☆ポジショニングとラッチオン

2016年5月 1日 (日)

こういう時は、割り切ってもいいのでは?

個人的には乳頭保護器の使用は、安易にしてほしくないのですが、例外的に致し方ないなぁと思うことがあります。

それはですね、おっぱいがジャブジャブ出ていて、搾乳やったらナンボでも出来ますよ~な状態なのに、乳頭形態や赤ちゃんのお口のサイズや哺乳技術等の理由で、直母ではどんなに頑張ってもヒトケタ~10g台しか哺乳できない場合です。

搾乳続けて分泌の維持を図ることも大事ですし、赤ちゃんの成長を待つことも大事ですが、乳頭保護器を使用しての直母(←なんか変な表現ですが・・・)であれば、すんなり哺乳量が確保出来る場合であれば、文明の利器も使いようかなと。
あっ、勿論赤ちゃんがNICU入院中であれば、搾乳は頑張っていただきたいですが、SOLANINがここで申し上げているのは、お母さんと一緒に退院できる健常新生児に対してですよ。
赤ちゃんが傍に居る状態での搾乳はとても大変ですからね。
心の中では、「それでもおっぱいが充分出るんだからいいですやん。」くらいに思っている助産師や看護師さんも少なくないようですが、ホント、休む時間が無くなっちゃいますからね。(涙)

ただ、昨今の乳頭保護器で特にハードタイプと称するモノは、どのメーカーさんでもあきませんね。
赤ちゃんが嫌がるし、被せたところで一向にフィットしてないから、商品として存在する意味があるのかどうか甚だ疑問です。
かといってソフトタイプと称するモノは、例えば乳頭に亀裂が生じている場合は、傷が激化するので使用するのは御法度ですし・・・
ハードタイプも、数年前の昔のタイプだったら結構使える感はあったのですが・・・
いっそ元のタイプに戻してくれたらいいのにね。
数年前から試用しているのは、細口タイプの哺乳瓶に使うタイプの某社のシリコン乳首を乳頭保護器に転用(代用?)する作戦です。
メーカーさんは、そういう使い方しちゃいけませんと仰いますが、上記のような理由がある場合に限り、アリではないかと思う次第です。
但し、試用するのはせいぜい1ヶ月かそこいらで、漫然と何ヶ月も供するモノじゃありませんからね。

2015年12月13日 (日)

窒息しそうで深く咥えさせられない。(新生児母)

<ご相談内容>
深く咥えさせてくださいと指導されましたが、赤ちゃんが窒息するのではないかと心配でなかなか実践できません。
そうこうしているうちに乳首に傷ができて痛くて堪らなくなりました。
母乳分泌は良好で、助産師さんからも「充分足りているからよかったね。」と言われたのですが、この痛みがいつまで続くのかと思うと、気分が暗くなります。
こんなに痛いことが続くならいっそ完ミにしようかと思ってしまいます。
<SOLANINの回答>
深く咥えさせるというのは、赤ちゃんの鼻腔をお母さんの乳房に押し付けることではありませんよ。
それでは上顎と上口唇に圧が掛り過ぎてしまいます。
そのやり方では、乳首の上側に傷が入ったり、赤ちゃんの上口唇中央にでっかい吸啜胼胝(吸いダコ)が形成されたりしますよ。
流石に乳房に押し付ければ赤ちゃんもフガフガさせますしね。
イメージとしては下顎と下口唇をお母さんの乳房にくっつけるようにします。
そうすると上口唇は密着しつつも、鼻腔が塞がらないポジションになる筈です。 乳首に傷が入ると、とても痛いですし、授乳がつらくなります。

