの綱であったミルクも2ヶ月半頃から断固拒否されては、おっぱいで頑張るしかないですし。

運動機能の発達が目覚ましいのが救いですが…
ただ、気になるのは最初(?)に受診された病院の小児科は体重増加したので終診とありますが、新たに受診されている母乳育児支援病院の小児科受診はなさっていないのかな?と疑問に感じました。(されていたらいいのですが、文面からは、されていないように読み取ってしまいました。)
助産師だけで抱え込んでよい案件だとは思えなくて。
もしもまだであれば、母乳育児支援に明るい小児科ドクターに、現状でいいのかどうか、コンサル受けてください。
ますは、そこからでしょう。
お母さんから小児科ドクターにああしてこうしては言い難いでしょうが、今一度検査出来ることは検査して頂いて、「単純にゆっくり増える赤ちゃん」であるかどうかの確認くらいはして頂いても良いのでは?
あとは、そうですね~、離乳食の開始時期を満6ヶ月ではなく、満5ヶ月からにやや前倒しされることをお勧めします。

2016年5月 7日 (土)

授乳中の水分摂取は喉を潤す程度で良いの?

<ご相談内容>
こんにちは。
先月第2子(次女)を出産し、過去記事をおさらいのように読んでいます♪
長女のときは短く咥えにくい乳首で分泌もなかなか軌道に乗りませんでしたが、次女は長女が出産間近まで吸っていてくれたおかげか、すぐに咥えることができました^^3130gで産まれて、現在約4500g(生後41日)と完母ですくすく育っています。

ところで、今回の出産の際に産院からもらった指導ノートに、「水分の摂り過ぎは母乳が作られる量を抑制することがわかっています。喉が渇いたら水分を摂る程度に喉を潤すといいでしょう。」とあり、産後の授乳指導の際にもそう言われました。
前回(3年前)も同じ産院で出産したのですが、そのときは「水分しっかり摂らないとおっぱいでないよ!」と指導されましたし、こちらのブログでも水分摂取は重要と書かれていたので、その内容の違いにびっくりしました。
もしこの記事のお母さん達が、今回私が受けた産院の指導を受けたら、全然水分摂取しないでしょうね・・・。
「摂り過ぎ」がどの程度を言うのかわかりませんが、SOLANINさんは何かこの説に関してご存じですか。
<SOLANINの回答>
すみません。
色々調べてはみましたが、まだまだ勉強不足なもんですから、水分の「摂り過ぎ」の定義までは何ともはや、申しあげることは困難です。
ただ、分泌過多で量的にセーブしたい場合や、言い聞かせ卒乳の際に無駄に乳房緊満を助長しないようにするためには、「いつもよりは水分摂取は少なめにしてください。」と助言していますね。
実際それでかなり落ち着いてきますし。
また逆に、「条件的にはこれといって問題が無さそうなのに、一向に母乳分泌が増えないのな何故かな?」とリサーチしていく中で、極端に水分摂取が少ない(500ml/日!)ことが発覚したお母さん達に、「これからは意識して水分摂取を増やしてくださいね。出来れば1.5~2リットルは摂取してほしいなぁ。」とお願いして実践して頂いたら、大抵分泌増加しますね。

少し前に、母乳分泌を増やすと言われる某社のハーブ茶のCMトークを見ると、「1日に3~5リットルは水分摂取をしてください!」との文言があるのを見つけました。(驚)
ただ、個人的な見解ですが、いくらなんでもそれは多いように思えます。
1日に3~5リットルも水分摂取したら、おなかチャプチャプになりますよ。
胃液も薄まりそう・・・ご飯食べられなくなるんじゃないかな?(汗)
水分摂取が多過ぎると、おなかチャプチャプになり容量的に最低限のお食事の摂取が困難になるから、回り回って、母乳分泌が抑制されるってことかなぁ?
それくらいしか、理由が思い浮かびません。

2016年5月 5日 (木)

吐き戻しが多くて飲み直しさせていますが、このままでいいの?(5ヶ月)

