☆リラクテーションは出来る?

2016年6月25日 (土)

この間も今も測定したらおっぱいは20gだった。(50日目)

<ご相談内容>
はじめまして。
母乳の出が悪く、色々調べておりましたらこちらのブログにたどりつきました。完全母乳を目指しております。
今すべてではありませんが前記事読ませて頂いて勉強させてもらっております。

お時間ございましたら相談をお読み頂けたらと思います。

妊娠中、おっぱいマッサージはしておらず(お腹が下がり気味だから早産になるかもしれないからマッサージはしないでと産院で言われた)出産予定日の2日遅れで3020gで出産しました。
ミルク推奨の産院だった為、5分5分の1クールで足りない分はミルクを足してのやり方で入院中は過ごしました。ほぼ出てない為、40〜60足していました。
退院時(5日後)体重は3000gでした。
退院後、母乳もふえず桶谷式のマッサージに行く事にし、予約がとれたのが28日後でした。
それまでは母乳→ミルク(60〜80)
それでも泣きやまない時はおっぱいを吸わすかそれでもだめならミルクを20〜40足していました。
1ヶ月健診時は4000g(38g/日)でその時産院で母乳量をはかりましたら、20でした(涙)
やはり足りないと心配になっていましたら助産師さんに、「多分普段は40以上出てますよ!」と言われました。
数字は20なのに…
そして40でも足りないのにととても心配になりました。

翌日桶谷式のマッサージに伺いました。
手技を受け、こちらのブログにもありますが、これからは頻回授乳とミルクは40mlを8回までといわれ実行しておりました。
授乳回数は1日15回前後、1回30分の時もあれば5分で寝てしまう事もあるので1日のトータル授乳時間は3時間くらいだと思います。
夜中も何をしても起きず朝まで6時間寝る事もあります(泣)
次のマッサージまでミルク足すのを320mlまでを目標に400までで抑えておりました。
2回目のマッサージを50日目に行きました。
娘の体重は4630g(30g/日)でした。
「体重は増えているのでミルクを1日160mlまで抑えて頻回授乳してください。」との事でしたが母乳量は20で増えておりません。
桶谷式の先生は、「回数こなしてね~。」と。
回数で稼ぐのはわかっておりますが何度測っても母乳量が20ほどですと心配です。
昼間におっぱいを吸い続けて夜中は疲れて寝てしまうのでしょうか?
実母、義母はよく泣くからミルクを足せ足せといいますが、今は聞き流しております。
夜中起きてくれず母乳量が20mlで、しかもこのままミルクも少なめで大丈夫なのでしょうか?
<SOLANINの回答>
お嬢ちゃんのお誕生おめでとうございます。
個人差はありますが、完母(かそれに近い)母乳育児が出来るかどうかは、或る程度はご出産される施設で決まってしまうのが腹立たしい現実です。
ミルク推進病産院でも完母の方はいらっしゃいますが、それはたまたま運が良かっただけでしょう。

まず確認事項ですが、相談者さんの記載されている母乳量というのは、1回哺乳量のことですよね?
それはどういった状況で測定されましたか?
あっ、かかりつけの助産院で測定されたことは分かりますよ。
その時、お嬢ちゃんが本気でおなか空かせて哺乳してくれたかどうかが分からないと判断がつきかねるのです。
予約時間丁度に助産院に行かれて、おっぱいケアを受ける前?受けた後?
いつ、どのタイミングで測定されたのでしょうか?
毎回、「ぐずり始めたから哺乳させましょうか?」的な流れor来院前にぐずったら困るからある程度ミルク補足してますが・・・の状態でしたら、お嬢ちゃんは実力発揮されていないと思われます。
だから、「多分普段は40以上出てますよ!」と仰ったのでしょうね。

世間一般では、ミルク缶蓋に記載されている量こそが、適正な1回哺乳量と思われていますから、50日目頃ならば、え~と120~160mlでしたっけ?1回につき、そのくらい哺乳させなきゃ、到底赤ちゃんは育たないわよという強迫観念があるのだと思われます。(嘆)
でも、そうとは限らないのですがね。
あれは基本的に完ミの方向けですし、母乳育児支援関係者の間では、そうであったとしてもあの記載は聊(いささ)か多めじゃないかとされているようですね・・・