深く咥えられていたら、おっぱいが上手に飲めますし、お母さんの乳首の傷も徐々に軽快してきます。
深く咥えられていたら、見計らいで30秒くらい経過したら、乳首の痛みは麻痺ってきたように耐えられるレベルに落ち着きますよ。
その咥えさせ方でいいのかどうなのかは、乳首の痛みのレベルの変化が簡単な指標になりますのでご参考になさってください。
確かに痛みを堪えながらの直母は辛いですからね。
SOLANINも経験があるので理解できますよ。
でも、相談者さんは、母乳分泌が良好とのこと。
痛みに耐えかねて直母断念→完ミへ移行というのは勿体ないですから、咥えさせ方に問題が無いか、今一度助産師に確認してもらっては如何でしょう?
そうすれば、「この咥えさせ方でいいのか?赤ちゃんの鼻腔を塞いで苦しい目に遭わせていないか?」という心配からもさよならできますよ。
 

2015年8月13日 (木)

舌が前に出ない出ない場合の対策その2(新生児)

2015年8月9日の記事で、舌が前に挺出しにくい新生児の吸着対策で、レイバック抱きのご紹介をしましたが、それでも上手くいかないor介助してあげるも不慣れなせいか上手くいかない場合、奥の手(切り札?)があります。

それはですね、生まれて一番最初の方法に戻ればいいのです。
ん?意味が解らないですって?
難しく考えないでいいのですよ。
ある意味、コロンブスの卵ですから。

ジャジャジャジャ~ン、それでは発表します!
当ブログの読者のみなさんはSTSってご存知ですよね?
そう、Skin To Skin Contact(早期皮膚接触)ですな。
あれです、あれ!
段取りを説明しますね。
まず、お母さんには仰臥位(あおむけ)になっていただきます。
ベッドの背もたれの角度は120度どころかフルフラットに近い状態にします。
赤ちゃんの位置取りはお母さんの乳房に対して斜めです。
決してお母さんの身体の真上に真っ直ぐとか、お母さんが側臥位になって赤ちゃんと対面する添い乳的な位置取りは致しません。
つまり、左乳を吸着させるには、赤ちゃんの脚はお母さんの右腰になるようにセットします。(右乳の吸着ならば、赤ちゃんの脚はお母さんの左腰ですな。)
乳頭が扁平であってもなくても、乳房はむんずと掴ませていただきます。
Cホールドみたいに吸い口を作るのは必須ですよ。
そんでもって、昨日の記事と同じような感じで、吸着のためのサポートをすればいいのです。
頑固過ぎてお手上げ状態のイラチちゃんの新生児であっても、真下を向けば嫌でも舌は前に挺出します。
なので自然に巻き付けが出来ます。
複数回の実施をしなくてはならないこともありますが、基本的に舌が前に挺出しないのを克服するには、成功体験させるしかないとSOLANINは考えます。
コツさえ掴めば、新生児は出来るようになりますよ。
逆上がりや自転車のコマ(補助輪)外しと同じです。

えっ、しゃがんでの介助は腰が痛い?
そんなもの、ベッドの高さを上げればいいじゃないですか!(介助後は腰掛ければ足裏が床面に付く元の高さに戻しましょうね。)
転倒転落?
ベッド柵を挙げておけば済むことです!(介助している部分だけは、介助者がベッド上に半身乗り出しているので外さざるを得ませんが、傍に付いて支えていれば、新生児がゴロリと落下なんてことにはなりませんよ。)
後は、新生児の鼻腔が塞がらないようにだけは注意してくださいよ!(これも傍で見ていれば分かることですよね!)
それと、新生児の脚は伸展させないように気をつけましょうね。(万一のSPO₂低下防止のためですな。)
入院中に直母が出来るような介助をしてあげてください。
この記事は、まぁ言ってみれば、SOLANINからのお盆の手土産です♪(笑)

2015年8月 9日 (日)

舌が前に出ない出ない場合の対策その1(新生児)

