赤ちゃんが生まれると、上の子さんの環境はガラッと変わります。
そもそも、お母さんと何晩も離れて過ごす経験はそれまでの人生には無かったことですし、退院日でなければ面会に行ってもその場でお母さんを連れて帰ることは出来ません。
お母さんのお膝は自分が座るため、お母さんの腕は自分が抱かれるためにあるものだとばかり思っていたのに、そこには小さな赤ちゃんが居る光景を目の当たりにすると、ショックで泣き出してしまうこともあります。
寂しい・悲しい・悔しい…様々なネガティヴな感情がどっと押し寄せて来ます。
そんな上の子さんの気持ちを慮って寄り添ってあげること、赤ちゃん返りを受け止めてあげることは素晴らしいことです。
しかし、赤ちゃんへの授乳だけは疎かにしないでいただきたいです。
新生児が眠っているのをいいことに、3時間以上授乳間隔を空けることはご法度ですよ。
おっぱいで充分育つことが分かっているのに、上の子さんに対応するために新生児におっぱいをあげずに他の人に頼んでミルクをあげてもらうのは母乳権の侵害ですよ。
上の子さんを気遣うのは良いですが、その反動で新生児を蔑ろにしないでください。
旦那さんや祖父母や、それこそ保育園の先生やファミサポさんの助力を得ながら、上の子さんのお世話をお願いしつつ、新生児と上の子さんへの関わり方の配分を考えてください。
どうしてもお母さんじゃないと出来ないことはなんでしょう?
直母ですよね?
上の子さんの寝かしつけをお母さんじゃないと出来ないことに挙げられる方がいらっしゃいますが、それはちょっと違います。
寝かしつけは産科入院中はお母さん以外の方でも出来たわけです。(切迫早産で入院中の経産婦さんは、もっと前から上の子さんの寝かしつけを家族にお願いしていらっしゃっています。甘えん坊でもわがままキャラでも環境に順応することは、実は子どもには出来ることなのです。)
喋れる(orある程度意思表示が出来る)上の子さんへの対応は、出来る限り周囲の方に助けていただきましょう。
全部お母さんだけで丸抱えしようとするからしんどくなってクラッシュしちゃうんです。
子育てはお母さんの周囲の方も巻き込んでナンボですよ。
上の子さんへの対応で周囲の方にしてもらえることは、甘えちゃっていいんです。
寝かしつけに付き合えないなら、それ以外の時間に上の子さんがウザがるくらいハグしてあげてください。
スキンシップが充足していると、気持ちも不安定になり難いし、スキンシップの最中に囁きかけてあげることで、「お母さんは自分のことを嫌いになったわけじゃない。間違いなく愛してくれている。だけど、赤ちゃんのお世話はお母さんがしなくちゃならないから、自分の傍にいつも居られるわけじゃない。仕方ないこともあるんだ。待たなきゃならないこともあるんだ。」ということを徐々に理解してくれるようになります。
上の子さんへのハグ&囁き作戦は、妊娠中からされると更に効果的だと思います。