かかりつけの助産院では、ミルク補足量に対してお嬢ちゃんの体重増加が良好だから、徐々に減量しましょうという指導をされているのだと思われます。
ただ、1ヶ月健診~50日目の発育ペースでは、しっかり育っていらっしゃいますが、320ml/日の補足量を160ml/日に半減させるというのは、率直に申しましてSOLANINには冒険的に思えます。
私だったら、お嬢ちゃんと相談者さんに掛かる負荷が大きいと思われるので半減なんてしないです。
減量は可能ですが、もう少し小幅にとどめますね。
まぁそれは見解の相違かもしれませんが、お話を伺った限りでは十中八九、「思ったより体重が増えていないから、再びミルクを増やしてもらうわね。」という展開になるのが関の山orそのまま突っ走って3~4ヶ月健診に引っ掛かりそうだと予見したら、赤ちゃんやお母さんのためじゃなくて、ご自身の保身のために、「健診前数日間、1回につきガーッとミルク200mlくらい飲ませてね。」という、掌返し&暴挙としか思えない指導をされた話を、当ブログ内でも実生活でも少なからず聞いていますからねぇ。(怒)

1回哺乳量がどのような状況で測定されているのか不明ですから、奥歯にものが挟まったような物言いになりますが、拙速にならぬよう(≒3歩進んで2歩下がるにならぬよう)ミルク減量は慎重に進められた方がイイと思います。
以前、雨風呂時代に、enjoyshanghaiさんという方がいらっしゃいました。
過去記事図書館創設の際にも多大なご協力をしてくださった方です。
初期の愛読者の会のみなさんだったらご記憶にあるかもしれませんが、見事にリラクテーションされた方です。
相談者さんは日にちはかかっても、くれぐれも「焦らず」「慌てず」「諦めず」のスタンスでいてください。

2016年6月21日 (火)

こんな状態で完母に移行したらダメなの?

<ご相談内容>
※この内容は、すぐ前(2016.06.19)の記事の追記です。
ここ2週間くらいの授乳頻度は10~12回で、少ない日で9回、もっとも多い日で16回です。

個人で開業してらっしゃる助産院で指導を受けています。
が、授乳頻度が多すぎると言われ8~10回の間に納めるように言われています。
それで保たないところにミルク補足です。

哺乳瓶は母乳実感を勧められ、1週間前まで利用していました。
今は母乳相談室がいいと見てそちらにしています。

授乳頻度を下げるよう言われた理由については
■浅飲みしているので乳首を痛めるため。
→これは子どもの成長ととともに改善されるから待つしかない。今は口が小さい。
■ひいては、乳口炎になるため
■母親が疲れてしまうため
■1時間や1時間半では母乳は作られないため
■今頻回授乳を行うと3ヶ月以降遊びのみが始まると乳腺炎の原因となるため

ミルク補足の理由が
■リフレッシュしたいときに預けて出掛けられるため
■2時間~3時間ほどは間隔をあけるため
■今体重増加が順調なのは、回数で稼いでいるため、1回量が増えるようにならないといけない

今完母にむけてせっかく順調にきているので、乳首を痛めて直母できなくなると分泌が下がって意味がなくなってしまう。
というようなことを言われています。

私の乳首が両方、色が薄くなり、乳頭部が赤く腫れ気味なことが原因のようです。

あと気になることとしては、娘の上唇の真ん中に吸いダコみたいな白いものがいつもあります。
抱きかたは授乳クッションを利用しフットボールと横抱きをするように言われています。

私と娘のような組み合わせだとそういった指導をされることがあるのでしょうか?
できれば私は完全に母乳にしたいのですが、それは時期尚早と言われるので、なんとなく釈然としません。
でも乳首が痛いのは事実ですので、娘の成長を待たなければ解決しないのか?とも思います。

長々と申し訳ありませんでした。

時間があるときに、少しずつ記事を読ませていただいています。
すごく沢山あるので、全然追い付かないですが
もっと早くにきちんと調べて、乳のケアや産院選びなどもできればよかったと思っています...。
<SOLANINの回答>
一部の助産師、特にO式のセンセイは、頻回授乳には否定的です。
大体8回/日で宜しいと仰います。
乳首が痛くなったり赤くなるのは、「母○実○®」慣れしてボトルマウスっていうか浅飲みだからです。
でも、相談者さんの赤ちゃんは、体重的にも4800g目前ですし、「母○相○室®」に切り替えられ、今後の哺乳技術の向上は充分に期待できます。
浅い咥え方になりさえしなければ&片乳を長飲みさえしなければ、そうそ簡単に乳口炎にはなりませんよ。(汗)
お食事だって気をつけていらっしゃるのでしょう?