舌小帯短縮症の新生児、啼泣時舌が跳ね上がり衝立のようになってしまいがちな新生児、呼吸障害などの病名で小児科入院になった新生児たちは、乳房緊満前であっても舌が前に挺出しにくく、効果的な吸着が出来ないことが多いものです。
特に哺乳瓶未使用で、どう考えても乳頭混乱ではないのに、効果的な吸着が出来ないことがあります。
それはですね、それらの案件に加えて、元々気質的にイラチちゃん(≒気短かで癇癪持ち)なせいだと思われます。
案件+舌が前に挺出しにくいイラチちゃんの新生児は、お母さんのおっぱいをまともに吸啜することは皆無に近く、ほとほと困ってしまいます。

当ブログではこれまで、こういう場合は縦抱きを推奨してきましたが、それでもアカンという場合が昨今増加傾向にあるとの報告を受けたりします。
必然的にお母さんもブルーになっちゃいますが、授乳のお手伝いをする助産師や看護師さんも、「どうしたら上手くいくのか分からない。(涙)」ってなことになりがちです。

そんな時は、レイバック抱きがいいですよ♪
ハイバックの背もたれのあるソファや120度くらいの傾斜のベッドで縦抱き風にするのです。
通常の縦抱きは、お母さんは背筋を伸ばして、若干胸を反らしつつ赤ちゃんの後頸部をしっかり把持して下顎と下口唇が乳房下縁に密着するよう引き寄せますが、レイバック抱きの際は、吸着するまでは後頸部の把持はしますが、その後はお口が外れないように上腕でマリア様のように支えるだけです。(上腕の下側にはクッションなどをカマして、肩に力が入らないようにします。)
新生児はお顔が斜め下向きになりますが、そうすると、かなりの確率で舌が前に出易くなるので、吸着出来るようになります。
他に方法が見当たらない場合は、ひとまず試されては如何でしょうか?

2015年1月26日 (月)

乳輪がツートーンなのに、乳頭・乳輪鵞口瘡じゃないの?

SOLANINは過去記事で、乳頭・乳輪鵞口瘡になると、患部とその周辺の乳頭・乳輪の色が変わり、ツートーンになることを書きました。
それは間違いありません。
そしてその場合、灼熱感のある痛みを伴ったり、乳頭側面にクラックが入っていて、時にはそこから黄色い滲出液が見られることもあります。

では、乳頭・乳輪鵞口瘡でもないのに乳輪の中央と周辺で色が変わり、ツートーンになるのはどんな場合なのでしょうか?
月齢で言えば1ヶ月以上経ったし、赤ちゃんのお口が生まれつきおちょぼ口ではないのに、ラッチオンが上手く出来なくて、1回あたりの哺乳量も少なめで、要するに浅飲み状態が固定化している場合です。
勿論、乳輪の面積は人それぞれですから、相対的に浅飲みになることもあるかもしれませんが、いわゆる普通サイズの乳輪なのに、赤ちゃんも3500gとか4000gを越えてもなお、乳輪の中央と周辺で色が変わり、ツートーンになっているのですね。
そしてその場合、灼熱感やクラックや浸出液は無縁であることが大きな違いです。
 

対策としては、圧迫授乳がお勧めです。
恐らくそうするしか他に改善の手段は無いと思われます。圧迫授乳といってもやり方はひとつではないので、近日中にアップする記事でその説明をしますね。

2015年1月25日 (日)

添い乳のフィット感を高める簡単な方法。

相談内容>
◆赤ちゃんに添い乳をしたいのですが、私の乳房が小さめなのかもしれませんが、添い乳する時、赤ちゃんの口の高さと、乳頭の高さが合わなくて、出来無くて困っています。(新生児の母)

◆添い乳をして寝かしつけているのですが、どうしてもラッチオンが浅くなり、乳首が痛くなるので困っています。(3ヶ月児の母) 

◆赤ちゃんに覆いかぶさるようにして添い乳していたら、不自然な姿勢だったのか、腰を捻ったようで痛いです。添い乳はラクだと言われるけれど、腰が痛いのは困りました。(6ヶ月児の母)