<ご相談内容>
はじめまして。いつも拝読しております。こちらのブログでは質問を受け付けていないようなのですが、私自身初めての育児でいっぱいいっぱいでなんとかSOLANINさんにお話を聞いていただきたく投稿します。

長男は32w5dで1309gで産まれました。FGRと切迫早産で緊急帝王切開でした。

生後47日目2205gでNICU退院。
生後73日目3440g フォロー健診時
生後97日目4670g
生後123日目5830g
生後129日目5980g
生後151日目6680g
生後156日目6790g

体重は実月齢でキャッチアップしております。
ただ115日目頃から吐き戻しがひどく、げっぷと一緒に飲んだ分ほとんどかというような量を出したり、指しゃぶりでおえっとなったり…

寝返りはまだですが頸はすわっております。
入院時から直母がうまくいかず、最近では直母するとおえっとなって吐きます。
なので産まれた時から搾乳を飲ましており2ヶ月目からはミルクとの混合でやってきました。

吐き戻しは受診もしましたが体重も増加しているし病気ではないとのこと。
体重の増加度が減ってきているので寝込み襲っておりますが飲んで80程度で爆睡して飲みません。
満腹中枢柄形成されてから日中は飲んで140ほどです。

小さく産んでしまったからなんとか平均程度の大きさにしてあげたいと思い、思い詰めてしまいます。

1日のミルクと搾乳の哺乳量は700〜850です。吐き戻したあと飲み直しはさせておりますのでそれも込みの数字です。
このままでよいのでしょうか?
吐き戻しの対策などあれば教えてください。
<SOLANINの回答>
従来から申し上げております通り、当ブログは、基本的に相談に対する即レスは困難なので、お受けしておりません。

相談者さんのお坊ちゃんは32wの早産で低出生体重児であったとのことですが、相談者さんの必死の育児が功を奏して、しっかり充分に発育されていますね。
修正月齢を勘案しても、お坊ちゃんの満腹中枢は形成されているでしょう。
大きく育ってほしい気持ちは人一倍でしょうが、現時点では、吐き戻しの後に飲み直しもさせていらっしゃいますし、これ以上哺乳させるのは、ちょっと難しいのでは?
お坊ちゃんは退院されてからもずっと定期受診をされているようですし、吐き戻しに関しては主治医である小児科ドクターから病気ではないと診断を受けていらっしゃるのは安心なことですし、対策といっても…
ん~、哺乳後は誤嚥されないよう、安全面重視で上半身を起こしておくとかですかね?

これまでは、相談者さんのお坊ちゃんは、月齢的にも体重増加くらいしか発育の評価の指標がありませんでした。
しかし、頸据わりの時期を過ぎたこれからは、体重増加以上に運動機能の発達や頭囲の伸びが重要になってきます。
また、搾母やミルクだけから栄養摂取されるのではなく、離乳食も開始する時期がやって来ます。
モグモグしたりゴックンと嚥下したりするようになられます。
コップやストローの練習も始めることになりますね。
体重増加は大事ですが、それだけじゃなくなるわけです。
お坊ちゃんは日に日に前進されていますよ。
発育の評価に新しい視点を加えること、そしてそれを一緒に見守ってあげるお母さんでいてください。

2016年5月 3日 (火)

手掴み食べをしない、量も食べない、座っていられない。(10ヶ月)

<ご相談内容>
こんにちは
初めてコメントさせていただくのでかなり緊張しております。
現在10ヶ月(生後312日)体重11.3キロ身長75センチの息子を育てております。
手づかみ食べについてなのですが…。
おやきなど手で持てるものを作っても、お皿にしか興味がなく、最終的に食べさせてあげないといけません。
目の前で私が手で食べて見せてもイマイチわかっていないようです。
根気よく教えていきたいのですが、9ヶ月頃から3口程食べたら椅子から降りたいと言い出し、離乳食はほとんど食べてくれず、結果頻回授乳になってしまいます。
産後初の生理が今月頭にきて以来おっぱいの出方がガクッと減ってしまい、もうミルクを足さないといけないのか悩んでおります。

手掴みもしない、量も食べない、座っていられない、おっぱいは欲しがる、おっぱいの量が減てしまった…といろんな悩みがあるのですが、いい解決方法はないですか?