ミルク補足の理由として挙げられていることに関しては、何となく「そうなのか!」と、呟きそうになりますが、これでは丸っきり相談者さんがご出産された混合栄養推進病産院と変わらないスタンスではありませんか?

逆に訊きたいですが、お母さんのリフレッシュって、混合栄養でないと不可能なのですか?
また、回数で稼いで赤ちゃんの体重増加を図ることの、いけない理由って何ですか?
1時間や1時間半では母乳は作られないなら、消化時間が早くて欲しがってもずっと我慢させて、赤ちゃんが空腹で泣いたら抱っこしてあやして時間稼ぎせよってことですか?
無理して母乳を乳房内に溜め込むと、FIL(乳汁分泌抑制因子)が増加して、やがて分泌低下を来しますが、それについての説明は・・・されていませんよね?
何だか、教条主義的で、そういう指導をされちゃうと、一体誰のための母乳育児なのか分からなくなっちゃいますよね?

相談者さんは、その助産師のお世話になっていらっしゃるので、なかなか反旗を翻すような振る舞いは抵抗あるかもしれませんが、太古の昔から今に至るまで、母乳育児の主体は母と子です。
つまり、この場合、相談者さんと赤ちゃんですね。
相談者さんは、お世話になっている助産師のために母乳育児をしているわけじゃないですよね?
転ばぬ先の杖(≒トラブル予防策)も大事ですが、困った時にサポートするのが助産師の役目だとSOLANINは心得ています。
勇気を出して、完母へ舵を切ってみませんか?
「はじめの一歩」を踏み出してみませんか?

過去記事が多過ぎて、ひゃあ~って感じでしょうが、その中には、現段階で完母に移行したらリスク(?)になると指摘されていることへの対処法がいっぱい書かれていますよ。

2016年6月19日 (日)

こんな状態で完母に移行できますか?(生後1ヶ月)

<ご相談内容>
突然すみません。
もし、万が一、相談にのっていただけるようなら、お願いします。
本当にすみません。
相談したい内容は、今現在のミルクの補足は正しいのか、なくすことができるのか、です。
生後38日の娘がいる母です。
40週2日目での出産です。
出生体重3554g 頭囲33.5cm

1日目3362g 2日目3404g 3日目3408g 4日目3468g 5日目3469g(退院)

生後1日目で高ビリルビン血症疑いで光線治療を2日間受けています。
私の無知のせいで、母乳育児推奨ですって言われていたのですが、蓋を開けると、ミルク補足前提の病院でした。
生後2日目まで母子別室
夜間の授乳なし。
授乳は3時間ごと、母乳量をはかり、出生日付×10ml+10mlに満たない分をミルク補足でした。
時間までの間、途中で泣いて泣き止まないと、10~20ml程度のミルクをやっていたようです。
母乳量は、ヒト桁、退院時にやっと15~20gといったところでした。

退院時に助産師さんの指導があり、母乳にしていきたいことを相談しましたが、
母乳をやって、ミルク補足を今と同じくらいやって3時間以内に泣き出すようなら足して、3時間以上寝るなら減らしてみたらいいんじゃないかとのことでした。

生後13日目3680g(直母量60g朝10時頃)
この日までミルク補足を1日平均274ml
およそ3時間ごと授乳の後(直母は1日8~9回)に足していました。
60mlくらい作って娘が嫌そうにしたらやめるという感じでした。

生後16日目3820g(直母量75g)
この日までミルク補足1日平均240ml。1日8回、10~70mlの間で補足してました。
16日目以降は1日220ml程度の補足。 1回につき20~40mlの補足です。(40が多目)