<SOLANINの回答>
はいはいはい。
多くの方が実践され、しかし、不思議なことに様々な面で意見の割れるのが添い乳でもあります。
例えば、「したい」VS「出来ない」
「ラクだよ」VS「腰が痛いよ」
先日の記事は、価値観に関することでしたね。
「寝かしつけには打ってつけだよ」VS「寝かしつけるためであっても癖になったら困るのでは?」ってな論調で、多くの意見が出ましたね。

う~ん・・・この違いって何なのでしょうね?
それはですね、最も適した方法を教えてもらっていないからではないかとSOLANINは睨んでいます。
これら月齢の異なる3つのご相談を一気に解決するのが、これからお話しするやり方です。
 

とっても簡単。
だって横向きに寝かせる赤ちゃんのカラダの下に、四つ折りにしたバスタオルを適宜(赤ちゃんの体格にもよりますが、およそ2~3枚)敷けばいいのですから。
後は横向きの背中を支えるクッションやバスタオルを丸めたモノ。
嘘だと思ったらやってみんしゃい!

2015年1月23日 (金)

おちょぼ口のせいで、補足している場合の克服のための裏ワザ。

それなりにおっぱいの分泌は有るとは思うけれど、いかんせんおちょぼ口のせいで、直母だけでは月齢相当の赤ちゃんの体重増加が得られない場合、搾乳やミルクの補足をすることになります。

SOLANINの勤務先では、搾乳やミルクの補足はシリンジですが、多くの読者さんの方の場合、シリンジが入手出来ないこともあるかと思います。

そうなると、止むを得ず哺乳瓶での補足となりますが、絶対に使ってほしくないゴムの乳首は、P社の「母○実○®」です。
過去記事にも書きましたから、ご記憶のある読者さんも少なくないと思いますが、特に正常新生児で、アレを使って乳頭混乱を来たし、直母不能になり、完ミになってしまった方も居るくらいですから、君子危うきに近寄らず・・・と、肝に銘じてください。

これだったら大丈夫かな?というゴムの乳首は、同じP社の「母○相○室®」です。
パッケージに小さな文字で書かれていますが、“直接授乳訓練用乳首”というフレーズ、ご存知でしょうか?

過日、正常新生児で、おちょぼ口のせいで直母困難で、P社の旧式のハードタイプの乳頭保護器で授乳中のお母さんがいらっしゃいました。
上下の口唇も内側に巻き込むし、下手っぴちゃんでもありました。
2週間健診時の体重増加が1ケタ/日で、直母4gしか飲めず、補足が必要でしたが、何故かお渡ししたシリンジを使われず、これまたP社の旧式の細口の哺乳瓶でミルクを補足していらっしゃったそうです。
ちなみにすぐ上の子さんとのタンデム授乳中だったので、おっぱいの分泌維持は上の子さんが担当するという異例のタンデム授乳でした。
もちろん私は再診をするようにお伝えしましたが、お忙しいのかされず、1ヶ月健診時までのミルクの補足は自己判断で、700ml/日という状況でした。
結果、赤ちゃんの体重増加度は、2週間健診から80g台/日と、べらぼうな状態で、小児科ドクターから「いくらなんでもミルク補足多過ぎです。母乳外来でしっかり診てもらうように。」と注意されたそうです。

で、遅ればせの再診・フォローとなったのですが、ミルク補足が多過ぎて、気がつけば赤ちゃんは5kg超えに育っていました。
普通、5kg超えれば、かなり直母は上達している筈なのですが、下手っぴぶりは、全く変わらずでした。
典型的なボトルマウスでした。(汗)

しかし、哺乳瓶を「母○相○室®」に替えてもらい、ミルクの補足を体重増加を見計らいながら徐々に減量して行く方針だったのですが、3週目でP社の旧式のハードタイプ乳頭保護器を離脱し、直母が出来る段階まで進捗されました。
その日、真横で直母の様子を診させていただいたのですが、これが同じ赤ちゃんか?というくらい、上手になっているのでした。
お母さん曰く、「哺乳瓶を変更してから、大きなお口が開けられるようになってきたんです。」とのこと。
他に変わったことはしていないので、私もそれが上達のきっかけだとしか思えません。
おちょぼ口のせいで、直母だけでは体重増加が見込めず、搾乳なりミルクなりの補足せざるを得なくて行き詰まっている方、哺乳瓶を変更されてみませんか?

