☆赤ちゃんの生活リズムと環境

2015年2月 3日 (火)

何のための省エネなのか?

~この記事の内容は、SOLANINの住まいから遠く離れた、知り合いの助産師からの又聞きです。~

正常新生児として生まれ、問題なく退院され、退院後は、2週間健診まで一歩も外出したことがないのに、低体温になった赤ちゃんがいらっしゃったそうです。

単純なことですが、退院後のお住まいが寒かったからです。
山間部にお住まいで、冬場で雪がちらつくような気候なのに、お母さんの話によれば、
「夜間は省エネで、暖房用のエアコンを切っていた。」そうです。

「昼間はエアコンを付けていたので、寒暖計は20℃はあったと思います。」
と、お母さんは仰ったそうですが、昼間でも授乳時は肌寒く、カ―ディ―ガンや半纏が手放せなかったとのことです。
ということは、いわゆる体感温度は20℃ではなかったと推察されます。
恐らく、カ―ディーガンや半纏を着ないと肌寒いという状況は、せいぜい18℃です。

百歩譲って、オトナはそれでいいかもしれません。
でも、新生児には耐えられない寒さである場合も否定できません。
ちなみに、その赤ちゃんは来院時に皮膚温が上手く測定できず、おかしいな?ということで、直腸温を測定したら、33.8℃だったそうです。
当然ですが、その赤ちゃんは哺乳力も減退し、活気に乏しく、体重は退院時から激しく減少していたとのことです。
しばしば、SOLANINが記事中で言うトコロの「寒中我慢大会に参加中」という状態だったのですね。(怖)
(知人の助産師は一瞬、虐待を疑ったとか。)

「正常新生児だったら、体温維持のための褐色細胞があるのでは?」
ですって?
そりゃあ、ありますよ。
でも、いつまでもあるわけじゃないのですよ。
大体ですが、長くみて2週間がリミットでしょうね。

もちろん、冬場だからといって、闇雲に室温を上げて、赤ちゃんに汗疹が出来るほど暖かくするのはどうかと思います。
しかし、マジで赤ちゃんの生命が危ぶまれるような
省エネって、どんな意味があるのでしょうか?
根本的なトコロで、何かが掛け違えられているような気がしてなりませんでした。
知人の助産師は、コンコンとそのお母さんを説教して、新生児にとって保温がどんなに大切かということを説明したそうです。

2014年12月17日 (水)

新生児の低体温にご用心!

他の季節ではまずお目にかかることは無いのですが、こと、冬になると低体温症になってしまう新生児が出現することがあります。
(低体温症の定義は直腸温が35℃以下に低下した状態です。)

今更ながらですが、新生児の腋窩の体温は36.5~37.5℃と、オトナよりも0.5℃ほど高めであることはみなさんご存知かと思います。(参考までに、直腸温は腋窩で測定する温度よりも若干高いのが普通です。)

しかしながら、低体温症の新生児が出現するということは、保温の重要性を聞いてはいても、自分には関係ない話だと思い込んでいらっしゃるのか、今一つ真摯に受け止めていただいていないからなのでしょうね。
「お家の中に居るのだから体温が低くなる筈がない!」
「暖房しているから大丈夫!」という過信があるのでしょうね。
隙間の多いお家にお住まいだったり、断熱性の低い古いお家に里帰り中の場合、低体温に注意してください。
該当者のお母さん、毎日最低2回は新生児の体温測定をしていらっしゃいますか?
お部屋の温度は常に20℃をキープ出来ていますか?
お母さんがフリースや半纏を着ないと寒かったり、靴下を履いても足先がなかなか温かくならない時は、多分20℃未満の可能性大です。
赤ちゃんがネンネをしているお布団にはアンカや湯たんぽを入れていますか?
体温測定され、仮に36.5℃あったとしても、前腕や脛や脹脛(ふくらはぎ)がお母さんの手よりもひんやりしていたり、前腕や脛や脹脛が紫色になっていたら、新生児は、寒中我慢大会に参加中ということになりますよ。

低体温がなぜいけないのかと申しますと、酸素消費量が増加して代謝性アシド―シス(血液のpHが酸性に傾いた状態)になりやすいからです。
そうなるとかなり体力を消耗しますから、新生児は元気がなくなり、おっぱいも飲めなくなってしまいます。
進行すれば不整脈が出現したり、意識が混濁してきたり、痙攣を起こすこともあり、決して大袈裟ではなく生死を彷徨うこともあります。
「新生児には褐色脂肪細胞があるから、熱産生ができるのではないか?」と、仰る方もいらっしゃるようですが、それには限りがありますからね。
使い果たしたら“そこで終了”なのですよ。

新生児が必死にならなくても体温維持が出来る環境を整えて行きましょう♪

2014年11月 1日 (土)

新生児のお部屋、寒くないですか?