生後19日目4000g(直母量55g)
19日目以降は1日160ml補足。 1回につき20~40mlの補足です。(20が多目)

生後26日目4350g(直母量80g)
26日目以降は100ml前後の補足。 夕方や午後に40~50ずつくらい2回の補足です

1ヶ月健診
生後31日目
体重4560g 頭囲35.5cm

ここ何日かスケールで直母の計測ができるようになったのですが
夜間帯だと70~90ml哺乳できているようなのですが(2時間半から3時間おきです)日中が20~60mlとかなりむらがあります。
(特に夕方が20~30mlです。1時間半くらい間隔があいています)
日中は常に口がパクパク、舌がペロペロ、機嫌が良くなかったり、泣いていることばかりです。

その都度、乳をくわえさせていますが、出ていないようで唸りながら乳首を出し入れしたり、泣いたりします。
また、娘が乳を飲んでいる最中に口からチッチッチというような空気の入る音?のようなものもします。
こういったことは完母の方なら通常なのでしょうか?
それとも、きちんと病院を見極める目をもっていなかった私のせいで、母乳がきちんと出るようにならなかったのでしょうか?

助産院の方に相談もしたのですが、ミルク補足はママが辛くならないようにしたらいいとのことで、減量はできているんですが...。
どこを信じていいのかわからなくなってしまっています。

体重は1ヶ月健診のときも32gずつ増えてて順調と言われましたし、娘もふくふくとしているんですが、こんなに1日の母乳量にムラがあって完母になることはできるものですか?
<SOLANINの回答>
母乳推奨と称する病産院・・・でもなんちゃって以下というか、ほぼ混合栄養推奨病産院だったのですね。(涙)
生後間もない頃に黄疸が強く出て治療を受けたのは、さぞご心配だったと思います。
治療を受けねばならない程の黄疸であれば、ミルク補足も止む無しです。
でもしれは医学的適応ですね。
何も気に病むことはありません。
むしろ、そのような悪条件下で、よくぞここまで頑張ってこられましたね!

5日目から13日目までの体重増加度が26.4g/日。補足274ml/日。
13日目から16日目までの体重増加度が46.7g/日。補足240ml/日。
16日目から19日目までの体重増加度が60.0g/日。補足220ml/日。
19日目から26日目までの体重増加度が50.0g/日。補足160ml/日。
26日目から31日目までの体重増加度が42.0g/日。補足100ml前後/日。
退院時から1ヶ月健診までの平均の体重増加度が、42.0g/日。

母乳分泌の日内変動は、なんら異常ではなく、深夜帯のプロラクチン濃度が高いから、分泌量も哺乳量も多めになるのは自然の摂理。
入院中に母乳の立ち上がりが遅れた要因は、夜中の授乳をスキップして飛ばしていたからです。
夕方スケールで測定して20gで、1時間半であげて、赤ちゃんがパクパクペロペロしたら、ひもじいのかなって心配になりますが、1日トータルでこまめにあげたら、発育に必要な哺乳量を賄えるので問題ありません。
そのあたりはやはり、過去記事をご精読くださいね!

チッチッの音はボトルマウスになりかかっているから。
浅飲みかもしれません。
意識して深く咥えさせましょう!

で、相談者さんの場合、補足はいつ止めても大丈夫なレベルです。
ただし、1日10回以上の頻回授乳はしてくださいね。
赤ちゃんのおしっこやうんちの出方、機嫌や睡眠に特に変わりなければ、心配無用。
スケールはやがて返却されるでしょうが、以後は月イチくらいで、体重チェックされたら、「万一発育不良になったら?対処が後手に回ったらどうしよう?」の懸念も解消されると思われます。
さぁ、肩の力抜いてリラックスしましょ!
副交感神経優位になると、おっぱいダダ~っと出てきますよ♪

2014年7月30日 (水)

リラクテーションを目指すにあたり必要な3つの「あ」とは?