ちなみに、このお母さんは、上の子さんにも言い聞かせてもらい、これからは赤ちゃん中心のタンデム授乳にしていかれるそうです。
ミルクの減量も進み、現時点で100ml/日です。
完母まであと僅かになってきました。

2015年1月22日 (木)

向き癖を意識したポジショニングとは?

程度の強弱には個人差がありますが、赤ちゃんは生まれて仰向けに寝かせた瞬間右か左かのどちらかに向き癖があることが見て分かります。
と言うのも、新生児は頸が据わっていないから、仰向けで真っ直ぐ上向けというのは、出来なくて当然なのです。

程度が弱ければどうということはないのでしょうが、程度が強いと直母する時、上手くいきません。
向きにくい側のほうは、頸が痛いのと、大きなお口を開けることが出来ないからです。
「えっ、そしたら向き癖の強い赤ちゃんは直母が片方しか上手くいかないの?」と画面の向こうで思ったあなた、半分正解・半分不正解です。(笑)
どういうことか?
向き癖というものはやがて目立たなくはなってきますが、そうなるまでにどう手を打つか?で上手くいったり・いかなかったりするからです。(なんだか禅問答みたいな文章になってきましたね。分かりにくいかも、いかんなぁ。)
 

???だと思いますので、具体例をあげます。
例えば右向きが好きな赤ちゃんの場合(これは赤ちゃんの自身から見て右側ということです。念のため。)、お母さんの右側のおっぱいにラッチオンさせるには交差横抱き(真横抱きともいう・・・お母さんと赤ちゃんのおなか同士をくっつけるというスタンダードな抱き方で良いと思います。)で、左側のおっぱいにラッチオンさせるにはフットボール抱きにするのです。
つまり、赤ちゃんの向き癖に逆らわないポジショニング(下から上に掬うように)をすれば、ラッチオンは上手く出来るのです。
左右を交代する際は横方向に赤ちゃんのお口をスライドさせる感じです。
向き癖に逆らわなければ、赤ちゃんはしっかりと大きなお口を苦もなく開けることができるからです。
もちろん、赤ちゃんの下顎と下唇はお母さんの乳輪に密着し、鼻腔が塞がらない角度で、後頸部をきちんと支えることは言うまでもないのですが。
あくまできちんと支えるのであって、強い力で挟むように握るのではありませんよ。
赤ちゃんが痛いですからね。
握力の強い方、注意してくださいね。
また、可能であれば、赤ちゃんのお口の中心方向と同じ向きで、後頸部を支えているのと反対側の手で乳房を大きく外側から把持してくださいね。
より一層、深く効果的にラッチオンできますから。

但し、向き癖に逆らわないという点については一致していますが、21トリソミ―の赤ちゃんは、右向き癖があっても、右側のおっぱいはフットボール抱き、左側のおっぱいは横抱きに、赤ちゃんが斜め下方向を向いている方が、上手くいくきやすいようです。

2015年1月21日 (水)

さて、【正しい立て抱きの方法】とは、いかに?

