もしも分娩前日に、妊婦が水痘を発症してしまったら?
水痘の抗体が無い妊婦さんが、分娩前日に水痘罹患が発覚したら、エラいことになります。
厳密には、分娩の4日前~産褥2日目に水痘発症してしまったら、最悪の場合、取り返しのつかないこと(=赤ちゃんが死亡してしまう危険性が超高い)になります。
対策は病産院のドクターが立てられますので、それにお任せして従うことになります。
とにかく、赤ちゃんの感染を防御することが第一ですから、予防的治療として、妊婦さんに免疫グロブリンの注射がされるでしょうし、『ゾビラックス®』の投与がなされるかと思います。
『バルトレックス®』の投与も有り得るのですが、恐らく現時点では、『ゾビラックス®』の方が、安全性に関するデータが豊富なので、『ゾビラックス®』を選択されることが多いのではないかと思われます。
赤ちゃんは感染の有無が確認されるまでは、“感染源“扱いになりますので、他の赤ちゃんからは厳重に隔離されます。
感覚的には、「ウチの赤ちゃんを汚いモノ扱いして!」と思われるかもしれませんが、それくらい徹底してやらないと、他の赤ちゃんに感染させてしまう危険性が高いので、ご了承願います。
ホント、こういう状況って怖いことなのですよ。
当り前のことですが、水痘の抗体が無い赤ちゃんのお母さんで、今後挙児希望の方(仮に希望されていなくても万一授かれば産む意思のある方も)は、次回出産時に大騒動にならないように、非妊娠時に水痘のワクチン接種を受けてくださいね。
昨年~今年は、大流行の風疹の抗体が無いお母さんが風疹のワクチンを求めて品切れになるという事態が発生しています。
くれぐれも、「風疹じゃないから(水痘だから)抗体が無くても大丈夫!」とか、「別に水痘なら、ワクチン接種はしなくていいよね!」とか、安易に考えないように!
そんなもんじゃありませんからね。
少し前に記事を書きましたが、初めての妊娠なのに、感染症の抗体価測定検査のお金を惜しんで、調べるのを拒否する(≒何を調べてもらうかを自分で選ぼうとする!)妊婦さんがいらっしゃるとか。(憤)
SOLANINに言わせれば、そんな妊婦さんは問題外&言語道断です。
お話になりませんな。(怒)
感染症の抗体価測定検査を受けて、(もしそれがワクチンのある感染症であれば)抗体無しと発覚したら、出産後~次回妊娠までに、必ずワクチン接種をするのが、お母さんになる人の流儀ですぞ!
抗体無しの放置プレイは厳禁ですからね!