リラクテーションという用語をご存知でしょうか?
簡単に申し上げますと、混合栄養のお母さんが完母に移行していくことです。
こういうことを書くと、言葉尻を捉えて、SOLANINは「混合栄養がいけないと思っているのか?」とか、「混合栄養のお母さんは何とかして完母にしていくべきだと思っているのか?」とか、そういうリアクションをされる方(大抵は一見さんか覗き見さんで、捨てIDを取得してでも他人のブログを荒らしたり、炎上させることに秘かな喜びを感じているであろう方)がほぼ必ずいらっしゃいますが、そうではないことは、当ブログのいつも記事をしっかり読みこなしていらっしゃる読者のみなさんであれば、分かっていただけますよね?

で、分かっていただけるとの前提で記事を書かせていただきます。
リラクテーションをするにあたり、してはいけないことは、自己流のミルク減量です。
完母になりたいばかりに、赤ちゃんに無理をさせてはいけません。
必ず、母乳育児に明るい小児科ドクターや助産師に相談し、確認を取りながら進めていくことが必要不可欠です。
 

そして、お母さんの気持ちも重要です。
どんな時も「自分なんかどうせダメなんだ。」という思い込みは捨ててください。
★焦らない・・・早くしなければと思い、イライラすること、気を揉むこと、落着きを失うことはNGです。
気持ちは逸るでしょうが、物事には段階や順序があります。
一足飛びにいかないのは、仕方のないこともあるのです。
★慌てない・・・想定外のことに遭遇して普段の落ち着きを失いこと、うろたえること、急ぎ過ぎることもNGです。
恐らく妊娠中からお母さんはおっぱいケア等を充分に準備をされてきたのでしょうが、母乳育児は、お母さんと赤ちゃんの共同作業です。
肝腎の赤ちゃんの条件やキャラによるところは無視できないウエイトです。
だけど決して赤ちゃんを責めないでくださいね。
★諦めない・・・もう希望や見込みが無いと思って早々に止めること、断念することはもちろんNGです。
中々先が見えないこともあるでしょうし、自分と赤ちゃんがどのあたりに居るのか分からなくて不安になって、気持ちがブレてくることもあるでしょう。
根気が必要なこともあるのです。
しかし、いかなる時も、混合栄養のお母さんがリラクテーションをしていくために必要不可欠なのは、母乳育児に明るいナビの存在だと思います。

月に1~2 回は信頼できる小児科ドクターの居られる外来や助産師の居る助産院や母乳外来を受診して、次の一手をどうするかについて、じっくり相談しましょう。
時間がどのくらいかかるかは、ケースバイケースですが、きっと道は拓けます。
ご自身のおっぱいを造り、出そうとするチカラと赤ちゃんが飲もうとするチカラ、そしてナビをする者の存在とアドバイスを信じて待ちましょう。

2014年5月19日 (月)

腕に膿が溜まって、切開排膿しました。

<ご相談内容>
産後5ヶ月になります。
赤ちゃんは2人目ですが、ついこの間まで毎日楽しくおっぱいライフを過ごしてきました。
半月ほど前の話ですが、原因は分かりませんが、私の右上腕に膿が溜まったらしく、真っ赤に腫れてしこりが出来て、とても痛くなり(←乳腺炎みたい?)近くの皮膚科を受診をしました。
そのドクターは、「抗生物質の入った点滴を3日間するから、その間授乳は出来ないからね。おっぱいが張ったら搾って捨てて、その間はミルクをあげてね。」と、仰ったのです。
私は完母だし、たった3日間とはいえミルクをあげることに抵抗があり、「でも治療だから仕方ない。」と、渋々自分に言い聞かせました。
授乳回数は7回/日だったのですが、乳房はさほど張らなかったので、搾乳回数は3回/日くらいでした。(つまり3日間で9回搾ったということです。)
治療は無事済みました。
そこまでは良かったのですが、その後おっぱいがショボンとなってしまいました。
SOLANINさん、ショボンってニュアンス分かっていただけますか?
夕方からは、張りのカケラも無く、1時間毎におっぱいを欲しがり、いよいよ足りなくなったのかと不安だし悲しいです。
「足りないのでは?」という不安な気持ちが強過ぎて、足したくないミルクを1日に1回140ml足している日が続いています。
でも、可能であれば、完母に戻したいのです。
どうしたらいいですか?