思いのほか【正しい立て抱き】について、知りたいというコメントが多かったので、早速記事にします。
コメントの知りたい内容ではでは「赤ちゃんのお口と乳首の高さが合わない。」「頸の支え方が判らない。」「背筋が曲がって苦しそう・アクロバティックな姿勢になってしまう。」などに集約されていました。

それでは、注意ポイントを書きますね。
①ソファか椅子に腰かける。
②赤ちゃんはお母さんの太腿に跨らせる。
③お母さんの乳首を見上げるように赤ちゃんの後頸を支える。
④赤ちゃんの後頭部が下がるようにして、決して後頭部は支えない。
⑤後頭部を支えると赤ちゃんの口がお母さんの乳首に水平若しくは上から咥えるように俯いてしまいがち(特に頸が据わっていない月齢の赤ちゃんの場合)なので、これでは絶対に吸いつけないからしてはいけない。
⑥乳房の把持は乳房と同側の手で、親指と人差し指をC字型になるようにする。(ラクテーションコンサルタントの先センセイ方が仰るトコロのいわゆる“Cホールド”と考えてもらって差し支えありません。)
この時、乳房の先の方を把持するのでなく、乳房基底部に人差し指が添うように少しリフトアップしたようにします。
親指は、乳輪の上のほうをグッと押さえ、赤ちゃんの鼻腔が塞がらないようにしてね。
⑦例えば右の乳房を左手で字型に把持しようとすると、内側で把持することになりますね?そうすると、左手の人差し指が邪魔になり赤ちゃんが正しくラッチオン(=吸着)出来ません。右の乳房を外側から左手で把持することは不可能ですね?
⑧O式のセンセイ方歯授乳中に乳房を把持することを止めるように仰る方が多いようですが、私はC字型に把持することで、授乳介助中にいわゆる乳管洞(これは、ラクテーションコンサルタントのセンセイ方は“乳管洞というものは存在しない。”と仰いますが、説明がしにくいので、敢えてこの言葉を使用します。)が乳頭方向に前進するような感覚が得られます。
つまり、C字型に把持することで、正しくラッチオン出来るから哺乳量が増えるのですな。
⑨赤ちゃんの座高が高くなると、高さが合わなくなりますが、それは、お母さんが太腿の高さを下げればいいだけのこと。
だいたい、立て抱きにする時ってちょっとチカラ入ってるから、自然に太腿の位置が高くなりがちなんです。
脚を投げ出すように足を前に出せば太腿の位置が下がりますよね?(コロンブスの卵ですな。)
⑩赤ちゃんは逆エビに反っても多少は大丈夫なんです。太腿の位置を高くしてカラダを丸くして胃を圧迫するような姿勢をとるから嫌がるんです。
太腿の高さに注意しましょう。
⑪後頸部を支える手にチカラを入れないこと。ギュ~っと持ったら痛いから。赤ちゃんがお母さんを見上げる角度で支えればいいんです。
赤ちゃんのお口がお母さんの乳首からすっぽ抜けないようにすればいいだけです。
⑫それよりも大きくなり、つかまり立ちが出来るくらいなら、お母さんの太腿の間に赤ちゃんのカラダを挟み込み、後は同じようにして支えて飲ませます。
⑬歪めず、つぶさず、適切な吸啜が出来たなら、乳首は痛くないし傷も付きません。
外した時も、乳首のカタチは変形しません。
是非お試しくださいね。

2015年1月20日 (火)

哺乳技術の改善方法は?

<ご相談内容>
2009年9月26日の『乳腺炎になりやすい体質ってあるの?』の記事に質問がありました。
「自分の赤ちゃんは浅飲み・つぶし飲み・歪め飲みのようです。では、どうすれば改善出来るのか?」

<SOLANINの回答>
う~ん。
文字による説明は難しいなぁ。
でも、ポジショニングを変えたら上手くいくことは多いです。
母乳外来の助産師に【正しい立て抱きの方法】を教えてもらいましょう。
乳房が大きいお母さんでも敢えて立て抱きにしてください。
私が勤務先の母乳外来で吸啜困難な赤ちゃんの哺乳トレーニングをする際は、全て立て抱きにしています。
赤ちゃん要因で舌小帯短縮症であっても、お母さん要因で乳頭が陥没型であっても ・・・です。
【正しい立て抱き】の方法が知りたい方はコメント欄にご意見をくださいな。
経験的に一番早く、吸啜が上手になるように思いますが全国の母乳育児支援関係のみなさんはいかがですか?

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