<SOLANINの回答>
まずはここまで完母と離乳食で育てられたことに敬意を表します。

時期的に、そろそろ手掴み食べをさせてあげたいものですが、おっぱいが好き過ぎて、イマイチ離乳食に興味が持てないのかもしれませんね。
また、がっしりした体格ゆえ、(違うかもしれませんが)達者に動き回るというトコロには至っていらっしゃらないのかもしれませんね。
体重が増えれば、その分成長に必要な栄養素も増えてきますが、ご本人が困っている風でもなく、発育不良とは無縁のがっしりした体格ですね。
冷静に見てみれば、お坊ちゃんの体重は、ほぼ標準的な2歳児クラスではありませんか!

現在頻回直母で、月経再来もあって母乳不足を心配されていますが、客観的に見て、ミルクの補足は不要と存じますし、与えても飲まないんじゃないかしら?
逆にその場凌ぎでミルクをあげたら、今迄よりも輪を掛けて離乳食が進まなく恐れがありますから反対ですねぇ。
食べて欲しいのは山々ですが、3口食べて椅子から降りたがるのは、その時はホントに要らないのかもしれませんよ。
ただ、そのあと直ぐにおっぱいを欲しがるなら、「それは違うよね?」と、やさしく諌めて、次の離乳食の時間を早めてもいいのではないか?と思われます。
それから、一日中でも高速ハイハイをしているとかアンヨが達者になり、真の意味での運動量が増えてきたら、自然と食に対する欲求は芽生えてきますから、今は焦らず、待ってあげたらいいと思います。

2016年5月 1日 (日)

こういう時は、割り切ってもいいのでは?

個人的には乳頭保護器の使用は、安易にしてほしくないのですが、例外的に致し方ないなぁと思うことがあります。

それはですね、おっぱいがジャブジャブ出ていて、搾乳やったらナンボでも出来ますよ~な状態なのに、乳頭形態や赤ちゃんのお口のサイズや哺乳技術等の理由で、直母ではどんなに頑張ってもヒトケタ~10g台しか哺乳できない場合です。

搾乳続けて分泌の維持を図ることも大事ですし、赤ちゃんの成長を待つことも大事ですが、乳頭保護器を使用しての直母(←なんか変な表現ですが・・・)であれば、すんなり哺乳量が確保出来る場合であれば、文明の利器も使いようかなと。
あっ、勿論赤ちゃんがNICU入院中であれば、搾乳は頑張っていただきたいですが、SOLANINがここで申し上げているのは、お母さんと一緒に退院できる健常新生児に対してですよ。
赤ちゃんが傍に居る状態での搾乳はとても大変ですからね。
心の中では、「それでもおっぱいが充分出るんだからいいですやん。」くらいに思っている助産師や看護師さんも少なくないようですが、ホント、休む時間が無くなっちゃいますからね。(涙)

ただ、昨今の乳頭保護器で特にハードタイプと称するモノは、どのメーカーさんでもあきませんね。
赤ちゃんが嫌がるし、被せたところで一向にフィットしてないから、商品として存在する意味があるのかどうか甚だ疑問です。
かといってソフトタイプと称するモノは、例えば乳頭に亀裂が生じている場合は、傷が激化するので使用するのは御法度ですし・・・
ハードタイプも、数年前の昔のタイプだったら結構使える感はあったのですが・・・
いっそ元のタイプに戻してくれたらいいのにね。
数年前から試用しているのは、細口タイプの哺乳瓶に使うタイプの某社のシリコン乳首を乳頭保護器に転用(代用?)する作戦です。
メーカーさんは、そういう使い方しちゃいけませんと仰いますが、上記のような理由がある場合に限り、アリではないかと思う次第です。
但し、試用するのはせいぜい1ヶ月かそこいらで、漫然と何ヶ月も供するモノじゃありませんからね。

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