<SOLANINの回答>
まずは、右上腕の膿の治療が無事済まれてよかったです。
ただ、3日間直母できなかった間、搾っていたのにおっぱいがショボンとしてしまったのですね。
ショボンのニュアンスですか?
分かりますとも!

ん~、これはですね、過去記事にもありますように、何らかの事情があって、直母が出来ないのであれば、直近の授乳回数と同じ回数を搾乳しなくてはならなかったのに、半分の回数しか搾っていなかったことが要因です。
経産婦さんだし5ヶ月にもなれば、そんなパンパンに張ることはなかったのでしょうが、ある程度張らせて溜めて搾るのは、分泌抑制をしているのに近い行為ですから、きっと相談者さんの乳房は誤作動しちゃったんですよ。
「もう、あんまりしゃかりきにおっぱいを作らなくていいよ。」って。(涙)

使用された抗生物質名も記載されていないので一般的なことしか言えませんが、抗生物質って、内服であろうと点滴であろうと、授乳禁止のお薬って殆ど無いんですよね。(汗)
その皮膚科ドクターも決して悪気はなかった筈ですが、流石に畑違いですから搾乳回数の指示まではされなかったのでしょう。
また、お薬の添付文書には、大抵は、「妊娠中・授乳中は避けてください。」的な記載がされていますから、
「ほな、治療中は授乳禁止やな。」という展開をされたのでしょうね
授乳とお薬の評価について、例えば当ブログのカテゴリー『☆おっぱいとお薬』の全記事の末尾に貼り付けてあるURL(成育医療センターと大分県薬剤師会)についてまでは、ご存知なかったのでしょう。

おっぱいってね、想像以上にデリケートなんですよ。
過ぎてしまったことを嘆いても仕方ないですが、もしかしたら相談者さんは当ブログに辿り着いたのが最近なのかしら?
だったら記事の読破はまだなのかもしれません。
でも、キツい表現で恐縮ですが、お子さんのためを想うなら、
無知は罪です。
産婦人科や小児科以外のドクターの仰ることで、「これってホントなの?」「それは困るんだけど。」ってなことがあった時は、ご出産された病産院に確認するとか、赤ちゃんの眠っている間に当ブログなどのネット検索をして正しい情報収集に励むとかして対処するのが賢いやり方です。

元々完母だった方ですし、頑張ればおっぱいの分泌は増加すると思います。
ただ、自己流での復旧作業は避けてくださいよ。
ひとまず授乳回数は、あげられなかった分を挽回するために、8回以上/日でお願いします。
それ以外に何をどう頑張るか、ミルク減量の可否は、必ず母乳外来か助産院を受診してください。
きっとリラクテーションへの道は拓けてきますよ。

2014年5月13日 (火)

セーフティーなミルク減量の目安とは?

混合栄養の母子が完母に移行することをリラクテーションといいます。
リラクテーションが成功するには、次に挙げる3つの条件を満たしていることが大前提です。

それらの条件とは、「哺乳力の増強」「1回哺乳量の増加」「体重増加度の上昇」です。
哺乳力が増強すれば、直母による1回哺乳量も1日当たりの哺乳量も徐々に増加する筈です。
また、直母による1回哺乳量も1日当たりの哺乳量も増加すれば、当然ですが体重増加度も上昇してきます。
月齢相当以上のペースで体重増加度が上昇してきて初めて、いよいよミルク減量モードに入れます。

これから述べることはSOLANINの経験値ですが、かなり合致すると思いますので、参考にしていただいてもいいかと思います。
生後1~2ヶ月頃の赤ちゃん(4~5㎏迄くらい)で、混合栄養であってもミルク補足の量が300ml以下/日という母乳寄りの場合です。
それは、ミルク減量目安の最大量は補足量の1/3ということです。
つまり、例えばミルク補足量が240ml/日だったとして、上記3条件を満たしていれば、最大で80ml/日は減量して経過観察しても差し支えないということです。
経過観察の期間は、概ね7~10日間です。
その頃には必ず再診して、問題ないかどうか評価が必要です。