2週間健診を受診された新生児ちゃんのうち、体重増加度の振るわない赤ちゃん(18g未満/日)が増えてきました。
もちろん季節を問わず、体重増加度の振るわない赤ちゃんはちらほらおられますが、寒くなるとともに、出現率がアップしてしまいます。
もちろん、「効果的な吸着」で「頻回直母」をすることは言うまでもありません。
「乳管の開通良好」で「乳汁分泌も標準以上にある」ことも必須条件です。
さらに「お母さんにも新生児ちゃんにも基礎疾患が無い」ことが前提です。

新生児は(まぁ、赤ちゃん自体がそうですが・・・)体重に対して体表面積が大きいのです。
これはつまり、体熱が逃げやすい構造なんですね。
新生児室の室温って知ってますか?
SOLANINの勤務先の場合、夏で26℃、冬で24℃です。
その室温で赤ちゃんはレンタルの肌着と上着の縫い合わさった着物を着ています。
掛け物はバスタオル半折にしたものと、キルトの薄掛けをかけ布団代わりにしています。
それに、ソフトあんかを点けて体温が36.5~37.5℃の平熱を保てます。
新生児期といっても、早期(1週間以内)と晩期(生後1~4週間以内)に分類されますが、いずれの時期でも体温調節機能は未熟です。
想像している以上に新生児には保温は大事なのです。
仮に体温を平熱で維持していても、それが必死の努力で維持できている状態(=つまり、寒さの我慢大会状態)ならば、成長にエネルギーが回らないような現象が生じると考えます。
室温や着物を調整するだけで、念のために再診してもらったところ、急激に体重増加度が改善することが充分に有り得るのですね。
 

ポカポカしている方が赤ちゃんの寝つきも良いようですし。
汗疹の出来ないくらいの、温かさを心がけてやってくださいね。
室温20℃で、着物3枚着せて冬は丁度です。
ちなみに母乳外来のお部屋も24℃あります。
私は年中、半袖の上着と長ズボンで過ごしています。(常春です♪)

2013年12月17日 (火)

上に体育館でのスポーツ系習い事をしているお子さんがいらっしゃる方ご用心。

上にお子さんがいらっしゃって、習い事をしていると、産後1ヶ月経たないうちから送迎をされることもあるかと思います。

その時充分過ぎるくらい気に掛けてほしいことは、寒さの厳しくなるこの時期は1にも2にも保温です。

ピアノや英会話やリトミックなどインドア系の習い事であれば、終わるまで待つ場所もインドアなので、そこそこ暖かいかもしれません。

しかし、いわゆるスポーツ系の習い事であれば、恐らく温水プールのスイミング以外はめっちゃ寒いと思います。
保護者が陣取れる場所は、器具庫の傍とか、アリーナ席とかですが、玄関のドアが開く度に寒風が吹きすさび室温が更に低下します。
赤ちゃんの授乳の際は、自家用車に戻ってヒーター付けられるとしても、冬の体育館は、国際大会や全国大会に供されるようなエアコン付きの一部の例外を除き、カラダの芯から冷えまくります。

学生時代、学校や地域の体育館で部活や試合を経験した方は憶えていらっしゃるかと思いますが、冬の体育館って、ボア付きのナイロン系のロングコートを着ても、ちっとも暖かくないでしょう?
応援や観覧のためにプラスチック製の椅子席に座った瞬間、お尻がキュンと冷えませんでしたか?
あの椅子席に座って座面が温まるまでにカラダの体温が奪われる感覚ってありませんでしたか?
冷たい椅子席に座るには絶対に座布団が欲しいし、携帯カイロや膝掛け毛布などで防寒しないと、足先の感覚が麻痺してくることだってあります。
スキー場やスケート場も確かに寒いですが、冬の体育館の寒さレベルも五十歩百歩ですよ。

そんな場所に赤ちゃんを連れて行ったらどうなるか?
下手をすると、低体温症になりかねませんよ!
短肌着・コンビ肌着・カバーオールの3枚着せて、おくるみ着せて、靴下履かせて、帽子被せて、携帯カイロや湯たんぽして、移動用ク―ファンに寝かせて、毛布着せても、36.5℃を維持できないかもしれません。

赤ちゃんにはふさわしくない場所、それが冬の体育館です。
産後間もないうちに、それでもどうしても行かなくてはならないなら、赤ちゃんはどなたかに預けた方が余程いいです。

2013年12月 7日 (土)

保温の重要性が理解して頂けなくて困ります。

特に上の子さんが桜の花が咲く頃から木枯らしの吹く迄の暖かい気候(夏だったら暖かいじゃなくて暑いですな・・・)の時期にお生まれになっていると、ビックリするくらい新生児の保温に無頓着なお母さんがいらっしゃいます。
しかも、かなりの割合で存在しているようです。