それから、ミルク減量を成功させるために必要な注意ポイントは4つあります。
それらのポイントとは、「赤ちゃんのおしっこやうんちの量や回数がガタ減りしないこと」「赤ちゃんの機嫌や寝つきが極端に悪くならないこと」「お母さんがフラフラにならないこと」「お母さんが乳房トラブルに罹らないこと」です。
そして、どうしても欠かせないことは、1にも2にも頻回直母です。
少なくともミルク減量前よりも直母回数が2~3回/日は増加することを想定内として実践してください。
ミルク減量した分を母乳で賄うのですから、直母回数を増加させねば、せっかくの発育ペースが大暴落になります。
また、直母回数を増加することで、母乳分泌増加が促されます。

セーフティーなリラクテーションとなるために、くれぐれも自己流で突っ走らないでくださいね。
リラクテーションの際は小児科ドクターや助産師に診てもらうことを省かないでくださいね。
よろしくお願いします。

注)月齢や体重やミルク補足量が、上記条件に該当しない場合は、無理やり当て嵌めないでくださいね。

2014年2月25日 (火)

完母になりたいと言われても。(新生児)

入院中の乳汁来潮現象遅延で、ミルクの補足を余儀なくされたお母さんで完母志向の強い方は、時々無茶振りをされるので困ります。

早ければ退院後数日のうちに完母に切り替え(=リラクテーション)できる方もいらっしゃいますが、そうなるまでに数週間~数ヶ月を要する方もいらっしゃいます。
どのような経過を辿られるかは、前のお子さんをSOLANINの勤務先でご出産されたのであればある程度見通しは立てられますが、そうではない場合や初産婦さんの場合は、正直言って何とも予測がつき難く、リラクテーションを進める時も慎重になってしまいがちです。

SOLANINとしましてはお母さんが焦られる気持ちは理解出来ますし、1日も早くリラクテーションできるように支援したいのは山々ですが、乳汁分泌の増加と赤ちゃんの哺乳力はお母さんの希望通りに進捗するとは限りません。
「今ミルクをストップすると、赤ちゃんは干上がってしまい、体重が停滞どころか激減することが予測されるのでそれはできませんよ。」
「今ミルクをストップすると、家事や上の子さんのお世話もあるし、生活が成り立たなくなるからすべきではないですよ。」とSOLANINは理をもってご説明させていただくのですが、
「そんな悠長なこと言ってたら、いつまでたっても完母になれないじゃないですか!」
「里帰りしている間にミルクを止めたいんですけど、このままじゃ無理ってことですか?」と、怒りをぶちまけるキャラのお母さんに遭遇することが、最近続いておりまして辟易しています。
さっさと完母に移行できない自分が許せないのかな?と想像しますが、授乳は母子一体で行うものですし、じっくり待つことは子育てをする上で基本的スタンスなので、(キツい表現で恐縮ですが)こんな初期(≒新生児の母になったところ)の段階で怒りをぶちまけられても、ご自分の未熟性を露呈するだけではないかと思うのですが。
母乳育児について何かを履き違えていらっしゃるとしか思えず、どう説明すれば現状を受け入れていただけるのかと悩むところです。

2014年1月 6日 (月)

おっぱいの後にミルクをあげるのが母乳育児?

これまた俄かには信じ難いことですが、「おっぱいの後にミルクを補足するのが母乳育児だ。」と産院の産婦人科のドクターに言われてそう思い込んでおられたお母さんがSOLANINの勤務先の母乳外来を受診されました。
赤ちゃんは生後93日目でした。

「それは混合栄養で、母乳育児じゃないと思うよ」とSOLANINの勤務先で出産したお友達に言われたお母さんはショックを受けられたそうです。

「何とか私も完母になれますか?」
「おっぱいの後に赤ちゃんが泣くと、やっぱり足りないのかな?と不安なんです。」
「自己流でミルクを減らそうと頑張ったけど、補足を400ml/日から200ml/日までは減らせたけど、そのあとが心配もあって進められないんです。」

この赤ちゃんも是々非々というか、乳頭混乱を起こしていませんでした。
また、満腹中枢が形成期に入ったのか、ミルクを補足しても飲まずに余ることもあるとのことでした。

試しに直母1回量を計ったら106gも飲めていました。
体重は5210gだったので、充分な量を飲めました。
お母さんは少ないと思い込んでおられましたが、そうではないことを説明したら納得してくださいました。

ただ、授乳表を付けておられなかったので、私としては一抹の不安があったので、1週間後の再診までは100~200/日の補足をお願いしました。

再診日、生後100日目でした。
授乳表を見せてもらい私はビックリしました。
大胆にもお母さんはこの1週間補足ゼロで過ごされたことを知りました。
「大丈夫かなぁ~?」と心配だった体重測定をしてみると、5450gにアップしていました。
上手くいって良かったのですが、対応する側としてはヒヤヒヤしました。

2014年1月 5日 (日)

途中から完母に変わることはある3(1歳以降)

厚労省の『授乳・離乳の支援ガイド』にも、離乳食の進みとともに、ミルクは減らしていく旨が記載されています。(ちなみに、おっぱいについては制限しなくてもいいと記載されています。)

1歳まではミルク寄りの混合栄養を余儀なくされていたお子さんで、それでもお母さんはおっぱいをあげたい場合で、お子さんも実はおっぱいが好きな場合、思い切ってミルクを止めても、おっぱいとお食事で充分育ってくれるようになります。

いつかは完母になりたいお母さんで、1歳まではそれが叶わなかったとしても、お子さんのお食事が進めば、ミルクを止めたって差し支えない日は来るのです!
だいたい、WHOやユニセフも、「2歳くらいまでは母乳をあげましょう!」って言っています。
SOLANINもたびたび、「1歳を過ぎてからが、おっぱいライフの醍醐味ですよ~!」と申し上げているではありませんか!

諦めたら、そこで試合終了ですからね♪
周囲には「何故、そこまで頑張るの?」と、なかなか理解してもらえないかもしれません。
母乳育児のモチベーションの維持には、当ブログを何度でも読み返してくださいね。
おっぱい星人は例外的ですが、1歳以降になると、徐々に栄養の主体はお食事に移行し、反対におっぱいやミルクに依存する割合は徐々に減ってきます。

2014年1月 4日 (土)

途中から完母に変わることはある2(離乳食開始後)

赤ちゃんの発達は体重増加が全てではありません。
心ある小児科ドクターであれば、運動機能の獲得や頭囲の伸長の方が優先順位として高いことは承知していらっしゃいます。

識別が難しいことは確かですが、当ブログの過去記事にもあるように、「ゆっくりと体重が増える」タイプの赤ちゃんは、補足はせずに経過観察されることが適切です。
但し、おっぱいの分泌が追い付かず、どうやら真正の「体重増加不良」タイプの赤ちゃんの場合、運動機能の発達に後れを生じたり、頭囲が一向に伸長しないという憂慮すべき状態であれば、やはりミルクの補足は止むを得ません。(これを医学的適応といいます。)

しかしながら、離乳食が開始されると、状況が変わることがあります。
決して急いではいないのに、赤ちゃんが食べることに対して意欲的で、離乳食が順調に進むことがあります。

育児雑誌に書いてある目安量を食べられる赤ちゃんは、実はさほど多くはないのですが、それをペロリと平らげてしまう健啖家の赤ちゃんもいらっしゃるわけです。
そうなると、ミルク200mlの栄養分が、およそ1食分の主食・主菜・副菜・デザートで賄えるようになられるのです。
あっ、重湯を開始した頃ではまだ無理ですよ。
だいたい2回食がしっかり食べられるようになる頃でしょうか。
そうすると、ミルクの補足量が何mlかによりますが、お食事が進めば進むほど、ミルクの減量が実際に可能になってくるわけです。

そして、最終的にはおっぱいとお食事で栄養分を賄えるようになるのです。
理論上は、例えばミルクの補足量が1日400ml迄で収められているのなら、2回食がスムーズに食べられる頃には、それが可能なのですね。
完母になりたいお母さんで、離乳食開始前はそれが叶わなかったとしても、赤ちゃんの離乳食が進み、ミルクの補足が止められたら、こんなに嬉しいことは無いと思います。
諦めたら、そこで試合終了ですからね♪
もちろん、ひとりでは挫けそうになることもあるでしょう。
母乳育児のモチベーションの維持には、当ブログを何度でも読み返してくださいね。

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