そのお家の部屋割りの都合で、家族全員が同じ部屋で雑魚寝もとい川の字に寝る場合、新生児にマッチした室温(今の時期ならば概ね20℃以上)に設定すると、上の子達には暖か過ぎて、やたら寝相が悪くなりがちです。
掛け布団は蹴飛ばすわ、敷き布団の無い場所に転がって行くわで却って寝冷えが心配になることもあるかと思います。

だからと言って、上の子達に合わせてお部屋の設定温度を下げたせいで、新生児が寒さに震えていたり、体温維持にエネルギーを使い果たしていい筈がありません。
お部屋の設定温度を下げるなら、まずは新生児を温かくしてあげましょう!
例えば毛布などに包んだり、アンカや湯たんぽの暖を取ることができるようにしてあげるのは必須ですよ。
布団に入ってぬくぬくしている筈なのに、新生児の足裏が紫色だったり、異常に冷たい場合は要注意です。

元気に生まれて退院した新生児が、お家が寒かったせいで弱り切ってしまい、おっぱいを飲むスタミナ切れを起こしたり、体重増加不良になっては元も子もありませんからね。
SOLANINは(こういう表現はキツいかもしれませんが)、寒い時期なのに新生児の保温を疎かにするお母さんは虐待予備軍だと思ってしまいます。

2013年10月 3日 (木)

赤ちゃんには靴下は履かせなくていいと思います。

歩くようになって、靴を履くような段階ならともかく、新生児であっても、それ以降の赤ちゃんであっても、おしゃれや外出時の防寒以外つまり普段室内で靴下は履かせる必要はないです。

しばしば言われることですが、赤ちゃんは手足の先で体温調節をしています。
室温的には大抵の病産院の新生児室は24~26℃ですが、ご家庭では季節を問わずこの室温を保つのは難しいので、私は退院指導の際は今の季節ならば20℃にしてくださいと、お母さんたちにお話ししています。
病院で赤ちゃんは2枚着てますから、およそ4℃下がれば衣服気候(家庭科で習いましたよね?)的に新生児には1枚増やせばいいのですね。

寝かせている時、寒いかどうかは体温測定すればいいですが、それ以外に様子を知るための手っとり早い方法は赤ちゃんの手足を触ることです。
それも手首足首の先を触って冷たくても、正しいジャッジは出来ません。
それよりも中枢側つまる前腕や脛を触って、冷たければ室温設定を上げるか、布団を着せるか、行火や湯たんぽをするか、1枚多く着せるかすればいいのですね。

ちなみに赤ちゃんの靴下は非常に脱げ易いですね。
あれは、赤ちゃんの足裏にはまだ土踏まずが出来ていないから、フィットしそうでしないからです。
なので、外出時は片方だけ靴下を落とし易いので気を付けましょうね。

2013年2月27日 (水)

赤ちゃんのネンネしているお部屋、寒くないですか?

新生児は体温調節が未熟です。
そんなことは、とっくに承知していますよ・・・ですか?
まず最初に押さえておきたいのは、新生児の体温(いわゆる平熱)が、36.5~37.5度であることです。

それはみなさんご存知ですよね。
赤ちゃんは暑い・寒いを訴えられませんから、いつも傍に居るお母さんが気にかけてあげましょう。
沐浴の前と、後もう1回くらい(可能であれば半日くらい間隔を空けて)は体温測定してくださいね。
体温を計らない時でも、手首・足首よりも、カラダの中心側(つまり、腕ならば前腕、脚ならば脛や脹脛)を触ってみて、お母さんの手よりも冷たくなっていないか、確認してください。

仮に36.5度以上の体温があっても、それらの部位が冷たかったら、赤ちゃんは不本意にも「寒中我慢大会」に参加していることになります。

速攻で温かくしてあげてくださいね。
将来サッカーでもさせたいくらい脚のよく動く赤ちゃんは布団を蹴り飛ばすので、レッグウォ―マ―をしてあげるのもいいですね。
新生児ちゃんと一緒に退院されたお母さんに是非とも体感していただきたいことがあります。
赤ちゃんとお母さんが過ごすお部屋が暑すぎたり寒過ぎたりしないかということを確認してほしいのです。
寒暖計をチェックするはもちろんですが、退院間際まで着ておられたパジャマをお家に帰って直ぐに着替えてほしいのです。

着替えた状態で「なんだかパジャマ1枚では寒いわね。カ―ディガンか半纏でも羽織りたいくらいだわ。病室は今よりも暖かかったわ。」と感じる場合、ハッキリ言って赤ちゃんのお部屋としては寒いです。
暑がり屋さんのお母さんで、「病室は暑いくらいだったけれど、お家の室温が丁度だわ。」と感じる場合も、赤ちゃんのお部屋としては寒いです。

体感温度に着目してください。

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